最新の観てきた!クチコミ一覧

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見上げればあの日と同じ空

見上げればあの日と同じ空

アミューズ

紀伊國屋ホール(東京都)

2013/04/04 (木) ~ 2013/04/15 (月)公演終了

満足度★★★

分かってはいたけれど
そういう若者がいた、意外性の無い戦争群像劇でした。

ネタバレBOX

映画監督を目指した若者が、特攻隊の訓練基地で出会った元駅伝選手たちから取材した話を元に遺作として残したシナリオをベースにして、死んだ者、生き残った者を描いた戦争群像劇。

戦時下で一回だけ行われた東京箱根間の駅伝、そして戦争を経て戦後、生き残った者たちが大学に戻って再開された箱根駅伝…、ありきたりな感じです。

それにしても軍国主義は箱根駅伝を靖国神社から箱根神社までの駅伝に変えるほどえげつないことをするものだということが分かりました。

特攻隊に配属された男に娘を嫁にやるかやらないか、父親の判断以前に、お芝居が始まる以前に、二人が愛し合っているのことが大前提になっているのでどのような判断を下そうとも驚きも何もありませんでした。

男性陣の髪型は他の仕事のことを考えているのか中途半端で、どこまで真剣に取り組んでいるのだろうと思いました。

お父さんの天然なおとぼけや、ライバルの訓練生がセーラームーンの小松彩夏さんの手紙を盗み読むシーンで、手紙を閉じると小松さんが帰りかけ、また開いて読み始めると小松さんが戻ってきて喋りだすというコミカルな動きはとても面白かったのですが、このお芝居に本当に必要だったのかどうかはよく分かりませんでした。
左の頬(無事全ステージ終了!ご来場まことにありがとうございました))

左の頬(無事全ステージ終了!ご来場まことにありがとうございました))

INUTOKUSHI

シアター風姿花伝(東京都)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/21 (日)公演終了

満足度★★★

満間昂平さん、すきだな
自然体な感じがして。その他の出演者は全員、チカラが入りすぎていて。息苦しさを感じないでもないような。

ネタバレBOX

前説で、「涙を拭くためのハンケチのご用意を」
でもそんなの必要なかった。単なるギャグだったか。ほんとに泣けたら良かったんだけど。

恒例の最後に出てくるラスボス(?)と男どもが戦うのはいいけど、そのあとのプレゼント交換は何?
やってる人たちは、あれで納得してるのかな。

「なるほ度」とかどうでもよかった。そのナンセンスに乗れなかった(ぼくが)のが残念でした。

ゴメンナサイ。大好きな劇団で、期待度が高かったぶん、辛口になってしまいました。
新訳 群盗

新訳 群盗

雷ストレンジャーズ

テアトルBONBON(東京都)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

演出に難あり
 言わずと知れたシラーの作品だ。古典ともいえる作品なので、筋についてくだくだ書かない。図書館ででも読んで貰えばすむ話だ。演出でアロマセラピストが香りをつけているのだが、自分の座っていた席には余りその効果が無かったようだ。ところで、新訳と銘打ち、かなり気合の入った舞台であるべきが、キャスティングや場面転換が頗る安易で、折角の原作が色褪せてしまった。キャスティングミスを言葉で言い繕っているのだが、この時点で既に演劇を嘗めて掛かっている。別に女性が男性役をやることに問題は無い。然し、身長でも、押し出しでも、また匂い立つような若武者振りでも、無茶をやって許される天性の資質でも、何一つギャップが埋まらないキャスティングは失敗と言うしかない。
 更に、場面転換でもボヘミアの森から故郷フランケンに近い森に戻った時、恰もパソコンの画面転換でもするように場面を切り替えてしまう。余りにも安易だ。役者の身体性に対する演出の気遣いが足りないことが歴然としている。映画と勘違いしている点もあるのかも知れないが、言葉面だけ捉えて分かった気になっているのではないか、と勘繰りたくもなるのだ。更に、当時のヨーロッパに対する歴史認識も浅い。オーストリアの名がちらっと出てくるのだが、当時のオーストリアは、今とは比べ物にならぬ位力を持っていた、何故、シラーがここでその名を出しているかについて、もう少し勉強しておくべきだろう。
 演出の力が全然足りない。これでは役者が可哀そうだ。

