最新の観てきた!クチコミ一覧

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歩行船

歩行船

桐朋女子演劇部69期黄色70期赤

キッド・アイラック・アート・ホール(東京都)

2015/03/31 (火) ~ 2015/03/31 (火)公演終了

初見
うーむ・・・・。好みに合わなかったので、ノーコメント。

frequency/ありふれたこと・波長

frequency/ありふれたこと・波長

Sayeh Iran theater group(テヘラン)

タイニイアリス(東京都)

2015/02/20 (金) ~ 2015/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★

国家と平和と想いと...
競演 東西南北 AliceFestivalの一環としてSayeh lran theater groupを招聘し公演したもの。この作品はイラン・アカデミック賞を国内外の演劇祭で10指に余る賞を受賞した新進気鋭 Morteza.Mirmontazemi 氏が演出を担当している。

本公演は、原語上演でペルシャ語の字幕が映し出される。その言語に堪能であれば、すんなり理解できるであろうが...。しかし、当日パンフに粗筋(6情景)が記載された資料が配られる。

これは長い年月 国のために戦い続けた兵士の物語で、今、彼は普通の生活を送っている。彼は生まれ故郷で普通の生活をしている。しかし、その描いている夢物語は...

言葉や映像に書かれていることが分からなくても、その想いは十分に伝わった。

ネタバレBOX

結論は、この男は既に亡くなっており、現世での想いを綴った物語である。

その芝居の冒頭は料理番組かと思うような、野菜を切り刻む。そして突然にゾウの話へ転換する。そのゾウの話は空腹へと繋がる。そして鶏の話へ...鶏の羽を毟り取る。その鶏はチキンとして戦争へ行く。
暗転と比喩の連続であるが、そこには国情の関係で直截できない事情があるのか、もしくは自分の感性が鈍ったか。

殺戮、空虚(空腹)、戦争...戦地に行く兵士がイメージする光景が逆回転するかのようである。その情景がシュールに描かれ、最後は男が横たわった姿になる。そこは墓場…死んでやっと故郷で眠ることができる。その怖いまでの抵抗と平和への願いが心に響く。

実に見事な公演であった。
舞踊劇『葉衣HAGOROMO』

舞踊劇『葉衣HAGOROMO』

千代田区立内幸町ホール

内幸町ホール(東京都)

2015/03/24 (火) ~ 2015/03/25 (水)公演終了

満足度★★★★

樋口一葉作品の持つ”言の葉”の美しさ
樋口一葉の代表作「闇桜」「十三夜」「にごりえ」「たけくらべ」の4作品を、その言葉の独特な美しさと情景をチェロとパーカッションの音色にのせて描いた公演である。
樋口一葉...いわずと知れた明治初期の女流作家であり、その短い生涯に美しくも儚い、そんなイメージの作品を残している。多くが短編であり、本公演はその内容のダイジェストが描かれているので、樋口作品を90分程の上演の中で楽しむことができた。
この原作を芝居と日本舞踊で観せるという贅沢な演出であり、明治という時代の雰囲気を十分醸し出しており、秀逸な公演であると思う。

また、トピックのように、一葉の貧困(生活苦)を描く一方、2004年から発行されている五千円紙幣に肖像が新デザインとして使用されていることを引用し、その時代を経た皮肉...そのユーモアのある演出も楽しめた。

当日配付のパンフから.. 「舞踊・音楽・演劇(朗読)で表現する一葉の世界」は見事に表現出来ていた、と思う。

ちなみに、樋口一葉は現在の千代田区内幸町の長屋で生まれた、そうである。

次回公演も楽しみにしております。

たぶん世界を救えない

たぶん世界を救えない

東京マハロ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/03/25 (水) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★

一体どうしたらいいのだろう!
芝居の内容自体は、これまでにも観てきた芝居に重なる部分あるが、
その演出と役者の演技が目を見張る。
舞台セットも照明も見事であった。
どうしたら、町に将来的な夢をもたらすことができるのだろうかを訴える。

ネタバレBOX

3・11から1年後の被災地の住民たちの出来事。
住民の考え方や被災補償もまちまちでそれも諍いのもと。
原発を”あれ”と代名詞で貫くことによって、得体のしれない必要のものなのか、不必要なものなのかを示唆する。
そして住民たちの思いを冒頭とラストの2回、ひとりひとり問いかけるのが印象的であった。
しがらみの向こうに

しがらみの向こうに

RISU PRODUCE

「劇」小劇場(東京都)

2015/03/25 (水) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

これは面白い!
何度も再演されているようだが、私は初めて。
実話を基にしただけに興味深い脚本、そして細かい演出が目をひく!
応募当時のみすぼらしい風貌が詐欺でお金を稼ぐにつれて、服、靴、時計、アクセサリーなどが何度も変わり高級になっていく。
特に、実行隊長の都を扮する田中俊の演技が冴えわたる。、
詐欺とは承知の上でそれを行う背後にあるつらく悲しいものがドラマティックに表現されているのが素晴らしい!

