
天使も嘘をつく
燐光群
名古屋市熱田文化小劇場(愛知県)
2016/12/01 (木) ~ 2016/12/02 (金)公演終了
満足度★★★★
燐光群「天使も嘘をつく」、過去の様々な作品の要素が見える構成。燐光群は、現実に起きている現象を激しく連射する台詞と、観客の想像に委ねる穏やかなシーンの対比が、主張の強い芝居が苦手な私でも不思議と見逃せない。時空や虚実を越えながら、社会と私が出会う舞台。

溶け出す身躯
劇団 pH-7
フォト&アートギャラリー [プシュケ](愛知県)
2016/11/26 (土) ~ 2016/11/27 (日)公演終了
満足度★★★★
ペーハークラブ&プシュケ「溶け出す身躯」Aプロ、濃厚なアングラパフォーマンスで、出演者7人中5人が知り合いw 当初予定になかった、いちじくじゅん&すーじー急遽上演(ひまわりホールで再演希望)。鮎ちゃんの千と千尋感、KAN劇コンビのデディエ・テロン味、ラストの黒野さん最高に卑怯ww

HAIKAI劇場 〔善悪〕さんせう太夫
ハラプロジェクト
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2016/11/18 (金) ~ 2016/11/26 (土)公演終了
満足度★★★★★
ハラプロジェクト「さんせう太夫」、美術や衣装、古典題材に、SPAC「マハーバーラタ」を彷彿。分かりやすく興味引かれるけれど、何かが合理的でなく(ゴー宣でも触れられていた)、だからこそ人の心に残り、生き続ける物語。ラストには芥川「羅生門」感も。
ハラプロジェクト「さんせう太夫」、専用機材を使わない照明、生演奏の音楽、各自の身体から生まれる踊り、街散歩感ある徘徊パート等、「ゆるさ」が確固たる演出。徘徊はアクティブな休憩、だれずに2時間観れる気分転換。原さんは、足の指の動きも美しかった。

エスケープ・フロム・ウインター!
劇団ExcitingDrive
名古屋市北文化小劇場(愛知県)
2016/11/12 (土) ~ 2016/11/13 (日)公演終了
満足度★★★
ExcitingDrive「エスケープ・フロム・ウインター!」、極端に展開する物語に対する、主演男優の大仰だけど嫌味のない演技に好感。ベルべる☆氏の声は、一人で舞台上に三人分は存在(神!)。舞台が広過ぎ感…空間や間を詰めて、凝縮・ハイテンポで見せた方が、この世界には合うかも。

轟音、つぶやくよう うたう、うたう彼女は
空宙空地
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2016/11/11 (金) ~ 2016/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★
空宙空地「轟音、つぶやくよううたう、うたう彼女は」、戯曲・演出・演技が、名作一人芝居「如水」の派生を思わせる(ギミックが笑いも共感も呼ぶ)。特にメインの若い女優は、もう一人おぐりさんが現れたかのよう。しかし関戸さんの脚本はいつも、自分の親不孝が身につまされる、、、

METAL LOVERS
N.N.P
ナビロフト(愛知県)
2016/10/27 (木) ~ 2016/10/30 (日)公演終了
満足度★★
【NNP「METAL LOVERS」のよかった点】・衣装 ・殺陣 ・開演前の板付きの雰囲気
前回公演は予想外によかっただけに、期待外れ。チラシからイメージされる世界観が確立せず、スキだらけの空間、間の悪い演出、迫力の足りない音響・照明、やたらメタぶってみたり台詞を延ばして言い回したり、辛い…。開演前からの役者板付きは想像を刺激したのに、本編であの扱いでは無意味。

秘密の閨(ねや)Himitsu no neya
青木涼子
アートピアホール(愛知県)
2016/10/23 (日) ~ 2016/10/23 (日)公演終了

いきのね
Co.山田うん
アマノ芸術創造センター名古屋(愛知県)
2016/10/22 (土) ~ 2016/10/23 (日)公演終了

カンパニー・ディディエ・テロン『AIR』
あいちトリエンナーレ2016
名古屋市美術館 サンクンガーデン(愛知県)
2016/10/21 (金) ~ 2016/10/22 (土)公演終了

CONTACT-コンタクト
フィリップ・ドゥクフレ・カンパニー
愛知県芸術劇場 大ホール(愛知県)
2016/10/15 (土) ~ 2016/10/16 (日)公演終了
満足度★★★★
フィリップ・ドゥクフレ/カンパニーDCA
「CONTACT」、最初の30分眠くて時々意識が飛んた、、(のっけからハイテンションを期待していたためか)当然全体はシルク・ド・ソレイユばりの超高レベル。シンプルに可変する舞台美術にリアルタイムで映像が。突き詰めたショーパフォーマンス。

ハロウザディップ
演劇組織KIMYO
名古屋市東文化小劇場(愛知県)
2016/09/29 (木) ~ 2016/10/02 (日)公演終了
満足度★★★★
演劇組織KIMYO「ハロウ ザ ディップ」、弱者困窮、紛争ビジネス、ネット大衆…ゴミ人間の話(タイトルが、、)よりさらに、際立って社会性の高い舞台。社会システムの自覚なき悪意の連鎖への無力感と、個人単位の潰えない善意を信じる物語。ラストのラストの少年王者感。元山さんの身体感素敵。

沈澱タイ
room16
愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)
2016/09/29 (木) ~ 2016/09/29 (木)公演終了
満足度★★★★
room16「沈殿タイ」、救われたり救われなかったり救われたり救われなかったり、人生や世界のようなままならなさ。マイノリティ、承認、迎合、創作…主人公の時制が過去から現在へ展開する中で次々立ち上る、「ほんとうのしあわせとはなにか」。初演より大きなブラックボックスが、満ちた。

