最新の観てきた!クチコミ一覧

8601-8620件 / 189640件中
ライカムで待っとく

ライカムで待っとく

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)

2024/05/24 (金) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初演の時は劇場が遠いのでパスして、後で後悔した。今回は是が非でもと、早めに予約して臨んだ。
初演後の『悲劇喜劇』に戯曲が載って読んだはずなのだが、1964年の米兵殺傷事件の容疑者の経験に迷い込む話という記憶が全然なかった。
俳優たちは、現代の本土のライターとその妻は、いわば事件を目撃するコロスのようなものであって、その周囲の沖縄の人たちが真の主役。現代のタクシー運転手と、妻の祖父で写真館主人の佐久本寛二を演じる佐久本宝の弾けた演技がよかった。重いテーマだからと言って沈むことなく、明るい舞台にしていたと思う。現代のユタ?のおばあと、60年前の飲み屋のおかみを演じたあめくみちこも自然なコミカルさがいい。横浜の若い女性伊礼ちえ(蔵下穂波)の、「基地県なのに、神奈川の人は反対などと騒いだりしない、大人ださー。だからここが好きなの」と、神奈川をいじる皮肉が嫌味でないのも、素直な演技のおかげだろう。

回り舞台と、周囲のたくさんの空の段ボール箱をうまく使い、テンポの速い場面展開だった。

ネタバレBOX

さすが沖縄の若い劇作家である。沖縄からの告発の声に、本土の我々では言えない鋭さがある。
沖縄の戦争や基地被害を目の当たりにして、本土人に「寄り添ってください。今までもそうしたように寄り添ってくれればいいんです」とは、きついアイロニーである。

ライター・浅野夫婦の一人娘ちえみがライカムで行方不明になる。もう一人、伊礼ちえも。うろたえる夫婦に、ウチナーンチュたちは「どちらか一人は見つからない。それがここの決まりです」と残酷な覚悟を迫るが、夫婦はとても受け入れられない。これが本土が沖縄に押し付けている「決り」なのだと、観客に突き付けられて、胸に刺さった。観客も背負う問題だと訴えるように、一瞬客席の電気も明るくなった。
戯曲でもこの場面は何となく覚えている。この最後の印象が強くて、その前を忘れてしまったようだ
デンギョー!

デンギョー!

小松台東

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2024/05/31 (金) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「待ちわびている社長の不在」

 ある電気工務店の詰所の人間模様が、現代における会社のあり方を浮かび上がらせる2013年初演の三演である。

ネタバレBOX

 宮崎県の片田舎にある電気工務店「宮崎電業」は社長の森が入院してからというもの社内にほころびが生じ始めていた。電工出身の叩き上げである営業部長の鈴木達郎(瓜生和成)は、東京の銀行から呼び寄せた執行役員の阿部光男(尾方宣久)を紹介するが、電工の職員たちからはよそ者扱いされてしまう。現場主任の甲斐嵩(五十嵐明)は電工一筋の職人肌で、同期の鈴木ら上層部が勝手に物事を進めることに不信感を抱いていた。この紹介の場面で鈴木が電工たちの前で数回「おはようございます」を繰り返す場面が、上層部と現場組の溝を浮かび上がらせる。

 時間を見つけて詰所に趣く阿部に、電工たちは少しずつ心を開き始める。若手の戸高大輔(関口アナン)は学生時代からの付き合いの妻と結婚を決め家を買ったばかり、上昇志向が強く「電工では終わりません」と決意を述べる。戸高と同期の岩切修(吉田電話)はところどころ抜けた性格で皆に怒られてばかりのようだが、底抜けに明るいムードメーカーである。社員たちの口から語られるのは不在である社長の存在の大きさである。事務員の安田小春(竹原千恵)は社長の斡旋で電工の安田学(松本哲也)と結ばれることになった。下請会社の田原電気から出向している田原秀樹(佐藤達)は親子二代で仕事を受けており、新人の関和也(土屋翔)の教育係でもある。社長が贔屓にしていたスナックを営んでいた女性の娘である壱岐幸恵(平田舞)は、グレかけていたところを半ば強引に拾われ真っ当な勤め人になった。皆が待ちわびていた社長の突然の死を鈴木が告げると、電工たちはある意外な行動を起こすことを決める。

