
歩行船
桐朋女子演劇部69期黄色70期赤
キッド・アイラック・アート・ホール(東京都)
2015/03/31 (火) ~ 2015/03/31 (火)公演終了

frequency/ありふれたこと・波長
Sayeh Iran theater group(テヘラン)
タイニイアリス(東京都)
2015/02/20 (金) ~ 2015/02/22 (日)公演終了
満足度★★★★
国家と平和と想いと...
競演 東西南北 AliceFestivalの一環としてSayeh lran theater groupを招聘し公演したもの。この作品はイラン・アカデミック賞を国内外の演劇祭で10指に余る賞を受賞した新進気鋭 Morteza.Mirmontazemi 氏が演出を担当している。
本公演は、原語上演でペルシャ語の字幕が映し出される。その言語に堪能であれば、すんなり理解できるであろうが...。しかし、当日パンフに粗筋(6情景)が記載された資料が配られる。
これは長い年月 国のために戦い続けた兵士の物語で、今、彼は普通の生活を送っている。彼は生まれ故郷で普通の生活をしている。しかし、その描いている夢物語は...
言葉や映像に書かれていることが分からなくても、その想いは十分に伝わった。

舞踊劇『葉衣HAGOROMO』
千代田区立内幸町ホール
内幸町ホール(東京都)
2015/03/24 (火) ~ 2015/03/25 (水)公演終了
満足度★★★★
樋口一葉作品の持つ”言の葉”の美しさ
樋口一葉の代表作「闇桜」「十三夜」「にごりえ」「たけくらべ」の4作品を、その言葉の独特な美しさと情景をチェロとパーカッションの音色にのせて描いた公演である。
樋口一葉...いわずと知れた明治初期の女流作家であり、その短い生涯に美しくも儚い、そんなイメージの作品を残している。多くが短編であり、本公演はその内容のダイジェストが描かれているので、樋口作品を90分程の上演の中で楽しむことができた。
この原作を芝居と日本舞踊で観せるという贅沢な演出であり、明治という時代の雰囲気を十分醸し出しており、秀逸な公演であると思う。
また、トピックのように、一葉の貧困(生活苦)を描く一方、2004年から発行されている五千円紙幣に肖像が新デザインとして使用されていることを引用し、その時代を経た皮肉...そのユーモアのある演出も楽しめた。
当日配付のパンフから.. 「舞踊・音楽・演劇(朗読)で表現する一葉の世界」は見事に表現出来ていた、と思う。
ちなみに、樋口一葉は現在の千代田区内幸町の長屋で生まれた、そうである。
次回公演も楽しみにしております。

たぶん世界を救えない
東京マハロ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2015/03/25 (水) ~ 2015/04/05 (日)公演終了
満足度★★★★
一体どうしたらいいのだろう!
芝居の内容自体は、これまでにも観てきた芝居に重なる部分あるが、
その演出と役者の演技が目を見張る。
舞台セットも照明も見事であった。
どうしたら、町に将来的な夢をもたらすことができるのだろうかを訴える。

しがらみの向こうに
RISU PRODUCE
「劇」小劇場(東京都)
2015/03/25 (水) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
これは面白い!
何度も再演されているようだが、私は初めて。
実話を基にしただけに興味深い脚本、そして細かい演出が目をひく!
応募当時のみすぼらしい風貌が詐欺でお金を稼ぐにつれて、服、靴、時計、アクセサリーなどが何度も変わり高級になっていく。
特に、実行隊長の都を扮する田中俊の演技が冴えわたる。、
詐欺とは承知の上でそれを行う背後にあるつらく悲しいものがドラマティックに表現されているのが素晴らしい!

着て踊る
Kermit Office
テルプシコール(TERPSICHORE)(東京都)
2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
【無題】1439(15-087)
14:00の回(晴)。13:31受付、開場。
3面壁沿い、天井からパイプ、衣装がずらっと架かっていて、ほとんどが落ち着いた色、一着真っ赤な色。BGMにピアノ曲。客席はコの字、縦長の舞台には6つの丸椅子。
14:02開演~15:02終演。
サイトをみると半ば強制的に「これを着るものとする」とした場合、がお題のようでしたが、よくわかりませんでした。動きは、なかったり、ゆっくりしたものだったり、赤い衣装もただ巻いたり、覆ったり...。

