最新の観てきた!クチコミ一覧

6501-6520件 / 183070件中
ロリコンとうさん

ロリコンとうさん

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしかったです。

今日ほど舞台がキラキラと輝いているのをここ何年か見たことがありません。主演女優にはオスカーゴーズトゥーの言葉をかけてあげたいくらいですが、きっと「変なヤツ」と思われるでしょうからやめておきます。

ネタバレBOX

あんなにも熱くロリコンの性癖を語っているのにそれはもうただただ家族への愛情の言葉でしかないという、どうやってそのやり方考えたの?と脚本家に詰め寄って問いただしたくなるほどに巧妙なラストシーンに、並べられたワードからだけでは絶対にそんなことになるはずがないのに、と変な疑問で頭がおかしくなりそうになりながらも目から流れ出る涙を止めることができませんでした。

そして、なぜ彼女が演じていたかの種明かしに至るストーリー展開。いやはや、ただただやられたといった感じで僕の今夜の酒はいつもより間違いなく甘く美味しいものになりそうです。
ロリコンとうさん

ロリコンとうさん

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

本当に力作。ちょっと長丁場でしたが、とても丁寧に話を進めていて、飽きずに集中していられました。

親の顔が見たい

親の顔が見たい

劇団昴

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

この演目一度観たことがありますが、今回はよりリアルに迫ってきましたね。最近の旭川女子中学生いじめ凍死事件のことを考えながら、陰惨たる気持ちになりました。

ナビゲーション in 池袋

ナビゲーション in 池袋

タルトプロデュース

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
脚本・演出は、設定の妙と惹き込む力、そして演技のメリハリ…演劇の魅力を凝縮したような公演。タイトルからロードムービー的な展開を想像させるが、実はハートフルな物語である。
まず 主人公 横山凪紗は傷害罪で執行猶予中、そして同僚の遺体を山形まで車で運ぶ途中で当たり屋と思われる女を乗せるハメに…この途中で乗せた女が物語の肝。この話は実話をベースに江頭美智留さんが脚本にしたもの。勿論 遺体を運ぶことには抵抗(報酬を得ているから違法か)があるが、無理を承知で実行したことで 凪紗の心に変化が…。

東京公演には大阪公演を観た観客が多数来ており、人気の程がうかがえる。勿論 キャスト目当てもあろうが、作品の魅力…ミステリー サスペンス調の仕掛け、抒情を感じさせる挿入歌など、観せる力・聴かせる力が 再び劇場へ、となるのではなかろうか。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

中央に車一台。勿論ドアもなければ窓もなく、その開け閉めはパントマイムで行う。
横山凪紗(22歳)は5歳の時に母と死に別れ、父は その3年後に再婚した。母が亡くなり17回忌法要を行うと父から連絡があったが、継母との関係が気まずく出席しないと決めていた。

そんな時、職場の上司で身元引受人の佐々木陽子から急死した同僚の遺体を山形まで運ぶよう頼まれる。渋々引き受けて出発するが、途中 奇妙な女が飛び出してくる。孤独に凝り固まる横山凪紗を演じる NMB48の佐月愛果さんは、実にキュートだ。他人と関わることが苦手、それが旅を通して人との触れ合いに温かさを感じ始める。そんな繊細な難役を見事に表現していた。また出番は少ないが、佐々木陽子を演じる 桐さと実さんは見守るという包容力を観せる。

単に遺体を運ぶだけではなく、途中で凶悪犯と思しき人物を乗車させたり といったサスペンス ミステリー風な展開へ。ハラハラドキドキするような場面を挿入することで、観客の集中力・緊張感を逸らさない。一方、車内で凪紗と途中で乗せた謎の女 菅原陽向子(村崎真彩サン)が歌う曲が切なく心に沁みる。
因みに謎の女の正体は、ぜひ劇場で確かめて。

他人と密な関係を築かず生きることが当たり前のような現代、しかし<築く>ではなく<気づく>ことがなかった人の優しさ温かさを知ることになったロードドラマ。孤独と孤立に凍った心が解けていくような、そんな心温まる秀作。
次回公演も楽しみにしております。
台所のエレクトラ

