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山の声-ある登山者の追想

山の声-ある登山者の追想

カムヰヤッセン

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2015/06/18 (木) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

稜線が見えた!
同じ単独行を常とする二人ではあってもその対照がくっきりと際立つ個性と演出。目標を定める才能や環境に恵まれず目標を“こさえた”者に共通する居心地の悪さを抱え込んだ二人の“引け目”を感じたのは自分がそのような者であるからなのか。嬉しさと不安が謙虚と臆病を刹那に押し込めあるべきおのれを置いてきぼりにしてしまう、魔の刻がやっぱり訪れてしまったその感じが実に示唆に富む。山並みもくっきりと、平地にして冬山の美しさと厳しさを存分に味わえるとても良い時間だった。

メイ探偵登場 ~かわいい死刑囚~

メイ探偵登場 ~かわいい死刑囚~

劇団ハッピータイム

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2015/06/19 (金) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★

探偵事務所が...
舞台になっているが、本当に解決できるのか。
「常軌を逸したミステリー・コメディ。残酷なのに、おかしくて、奇妙な愛の物語」はその通りであるが、本来は弁護士事務所の仕事である。しかし、そこは芝居の世界である。謎解きあり、テンポよい展開は楽しめた。
なおコメディではあるが、社会的テーマが鮮明になっており、それは敢えて主張したかったようだ。

ちなみにタイトル...メイ探偵登場の”メイ”とは...。

ネタバレBOX

表記メイにするところが洒落ている。この酒びたりの(酩)女探偵・(芽衣)は本当に名探偵なのか、迷探偵なのか、という本題でないことを多く書いてもしかたがない。
この洒落たタイトルからは考えられない憤りを感じさせるのが、当日パンフの作・演出:忍守シン氏の「ご挨拶」である。少し引用させてもらえば「世の中に理不尽なものは数あれど、少年犯罪ほどその理不尽さの際立つものは昨今ありません。犯罪の被害者にとっては加害者の年齢は関係なく、ただ傷つけられるのみです。…」とあり、まだ続きがある。

さて公演は、ミステリーであるからストーリーを楽しむということであるが、本作は構成もしっかりしており上手く展開していた。少しご都合的なところもあるが...。また、演出はコメディで笑いを随所に入れて飽きさせない。そして演技は主役の武藤芽衣(中島つづみ)がしっかり観せてくれる。逆に他の役者陣とのバランスが崩れたようだ。
また舞台美術等であるが、酒びたりの割りにはきれい好きなのか。酒盛りあとの乱雑さがない。また検事バッチ(秋霜烈日)は遠目であるが、それに模した感じがでていた。この拘りのアンバランスが、所々で気になるが...。

事件は死刑囚の母親(精神科医)が経営する病院での治療が発端。そこに通院していた死刑囚の先輩が、治験され洗脳されるのを見かね親殺しをする。そして自分が未成年であることを利用し捕まった。しかし、まさか死刑判決が下るとは想定していなかった。そして冒頭の先輩が依頼するシーンへ....。

この少年犯罪は、19歳と20歳という年齢の壁よって、その扱いは大きく変わると(作者の思い)...。そして、この書き込みをしている今、神戸連続児童殺傷事件で罪に問われ、出所した酒鬼薔薇聖斗が本「絶歌」を出版した。その是非が話題になっている。しかし、遺族の思いを考えたら胸が痛む。
本公演はミステリー・コメディとして観た時、実に観応えがあった。

次回公演も楽しみにしております。






メイ探偵登場 ~かわいい死刑囚~

メイ探偵登場 ~かわいい死刑囚~

劇団ハッピータイム

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2015/06/19 (金) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

よかったです
メーンの役者で回している感じで、そこは凄いと思うと同時に他の役者さんは どんな気持ちなんだろうと思いました。役者をやっているひとの気持ちとか演出している人の気持ちとかが分からなくなる時があります。
出演者さん、みんな上手でした。
ストーリーも演出も良かったと思います。
社会問題を出してもそれが嫌味になっていなくて、脚本上手だなと思いました。

山の声-ある登山者の追想

山の声-ある登山者の追想

カムヰヤッセン

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2015/06/18 (木) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★

濃密な…
極限状態における濃密な会話劇。登場人物が、二人であるからごまかしが出来ない緊張・緊迫感が観客(自分)の感性を刺激する。
さて、主役になるのは、大正から昭和初期に活躍した登山家…加藤文太郎の登攀記録である。

