足跡、終わりなく、呼吸まで
ポムカンパニー
OFF・OFFシアター(東京都)
2013/10/23 (水) ~ 2013/10/27 (日)公演終了
アンケート 10月23日(水)19:30 (ネタバレBOXにて)
ポムカンパニーでは、団体にとっての新たな試みとして、こちらの「観てきた!」欄に、劇場にて回収したアンケートの掲載をさせて頂くことに致しました。(チケプレ当選者は除く)
CoRich舞台芸術のサイトは、今では多くの方が観劇の参考にと訪れる場所となっております。そんな演劇愛に溢れた場所になったからこそ、他にもより多くの感想があることを知って頂きたいですし、その上で納得して観に来て頂きたいと思ったのです。
ご観劇頂いた皆様のご感想は千差万別です。いろんな方の「好き」も「嫌い」も、その「見方」も楽しんで、誰かが劇場に足を運び、愛される劇団が増え、劇場が今よりもっと人の集まる場所となれば幸いです。
※次回公演からはアンケートに★の記入欄を入れることも検討中。
ネタバレBOX
40代 男性 会社員
高木アヤ乃さんご出演のご縁で出逢えたポムカンパニーさん。素敵なタイトルの公演作品ですね。まだ始まる前ですがワクワクします!!
→観た後で、澄みきった、いやされる空気感の舞台でかわされるセリフがとても素敵でよかったです・
無記名
人が生きていたら突き当たる深刻な苦悩も、舞台で表現するとありきたりなものになってしまいます。ですが、登場人物一人一人にとって、それらが切実な問題であることを感じさせるような演技でした。また、ちひろさん(野間千鶴役・森勢ちひろ)の人物造形がひときわ素晴らしかったと思いました。良い舞台をありがとうございました。
26歳 女性 役者
1人1人がとても素敵な表現をされていると思いました。好きな表情がいっぱいありました。ありがとうございました。
19歳 男性 大学生(劇団所属)
久しぶりに心の中にスッと入ってくるようなお芝居を見たなぁという感じです。何か、心の中のものを吐き出したくなりました。けっこう好きな作品でした。
19歳 男性 大学生(劇団所属)
初めて観劇させていただきました。ただただ素晴らしかったです。音響・照明・舞台・役者さんの演技全てが同じベクトルに向かっているような印象を受けました。すごく統一感のある完成度の高い作品だと思いました。次回公演も必ず見に来ると思います。大好きでした。
46歳 男性 公務員
モチーフになっている最後の詩がとても良い。そして、それを核としたオムニバス的な構成もとても素晴らしいと思いました。いつもの通り心にしみてくる力強い作品を楽しみました!これからも良い芝居を作っていって下さい!
30歳 女性
今の自分が考えていることにビミョーにかぶってしまいました。とてもステキな時間をすごしました。ありがとうございました。
糸井幸之介×『安寿と厨子王』
Produce lab 89
音楽実験室 新世界(東京都)
2013/11/01 (金) ~ 2013/11/01 (金)公演終了
満足度★★★★
異なるテイストのしなやかな重ね合わせ
22時の回を観劇。
週末の、この時間の六本木での観劇は、常日頃劇場に足を運ぶのとはちょっと異なる感触があって刺激的。
そして、舞台にも、その気分を裏切らない、いくつもの突き抜けがあって。
一見バラけて舞台の様々な表現が重なり合って醸されるテイストを
ふくよかに楽しむことができました。
ネタバレBOX
開演前から晒されている舞台上には、ギターが1台おかれているだけ。
やがて、ゆるい感じで現われた出演者の前説とも挨拶ともつかない時間があって、その雰囲気に油断していると、突然に訪れる精度を持った表現にすっと心奪われてしまう。
アルゼンチンタンゴにのっての冒頭のダンスから醸し出される色香は、本場物の脚の絡みなどがなくても、ニュアンスをすっと空間に放つ力がある。
語られる物語も、ルーズな立ち位置を保ちながら、一方でそこから現われてくるシーンの役者としての二人の表現を映えさせる。単に物語が繫がれていくのではなく、要所が切り取られながら流れていく感じに、観る側はその場ごとの表現をよりインパクトをもって受け取る感覚に導かれて・・・。
物語の顛末にしても、後半の安寿の被虐的なエロスにしても、一見脈絡なく、むしろ行きがかりの思い付きの態で表現されていくのですが、そのことと、実際に表現されるものの深さや強さや精緻さの落差に観る側は捉えられてしまう。