【全公演終了!】東京ユートリア【ご来場誠にありがとうございました。】

【全公演終了!】東京ユートリア【ご来場誠にありがとうございました。】

劇団東京ペンギン

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★

食いつきはよかったけど
ゆとり世代って言われているほどあるの?
この芝居もゆとり世代だから、何かを伝えたいのかを期待したが、あまり感じられなかった。
途中でダンスを踊られるシーンがあるが、上手に踊られていたけど。それだけ。少し物足りなかった。

かぜごっこ

かぜごっこ

劇団B級遊撃隊

姫池052スタジオ(愛知県)

2013/04/04 (木) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★

B級遊撃隊「かぜごっこ」観ました
 二週間ぶりの観劇です(グエヘヘヘ←禁断症状)
 休みなしに続くクセックACT稽古が、奇跡的に急遽休みになりました。
 (一本だけ何か観劇できる…!)

 あおきりみかん「迷子の部屋」、KIMYO「ジョナサン」、柿喰う客「発情ジュリアス・シーザー」と迷ったあげく、個人的知り合いが多く出てて、オイスターズ・平塚さんがアフタートークに出て、久しぶりに行く劇場(B級遊撃隊アトリエ)であるこれを選択。


 イエスの方舟を連想させる集団の異様な連帯感が、終始狭い劇場内に充満。キモい(笑)
 「社会から閉じた集団」と受け止めたけど、対外的なその辺について、台本描写がいまいちあやふやだったため、その点は効果が弱かったか…。


 「かぜごっこ」とは、実際は風邪を引いてないのに、それぞれの思惑であの集団に参加しようとした、あの二人のことなのだろう…。
 共通言語に則った、無自覚だった心の隙間・傷を満たされる不気味な癒し・充足感と、渇望しながら得られない孤独感との対比が、最後になって突然、ぐっと来た…。


 小さな空間だけあって、こちらまで風邪引きそうな空気感が充満。アトリエ公演ならでは。
 佃さんの咳が変にリアル。佃さんが妙に色気あり。佃さんと三人娘(こやつらも、個人的に知ってる手ごわい輩w)の絡みが、特に見ものでしたw

ゴドーは待たれながら

ゴドーは待たれながら

ナイロン100℃

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2013/04/06 (土) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

左の頬(無事全ステージ終了!ご来場まことにありがとうございました))

左の頬(無事全ステージ終了!ご来場まことにありがとうございました))

INUTOKUSHI

シアター風姿花伝(東京都)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

劇場が笑いの渦に飲み込まれる!!
今回で本公演は3回目の犬と串。いつもと変わらないテンポの良さと身体の動きの激しさと表情の豊かさで楽しくて面白くてすべてを吹き飛ばして元気をもらえる作品。過去の作品からのアイテムや笑いの展開などが所々ありより楽しめた。
いつもどこからその発想が!!!っていう展開にも驚く。舞台の奥行があり、ポップな印象。「ウズキちゃんにライバル現る!!」って感じがした。役者の皆さん舞台に上がると一気に目つき変わり表情も変わる!!やっぱりすごいな~。セリフの量とそのスピードにも圧巻。

「そんな奇跡は起きなかった」たくさんのご来場ありがとうございました!!

「そんな奇跡は起きなかった」たくさんのご来場ありがとうございました!!

