最新の観てきた!クチコミ一覧

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DANCE NEST more vol.4

DANCE NEST more vol.4

NPO法人らふと

RAFT(東京都)

2016/07/22 (金) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1890(16-180)
19:30の回(曇)。

19:00受付、開場、ベンチシート&椅子。

奥が舞台、床面にトランプのような真っ黒の紙片が散らばっています。これが不思議で視線を動かすと(見えないはずの)白っぽいカードが残像のように浮かんで見えます。

正面に暗幕、プロジェクターから濃い青。

19:28前説(5分休憩あり、90分)、19:33開演~20:48終演。

尾花藍子「波打つ鋭角へ」
水越朋「U/M」
小野彩加「彩られた生命体|Chromosome Organusm」

尾花さん、水越さん、小野さんの順。それぞれ個性的/独創的な振付で思わず見入ってしまいます。強い意志、開放した心、委ねる身体。

尾花さんは、(振付)「フレームの日々が過ぎるまで(2015/6@セッションハウス)」「ダンスがみたい!新人シリーズ13(2015/1@d-倉庫)」。

水越さんは「KisamaAlternative × 水越朋(2016/1@神保町試聴室)」
「隣の部屋の窓を開ける。(2015/11@セッションハウス)」「あいまいな沈黙(ダンコレ2014/2@赤レンガ)」「-W-(2013/3@ST)」。

小野さんは「はてしない物語(2016/4@六行会)」「ΑΩ(2015/12@空洞)」「私たちはまだ(2015/11@キッド・アイラック)」「非劇 Higeki(2015/11@吉祥寺)」「One Wonderland(2015/10@ST)」「RAFT BALL(2015/9@RAFT)」。

マン・オブ・パセティック

マン・オブ・パセティック

順風男女

OFF OFFシアター(東京都)

2016/07/29 (金) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★

継続
最初は面白いと思ったテンションも慣れてくると普通になってしまう。
継続して全ての演目で笑いを取るって大変だなぁ。

「演目順のバランスって大事」と冷静に観てしまいました。

フォローすると“若い子たちはずっと笑ってた”です。

多分、歳取ると笑い続ける体力が無いのだと思います。

福笑

福笑

Naughty Boyz

Geki地下Liberty(東京都)

2016/07/27 (水) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★

こーゆー話は好物です(^_^)
セットも何か丁寧に綺麗に作ってあって好ましかった
話は王道的ながらも外すコト無く
安心して見ていける上に
各登場人物達が生き生きとしていて良かったなぁと感じた
1時間50分の作品ですよ

天守物語

天守物語

劇団¥おやのすねかじり

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2016/07/15 (金) ~ 2016/07/17 (日)公演終了

満足度★★★

泉鏡花の不思議な世界でした
前回の「真田幸村」はオリジナル脚本で、殺陣が新鮮で凄かった!!
今回はキャスト陣も大半が入れ替わり、打って変わって、泉鏡花さんの時代劇物。
昔言葉での演技も新鮮で、(少し噛んでましたが)十分、気持ちが伝わる良い演技。そして何と言っても女優陣のダンスが素晴らしかった。

ただ今回の殺陣も良かったのですが、ダンスの要素が強くなった感じで、前作ファンとすると(もっと本格的な殺陣が観たかった…)少し残念。

そして(昔言葉のため聞き逃したか)設定など一部理解出来ない点があり、少し残念!
もう一点、主役の姫役を主宰の男優さんが女装され、良い演技でしたが…、明らかにガタイがでかく、感情移入しにくかった…。
やはり姫は女性の方がしっくりくるように思いました。

前作「真田幸村」ファンとすると、次回は前作のような殺陣を是非観てみたい!
と言う事で、思わず前作DVDを買ってしまいました!
次回に期待!