歌にしても、差し込まれるダンスにしても、一見物語のテンションやコンテンツとは乖離しているのだけれど、でもそこにある世界の膨らみ方や身体が紡ぎ出す女性の愛らしさやポップさやキュートさに、熾烈な山椒大夫の責めが重なることで炙り出される、なんというか禁忌の匂いをもったエロスが浮かび上がって。
それは、FUKAI PRODUCEの作品などでも体験した、とんでもない切っ先をもった緩さと同じ構図で、表現の奥行きや精度を持っいた表現のルーズな交わりだからこそ醸し出されるような、観る側が思いもつかないニュアンスを導き出していく。
終演時には、とてもラフな物語の顛末と、緩くて広がりのある歌の印象と、ビビッドで身体の紡ぐものに留まらないダンスの感触と、そして人がその深淵に繫がれ息づく生々しくグロいエロスの温度が、バラバラでありながら一つの感触として残っていて。
作り手の描き出す、観る側が拒むことができないような鈍色の高揚が暫く滅失せずに残ったことでした。
【本日千秋楽は15時から!!!】『そこで、ガムを噛めィ!! 〜The Baseball comedy! 2013〜』 (※当日券は全ステージ出します!!!)
8割世界【19日20日、愛媛公演!!】
テアトルBONBON(東京都)
2013/10/30 (水) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★★★
野球シーンの見せ方が巧み
マネージャー役の石田依巳架さんの大らかさが劇に和やかなムードを与えていて、とても楽しく鑑賞できました。
ダンスを交えたり、野球のシーンがショーアップされているうえ間延びせぬよう簡潔にまとめられているのも楽しく観られた一因か?
それにしてもピッチャー役の日高ゆいさんの投球フォームは様になっていた。普通はいわゆる“女投げ”になるものなのに…。
ダンスにもキレがあったし、日高さんの図抜けた身体能力を思い知らされた一作でもありました。
チェス
ファントマ
ABCホール (大阪府)
2013/11/01 (金) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
久しぶりの
えん魔さんのオリジナル。自分の国を守る為、世界樹を中心に戦いを続ける白と黒の国。なんの為に戦っているのか忘れるくらい長い時間戦っている。演者にとっては過酷な舞台セット。それがさらに迫力をまし、己の国を守らなくてはならないから戦うというのが何とも言えない。どの人物をとってもかっこいい。特に山浦さんがカッコよすぎるσ(^_^;)観にいって損はしませんでした。行くことができて良かった。
キリンの夢
THE REDFACE
笹塚ファクトリー(東京都)
2013/10/30 (水) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
いや、参った
レッドフェイスがこの光グラブを題材に選んだ段階で、正直失敗作品だと思った。なぜなら光クラブは今まで白昼の死角で映画化され、また小説も何冊も出ている。使い古された題材だ。レッドフェイスのコメディタッチとは趣が違う。が、暇だから付き合いで行った。途中で寝ないかな?と思いながらである。幕が上がった。幕が下りた。
今まで何百と舞台を見たが、多分この凄さはマウストラップに匹敵する。完璧な作品だった。舞台好きを語る人は見るべき作品である。これを見ずして舞台は語るべきではない。
Open the
ムーンビームマシン
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2013/11/01 (金) ~ 2013/11/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
ダンス公演
がっつりダンスだけではなかった今回の公演。人と同じ姿形をしたラビット。その感情をコントロールできたら、、、その感情をダンスで表現。悔しさ嫉妬、殺意などどんな人でも持ち合わせている感情。『己』とはなんぞや?的な感想を個人的には持ちましたσ(^_^;)都合で一回しか観にいけませんでしたが、観にいけてよかった☆vol.2やって欲しい(>_<)そして振付家としての和田さんは相変わらず凄いなと感じずにはいられませんでした、、、(>人<;)
つかまえてごらんなさい、箸で
GORE GORE GIRLS
インディペンデントシアターOji(東京都)
