最新の観てきた!クチコミ一覧

66201-66220件 / 189887件中
善国創造記

善国創造記

劇団空組

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2016/12/16 (金) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★

初空組♪
初めての空組は女子だけの舞台やからといって、華やかで可愛いだけじゃなく、人の上に立つ者の葛藤を重厚に描くヒューマニズム溢れる作品でした☆★劇中出演者が女子だけなのを忘れてしまう程男役も自然に表現されてました♪ダンスや歌も上手く織り込んでるんで二時間半の長丁場を感じさせないのも見事でした☆★

【全ステージ前売チケット完売御礼】 京劇OPAL 白蛇伝 他

【全ステージ前売チケット完売御礼】 京劇OPAL 白蛇伝 他

桜美林大学パフォーミングアーツ・レッスンズ<OPAL>

PRUNUS HALL(桜美林大学内)(神奈川県)

2016/12/16 (金) ~ 2016/12/17 (土)公演終了

満足度★★★★★

京劇講座の成果
桜美林の学生が本場中国から来た先生の指導のもと頑張った成果。ハオ! ブラボー! 歌舞伎と共通する部分もあったり、新体操の技のネタ元と思しきものがあったりと、京劇初心者にとってはとても新鮮、かつ、勉強になったステージでした。バックの音楽は中国から招いた一流どころが担当。意外にやかましいですね。

次回、また見に行きたいと思います。

ノッキン オン ヘブンズ ドア

ノッキン オン ヘブンズ ドア

Bobjack Theater

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2016/12/07 (水) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

Aチーム:日替わりの所が、大変なことに
今日は、日替わりの所が、大変な事に(笑)
13人の役者さんたちの熱意・工夫、そして、”舞台が好き”という気持ちが伝わってくる舞台。
舞台と観客席、役者さんと観客が一体となる舞台
*10公演目(Aチーム8公演、Bチーム2公演)の観劇

時代絵巻AsH 其ノ玖 『草乱〜そうらん〜』

時代絵巻AsH 其ノ玖 『草乱〜そうらん〜』

時代絵巻 AsH

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2016/12/14 (水) ~ 2016/12/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

観応えありました。
タイトルも考えさせるものがあったが、内容的にも、じっくりと描き出されて、思わず落涙した。最後まで楽しめました。次回作も期待したい。

凝り性のサンタ、苦労する/ちょべりばペット

凝り性のサンタ、苦労する/ちょべりばペット

ピヨピヨレボリューション

インディペンデントシアターOji(東京都)

2016/12/07 (水) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

終演後の静けさ
ちょべりばペットの世界感に浸るため、終演後、アナウンスが入るまで拍手をしないようにしていたら、今日は思いのほか長く堪能できた。
綺麗なハーモニーを存分に楽しんだ。
前園さんの登場シーンが何度観ても笑ってしまう。
この公演も、明日で終わりだから、しっかり心に刻みたい。

ある晴れた朝に

ある晴れた朝に

空想実現集団TOY'sBOX

北池袋 新生館シアター(東京都)

2016/12/16 (金) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

家族愛
個性的なキャラクターに緩急あるストーリー展開がとても面白かったです。
おばあちゃんのキャラクターが強烈なんですが、ストーリーが進むにつれて、強烈なだけではない面が見られました。
家族の愛がテーマなのかなと思いますが、それぞれの愛情が表現されていて心がほっこり温かくなりました。

一尺玉の大砲:Re

一尺玉の大砲:Re

9-States

シアター711(東京都)

2016/12/07 (水) ~ 2016/12/11 (日)公演終了

人生の選択。
見ました。面白かったです。後述します。

凝り性のサンタ、苦労する/ちょべりばペット

凝り性のサンタ、苦労する/ちょべりばペット

ピヨピヨレボリューション

インディペンデントシアターOji(東京都)

2016/12/07 (水) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

ライブ感が出てきた
「凝り性のサンタ、苦労する」を観劇。
回を重ねる毎に、ライブ感が増している。
相変わらず、どの曲も素敵でハーモニーが綺麗だった。
舞台の端で、細かい芝居をしている東さんが面白い。
この公演は明日で最後。寂しいとともに楽しみだ。

ノッキン オン ヘブンズ ドア

ノッキン オン ヘブンズ ドア

Bobjack Theater

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2016/12/07 (水) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