IMAGINE
劇団ヴァダー
神戸アートビレッジセンター(兵庫県)
2015/03/28 (土) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
久々の本公演。
男性脳と女性脳。
お勉強になるお話でした。
舞台上だけでなく、舞台下まで広く使っての上演。
役者さんとの距離が近い近い。
突然現れた壁&壁ドンするかずをさんに笑いながらもドキッ!
顎クイも見たかったかも。

楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~
オレの劇団
新宿眼科画廊(東京都)
2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1438(15-086)
18:00の回(晴)。17:25受付、17:36開場。
奥が舞台、手前に桟敷+椅子席、この会場、ゴミ屋敷みたいなもの、シュールな装飾などは観たことがありましたが、整った美術でここまで造りこんだのは初めて。一目で「楽屋」、メイク道具(たくさん)、小物(これも細々と)、衣装、ちりとり、掃除機、スーツケース、三方には格子の仕切り。
18:08前説(75分)、18:10開演~19:20終演。
冒頭、チェーホフのシーンは黒い衣装で厳かに、「楽屋」にはなぜかメイクに電動カミソリを使う女優も。入念なメイク(鏡はなく、2人は並んで客席のほうを向き座っている)も手馴れている様子。辛口の会話は勢いがあり前作とは随分違った印象。
「劇王 天下統一大会2015 東京予選(2015/1@ミラクル)」Bブロック(白石さん、大川さん)で観たとき、こちらの公演があることを知り、観にきました。この演目は「ちょくちょく企画(2014/5@EARTH+GALLERY)」で観たことがあるのですが、会場の広さ、雰囲気はかなり異なり、どちらかというと本公演のほうが(狭い分)捕えられた情景を強く感じました。

ジョリス・ラコスト 「話し言葉の百科全書」をめぐって
青年団国際演劇交流プロジェクト
アトリエヘリコプター(東京都)
2015/03/28 (土) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★
名前が仰々しい割に、やってることは割と普通
『話し言葉の百科全書』プロジェクトとは、我々にとって身近な言葉を日常から拾い集めて俳優に再現させる試み。
仰々しいネーミングから物凄いものを期待したが、蓋を開けたら割とよくある試みだった。
宮沢章夫は3.11の震災直後に街なかで拾った会話を俳優たちに再現させたし、ジョビジョバはTVバラエティー『堂本兄弟』における出演者間のやり取りを“心の声”付きでコピーした。憶測による“吉田拓郎の心の声”がとても面白かったのを覚えている。
フランス人のジョリス・ラコストによるこのプロジェクトでも、街で拾った会話やTVのやり取りはもちろん、いろんな話し言葉が再現の対象にされているが、こういうものは、日本の演劇人が取り組んだほうが良い成果を上げそう。
個人的に、ラコストさんのは、収集する話し言葉の選択があまり面白くないと感じた。
トークセッションを聞いた感じだと、ラコストさんは面白い話し言葉を拾うことを第一目標にはしてないようだが、笑いがくるとやっぱり嬉しそう。
だったら、アート寄りの作りでなく、もっともっとエンタメ寄りにしてはどうなのか?
そのほうがこのプロジェクトのことをより広く知ってもらえるし、きっと良い気がする。

現代能楽集 クイズ・ショウ
燐光群
ザ・スズナリ(東京都)
2015/03/20 (金) ~ 2015/03/31 (火)公演終了
満足度★★★★
来たっ!!
当たりである。燐光群の真骨頂。
『屋根裏』がお好みだった向きには、久々にこの系統の作品です。公演は終っても薦めたいこのもどかしさ。<クイズ>という様式を問いながらあらゆるものをぶち込んでエッジが鋭い。意味のよく分らない哲学的な問いも詩のように響くのは「クイズ」という一本の軸があるからだろう。現代能楽集とあり、複式能の説明も出てくるが、劇全体としては、人類の営みへの後の世からの追悼の目線が、ほんのりと浮かび上がるのがそれか。新参の役者の割合も多く新鮮だった。

