最新の観てきた!クチコミ一覧

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ka-e-lu

ka-e-lu

多少婦人

しもきた空間リバティ(東京都)

2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

ゆるゆるな不思議感!
「多少婦人」 の芝居は案外好みだったりする。何故ってそこには「隙間」があるからだ。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

第一話 「帰郷のすすめ」作・演出 酒井雅史

出て行ったきり音信不通だった娘(長女)が二年ぶりに突然帰郷してみると、赤の他人が自分の部屋に住んでる。しかも家賃も取ってなくて家族のようにふるまってる。自分の居場所がないと怒った長女は出て行こうとするが、話をよく聞くと、長女の部屋は居間に移したという両親。両親は長女が居なくなった心の隙間を埋めるために二人に間貸しした、というお話。
両親も間借りしてる二人もなんだか違う世界のような人たち。ゆるゆるで呑気な会話が面白い。心の隙間がテーマ。


第二話 「無節操にひっくり返る。ならばせめて美しく。」作・演出 酒井雅史

インタビュー調査で集まった5人。この5という数字が実に微妙なのだ。奇数だから割り切れない。割り切れないから多数決が成立しちゃって既に戦いのゴングは鳴っていた。笑
インタビュー調査のマニアらしき女二人が司会者そっちのけでグループアンケートを支配しようと勝負する。「このアンケートは勝ち負けじゃあないんです。」と司会者が説得するも、多数決に拘る二人。笑
勝ちそうな意見のほうに付きたがる女が風見鶏のように向きを変える時の言い草が面白い!


第三話 「ガネーシャ・トランスポート」作・演出 渡辺裕之

医療ミスで脳死状態になってしまった妻の臓器移植をめぐって医療現場で起こる黒い戦い。臓器移植コーディネータと一部のドクターたちが妻の臓器移植を積極的に行おうとする。その裏にはさまざまな思惑と贈収賄があるが、一方で妻を生き返らせようと胸に張った3文字の言葉遊びによって「起きる」までを完成させる。

ヒンドゥー教における象の頭部を持つ神ガネーシャ役に喜屋武由美子。
喜屋武が鼻に付けた象の鼻と耳がお見事!(0^)
この物語が始まる時、会場全体を真っ暗にしてホラー的に観客を怖がらせるシーンがあって、「皆さん、右側の暗い端っこの方に何かいませんか?」なんて凄ませる言葉には、「こりゃ、面白くなるぞっ!」なんてホラー好きのワタクシなんか卒倒しそうなくらい、ドキドキワクワクしちゃったわさ。
も、もしかしたら・・薄いゴム膜の向こうからトカゲの顔が押し付けられてるんじゃ・・(・・!)とか、そのうち、急にゴム膜を突き破っていきなりトカゲが顔を出し、三角の両目が獲物の虫(観客)を見つけて光ったり・・たり。。なんて想像したけれど、始まってみるとホラーではなく不条理劇に近い。
それでも白いベッドを囲んでブラックジャックの如く6人の医師が歌を歌うシーンは非現実的だ。現実と非現実の隙間みたいな設定が面白いし、その光景を見ながら楽しむわんぱくガネーシャ神の仕草もいい。
ただ3文字をはめ込みながら無理に繋げていく言葉遊びの場面は退屈だった。そんな事をするなら思いっきりホラーにしちゃってよ。と言いたかった。笑
最後に妻の為に自分を犠牲にした夫は妻が見守る中、白いベッドに横たわっているという現実。

ガネーシャ神が幸福をもたらしたのはどっち?
その人、女優?

その人、女優?