ネタバレBOX

初めて振り込め詐欺を行った事務所における人間ドラマ。元山(社長)と都(部長)の二人で始める。新聞の3行広告も見て応募してきた5人はそれぞれに問題を抱えていた。残ったのは4人。警察に妹を殺されたと思い込んでいる東京から逃げてきたもの。施設育ちの在日三世孤児、十三でキャバレーの呼び込みをしていて店の子に手をだしヤクザに追われている者、チンピラなどなど。本人たちは当然悪いことをしているのは自覚している。それでもなぜ、つづけているのかをすべての登場人物に目が向けられる。そして互いに助け合うことにより友情が生まれる。彼らが本当に欲しかったのは、しがらみではない愛という絆と思い描ける夢であったのだ。
着て踊る

着て踊る

Kermit Office

テルプシコール(TERPSICHORE)(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

【無題】1439(15-087)
14:00の回(晴)。13:31受付、開場。

3面壁沿い、天井からパイプ、衣装がずらっと架かっていて、ほとんどが落ち着いた色、一着真っ赤な色。BGMにピアノ曲。客席はコの字、縦長の舞台には6つの丸椅子。

14:02開演~15:02終演。

サイトをみると半ば強制的に「これを着るものとする」とした場合、がお題のようでしたが、よくわかりませんでした。動きは、なかったり、ゆっくりしたものだったり、赤い衣装もただ巻いたり、覆ったり...。

IMAGINE

IMAGINE

劇団ヴァダー

神戸アートビレッジセンター(兵庫県)

2015/03/28 (土) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

久々の本公演。
男性脳と女性脳。
お勉強になるお話でした。
舞台上だけでなく、舞台下まで広く使っての上演。
役者さんとの距離が近い近い。
突然現れた壁&壁ドンするかずをさんに笑いながらもドキッ!
顎クイも見たかったかも。

楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~

楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~

オレの劇団

新宿眼科画廊(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1438(15-086)
18:00の回(晴)。17:25受付、17:36開場。

奥が舞台、手前に桟敷+椅子席、この会場、ゴミ屋敷みたいなもの、シュールな装飾などは観たことがありましたが、整った美術でここまで造りこんだのは初めて。一目で「楽屋」、メイク道具(たくさん)、小物(これも細々と)、衣装、ちりとり、掃除機、スーツケース、三方には格子の仕切り。

18:08前説(75分)、18:10開演~19:20終演。

冒頭、チェーホフのシーンは黒い衣装で厳かに、「楽屋」にはなぜかメイクに電動カミソリを使う女優も。入念なメイク(鏡はなく、2人は並んで客席のほうを向き座っている)も手馴れている様子。辛口の会話は勢いがあり前作とは随分違った印象。

「劇王 天下統一大会2015 東京予選(2015/1@ミラクル)」Bブロック(白石さん、大川さん)で観たとき、こちらの公演があることを知り、観にきました。この演目は「ちょくちょく企画(2014/5@EARTH+GALLERY)」で観たことがあるのですが、会場の広さ、雰囲気はかなり異なり、どちらかというと本公演のほうが(狭い分)捕えられた情景を強く感じました。

ジョリス・ラコスト 「話し言葉の百科全書」をめぐって

ジョリス・ラコスト 「話し言葉の百科全書」をめぐって

青年団国際演劇交流プロジェクト

アトリエヘリコプター(東京都)

2015/03/28 (土) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★

名前が仰々しい割に、やってることは割と普通
『話し言葉の百科全書』プロジェクトとは、我々にとって身近な言葉を日常から拾い集めて俳優に再現させる試み。
 仰々しいネーミングから物凄いものを期待したが、蓋を開けたら割とよくある試みだった。