WBB vol.10.5『リバースヒストリカ2016』

WBB vol.10.5『リバースヒストリカ2016』

WBB

クラブeX(東京都)

2016/07/27 (水) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても良かったです!
さすが何度も再演されてる脚本だけあって、
笑いとシリアスな部分のバランスがすごく良くて、
かつ、初見でも分かりやすい舞台に向いてる
ストーリーでした。
純粋に舞台としてとても面白くて、
出演されてる俳優さんのファンの方でなくても
楽しめる作品だと思います。
最後までのめり込んで見てしまいました。
劇場が円形なこともとても生かされていて
色々なところから役者さんが登場するのも
新鮮で良かったです!

落ちこぼれアイドルだった私が社長になって1年で会社を立て直した10の方法

落ちこぼれアイドルだった私が社長になって1年で会社を立て直した10の方法

ガラス玉遊戯

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2016/07/27 (水) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1889(16-179)
19:30の回(晴)

18:45受付(整理番号あり)、19:00開場。

L字の客席、長テーブルとパイプ椅子、ホワイトボード、ファイルの棚、脚立、古いガステーブル。

19:27前説(100分)、19:31開演~21:11終演。

ガラ玉は「わたしのゆめ(2011/5@「劇)」からで6公演目。「説明」にある通りの筋。

本作では(THE TRICKTOPSの)國枝さん客演。

息継ぎが必要なほど長いタイトルは今風で苦手ですが、お話は、なかなか骨太でした。

こういった筋立てですと、どのくらい憎たらしく、日和るキャラクターが生き生きしているかが関心のひとつですが、瀧下さん、本東地さんが巧い。

飲み込まれそうになる中小企業の悲哀、年を重ねることによる気持ちの問題は他人ごとではないのでした。

ちょっと待って、エントロピー!!

ちょっと待って、エントロピー!!

夕暮れ社 いなもり支店

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/07/28 (木) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★

スイートピー
面白い。60分。

ネタバレBOX

会社の先輩の結婚式での余興について、鍋つつきながら手話と筆談を通して話し合う女三人。色恋沙汰や微妙な気持ちのぐらつきもありつつ、無事結婚式で、手話付きの「赤いスイートピー」を歌い上げる…。

人物とか自然な描き方で、障害者との接し方とか筆談をもどかしく思うとことか、上手いなと。聴覚障害の多香子(稲森明日香)と親しいかず代(向井咲絵)が同じ人を好きだったとわかるとことか、結構面白く感じたけど、もうちょい劇的に仕上げてもいいとも思った。終盤の暗転とか、ちょっとテンポ悪く感じたかな。
うちの犬はサイコロを振るのをやめた

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2016/07/23 (土) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

好例の開演前寸劇
本編もスケールアップしていて超良かったんだけど、開演前の寸劇が毒が効いててPMC史上最高傑作ではなかろうか。

福笑

福笑

Naughty Boyz

Geki地下Liberty(東京都)

2016/07/27 (水) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★

コメディだけど深イイ話も・・・
“Naughty Boyz”初観劇。
単なる“ドタバタ・コメディ”ではなく、“深イイ~”お話が随所に織り込まれた物語りで、笑えて、感動して、とても楽しめました。

登場人物のキャラが立っていて、それぞれ役者さん達も好演されていましたが、殊に“小川権六”役の“女鹿伸樹”さんの演技が素晴らしく、それだけでも観る価値ありです!

実に面白かった。。。

ペコロスの母に会いに行く

ペコロスの母に会いに行く

中日劇場

天王洲 銀河劇場(東京都)

2016/07/23 (土) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★

感動させる物語でした
有名な俳優が、たくさん出ていました。

内容は、シンプルなものですが、老いの世界にはそれなりに考えさせられる問題があると思います。

夢も希望もないと、決めつけず、どこか達観して、人生の大詰めを乗り切れると良いと私は思いました。

イるテーション

イるテーション

!ll nut up fam

萬劇場(東京都)

2016/07/22 (金) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

思い切って
観に行ってよかったです。
いつもブログ楽しく拝見しております。
子供さんも出てるとのことで、もっと子供向けな舞台なのかと思っていましたが、全然違いました(笑)
大人の方々のレベルの高さに驚き!素直にまた観たい!と思います。
応援してます!