Equal-イコール-
赤星マサノリ×坂口修一
JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)
2015/03/07 (土) ~ 2015/03/08 (日)公演終了
満足度★★★★
お芝居の迷宮に迷い込む。。
赤星さんと坂口さんの軽妙な芝居を楽しんでるうちに、
いつの間にかお芝居の迷宮に迷い込み、
「えっ、どういうこと?」って
わけが分からないまま戸惑いながら観ていくと、
「えっ、そういうことなの。。!!」
って、同じ時間の流れで一緒に芝居を楽しんでる自分と
過去の伏線を思い出し確認しながら芝居を楽しんでる自分と
ふたり出てきて、
「あぁ、わけが分からない、いや、分かる、あっ、そうか、えっ、なんだ?」
色んな気持ちがごちゃごちゃごちゃごちゃ、
いや~、面白かった。
DVDを予約しとけば良かったと後悔。

高校演劇サミット2014
高校演劇サミット
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★
三校の作品を並べただけのお粗末な演劇フェス
…というのが偽らざる思い。
高校演劇とはいえ、有料公演である以上、どの劇も一定水準を満たしていてしかるべきだし、そうなるよう、企画・運営者は尽力すべきなのに、うち二校の作品は劇構成がこの上なく乱脈、残る一校のは作りがあざとく、良作は一つもなかった。
アゴラグループから所属の演出家を各校に派遣し、シオリオ作りから演出に至るまで面倒を見させるぐらいのことをしなければ、このイベントは来年度以降も本年度並みの低空飛行を続ける可能性が高い。
もっとも、高校演劇には教育的機能もあり、生徒たちに自主的創造を学ばせるのもその大きな役割の一つだろうが、自主的創造を学ばせるには優秀な導き手が要る。
だが、今回参加した三校の作品のうち、一流の指導者が手引きしたと思える作品は残念ながら一つもなかった。
演劇の創作はもちろん、ワークショップなどでも成果を上げている指導能力の高い演出家の派遣を、企画・運営者にはぜひとも検討していただきたい。
一日通し券も売っているのに、全作品を通覧して浮かび上がってくる面白さがないのも残念。
共通テーマのもとに創作させたり、同じ有名作品を翻案上演させたりして同じ土俵で互いを競い合わせれば、全体としての統一性が生まれる上に各校の個性も見えてきて、演劇フェスとしての面白味も増すのではないだろうか?

たぶん世界を救えない
東京マハロ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2015/03/25 (水) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

薫風
etecolza
きいろろ聡明堂(東京都)
2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1437(15-085)
18:30の回(小雨)。17:55会場着、受付、18:00開場。
JR尾久駅を(初めて)降り少し歩いたところ、商店街に面した、奥行きのある長方形の会場、板張りですがそのまま入り、左右の壁沿いに1列ずつ(対面)客席。奥の左にフルート、手前右にアコーディオン。入り口はガラス戸、外が見えます。昨年閉鎖した「楽間」に似ているかも。
18:28前説、フルート、開演~19:31終演。
岸田國士『葉桜』は未読(終演後、青空文庫で斜め読み)ですが、「etecolza」は「月を泳ぐ魚(2014/3@LIFT)」を観ていて、1年振りでの2作目、冨士枝さんは、楼蘭の「グロテスク(2014/3@パラータ)」を観ています。
1924年(大正14年)初出の「葉桜」の母娘と「今」の友人同士のお話が交互に織り込まれた作品。座っているシーンが多いのですが客席は1列ずつなのでどこの席からでも観ることができます。場内の照明の加減、時折、静かにメロディーが奏でられるなか、二人はふたつの話を同時進行させます。「葉桜」のシーンでは正座、「今」ではひざを崩して。
外は暗く、そば屋さんでしょうか看板の灯りが白く見えています。会場を暗くするとその白い背景により役者さんは黒いシルエットとなって浮かび、その表情は闇に溶け込んでいるように見えてきます。世代(縦)と別れ(横)とがグラデーションのなかで入れ替わる演出ともあっていたように思います。
大正という時代、(原作では4月下旬の真昼)、にどんな色を想像したらよいのかわかりませんが、とてもよい雰囲気でした。もちろんお約束の「通行人」が通りから中を見る..というシーン…もありました。
もうひとつの、海、川、電車、公園、猫、桜、街を出てゆく友人との思い出巡りは、ちょうど今の時期、出会いと別れの季節にあったお話でした。

