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軌道

軌道

劇団カルタ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2024/11/02 (土) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

過去の事実と現在の虚構を交差させ、青年とその家族 周りの人々の思いを描いた物語。説明にある「祖父への憧れを胸に仕事に慣れ始めた」とあり、それが物語の肝であろう。しかし、その重要な場面を観逃したか 台詞を聞き逃したか、過去(祖父)と現在(主人公)の話がうまく繋がらず、別々の物語が同時進行するようだ。

少しネタバレするが、主人公 桝井健吾は大学4年生。バンド活動をし卒業後もそれで暮らしていく予定であったが 仲間の脱退で解散する。就職を前に夢破れ、いつの間にか鉄道会社に勤めている。心機一転を図った理由(祖母が遺した日記)が後付けで、祖父の鉄道事故と現在の自分の状況を重ね また対比しながら紡ぐにしては 繋がり(意志)が弱い。鉄道的に言えば肝心なJOINTシーンが描かれていたのか否か、それゆえ物語への牽引力が弱い。丁寧なのか粗いのか、自分の鑑賞力が無いのかも知れないが…。異なる時間軸の中で、個人と社会(国家や会社)との関係を重層的に捉えており 着眼点は面白い、それだけに惜しい。

演出はロープを駆使し、情景や状況を巧みに表現しており面白い。ロープの使用自体は珍しくないが、照明と音響という技術と相俟って効果的に観せている。また演技は確か、それだけにモノローグで心情表現するのではなく、物語の中で描い(演じ)てほしかった。
(上演時間2時間 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は木材で家屋(屋根・柱)のような骨組み、そこに幾本かの白ロープが付いている。中に木製のベンチが2つ。客席側にブロックが置かれている。家屋のよう、それは家であり駅舎のようでもあり、ロープは切り離せない存在。

物語は現在(健吾)と過去(茂)を交差させ描いているが、終盤になって茂と一緒に汽車に乗車していた同僚(後輩)の菅原淳之介と会うまでは別々の物語が展開している。演出として交差した描きになっているが、ほとんど健吾と茂の意志の重なりは感じられない。過去の鉄道事故は事実であり、遺族の悲しみは癒えない。それゆえ茂の事故への対処は故意か過失かといった疑問を呈したまま。その曖昧さを詮索することなく、真実は亡くなった茂が墓まで持って逝った、という描き方にしている。

茂の事故の概要は、小説「塩尻峠」(三浦綾子)などが有名で、その話を擬えているよう。ただ時代設定を明治から昭和、それも戦後間もなくにしているところが妙。無茶な運行計画であるが国策のため、国鉄は拒否出来ない。生れたばかりの娘もおり、妻 悦子は茂の乗務には反対。当時は経済効率を図るため汽車(石炭)から電車(電化)へ、その過渡期であった。電車では対処出来ない運行を汽車で、その矜持が茂の気持を突き動かす。燃料である石炭についても、炭鉱事故で多くの人が亡くなり、当人だけではなく家族も路頭に迷う。自分の死は家族を犠牲にする、充分認識していたが…。

一方、健吾は西方電鉄の車掌として勤務。同僚の藤田雄哉が運転する電車に乗務していたが、ホームから女性が転落し轢いてしまった。その時、警笛を鳴らしたか否かが問題となり、マスコミから執拗に取材受ける。会社としては責任回避のため、警笛は鳴らしたと主張。当初、健吾は会社の言う通りの対応をしていたが…。鉄道事故といっても茂と健吾とでは、全く状況が異なり夫々の話は交差して描いているが、別もの。

演出では、茂が事故死する際、ロープが蜘蛛の巣のように絡む。その身動きが取れなくなった状態に赤い照明を照らす。またミラーボールの輝きを利用して、桜が舞い落ちる情景を後景に映す。生きているから見える光景、それを戦死した人々の無念、それを乗り越えて美しい景色を見る。祖父と孫の時代を隔てた<共通の思い>は、鉄道光景によって辛うじて繋がる。また 西方電鉄職員は斜縞のネクタイで統一し身なりを整えるなど、全体的に演出は丁寧だ。それだけに脚本(物語)の肝が暈けたのが惜しい。
次回公演も楽しみにしております。
怒りは理由。悲しみはYES!!

