
放浪記
東宝
博多座(福岡県)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/31 (日)公演終了
満足度★★★
じっくりと悲哀
五幕、ほかのキャストさんに比べると、ほとんど出っ放しの仲間さん。胸に迫る演技にて落ち着いて観させていただきました。晩年はとくにです。

ジョルジ・フッチボール・クルーヴィー
Ammo
d-倉庫(東京都)
2016/01/08 (金) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
貧困の着目は良い。
日本はなんだかんだ安全で裕福である。そういう事実を考えさせられるテーマとしても良いと思います。ただ役者さんに飢えを感じなかったのが正直なところ。性表現も露骨だった。
動き回る躍動感や、サッカー選手というか、ヒラメ筋は素晴らしい。貧困に因んでかわからないけどフロアに10円落ちてた。

城塞
劇団俳優座
シアタートラム(東京都)
2016/01/06 (水) ~ 2016/01/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
熱演
5人劇、休憩込みで2時間30分。
年老いて病気にさいなまれる老人、息子と妻、使用人、今回の件に巻き込まれた女。
それぞれが持つ闇と、過去の記憶。
その記憶を強固に維持し続ける(都合のよい)思い込み。
それが「城塞」となって、前へ未来へ進む足かせとなる。
更に国が示す理解に苦しむ姿勢。
またこれも「城塞」となり未来が暗黒と化す。
なかなかに重厚な作品ですね。

ダーリン!ダーリン!
劇団ズッキュン娘
渋谷MilkyWay(東京都)
2016/01/08 (金) ~ 2016/01/12 (火)公演終了
満足度★★★
湿度高目
とても魅力的な作りではあるものの、ここまで湿っぽいとげんなりしてしまう。藤吉みわさんが描く情の深い女性をメインに据えた路線も「二番目-」くらいが一番バランスが取れていると思うのだが。

ジョルジ・フッチボール・クルーヴィー
Ammo
d-倉庫(東京都)
2016/01/08 (金) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
無題1717(16-007)
19:30の回(晴)
18:30受付(整理券あり)、18:58開場、ミニ椅子+椅子の客席、2列目に座ります。
左右に階段、壁に格子窓、中央にはテーブルと椅子、2階建ての舞台。
19:24前説(南さん、110分)、19:34開演~21:29終演、アフタートーク21:34~21:55。
ブラジル...BRICs、レアル、サンバ、オリンピックくらい。フッチボールという言い方も映画も小説も知らない国なので舞台となったスラムをイメージするのが難しく、以前観た「闇の列車、光の旅(2010/6)」..メキシコ映画を思い出しながら観ていました。
「死の部隊」。
サスペンス要素もあり最後までどうなるのかと思いながらもたくさんの人が死ぬ世界...アフタートークでもそれが普通に語られていた世界...ただ、なかなか想像力が追い付かないのと、どういうわけか「渇き」を感じなかったのが気になりました。石井光太さんのルポと比較するのではないのですが、もっと渇いたものが。
かなり観ていました:石塚さん「落伍者、改。(2015/9@南大塚)」。中村さん「看板娘ホライゾン(2012/5@王子)」「ワンダーランド(2015/2@王子)」。霧島さん「 きみがみむねに(2015/8@ここ)」「僕らの心象風景~(2012/2(眼科画廊)」他。楓さん「空想、甚だ濃いめのブルー(2013/12@眼科画廊)」、「ミロウのヴィーナス(2014/8@吉祥寺)」こちらでは藤田さんも。斉藤さん「ごきげん!?アキラ(2014/3@ポケット)」。安田さん「くれない博徒(2014/12@BOX in BOX)」。菅山さん「狂犬百景(2014/11@Vacant)」。津田さん「空中散歩とメンソール(2015/5@戸野廣)」。田村さん「きみがみむねに」「消失点(2015/5@雑遊)」。鈴木さん「誰がための笛は鳴る(2015/5@吉祥寺)」。桑原さんはもちろん桟敷童子の諸作品。西川さん「失われつつある物語(2013/7@DECO」「看板娘ホライゾン」「グッドモーニング・ブルーバード!(2012/10@エコー)」。そして前園さんは「今、出来る、精一杯。(2013/3@駅前)」「20年安泰。(2011/6@水天宮)」。