台所のエレクトラ

清流劇場

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

清流劇場という関西の始めてみる劇団だが、すでに長い上演歴を持つ。ことにギリシャ劇は7本目で、ギリシャ劇を身近なものに、とか今の生活で解るように補綴したりしている。
関西では木ノ下歌舞伎があるからこういう古典の上演法も小劇場まで行き届いているのか、とも思うが、両者の間にはかなり距離がある。ギリシャ劇は今とは遠い(当たり前だ)から解りやすいようにあらすじを前説したり、登場人物が境遇説明をしたりするが,今をなぞって通り一遍で、ただただややこしくなるだけでギリシャ劇の芝居の核心について入って行かない。木ノ下の前説では、芝居のキモを演者が出てきてやってみたりもする。説明の技術も濃度も違う。これでは下手な前説のスジ売りなどない方がすっきりする。
大阪弁で身近に,というが、もともとギリシャ劇は何千年も昔の断片で,わかりが良いものではない。それを関西弁で、シチュエーションを台所にしたくらいで身近になると思っている方が考え違いである。ギリシャ劇を現代にダブらせれば、それは完全な誤解である。この舞台を見ているとそこはよくわかる。
無理な現代解釈は,演技にもおよび、解りやすいマンガ調になってしまう。俳優の中には達者な人もいて,それはそれで面白く笑ってしまうのだが,それは一時的な笑いを呼ぶだけで、劇とはあまリ関係ない。挿入歌はうまく入っている。2時間ほど。8分のいり。やってる意味がよくわからない。


マイネームイズ

マイネームイズ

壁ノ花団

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2023/09/01 (金) ~ 2023/09/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/09/01 (金) 19:00

長年住み込みの家庭教師文子先生がいなくなり新しい先生がきた。文子先生との思い出、新しい先生が本名で呼ばれ馴染むまでの話。存在感のある演技。70分の短い上演時間でしたが見ごたえのある芝居でした。金替さん内田さんの脇役もよかった。

「夏の夜の夢」※『夏の夜の夢』はやりません

「夏の夜の夢」※『夏の夜の夢』はやりません

無限のネコ定理

SOOO dramatic!(東京都)

2023/09/03 (日) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

観客から、場所と状況のアンケートをとり、抽選で選んだそのお題に加え、脚本・演出・音響・美術・衣装・広報といった役割も全て抽選。3時間という限られた時間で、いろいろなプロセスを経て作られる15分ほどの本番までを見せる試み。

正直なところ、もっとダラダラした3時間になるのじゃないかと想像していたが、無理矢理な設定から生まれた第一稿から始まり、どうにかして面白く観てもらえるものにしようとする数々の試行錯誤がとても興味深く、最後まで飽きずに観ていられた。

それなのに楽しいと言う

それなのに楽しいと言う

The Stone Age ヘンドリックス

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

外れ無い劇団のスリーTopの一つ
ストーンエイジと言えば武田さん
いい味出してました
アドリブに対する返しも良かった‼️
内容はアルツハイマーとなった母にどう対応して良いかわからない娘
勉強になりました❗

佐山家シンフォニア・夏

佐山家シンフォニア・夏

劇団シアターザロケッツ

テアトルBONBON(東京都)

2023/08/23 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても懐かしい感じに胸があつくなりますね。かわらず、笑いあり感動ありで、胸あつの舞台です。
毎回、思う事ですが、役者さんって、スゲーなぁと。もう。千秋楽ではありますが、これからも続く事を願います。先にの事は、何があるかわかりません。ですが、結果を気にする事より今の気持ちを大切に、また、会いましょうと言って欲しいなと思います。

怪獣は襲ってくれない

怪獣は襲ってくれない

株式会社スタイルオフィス

新宿シアタートップス(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

かなり衝撃的なストーリー。今まで観てきたものとは全く違うものを感じた。若いキャストの生々しい演技、ストーリーだけでなくそれらもリアル過ぎて怖くて悲しい。救いのない子供たちがさらに落ちて、助けて欲しいと思いつつ、そこから出ることに恐れさえ感じている。綺麗事が全くないこの舞台。最後の最後まで外野にいる者たちにぶつけられた、吐き出された想いも圧倒的だった。
凄いものを観た、といって良いと思う。