The Stone Age ブライアント

サンモールスタジオ(東京都)

2013/04/09 (火) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★

救いは無いよ
角の無い鬼と魂を抜かれた抜け殻の物語。

ネタバレBOX

 抜け殻は、生きている時に諦めた連中である。既に三途の川を渡っているのに、死に切れないほど好い加減な連中でもある。そんな彼らは完全に死ぬこともできなければ、生き返ることもできない。唯、鬼の言葉を信じて生き返る為には、魂の籠っている石を分別し、その数を鬼が「良し」と言う迄数え続けることができれば元の世界に戻して貰えると、永劫の時をその作業に費やしている。本当に死ぬ気になったら、三途の川の石を砕いて零になれば、死に切ることができると、こちらも不可能な言質を与えられている。
 一方、鬼達の食べ物は人の魂であり、毎夏、船頭が、人界へ出向いて魂狩りをし、自分達の食糧を集めてくるのであるが、角の無い鬼達のグループに船頭は一人しかおらず、而も、角のある鬼達のように人を釜茹でにして魂を抜いたりすることは控えられているので、角無し鬼の食糧はかなり乏しいのだ。それもそのはず、彼らは、川原の石の数を不可思議迄既に数えた元抜け殻のなれの果てだったのである。角ある鬼には、二流の扱いを受け、而も、元は同じ境遇でありながら、人を弄び、収奪することによってしか自ら食を得ることも叶わない。永劫に呪われた存在であることが明らかになる。
 シナリオ自体にやや無理な展開や矛盾が在りながら、出したかったのは、この点だろうと解釈した。
知恵と希望と極悪キノコ

知恵と希望と極悪キノコ

LIVES(ライヴズ)

シアタートラム(東京都)

2013/04/04 (木) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★

悲哀
 端役を主人公にした作品。訴えるのは、他の人々と同じように一所懸命生きているのに、十把一絡げにしか扱われないばかりか、利用されるだけされて、後はポイと捨てられるだけの彼らの悔しさ、虚しさ、悲哀。それだからこそ、逆に、役を貰えた彼らは科白に命を吹き込み、役に掛ける意気込みも高い。だが、初めてプロのステージに立つ者、初めて映画に出る者等々、寄せ集めであることも事実。このチグハグが、この作品成立の要件だ。

趣味の部屋

趣味の部屋

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2013/03/22 (金) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★

嘘に楽しみ騙され見事に伏線を回収
書棚のスペース、キッチンとリビング、ガンプラが占めるスペースがあるマンションの一室で繰り広げられるノンストップな舞台。
冒頭から笑いの部分が多い台詞を含め、舞台版キサラギみたいな展開を彷彿するが、「サスペンスコメディ」と触れてあるとおり、嘘に楽しみ嘘に騙され、各キャストのエピソードや種明かしの展開まで見事に計算され尽くされた纏め方で気持ちの良い舞台だった。
「ガンダム」をあそこまで話に浸透させ、且つ、魅力的に興味をそそらせるのはさすが男の子という感じ。
面白かったし役者さんも上手かったけど、各キャストの見せ場が饒舌になっているように感じて、集中が途切れそうになった。
もう少しエピソード場面テンポアップしても良かったのではないかなと思った。
でも、今まで見た行定演出の中では一番好きな作品。
約2時間。

ネタバレBOX

趣味を楽しむ為に共同で借りている男達。
内科医の天野はキッチンで珍しい食材を使い本格的な料理を楽しみ、医科大学?で教授の加藤はガンダムのプラモデルからその世界観にハマり、コスプレを楽しみ台詞まで頭に入っている。優秀な会社員の水沢は推理小説の初版古書収集に夢中、もう一人の会社員の土井はジグゾーパズルに熱中する一歩手前の段階。亀を飼っているインストラクターの木下という男もその部屋を利用しているが、彼は2週間程姿を見せていない。亀の甲羅に「A」と「N」が書かれているが何かのメッセージ?から始まり、そこへ女性警察官が木下の写真を持って「知らないか」と訪れ、その女性にここが「趣味の部屋」で利用している事が明かされた時から話が動き始める。