怒りは理由。悲しみはYES!!

劇想からまわりえっちゃん

Studio twl(東京都)

2024/11/01 (金) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/04 (月) 12:00

多くの笑いに紛れさせた心に残るほろニガ熱いストーリーでした。
桑田さんの演技が面白かった。

前説の青沼さんと、その後展開される演劇の脚本テーマの
ギャップが凄く、多才な方だなあといつも感じる。

峠の我が家

峠の我が家

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2024/10/25 (金) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「語られることが隠しているもの」

 なにかを抱えた7人が交わすささいなやりとりから、男女の相克や夢と現実のあわいといった普遍的なテーマが浮かび上がる秀作である。

ネタバレBOX


 行路の途中峠にあるひなびた一軒家に宿を求めやってきたのは、安藤修二(仲野太賀)と兄嫁の静子(池津祥子)である。夏季のみ旅館営業をしているため季節外れのいまはこの二人以外に客はいない。部屋の奥で家の住人や近隣の住民と談笑していた修二だったが、小用で席を立った様子はどことなく憔悴している。修二は峠を越えたところにいる兄に軍服を持っていく途中らしく、そのことで人びとからかけられた言葉に動揺したらしい。彫刻家で道場を主宰している中田代表(豊原功補)は非礼を詫びるが、珍しい訪問者に興味は尽きないようだ。中田の部下の富永次郎(新名基浩)は兵役検査に落ちたコンプレックスからか、修二の持つ軍服に執心している様子である。
 
 応接スペースで交わされる会話のなかから、少しずつ登場人物たちの背景が立ち上がってくる。この家に暮らす佐伯斗紀(二階堂ふみ)は、失踪した姉の悠子に焦がれていた正継(柄本時生)と結婚しており、悠子が飼っていたスジバという名の亀を飼っている。斗紀は甲斐甲斐しく正継を世話し、修二や中田たちにもにこやかに接するが、時折寂しそうな顔をしている。部屋の奥にいる正継の父・稔(岩松了)は中田や富永がこの家に入り浸ることを許したがために、彼らが増長する様子を斗紀や正継は忌々しく感じているようである。行き詰まった感のある斗紀は作り話を聞かせては妄想の世界に入り浸っている。玄関に飾られた熊退治の銃や時折聞こえる銃声、ヘビがスジバを狙って侵入したところを稔が杖で叩いたときにできた床の傷など、この家に刻まれた不穏さが頭をもたげはじめるなか、次第に惹かれ合う斗紀と修二だったが……

 チェーホフの『かもめ』を下敷きにしたであろう本作は、雄弁でときに理性的な登場人物たちの会話の向こう側で決して語られないことを観客に想像させる仕掛けが随所に施されている。スマートフォンはおろか電話やテレビも出てこない時代設定はいつなのか、どのような戦争が起きたのかといった、そもそもの前提を自問した観客は少なくなかっただろう。それに、いつもは屈託のない正継が時折ボールペンで亀のスジバ(ロシア語で「運命」や「宿命」を意味するとあとで知った)をつっついたり、水質検査という名目で熊よけの銃を持参して出かける様子であるとか、大量の薬品を使って抑えようとしている病もちの静子が負っていることなど、それぞれの登場人物の背景に私は幾度となく思いを馳せた。

 俳優は皆健闘しており、特にクセの強い富永を演じた新名基浩が、静子の持つ軍用水筒を取り上げ、返してほしければ軍服を着せろと、無理やりな論理で迫るところが秀逸であった。斗紀を演じた二階堂ふみによるヘビの逸話も、季節の移り変わりを入れ込んだ秀逸なセリフがやや誇張された台詞回しに合って、さながらテネシー・ウィリアムズ作品に出てくる女性のように美しくも妖しい魅力を醸し出していた。数回ある暗転前に挟まれるピアノの旋律が心地よく、人物の心情に寄り添うように微妙に変化する照明も作品に多大な貢献をしていた。詩的なセリフは奔放なイメージの飛躍を起こしていて、私を含め満場の客席にどれだけ伝わったか、作り手の意図をどれだけ汲み取れたのかは不安が残るが、味読の歓びに満ちた良作であった。
道雪