 皆が話題にする不在の人物が大きな存在を占める本作を観ていて、私は三島由紀夫の『サド侯爵夫人』を想起した。『サド』が浮き彫りにしたのは絢爛な王政からフランス革命勃発による貴族の危機だったが、本作ではいっときは栄華を極めた人格者によるワンマン経営が衰退する過程である。経営者が変わるだけで社内の雰囲気がガラリと変わったり、外部から呼び寄せた人材に敵対する様がとてもリアルで共感を覚えた観客は少なくなかったのではないだろうか。電材屋の米良産業から営業に来ている綟川剛(依田啓嗣)が当初チャラチャラした長髪の青年で甲斐にドヤサれていたが、ケンタッキーの差し入れを頻繁に持っていくようになってから打ち解け、甲斐と朝まで飲んだ翌朝は短髪にするなど、世代間対立と和解を描くことにも成功していた。

 登場人物も皆魅力的であり、人間の二面性を描くことに成功していた。事実上のトップとして会社を引っ張っていかねばならない営業部長の鈴木のぎこちない身のこなし、終始座ったままの目に双肩にかかったプレッシャーを垣間見る思いがした。他方で彼はフィリピンパブで知り合った女性と再婚を決めたり、そのことをバツイチの甲斐やいい歳をして独身の長友浩二(今村裕次郎)に自慢したり、そこから長友と田原、壱岐の三角関係を描くなど、よくも悪くも公私混同甚だしい職場ならではの特徴を生かした作劇が秀逸であった。

 本作初演の11年前から社会状況は変化し企業コンプライアンスやハラスメントに対する世間の目は一層厳しくなった。社員のプライベートの詮索や恫喝まがいの叱責といった描写に違和感を覚える観客に向けたアナウンスはあってもよかったかもしれない。むしろ私は時代設定が2024年へ変更されたこの三演を観ていてもあまり違和感を抱かなかったことに軽い戦慄を覚えた。やがてラストシーンで社長の葬儀を終えた翌朝に皆でにこやかにラジオ体操を終え、真顔に戻り仕事モードへと切り替えようとするときの表情の変化で頂点に達した。それはケン・ローチ監督の『家族を想うとき』を観た時にも感じた、なにがあっても、どんなことがあっても翌朝は仕事に向かわなければならないという労働者の性に胸が押しつぶされる思いがしたからに他ならない。
熱海殺人事件 売春捜査官

熱海殺人事件 売春捜査官

クリームソーダのさくらんぼ企画

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2024/06/01 (土) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ど迫力の演技とアクションに圧倒されました。とても大学生とは思えない演技。
一人二役の演技もさる事ながら変わり身もさすがですね。

泥人魚

泥人魚

劇団唐組

花園神社(東京都)

2024/05/05 (日) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

台詞に緩急が無く、捲し立てているだけで言葉がほとんど届かなかったしつまらなかった!
役者さんがヘタに見える演出だったと思う。
唐十郎は俺には分からない。
テントならではの雰囲気やギミックは好きだった。

service day

service day

劇団スクランブル

小劇場 楽園(東京都)

2024/05/29 (水) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いつもより笑いが少なめだったような。個性的な登場人物ばかりなのでもっと振り切った演技でも良かったかも。
唯一残念だったのはキャンセル待ちで購入したのだが開演5分前でも入れず、雨の中外で待たされたこと。結局開演時間も10分ほど遅れていたし。
見る前からテンションが下がってしまい残念。

(株)デスゲーム工務店

(株)デスゲーム工務店

電動夏子安置システム

赤坂RED/THEATER(東京都)