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2016/07/23 (土) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★

祭りのあと
頭を空っぽにして楽しめる敷居の低さと、あちこちに隠されている笑いの要素が魅力です。そうやって馴染みきった特徴的なキャラクターに、最後は感情移入していました。サービス精神たっぷりの舞台です。

ネタバレBOX

笑いながら当たり前のように存在している奇っ怪なキャラクターが最後に見せる男気に、思わず泣きそうになっている自分がいました。
ペッピライカの雪がすみ

ペッピライカの雪がすみ

lal banshees

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/25 (月)公演終了

無題1888(16-178)
20:00の回(雨)。

19:30受付(整理券がありますが会員優先のようでした)、19:40開場、桟敷+椅子。

19:55前説(アナウンス、60分)、20:02開演~21:07終演。ほぼ同じ色と素材でデザイン違いの衣装。

んー、東京ELECTROCKSTAIRSは一度だけ観たことがあります(2013/3@森下スタジオ)が、このときもどうもあいませんでした。

北川さんを「斑(ふ)」を2回(アートスクエア、野毛)観ていて、菅さん「ファンタジー(2013/7@」トラム)」、後藤さん「ぴちぴち~(2011/5@アートスクエア)」、加えて、横山さんは「泣いてた、春スキャット(2014/3@幡ヶ谷)」。

なんと表現したらよいのか「このタイプ」の振付がダメなのですが、それがなぜなのかうまく説明できません。

だせぇ

だせぇ

艶∞ポリス

駅前劇場(東京都)

2016/07/27 (水) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

華があって面白い!
比較的前のサイド席だったので、隣の人が笑う度に鼻息が私の側面にかかってきて、笑(わろ)メーターではあるのですが閉口しました。

ネタバレBOX

お洒落なアパレル業界の、お洒落だったりお洒落じゃなかったりの人間関係を描いたコメディ。

いらっしゃいませー↑、いらっしゃいませー↓、以前のデパ地下の話にも通じるものがありますが、マネキンのイントネーション一発で掴みはOKでした。

美人さんが多いから見ていてとっても楽しいです。

作演の岸本鮎佳さんが文化女子大学出身ということもあってか、客や評論家との理不尽な関係、店員同士の確執など業界に詳しく、少なくとも素人には詳しそうに見え、そこに空気の読めない感じや高校時代からの遺恨話などが加わり話が膨らみ見応えがありました。
だせぇ

だせぇ

艶∞ポリス

駅前劇場(東京都)

2016/07/27 (水) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★

「ださい」は素敵だ
アパレル業界の内幕をコミカルに描いた作品と思いきや、女性特有(?)の心の闇や毒が随所にちりばめられていて観ていてドキッとするような人間ドラマに仕上がっている。

ネタバレBOX

全編「おしゃれ」を謳いあげながら最後ににきての「だせぇ」。これは巧い。観ていてズシンと響いてくる。1時間半ほどの上演時間にいろいろ詰め込まれていて多少性急感はあるがその分直截な表現で分かりやすかったともいえる。キャラクターの配置やキャスティングも絶妙で楽しめた。初見だったが今後注目したい団体だ。
月の道標

月の道標

ニラカナエナジー

座・高円寺2(東京都)

2016/07/22 (金) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

沖縄
この公演の前日にも沖縄の半世紀についてのドキュメンタリー映画を見ましたが、その映画ではあまりにも生々しい場面はありませんでしたが、本公演はとても生々しい場面がたくさんあり、とても考えさせられるいい作品ですね。沖縄の悲惨さよく描きだされていましたね。
旗揚げ公演とは思えないほどしっかりした作品であり、演技で見ごたえ十分でした、

フランス革命三部作

フランス革命三部作

芸術集団れんこんきすた

シアターノルン(東京都)

2016/07/20 (水) ~ 2016/07/29 (金)公演終了

満足度★★★★★

『フランス三部作 Blanc~空白の抱擁~』

 両端をトリコロールに染められた幕を背中に、舞台を跨ぐように据えられたギロチン台。

 「最も人道的な処刑装置」として開発され、革命末期に多くの奪ったギロチンによる死刑執行。

 マリー・アントワネットも露と消え、革命後期の恐怖政治と化した頃には、政治にも革命にも何の関係もない市民や子供までが、凡そ罪とも言えないような些細な罪で、死刑になりギロチンの露と消えた。