道雪

THE☆JACABAL′S

シアターX(東京都)

2024/10/30 (水) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

関谷真由さん出演。
「死んだ筈の立花道雪」と、大友家を中心とした九州の戦乱の物語。チラシ(フライヤー)でそれだけ把握して会場に。いわゆる当日パンフレットに関係図がありました。
あとから言えることですが、「よしひろ」は姓だということだけは把握しておきたかった。名前っぽいので大友氏の身内かと思ってしまいましたが、家臣なのです。

2部構成で、10分の休憩をはさんで2時間50分。会場についてからその時間配分を知ったので、ちょっと驚きました。長いかなあ、と。でもいらぬ心配でしたね。目が離せなかったです。

シアターχ(カイ)は座席の勾配が緩やかです。通路は緩やかな坂で、段差がありません。だからこそできるのですが、その通路を「デンレーーー!!!」と、すごい勢いで伝令が走ります。階段だったら無理ですね。
伝令以外でも、2つの通路を存分に活用します。私はほぼ最後尾の席だったので、そのすべてを見ることができてラッキーでした。

関谷さんの「誾千代」(ぎんちよ)。自分は知らなかったのですが、極めて希な女性城主で、ゲームなどでは女武将として表現されたり、とても人気が高いようです。
5年前の「YOSHITSUNE」で徳子(安徳天皇の母)を演じられたとき、戦国もの・歴史ものでもいける!と思いました。そして今回、みごとにハマっていたと思います。
関谷さんの特徴のあるお声。私は聞きなれているのでさておき、初耳の方はどのように感じたか、興味があります。

野村龍一さんは朝劇の主宰をされている方。関谷さんはロングラン公演「恋の遠心力」のレギュラーだったので、共演回数はかなりの数になります。
田原親賢の役、私のイメージする野村さんそのものでした。憎たらしく、かっこいいのですが、結局は三枚目になるところ。2014年の天才劇団バカバッカさん舞台「POLYNPIC TOKYO!」で都知事に「5千万!」と叫んでいる野村さんを思い出しました。

由布惟信役の森谷勇太さんも朝劇のレギュラーで。関谷さんはSNSで、3人で「朝劇チーム」と呼んでましたね。ここまで激しい演技を拝見するのは初めてでしたが、強いお声と風ぼうが、戦乱ものにピッタリだと思いました。

田畑潤弥さんは2018年「BURRRN!!! 〜無稽・本能寺〜」で拝見していました。感想はネタバレBOXにて。

ネタバレBOX

冒頭、観劇者の目に飛び込んでくるのは、足軽たちの尻です。強調されているわけではないですが、間違いなく目に飛び込んできます。これから戦というところで、貧弱な武器とふんどし姿。この舞台の本気度、足軽の現実についてある意味での「リアリティ」を感じることができます。

十人ほどの足軽。きっと辛いことが起こるだろう、みんな死ぬだろうと想像します。実際、第1部で道雪以外全員死にました。家族含めて。
そのクライマックスで、臼杵が道雪(権兵衛)の妻と2人の子を殺すところ。鬼気迫るというのでしょうか。とてもとても大事なシーン。臼杵の二反田雅澄さん、母の長谷川かずきさん、子のいち君じろう君。お見事でした。

第2部で、誾千代に婿入りして道雪の後継ぎになる立花宗茂が初登場。最初頼りない感じだったのが、道雪の秘密を知って怒り、その後道雪に感銘を受け、最後に道雪の亡骸を守るべく突進していく姿。田畑潤弥さん、すごくかっこよかったです。

突進できる通路、それを存分に使った演出。とても良かったです。
うすらひの下に、いる

うすらひの下に、いる

ここ風

「劇」小劇場(東京都)

2024/10/30 (水) ~ 2024/11/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

演劇サークルの同窓会。
非常に重い話なのに、ユーモアにあふれているのに、涙も誘う。
どんな仲間と学生時代を過ごしたか、非常に考えさせられる作品でした。
また観たいです。

シみる~昭和歌謡短編集 其の四~

シみる~昭和歌謡短編集 其の四~

はぶ談戯

小劇場B1(東京都)

2024/10/23 (水) ~ 2024/10/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/10/25 (金) 14:00