深沢ハイツ302~もう一つのニュートンの林檎~【ご来場有難うございました!】
Sun-mallstudio produce
サンモールスタジオ(東京都)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/11 (月)公演終了

夢去りて、僕らはハーメルンの白夜に踊る
天幕旅団
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2015/12/18 (金) ~ 2015/12/21 (月)公演終了
満足度★★★
う~ん・・・
いかにも天幕旅団らしいブラック・ファンタジーの世界なんですけどね。この物足りなさはなんなんだろう。コンパクトにまとめ過ぎたのかな。

『賢治の妹 〜宮沢賢治 魂の旅路』
Performing Arts Theater Company GEKI-kisyuryuri
シアター風姿花伝(東京都)
2015/12/28 (月) ~ 2015/12/29 (火)公演終了

初春文楽公演
国立劇場
国立文楽劇場(大阪府)
2016/01/03 (日) ~ 2016/01/26 (火)公演終了
満足度★★★
第1部
分かりやすかったけど、演目が自分には合わなかった…。
女性が物扱いで、ブサイクだからと言って頬を叩かれるような演目(「釣女」)などを、楽しくは観られません…。
嶋大夫さんの引退興行なので行きました。
やっぱり上手さが全然違うと感じました。聴けなくなってしまうなんて残念です。

王女メディア
幹の会+リリック
東京グローブ座(東京都)
2016/01/09 (土) ~ 2016/01/16 (土)公演終了
満足度★★★★
魂を揺さぶる平幹二朗
一世一代の再演である。平幹二朗の鬼気迫る舞台に客席は静まりかえった。80歳を超えて、この迫力。
演出は、昨年亡くなった高瀬久男さんがタッチしている。
シンプルだが、妥協策を許さない厳しさがある。9人の男性俳優がぶつかり合う。そういう視点で見ると、二人の息子を人形にしたのは効果的だと思う。
やはり、平幹二朗に始まり平幹二朗に終わる舞台。一世一代に立ち会えて幸せだ。

MEMENTO2
カメハウス
一心寺シアター倶楽(大阪府)
2015/12/26 (土) ~ 2015/12/29 (火)公演終了
満足度★★★★★
仲間の強く惹かれ合う心 叶わぬ恋 嫉妬心
メメント タナトス 眷属 100鬼斬り 白血 薔薇の一族、アンブレラ演じる玉一祐樹美さん、ヘモトリア演じる西田美咲、ヴィベル演じる宮崎サカナさんの殺陣、動きが、とても良い。プリン松さん演じるドミニクとヴィベル アンブレラ ロート クラウディア。 それぞれのグループと仲間と600年の関係 不死、死を求める気持ち、仲間の強く惹かれ合う心が面白い。 叶わぬ恋 嫉妬心が、シェイクスピアを感じる名作です。

わが愛の譜~滝廉太郎物語
アーティストジャパン
カメリアホール(東京都)
2016/01/05 (火) ~ 2016/01/06 (水)公演終了
満足度★★★★
美しい曲と歌!
ミュージカル俳優、元宝塚の4人による大劇場では聞けないピアノ伴奏による歌は美しかったです。
改めて滝廉太郎の情景的、抒情的な旋律はいつ聞いても懐かしさを感じる。
今井清隆の数役に渡る声の使い分けはベテランらしさを感じた。