ネタバレBOX

山行歴ン十年になる。まず学生時代の友人との2人山行、その友人の大病以降は単独行、そして現在は地元の山岳会に所属する。自分には、山の魅力が十分伝わり、臨場感あふれる好公演であった。

街中で感じられない開放感、自然との一体感は素晴らしい。四季折々、そして登山ルートを変えれば、同じ山でも全然違う顔をみせる。
しかし、その背中合わせに自然の厳しさがあることを認識しておかなければならない。本公演でも、単独行では考えられない慢心さを訴える。相方がいれば油断と安易な依頼心が生じ、それが命取りになることもある。

それでも現在、中高年を中心に登山人口が増えているという。街中にいれば、この芝居のような極寒は避けられるだろう。それでも日常から脱して山に向かう...そこには理屈では説明できない魅力があるからだ。

さて命をかけても成し遂げたい、自分の足で歩かなければ到達できない山頂を目指して...。人間の本能か、何かを成し遂げたいという思いの一形態がそこにあるのかもしれない。

この山行公演(80分)を一緒させていただき、色々な山の姿・形が見えるようで楽しかった。また人間が持っている心のあり様が、山の(気象)変化と同じように、いつ・どのように変わるのか考えさせられた。

二人の役者は、見事に稜線を描き、極寒も観せ感じさせてくれた。その額には大粒の汗が...本当に熱演でした。

次回公演も楽しみにしております。

楽園

楽園

南河内万歳一座

ザ・スズナリ(東京都)

2015/06/17 (水) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★

大千秋楽
ザ・スズナリで上演していた南河内万歳一座「楽園」を
観てきました。しかも大千秋楽です。
楽園を探す人。
楽園を求める人。
楽園に囚われる人。
楽園を守る人。
楽園を訪れる人。
楽園の意味を問う人。
楽園に振回される人。
楽園を与える人。
楽園で会いに来る人。

各人の"あの日"と楽園の食い違いすれ違い触れ合いに惑う。
ぐぐっと自分探しをしたくなる芝居には出会えました。

#座席は自由席でした。
#ベンチ椅子が最前列にありましたので、その次のパイプ椅子を
#勝手にA列としました。そのど真ん中あたりでした。

見よ、飛行機の高く飛べるを

見よ、飛行機の高く飛べるを

ことのはbox

明石スタジオ(東京都)

2015/06/17 (水) ~ 2015/06/22 (月)公演終了

満足度★★★

作品的には面白い
演出面は面白いと思いますが、舞台が低く、客席後列だと見えない。あと、配役に疑問があってか、感情移入出来ませんでした。

ネタバレBOX

二年の子、主張の論理が子供っぽ過ぎて、「自己中」の範疇を越えて行けなかったように感じました。原因は、論理が甘過ぎるコトと、配役のミスマッチがあるかなと。なので、最後、イマイチ羽ばたけてないですね。
無人島で散歩にでかけたカヤ

無人島で散歩にでかけたカヤ

空飛ぶペンギンカンパニー

横浜市長浜ホール(神奈川県)

2015/06/20 (土) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

本当にこのペンギン達は空を飛んでいた!
始めは、若者達の無人島キャンプでの楽しい冒険物語・・
と思って観ていたら・・・

あら。これ、違う!

伏線に重ね合わせるように、またもや伏線の存在!

もしかしたら4年前、日本人全員が迷い込み、落ち込んでしまった
暗く厳しい闇の中から聴こえる叫び声も含まれていたのかも知れない・・・

そんな重みを感じて
身震いしていまったラスト。

お祭り好きだったカヤの無邪気な笑顔には
もう会えない・・・
そして、仲間みんなで心を一つにして、
天真爛漫に大はしゃぎできたあの頃には
もう戻れない・・・

あんなにパワフルに笑って、楽しく過ごした時間の最後に
闇に押し込まれた心情を爆発させ、
美しい思い出さえも、バッサリと断ち切ったラスト。

『空飛ぶペンギンカンパニー』が
今後世の中に打ち出そうとしているものの深さに
興味津々☆
ペンギン達は、本当に空を飛べるのかも知れない。

期待しています☆

金と銀の鬼─チェインソウル─

金と銀の鬼─チェインソウル─

X-QUEST

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/06/17 (水) ~ 2015/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

迫力満点!
手を伸ばせば届く距離で繰り広げられる殺陣や
アクションにドキドキ!!
物語も予想外の展開にワクワク!
所々に散りばめられた笑いどころにニヤニヤ!
とても楽しい素敵な舞台でした!!