 宮沢章夫は3.11の震災直後に街なかで拾った会話を俳優たちに再現させたし、ジョビジョバはTVバラエティー『堂本兄弟』における出演者間のやり取りを“心の声”付きでコピーした。憶測による“吉田拓郎の心の声”がとても面白かったのを覚えている。
 
 フランス人のジョリス・ラコストによるこのプロジェクトでも、街で拾った会話やTVのやり取りはもちろん、いろんな話し言葉が再現の対象にされているが、こういうものは、日本の演劇人が取り組んだほうが良い成果を上げそう。

 個人的に、ラコストさんのは、収集する話し言葉の選択があまり面白くないと感じた。

 トークセッションを聞いた感じだと、ラコストさんは面白い話し言葉を拾うことを第一目標にはしてないようだが、笑いがくるとやっぱり嬉しそう。

 だったら、アート寄りの作りでなく、もっともっとエンタメ寄りにしてはどうなのか?

 そのほうがこのプロジェクトのことをより広く知ってもらえるし、きっと良い気がする。

ネタバレBOX

 ゲストの前田司郎さんがラコストさんとの対話で言っていた通り、採取された「話し言葉」に日常会話が少ないことには私も違和感を覚えた。
 フランス語で「話し言葉」は口頭言語全般を表す「parole」の一語で表現され、そこには普段のなにげない会話から政治家の演説、スポーツ実況まで、あらゆる音声言語が包含されるらしいのだが、それを「話し言葉」と訳されると、われわれ日本人は喫茶店や電車、家庭の食卓などで交わされるありふれていて他愛ない会話、いわゆる「日常会話」をイメージしてしまい、ラコストさんらが拾ってきた、それよりも広域な「話し言葉」に戸惑いを覚えてしまうのだ。
 でも、ラコストさんが「日常会話」をあまり取り上げないのには、フランス語の「parole」が日本語の「話し言葉」より広い意味を持つこと以外に、何か別の理由もありそう。
 多分、物事をはっきり言うフランス人の「日常会話」は、日本人のそれと違ってワビサビや微妙な陰翳を欠き、あまり面白くないのではないだろうか?

 だから取り上げない、というわけだ。

 お見合いでの会話のようなギクシャクしてハネない会話は消極的な日本人ならではなのかもしれないが、当事者たちが盛り上げようと必死なぶん、その熱意が空回りして弾まないやり取りは傍から見ると間抜けで面白い。

 フランスではこうした会話があまりなされず、ために“会話の間抜けさ”を楽しむ文化が育っておらず、結果としてラコストさんは「日常会話」をあまり取り上げないのではないだろうか?

 以上が私の仮説である。
現代能楽集 クイズ・ショウ

現代能楽集 クイズ・ショウ

燐光群

ザ・スズナリ(東京都)

2015/03/20 (金) ~ 2015/03/31 (火)公演終了

満足度★★★★

来たっ!!
当たりである。燐光群の真骨頂。
『屋根裏』がお好みだった向きには、久々にこの系統の作品です。公演は終っても薦めたいこのもどかしさ。<クイズ>という様式を問いながらあらゆるものをぶち込んでエッジが鋭い。意味のよく分らない哲学的な問いも詩のように響くのは「クイズ」という一本の軸があるからだろう。現代能楽集とあり、複式能の説明も出てくるが、劇全体としては、人類の営みへの後の世からの追悼の目線が、ほんのりと浮かび上がるのがそれか。新参の役者の割合も多く新鮮だった。

Equal-イコール-

Equal-イコール-

赤星マサノリ×坂口修一

JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)

2015/03/07 (土) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★

お芝居の迷宮に迷い込む。。 
赤星さんと坂口さんの軽妙な芝居を楽しんでるうちに、
いつの間にかお芝居の迷宮に迷い込み、

「えっ、どういうこと?」って

わけが分からないまま戸惑いながら観ていくと、

「えっ、そういうことなの。。!!」

って、同じ時間の流れで一緒に芝居を楽しんでる自分と
過去の伏線を思い出し確認しながら芝居を楽しんでる自分と
ふたり出てきて、

「あぁ、わけが分からない、いや、分かる、あっ、そうか、えっ、なんだ?」

色んな気持ちがごちゃごちゃごちゃごちゃ、
いや~、面白かった。

DVDを予約しとけば良かったと後悔。

高校演劇サミット2014

高校演劇サミット2014

高校演劇サミット

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★

三校の作品を並べただけのお粗末な演劇フェス
 …というのが偽らざる思い。
 高校演劇とはいえ、有料公演である以上、どの劇も一定水準を満たしていてしかるべきだし、そうなるよう、企画・運営者は尽力すべきなのに、うち二校の作品は劇構成がこの上なく乱脈、残る一校のは作りがあざとく、良作は一つもなかった。
 アゴラグループから所属の演出家を各校に派遣し、シオリオ作りから演出に至るまで面倒を見させるぐらいのことをしなければ、このイベントは来年度以降も本年度並みの低空飛行を続ける可能性が高い。