シールェ/scire
ナゴコン
愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)
2016/09/26 (月) ~ 2016/09/26 (月)公演終了
満足度★★★★
ナゴコン「シールェ」、正しく演出が全体像を俯瞰している感のある作品。序盤のただ歩くシーンだけでも色々想像。人と人との「距離」「向き」「引力」がキーか。途中の演説やラストはかなり直接・演劇的だけど、いま日本にいる舞台人にはかえってできない。再演されたい。
上演中、後ろでピロピロスマホ音がしたり、隣の人がハットを被ったままだったり、後半で前列の人が悠々出て戻って来たり、一回限りの公演でなかなかできない体験でしたよ(--)/===卍 ナゴコン「シールェ」

治天ノ君【次回公演は来年5月!】
劇団チョコレートケーキ
長久手市文化の家 森のホール(愛知県)
2016/09/23 (金) ~ 2016/09/24 (土)公演終了
満足度★★★★★
チョコレートケーキ「治天ノ君」、「消された天皇」大正天皇をモチーフに、(ドキュメンタリーではなく)普遍的な人間存在の苦しみを描く二時間半。「あるべき」と「現実」の自分の違いに苦しみ、「公」の立場が友や子の「私」を非情に狂わせる。自分である事の困難さ。丁寧な演技や演出の強度。
リアル・劇団チョコレートケーキ「治天ノ君」RT @knakano1970: 平成廃止して明治に戻すのかと思った。
よほど天皇が自分の頭越しに生前退位を言ったのに腹立てたんだね
官房長官 再来年の「明治150年」へ施策検討 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161007/k10010721391000.html…[(10/8)

文楽人形オペラ おさん伊八
特定非営利活動法人 愛知人形劇センター
損保ジャパン人形劇場ひまわりホール(愛知県)
2016/08/19 (金) ~ 2016/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
愛知人形劇センター「文楽人形オペラ おさん 伊八~睦月連理玉椿~」、人類と人形の旅・第一弾に相応しい作品。人間による生の音楽・歌・語り、全てが人形表現に奉仕する、一つの総合芸術。文楽人形のオペラ的な動きがハマる。物語はあくまでも表現の拠り所、舞台上で起こる事を楽しむ。
愛知人形劇センター「文楽人形オペラ おさん 伊八~睦月連理玉椿~」を観ていて、人形劇の人形は常に生と死を往き来しているのでは、と思った。 #人類と人形の旅
【舞台関係者に、愛知人形劇センター「文楽人形オペラ おさん 伊八~睦月連理玉椿~」を観てほしい理由】
・通常は大阪まで行かないと観れない人形浄瑠璃が、(オペラアレンジ入りだけど)割と近くで低料金で観られる
・プロによる生の音楽・歌・語り、全てが、一斉に人形に奉仕する光景は圧巻

ダニ・リマ「Little collection of everything」
あいちトリエンナーレ2016
愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)
2016/08/11 (木) ~ 2016/08/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
ダニ・リマカンパニー「Little collection of everything」、身体表現を拡げる100の援軍。次から次へと繰り出される手数の、ハチャメチャに見えて互いの連携プレイ等足元のしっかりした、連句的な繋がり。モノからの想像の飛躍と身体化は、オプトにも共通する感覚。

猿川方程式の誤算あるいは 死亡フラグの正しい折り方
劇団ジャブジャブサーキット
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2016/07/28 (木) ~ 2016/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★
ジャブジャブサーキット「猿川フラグ」(公式略称)、負の境遇や過去を背負いながら、安易な運命論に抗い、困難な方向にでも「今」からよりよく生きようとする人々の群像。フラグツリーのように様々な話が並行しながら、意外に分かりやすい。ぎゅうぎゅう詰めの感はあれど、その先に未来を見る。

2016年版 あるオト、あるヒカリ、あるカラダ、あるコトバ、あるミライ、そのタもろもろ、の、あるケシキ
空間交合〈アサンブラージュ〉リジッター企画
ナンジャーレ(愛知県)
2016/07/27 (水) ~ 2016/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★
リジッター企画「あるオト、あるヒカリ、あるカラダ、あるコトバ、 あるミライ、そのタもろもろ、の、あるケシキ」、名古屋圏出身者が東京で活動してどんな作品を作るか、学生や東京進出を考える若手必見。恋愛・友情・家族、人の繋がり三態。OP・EDは、言霊を受ける「踊り部」。

FRAGMENT F.+2
タツノオトシドコロ
ナビロフト(愛知県)
2016/07/22 (金) ~ 2016/07/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
タツノオトシドコロ「FRAGMENT.+2」、やるせない力ある戯曲を役者陣が全てを駆使して舞台に打ち立てる。特に二瓶くんは、いつ死ぬかと心配になる('Д`)起伏や切り替え、継続力。何が起きるか分からない二人芝居に「ゴドーを待ちながら」を連想。いつしかじりじりと、嫌な共感が。

その頁は語らない
歓喜ハザード
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2016/07/21 (木) ~ 2016/07/24 (日)公演終了
満足度★★★
歓喜ハザード「その頁は語らない」、正直、長い(枝葉カットで2/3にはできそう)。演技メソッド分けが明確でない現実・精神の階層舞台は観劇慣れしていても理解しにくい。謎解き、終盤の主人公モノローグでいきなり説明された感じ。題材自体はよく、論理的・感情的にも理解できたが、伏線見えず。