派手さはありませんが
B班を観劇、派手さはありませんが、基本笑って見れつつ本筋で泣かせるという難しいことを(役者さんの力はもちろんあるが)やれていて観れて良かったです。

ネタバレBOX

若干台詞が聞き取りにくいところがあったのは残念でした。劇中で扱う事件の終末はバッサリ切ってあくまでも本筋の探偵の話を進める脚本は簡単そうで難しいと思う。地味に良作
裏の泪と表の雨

裏の泪と表の雨

BuzzFestTheater

ウッディシアター中目黒(東京都)

2016/12/08 (木) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

表も裏も最高でした!
表のコテに続いて、裏のテコも観劇してまいりました。
前すすむさんの加入により、笑いが倍増!
これぞ笑いあり涙ありの作品になっていました。
大いに笑い、大いに涙させていただきました。
丁寧に作り込まれた脚本と演出。
コウカズヤさんの進化を感じました。
とにかく素晴らしいの一言です!

天使の決断

天使の決断

ザレ×ゴト

劇場MOMO(東京都)

2016/12/16 (金) ~ 2016/12/19 (月)公演終了

満足度

なんだかな
役者陣の見た目は良かったが芝居がひどかった。表情皆無。一人男の人の先生役の人だけ上手かった。
脚本はとんちんかん。何が何だかわからなかったし何を言いたいのかさっぱりだった。学芸会レベルなのでお金を払う必要のない舞台だと感じた。

時代絵巻AsH 其ノ玖 『草乱〜そうらん〜』

時代絵巻AsH 其ノ玖 『草乱〜そうらん〜』

時代絵巻 AsH

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2016/12/14 (水) ~ 2016/12/19 (月)公演終了

満足度★★★★

面白い!...争乱ではなく草乱に共感
徳川幕府三代目(家光)、天下泰平になりつつある時代(1637年)に起きた大事件。その史実をどういう視点で描くか、ということに興味を持っていた。時代絵巻AsH・灰衣堂愛彩 女史は弱き者から観た、そして戦った物語をしっかり現代に映し出していた。

タイトルは「草乱」になっており、これは天”草”、島原の乱と、”草”莽(そうもう)=民間、世間をイメージさせる。

(上演時間1時間50分)

ネタバレBOX

舞台セット、中央は江戸城内または武家屋敷の座敷をイメージさせる。奥に障子、上手側へは廊下、下手側は別場所を思わせる平敷石や立木。冒頭は「灰」の字を菱形に書き込んだ平板を釈台の前に立たせてある。

梗概は、島原藩の過酷な年貢の負担やキリシタンの弾圧が原因で起きた一揆という史実。そこに天草四郎(山本恭平サン)とその幼馴染のような友達(実は真田十勇士のような)との絆を描いた物語。
年貢を納められなかった大矢野村の角蔵の嫁(妊婦)が代官によって殺されたことが直接の原因として、島原と天草の領民たちは次々と蜂起する。彼らの総大将となったのは16歳の少年・天草四郎(設定では豊臣秀頼の子)。

当日パンフに灰衣堂愛彩 女史は「戦いのない平和な時代に満ち溢れた、時代に取り残された者たちの憎しみや恨み、そして哀しみ。為政者からの圧力に抗い、生きることに懸命だった者たち。」という当時の弱き者(農民)や弾圧されたキリシタン教徒という視座で描く。これは史実という世界で描かれているが、一方、人間・四郎(神の子)と友情を育むのが肢体の不自由な者(右腕がない、左足が不自由、右目が見えない)など、鬼っ子のような者を登場させている。こちらはフィクションに近いであろうが、その絡ませ方は巧い。

個人的な好みとしては、知恵伊豆こと、老中松平信綱を総大将として派遣するまでの徹底抗戦、幕府が本腰を入れるまでの過程をもう少し描いてほしかった。あっさり鎮圧されたのではないところに、武士ではなく名もなき民の力を見たのであるから。
また、四郎と子供達の友情を育む時代(幼少の時)が短く、四郎を庇い散っていくという心情が分かるような厚みがほしかった。