 あのギロチンと代々処刑人の職を受け継いできた家に生まれ、革命期にはギロチンの全てを任せられた、死刑執行人「ムッシュー・ド・パリ」と呼ばれた男、サンソン。その命を奪ったギロチン台。

 罪人の首を落とし続けたギロチン台と、死刑人サンソンの視点から見た革命と、死刑執行人の苦悩と真実を描いた舞台、『フランス三部作 Blanc~空白の抱擁~』。

 『フランス三部作』は、女性革命家の視点から描かれるRouge、貴族令嬢から図らずも身を措くことになった令嬢の視点から描かれる Bleu、そして死刑執行人の視点から描かれるBlancの3つの視点で描かれる舞台。

 死刑執行人とギロチンの視点からフランス革命を描いた舞台は、私の観て来た舞台で、私は初めて観た。

 ギロチン台は、ギロチンの精と擬人化され、中川朝子さんのギロチン・マダム、濱野和貴さんのギロチン・シトワイヤン、調布大さんのギロチ・ンキュロットのギロチン一家として、観客の前に現れ、当時の情勢や革命の歴史やサンソンの事について、神出鬼没に現れては語る狂言回しの役回り。

 ギロチンというと、おぞましく怖いイメージがあるが、このギロチン一家は、シニカルであると同時に何故だかじわじわとした可笑しみがある。

 中川朝子さんは、Rouge、Bleu、Blancと3作品通しで全てに出演。Blancに至っては、ChariteチームとこのGenerouxチームの両方にシングル・キャストで出演されている。性別もキャラクターも全く違う役を、1日通して連続で演じるのは相当の体力と精神力が必要な筈だが、ギロチン・マダムを軽やかにコケットにひとつまみの毒と可笑しみを加えたマダムとしてBlancの中で生きていた。

 濱野和貴さんのシトワイヤンは、去年此処で観た『リチャードⅢ世』とは、がらりと違い、たっぷりの皮肉と毒に、可笑しさとひとつまみの狂気を感じるシトワイヤン。

 調布大さんのキュロットは、冷静にサンソンと革命を観つつも、何処かほのぼのとして、Twitter等でもかわいいという声が上がっていたが、何だかかわいさがあるキュロット。

 武田航さんのデムーランは、人々から厭わしく忌まわしい仕事と、謗られ蔑まされ苦悩するサンソンの唯一の理解者で友人であり、革命によって、差別のない平等で自由な国を創ろうと革命に参加し、ロベスピエールと同じように次第に、独裁的になって行き、その事に気づいた時には引き返せない所まで来てしまった者の苦悩と痛みを感じた。

 デムーランの妻小松崎めぐみさんのリュシルは、ただ一途に夫を愛し支える純真な姿が可憐で素敵だった。

 死刑執行人の家に生まれ、兄と同じ苦しみを抱えて生きてきた加賀喜信さんのマルタンの家業を厭い家を出て、外の世界に行っても、結局は死刑執行人の家に生まれたことがついて回り、普通に暮らすことさえ儘ならない事に憤りと悲しみ、絶望を感じた姿が胸を刺した。

 革命の理念に共感し、次々とロベスピエールたちの命により、痛みも疑問も持たずに死刑執行をサンソンに指示し、酷薄に見えた加藤大騎さんのダンヴィルが、自らもギロチンにかかる時に、サムソンに「お前が心配だ」と一瞬見せた人間らしさに、彼もまた、ただ、自由と平等と平和を願った革命に翻弄された一人の悲しい末路を感じた。

 石上卓也さんのサンソンは、サンソンの佇まいが痛ましくも美しく、それだけに、厭わしく忌まわしい仕事と、謗られ蔑まされても、その家に生まれれば否応なしに継がなければならない者の悲しみと苦しみと葛藤とジレンマが犇々と伝わり、胸が締め付けられた。

