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見上げんな!

見上げんな!

万能グローブ ガラパゴスダイナモス

福岡市民ホール 中ホール(福岡県)

2025/04/04 (金) ~ 2025/04/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すごいよ!すごいよ!!
ふたつの同じようで違うメロディラインが交互に、かつ同時に奏でられ、
そこにはセリフという「音楽」が生まれた。
その様子を客席でワクワクしながら見続けていたわたしがいた。

ネタバレBOX

・・・やっぱり万能グローブガラパゴスの「オリジナル」は
ただかおりだった、という発見。
サディスティックミカバンドのオリジナルがミカさんであるように。
そこに「何かを見失った」大人たちが「何かを取り戻す」企みを面白く、
より面白く見せている。
煙に巻かれて百舌鳥の早贄

煙に巻かれて百舌鳥の早贄

劇団肋骨蜜柑同好会

中野スタジオあくとれ(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2025/03/27 (木) 15:00

1990年代初頭、地上げに抵抗して営業を続ける焼き鳥屋を舞台にしたあれこれと人間模様。
発想の元が何だったかは知る由もないが、焼き鳥の「串を打つ」から「百舌鳥の早贄」への連想はともかくそこから「串刺し公」ヴラド3世まで発想して人物名などに引用することに舌を巻く。
そして耐えに耐えた主人公が最後に「爆発」するさまに往年の東映仁侠映画を想起。
さらに最終場の真理愛の黒ずくめの衣装と帽子に「女囚さそり」を連想。あれ?そっちもリスペクト?(深読みあるいは誤読気味)
あと、焼き鳥屋を再現した舞台美術もリアルで見事。

ネタバレBOX

人物名などの元ネタ考察
浦戸竜児:ヴラド2世(通称:ドラクル=竜公)の息子
わらき屋:ワラキア公国
舟渡屋弥之助:フニャディ・ヤーノシュ
駿田史人:スルタン・メフメト

あと、投身自殺した人物が「串刺し」状態とか焼き鳥の「お任せ5本盛り」が指5本とかエグい。(笑)
なんかの味

なんかの味

ムシラセ

OFF・OFFシアター(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/09 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高

ネタバレBOX

ムシラセさんはここ数年、毎回見に行ってる。
比較的大人数の登場人物が出る印象だか、今回は4人だけの登場人物にスコープを絞ったことで、より登場人物に奥行きが感じられた。
なんかの味

なんかの味

ムシラセ

OFF・OFFシアター(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/09 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

親父(私)と娘(22)で観ました。
今の時代にマッチしていて、大切な人情と愛情に感動しました。

或る、かぎり

或る、かぎり

HIGHcolors

駅前劇場(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/04/05 (土) 13:00

座席1階

人気劇団だけあって、開場前から長い行列が階段へと伸びていた。ひきこもりの30代長男を抱えた家族の物語。重いテーマに真正面から取り組み、ひきこもりの実像もリアリティーにあふれていた。

舞台セットは、向かって左奥にベッド、その手前が台所とリビング、右手が会社のオフィスと設置され、うまく照明を使いこなすことで切れ間なく舞台転換する。最初に登場するのは病床の母だ。見舞いに来ているのは父だとしばらくして分かる。どうやら重病のようだ。ひきこもりの長男に姿を見せに来てもらえないかと、母は父に嘆願する。だが、長男を連れ出すのは容易ではない。

父は小さな会社を経営しており、次男、三男という家族らと共に、会社の番頭、女性社員もリビングに訪れ、母の病状を心配する。家族だけでない他者を重要な役割として配置したことが、物語を進める上でとても重要になっている。
演出の妙もあり、とにかく息をつかせぬ展開だ。長男の状況は、父が「レンタル彼女」を雇ってもなかなか変わらない。このレンタル彼女を演じた俳優さんはお見事だ。視線をまっすぐに長男を見つめ、「彼女ですから。私があなたを好きなんです」と真正面から対峙する。また、ひきこもりの長男を演じた俳優さんもすばらしかった。心の揺れ、自分自身への怒り、息苦しさ、他者へのねたみ、そして家族への思い。せりふがない場面でもこれらの胸の内を十分に表現して余りある見事さだった。

物語は少しずつ前に進んでいく。せりふなど一つ一つが丁寧に描かれ、後段では思いもかけぬ展開が待っている。
主宰の深井邦彦は「弱い立場の人によりそう」という姿勢でこれまでの舞台を作り込んできたという。劇作家の視線がよく感じられる、見事な舞台だった。満席になっている回もあるかもしれないが、ぜひこの物語を体感してほしい。