 もっとも、高校演劇には教育的機能もあり、生徒たちに自主的創造を学ばせるのもその大きな役割の一つだろうが、自主的創造を学ばせるには優秀な導き手が要る。
 だが、今回参加した三校の作品のうち、一流の指導者が手引きしたと思える作品は残念ながら一つもなかった。
 演劇の創作はもちろん、ワークショップなどでも成果を上げている指導能力の高い演出家の派遣を、企画・運営者にはぜひとも検討していただきたい。

 一日通し券も売っているのに、全作品を通覧して浮かび上がってくる面白さがないのも残念。
 共通テーマのもとに創作させたり、同じ有名作品を翻案上演させたりして同じ土俵で互いを競い合わせれば、全体としての統一性が生まれる上に各校の個性も見えてきて、演劇フェスとしての面白味も増すのではないだろうか?

ネタバレBOX

 三作品の中では、短歌甲子園を目前にした文芸部員たちの物語『秘密の花園』に好感。
 顧問の先生に対する文芸部員たちの敬慕の思いがよく伝わってきた。
 ただ、入院中の先生に会いに行く過程がブニュエル『昇天峠』ばりのシュールな道行きになっていて、叙情的な味わいを持つ作品の全体と整合していないし、この道中記を挟み込んで無理やり話を引き延ばしているような印象も受けた。
 個人的には、納得のいかない添削をされて先生を嫌いになりかけている部員たちが、先生に会いに行く途上で体験する様々な出来事を通して添削の正しさに気づき、最後、やっと再会できた先生に感謝するという筋立てにしてはいかがだろうかと思った。

たぶん世界を救えない

たぶん世界を救えない

東京マハロ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/03/25 (水) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★

目を覚ませ
結構まともな筋立てでした。

ネタバレBOX

原発とともに生きた町で、事故後の今は中間処理施設誘致で繋いで、将来は再度原発誘致をしようと考えている田所水道店の潤二郎を中心に、家族、兄弟の家族、さらに地域の人々のそれぞれの思いを描いた話。

神棚にこだわったり、家に入るときに塩を振りかけたりと、嫌いな迷信に溢れていましたが、東京マハロとしては初めてではないかと思える程のまっとうな筋立てでした。ただ、働きもしない弟に水道店の社員として給料を払い続けているというのは、最近の税務署が気がつかないはずがないのではないかとも思い、悪質な脱税行為をしている会社に対しては嫌悪感を抱きました。

兄弟と家族が独白する同じシーンが二回ありましたが、最初のときは潤二郎夫婦は手をつないでいたのに終盤のシーンでは手を離していて離婚することが窺えました。その後、妻は家を出ていきましたが、逆にしつこく感じました。

それにしても、町の発展に原発が必要と考えている人たちの目を覚まさせるにはもう一つの事故が必要とすれば非常に悲しいことです。
薫風

薫風

etecolza

きいろろ聡明堂(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1437(15-085)
18:30の回(小雨)。17:55会場着、受付、18:00開場。

JR尾久駅を(初めて)降り少し歩いたところ、商店街に面した、奥行きのある長方形の会場、板張りですがそのまま入り、左右の壁沿いに1列ずつ(対面)客席。奥の左にフルート、手前右にアコーディオン。入り口はガラス戸、外が見えます。昨年閉鎖した「楽間」に似ているかも。

18:28前説、フルート、開演~19:31終演。

岸田國士『葉桜』は未読(終演後、青空文庫で斜め読み)ですが、「etecolza」は「月を泳ぐ魚(2014/3@LIFT)」を観ていて、1年振りでの2作目、冨士枝さんは、楼蘭の「グロテスク(2014/3@パラータ)」を観ています。

1924年(大正14年)初出の「葉桜」の母娘と「今」の友人同士のお話が交互に織り込まれた作品。座っているシーンが多いのですが客席は1列ずつなのでどこの席からでも観ることができます。場内の照明の加減、時折、静かにメロディーが奏でられるなか、二人はふたつの話を同時進行させます。「葉桜」のシーンでは正座、「今」ではひざを崩して。