ロリコンとうさん

ロリコンとうさん

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ロリコン( 幼女 ・ 少女 への恋愛感情)という性癖のある人々の心情吐露、それを世間(実態を知らない人々)というフィルターを通すことで不器用と不寛容が浮き彫りになるような公演。芝居として表層的には面白いが、少女愛への共感・共鳴は出来ない…そう感情移入が出来ないのだ。冒頭、フィクションと ことわりがあり、理屈で考え 観るつもりはなかったが、どこか醒めた目で観ていた と思う。

さて、物語では ロリコンの対象年齢が小学生以下のようだが、登場するロリコンの人々は大人の女性と恋愛をし結婚もしている。勿論 ロリコンとうさん というから 父親 である。この<親>ということが肝。ちなみにロリコンとうさんの身長は 149.9cmと小柄、舞台では桑田佳澄さんがランドセルを背負って熱演している。

当日用チラシにもあったが、ネットで募集した40人以上の「ロリコンの方」と会い、通話し、テキストを送り取材した、フィールドワークに基づいて作劇したという。それゆえ、ロリコンという性癖の描きは、実に自然体だ。何となく解らないのが、どうしてロリコンになったのか、その理由や原因、または生まれもった性癖であったのだろうか(自分の知識・認識不足か?)。フィールドワークで そこを質問しなかったのだろうか? そんな 素朴な疑問を持った。

終演後の挨拶で 作・演出のイトウシンタロウ氏が まだ次回作の予定がないと言う。ロリコン公演に全力を注いだのであれば、今度は「シスコン」などは…。
(上演時間2時間10分 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

ほぼ素舞台。中央に「LOLIcom」と書かれたオブジェが設置。
自分のロリコンという性癖に向き合う人々の悲哀と可笑しみに満ちた暮らし、その生き様をフィールドワークに基づいて作劇した野心または挑戦作。タイトルからは想像できないほど真面目に描いており、その物語性(展開)も巧い。イトウシンタロウ氏は、世間から偏見の目で見られそうなロリコンという性癖に独自の<光>をあてたようだ。

痛みに似たような感覚、それを分かち合うような独自の作家性ー舞台という虚構性に現実の存在を取り入れーと熱い思い入れが伝わる。どうしても創り上げたかった、その強烈な渇望に満ちた渾身の一作のようだ。
本作はフィールドワークに基づいているから、自ずとロリコンという性癖を持つ人の視点。しかし ロリコンとは知らず付き合っている女性の気持はどうなのか、が気になる。

ロリコンとうさん:桑田澄太郎役を小柄な桑田佳澄さんが演じているが、何故 彼女が演じているのか。その謎が最後に明かされるが、その性癖ゆえに悩ましく切ない。自分に正直に生きようとすれば するほど悩みは深くなり、周囲の人々との関係も微妙になるようだ。舞台という虚構性の中に、リアルな思いを巧みに掬い上げ興味深く表現していた。
次回公演も楽しみにしております。
好きなのに

好きなのに

中央大学第二演劇研究会

中央大学(多摩キャンパス)(東京都)

2023/09/01 (金) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 生まれて初めて中大多摩キャンパスを訪れた。上演した場所は、学生会館として利用されていると思われるキャンパス入口から直ぐの建物4号館の4201教室、イベントスペースNightである。都区内に居を構えていた多くの大学が郊外に移転し始めて既に50年近く経つのか? 中大のお茶の水校舎は、学食が安くて旨いと評判だったこともあり、時々出掛けていたが、学館らしき建物は、我々の学生時代の学館に何となく似た雰囲気を漂わせている。閑話休題、本筋に入ろう。