なんかの味

なんかの味

ムシラセ

OFF・OFFシアター(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/09 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

観てきました☆ 中野さんのキャラはなかなか衝撃でした☆ 有馬さんと松永さんはさすがによかったです☆ できたらバンド演奏を披露してほしかったな☆

或る、かぎり

或る、かぎり

HIGHcolors

駅前劇場(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

笑う場面ではないのに笑わせるって凄いなぁ〜って、帰りの階段降りながら思いました。
「或る、かぎり」夜布団に入って、やっと理解しました!スッキリした〜。眠れぬ夜にならず良かったです。素晴らしいお芝居でした!

或る、かぎり

或る、かぎり

HIGHcolors

駅前劇場(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いい芝居を観た後の多幸感は何物にも代えがたい。帰路の足取りも軽くなる。そんな作品に出会えた。

ネタバレBOX

何といっても一つ一つの「言葉」が生きている。登場人物の人格やそれぞれの関係性、距離感が台詞によって鮮明に浮かび上がる。眼前で実際の家庭を覗き見ているような感覚に近いかもしれない。

それに加え、言葉に命を吹き込む役者陣の力量(熱量も)が半端ない。特に父親と引きこもりの息子が真正面に向き合うラストシーン。有薗さんの演技に圧倒される。寡黙で不器用な父親が、母親の死を納得させるために息子に見せたあの姿。感動を通り越す何か、祈りのようなものを感じた。そして喧騒の後の静寂。父親が息子にコーヒーを淹れる間の沈黙の時間。ああ、なんと美しい「間」だろう。そう感じずにはいられなかった。

台詞の巧みさも印象的だった。一家宅に同居する従姉妹、レンタル彼女、弟の嫁がそれぞれ引きこもりの兄に放った台詞が凛としていてグッとくる。

舞台装置の配置も見事だったし、暗転時に流れるクラシックの名曲も沁みる。あらゆる点で私好みの素敵な舞台だった。

それともう一つ、母親の死後、生前の母と三兄弟の食卓での和やかな光景(長男は透明人間だったけど)がさりげなく挟み込まれていたのが印象的だった。このシーンがないと母と息子たちの関係がどんなだったか、観客は直接目にすることがなかっただろう。(入院先には夫と元従業員の女性の訪問の場面しかない。)家族の物語なのだから母と子の関係は重要である。それを落とさず描いていたのには感心した。

喫茶あの日

喫茶あの日

劇団カオス

大阪公立大学杉本キャンパス旧教養地区第1学生ホール(北食堂)2階オアシス(大阪府)

2025/04/04 (金) ~ 2025/04/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初日拝見
親子愛の3プロット作品
最後に3つのプロットが交わりスッキリの作品
先がよめた作品で、もう少し捻って欲しいなーとの思いもあったが楽しめました!

なんかの味

なんかの味

ムシラセ

OFF・OFFシアター(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/09 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

4/4観劇

蒙古が襲来

蒙古が襲来

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2025/02/09 (日) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 良質なシチュエーション・コメディ。梶原善と宮地雅子カメの夫婦が住む苫屋に、遠くに行っていた兄トラジ・相島一之がひょっこり帰って来る。が、兄は家には遠慮してはいらない。兄の幼馴染の小林隆は村の仕切り屋で、「これから鎌倉の偉い人が来て話をする」と、庭に集会の準備をする。うさんくさい占い師のおばば・吉田羊がうろうろ。

 そこへ村長の西村まさ彦。さらにカメの元恋人の甲本雅裕が20年ぶり?に帰ってきて、小林隆は「カメには言わないように」と自分で言っておいて、あっさりカメに教える。つまり、最初っから三角関係のトラブルを起こしたいのである。この三角関係、梶原と甲本のいじましい再会が見どころ。

鎌倉の武士・小原雅人は「浜に外国人の死体があったはず、誰が隠した」と詮議する。それは蒙古が襲ってくる前触れだと。死体があったのかなかったのか、誰が知っているのかで、またひともめ。(ここらへんは2か月後に記憶で書いているので怪しい)

傀儡氏の二人組阿南健治と西田薫がやってきて、怪しげな見世物をし、小屋の中からは大宰府から来た貴族の客人の声(亡くなった伊藤俊人)「本当にすいませんでした」しか言わず、「ほかのことが言えないのか」と突っ込まれても「本当にすいませんでした」と。笑える。