演技は好演、もう少し徹底抗戦した場面があれば殺陣シーンも増えたであろう。ラストの戦闘シーン(四郎を逃す)に印象付、余韻を持たせることが出来たと思う。

国家(幕府)は、権力を守ることに専念し、人は歴史の中に消えていく。だから個々人の思いや記憶を大切に残すことが大切になる。時代劇専門に上演している、この劇団(代表・灰衣堂愛彩 女史)は時代を掘り起こし記録することを通じて、目は現代や未来に向けられていると思う。歴史に埋もれるはずの弱き人々の視座から丁寧に掬(救)い上げた芝居は見事であった。

次回公演も楽しみにしております。
【美修羅~misyura~】第四回公演

【美修羅~misyura~】第四回公演

美修羅~misyura~

中野スタジオあくとれ(東京都)

2016/12/08 (木) ~ 2016/12/12 (月)公演終了

満足度★★★

阿修羅ならぬ美修羅...魅せる芝居【暁】
初見の劇団、本公演は旅芸人シリーズのようで、物語は面白く演技(殺陣)も観せてくれる。登場人物(劇中の旅一座の篠、楓、ヤエ、美山、小春)はすべて女性で華がある。ただ、シリーズ物であれば、これまでの物語の粗筋を冒頭で観せてくれると分かり易い。もちろん、公演ごとに独立しているが...。

第一回から前作(第三回公演)までをyoutubeにて公開しているらしいが、事前にそれを観ておいてほしいとなれば、客層が固定してしまうかも...それでは勿体無い。

(上演時間1時間30分)

ネタバレBOX

舞台セットは、中央に少し大きな平台(台座)が置いてあるだけで、ほぼ素舞台。上手側壁に旅一座の看板。下手側壁には篠、楓、ヤエ、美山、小春の錦絵が飾られており、情緒ある雰囲気を漂わせている。

梗概..鳥獣戯画という謎の集団が一座に襲い掛かる。親とも言えるヤタガラスを殺され復讐に燃えるミツバ。本作でも暗躍するホウズキなどが登場する。.訪れた町では人や動物を拐い、赤鉄の串で貫ぬくという恐ろしい事件が続発していた。人々はその所業を「ハヤニエ」と呼び、犯人の呼称は「モズ」と呼んでいた。 モズを探す彼女たちは図らずも鴉の生き残りとの邂逅(かいこう)を果たし...。

女性による殺陣シ-ンが多く、その演技もなかなか迫力があり観せる。中央の台座のような所への上下の動きは躍動感を生みテンポも良かった。また客席通路も利用し、現場(所)の移動を演出させているあたりは巧い。ただ中盤以降、暗転が多くなり少し気になる。
全体を通して印象付(照明・音響などの技術はもちろん、桜舞うラストシーンなど)が上手く余韻を意識していたようだ。

先にも書いたが、シリーズ物だけに前作との繋がりが気になる。例えば、本公演では篠(大庭咲子サン)が けらべぇ(小山俊樹サン)に自分の短刀を渡している。ラストはその短刀が次回作に繋がるような終わり方をしている。その理由なり原因をうまく引き継げるのだろうか。

次回公演を楽しみにしております。
夢にかける保険はありますか

夢にかける保険はありますか

劇団サラリーマンチュウニ

上野ストアハウス(東京都)

2016/12/08 (木) ~ 2016/12/11 (日)公演終了

満足度★★★★

面白い発想の保険
この保険に加入するのは本人の意思ではなく、家族などの近しい人が当人を心配して手続きをするのだろう。劇中にもあったが、夢追いに年齢の制限を設けるのは、「生き甲斐」との関係で疑問が残るが、本人の考え方次第といった描き方のようであった。
何となく劇団(員)の等身大の物語のように思う。
(上演時間1時間40分)

ネタバレBOX

舞台は二分割し、上手側は居酒屋の座敷、下手側はスナックのカウンター・ボトル棚が作られている。物語を分かり易く展開させるセットのようで好感が持てる。

梗概は、劇団ホイップクリームに所属する矢部純二は、両親が加入してくれた保険金で、夢を叶える時間をもらう。ただし、目標を達成出来なければ、強制就職しなければならない。その期限は30歳迄であと1年に迫っていた。一方この保険会社はインターネットでの風評で”夢を諦めさせる”ブラック企業のような書き込みをされ、その悪評の払拭に躍起になっている。企業内での陰謀や利己を絡ませ、企業と個人(劇団員)の再起をかけた戦いが始まる。その戦いこそが、己れ(企業理念と自身の才能)を信じることへ繋がる。
企業の思惑に振り回される保険加入員(ここでは「劇団員」)の甘酸が面白可笑しく描かれている。また終盤には人の心にある嫉妬・羨望を曝け出す、そんな見所も用意している。

