高校演劇サミット2014 公演情報 高校演劇サミット「高校演劇サミット2014」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    三校の作品を並べただけのお粗末な演劇フェス
     …というのが偽らざる思い。
     高校演劇とはいえ、有料公演である以上、どの劇も一定水準を満たしていてしかるべきだし、そうなるよう、企画・運営者は尽力すべきなのに、うち二校の作品は劇構成がこの上なく乱脈、残る一校のは作りがあざとく、良作は一つもなかった。
     アゴラグループから所属の演出家を各校に派遣し、シオリオ作りから演出に至るまで面倒を見させるぐらいのことをしなければ、このイベントは来年度以降も本年度並みの低空飛行を続ける可能性が高い。

     もっとも、高校演劇には教育的機能もあり、生徒たちに自主的創造を学ばせるのもその大きな役割の一つだろうが、自主的創造を学ばせるには優秀な導き手が要る。
     だが、今回参加した三校の作品のうち、一流の指導者が手引きしたと思える作品は残念ながら一つもなかった。
     演劇の創作はもちろん、ワークショップなどでも成果を上げている指導能力の高い演出家の派遣を、企画・運営者にはぜひとも検討していただきたい。

     一日通し券も売っているのに、全作品を通覧して浮かび上がってくる面白さがないのも残念。
     共通テーマのもとに創作させたり、同じ有名作品を翻案上演させたりして同じ土俵で互いを競い合わせれば、全体としての統一性が生まれる上に各校の個性も見えてきて、演劇フェスとしての面白味も増すのではないだろうか?

    ネタバレBOX

     三作品の中では、短歌甲子園を目前にした文芸部員たちの物語『秘密の花園』に好感。
     顧問の先生に対する文芸部員たちの敬慕の思いがよく伝わってきた。
     ただ、入院中の先生に会いに行く過程がブニュエル『昇天峠』ばりのシュールな道行きになっていて、叙情的な味わいを持つ作品の全体と整合していないし、この道中記を挟み込んで無理やり話を引き延ばしているような印象も受けた。
     個人的には、納得のいかない添削をされて先生を嫌いになりかけている部員たちが、先生に会いに行く途上で体験する様々な出来事を通して添削の正しさに気づき、最後、やっと再会できた先生に感謝するという筋立てにしてはいかがだろうかと思った。

    0

    2015/03/31 13:11

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大