満足度★★★★★
アイデアに感服
初期段階で予定されていたタイトルが「テレパス」であり、当日パンフにも書かれている通りテレパシーを題材にした4人芝居。
テレパシーや電話での「会話」をあたかも対面しているかのように見せるのは極めて演劇的で面白く、しかもマクラにあたる冒頭部分で「その時の電話はこんな風でした」と前置きしてその「対面会話風手法」を見せておくのが巧い。
また、劇中の人物は各キャストが「もしもこの道に進んでいなかったら…」という仮定のもので、いわばパラレルワールドにこの4人がいて、何らかのキッカケで知り合うとしたら、的なツクリになっているのもイイ。
そしてその「もしもこの道に…」について語る部分がそれぞれの自己紹介になっているばかりでなく、川田・宝積パートではカニクラの自己紹介にもなっているアイデアには感服。
さらに最初は女性同士、男性同士がテレパシーでつながっているのだが、実は男女の間にも(テレパシーではない部分で)つながりがあり、それが進行につれて明かされるのも面白い。
あと、姉(宝積有香)と弟(玉置玲央)が7年ぶりに電話で話すシーンで台詞の口調と間によってぎこちなさと言うか、気まずさと言おうか、そんなものがありありと表現されていたのも良かった。