罠
ジェットラグ
紀伊國屋ホール(東京都)
2016/01/08 (金) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★
巧妙……なのはいいんだけど…
入籍を明日に控えたカップルが同棲する部屋へ、カレシの留守中にその友人と称する女が4人やってくる。結婚式でのカレシへのサプライズということで、カノジョにいろいろ話を聞きつつ皆で飲み始めるのだが、そのカノジョが苦しみ出して…、というところから始まり、次々と様々などんでん返しが続く、実に巧妙に作られた作品。元宝塚の緒月遠麻に、宝塚退団後初舞台の華耀きらり、舞台での活躍が続く井端珠里などを加えて、役者陣もしっかりしている。ただし、さまざまな場面で唐突に奇妙な言葉遊びが繰り出されているのは、やややり過ぎているように思える。物語だけでしっかり見せられる作品なのだから、そこを信頼しておけば良いのに、とも思う。とは言え、エンターテインメントとしては非常に良くできていると思う。

深沢ハイツ302~もう一つのニュートンの林檎~【ご来場有難うございました!】
Sun-mallstudio produce
サンモールスタジオ(東京都)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★★
よく考えられている
2009年に上演された作品の再演。タイムスリップとパラレルワールドを扱ったSFサスペンス的な作りだが、笑いあり、緊迫感ありで、非常によく考えられている。役者陣も皆しっかりしており、特にメインの今村美乃と、対する川添美和という、私好みの女優が大活躍しているのが嬉しい。部分的に無理に辻褄を合わせた感じもあるけれど、エンターテインメントとして優れた舞台になっている。

「妥協点P」広島公演
劇団うりんこ
JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)
2015/12/25 (金) ~ 2015/12/26 (土)公演終了
満足度★★★★★
間に合いました
スムーズな乗換で、余裕な到着になった。
観客はちょっと遠いところから来られたのかな?という会話が聞こえてきたり、年齢層も幅広い。
さすが、歴史のある劇団だ!
声の通りが良くて、耳心地よくハッキリ聞き取れる。
明らかに狭いであろう舞台裏で、どのように出待ちされているのかも気になる舞台装置だった。

妖精のテルトコルトランド
菱路コネクト
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/10 (日)公演終了
満足度★★
先ずは、“物語り”から・・・
“物語り”の骨子が弱く、面白みを感じることが出来なかった。
先ずは、“物語り”、そして“脚本”、さらには“演出”と積み重ね、作品となるのではないだろうか。
出発点である“物語り”がしっかりとあれば、拙い演技でも面白くなると、私は思っている。
次回作に期待したい。

王女メディア
幹の会+リリック
東京グローブ座(東京都)
2016/01/09 (土) ~ 2016/01/16 (土)公演終了
満足度★★★★★
まさに財産!
愛憎が慈愛を呑み込む、女が母を凌駕する。王女のおぞましき所業、王子の悲嘆憔悴。その醜悪さあってこそ、地獄を徘徊する王女がこの上ない美として観る者の心眼を射る。抗えぬ人間の正体を突き付けられた気分。

妖精のテルトコルトランド
菱路コネクト
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/10 (日)公演終了
満足度★★★
んー。
脚本・演出・演技・制作いずれも改善の余地あり、といったところでした。
改善できるはずなので、今年もよろしくしてもらえるよう頑張っていただければと。