劇団東京ヴォードヴィルショー

テアトルBONBON(東京都)

2009/10/03 (土) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★

劇団と脚本家の相性が良い舞台
テアトルBONBONのこけら落とし公演、まだ新しい建物の匂いがした。
ところが、舞台の内容は、日本の喜劇の王道を行くような作品。このアンバランスに受けてしまった。
そう、普通に面白かった!
これは、私的には、高評価の部類。
最初から最後まで、安心して笑えた舞台だった。

この劇団には、三谷作品より中島作品の方が、相性が良いなと思った。
中島さんは、職人劇作家だなあとつくづく思う。
笑わせどころを心得ていて、決して観客を不快にさせない術を身につけている。

単なる、脇役に過ぎないかに見えた、連れ込み宿の女将が、あんな重要な役どころだったとは!
こういうどんでん返しなら、大歓迎です。

出演されていないB作さんの、携帯電話の忠告アナウンスも愉快でした。

宮崎弁が、泥臭いコメディの良い薬味となり、久しぶりに、余計な雑念なく、楽しめた舞台でした。

きんとと

きんとと

クロジ

シアターサンモール(東京都)

2009/10/01 (木) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

初クロジにうっとり!
観てきました!初クロジでした。
でも本当に本当に楽しかったです!
セットもきれいだったし、あの襖の演出に惚れ惚れしました!
何より個人的には萩泉が好きです。すごく色っぽかった。
もう1回くらい見たかったです!

BUG 【美保純が降板⇒代役は西山水木】

BUG 【美保純が降板⇒代役は西山水木】

燐光群

精華小劇場(大阪府)

2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★

政治とエンゲキ。
オバマ民主党政権時代にはこういう劇は書かれないだろう。

ネタバレBOX

アメリカ二大政党政治の余波は一部だけどカルチャー方面にも及ぶ。
映画、小説などで、アメリカ共和党系の陰謀世界観のガジェットや作品が登場するのも、その時の政権と関係あるというのがワタシの偏見。
ロバート・レッドフォード《スパイゲーム》とか、バットマンシリーズの「エシュロン」とか。
《バグ》は、陰謀史観かパラノイアの妄想か宙吊りにしたところがミソかな。
ちなみに、坂手洋二さんはジョニーデップ団員だってみんな知ってた。
ヒゲか眼鏡着用なんだぞ。

【追記】すいません。ジョニーデップ団じゃなくてなぎら健壱団みたいです。
きんとと

きんとと

クロジ

シアターサンモール(東京都)

2009/10/01 (木) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

完成度高し
それぞれの話が巧みに絡み合い、しっかりとねられた脚本
役柄の雰囲気をうまく醸し出す役者さんたち
絶妙な配置の舞台のあちこちで繰り広げられる展開
そのすべてにすっかり堪能させられました
あえていうなら、結末の落としどころにひとひねりあったら....
ってところですが、充分楽しませてもらいました
次回作も期待&必見ですね

私たち死んだものが目覚めたら

私たち死んだものが目覚めたら

shelf

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★

イプセン最晩年作。
ク・ナウカ、山の手事情社の主力が名古屋で見られる。
川渕優子さん確かにいい。ありもしない彫刻の細部で争う場面最高におかしい。
ただ前世紀初頭の劇が骨董品なのは否めない。今では通用しない社会の枠組み像だし。
近代人の苦悩云々は歯切れが悪すぎる。

金魚姫と蛇ダンディー 2009 final

金魚姫と蛇ダンディー 2009 final

野外劇団楽市楽座

扇町公園・特設野外劇場(大阪府)

2009/10/03 (土) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

カナシサが溢れる
佐野キリコさんのビブラートする声が全体を繋ぎとめる、全三幕。日本に稀なグランドオペラの題材になりそう。
脱力感いっぱいの劇だけど、オロチ神のノーテンキぶりなんか、本当に哀しい。運命に逆らわない庶民の生き方のカナシサが溢れる。
4年連続中秋の名月を狙った時期の公演で、今年ピリオド。ラストは脇役勢の灰汁を抑えてシンプルに(若手男性陣だった)。
名作でした。

呪われたバブルの塔 -アフターサイド- 【舞台写真掲載!】

呪われたバブルの塔 -アフターサイド- 【舞台写真掲載!】

北京蝶々

OFF・OFFシアター(東京都)