3編の短編が最後に結び付くという事前情報を得てから観たがわずかな接点しか見いだせず、エピローグ……というかそれまでの人物が揃う4編目で大いに納得。この巧みな構成に往年の深夜ドラマ「HeartにS(1995年)」を思い出した。
また、劇中音楽(歌&インストゥルメンタル)も元ネタがワカり易くそれを知っていると「似ているが異なる」加減が絶妙で頬が緩む。
いかにもはぶ談戯らしい作品に満足満足♪

おかえり未来の子

おかえり未来の子

D地区

インディペンデントシアターOji(東京都)

2024/11/02 (土) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

D地区『おかえり未来の子』
高校演劇部出身の皆さんの劇団(大阪府下の高校演劇同地区メンバーが社会人になり再集合)とのことで、なので「D地区」なのだそうだ。
大阪の高校演劇(現在大阪は I地区までの 9地区ある様です)で、D地区は枚方辺りの学校の大会の区割りで、今年だと地区大会に長尾/寝屋川/関西創価/枚方なぎさ/交野/東海大学大阪仰星/北かわち皐が丘が出演。高校演劇ウォッチャーとしては嬉しい劇団ということで、初めてなのに推し劇団(笑)!始まる前と終わってから劇団の方にあれこれ伺えました。
と言うことで、拝見して来ました。ほぼ素舞台、対面式の客席、これは演者にはかなりハードルが高い。当然と言うか、関西弁で始まる。自分が関西出身なのでしっくり来る。
「宗教二世の家族を描いた作品です」と言うことで、展開からあの宗教だなと判る。一般常識として知っていることに、演技が進み宗教の内情が粛々と重ねられる。そう言えば周りにもぽつぽつと、今となってはだけど二世が居たなと思い出す。後で伺ったけどあの曲はそう言うことなんだ。一般常識として知っていたことのイメージが変わった。
王子でここまでしっかりした会話劇を観たことはなかった。
推し劇団として確定。いくつかの言葉の選択や、テンポの配置、繋ぎ方に?って思うところもあったけど、これから大いに期待出来る劇団だと思う。

枯れる実家、遅咲きの恋/ハローグッバイ・オン・ザ・レディオ

枯れる実家、遅咲きの恋/ハローグッバイ・オン・ザ・レディオ

はらぺこペンギン!

新宿眼科画廊(東京都)

2024/11/01 (金) ~ 2024/11/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『ハローグッバイ・オン・ザ・レディオ』を観劇。

フツーに「イイ話」なんだと思う。
朝日新聞の「ひととき」みたいに、身近にありそうな話し。
でも「ひととき」みたいな「ほっこり感」はない。

母親はヤク中で、娘はAV女優、親父は娘の親友と逃亡…みたいな、小劇場によくあるブッ飛びシチュエーションじゃないのが、すんごい良かった。
身近にあることをどれだけ掘り下げられるか、広げられるかってのが観客にジワジワと効いてくるんだと思う。
ちなみに朝日新聞の「ひととき」は、橋田壽賀子がスクラップしてたそうです。

村田康二…
やっぱイイ俳優だわ〜。
俳優っぽくない所と誠実さが滲み出ていて、観客を抵抗感なく劇世界へ引き込む。
どのオカズとも合う「ご飯」みたいな俳優だねー。
ファンとしては「ガッツリ村田康二」みたいなもっともっと出番の多い芝居が観たい!

コスモス洋子は、あんだけインパクトあるのに出番が少ないのは勿体ないよ。
コスモスにも「ジョージ相原」語らせなきゃ!
あと10年経っても同じ服着てるのは、さすがに無理があるだろwww

重ねる秋物語

重ねる秋物語

男澤企画

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2024/10/24 (木) ~ 2024/10/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

森田涼花さん出演。初日のC班を観劇。

ステージカフェ下北沢亭。つくりが劇場ではないこともあって客席とステージがとても近いです。なので、とても近くで観劇することができました。客席の椅子は18個用意されていたかな。開始時点で客は9人、途中で2人入って11人でした。

森田さんは去年の「マッチングアプリ:アップルボム」が12年ぶりの朗読劇だったと思います。今は声優さんですものね、どんどん出演されることを期待しています。もちろん舞台も。