 人の手で、人の命を奪うことの葛藤、苦しみと痛み。それを一番感じ、心を苛まれていたのは死刑執行人のサンソンでなはかったのか。

 木村美佐さんのサンソンの妻、マリー・
アンヌは、傷つき、悲しみと苦しみに苛まれ、葛藤とジレンマに懊悩するサンソンを静かで深く純粋な愛で包み、そっと見守り、毅然として支える姿に胸が震えて涙が溢れた。

 一日通して観た3作品は、何れも素晴らしく、考えさせられることも、感じることも多かった。

 『革命』とは、力や武力、弾圧で捩じ伏せるものではなく、今も蔓延る差別や区別を心から無くすこと。心をより愛あるものに変えること。心を変える事なのではないだろうか。

 『フランス三部作』は、全て観ることによって、よりその事が強く伝わってくる素晴らしい舞台であり、3作品を通して観られたことを心から良かったと思う。

 この舞台を観たことは、私の誇りであり宝物であると言える舞台だった。

              
                       文:麻美 雪

枯山水

枯山水

味わい堂々

スタジオ空洞(東京都)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/26 (火)公演終了

満足度★★★★★

無題1887(16-177)
19:30の回(曇)。

18:45受付(整理券あり)、19:00開場。

どーんと横長の舞台、右と奥のL字に客席。床面に緑の円と周囲に渦巻き、前方には横いっぱいの廊下、中央から下手側に(開かないけど)襖...紅葉...、上手のほうに枯山水の解説文?

19:27前説(事前に当パンを、90分)、19:33開演、石庭、朝8時~21:08終演。

自分がなぜここにいるのか、どこか哲学的な問い、実に禅問答のような、瞑想こそ相応しい問いを発する女の物語。

奇怪なキャラクターたちがとても軽いタッチで絡むコメディー、京の狂乱。

常識、良識は少しの間道端に置き、とにかく笑ってしまうしかありませんでした

フランス革命三部作

フランス革命三部作

芸術集団れんこんきすた

シアターノルン(東京都)

2016/07/20 (水) ~ 2016/07/29 (金)公演終了

満足度★★★★★

『フランス三部作 Blanc~空白の抱擁~』

 両端をトリコロールに染められた幕を背中に、舞台を跨ぐように据えられたギロチン台。

 「最も人道的な処刑装置」として開発され、革命末期に多くの奪ったギロチンによる死刑執行。

 マリー・アントワネットも露と消え、革命後期の恐怖政治と化した頃には、政治にも革命にも何の関係もない市民や子供までが、凡そ罪とも言えないような些細な罪で、死刑になりギロチンの露と消えた。

 あのギロチンと代々処刑人の職を受け継いできた家に生まれ、革命期にはギロチンの全てを任せられた、死刑執行人「ムッシュー・ド・パリ」と呼ばれた男、サンソン。その命を奪ったギロチン台。

 罪人の首を落とし続けたギロチン台と、死刑人サンソンの視点から見た革命と、死刑執行人の苦悩と真実を描いた舞台、『フランス三部作 Blanc~空白の抱擁~』。

 『フランス三部作』は、女性革命家の視点から描かれるRouge、貴族令嬢から図らずも身を措くことになった令嬢の視点から描かれる Bleu、そして死刑執行人の視点から描かれるBlancの3つの視点で描かれる舞台。

 死刑執行人とギロチンの視点からフランス革命を描いた舞台は、私の観て来た舞台で、私は初めて観た。

 ギロチン台は、ギロチンの精と擬人化され、中川朝子さんのギロチン・マダム、濱野和貴さんのギロチン・シトワイヤン、調布大さんのギロチ・ンキュロットのギロチン一家として、観客の前に現れ、当時の情勢や革命の歴史やサンソンの事について、神出鬼没に現れては語る狂言回しの役回り。

 ギロチンというと、おぞましく怖いイメージがあるが、このギロチン一家は、シニカルであると同時に何故だかじわじわとした可笑しみがある。

 中川朝子さんは、Rouge、Bleu、Blancと3作品通しで全てに出演。Blancに至っては、ChariteチームとこのGenerouxチームの両方にシングル・キャストで出演されている。性別もキャラクターも全く違う役を、1日通して連続で演じるのは相当の体力と精神力が必要な筈だが、ギロチン・マダムを軽やかにコケットにひとつまみの毒と可笑しみを加えたマダムとしてBlancの中で生きていた。