2013/11/01 (金) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★★★
シュールな中に仲間への祝福や羨望もしっかりと
序盤のジャブ的な微妙にズレた会話から「話題の主」登場によりどんどん加速してシュールな方向へ。
それでありながら(元?)仲間に対する祝福や羨望の気持ちがしっかり顕れているのが見事。
予想をひらりとかわして意外なところに落とすのも巧い。
ネタバレBOX
「気持ちのキャッチボール」を実演(笑)して見せるという発想には脱帽。
ギャラクティカ・めんどくさい。
劇団鋼鉄村松
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2013/11/01 (金) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
確かにめんどくさい
めんどくがりの、めんどくさがりによる、めんどくさがりのためのお芝居、宇宙規模で。堪能させてもらいました。新しさや斬新さは特別なかったけれども、ある意味洗練されていてとても楽しめました。
ビジュアル面もシンプルながら考えられていて、目を見はるものあり。
前回は若手演出家とのコラボレーションでしたが、古株(言葉悪い?)の演出の方が洗練されていて自分には好み。今後も期待します。
ネタバレBOX
こたつの使い方がちょっと雑な気がしました。アイテムとしては面白いが、実際に使うとなると無駄が多かった気が・・・
つかまえてごらんなさい、箸で
GORE GORE GIRLS
インディペンデントシアターOji(東京都)
2013/11/01 (金) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
観てきました
観てきた!ほんとに面白くて楽しかった。
独身のこととか、いろいろ笑わせてもらえる内容でした。
自分も、独身でーす。
わーい!
止むに止まれず!
ソラリネ。
上野ストアハウス(東京都)
2013/10/30 (水) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
新月の日に
最高の喜劇を観れた^^私が今回観たのは鈴組。とにかく涙が出るくらい笑ってしまったのは久しぶりで、観劇でここまで笑えて気持ちが温かくなる作品に出会えた事に感謝感謝である。色んな意味で楽しめる部分があったのだけど、一つ気がついたのは某海外ドラマの様に「リアルタイムで進んでいる」と言うこと。ほかにも演出でいろんな仕掛けがあった訳で。。。いい作品をありがとう♪
マチルド・モニエ『ピュディック・アシッド』/『エクスタシス』
Mathilde MONNIER(マチルド・モニエ)
愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)
2013/10/26 (土) ~ 2013/10/27 (日)公演終了
満足度★★★★
マチルド・モニエ「ピュディック・アシッド」「エクスタシス」観ました
30年前に制作された作品を再振り付け。
激しく関わりあう男女関係、前者は対立と共存、後者には馴れ合いでない共犯関係を感じた。
舞台の見せ方、前者は途中で脱いで敷かれたキルトが個人の領域を、後者は立ち並ぶライト群が行きずりの街中を思わせる。
男女共通の性差を越えた衣装が、二人ともよく似合い、よく動く。
しっかりした構成の分かりやすさの中に謎もはらむ、片時も目の離せない作品でした。
それほどダンスを見慣れてない人でも、これを入口に楽しめそう。
基本の偉大さ。
オーディション
劇団SwanLake
池袋GEKIBA(東京都)
2013/10/31 (木) ~ 2013/11/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
凄まじき女の戦い
二度ビックリしました。
ネタバレBOX
囚人と看守に分かれ、それぞれの役割を実践するゲームを行う中で表現力を見て次回の創作バレエのプリマドンナを決めるというオーディションの話。
オーディションに勝ち抜くための凄まじい女の戦いがありました。人の弱みにつけ込んで味方にさせるなど超リアルで、暴力シーンも想像以上の迫力でした。
そして、明らかになったこと。小学5年の発表会ときに潤の衣裳が切り刻まれた事件は潤の自作自演でした。先を行くライバル美鈴の靴紐を切り、自分の衣裳を切り刻んだ過去がみんなに知れてしまいました。