外は暗く、そば屋さんでしょうか看板の灯りが白く見えています。会場を暗くするとその白い背景により役者さんは黒いシルエットとなって浮かび、その表情は闇に溶け込んでいるように見えてきます。世代(縦)と別れ(横)とがグラデーションのなかで入れ替わる演出ともあっていたように思います。

大正という時代、(原作では4月下旬の真昼)、にどんな色を想像したらよいのかわかりませんが、とてもよい雰囲気でした。もちろんお約束の「通行人」が通りから中を見る..というシーン…もありました。

もうひとつの、海、川、電車、公園、猫、桜、街を出てゆく友人との思い出巡りは、ちょうど今の時期、出会いと別れの季節にあったお話でした。

リニアモーターカーブ

リニアモーターカーブ

ハレボンド

戸野廣浩司記念劇場(東京都)

2014/11/07 (金) ~ 2014/11/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しませていただきました!
旗揚げ公演ということで少々不安でしたが、充分に楽しませて頂きました。

田舎の4人兄妹の、その次男の結婚話に端を発する話。喜劇ということですが、テーマはずいぶん重い悲惨な話。
けれど、適度にバカバカしく、重くなりすぎず、障害者などの難しい役所も嫌みなく表現されていましたし(役者さんの力ですかね?)、笑いも随所にちりばめられて、バランスがとれていたと思います。
前半は少々まったりする所もありましたが、後半に入ってからの展開にはぐんぐん引き込まれていき、そしてラスト、思わず泣いてしまいました。
結局、誰の言っている事が本当だったのか、誰が一番悪かったのか、その曖昧さもいい意味で余韻になりました。
いいお話でしたね。

まだまだ稽古不足かな?と言う箇所も見受けられたし、役者さんの技量不足なところもありましたが、個性的な役者さん達には好感が持てました。
でも、笑いのネタや出て来る曲が、昭和の香りがプンプンするのは主宰さんの趣味なんでしょうね。そのあたり少々古くさい感じもしましたが、分かりやすいので、まあいいかな。

カテゴリーボックス

カテゴリーボックス

9-States

小劇場B1(東京都)

2015/03/26 (木) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

普通とはなんぞや
独特な世界観と奥深い物語で考えさせられる内容。斬新な演出とそれを表現出来る個性豊かな役者達、クオリティーの高い作品でした。

ネタバレBOX

インナーハウスと言う新しい隔離病棟を作った医者医者達の話。そこには様々な家族が住んでいる。しかし話が進むにつれて、その家族が、実は本当の家族ではない擬似家族と言うことがわかる。家族に捨てられた人たちが家族に憧れて作った家族の輪。どこかが壊れてしまった人間がその先に求める答えを描くのかと思えたが、実はなにをもって壊れているのか?そもそも、壊れているとはなんぞや、見ている自分は壊れてないのか?そんなことを投げかけられたように思えた。
少年は銃を抱く(満員御礼で終了しました。御感想お待ちしています)

少年は銃を抱く(満員御礼で終了しました。御感想お待ちしています)

MU

駅前劇場(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/04/01 (水)公演終了

満足度★★★★★

自分の世界と外の世界
MUは、2009年にルデコで『JUMON/便所の落書き屋さん』の2本立てから観ている。
しかし、評判の良かった前作は見逃しているのだが、「MUの最高傑作登場」と言ってしまおう。

日常をうまく構築し、台詞のセンスがいい。
21名もの役者それぞれのキャラがきちんと立っていて、それぞれの「物語」での「役割」と「設定」が抜群。

「上演時間は140分」というアナウンスを聞いて、心の中で「えーっ」っ思ったが、その「えー」は、回収して持って帰るべきだった。
前のめりで楽しんだ。

……ネタバレボックスへの書き込み、調子に乗って長くなりすぎた。

ネタバレBOX

MUの面白さは、「軽み」ではないか。
このときの、「軽み」は「軽さ」とはニュアンスが違う。

芭蕉が到達したと言われる俳諧の理念の「軽み」であり、「軽い」わけではない。
goo辞書を引用すれば、「日常卑近な題材の中に新しい美を発見し、それを真率・平淡にさらりと表現する姿」である。