ネタバレBOX


 言うまでもなく「恋」は、多くの表現ジャンルで最も多く扱われる題材の1つである。それは誰もが何らかの形で経験しその人生の中で最も深く、激しく身悶え深く生きる経験でもある。大抵は何らかの障害があり、その障害が益々恋心を燃え立たせる。常に不安と希望が己が心の中で争闘を繰り返し、一瞬も魂の安らぐことはない。厳しく辛く己が身を焦がす昏い炎でもあるが、何か成就の兆しが見えれば空にも昇らんばかりの歓喜に包まれるのも事実。
 一方、これら通常の恋が成立し得ない、してはいけない関係というものがあるのも事実である。滾り立つパッションが抗うことのできない、本人にとっては最も根源的なアンヴィヴァレンツが、互いの滾る念を引き裂いているとしたら? その時、ヒトは人としてどのような選択をし、どのように生きられるか? そこまで踏み込んだ脚本であり、その宿命を若い人々が描いた作品である。実際にはどのように物語が紡がれてゆくか、実地に体験することをお勧めする。
 舞台美術は、かなりしっかり作り込まれている。側壁天井やホリゾント近くから下がる濃紺系統の布の間に「の右方向の線を更に右に延ばしたような白いパネルを2つ、前後に人の通れるほどの距離をとって設え出捌けの裏導線とした他、側壁に掛かる濃紺の布部分を出捌けに用いるなど都合3か所の出捌け。板正面の壁際には下手コーナー辺りに収納家具、センター辺りに本棚が見え、これらの手前、観客席側の板中央辺りに応接セットのソファ、テーブルが置かれている。また、上手壁際にはバーカウンターと丸椅子が置かれ喫茶店のカウンターを表している。応接セットやバーカウンターなどには花が生けられ大切な働きをするのも、今作に登場する人物たちの幾人かの繊細なメンタリティーを現すのに寄与し小道具の使い方も上手い。お勧めの70分である。
 脚本、演出、演技も良く、舞台美術もおしゃれだし、小道具の使い方も上手いが、いつも通りスタッフの対応も良い。
親の顔が見たい

親の顔が見たい

劇団昴

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

まったくお見事としか言いようのない完成された舞台。この演目はずっと観たいと思っていて,それが叶って嬉しいが,こんなに目が離せない,そして親のエゴと正義の在り方について考えさせられる芝居であったとは,想像以上であった。ホンが良いのはもちろんであろうが,役者さんたちの演技が素晴らしい。しぐさ,発声のみならず,その場に自分がいるような存在を感じさせてくれる。さすがに歴史のある劇団さんで,至福の観劇時間であったことに感謝ばかりであった。

ロリコンとうさん

ロリコンとうさん

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/09/02 (土) 19:00

恐らく旗揚げからほとんど観てるユニットの渾身の1作。面白いが考えさせられる。(3分押し)117分。
 冒頭、ランドセルを背負った少女が出て来て観客に語りかけるところから始まる。いわゆるロリコンという嗜好を持つ人々が次々に出て来るが、冒頭の少女の正体が徐々に分かるところが本作の真骨頂と言えるだろうか。個人的には、ロリコンの対象は小学生ではないと思っているので、若干の違和感があるのだが、それを越えて面白い。

台所のエレクトラ

台所のエレクトラ

清流劇場

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/09/02 (土) 13:00

初見のユニット。ギリシャ悲劇を大阪弁で演じるが、キワモノではない面白さ。(10分押し)117分。
 長くやってるユニットらしいのだが、個人的には初見。古典劇を翻案することが多いようだが、大阪弁での生活感ある上演がしっかり馴染んでいるあたりがいい。役者陣もベテランが多く手慣れた感じ。
 開演の15分前から作・演出の田中孝弥による「前説」があるのだが、それが開演時間に4分ほど食い込んだ後、劇場の前でやってる工事がうるさいので止めてもらう、と言ってさらに6分。

SHINE SHOW!

SHINE SHOW!

東宝

シアタークリエ(東京都)

2023/08/18 (金) ~ 2023/09/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

三谷幸喜の『ラヂオの時間』を映画館で初めて観た時、劇場中が大爆笑、拍手喝采。理想のコメディだと大満足。(その後、何度か観たがそこまで面白く感じられなかった。あの時の劇場は神がかっていた)。
今作もその系統の作品で、観客が心から拍手を贈っている。前の席の老夫婦が「面白いねえ」と言い合っているのが味わい深い。冨坂友氏がまた新たなステージに立った瞬間。彼を知らない人達が一斉に注目。TVや映画へと活躍の場は広がるだろう。小劇場の傑作をブラッシュアップして商業演劇の場に掛けるのはプロデューサーの正しい判断。今後増えていくのでは。
冨坂作品の魅力は言葉と理屈を使った、相手への説得。絶対に曲がる筈のない意志を曲げてみせる驚きのディベート術。ロゴス(論理)、パトス(共感)、エトス(信頼)。(ただ使い過ぎると観客への効果は薄れていく)。