そして、潤がパニクっている最中、もう一人のライバルであり親友の美嘉が潤に突然のキス。美嘉が潤を愛していたことが分かり、二度目のビックリでした。
Mr. Fujino
世田谷シルク
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/10/31 (木) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★★
早い者勝ち
東北の話ですからね、気持ちは分かりますが後追い感ありありでした。
ネタバレBOX
同時上演中のNAT『阿Q外傳』にも藤野先生のエピソードが出てきましたが、それをもう少し具体的にした感じの話。
医学は人を殺すとか、血管図は美しく書くのではなく正確に書くべきとか、友人が妬んだことへの誤解を解く話など魯迅と藤野先生の交流の話だけでは間が持たないようで、校舎の水漏れの話と白い謎の建物の話がありました。
業者が直しても直しても水漏れが続き、しかも実際に舞台上に水が垂れるというのは、まさに劇団チャリT企画『ニッポンヲトリモロス』(2013/10/25~10/30)と全く同じでした。東北の話ですから原発事故の話を加えてみましたという印象を受けましたが、こういったものは早い者勝ちですね。そして、早い方を見た立場としては後追い感が拭えませんでした。
後半のテンポの良い台詞とダンスの組み合わせは心地良かったです。
ハムレット異聞
DANCETERIA-ANNEX
あかいくつ劇場(神奈川県)
2013/11/01 (金) ~ 2013/11/02 (土)公演終了
満足度★★★★
見てきました。
純粋に面白かったです。ハムレットがここまで変わっているとは思いませんでした。役者の緊張感は見ててわかったのでそこはどうどうとしてて欲しかったです。ストーリー、音楽、唄、などはよく出来ていたと思います。
「ラストシャフル」
劇団 浪漫狂
シアターサンモール(東京都)
2013/11/01 (金) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★★
波多陽区が悪いわけじゃないけど・・・
この芝居,3年前に某劇団で観たことがある。その時も思ったが,芝居の前半と後半の印象が全然違い,前半の騒がしさのワケも最後には明らかになり,最終的には落ち着きどころの良い芝居になっている。ただ,やはり違和感は残るんだよね。そして,今回の芝居,波多は全く悪くないが,余計なものを付け過ぎたよね。全体がボケてしまった。どうして,入れてしまったのかなぁ?熱い劇団の順位が1つ下がったような気がする。まぁ,このストーリー自体はあったかく,面白いんだけれどね。
Hello Wedding
幸野ソロ
ワーサルシアター(東京都)
2013/10/30 (水) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★★★
小説世界で大活躍の有坂亜里紗(大島愛役)
フライヤーの説明にある通り、このお芝居は現実世界と主人公ミカが書く小説世界との2元構成になっています。
現実世界のほうは主演女優が展開役を務めますが、一方の小説世界はハチャメチャな展開もある非現実ワールドになっていて多数の人間が話しを進める仕組みになっています。
その小説世界で今回好演していたのが有坂亜里紗(東京都職員大島愛役)さん。ストーリ展開をひっぱる役では無いのですが大活躍でした。
彼女は元気に動き回る以外にも、この作品の主題である結婚とは?・・という命題に、かなり踏み込んだ演技を見せてくれて、この作品の主題そのものの成立を、主役ではない立場からかなり助けていたように思います。今回ガチガチのキャラ設定がされていない唯一の役でもあり、(たぶん脚本には無い)細かいところも抜け目なく自主演技していたし、目の動かし方や声の表現も、とても魅力的でした。彼女の声は知性感のある、舞台で良く響くチャーミングボイスで声色の使い分けも楽しめました。
御本人によると舞台は今回が初めてとのことで、私も存じあげていなかったのですが、舞台での演技としてとても面白い演技でした。今後も色んな作品で活躍して欲しいです。またお目にかかりたいです!
【本日千秋楽は15時から!!!】『そこで、ガムを噛めィ!! 〜The Baseball comedy! 2013〜』 (※当日券は全ステージ出します!!!)