ふたりの蜜月

ふたりの蜜月

遊劇体

アトリエ劇研(京都府)

2015/06/19 (金) ~ 2015/06/23 (火)公演終了

満足度★★★★★

考えさせられます…
経営危機会社の社長の双子の姉妹。これが、兄弟や一男一女だったら、こんな風には、ならなかったのかな?私自身の立場についても、再考させられるものでした…。田舎の暗黙の習慣をリアルに表現していると思いました。

ツキノオト

ツキノオト

満月動物園

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2015/06/19 (金) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

優しくて,悲しい物語
観覧車シリーズの3本目。全員が悪人でなく優しい人のはずなのに,すれ違ってしまう感じが胸を打ちます。緻密に計算されていて,でもきちんと力を抜けるところはあって,いつまでもこの瞬間をとどめておきたいような美しいシーンがあって,要するにこの作品は大のお気に入りです。

ネタバレBOX

2回見ると,何気ない台詞がきちんと次への伏線になっていて,凄く緻密に作られているなと思います。おそらく3作品の中で,一番泣いてしまったかもです。
土龍 Mogura 

土龍 Mogura 

劇団もっきりや

ART THEATER かもめ座(東京都)

2015/06/18 (木) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

おもしろい!
人間と動物が出てくる作品は何度か観ました。いつもむりやり感いっぱいで、違和感が残ってしまうものばかりでしたが、この作品はとても自然で、脚本がすばらしい!とてもおもしろかったです。

メイ探偵登場 ~かわいい死刑囚~

メイ探偵登場 ~かわいい死刑囚~

劇団ハッピータイム

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2015/06/19 (金) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★

中々深い
 推理が基本となった作品であるが、酔っ払い名(酩)探偵、武藤 芽衣の着眼点の鋭さと助手光岡の明晰な論理が、縦糸・横糸だとすれば、アルバイトのもんちゃんは、箍の外れた世界への入り口であろうか。本日楽日で、推理物なので種は明かさず詳細は後ほど追記すが、単なる推理物というよりヒトの傷口を見つめ、切開することによって人間そのものを描く深みを持った作品である。照明が見事なのと曲のチョイスの良さ、演出のバランス感覚、シナリオの構成、役者たちの頑張りも心地よい。
 惜しむらくは、ファーストシーンでボトルが空になっているのに蓋がキチンとしまっていた点だ。武藤の性格と能力の高さを象徴するつもりかもしれないが、蓋だけは取って、ボトルを行儀よくきちんと立たせて、観客に一種の違和感を感じさせるなどの方が導入部としては効果的だろう。

組みしだかれてツインテール

組みしだかれてツインテール

劇団子供鉅人

シアター711(東京都)

2015/06/09 (火) ~ 2015/06/16 (火)公演終了

満足度★★★

エネルギッシュ!
2時間あのテンションを続けていくエネルギッシュなパワーは凄い!
下ネタが絡み役者のキャラが濃く面白い!
次回も楽しみ!

ネタバレBOX

関西の劇団を数本しか見てないので、一概には言えないが、舞台セットがなく素舞台に近い状態、個人のキャラが強い芝居が多いような気がする。
舞台セット好きにはいささか残念。
銀幕心中

銀幕心中

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2015/06/10 (水) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

映画好きの集まり!
前半のお通夜の場面での会話に部分が早口すぎるのが気になったものの、
後半、女優が登場してからはとても興味深く観られました。
役者陣の後半の演技はとてもリアルで良かったです。

ネタバレBOX

死んだ監督成仏する前の幽霊で登場します。
現実では叶いませんでしたが、映画の中で心中しました。
だるい女

だるい女

劇団あおきりみかん

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/06/17 (水) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれなし
タイトルに騙された。
ただその一言に尽きる。

マイ・ベル

マイ・ベル

演劇ユニット パラレロニズム

d-倉庫(東京都)