2009/10/01 (木) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

ビフォーサイド
両方観ないとストーリーを楽しみ切れないところがありましたが、片側だけでも楽しむことができました。

スチュワーデスデス

スチュワーデスデス

クロムモリブデン

駅前劇場(東京都)

2007/12/28 (金) ~ 2008/01/08 (火)公演終了

評判を聞いて
人から面白いと聞かされていきました。
せっと、とかちゃんとしてるなーと思いました。
期待したぶんか、割る食わないが、ほかと代わり映えがしませんでした。
若い分期待

『a day』

『a day』

劇団チョコレートケーキ

ザ・ポケット(東京都)

2009/02/04 (水) ~ 2009/02/08 (日)公演終了

みました
重いテーマで、ずっと続き過ぎ
となりの女の子がパンフにチョコレートケーキの絵を描いてた
単調に感じました。

真っ赤な真っ赤な物語

真っ赤な真っ赤な物語

ももいろぞうさん

赤坂RED/THEATER(東京都)

2008/01/17 (木) ~ 2008/01/20 (日)公演終了

満足度★★★

ふわー
テーマが、わかりやすいぶん。
どこまで、こだわりか
やっぱり、ステージ、セット入るだけで、いい感じ。
ちょっと、役者が負けちゃった感じ

夜の一族2007

夜の一族2007

新宿梁山泊

ザ・スズナリ(東京都)

2007/01/06 (土) ~ 2007/01/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり
やっぱり、いいよね
ぎらぎら、情熱的、好きです。

ka-e-lu

ka-e-lu

多少婦人

しもきた空間リバティ(東京都)

2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★

微妙&不思議な感覚‥
舞台はほぼ素舞台(個人的には好感が持てるけど)‥。ところどころ笑いはあるけどコメディというわけでもないのかな。全体的にシニカルな感じ。自分の好みに合うなぁと思える部分もあればそうでない部分もあったりでちょっと微妙で不思議な感覚‥(この劇団の舞台を観るのは初めてだけど、これが「多少婦人」ワールドなのかな?)。
3話目だけ作風がぜんぜん違うなぁと思ったら1、2話目とは作家が別なんだ。3話目は言葉遊びが秀逸で着眼点は面白かったけど、ワンシュチュエーションであの長さはさすがに長いなぁ。でも3話目が一番個性的だった。出来ればもうちょっとくだけた感じにしたほうが、とっつき易く(観やすく)なって良いと思うんだけど。上演時間1時間50分、新鮮な体験だったけど観ててかなり疲れた‥。役者はそれぞれ良かったと思う(特に女優陣)。

ティーチャー!!

ティーチャー!!

コメディユニット磯川家

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっぱりおもしろいっ♪♪
わざわざ東京まで見に行っちゃいましたっ☆☆

大阪も見て、東京もってもうストーカーみたい(笑)

でも行ってよかったぁ!!!大阪よりも面白かったかもっ♪♪
とにかく最高でした!!!
これからも活躍に超期待していますっ☆☆

逆手本忠臣蔵(公演再開&追加公演決定!)

逆手本忠臣蔵(公演再開&追加公演決定!)

劇団バッコスの祭

池袋小劇場(東京都)

2009/09/30 (水) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★

肩が凝らず楽しめる新釈忠臣蔵
プログラムで「史実との食い違いや時代考証の問題は承知の上」と釘を刺されては、そのことをとやかく言えないというより、それを言うと物語が根底から
崩れてしまうので言えない(笑)。
多数のバージョンが出尽くした古典を平成の若者が上演するなら、これくらい弾けてないと面白くない、ということでしょうか。
まったく違う世界に置き換えるやりかたを取らず、あくまでそのままで
現代風に演じるのがこの劇団の特徴のようで。
換骨奪胎ぶりはすがすがしいほどです。
狭い舞台をうまく使い、デメリットを感じさせないのは見事。
私がこの劇団を最初に観たのは、旗揚げ公演だったのですね。
主宰の森山智仁の名を初めて知ったのは東大の劇団シアターマーキュリー
「らんまるっ!」での殺陣。
旗揚げの「~奥州源平記~弟斬草」も森山氏が殺陣を担当していました。
時代劇専門に上演している劇団ではないのに、これだけ迫力ある殺陣ができればたいしたものです。
殺陣が得意な若手女優を誘って、もう一度観に行くことにしました。
以下、ネタバレで。