2024/05/29 (水) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

物語を感じるより状況を楽しむ舞台。
交錯するデスゲーム、ゲームの本質にはほぼほぼ無関係な人達が繰り広げるある種トンチンカンな行動がじんわり笑いを誘う。
ゲームのスタートとラストの展開にはやや違和感を感じるも、全体通して面白かった。

ライカムで待っとく

ライカムで待っとく

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)

2024/05/24 (金) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

諦め、傍観、寄り添うってなんだろ?偽善?
我々の幸せは誰かの犠牲の上に成り立っていて、しかしその犠牲は誰にも認識されない。
静かな芝居がそれらを重く受け止めさせる。
自らを見つめ直す良い舞台だった。

柿喰う客新作本公演 2024『殺文句』

柿喰う客新作本公演 2024『殺文句』

柿喰う客

本多劇場(東京都)

2024/05/24 (金) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「なぜ今このテーマを?」というクエスチョンがありつつも、ストーリーはスッと入ってきた。が、それって表層なんだよな…深層の理解は難しいな…という感想。
とはいえ、特有の超絶滑舌からくる疾走感、意識が飛んだような目の演技などなど、作品の持つ世界観を存分に楽しんだ。

今作、結構ダンスシーンがあった。
それほど見ているわけではないが、新しい柿という印象。
特に赤繋ぎのダンスシーンが好き。

下…というかドギツイというか…
蔑視とはニュアンスは少し違うかもしれないが、そこに若干の危うさは感じた。
当然、意図してのことだとは思うが。

MANICAL

MANICAL

劇団くるめるシアター

早稲田大学学生会館(東京都)

2024/05/24 (金) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

強烈な既視感。いわば学園ドラマ全部入り的な。
故にシンプルで分かりやすくとても観やすい作品だった。 新歓だからかなぁ…
ストーリーにもう少しひねりが欲しかったのと心情の変化が唐突な感じでもう少し丁寧に描かれると没入できたかも。

最初の二十面相

最初の二十面相

劇団身体ゲンゴロウ

北千住BUoY(東京都)

2024/05/23 (木) ~ 2024/05/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

タイトル、そういうことか。
結構重たい話だったが、いい意味で淡々としていてスッと入ってきた。
死ぬことと生きることは相反しているけど実はイコールなんだと、そんな感じ。
なかなか良かったと思うがラストの台詞が聞き取りにくかったのが少し残念。

略式:ハワイ

略式:ハワイ

劇団スポーツ

OFF OFFシアター(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前半のタイムリープが緻密な上にシチュエーションコメディ的な行き違いから来る笑いもふんだんにあり楽しい。おしるこは少しくどかったけど
本当に戻るべき時点に気づいたあたりからは、もう苦く辛く切なくて胸が詰まる思いで観てた。
とても面白かったし、声が良いね。

こどもの一生

こどもの一生

あるいはエナメルの目をもつ乙女

インディペンデントシアターOji(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

物語の根底は社会派だなと感じる。社会の縮図的な…
怖いというより不気味。山田のおじさんもだけどかっちゃんの幸せ感じる瞬間がより不気味。「いたい」というキーワードを個人的に深掘りしたい。
全ての役者が役にどっぷりはまっていて、とても面白かった。

ピテカントロプス・エレクトス

ピテカントロプス・エレクトス

劇団あはひ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/05/24 (金) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

台詞の言い方を制御するタイプの劇団だが、序盤はただただ単調であり、客席の入眠率も高かった。コンセプトや形式が特徴的なのかもしれないが、ただの戦略ではなく、芝居の面白さに結びついていると感じさせてほしかった。