 濱野和貴さんのシトワイヤンは、去年此処で観た『リチャードⅢ世』とは、がらりと違い、たっぷりの皮肉と毒に、可笑しさとひとつまみの狂気を感じるシトワイヤン。

 調布大さんのキュロットは、冷静にサンソンと革命を観つつも、何処かほのぼのとして、Twitter等でもかわいいという声が上がっていたが、何だかかわいさがあるキュロット。

 武田航さんのデムーランは、人々から厭わしく忌まわしい仕事と、謗られ蔑まされ苦悩するサンソンの唯一の理解者で友人であり、革命によって、差別のない平等で自由な国を創ろうと革命に参加し、ロベスピエールと同じように次第に、独裁的になって行き、その事に気づいた時には引き返せない所まで来てしまった者の苦悩と痛みを感じた。

 デムーランの妻小松崎めぐみさんのリュシルは、ただ一途に夫を愛し支える純真な姿が可憐で素敵だった。

 死刑執行人の家に生まれ、兄と同じ苦しみを抱えて生きてきた加賀喜信さんのマルタンの家業を厭い家を出て、外の世界に行っても、結局は死刑執行人の家に生まれたことがついて回り、普通に暮らすことさえ儘ならない事に憤りと悲しみ、絶望を感じた姿が胸を刺した。

 革命の理念に共感し、次々とロベスピエールたちの命により、痛みも疑問も持たずに死刑執行をサンソンに指示し、酷薄に見えた加藤大騎さんのダンヴィルが、自らもギロチンにかかる時に、サムソンに「お前が心配だ」と一瞬見せた人間らしさに、彼もまた、ただ、自由と平等と平和を願った革命に翻弄された一人の悲しい末路を感じた。

 石上卓也さんのサンソンは、サンソンの佇まいが痛ましくも美しく、それだけに、厭わしく忌まわしい仕事と、謗られ蔑まされても、その家に生まれれば否応なしに継がなければならない者の悲しみと苦しみと葛藤とジレンマが犇々と伝わり、胸が締め付けられた。

 人の手で、人の命を奪うことの葛藤、苦しみと痛み。それを一番感じ、心を苛まれていたのは死刑執行人のサンソンでなはかったのか。

 木村美佐さんのサンソンの妻、マリー・
アンヌは、傷つき、悲しみと苦しみに苛まれ、葛藤とジレンマに懊悩するサンソンを静かで深く純粋な愛で包み、そっと見守り、毅然として支える姿に胸が震えて涙が溢れた。

 一日通して観た3作品は、何れも素晴らしく、考えさせられることも、感じることも多かった。

 『革命』とは、力や武力、弾圧で捩じ伏せるものではなく、今も蔓延る差別や区別を心から無くすこと。心をより愛あるものに変えること。心を変える事なのではないだろうか。

 『フランス三部作』は、全て観ることによって、よりその事が強く伝わってくる素晴らしい舞台であり、3作品を通して観られたことを心から良かったと思う。

 この舞台を観たことは、私の誇りであり宝物であると言える舞台だった。

              
                       文:麻美 雪

フランス革命三部作

フランス革命三部作

芸術集団れんこんきすた

シアターノルン(東京都)

2016/07/20 (水) ~ 2016/07/29 (金)公演終了

満足度★★★★★

力技で押し切られたBleu
ロベスピエールがギロチンにかけられた7月28日にロベスピエールの人生最後の5年間の物語Bleuを見る。若き日の繊細な心の彼が丁寧に描かれて感動。中川朝子さんが国外に出かけた後は、こんなのあり得ないんじゃないかという展開ですが、3人の役者さんの力演で何となく納得させられてしまいました。とてもおもしろかったです。ところで、この劇場の照明(スポット)はLEDなんですね。どんどん世界は変わっていくんですね。

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