去年、恵比寿の小劇場で5日間だけやった作品。大絶賛でCoRich舞台芸術アワード!第1位を獲得。観ておくべきだった。

元宝塚女優、長身スラリの朝夏まなとさん。早口の長台詞も聴き取り易く完璧。
その部下となる小越(おごえ)勇輝氏は小柄で二人のシルエットのバランスが抜群。
司会役の西村直人氏は「たいめいけん」3代目シェフ・茂出木浩司を思わせる。
もう一人の司会者役、鹿島ゆきこさん。掛け合いが見事。
花乃(かの)まりあさんはマジで元乃木坂だと思って観ていた。自虐ギャグが凄えなあ、と。
栗原沙也加さんの『ロマンスの神様』は見事。とても楽しそうに歌うので、会場中が盛り上がる。
木内(きのうち)健人氏の『粉雪』は凄かった。カラオケのレベルではない。
中川晃教氏は名前をよく聞くのだが、流石プロの歌手。『楓』で唸らせる。
斉藤コータ氏は固定ファンがいるのか、やたら受けていた。
ゲスト歌手役の山下雷舞氏は甲津拓平と草野大悟を足した感じ。
制作アシスタント役の前田友里子さんは里村明衣子
の貫禄。何か売れそう。

場所柄もあり、この系の作品が観客に一番支持されるのでは。豪華なショーでお正月なんかに合いそう。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

ラストの展開が好きじゃない。音痴の朝夏まなとさんが必死に『とんぼ』を歌うのは違うと思う。途中に小越勇輝氏のモノローグを入れて「僕には必死な先輩の歌声がこんなふうに聴こえていた」、からのガチ美声熱唱で良かった。
元彼と彼女と今彼の『楓』を巡る三角関係も泣かせて欲しかった。
七曲り喫茶紫苑

七曲り喫茶紫苑

劇団芝居屋

劇場MOMO(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。日常どこかでありそうなお話を丁寧にそして繊細に表現されていて素晴らしかったです。前々作を一度拝見していますが、覗き見するようなというコンセプトはそのままに自分もそのお店にいるようなそんな感じでした。またの機会を楽しみにしています。

ロリコンとうさん

ロリコンとうさん

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

全力で取り組んだ芝居だそうで
次回作の準備とか構想はあるものの
まったくの手つかずになるくらいの全力芝居
というのが伝わってきた良い作品でした

結局130分もの長丁場になってました
全席指定っす

ミニペンに紙アンケート付きですけど
アンケートにはちゃあんとQRコードも付いておりますゆえ
現代・現状に対応しております(^-^)
(レトロになりつつある紙アンケートは好みなんですよ)

ネタバレBOX

主人公は=鍋に弾丸を受けながら=って漫画を参考にすると良いです
主役さん上手~♪

実際に60人以上のロリコンさんにインタビューをして
まとめた人格を投影した作中登場人物達だそうで
映画ロード・オブ・ウォーが近い作りっすね
現状とか世の中の認識がよく理解できましたわ
ほんに世に出てても
なんら危害が無いのなら頭の中で何を考えててもよいのにねぇ
ただ理解が出来ないから=気持ち悪い=と思考を止めての対応が
人間進化・進歩しないなぁって思えたさ
ロリとペドの違いも語っており丁寧に話作られておりました
男性上位でヘテロな世の中ながら
ホモやLGBTへの理解が進んできたのだから
少しはロリコンというジャンルも理解が進むとよいなぁとか思えた話でした
まーこの国では
いくらオフレコっても首相補佐官だったかなー
そんな方がホモは近くに住んでると考えただけで嫌って言って
首切られたレベルではロリコンも近くにいるって思っただけで嫌
とかいうレベルなんだろうな~まだ・・・・とかも頭をよぎりました

客席とかも千鳥配置をしていて
配慮が細かい舞台で
舞台美術なんかはインパクトのあるもので
開演前後は撮影自由で拡散はしてると思いますわ
見るとインパクト凄いと思う(^-^)

開演前のBGMも
いろいろと世間でいうところの
ロリらしい音源を集めており楽しかった~♪

ラストの駱駝さん
インパクトGOOD!!