ネタバレBOX

 シンプルだけど歌舞伎や文楽でよく使われる「奥のひと間」の手法も取り入れた舞台装置がとてもよい。傘をパテーションに使って多くの登場人物を処理するなど、昔、宝塚歌劇の時代劇などでは見られた手法ですが、巧いですね。
立ち回りで斬られた役者の引っ込みがきれいなのも感心しました。
 冒頭の討ち入りのシミュレーションが往年のドリフのコントみたいで可笑しい。これで、重苦しい「忠臣蔵」のイメージが払拭され、若い人も肩の力が
抜けるのではと思った。登場人物の配役を各人に言わせるのは、「仮名手本忠臣蔵」の口上人形の変型とも解釈でき、なかなか洒落ている。
大石が「大星由良之助」という「変名(偽名のこと)」を使っていることにするなど、原本のパロディーも巧みに織り込んでいる。
 浅野の正室・亜久里(史実では阿久利)の右頬になぜ青あざがあるのか、まず疑問に思ったが、物語終盤にわかるのでここでは触れない。
演じる金子優子は唐十郎作品が似合いそうな女優だ。
 登場人物の中では吉良上野介の石井雄一郎が面白くて印象に残った。
高家筆頭(劇ではなぜ、高家肝煎となっているのだろう)には見えない俗物ぶりだが、この物語の中ではむしろ自然に見えるからおかしなものだ。
大石内蔵之助の丹羽隆博はアクロバティックな動きが得意な人だが、
演技には疑問が残る。脚本では大石がダメ人間という設定らしいが、
わざといじけているようにしか見えない。また、ときどき表情が歌舞伎で言うところの「生(なま)になる」(リアルな表情すぎて興趣を殺ぐこと)のが気になる。役柄が崩れてしまうので、学生芝居ではないのだから今後気をつけたほうがよいと思う。
派手な赤地錦の直垂という衣装はいくら主役でも目立ちすぎて
違和感があった。バカ殿ではないのだから。
 大阪で世をあざむく遊興の身の上を大石が語り、「近頃では自分のことを人が昼行灯と噂してる」という意味のセリフがあるが、これも役柄の解釈としては誤りで、大石は赤穂にいたころに昼行灯と呼ばれたのである。
 人数が少ないのでそうしたのか大石以外全員を家老職にしているのも逆に
不自然で、「藩士」でよいのではないか。
 高田の馬場で弟子を堀部に斬られた道場主が小林平八郎という設定。
森山演じる平八郎が大石に兵法指南をするところがまじめにやっているのだが返って笑えた。
これから観るかたのためにあえて伏せるが、テーマともなる赤穂事件の真相
が、私には下手な時代小説のように感じ、少々こじつけがましくあまり説得力を感じなかった。このへんをもう少し練り直せば、傑作になると思う。

最後に、アキラさんがご指摘の部分
<討ち入りに、大石の妻りくや内匠頭の妻あぐりも参加したり、堀部が討ち死にしたり、松の廊下で浅野を止めた梶川が吉良の用心棒として雇われたり、さらにお軽は、なんと吉良の娘でソバ屋でバイトしていたり、その恋人の名前は勘平ではなく、三平のほうだったり、なんていう物語は、忠臣蔵ファンにはどう映るのだろうか。>
という点についてですが、確かに違和感があり、私が一番気になった点です。
さすが、鋭い!
野暮は言いっこなしということで黙っておきますが(笑)。
呪われたバブルの塔 -アフターサイド- 【舞台写真掲載!】

呪われたバブルの塔 -アフターサイド- 【舞台写真掲載!】

北京蝶々

OFF・OFFシアター(東京都)