ネタバレBOX

外国「ムクリ」の言葉というのは、実は「土佐弁」。朝鮮に流されたのではなく、土佐に流されただけとは笑えた。また、旅芸人も、大宰府からの偉い人も、実は島の防衛に駆り出された囚人たち。船が難破して漂着したのをいいことに、脱走を図っていた。

「いくさの火種を作っておいて、自分勝手に使いのものを追い返しておいて(それでいくさのそなえをしろ、ぎせいになってもしかたがないは)あまりに無責任ではないですか」
人はいつ死ぬかわからない、戦はいつ起きるか「いつかとはいまなのでございます」
みんな死んでしまった後に、吉田羊だけが残されて呟く「いくさとは、成し遂げたかもしれない可能性を絶ってしまうこと」。こうしたセリフに三谷幸喜の良識が見えた。敵の攻撃に備えて準備が大事、という軍拡擁護論に陥らないでよかった。
桜の園

桜の園

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2024/12/08 (日) ~ 2024/12/27 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

荒川良々のロパーヒンが今までのロパーヒンとは雰囲気が違う。やり手ぶりが一切なくて、何かぼーっとした人のいいおじさん。池谷のぶえの女中ドゥニャーシャが、いつもクルクル踊っているお花畑的な感じで目立った。お高く気取った(と言ってもあまり露骨でなく、基本は不愛想)鈴木浩介のヤーシャもいい感じだった。

一方、天海祐希のラネーフスカヤ夫人はなぜか影が薄い。ただ、競売の日のパーティーで万年学生のトロフィーモフ(井上芳雄)とやり合うシークエンスは非常に印象的だった。トロフィーモフも1年前にみた成河の非現実的な理想家ぶりとは違った印象で、不器用だが人の好さを感じた。

わたしの紅皿

わたしの紅皿

劇団銅鑼

銅鑼アトリエ(東京都)

2025/03/19 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

一人の女性の手記に基づく芝居と思っていたら、複数の人たちの投稿に基づくものだった。予想と作りが違っていたので少しとまどったが、それはそれでいい芝居だった。

「戦後に結婚して5年、今も夫が戦場の悪夢でうなされている」という投稿から始まる。これを書いた女性が主人公的な存在になり、夫との生活、実家の様子、夫の枕元に立つ戦友の夢などを辿っていく。後半になると、ほかの投稿がいくつも映写・朗読されて、戦後しばらくの生活をいろんな例から振り返る。主人公の実家の家族会議では朝鮮戦争・再軍備を支持する若者と、嫌悪する母親がぶつかりあう。

ネタバレBOX

一番感動したのは、若い20歳の青年の投稿。「太陽族」が話題になり、自分も毎日を仲間と気ままに遊んでいるが、墓参りに行った時に、周りの墓は自分と同じか近い年齢の人たちばかりだと気づいて、戦慄する。戦死した若者たちである。そのことを知って、自分の生活はこれでいいのかという思いにうそでなく、実感がこもっていた。

残念だったのは、復員した夫が、戦場帰りの昭和の男に見えないこと。どこがどう違うのか言えないが、すさんだうらぶれ感がしないと言おうか、現代の草食系男子に見えてしまうのである。

最後は、俳優が役を演じるのではなく、素の自分として、戦争を語り合う。悪くない演出だが、とってつけた感もある。「戦争を知らない」どころか「戦争は遠い彼方」の私たちを、もっと俎上に載せて「きれいごとでは済まない」とつっこんでほしかった。
月曜日の教師たち

月曜日の教師たち

Cucumber

ザ・スズナリ(東京都)

2025/04/03 (木) ~ 2025/04/15 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

このメンバーが書くものなら面白いだろうと思ったが、予想通りに面白かった。
ヨーコ先生(桑原裕子)の男好きの媚態、アイザワ(千葉雅子)の超マイペースの思考おしつけ、英語教師の高見沢の情けなさから犬にかまれ毒に当たる運の悪さ(逆にヨーコの悪運)等々。何度も爆笑させられた。美術教師ガウディ(岩松了)のひょうひょうとしたずるさもおかしい。ガウディに「えせ宮崎駿!」と悪口を浴びせるのも笑った。確かに似ている!