2015/06/11 (木) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

2年前を思い出しました!
2年前の”おのれナポレオン”天海祐希の代役でオファーから2日半後に舞台に立った宮沢りえ思い出しました。
キャラメルボックスの舞台は観ていませんので知りませんが、
皆さん声が良く聞き取りやすく興味深く観られ良かったのですが、舞台セットにはもう少し工夫が必要に思えました。
また、劇中劇は、私には”若草物語”と言ってくれた方がが解り易い(笑)。

ネタバレBOX

舞台を作り上げる過程でのプロデューサー、演出家、制作、舞台監督、俳優陣のやりとりが良く分かります。
演出j家と女優がくっつきやすいのはどこでも一緒か(笑)!
評決

評決

ULPS

ワーサルシアター(東京都)

2015/06/17 (水) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

UPLS :舞台「評決」
 昨夜、八幡山ワーサルシアターに木村美佐さんが出演される、UPLS第9回公演「評決」を観に行って参りました。

 「評決」は、アガサ・クリスティーの原作ですが、クリスティーには珍しくミステリーと言うよりは、ロンドンの郊外の古いフラットの一室で起こる、濃くて切なくて胸が痛くなるほど息詰まる人間ドラマです。

 治る見込みのない難病にかかった妻を愛し、倦む事も諦める事もなく、献身的に支え続ける、中込俊太郎さん演じるヘンドリック教授。

 一見すると、良い夫であるが、元を糺せば友人を助けるために自分が国を追われる結果となり、ロンドンに逃れて来た為に妻は病を得たのかも知れず、彼の自分の理想や信念へのこだわり故の優しさが、妻や妻のいとこであり、ヘンドリックを心密かに愛し続けているライザ、幼稚で身勝手な愛を振りかざして迫るヘレンを傷つけ、苦しく辛い思いをさせている事に気づかず、そのヘンドリックの人としての理想と誤った優しさのせいで、ライザが窮地に陥り、失いそうになってもまだ、自分のその理想と優しさが残酷な刃となっている事を認めようとしない態度に苛立ちを覚えるヘンドリック教授として目の前に佇んでいた。

 ライザが自分から去って行こうとしているのを目の当たりにして、ライザがいかにかけがえのない存在か気づき、自分の理想と残酷な優しさが周りの女性たちを不幸にしたのかも知れないと認めはしたけれど、結局はヘンドリックが変わることはないような気もする含みを持たせたヘンドリックと言う人物として生々しく存在していた中込俊太郎さんが素晴らしかった。 

 木村美佐さんのライザは、この舞台の登場人物で実は、私が一番感情移入して観た女性。いとこであるヘンドリックの妻、アーニャを心から想い愛し、献身的に看病をしながらも、長い間決しておくびに出す事もなく、心深くヘンドリックへの愛を胸に秘めて、ヘンドリック夫妻を献身的に支える切なくて、強くて、脆くて、本当の意味で優しい女性。

 一番冷静にヘンドリックやアーニャ、ヘレンの事を観ているが故に、やがて訪れる悲劇を予感して怯えてもいる。

 ヘンドリックのような、男性を愛してしまった為に、傷つき、苦しみ、愛し続ける限り、その不毛な切なさと痛みと諦めから解放されることはないのに、なおヘンドリックを愛し続けるライザを見ながら、実は、十数年前の自分の姿を重ね合わせて、一番感情移入をしてしまった。 

 私の場合は、私と出会う前に泣きつかれ助けたにも拘らず、謝罪の言葉も連絡もなく行方をくらまし、その尻拭いの為に自分の生活を、ひいては人生を犠牲にしてもなお、責任を感じて尻拭いし続けている彼に、ライザと同じような気持ちを抱きつつ、ある日突然、彼が「君と歩いて行く事を考えたけれど、いつ終わるか知れないこの状況のままで、このまま君と付き合い続けて行くことは出来ない」という別れのメールを残して、私の人生から立ち去るまで、ライザのように時に彼の誤った優しさに苛立ち、それでも愛し、変わらない彼の理想に諦め、それでも私を必要とする限り傍にいようと思ったり、ライザの姿は当時の私の姿そのままだった。

 きっと、今もライザのような女性たちは、世界中にいるのだと思う。そんなリアリティを持った生身の女性として目の前に佇んでいた木村美佐さんのライザは本当に素敵でした。 

 登場する全ての俳優さんが、俳優さんとしてではなく、登場人物その人、いえ、生身のその人物として、目の前に立ち現れ、それぞれの立場、それぞれの感情、それぞれの愛から吐き出される息が、見えない濃い空気となって立ち籠め、胸が詰まり、息を詰め、息を殺して見詰めた2時間ちょっと。