部屋に集まっている彼らは全員天野の患者、治療の一環で彼らには趣味を持つのが効果的という事で部屋を借りたと説明する。が、実は彼女は木下の恋人だったり、天野の勤め先の看護師オオタヨウコの殺害容疑が出てきたり、ストーカー疑惑や不倫疑惑があったりと、怪しい要素がでるわでるわ。ここまでの展開を一つ一つ順を追って見せてくれるのだが、その後の展開に至る大事な所なので丁寧に見せてくれたなーという印象。

結局、看護師死亡事件は警察の発表と同じ事故死、殺人事件は天野の思い込みと判ったら、今度はその天野が豹変。豹変する天野を落ち着いた様子で介抱する加藤、彼は天野の精神科の主治医だとその場で告白し、天野の病状は解離性同一性障害と診断。看護師を殺害した部分が天野の表面に出てしまったと。趣味の部屋のきっかけを作った張本人が殺人犯で、それが解離性同一障害という病の所為だった、そういう事で警察へ出頭することになるが、これで終演へ向かうのはベタだなと思ったら、土井がまだジグゾーパズルが終っていないと涙ながらに声を上げる。
ここら辺は5人の気持ちが一つになった良いシーンだった。

諸々あって部屋を出て行く利用者。部屋の電気を消した後、再度戻ってくる男達。ここで観客へ、ネタばらしというか種明かしが明かされる。
実は木下が彼女に趣味の部屋の存在をばらした為、そのフォローのための一芝居、彼女たった一人のオーディエンスの為に彼女を騙す芝居を全員で演じたと言うのだ。その後も亀の甲羅の謎文字や土井の新しい趣味の発見とか伏線の回収が清々しいと思う位、お見事。
でも、面白かったけど、なんだろうな、上手く説明出来ないが映像で観たらもっと違った面白さが出てるんじゃないかという舞台展開の微妙さ、みたいな印象も感じた。

時間経過が夕方5〜7時台だったが、いつまでたっても外が暗くならず、ずっと夕暮れだったが季節はいつ頃だったんだろう、ちょうど今の季節なのかな。どうでもいいことが気になっちゃいましたw
「そんな奇跡は起きなかった」たくさんのご来場ありがとうございました!!

「そんな奇跡は起きなかった」たくさんのご来場ありがとうございました!!

The Stone Age ブライアント

サンモールスタジオ(東京都)

2013/04/09 (火) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

ぼんやりだけど面白い部分も…
火野蜂三さん、ナカムラユーキさんのあの感じは面白かったよ☆ なんだかぼんやり終わった感じかな…? 第1回公演の作品ほど刺激がなかったかも…?次回楽しみにしています♪(*^_^*)☆

迷子になるわ

迷子になるわ

五反田団

西鉄ホール(福岡県)

2013/04/06 (土) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★

折りたたみ椅子。
作品内容は、アラサーの女の子の迷いのお話。
わかりにくいお客さんもいたかもしれない。でも、そのあたりに気を遣ってか、ありえない笑いを所々入れてきて、あきさせません。

左の頬(無事全ステージ終了!ご来場まことにありがとうございました))

左の頬(無事全ステージ終了!ご来場まことにありがとうございました))

INUTOKUSHI

シアター風姿花伝(東京都)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題661(13-086)
19:30の回(曇)。18:50会場着、受付、19:01開場。こちらは2作目、鈴木アメリさんは、浮世企画等も含めて7作目、二階堂さんは2作目。ピンクとグリーンで色分けられ「W主演女優(当パン)」の特大パネルが鎮座する舞台。幾重にもかかった虹のようなアーチが一見おとぎ話の雰囲気を出しながらも本編はハイテンションでした。場内ではスーツ姿の男性が案内、19:27前説(100分、涙をふくハンケチをご用意くださいと...)。19:36開演~21:13終演。実は「・・・」、お互いに心底嫌いあっているサチとユキを中心にした一大宇宙絵巻、は大げさかもしれませんが随所に大ホラ話を含み、ハデな演出とアクションに客席も笑いだすのでした。