今回の朗読劇。森田さんはクライマックスで本当に涙を流されました。2011年と2012年の舞台「女の子ものがたり」で、涙を流した姿を思い出しました。今思えばですが、私が本格的に舞台好きになるきっかけのひとつでしたね。

台本を読むと分かるのですが、はっきりと3章に分かれています。しかしそれは配られたフライヤー(チラシ)には書いてない情報です。

SNSの情報をよく読むと「三つの物語」という情報はあったようですが、気づいておりませんでした。というわけで、物語が3つに分かれているということを知らずに臨みました。私以外も、そういう人多かったのではないでしょうか。

ネタバレBOX

以下が3つの話のタイトルです。便宜的に3つの「章」と呼ばせてもらいます。

・カクテル
・血流
・アシタアタシはジカンがトまるコトをシっていて

森田さんは主人公のコトハ。
以下は、観劇中の私の理解の流れです。

冒頭。主人公、友人N、友人Fの3人が親友。うちひとりと思われる夏海の結婚式が始まる。主人公が語りを進める。「主人公も結婚式に出ているのだろう」と思う。話が進む。夏海が化粧室にいるシーンを主人公が語っている。「そこにいないのに様子を語っている、つまり主人公は結婚式に参加している人物ではない」と想像する。
夏海中心の物語が終わったようす。主人公ひとりだけになってモノローグ。病室にいることが示唆される。それにより「主人公は結婚式より前に死んだ」と想像する。「主人公が夢に見たことかな?」と。
その次。どうやら友人Fである冬香が中心の話が始まったようす。学生時代なので、過去の話ということ。主人公のコトハは会話に参加しているので、そこに存在していることは明白。話が進み、コトハは冬香に、まるで全てを知っているようなアドバイスをする。「この時のコトハとしては不自然だ。つまりアドバイスしたのはこの時のコトハとは違う?」と、漠然と考える。
冬香中心の物語が終わったようす。コトハの語りで、コトハ中心の物語が始まったことが分かる。ここではじめて、全体が章立て風になっていたことが分かる。夏海が1章、冬香が2章、コトハが3章だろう、と。
物語の流れで、これが終章だろうと想像する。朗読内容が複数の時間を行き来しているが、こちらの理解は追いつかない。どうやら病で倒れて病院に運ばれたところと、危篤状態のところがあるらしい。葬式のシーン、子供のころのシーン、それらを経て、1章の冒頭すなわち危篤になる少し前と思われるところで終わる。

あとから台本を確認すると、終盤は「病で倒れた」進んで「死の直前の危篤状態」戻って「病で倒れて運ばれた病室」進んで「危篤状態」戻って「運ばれた病室」というように朗読内容が行き来したようです。どっちも病室なこともあり、これは難しかったですね。

さてストーリーですが。大満足です。台本何度も読んでます。3つそれぞれ、題材としてはよくある話です。それをいかにからめて、観劇者の心を引き込むか。朗読劇の醍醐味ですね。

冬香の中島佑香さん、すごく心がこもっていたことが伝わりました。鼻の下が光ってました。
男性陣の中では、秋平役の高岩泰声さんの声がいちばん印象的でした。SNSを探したら25歳と。お若いのですね。
Nel nome del PADRE パードレ

Nel nome del PADRE パードレ

サカバンバスピス

APOCシアター(東京都)

2024/10/17 (木) ~ 2024/10/27 (日)公演終了

実演鑑賞

どこまで事実?どこから創作?
興味あります。

ネタバレBOX

ケネディ家の1人がロボトミー手術を受けたのは事実らしい。わずか50年くらい前までこんな手術が行われていたといのは恐ろしい。
科学万能主義(者)怖い。
人形を使ってこのシーンを表現して見せた手法は迫力と緊張感に満ちていました。

#ヘスティア

#ヘスティア

ゴセキカク

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2024/10/31 (木) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

良かったですよ。

ネタバレBOX

毒親に傷つけられた子供の話ですね。

ヘスティアはギリシャ神話の女神らしいけど、かなりマイナーですよね。
どんな女神か知っていたら、理解が深まったのかなあ。
Be colorful

Be colorful

@emotion

上野ストアハウス(東京都)