『かもめ』
演劇ユニットnoyR
Livingood Cafe 高円寺 (東京都杉並区高円寺北2-36-10)(東京都)
2015/12/19 (土) ~ 2015/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★
借景と飛び道具
俳優三人による変則的「かもめ」。上演70分程度。会場は高円寺駅から徒歩5分程の宅地エリアにあるカフェ(バー?)の中。路地から段差もなく地続きのフロアへ、入ると手前側に客席、椅子を借り集めたような格好で20人程度か。受付を済ませて覗くと暖色系のランプが吊るされたやや薄暗い内部、正面奥にカウンターがあり、背後にボトルの列が見える。セットではなく、店内のふだんの状態そのままらしい。ユニットnoyrは座高円寺の劇場創造アカデミーを出た3人が作り、今回は樋口ミユを演出として、小野寺ずる(□字ック)を客演に招いた。 開演前から喪服の女優がバーのママよろしく佇み、背の高いウェイター姿の男性が店員風情で掃除をしたりしている。店内がリアルに飲食店なため、二人の存在も借景の「景色」に含まれて見える。佇む女性はユニットの1人、男もアカデミー出身者のようで、残る一人が・・と上手をみると、パーテーションの隙間っぽい引っ込みに垂れた布の下から、ベージュの衣裳と素足がプラプラと揺れている。出番を待つスポーツ選手か。開演すると彼女が飛び出て「小野寺ずるのオンステージ」の様相は、noyr版(樋口ミユ版?)「かもめ」を大きく支配する。マイクを持って歌ったり、演技も持ちネタの披露といった案配で笑いを誘う。役者というより芸人である。
テキストは当然ながら大胆に構成され、チラシには「喪服のマーシャの視点」とあったが、先程の黒服のバーのママ然たる女性がマーシャで、客待ちの風情で本を読んだり、目の前で展開する人生模様をバーのママ然と眺めたりする、という舞台上の構図があって、ベージュ色の男女が「かもめ」の男女各2役(男はトレープレフとトリゴーリン、女はニーナとアルカージナ)を演じる。役の変化は男女ともかぶり物のみ。 「かもめ」は痛い話である。主な筋は、モスクワから離れたある地方の地主風情(=召使いを雇える階級)の息子トレープレフが文学に熱を上げ、近々帰郷する母アルカージナ(女優)のために自分の作品を地元のニーナという若い女性を舞台に立たせて披露しようとしている、そこへ母は、愛人のトリゴーリンを連れてやってくる、彼は売れ始めた作家で、当然トレープレフにとってはニーナを奪われかねない宿敵登場な訳だが、元々トリゴーリンの読者でもあったニーナは彼にぞっこん、モスクワ帰還の間際に自分も同行したいと申し出る。そして後半、ニーナのその後の噂などが交わされるが、実は彼女は既に帰郷しており、傷ついた彼女の訪問を受けたトレープレフは、あれこれあって最終的に自殺という結末に至る。かもめはニーナの暗喩で、始め死んだカモメが凶兆として登場するが、この作品が輝きを放っているのはこのニーナの(かもめにイメージを重ねられる)描写だろう。周囲の人物との対比で、そこが浮き上がってくる。
この対比すべき両人物を演じた小野寺ずるだが、真面目に批評するのも無粋と思われそうだが・・ その時点での役の「核」を捉えて凝縮し、カリカチュアして表現する。このカリカチュアの加速具合がレーサー並に激しく、そこが見モノとなっている。しかし役の表現そのものはギアを入れ過ぎて若干ブレが生じ、芝居を作る上では精度が落ちる部分があった。「歌」の挿入はそれ自体が芝居の上ではズレを呼び込んでいるが、そのズレた分を回収して本筋に戻る所がうまく行っていたかどうか。また、泣く場面が長く単調で、「泣く」という行為は表現としてカリカチュアしづらいものだったのか、と想像した。
「飛び道具」としての小野寺氏の活用の是非は、彼女の演技の「加速」のエンタメ性を優先し過ぎて「本体」に収まり切れなかった、「小野寺」流を使うならより微調整が必要であった、という風に思う。
テキストに戻れば、最後にマーシャが初めて「芝居」の台詞を語るが、ニーナの台詞だったように思う。最後に「観察者」であったバーのママ=マーシャ?にニーナの心を代弁させる意図だと解せば、理解できなくもないが特段そうする必要もないように思った。ただ、「かもめ」のお話の抄訳としては、判りやすく見れたし役の心情もよく伝わってきた。がやはり何かが惜しい。

三日月にウサギ
9-States
OFF OFFシアター(東京都)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★
盛り込みすぎか・・・。
思わぬ方向に話が展開する意外さは面白かったですが、
私利私欲の為に人を利用することしか考えない人たちの話でした。