8割世界【19日20日、愛媛公演!!】
テアトルBONBON(東京都)
2013/10/30 (水) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★★★
スポーツのスピード感と爽やかさを感じた
再演。
やっぱりこの作品は好きだ。
ネタバレBOX
個人的には8割世界の中で一番好きな作品だ。
初演のときの感想がコレだ。
http://stage.corich.jp/watch_done_detail.php?watch_id=101444#divulge
初演とは思い切って役者を入れ換えたり、さらに役も入れ換えた。
台詞も少し手を入れたようだし、演出も手が加わった印象。
今回のチームは、前回チームと比べ身体的な能力の差からなのか、全体的にスピード感が出たようだ。
なので、サクサクと進む。
ダンスも初演から比べると格段にいい。キレがある。
この作品は、構成がいい。
前半の、さえない舞台装置が実は効いていて、野球シーンの展開が楽しくなる。
ダンスと軽快な音楽で試合が進行する演出もいい。
しかし、初演を観ている観客としては、面白いのだけど何かが違う。
初演のチームのほうが、野球が下手に見えたのだ。
そして、下手だけど野球が好きに見えた。ひたむきさ、というか、何というか。
その違いは、やはり身体能力的なことが影響しているのではないか。
舞台の演技としては、今回のほうがすっきりしている。
ムダな大声もあまりない。
前回よりは格段にスマートである。
初演チームは、どこかゴツゴツしていた。初演とはキャラの立て方が違うのだ。
そのゴツゴツ感に引っ掛かりながら、笑いが起こっていたと思う。
例えば、新しく入団する国分も、初演の高宮尚貴さんは、とても変な人だった。
だから、あのトンチンカンな台詞が、変な男の口から発せられるので違和感が違和感にならなかったのだ。ラストの大事なところで大失敗してしまいそうな、不気味さに近い変な感じが出ていた。
今回の国分役は、前回よりもうまいのだけど、そのためか、なんかワザとやってるみたいなそんな感じを受けてしまう。
そして、セルメニョも、初演は違和感のある俳優(笑)・小早島モルさんだったから、違和感が違和感として活きていたのだ。今回のセルメニョ役の小林21種類さんもいいのだが、全体の中に溶け込みすぎている印象だ。
そして、一番問題なのは、今回、元のエースを演じた池添役の小早島モルさんが、違和感のままだったことだ。前回の池添はいじけても可愛げがあったのだが、小早島モルさんが真っ向から出てきているので、池添の印象が大変悪い。
さらに、変な頭にカットしてきたことで悪目立ちをしてしまった。「ハゲ」にこだわったのだと思うのだが、子連れ狼の大五郎カットは、まったく面白くない、というかつまらない。
こういうやり方(見た目だけで笑わせようとするの)はコメディのスタイルとしては、あまり褒められた方法ではないと思う。
ただし、悪いところばかりではない。
助っ人・武士沢役の日高ゆいさんは、初演よりもさらに良くなっている。
今回のチーム全体が運動能力が高いために、それがさらに良く見えるのだ。
ピッチングフォームも演技も堂々としていて、実に「男らしい」(笑)。
さすが「8割世界看板女優」の肩書きだけのことはある(笑)。
演出的には、メインの台詞の後ろで何かしている、という演技がきれいについていて、うまく溶け込んでいたのには感心した。舞台の上の配置・構成が前回よりも良かったのではないだろうか。
また、いくつか台詞や演技に違いもあったようだ。
ラストのセルメニョの顔から色が落ちたところで、「ばれたか」の台詞とドタバタが追加されていたが、これは「何だっかわからない」という初演のときの観客の声からそうしたものと思われる。しかし、個人的には「あっ」だけの、本編とは関係のなところのモヤモヤが残るほうが好きだった。
ついつい、気になったところを挙げていってしまったが、結局のところ、この作品はやっぱり好きな作品だ。
初演よりも「笑い」が少なくなってしまったが、スピード感やリズム感が好きだ。
もし、また再演する機会があれば、さらにブラッシュアップを望みたい。
ギャラクティカ・めんどくさい。
劇団鋼鉄村松