ネタバレBOX

ドタバタコメディで笑えるのだが、深みがない。人生の悲哀や社会的背景、人間の無力さなどがでてこない。それがあればチェーホフや井上ひさしになるのだが。
或る、かぎり

或る、かぎり

HIGHcolors

駅前劇場(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

なかなか重たい話、そして壮絶な演技だった
引きこもりの長男、余命幾ばくかの母、無力感を漂わせながら見守る父
小劇場演劇を観ていない若い友人をを連れて行ったので、臨場感を味わってもらおうと最前列に座ったため、演者の表情も良く見え、迫力があった
セットはダイニングキッチンのセットなどがでんと置かれているのだが、全てのリアリティが追及されている
それぞれの場所のライティングの切り替えによる舞台転換も小気味よい
音楽も要所要所で使われるクラシックが効果的
キャスト皆好演、表情が素晴らしく、役作りがしっかりしている
気持ちの昂り、表に出せないもどかしさなど良く表現されていた

ネタバレBOX

下手にダイニングキッチンのセット、奥にベッド(お母さんの病院&引きこもり長男の部屋)、中央にリビングのソファ、上手に事務所のデスクと応接というセット(1階がお父さんが社長の会社の事務所になっている家らしい)
まあ現物そのものがでんと置かれているのだが、驚くべきはキッチンがすべて機能していること
舞台上では稀な、水道の蛇口をひねると水が出てくる‼️
冷蔵庫も動いているようだ
ずっと無表情に見えるお父さん有薗芳記も哀愁とか困惑とか持って行きようのない怒りが込められて、最後の爆発が生きて来ていた
長男のどーしよーもなさ、そして暴発も見事
兄弟の微妙な心理の揺れも良く表現されていたし、ちゃらんぽらん従業員佳乃香澄やレンタル彼女土本橙子は独特の雰囲気を醸し出していた
昨秋の「スープラに乗って」で気に入った福田ユミはやっぱりここでもさすがの演技だった
宮地大介は確かにこういう人いそうと自然に思える役作りだった
同行者が小林さやかの演技に感心していたが、ベテランの味で空気を作っていた
最後にお父さんが自分の頭で次々と生玉子を割って行くシーンとその前後の長男の様子が圧巻
長男がお父さんが淹れたコーヒーの味で気付く家族の絆
喪服に流れる玉子、その上着とネクタイを取って着て、ようやくお母さんの葬儀に行こうとする長男・・・
友人が「あれ、あと大変ですよね」「そうね、ただ今のはソワレだから時間あるけどね、マチソワだとその間の限られた時間での修復大変だよ」
難点は家族を取り巻く人間の関係が最後まで良く分からないところがあった(小林さやかの位置づけとか、福田ユミの異常なまでのおせっかいとか)ことと、宮地大介と福田ユミの過去の不倫話が無理やり持ってきて不要に思えたことあたりか
それと配役表ないのは不親切だった(登場人物の名前も良く分からない)
台本買って来たから役名分かったが
帰ってカミさんに話したら「玉子高いのにもったいない」だったが、そういう反応もあるだろうな
今日の印象的な台詞
「言わないのが家族」
「言うのが知性、言わないのが品性」
或る、かぎり

或る、かぎり

HIGHcolors

駅前劇場(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/06 (日)公演終了

実演鑑賞

深井邦彦が描き下ろした芝居を何本か観て、深層で感じていたものが少し形を成すのを感じた観劇。面白い。
家族の物語。小さな会社の職場も兼ねた宅なので従業員も出入りするが、半ば家族の(セミ・ドメスティック?)成員として存在し、また家を出た兄弟、その一人は間もなく家庭を持とうとしていたり、入院中の母に代って家事手伝いに通う従姉妹など小宇宙の程よい広がり。そこへ完全なる他者も現われるが・・。
この劇では「変わらねばならぬ」課題がのっけから鎮座し、乗り越えがたいハードルとそれでも刻まれて行く日常とのバランスが絶妙である。
家庭劇や日常劇、リアルなストレートプレイの範疇でも深井作品には何か守られている原則がありそうに感じたのだが、マニアックな考察はまた後日。
どの役もきちんと描かれ、形象され、こういう芝居では俳優ごと愛着が生まれるが、例に漏れず。

或る、かぎり

或る、かぎり

HIGHcolors

駅前劇場(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/04/04 (金) 19:00

座席4列

価格4円

上手い! とにかく上手い! 役者が上手い! 台本が上手い! 舞台美術も上手い! 音も光も上手い!
何処かにありそうな日常なのに、ちょっと変で、必ず誰かに感情移入できる芝居でした。僕は父ちゃんを観ていて胸が苦しくなりました。「ちゃんと、逃げずに行きなくちゃ」と思わされました。