 愛は人を愚かにする。でも、愚かだから人は誰かを愛するのであり、恋は落とすものではなく、落ちてしまうものであり、落ちてしまった先にどんな愛が待っているのかは、誰も知らない。

 行き着く先が自分の望むものでなかった時、その愛からさっと降りてしまえるのが恋で、降りたくても降りられず、立ち去ろうとしても立ち去れず、立ち戻ってしまう、自分ですらどうしようもないのがきっと愛なのでしょう。

 だとすれば、最後のライザの放った言葉は、愛であり、そしてやっぱり、愛はおろかで、だからこそ愛おしく、「評決」とは、人が誰かに下すものではなく、自分が自らに下す、「愛」と言うものへの「評決」なのではなかと思った舞台でした。
     
                            文:麻美 雪

ホテル・スイート

ホテル・スイート

劇団昴

俳優座劇場(東京都)

2015/06/20 (土) ~ 2015/06/27 (土)公演終了

満足度★★★★

人情の機微に心震えた
やはり、人間関係の微細な描写力に掛けては、ニール・サイモンの右に出る作家はいないなと思いました。

一柳さんと宮本さんの、ニコルズ夫妻の関係は、一般的にはあまりない事例ですが、お二人の演技が素晴らしくて、まるで、ドキュメンタリーを観ているかのように、感情移入して、何度も涙腺が緩みました。

片や、もう一方のマイケルズ夫妻の方は、シチュエーションコメディ担当で、こちらには、大いに笑わせて頂きました。

酒井さんの演出が、素敵な塩梅で、この二組のカップルに、命を与え、観ていて、とても心地よいお芝居でした。

現実社会が、何もかも不安でいっぱいな昨今、せめて、芝居でぐらい、こういう素敵な人情に触れて、心を潤したくなります。

ネタバレBOX

二組の夫婦の、歯車が噛みあわない、一つのエピソードから、物語が始まり、二幕は、それぞれの14年後という、洒落た二部構成の芝居でした。

ニコルズ夫妻は、夫が、両性愛の嗜好の持ち主で、妻のダイアナは、夫の気持ちが、男性にも向いてしまうジレンマで、愛情があるのに、離婚します。

14年後、再会したシドニーには、同棲中の男性の恋人がいますが、他にも、隠された真実があり、それを知った時のダイアナの苦悩の末の決断に、胸が締め付けられながらも、一方で、静謐な感動を味わいました。一柳さんが、難しい女性心理を見事に表現されて、感服しました。

ただ、マイケルズ夫妻の方は、完全にお笑い担当といった感じで、二組の夫婦の描き方があまりにも違うので、二組の夫婦事情を交互に描かれる構成には、少し、心が付いて行けない部分もありました。
新宿・夏の渦

新宿・夏の渦

ピープルシアター

シアターX(東京都)

2015/06/17 (水) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★

オカマたちの思い!
いわゆる新宿2丁目で働くオカマたちで、彼女たちがそこに辿り着く経緯、そこで働く理由そして願いが演じられ、実家に帰りたくても帰れない心の葛藤が切ない。
漂う空気は2丁目そのもの、曰くつきの周辺住人たちを絡ませ、信用はしてないが結束力の強いオカマたちの姿が垣間見られる。
実際にいるようなオカマと明らかに演出用のオカマと組合せが面白い。

ネタバレBOX

少年時代に両性愛者と思われる義父に犯され、それがもとで家を出てきた主人公のミロ(オカマ)が、その義父がいる田舎に帰りたいと思わせるなら、実母の存在を出した方が現実的と思える。
Fight Alone 5th

Fight Alone 5th

エムキチビート

エビス駅前バー(東京都)

2015/06/05 (金) ~ 2015/06/30 (火)公演終了

満足度★★★

チームFを観劇
作品の順番がきちんと考えられていて良かったように思います。
まあ、隣のビルの工事音という想定外はありましたが。

満足度としては、☆4つが2作品、☆3つと☆2つが1作品ずつといったところ。
わずか15分でも、長いなと思えてしまうのは怖いところで。

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