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2013/11/01 (金) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
これは銀河レベルで面白かったと言っていいだろう
「銀河レベル」というのはどれぐらいのレベルなのかは、書いた自分でもわからないが。
そして、銀河にまた1つ新しい歴史が刻まれた……。
とてもくだらないのだけど、とても面白い。
いくつかの「テーマ」となるべき「軸」が、安普請で壮大な銀河の物語を編み上げていく。
劇団鋼鉄村松ファンは必見。
ファンじゃなくても、暇があったら必見。
スペオペ好きも必見。
犬好きも必見。
ビキニ好きも必見。
あ、そうそう、結構笑ったよ。
ネタバレBOX
劇団鋼鉄村松は、いつも詰め込みすぎだ。
とにかく台詞が多くて過剰で、情報過多である。
その中に笑いを潜ませているのだから、タチが悪い。
うっかりすると笑いのポイントを見逃してしまいそうになる。
観劇中は、頭を高回転させるのが必至である。
しかし、今回は頭をフル回転させることなく、わかりやすい。
単に「慣れた」のかもしれないのだが、わかりやすい。
いくつかのエピソードが上手い具合に絡み合う。
エピソードの1つひとつが独立して、それぞれが主人公となっても面白そうだ。
例えば、昔の諺で「最後に宇宙の果てで銃を向け合っている2人が笑う」「おっぱい」なんていうのさえも、作品の中心に据えて全体を構成してもおかしくはない。
例えば、カルヴァン大尉の気持ちの変化や、嫉妬の深層心理を軸にしても1本の作品として十分に成り立つだろう。
そうしたいつくかのエピソードを惜しげもなく盛り込み、それらで中心テーマを立体的にカタチ作っていく。
普通によくあるのは、「ここぞ」というポイントに主人公が、「いかにも」な台詞で観客を「なるほど」と思わせ、「作品のテーマ」を見せるという方法。しかし、そんなありきたりな手法を逆手に取るように、「いかにも」な台詞をさらに「過剰」にして、数だって増やし、「テーマ」の周囲を埋めていくのだ。
新しい皇帝になる、のりおの演説の台詞はもちろん、ヘラの女王の長台詞もそうだ。それ以外にもしつこいほど、「面白い」と「めんどくさい」について登場人物たちに語らせていく。
すでに「面白い」と「めんどくさい」の「二元論」には収まらないことを、誰もか「わかった」上で、さらに突き進むのだ。
二元論的対立を銀河規模で描いているのだが、これは背中合わせであり、裏と表である、ということがラストに向かって述べられていき、結局、両方がほどよくある世界に落ち着くという、当たり前すぎるエンディングとなる。
途中から、いや最初から見えていた、二元論では人間を語ることができない、ということになるのだ。
このわかり切ったことを、銀河規模で描いてみせ、ちょっとした感動さえも与えかねないのだ。「光に背を向けて自分の影を暗闇として生きてきた」的な、数々の大げさな台詞に対してだ。
それが素敵だ。
チープな銀河大戦と、安普請で壮大な銀河の物語。台詞だけは銀河規模。明らかに銀河英雄なんちゃらの影響もあろう。
だけど、「ああ」って思ったりするところがあったりもする。
それは、過剰な台詞の中に一瞬だけ光ったりする。
その光は「私だけ」にしか見えないものだ。
その「光」は人によって違うと思う。それが見つけられたら幸いだ。
複雑怪奇な世界に生きているからこそ、こんな単純な「面白い」と「めんどくさい」の二元論から始まる世界に、「真理」的な何かが見えるかもしれないのだ。
恥ずかしいことだけど、そんないくつかの台詞に対して、劇団鋼鉄村松ごときの舞台(笑)にもかかわらず、ちょっと感動してしまった自分があったりする。実に不本意ではあるのだが(笑)。
あと、結構笑った。
ユウコを演じた小山まりあさんは、声も通るしハツラツさがいい。あと、び、ビキニも……。主人公的な位置づけののりおを演じた村松中華丼さんも後半からがいい。
しかし、何よりもこの2人の若手を、カルヴァン役のムラマツベスさん、ベルカ役のボス村松さんや第二大臣役の村松かずおさんたちなど、そのほかの役者さんたちがきちんと支えていたことが、作品の厚みを増していたのではないだろうか。
そして、村松ママンスキーはずるい。
……犬のベルカって『ベルカ、吠えないのか?』からのネーミングかな。