まさにMUの世界と一致する。

表層にある日常の世界を描いているようで、実はその中にはずっしりと重量感があったりする。それを「美」と言ってもいいし、「テーマ」と言ってもいいだろう。

(表層の)日常の面白さだけを見たとしても、MUの作品は楽しめる。
気の効いた台詞の応酬がいいからだ。

今回はの作品は、140分もの長編である。
MUは短・中編という印象が強いが、ずっしりとした長編。
3部連作と説明をしているが、3幕モノの長編と言ってもいいだろう。
というか、そう見たほうがいいように思える。

さて、この作品は、小沢道成さん演じる光雄が、主人公である。
彼の世界に近いところにいる高校生たちが、江口ハウスと呼ばれる彼の家に集まり、ゆるく世界を作る。

「世界」という表現をしたが、これがこの作品の1つのポイントではないだろうか。

思春期ぐらいから、「自分の世界」について考え始めることがあると思う。
その「世界」をどうとらえるかによって、あとの「世界」が大きく変わる。

まず最初に「自分の世界」があるというこを発見する。
それが他者との違いを理解することになるのだ。

そして、その「自分の世界」がどうなのかを、「外の世界」と比較し、小さかったり、薄汚れていたりと感じるのが思春期であろう。また、逆もある。「外の世界」が、薄汚れていると感じるのも思春期特有の考え方だ。

「自分の世界」と「外の世界」が「切り離された」ときに、「どう感じるか」が、次のポイントとなる。

そこで、「光雄(たち)の世界観」が出てくる。
彼(ら)は、外の世界と自分の世界が切り離れていると感じたときに、それを受動的に受け止め、「孤立した」と感じてしまう。

事故でサッカーできなくなってしまった明石健や、演劇部活でハブられていると主張する大岡山誠、かつていじめられっ子だった福田栄人、ロック好きなモヨコなどがまさに、それぞれが「自分の世界」と「外の世界」の「関係」をそう見て(受動的に受け止め)、「孤立感」を感じている。福田とモヨコがつきあい始めるのは、「自分の世界の拡張」にすぎない。

だから群れる。

しかし、そうでない感じ方をする人もいる。

それが、光雄の従兄弟・晴臣である。
彼(ら)は、外の世界と自分の世界が切り離れていると感じたときに、それを能動的に受け止め、「独立した」と感じるのだ。

「孤立した」と感じる派にとって、「銃」は「お守り」である。つまり受動的なのだ。しかし、「独立した」と感じる派にとっては、「銃」は「ツール」や「スキル」であり、能動的なかかわり方をする。
作品ではそこのところがきちんと描かれていた。

この作品の「軽み」とは、こういったことなのである。

ともすれば、こういった作品は、被害者意識の強い光雄たちの「自分の世界」と、「外の世界」の代表である、大人、つまり、「親」や「先生」との対比、あるいは対立という図式になりがちである。
しかし、別の視点、つまり、「晴臣の、自分の世界」を持ってくることで、より物語に深みを増していくことになったのだ。

晴臣は、光雄にとっての理想像なのかもしれない。つい反発してしまうのは、近すぎるからだろう。
晴臣が光雄に言う台詞がある。「簡単に人の輪に入っていく自分が羨ましいのだろう」(正確ではないけどそんな意味)と晴臣が言うのは、まさに光雄にとって正鵠を射った言葉だったのだと思う。

そんな2人の関係は、チェーホフの作品ではわからないが(笑)、シェイクスピアの『ハムレット』ならば、光雄がハムレットで、晴臣がフォーティンブラスというところか(笑)。違うか。

横道にそれてしまった。
そのように、たとえ分岐点までは同じであったとしても、少しのずれで大きく進路が変わってしまった、2つの「切り離された世界」の「とらえ方」で、気づきを呼び起こす。

なので、後半に向けて光雄の成長が理解しやすくなるのだ。

それは「対立」という図式にあったのでは到達しにくい方向ではないだろうか。

ラスト近くで光雄は、小川恵美というガールフレンドに別れを告げる。
「自分の世界」は「孤独である」と感じていた者であれば、そういう選択はあり得なかったと思う。
すなわち、「彼女は自分の世界の人じゃなかった」という失望感の中での「別れ」ではないからだ。

彼女の「自分の世界」を認めたことによる別れであり、光雄の視点がぐるりと転換したことによるのではないだろうか。
それはつまり、彼自身が言っていたように、「彼女を救う」のは「自分を救うこと」だったということに気が付いたということでもある。
「銃」を仲間に貸したのは、明らかに「実験的」な意味合いが強く、それは「彼女を救う」ということが根底にあったとしても、「彼女との関係」を「進行させたい」という欲求もモロ出しのようであり、彼のそういう心は、実は外からは丸見えであったりしたわけなのだが。