2009/10/01 (木) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★

通して見えるものがある
1日のビフォーサイドに続いての観劇。

ひとつのドラマとしても完結しているのですが
明らかに両方を観ることによって伝わってくるものがありました。

時代感覚の秀逸さに舌を巻いたことでした。


ネタバレBOX

ビフォーサイドとほぼ同じ舞台のつくり。
ただ、その空気はかなりちがっていていました。

ビフォーで溢れていた
ビルに対する深い情念や怨念のようなものに変わって
もっとグローバルな視点と
ドライなテンションが舞台上に醸しだされていたように
思います。

とはいうものの、人が虚飾の価値を膨らませていくという
ベースの部分はがっつりと貫かれていて、
質感は違っても、ビフォー同様に
ビルに関わる(った)個々のキャラクターからは
それぞれが持つ視野の範囲や、
範囲によって変わる思いの色が
くっきりと伝わってきてきました。
風水師やビルの元オーナーなど、
時間軸やグローバルな動きを見定めるキャラクターが
観客の視点を見晴らしの利くところになにげに導くあたりも
作劇のしたたかなところ。
ビルを巡っての
後ろ暗さを感じるような組織同士の擦れ合う切迫感だけではなく、
それらですら抗うことのかなわぬ
時代の揺らぎや振幅が重低音のような
存在感をもって伝わってきて。

また、アフターサイドだけでも
伝わってくるものはたくさんあるのですが
通しでみることによっての更なる膨らみも
間違いなく存在していました。
なんというか1+1=3になるような仕掛けが
いくつも折り込まれ機能していて。

バブルのころに建てられたビルのクロニクルと重なるように
この国の近過去から静かに強く揺らぎつづける今が
ぞくっとするような肌合いで浮かび上がってきます。
それらを具現化する役者達には、
さらに良くなる余白がありつつも
物語の肌触りを繊細に編み上げきるに十分な力を感じて。

両バージョン観終わって、
自分の生きてきた時代が
何時もと別角度からすっと見えて・・・、
慄然としたことでした。
コースト・オブ・ユートピア-ユートピアの岸へ

コースト・オブ・ユートピア-ユートピアの岸へ

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2009/09/12 (土) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

3部通しで-贅沢なフルコースディナー
9時間近い作品を通しで観る不安はあったが、心配したほど疲れなかった。
ロシアの歴史もので印象的なのは映画の「戦争と平和」「ドクトル・ジバゴ」で、どちらも長編だが素晴らしかった。この作品もまた想い出に残る作品となった。
まず、当初購入した2階BOX席から舞台構造上見えづらいとの理由で、急遽劇場側が1階のBOX席に変更するというハプニングがあった。これが紗幕に挟まれた席で、通常なら舞台の袖に当たる。結果、舞台転換がすべて見えてしまう。役者の出の瞬間の表情を見られるのも興味深かった。スタッフの一員になった気分なのだ。これをおいしいと思うか興ざめと思うかは人によるだろうが自分は前者。開幕時、殺風景なテーブルの前に集まった稽古時のような普段着の俳優が解散して、扮装を始める。途中からは紗幕に隠れる部分も自席からはすべて見える。
難点は自分から見て反対側の舞台の奥が見えづらいことで、そのために
俳優が隠れてわからない場面もある。演説の場面で聴衆役の俳優の後ろから一緒になって拍手してしまい、思わずハッとした。完全に劇の中に取り込まれている(笑)。
通しで観終わっての感想は、集中でき、壮大な物語全体の流れが掴めるのが利点。理想的には、最初通しで観て、次に各部を観ることだろうが、時間的も経済的にも自分には無理(笑)。
やはり、トム・ストッパードという作家は素晴らしい。
まさに骨太の戯曲とはこういうのを指すのだろうな。
阿部、石丸、別所、勝村、この4人の主要俳優の熱演とロシアの女性を悠然と演じる麻実れいの存在感が印象に残った。