ところどころドキリとはさせられる。客のことを丁寧に想定していないのか、続きを見せたくする仕掛けが薄く、こと主張に関しては過剰な説明台詞に聞こえた。

一方で進化は感じた。同時に、ゆえにこれでいいのかという疑問も涌き出た。

ネタバレBOX

劇場もあり、気合いが入っているのが伺える。空間の使い方、飽きることを除けば構成自体も優れている。しかし以前よりも、役者を駒とする面が強くなっているのではないかとも邪推してしまう。出演者は必要以上に多く、レベルはまちまち。客を呼ぶ以上の役割があるならば、それを感じさせてほしかった。台詞の量すら役者のレベルで調整しているようにも見えた。邪推ならいいのだが。

ラストがまずい。未来から現代の社会や人の問題に追及する際は、説明的で説教じみて感じる一方、未来という視点は感じられない。ネットの寄せ集めという印象。流石に客の興を削ぐほどだったため、この後で現在の視点から現在を肯定する、あるいは吹っ切れるラストになるのだろうと思い、実際そうだった。が、ラストの未来に向けた現状肯定の内容も浅く、無責任にも感じる。対立するいずれの視点にも、作者が強い信念を持っていないのではないか。役者を制御したために粗がなく、スタッフワークも巧みであるため、底の浅さが目立っている印象を受けた。
ここに書いたことが全て私の誤った主観に過ぎず、面白い芝居であったこと、また今後作られていくことを切に願う。
第壱部「綺譚 逢浄土桜心中」第弐部「DREAM-NeoJapanesque」

第壱部「綺譚 逢浄土桜心中」第弐部「DREAM-NeoJapanesque」

想組〜こころぐみ〜

小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)

2024/06/01 (土) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

楽しかったです。

GFT版 贋作・桜の森の満開の下

GFT版 贋作・桜の森の満開の下

突劇金魚

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2024/05/30 (木) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

満足度★★★

坂口安吾の短編 夜長姫と耳男 と桜の森の満開の下をミックスした作風 坂口安吾の作品の中でも、最高作品と言われている作品を現代の問題もクロスさせながら話は進む
作演出の意図はわからないが、2つの名作をミックスさせることで、作者(坂口安吾)の視点がぶれたことにより、原作を分かりにくくしているように感じた 
またそれを現代とクロスさせることで、人間の本性(昔←百人一首が出てたから平安時代?と現在)は変わらないといったメタファーを表現したかったと思うが、これも私には少し分かりにくく残念でした
あんころ組を拝見したが、満席のWコール 他の組とのキャストの差が有りすぎ… グッズもあんころ組は完売とキャスト目当て客が多かったのだろうな〰️ 多分再演だし、主役の負担が半端ない

熱海殺人事件 売春捜査官

熱海殺人事件 売春捜査官

クリームソーダのさくらんぼ企画

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2024/06/01 (土) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

個人的には、差別用語を含めた台詞や荒っぽいアクション、乱暴なシーンをもっと入れた方が好み。

ネタバレBOX

私が観た回は数箇所SEが良くなかった。やっぱり生歌での歌唱を聞きたいし、拳銃の発砲音も欲しかった。
それらを除けば全体的には素晴らしかった。

*カンパ用の現金入りの封筒は直接回収した方が良いと思います。盗難被害に遭いますよ。・役者面会をいつも楽しみにしているので、今後は是非とも開催してほしい。
熱海殺人事件 売春捜査官

熱海殺人事件 売春捜査官

クリームソーダのさくらんぼ企画

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2024/06/01 (土) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 つかの作品はバリエーションが多い。それはつかの演劇に対する関り方の根本にあった態度から来ていることは周知の事実だが、今回選ばれた台本はその中でも極めて優れたものの1つであろう。先ずは、これだけの台本をよくぞ見つけ、演じたということにある。舞台美術は必要最小限。理想的である。演出、演技何れも若者にしか出来ぬスピーディーで切れがある、またその熱量が観客を撃つ力を持つ称賛すべきものであった。鏤められた膨大な科白が速射砲のように歯切れよく而も舞台という形式でしか実現されない卑語の多用と共に一種の清々しさと共に表現されるのは関わる者総て演者総てが若者であればこそだ。追記後送 華5つ☆