本公演、役者は全員サラリー(ウ)マンであるが、しっかり興行を行っている。もちろん演技はしっかり観せてくれるが、2足や3足の草鞋を履いての活動は大変であろうと察せられる。そんなところが本公演の夢追い保険に思いを馳せてしまう。

物語の発想としての保険は面白いが、実際問題としては夢追いに年齢に制限を設けてしまうことに疑問が...。
例えば、将棋界では新進棋士奨励会(通称:奨励会)のようにプロ棋士の養成機関における年齢の制限は規定(例外あり)されている。しかしこの芝居のように夢が30歳までというのは...。反面、いつまでも夢にしがみ付いて、他の道を探せない。その意味で第三者(企業)から見切りを付けられるということも理解出来ない訳ではない。夢と現実は諦めと金銭を天秤にかけている。そんなアイロニーが見える公演であった。

もっとも本公演では、夢の内にある才能が開花したようだが...。
次回公演を楽しみにしております。
聖女

聖女

少女都市

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2016/11/24 (木) ~ 2016/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

とっても盛り沢山の内容に大満足
お初の劇団さんの旗揚げ公演。
「聖女」Cast B 拝見。

学生時代に書き下ろした公演の再演との事。
この作品への思い入れ感じます。

昔の女子高生殺人事件と、場末のスナック。
冴えない容姿のホステス・ユリ、漫画家志望のホストの恋人・リヒト。
そこに作家志望のホステス・ミレイが絡み、必死に生きようとあがく心模様が倒錯。
そして瑛子と夏美が居た女子高生殺人事件がオーバーラップっと、とっても盛り沢山の内容に大満足。

ユリ役の高畠さん始め、皆さんが熱演!
踊りのシーン、リヒト役の坂本さんと目線が合いまくりでした。
重たい内容でしたが、あっと言う間でした。

凝り性のサンタ、苦労する/ちょべりばペット

凝り性のサンタ、苦労する/ちょべりばペット

ピヨピヨレボリューション

インディペンデントシアターOji(東京都)

2016/12/07 (水) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

心温まる
夜の「凝り性のサンタ、苦労する」を観劇。
改めてストーリーが良いなぁと感動した。
今週末で観る事が出来ないのが、早くも残念に思うようになってきた。
残りの4公演を大事に心に刻もうと思う。
歌って踊れるライブStyle演劇、最高です‼

テレビが来るぞ!

テレビが来るぞ!

劇潜サブマリン

千本桜ホール(東京都)

2016/12/15 (木) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★

診療が長引き大幅遅刻
だったので、序の部分を拝見していない。従って評価は破急についてのみ。
何れにせよ、現代日本の為政者の嘘を炙り出すような、そしてそのために被差別者が利用されるようなグロテスクを描いていてグー。(追記後送)

ネタバレBOX

 主人公は、その母が著名な女優、タレントの娘。超のつくほど多忙な母が、そのことをものともせず、手作りの料理で娘を育てることが評判であったが、実はレトルトやチルドをただ温めるだけのことをしていたにすぎず、それでも多忙な中時間を態々割いて娘に「手料理」を作ってやっている、という本音がバレて失脚。マスコミの追求もあって、娘の目の前で自殺を遂げてしまった。
時代絵巻AsH 其ノ玖 『草乱〜そうらん〜』

時代絵巻AsH 其ノ玖 『草乱〜そうらん〜』

時代絵巻 AsH

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2016/12/14 (水) ~ 2016/12/19 (月)公演終了

満足度★★★★

相変わらずの泣かせ節
小さな時代劇専門の劇団だけど、なかなか頑張ってますね。
今年は6月に「臙陣」も観たけど、最後はいつも泣かせ節です。
隣の若い男の子がハンカチ出してました。
黒崎君は今までにないタイプの芝居に挑戦したことになっちゃいましたが、なかなか頑張ってましたよ。
小さいながらも良く出来た舞台美術で、舞台転換、照明、音響とも素晴らしかった。
客演の村長次兵衛役の陸奥鶴太が実にいい味を出していた。
真田大助役の佐久間大器と森宋意軒役の和田宏治も。
まあ、「超」若者の小劇団だから、どうしてもよそから借りてこないと、それ専門にしている時代劇そのものが成り立たないわな。
AsH では双子の大坂牢人の弟役の酒柿征虎君が良かった。