もうひとつある世界の森に巣喰う深海魚たちの凱歌

もうひとつある世界の森に巣喰う深海魚たちの凱歌

あなピグモ捕獲団

ぽんプラザホール(福岡県)

2013/04/05 (金) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★

再始動ですね。
舞台美術、奥の暗幕からの6カ所の出はけは、森の木の陰から現れるイメージでしょうか。
キャスト陣の演技、照明・音響は納得でした。

見上げればあの日と同じ空

見上げればあの日と同じ空

アミューズ

紀伊國屋ホール(東京都)

2013/04/04 (木) ~ 2013/04/15 (月)公演終了

満足度★★★★

べたな特攻隊もの
戦争に男女の仲を裂かれる物語は数十年演じられ続けてるのに、劇場の外に出てみるときな臭い話ばかり。

禁煙のはずなのに、客席の私の席にはエアコンからの空気に乗ってタバコの臭いがぷ〜〜ん。ノドはイガイガ。

木の上の軍隊

木の上の軍隊

こまつ座

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2013/04/05 (金) ~ 2013/04/29 (月)公演終了

満足度★★★★

木の上の兵隊ではなく、軍隊だった。
終戦間際と直後の2年間の沖縄が舞台で、今の日本と沖縄が常に透けて見えるお芝居。井上ひさしさんの新作を観る時のように、落ちる涙を拭くこともできず、グサグサと胸に刺さり続けるセリフたちを聴いて(身体に入れて)いました。戯曲掲載の雑誌も購入。

ネタバレBOX

あの装置を上り下りするのは、きっととても体力を消耗するだろうと思います。怪我のないように、ツアーをがんばってもらいたいです。
【全公演終了!】東京ユートリア【ご来場誠にありがとうございました。】

【全公演終了!】東京ユートリア【ご来場誠にありがとうございました。】

劇団東京ペンギン

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

わからなかった
私も「ゆとり世代は・・・だ」という言い方にはずっと違和感を持っています。それはとても暴力的な言い方だと思っています。
ただ、ゆとり世代の人と関わっていると、良い悪いの判断とは別に、確かに何かその世代特有の傾向があるようにも感じていました。何十年も前から、バトン・リレーのように繰り返されてきた「今時の若い者は・・・」というだけでは済まない何かが。それは現代社会を読み解く上でも、極めて重要な何かなのだろうと思っています。
その辺が少しでも判ればいいな~というのが、観たいと思った動機でした。
ですが、その辺はまったくわからなかった。

それはわからなくてもいいのです。作者の視点は別にあるのですから。そこで、演劇的な何かがきちんと提示されていれば・・・。それが感じられなかった。

ネタバレBOX

具体的に言えば、
この芝居がひとつのメッセージを語っているだけの作品のように見えたということです。
「大人はゆとり世代にレッテルを貼る」というメッセージに。

それを語るために「大人」VS「ゆとり世代(子供)」というような二項対立の構図(更に若い世代も出てきますが)になる。
それ自体は、方法論として、まず二項対立で話を始めるということはあり得ると思うので、問題ないのですが、その二項対立のまま物語は最後まで行ってしまう。

何が問題かと言えば、「大人はゆとり世代にレッテルを貼る」という考え自体が、ひとつのレッテルだということです。

レッテルを張ってわかった気になるということは、人間の本性であり、現代のマスメディアの状況とも絡んで、それは暴力的に世界を覆っています。
その点はこの作品で描かれている通りだと思いますが、それは、大人が子供に押し付けている一方向的なものではない。ゆとり世代の人も、子供も、同様にレッテルを貼りながら生活している。
(かくいう私も、なるべくそうならない様には気をつけているつもりでも、なんらかのレッテルを他人に対して貼りつけていることも多いのだと思います。それが人間です。)