光雄は、「一方向の視野」しか持たなかったのが、「いくつかの方向の視野」を得たということだ。
光雄を含めて、江口ハウスに集まる人たちは、自分のことを客観視しているようで、実は「自分の世界の中」からしか、客観視できていなかったのが、「外の世界」から見ることができたということではないか。
したがって、彼は江口ハウスに集まってくる高校生たちとも別れることになるような気がする。少なくとも精神的には。

光雄にとっての、ひとつの軸、あるいは規範でもあり得た、晴臣は、その時点で光雄にとって、(酷い言葉ではあるが)必要がなくなった。だから、物語の中で消えていく。

作・演のハセガワさんは、このステップを踏んできたのではないかな、と思わせる。
こちらが勝手に思っていることなのだか、ハセガワさんは、ただ群れることに嫌悪感を抱いているのではないかと思うからだ。だから、光雄であり、晴臣でもあり得るのではないか、なんて。

大人たちの姿もいろいろある。
光雄たちのそう言った時代を過ぎてしまったであろう校長や浮いている教師の青山は、何かのきっかけでその時代を抜け出すことができた。
言葉であったり、何かであったわけだ。

それをいまだにうまく抜け出していないのが、体育教師の野崎だろう。他人の世界が見えていないまま、大人になって教師になってしまった。

その最右翼が、光雄の父だ。
江口ハウスという、魅力的な「自分の世界」の「王(パパ)」であり、リアルな家族の一員としては欠落したままだ。
なので、子どもたちは、コンプレックスを持ったままなのだ。

ラストに光雄に「ありがとう」の声が柔らかく降り注ぐ、これは光雄の中の声であり、まあ、言ってしまえば、例のロボット的なアニメのラストで主人公に掛けられる「おめでとう」に相当するのではないかな、とか思ったり。……根本的には違うけど。
そして、MUの作品のほうが納得度が高い。

光雄役の小沢道成さんが、もの凄くいい。繊細でナイーヴながらも人と接しようとする様子がいいのだ。後半にかけて、彼が成長していく様の見せ方もうまい。
そして、斉藤マッチュさんである。マッチュじゃなくて、マッチョかと思っていたのは秘密として(笑)、力の抜き方と入り方がとてもうまい。瞬間的に身体が変わる。

光雄の父を演じた成川知也さんが、うざくていい。光雄たち、子どもの気持ちを乱す「大人」の象徴としての描き方が見事で、演技もそれを支えていた。
体育教師を演じた山﨑カズユキさんも、さらにうざい男である。教師らしい上から目線と本当にバカである、という演技がうますぎて、むかついた(笑)。

大岡山を演じた岡山誠さんと、福田を演じた友松栄さんが出てきたときには、「マジかよ」「高校生か?」と思ってしまったが、これがいいのだ。あんな姿形なのに(失礼・笑)、本当にナイーヴで、乙女のような高校生なのだ。大人になってもずっと引きずっていきそうだと思ってしまう。

21名もの役者それぞれのキャラがきちんと立っていて、それぞれの「物語」での「役割」と「設定」がいい。
無駄なくきれいに動いているのだ。

しかし、「江口ハウス」の設定には笑った。
いいとこ、突いてきたな、と思う。
さすがうまい。

MUは、「ぶっ壊れた学園劇」のようなキャッチフレーズを使っているが、個人的にはそれはもういらないのではないかと思う。
キャッチーなコピーとして機能していたのかもしれないが、「ぶっ壊れた」が、そもそも似合わないし、似合わなくなってきているのではないだろうか。
そういう破壊的な印象ではなく、もっとセンシティブな印象を受けるからだ。
「センシティブな学園劇」ってのは違うけど(笑)。

あと、笑いがあるのがいい。
日常の描写の中で、うまく笑わせてくれる。

九四式拳銃のプロップが意外と良かった。こういものをおざなりにしてしまうと、物語が冷めてしまうから。また、壁を床までかっちりと作り込まないセットもうまい。そうしてしまうと、窓外に倒れた2人が見えなくなってしまうし、余計な閉塞感が漂ってしまうからだ。