天使の決断

天使の決断

ザレ×ゴト

劇場MOMO(東京都)

2016/12/16 (金) ~ 2016/12/19 (月)公演終了

満足度★★★★

発想の自由さが心地良い
ルックス偏差値高っ!・・・まず目に入ってくる事なので。 
ファンタジーのフィルターを通すことで、ちょっとメルヘンで不思議な社会が、細かい疑問を感じる事なく機能しています。 
劇団代表さんの説明ではギリギリファンタジー作品(こんな世界がギリギリあるんじゃないか?的な作品)だそうです。 
本来は若い人向けなのかもしれませんが、かなりしっかりと作り込まれているので、大人でも充分に楽しめる作品になっていました。 
そして、あらすじ通り 地上へと落ちていく天使の決断に、がっつり心を揺さぶられてしまうのでした。

挽歌

挽歌

トム・プロジェクト

藤沢市湘南台文化センター・市民シアター(神奈川県)

2016/12/13 (火) ~ 2016/12/13 (火)公演終了

満足度★★★★

「挽歌」として詠む、歌。
劇団チョコらしい/トム・プロらしい舞台。前者は古川健氏の誠実な筆致、後者は俳優たちの佇まいから。
東京公演には時間が取れず地方公演へ赴いた。作者が「福島」をどう描いたかをどうにも知りたかった。
原発事故被災地としての「福島」への切り口に、これは意外な、しかし優れた着想だ。

ネタバレBOX

数首の短歌が冒頭に読まれる。高橋長英の低く押さえた声が響くと、「喪失」と「寂寥」の風が吹いて会場をさらってしまう。「状況」がこれらの歌を生み、歌が状況と思いを伝える。・・既にここに「答え」が有るので、芝居の展開に意外性が乏しいのは今作については憾みでもあるが、やむを得ない所だ。劇中の短歌が作者の作なのか、誰かの借用かは分らないが、、31程度の文字が芝居の中で持つ浸透力に、驚いた。

ホームレス支援の現場らしいディテイルが一瞬みられるが、そうした所作に滲む「良心」の人間像が、主役の安田成美を筆頭に、群像として描き出されていた。
芝居を強力に支えているのはホームレス役の高橋氏で、この静かな芝居の「静かさ」に滋味を与えている。

帰還困難区域を抱える、第一原発に近い大熊町出身者が避難先の会津で作るコミュニティの一つが、舞台中央の畳の一間に集う、短歌グループ。
ただ、劇中に紹介されるのはこの(メンバーでない)「ホームレス歌人」の読む歌だけである。冒頭そして半ば、さらに最後と幾首かを紹介される。
最初は上記の短歌グループが新聞(役所の広報誌だったか)を通じて呼びかけた短歌募集にこたえて、役所に送られてきた(切手がないため直接投函した事が推測される)。
最後の歌は、姿を見せなくなった彼が、グループのメンバーと一度だけの交わりとなったその夜を経て、やがてもたらされたらしい心境の変化がにじみ、メンバー一人一人への、一度だけ交わした言葉に対する返歌となっていた。
歌は劇中にナレーション式に流され、心に沁みる。「孤独」を決め込み、事故への罪意識に埋もれていた彼の(死地を求めるかのような)漂白に、「歌」と共に生きた先人の姿も重ね合わさる。戯曲上の憎い計らいだ。
冬を終えて春の到来を予感させる仄明るさがにじむ歌の、文字の向こうに何かを見ようと、メンバーは顔を寄せ合って紙片を眺めている。そして照明はフェードアウト。
ラストの「形」は定番とはいえ、地域内の対立を生む構造を強いられた「福島」の現在を蓋することなく描いたゆえに、取って付けたような「希望」にはならず、「何が希望なのか」を考えるよう観る者に促していた。
語らなければ、忘却を自他に許しているのに等しい・・とすればよくぞ語ってくれたと、挙って評価すべき作品だと言える。

このページのQRコードです。

拡大