ネタバレBOX

あまり馴染みがないロシアの革命家や思想家が登場し、議論の内容も難しい。頭が良くないのでよく理解できなかったが、物語の世界は堪能できた。
退屈させない蜷川幸雄演出に感謝する。精神的に老いない彼にはまだまだ長く仕事をしてほしい。
1部はチェーホフの「桜の園」を思わせる貴族社会の崩壊とノスタルジー。2部は男女の愛憎を横軸に革命が展開。3部は歴史的終息と次代の萌芽。ロシア人というと肉食系大男というイメージが浮かぶせいか、日本人が演じること自体、何か嘘っぽく感じられるのでは、と観る前から危惧していた。
芝居が始まってしまうとさほど違和感はないが、勝村政信が登場するとやはり小男でロシア人には見えない。だが、彼は終盤、特殊メークで太った老人に変身し、その風貌をネタに周囲の役者にいじられ、滑稽な演技をするので、あまり気にならなくなる。
今回、宝塚OGが3人出ているが奇しくも雪組出身者。3人とも下級生のころから観ているが、生の舞台では久しぶり。宝塚というと見下す人もいるが、宝塚はいまも女優の宝庫で、日本の演劇文化に重要な人材を輩出していることを実感。大味で大根と言われた麻実、歌以外が弱いと言われた毬谷、子供っぽいと言われた紺野、みな当時が想像できない堂々とした女優ぶりだ。
栗山千明は若いころの蜷川有紀そっくりで個性的。サトエリはグラドルから舞台女優へ見事転進したし、とよた真帆もananのモデル時代のあどけなさは消えてしっとりとした大人の女の哀愁を出せる女優になった。
水野、美波、京野はこれからまだまだ成長するだろう。
若手男優陣では池内博之が印象に残る。こんなに巧い俳優だったかと再認識。当日出演を知ったのは阿部寛の長男サーシャ役の遠山悠介。東大の学生劇団劇工舎プリズム出身で、大学生のころ観ていたのだ。こんな有名男優に混じって芝居してるなんて夢のよう。幕内で阿部に一礼してからスタンバイする姿を見て、ほぉーと思った。
演出ではスローモーションを多用しており、各部では気にならないのだろうが、通しで観ると多いと感じてしまった。仮面舞踏会の場面で赤毛猫(手塚秀彰)を視覚的に出すのが面白い。
席の位置から、1部の毬谷、2部の麻実がどこに出ていたかよくわからなかったのが残念。
3部終盤、阿部のゲルツェンの述懐が今日の共産主義の零落を予言しているようで興味深い。徒労感もあるだろうが、目的や使命感を持ったゲルツェンたちには確かに国家の歴史をつくり、生き抜いてきた実感があり、日々の喧騒に押し流されがちな現在のわが身を反省した1日だった。
ティーチャー!!

ティーチャー!!

コメディユニット磯川家

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

ここまでドタバタだと、逆にぃ気持ちいい、フルマラソン・コメディ
舞台がスタートして、最初は「えっ何?」という雰囲気だったが、一気にテンションが上がり、とにかく声を結構張るので、「こりゃ、この調子で全編やられたら、逆にぃ辛いかも」と思いきや、テンションは確かに全編この調子だったが、とにかく笑った。
逆にぃ、というか久しぶりにかなり声出して笑ってしまった。

実にしょーもないことで笑えてしまう。
逆にぃ、しょーもないことで笑えるのっていいなぁ。

ネタバレBOX

職員室で教師たちが繰り広げるとは思えない内容のドタバタ・コメディ。
実際にドタバタしていたりする。

鬱陶しいキャラクターしか出てこないが、逆にぃ、そうじゃないとこのテンションは持たせられない。主人公池田先生と金髪男の鬱陶しさったらないぞ!(笑)
そんな人いないとか、そんなことあるわけないじゃないか、とかいうようなコトはすぐにどうでもよくなってくる。
このテンションで2時間ぐらいを突っ走るのだから、フルマラソン・ドタバタコメディ。っていうか、逆にぃ、そう呼んじゃおう。