リニアモーターカーブ
ハレボンド
戸野廣浩司記念劇場(東京都)
2014/11/07 (金) ~ 2014/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
楽しませていただきました!
旗揚げ公演ということで少々不安でしたが、充分に楽しませて頂きました。
田舎の4人兄妹の、その次男の結婚話に端を発する話。喜劇ということですが、テーマはずいぶん重い悲惨な話。
けれど、適度にバカバカしく、重くなりすぎず、障害者などの難しい役所も嫌みなく表現されていましたし(役者さんの力ですかね?)、笑いも随所にちりばめられて、バランスがとれていたと思います。
前半は少々まったりする所もありましたが、後半に入ってからの展開にはぐんぐん引き込まれていき、そしてラスト、思わず泣いてしまいました。
結局、誰の言っている事が本当だったのか、誰が一番悪かったのか、その曖昧さもいい意味で余韻になりました。
いいお話でしたね。
まだまだ稽古不足かな?と言う箇所も見受けられたし、役者さんの技量不足なところもありましたが、個性的な役者さん達には好感が持てました。
でも、笑いのネタや出て来る曲が、昭和の香りがプンプンするのは主宰さんの趣味なんでしょうね。そのあたり少々古くさい感じもしましたが、分かりやすいので、まあいいかな。

カテゴリーボックス
9-States
小劇場B1(東京都)
2015/03/26 (木) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
普通とはなんぞや
独特な世界観と奥深い物語で考えさせられる内容。斬新な演出とそれを表現出来る個性豊かな役者達、クオリティーの高い作品でした。

少年は銃を抱く(満員御礼で終了しました。御感想お待ちしています)
MU
駅前劇場(東京都)
2015/03/27 (金) ~ 2015/04/01 (水)公演終了
満足度★★★★★
自分の世界と外の世界
MUは、2009年にルデコで『JUMON/便所の落書き屋さん』の2本立てから観ている。
しかし、評判の良かった前作は見逃しているのだが、「MUの最高傑作登場」と言ってしまおう。
日常をうまく構築し、台詞のセンスがいい。
21名もの役者それぞれのキャラがきちんと立っていて、それぞれの「物語」での「役割」と「設定」が抜群。
「上演時間は140分」というアナウンスを聞いて、心の中で「えーっ」っ思ったが、その「えー」は、回収して持って帰るべきだった。
前のめりで楽しんだ。
……ネタバレボックスへの書き込み、調子に乗って長くなりすぎた。

最後のY染色体~男祭~
劇団ウンウンウニウム
Cafe Slow Osaka(大阪府)
2015/03/28 (土) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
考え過ぎかな?私が10歳くらいの記憶。
どこか すべてに 相当ブラック まっかっか様に、引っかかる。
面白いと言っていいのか、面白かった。 考え過ぎかな?・・・
こんなブラックなコントは初めてだ。
これは、この中で解る人はいるんだろうか、 小劇場だからできるんでしょうね。・・・ 考えられた構成、思いっきりブラックで、こんなことができる、言える事が すばらしいと思う。 Y染色体 男だけ これも相当ブラックですよ。 まっかっか様!! 女性を出さなかったのは、配慮か、リアルすぎるからか、私が10歳くらいの記憶。

試験管ベビーのくるみ割り人形
試験管ベビー
千種文化小劇場(愛知県)
2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★
徹底したエンターテインメント
男優、女優ともに色んな意味で体を張っていて、本当にエンターテインメントに徹していますよね。正直、ストーリーに飛び抜けた感じは無いんですが、とにかく見せ方に徹底的に拘っている風で、笑いの小技の数々と相まって安定して楽しめました。
なお、役者さんとしては、クララ役が頑張ってましたね。遠目からは全然分からなかった(謎) さすがに中盤で疑惑を感じ始めていましたが、声が出るまでの演技が絶品でした(笑)

君のためには死ねない!!
劇団アルデンテ
御浪町ホール(岐阜県)
2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★
素晴らしく心地よい空間
一言で表現するならば、「素晴らしく心地よい空間」でした。
コミカルな部分、恥ずかしいほどに純粋な部分、いずれもストレートに心地よく、あの4人の中に混ざりたいっ!と素直に思わせる舞台でしたね。
4人の主演・・・敢えて4人で主演と捉えていますが、持ち味を活かしてカルテットとしてうまく機能していました。特に近藤千恵さんは、下手をすれば単なるお飾りのマドンナに成りかねない位置づけの役を、丁寧な演技で人として存在感のある活きた役に昇華していて、存在感強い他の3役とのバランスを保ち、結果、相乗効果でカルテットの魅力をかなり高めたと思います。
総じて、面白かった!、ジーンとした!、余韻に浸れる舞台でしたね。