2024/11/02 (土) ~ 2024/11/11 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったというと語弊があるがみていると色々な感情の大波小波が発生する良作でした。
笠原は特に初めの方ちょっと「名倉周」感が強い感じがしたのはちょっと残念ポイント

ネタバレBOX

任侠ものな側面があったら主要登場人物が親の借金を返すために自殺したりと教育上良く無い方面の表現が多いが芝居は大人が見るものなので全然良い
邪行提燈

邪行提燈

チリアクターズ

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2024/10/31 (木) ~ 2024/11/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/10/31 (木) 19:00

価格2,500円

ハロウィンの夜に観劇。よくできておりかなり、面白い。ファンタジー要素の塩梅が良い。
全体的にバランス良く各々の台詞がうまく出ている

ネタバレBOX

前作「マゼンタ」と打って変わって良くなっていた
軌道

軌道

劇団カルタ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2024/11/02 (土) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

祖父の鉄道事故と孫の鉄道事故。誠実さ故の家族の苦悩と会社の面目。美談に着地するんじゃなくて、最後まで割り切れなさを描いて欲しいテーマだったなぁ。あと、多用されるモノローグで状況や心情を説明されるのは苦手。

夕

タクフェス

サンシャイン劇場(東京都)

2024/11/01 (金) ~ 2024/11/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

知人に誘われて拝見。昭和の終わりから、15年ほどに渡って描かれる、切ない思いとすれ違いの物語。登場人物にここまで全部言わせなくてもと思うような、サービス過剰に感じるシーンもあるが、本作の場合はそのベタさが何だか気持ち良かった。

軌道

軌道

劇団カルタ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2024/11/02 (土) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

重みのあるストーリー、役者さん達の熱演、斬新な演出、とても良かったです。
一生懸命に考え、丁寧に作られた舞台に感動でした!
家族への思い、仕事に対する思い、大事な物は何か?色々考えさせられました。
とても良い舞台でした。

軌道

軌道

劇団カルタ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2024/11/02 (土) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

劇団初見。力がこもっているけど、丁寧な作りで、グッときましたね。簡素なセットの中でロープ使った演出が印象的でした。

軌道

軌道

劇団カルタ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2024/11/02 (土) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 鉄道に夢中になる友人は子供の頃周りにかなり居た。然し自分には余り興味が持てず縁遠いままであった。唯一鉄道関係で縁があったのはHIゲージ上を走る鉄道模型(山林列車の牽引車と貨物車)であり、小学校時代から始めていた縦走の為に長野方面へ向かう鉄道であった。それだけに今作に描かれた運行する側の人々の労働の苛酷、苛烈は、ショックを受けるに充分過ぎる程のインパクトがあり、鉄道に夢中になっていた子供の頃の友人たちも或いはこのような苦労を既に話に聴いて居た為かも知れないと思い返していた。(追記後送)

INTERCHANGE-或る文筆家の真影-

INTERCHANGE-或る文筆家の真影-

エビスSTARバープロデュース

エビスSTARバー(東京都)

2024/10/31 (木) ~ 2024/11/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/03 (日) 12:00

早い場面転換でかつ狭いながらも多様な舞台の使い方をしていて飽きが来なかった。やや史実を知っている方がより面白いかもとは思ったが芝居する役者さん自体をみるだけでもかなり歯応えがあり楽しめると思う

ネタバレBOX

戦争の記憶に押し潰されないようにおな自部隊の兵士同士で記憶を交換することは意味が無いのでは?とピンと来なかった
キヲクを交換しても自身は変わりなかったと割とサラリト終わっていたが記憶=経験の蓄積なので割合はとにかく人格形成の一部にはなっていると思うのでしっくり来なかった
#ヘスティア

#ヘスティア

ゴセキカク

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2024/10/31 (木) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 タイトルのヘスティアは、今作に登場するVチューバーの名前である。(追記後送)

ネタバレBOX

 物語は現代日本で暮らす日本人という可成り特殊な生き方に固定されたまま相変わらず受け身で生きて行く術しか持たぬ多くの人々が抱える日常を、正(まさ)しく現代日本の哀しいカリカチュアとして生々しく描いた作品と観た。

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