力づくというか力技の感じがするが、逆にぃ、かなり細かいところにも気を配っているところが好ましい。ちょっとしたフリとかもなかなかだし。

エンディングに近いあたりで、主人公がなんとなく人生的なキビのようなことをノタマウのだが、その長台詞を出演者が静かに揃って聞くというスタイルは、イニシエの藤山寛美率いる松竹新喜劇か! と思っていたら、ちょっとグダグタにしてみせるあたりがなかなかいい。劇団の年齢は若いけど、そんなスタイルを知っていて、ワザとやったであろうところが渋い。逆にぃ、オマージュ・・・ってことはないか。

そういう意味では「えっー」「いやいやいや」という最近の若手の舞台で「ココ面白いところですよ」というシーンでよく聞かれるこの台詞を、最初のほうで一気に無駄に何回も言わせているのも小気味良かったりする。
(関西のお笑いの人たちがよく使っている、この台詞が舞台でヘタに出てくるとうんざりしてたので。もちろんウマく使えていれば笑えたりもするのだが)

エンディングから本当のラストに行くまでが、意外と長い。かなり粘る、粘る、粘る。だけど笑えるから許せてしまう。この粘りは、舞台全編を覆っており、劇団の持ち味なのかもしれない。ホントに粘る。笑わせたい、喜ばせたいという気持ちの現れと受け取った。

関西若手ナンバー1と自ら名乗っているが、それもうなづける舞台だった。
関西にはこんな劇団がひしめいているんじゃないかという幻想も見そうになったほど。
また、観たいものだ。

それにつけても、関西弁をしゃべるのは、花屋の親父だけで、後はそうじゃなかったのはなぜなんだろう? 今までのほかの舞台でもそうだったのだろうか?
ジネット・ローラン/オー・ベルティゴ「La Vie qui bat」

ジネット・ローラン/オー・ベルティゴ「La Vie qui bat」

ダンストリエンナーレトーキョー

青山劇場(東京都)

2009/10/05 (月) ~ 2009/10/05 (月)公演終了

ワーストかも
ダンストリエンナーレの第9弾。カナダの振付家ジネット・ローランの作品。このフェスティバルの会場はこれまでずっとスパイラルホールか青山円形劇場だったが、今回に限り青山劇場で開催。出演するダンサーが9人と多いからだろうか。生演奏をするミュージシャンも14人いたし。客席はさびしくない程度に充分、埋まっていたようだ。

ネタバレBOX

ミニマル・ミュージックの作曲家で知られるスティーヴ・ライヒの曲「ドラミング」を使った作品。音楽はライブで演奏される。ライヒの「ドラミング」を使用したダンスといえばベルギーのダンスカンパニー、ローザスの作品が思い浮かぶ。日本では2001年に上演されたが、私は残念ながら見ていない。作られた年代が気になったので調べてみると、ローザスの「ドラミング」の初演が1998年。一方、ジャネット・ローランの今作「La Vie qui bat」は初演が1999年。見終わったあとで思うことだが、どうせならローザスのほうを見たかった。

振付もダンスもかなりダメだった気がする。出演者は9人と多いが、振付は基本的にデュオが中心。しかも動きの半分くらいはペアの一人が相手の体を持ち上げるという、リフト主体。ユニゾンなのかそれとも動きをわずかにずらしているのかが判然としないこともあった。ライヒの音楽を使う意味があったのかと疑問を感じるくらい。ダンサーの動きは音楽を反映しているようには思えなかった。
衣裳もヘンテコ。足元はホワイトカラーの会社員が穿くような黒い靴。一方、ズボンとシャツはブルーカラーの労働者が着るようなグレーの作業着ふう。そして頭髪だけはパンクの若者かと見まごうような人工的な赤。終盤でズボンを脱ぐと、全員が穿いているショーツがこれまた頭髪に近い赤。わけのわからないチグハグさだった。
アントニーとクレオパトラ

アントニーとクレオパトラ

劇団AUN

サンシャイン劇場(東京都)

2009/09/30 (水) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

演出も役者も
劇団AUN初見。
吉田鋼太郎、芸達者だなあ。

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