ネタバレBOX

卵割りのシーンの喧騒と、その後のコーヒーを淹れる後ろ姿になんともいえない気持ちになりました。終演後、舞台の前を通ったら、生卵の匂いと、コーヒーの香りが鼻に入って来たことが印象的でした。嗅覚にも残る劇は、映像では表現できないなあ。。。感じました。
最後に「お前、不倫しとったんかい!」と全員ツッコめた戯曲でした。
熱風

熱風

Nana Produce

サンモールスタジオ(東京都)

2025/04/04 (金) ~ 2025/04/08 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

流石に面白い。高木登氏版夏目漱石の趣き。ホラーに長けると全てに応用が効く。役者全員フルに活かす演出は鬼才・寺十吾氏。この怒濤の仕事量と質は後世に名を残す筈。今、リアルタイムで味わえる連中は幸運だ。ほんのちょっとの細工なのに圧倒的な才覚の違いを決定付ける。これは一体何なのか?何でこうなるのか?

サラサーテのようなテーマ曲がリフレインする。この小さなステージで驚く程の場面転換。拘りの美術、やり過ぎだろ。鈴木清順の『ツィゴイネルワイゼン』を思わせる不思議な品のある空間美。

大企業に勤める瓜生和成氏45歳、妻の田崎那奈さん44歳、大学生の娘の堀口紗奈さん22歳、妻の妹の杉本有美さん36歳が暮らす一軒家。娘の彼氏であるコンビニバイトの依田啓嗣(たかし)氏31歳が呼び出されている。怒号が飛ぶ修羅場にタイミング悪く隣に越して来た奥野亮子さんが挨拶に訪れる。売れないカメラマン小出恵介氏43歳との夫婦二人暮らし。その晩その話を聞いた小出恵介氏は隣の家族の名前に引っ掛かる。

全員キャラが立っていて見せ場あり。瓜生和成氏VS堀口紗奈さんなんか盛り上がる。依田啓嗣氏のキャラはリアル、ペットの水ガブ飲みが良い。杉本有美さんの存在が実は効いている。
小出恵介氏に何の思い入れもなく興味もなかったが一言、「良かった」。

是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

※瓜生和成氏田崎那奈さん夫妻は結婚23年目、小出恵介氏奥野亮子さん夫妻は6年目。

家の壁が薄いのか全ての会話が家族に筒抜けになっている。瓜生和成氏は杉本有美さんと隠れて浮気をしている。田崎那奈さんも堀口紗奈さんもそれを知っている。田崎那奈さんは大学時代の彼氏、小出恵介氏と不倫を繰り返す。皆それを知っている。奥野亮子さんは小出恵介氏の仕事を得る為、編集局の局長と寝ている。小出恵介氏はそれを知っている。全員素知らぬ顔で家族ごっこを続ける仮面の生活。

堀口紗奈さんが家族に対して抱く憎悪が取って付けたようなのが残念。闇バイトに家の情報を流し、二階の窓を割って強盗が侵入する音でラスト。

瓜生和成氏が23年分の絶叫をするシーンで小出恵介氏がグッと笑いを堪えていたのが伝わった。
或る、かぎり

或る、かぎり

HIGHcolors

駅前劇場(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
どこか ありそうな家族、そして母親の死によって初めて親子喧嘩をする。少しネタバレするが、母親は胃潰瘍ということで入院したが、実は胃癌で余命三か月。そうとは知らされない子供(息子)たちは、あまり見舞いにも行かず自分の生活を優先(大事に)する。亡くなって味わう喪失感や後悔といった思い、それを夫々の役者陣がキャラクターを立ち上げ熱演する。観客によっては身に覚えがあるような、その没入感や感情移入等は物凄い。そして母親が心配し 会いたがった長男が引き籠りという設定が肝。

舞台美術は4か所…上手から事務所、リビング、ダイニングキッチン そして病室であり引き籠り(長男の)部屋を扉枠で仕切る。神は細部に宿るというが、実にリアルな造作で この家族(柿沼家)の在り様を描き出している。そして場転換は、夫々の場所への照明の諧調によって場景を上手く転換する。物語は家族やその周りの人々を交え、一筋縄ではいかない長男への対応を巧みに紡ぐ。柿沼家は自営業を営んでおり、職場と家庭が一緒(職住接近どころか一体)になっており、家庭の問題=職場へも影響する。そして従業員も家族同然、同じような思いを抱くことになる といった妙。
(上演時間2時間10分 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、ほぼ横並びに3か所と下手奥に病室or長男の部屋。それぞれ配置されている小道具・小物が そのまま生活や仕事に使用出来る物。例えば事務机や椅子、打ち合わせ用のミニ応接セット、リビングはソファとテーブルそしてTVリモコン。下手のダイニングキッチンは冷蔵庫やシンク そして炊飯器やポット、テーブルや椅子。それぞれの場所には直接行かず、扉枠を通って移動する。その動線が異空間ということを感じさせる。