第壱部「綺譚 逢浄土桜心中」第弐部「DREAM-NeoJapanesque」

第壱部「綺譚 逢浄土桜心中」第弐部「DREAM-NeoJapanesque」

想組〜こころぐみ〜

小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)

2024/06/01 (土) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 元々、福岡で舞踏の人々と共に活動していたという劇団。それだけのエネルギーと自由な実践力を持つ。華4つ☆

ネタバレBOX

 二部構成の作品。間に20分の休憩を挟み150分超のエネルギッシュな公演だ。福岡から来ているという。初めて拝見する劇団だが、第一部は歌舞伎の演目から、第二部は歌謡、ダンス、パフォーマンスのショータイムと趣向を変えた構成だ。群舞では全体のモーションの不統一が若干見られるし、足指、手指の尖迄キチンと伸びて決めているダンスが実現できている者は少ないが出来ているメンバーのダンスは見事だし、其処迄細部を決めていない他のメンバーも基本的なポテンシャルは高いのでちょっとこの辺り迄詰めれば更に良くなるのは確実だ。
 第一部、二部ともに板上は素舞台。第一部では出捌けはホリゾントセンターに設けられた1か所及び客席上手側の通路の都合2か所。六道輪廻の世界で因果応報に絡め捕られた貴族の娘、嫡男、次男の森羅万象中心に描くが、各々の人生の余りに凄まじく苛酷な変転に世の無常が描かれこの世界観に嵌ることができる人々には痛烈な作品であることは想像に難くない。然し乍ら現代を生きる自分には、因果律や六道輪廻の構造を示し敷衍することによって人々を操作する主体が何或いは誰なのか? と主体を問うことが興味の対象とはなった。その答えは容易に指し示すことは出来ないものの、ヒトが何処から来て何処へ行くのか? ヒトとは一体何か? という問いと同時に明快なことが殆ど分からないヒトという生き物の抱える巨きく不気味な不如意によって穿たれた底なしの深淵が覗き込める作品でもあるとは感じる。
12人の生まない日本人

12人の生まない日本人

笑の内閣

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2024/05/30 (木) ~ 2024/06/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

理論的には完璧でも、人間には変えていく力があるのよ。
普段、意識していないことに気がついた。
理屈を超えて変えていく力が人間にはあると思う、そして、ワケわからんなあと思っても、よく聞くことが大事、そこに、幸せになるヒントがある。
心にズシッときました、そして、泣けてきた。
見に行けて良かったです。
一つ意識として学習したかな。
ありがとう

聖ダジュメリ曲芸団

聖ダジュメリ曲芸団

おぼんろ

Mixalive TOKYO・Theater Mixa(東京都)

2024/05/30 (木) ~ 2024/06/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

今まで観てきた おぼんろ公演は、ラストには滋味に溢れ 心魂が揺さぶられるといった印象だったが、敢えて この公演は面白く そして楽しませるといったことを前面に出したようだ。確かに近くに座っていた学生集団(参加者)は、喜んでいた様子。

公演はコロナ禍の不平等・不寛容といった状況下 いや もっと言えば戦時下の不条理を思わせるような内容だ。それを おぼんろ らしいー奇抜で派手な衣装、白塗りメイクー世界観で描く。それは一見 不気味で奇怪な寓話劇のようでもある。
おぼんろ らしさと言えば、やはり舞台美術や技術であろう。童話の挿絵のようなセット、美しくも妖しげな照明、優しく包み込むような音楽、その不思議で魅力的な雰囲気に酔いしれる。

説明にあるダニ・ノミ・マダニ、野良猫、もちろん人間も どんなに姿 形を変えようとも、その本質は変わらない。タイトルにも関連するが、その真を見極められるか否か、現代の世に問う祈りの物語のようでもある。
(上演時間2時間30分 おぼんろ らしい前説含め 途中休憩なし) 追記予定

このページのQRコードです。

拡大