『ギャラクティカ・めんどくさい。』はバブルムラマツさんの作・演出である。
観劇後、この劇団のもう1人の作・演出家であるボスさんに「とても面白かったです。バブルさんと少し差が付いたのではないですか」とうっかり言ってしまった。
ボスさんは、微笑みながらも、少し寂しそうな目をしていた。
「あれっ、そういうこと意外と気にしているんだな」と思ったけど、どうやら次回作はボスさんの番らしい。「その言葉をバネにしてちょうだいな」と言って、次回作に期待しよう。
音楽劇「赤毛のアン」
DGC/NGO 国連クラシックライブ協会
東京国際フォーラム ホールC(東京都)
2013/11/02 (土) ~ 2013/11/03 (日)公演終了
満足度★★★★
子供たちの可愛らしさ
国連絡みなので、所謂出来の良い優等生的発想の作品でそういう作りになっている。資金も豊富だ。訴えていることが、こんなに金を掛けなければ実現できないなどとは、到底思えないのは、自分もアフリカで仕事をしたことがあるからである。
子供を多く使い、良い子教育で縛ったうえで、お転婆娘、アンを演じさせる。照明も暖色系を多用して暖かく、前向きなイマージュを積極的にプッシュする。無論、技術的には、上手である。子供達の素直さと一所懸命とには好感を持った。唯、大人がそれを利用してある方向に持って行こうとしていることは、矢張りあざとい。
一方、役者達の演技には、好感を持った。これは、大人の役者に対してもである。マシューの暖かさ、最年少のアンを演じた女の子のひたむきにも。
アンが到着した駅の名が、Bright Riverというのも象徴的に上手く使われているし、終盤、マシュー夫妻とアンが手を繋いで歌うシーンでは、雲という極めて可塑的なイマージュが、用いられ、観る物に各々好きな形を想像する余地を与えている。
また、マシューが亡くなった後も「同じ明日は無い」と前向きに生きて行こうとするアンの姿勢は、基本的に正しい。人は夢無くして生きては行けない生き物だからである。
阿Q外傳
NAT
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/10/31 (木) ~ 2013/11/04 (月)公演終了
満足度★★
演出家が余りに鈍感
辛亥革命を風刺した作品ということで期待していたのだが、演出家が、今作の演出に当たって革命について真剣に考えているという印象は全然無い。Beseto演劇祭のコンセプトに合わせて著名作家・大作家であり、日本に留学していた経験もあることから、影になり日向になりしながら、日中友好に心を砕いた魯迅の作品を下敷きにした宮本 研のシナリオをアリバイ的に持ち出したとしか思えないのである。
ネタバレBOX
そも、今作が、今の日本、韓国、中国のどの国にヴィヴィッドに受け入れられると考えたのだろうか? 革命が成功する為には、民衆の逼迫、権力者の横暴・堕落、軍内部の反乱傾向、更に革命の中心を担う指導層の成熟、資金、革命勢力への民衆支持、転覆の好機、社会情勢、世界情勢等々の的確な分析などが、最低限必要である。革命が出てくる作品の演出をするのであれば、命懸けで闘った多くの名もなき革命家が、世界中で何をどうしていたかに目を配って当然なのだ。そういった視点が一切ない。だから、必然性の無いダンスなどが出てくるのだ。
大体、今の日本で革命ということを、それも、関係も表さずに出すこと自体、考えが足りない。出すならば、辛亥革命を支援していた日本人をっもっときちんと作品の中に出し、その辛苦をも表出すべきであっただろう。宮本のオリジナルシナリオを読んでいないので何とも言えないが、オリジナルをそのまま踏襲したシナリオであるなら、ちょっと、今の日本の状況とは距離が在り過ぎる。
何故なら、今作を今回、日本で2013年秋に上演しているわけだが、安倍政権は、今や反革命・反民主主義の尖兵、ファシズムの前衛である。然も、愚衆は、一切、危機感を持っていない。それどころか、相変わらず、その日、その日の小市民的発想にしがみつき、アメリカの植民地であることに屈辱すら感じていないようである。その鈍感、その退廃をこそ、撃つべきであった。そこに中国の民衆を介在させる必要は無い。中国民衆を介在させるなら、中国と日本との間に在る差異についてもっとエッジを効かせて描くべきであった。