『マイリトルガン』はどうやらマキシっぽい。
正解(のようなもの)として、この曲はラストに流してほしかった。
光雄がレコードかけるのがベストだったかな。

どうでもいいことだけど、オートマチックの拳銃は、最初の弾を手動で装填しなくてはならないので、晴臣はそうしていたことになる。劇中でも言っていたけど、この銃の場合、携行の際に暴発の危険性が高いのと、撃つ気はなさそうだったのに、装填していたのはどうかな、なんてことも思った。
最後のY染色体~男祭~

最後のY染色体~男祭~

劇団ウンウンウニウム

Cafe Slow Osaka(大阪府)

2015/03/28 (土) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

考え過ぎかな?私が10歳くらいの記憶。
どこか すべてに 相当ブラック まっかっか様に、引っかかる。
面白いと言っていいのか、面白かった。 考え過ぎかな?・・・
こんなブラックなコントは初めてだ。  
これは、この中で解る人はいるんだろうか、 小劇場だからできるんでしょうね。・・・ 考えられた構成、思いっきりブラックで、こんなことができる、言える事が すばらしいと思う。 Y染色体 男だけ これも相当ブラックですよ。 まっかっか様!! 女性を出さなかったのは、配慮か、リアルすぎるからか、私が10歳くらいの記憶。 

ネタバレBOX

これは、この中で解る人はいるんだろうか、 小劇場だからできるんでしょうね。・・・ 考えられた構成、思いっきりブラックで、こんなことができる、言える事が すばらしいと思う。 Y染色体 男だけ これも相当ブラックですよ。 まっかっか様!! 女性を出さなかったのは、配慮か、リアルすぎるからか、私が10歳くらいの記憶。 

発声練習 誰でもいいから 抱きしめて 愛をください 愛をください ♪♫ 。 男らしく携帯を切ってください 男らしく 右にトイレがある 男らしく・・・ 男らしく・・・ 紹介 キキョウインハヤト ダニ チョスイタンク ネコ エンディング あーー開演時間を間違えたーー もう一度観たい いいですよね。 オープニング。 ②オープニング。映像 ③恋するショウヘイ 告白しないと俺死ぬ ガクッ。中学生の様な会話 教師が16歳に… ④暗転の間に鶴の恩返し 朗読。 ⑤ロミオとジュリエットとショウヘイ。最後は一人・・・ 暗転 ⑦紙芝居 暗転中にシャッフル 桃タロー なぜか鶴が混ざる 鬼退治 ⑨ 12/32 最後に一人 これさびしいですわーー ⑪末光多忙 どんどん増える やらねばならない事 強盗 娘の結婚・・・ ⑭観劇の楽しみ方  ⑮最後のY染色体 総括!! 

どこか すべてに 相当ブラック まっかっか様に、引っかかる。
面白いと言っていいのか、面白かった。 考え過ぎかな?・・・
こんなブラックなコントは初めてだ。 
試験管ベビーのくるみ割り人形

試験管ベビーのくるみ割り人形

試験管ベビー

千種文化小劇場(愛知県)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

徹底したエンターテインメント
 男優、女優ともに色んな意味で体を張っていて、本当にエンターテインメントに徹していますよね。正直、ストーリーに飛び抜けた感じは無いんですが、とにかく見せ方に徹底的に拘っている風で、笑いの小技の数々と相まって安定して楽しめました。
 なお、役者さんとしては、クララ役が頑張ってましたね。遠目からは全然分からなかった(謎) さすがに中盤で疑惑を感じ始めていましたが、声が出るまでの演技が絶品でした(笑)

君のためには死ねない!!

君のためには死ねない!!

劇団アルデンテ

御浪町ホール(岐阜県)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

素晴らしく心地よい空間
 一言で表現するならば、「素晴らしく心地よい空間」でした。
 コミカルな部分、恥ずかしいほどに純粋な部分、いずれもストレートに心地よく、あの4人の中に混ざりたいっ!と素直に思わせる舞台でしたね。
 4人の主演・・・敢えて4人で主演と捉えていますが、持ち味を活かしてカルテットとしてうまく機能していました。特に近藤千恵さんは、下手をすれば単なるお飾りのマドンナに成りかねない位置づけの役を、丁寧な演技で人として存在感のある活きた役に昇華していて、存在感強い他の3役とのバランスを保ち、結果、相乗効果でカルテットの魅力をかなり高めたと思います。 
 総じて、面白かった!、ジーンとした!、余韻に浸れる舞台でしたね。

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