柿沼家には3人の息子がいるが、長男 修一は30歳過ぎても働かず、引き籠っている。しかも家では我儘 言い放題 し放題。そんな長男に対し他の家族は呆れ半ば諦めている。母 聖子は入院し後々判るが胃癌で余命三か月。父 輝明は修一に見舞いに行くよう言うが…。社員の田中灯里の楽しみは「レンタル彼氏」と会うこと、それを聞いて修一にも「レンタル彼女」 塚本愛を紹介する。修一は、自分の言うことに反論せず寄り添う彼女に好意を抱くが、彼女にとっては 飽くまで仕事。契約終了時、愛は修一を反面教師として母の看病をする気持になったと告げる。

母は亡くなり、その通夜はもちろん葬儀にも参列しようとしない修一。そして母が死んだと思わないことで、現実逃避を図る。父は修一に母が亡くなった事実、それを受け入れるよう諭す。ラストは父 輝明の奇矯というか自虐的な行為、その可笑しみと悲しの綯交ぜになったような感情表現が印象に残る。公演には実感ある台詞の数々。例えば亡くなった母の姿に 「まるで眠っているようだ」と。自分も 遺体に呼びかけ、周りから狂ったと思われた覚えがある。

公演は、引き籠りという ありふれた設定に親の死という現実を突き付ける。劇中のTVニュースで親が亡くなったことを隠し年金を騙し取っていた音声が流れる。いずれ親も(経済的)援助できなくなるという伏線。それにしても30過ぎの息子を色々説得するための行為があれか?力ずくは、幼児ならば躾という名の虐待になるだろうが…。

公演は、どこにでも居そうな登場人物が、その立場や性格をリアルに立ち上げ物語へ力強く引き込む。特に引き籠りの長男 修一を演じた根本大介さんの憎たらしいほどの悪態や我儘。そしてレンタル彼女 塚本愛の土本橙子のシニカルな演技、そして「言うのは知性、言わないのが品性」という台詞が印象的だ。生きることは辛く大変、それでも平凡な暮らしを手に入れるため日々戦っている は、この劇のテーマのよう。
次回公演も楽しみにしております。
或る、かぎり

或る、かぎり

HIGHcolors

駅前劇場(東京都)

2025/04/02 (水) ~ 2025/04/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2019年の再演です
舞台セットは
キッチンと居間と事務所を
横に並べての配置で
劇中リアルに飲み食いがあり
お腹は少し膨らませの
観劇をお勧めかしら と

濃厚な人間関係を
重厚に見せていった
2時間10分の作品
何というか
目が離せなかった

ネタバレBOX

工場の事務所1階が右配置
2階の居間とキッチンが
左から中央の配置
チラシが長男の
引きこもり部屋ですかね

プロローグは
舞台左奥にあるベッドに
横たわった奥さんに
内緒でビール缶の差し入れして
しんみりと語り合う夫婦の会話から
始まります

進行により
このベッドは長男の
引き篭もり部屋としても使用と

30歳越えて引きこもる長男
胃潰瘍といって
入院したハズの母親が
末期癌で余命3ヶ月とわかるも
子供らに伝えられない
頑固で寡黙な父親
口喧嘩はしても
手などは出さない兄弟ら

余命少ない母親に
見舞いに行かない長男
身勝手でワガママな
行動に言動ながら周囲は
実力行使などせず
言葉で説得を試みる
長男にレンタル彼女まで
あてがって見舞い等を
行くようにとするのだがー
結局現実を見ないまま
母に一度も見舞いに行かず
母親は亡くなり
通夜にも出ない長男
葬儀の当日も出ようとせず
今日までの契約の
レンタル彼女に別れを告げられ
その彼女を散々罵倒するも
その彼女に反面教師として
参考になり彼女自身の母に
ちゃんと向き合えたとお礼を言われ
残された長男と父親
現実を見ない息子にキレた父が
壮絶な親子喧嘩をするのが
クライマックスで
ラスト遂に長男は葬儀に出ると
言うのであった

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