事実、この作品の中でも、ゆとり世代の役の台詞に、「韓国政府は、日本を憎む根拠がないから、教育で押し付けることをしている」(正確でなくてすみません)というような趣旨のものがありました。
ここには、韓国への偏見や蔑視の匂いがあるような気がしてなりません。それはひとつのレッテルではないでしょうか。韓国が日本の植民地になっていたことなどを考えても、無根拠とは言えない。または、別の視点から見ても、韓国の若い世代の間では、どんどん対立感情は減ってきている(竹島/独島の領土問題で、確かに以前のような感覚に戻りつつありますが)。
ただし、韓国政府への批判であって韓国への蔑視ではないというのならば、話はわかりますが、それならば、日本政府の歴史教育だって偏りがあるということがちょっとでも出てこないと片手落ちになります。

こんな細かい点を指摘しているのは、まさにこれがレッテル貼りの話だからです。悪しからず。

まとめると、レッテル貼りの話は、ゆとりかゆとりじゃないかという問題ではないのです。

大人に対して反発を覚えるのはわかりますが(というか、私も今でも所謂「大人」の価値観に対しては反発を持っていますが)、それを単に反発として作品にしても、表現としての意味があるとは私には思えません。
それは、作品のメッセージに反して、レッテルと偏見を助長することにしかならないからです。そんなに単純に、世代などの線引で、敵と味方には別けられない。
大人に反発を持つなら、その<大人の価値観>の中に潜む暴力性をあぶり出すことが必要だと思います。それは大人を子供の敵とみなすことではない。子供の中にも大人の暴力性は内在しています。比較すれば、大人がより強固に持ちがちであるというだけの話です。

それがあぶり出せた時、作品はひとつのメッセージではなく、多様な解釈を産む問いかけになるでしょう。

厳しい意見を書いてしまい、申し訳ありません。


<追記>
批判しか書いていなくて、申し訳ないと思い、良かった点を書きます。
モスキートーン(子供にしか聞こえない音)による電波が、スカイツリーから発せられているという設定も面白かったし、その電波の妖精のような存在(?)が最後に語る部分はとても良かった。

おそらく、その設定ありきで物語を組み立てようとした結果、大人と子供という二項対立の図式にならざるをえなかったのかもしれない。
そう思うと、少々厳しく言い過ぎたかなとは思う。
でも、やはり、より大事なのは、追記前に書いた部分なので、その設定ありきであっても、単純な二項対立にならない書き方は模索するべきだった思います。

次回作に期待しています。
幕末ノ丘

幕末ノ丘

神田時来組

俳優座劇場(東京都)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★

華やかで
切ない感じの幕末ドラマでした。 普通に面白かったのですが、メインの内容はシリアスなものなので、あまりネタ的なものは入れない方がいいんじゃないのかなぁ、と。 せっかく雰囲気が盛り上がってても興ざめしてしまうというか。。 それと、ストーリーはとてもよくできていると思うのですが、ちょっと間伸びしてしまってるようにも感じたので、もう少しテンポよく話が進んでもいいのかなぁ、と。そんなことで、 全体的な作品としての統一感みたいなものが感じられないようにも思いました。。 スイマセン。。 様々なジャンルの音楽は非常に効果的に使われていると思いました!


過大な評価癖

過大な評価癖

多少婦人

OFF OFFシアター(東京都)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★

行き過ぎた評価がもたらすもの
初日行ってきました。
正面切ってガッツリと過度な評価癖に対する
皮肉や批判を打ち出してくるのかと思いきや、
大きく3つの場面を通して勝手な思いこみや
自己肯定感に乏しいといった、
行き過ぎた評価によってもたらせることを
笑いを取りながら描いていたように思います。
自分もある種の思いこみで、観る前はもっと
重たい感じかなと勝手に思ってました。
押入れの存在が印象的でした。

病院のススメ

病院のススメ

GENKI Produce

笹塚ファクトリー(東京都)

2013/04/02 (火) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★

気軽に
肩の力を抜いて観れる万人向けの作品でした。 あえていえば、特に前半、若干のテンポアップがあったらもっと笑えたように思いました。

ネタバレBOX

親子の一人二役、ナイスでした!!

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