第二次性徴時に
自分の性癖が気付かされるというトコは
なんともリアルでした
世の中には ギャンブラーとそうでない人間とに分けられる
という感じにも似ていて
自分ではそういうものを拒絶は出来にくいとか
そういうところは
なんらLGBT例にとれる
性同一障害とかと同じだよねぇとかも感じました
台所のエレクトラ

台所のエレクトラ

清流劇場

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前知識ゼロだったが「観て正解」、とつい自分を褒めた。
関西らしい人情劇な場面が、この題材にして出現するというのも趣きである。
生演奏で歌もあり、笑いも勿論あり、剣呑な緊迫シーンもあって、充実した舞台である。古典の翻案というカテゴリーからは予想のつかない、大樹に依存しない自立した(オリジナルに匹敵する)作品になっている。

親の顔が見たい

親の顔が見たい

劇団昴

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

色んな「親の顔」を観て来るとついその比較を語りたくなるが、まずは封印して...。
畑澤氏が書き下ろした昴の初演は15年前、狭小な小屋で上演されたとの事。私が観たTV放映はNHKの特設ステージなので幾分広く(演る方も観る方も)新劇モードに?(録画画像観賞を最後まで完遂できなかった理由の一つと記憶するので..)今回は芸劇イーストで十分な広さでの「親顔」である。これが私立中学の一室らしさに十分で、冒頭から来訪者が席を選んで着座する動きからしてナチュラルなのは強みである。芝居はリアリズムに寄っているが、「中学生の自殺」ではあっても余裕を醸す序盤から、証言により示される自殺者といじめたグループの実態を「飲ませる」人物らの演技が、秀逸で、地味に迫力があった。
終盤、私の記憶にある台詞でないものが混じっていた。省略気味な台詞に判りやすい説明が補足され、台詞の語尾の言葉も会話の流れのニュアンスを変える変更がなされていた、というのが私の印象である。(記憶の新しい内にテキストを見てみたいが・・) 
その結果、最後に「改心する」「厳粛になる」ものの、保護者それぞれのトーンは異なり、必ずしも態度を明確にせずにおいた(作り手に委ねた)畑澤氏のテキストが、整理されたのでは?と思える所があった。特に最後に残るいじめっ子グループの中心人物の両親が、「生きていかなきゃ」と、「反省」以上に大事な事のために未来を探って行く表明をして、幕を閉じる。すなわち決定的にシニシズムに振り切ったラストである。
この戯曲で難しいのは、序盤の緩い認識=「事実」を問題視しない・あるいは事実とは認めない態度が、なにゆえ取れているのか、そしてそこから「決定的に認めざるを得ない」瞬間をどこで迎えるのか・・微妙~に選択の余地があることだ。
ら「本当の事だとは思わなかった」という顔で、最後はしおらしくなる同窓会会長の夫婦は、「偽善」の要素が(過去見たどのバージョンでも)残ってしまう。うまく逃げ切ったな、と思える。「本当だとは思わなかった」事実が、この夫婦の態度の全てをエクスキューズしきれないにも関わらず、いかにもイノセントな顔で出て行く。その齟齬の遠因は、夫人が序盤で読まれる自殺生徒の「遺書」に目の色を変え、焼いたり食べたりしている事。真実を確認する姿勢とは対極にあったにも関わらず、覆さなくなった局面で、「ええ?じゃ、これって本当だったの?」と言う。(ポストトークでこれを演じた女優と夫役の俳優の話を聞くとどうやらこの夫婦をイノセントで通しているらしい。無論演じる側はその主観に立って演じる訳だろうが、その人物の主観に偽善が滲む事を批評的に演じる事もできる所、イノセントさを見せると前のことを覚えてられない観客は「感動」に心が傾くが、僅かながらであれどこか釈然としないものも残るはずだ。「知らない」事は強みと言われるが「知らなかった」事も同じく強みになる。鋭い嗅覚で有利な立ち位置に立つための振る舞いができる人間、それがあの夫人である、とすると真実スッキリする。)
そんの態度にいい気なもんだ、と思う一方、社会的には「下」に属する、自殺した側の、人生と社会の敗者たる位置からは脱し得ないだろう母親の事も、重く残る。
「いい話」にして終えてはならない戯曲だと、毎度思う。

このページのQRコードです。

拡大