JUDY~The Greatest Unknown Squadron~
グーフィー&メリーゴーランド
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2025/07/10 (木) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
少しずつ演出を変えて再演している作品。
実在した人物をモデルにしたドラマ(一応 フィクション)、反戦劇だと思うが…。劇場入り口に、モデルになった美濃部正少佐の写真(撮影当時は大尉)、そこに「卑怯者呼ばわりされる中、自分の信念を貫いた。大事な部下に、死刑のような無茶な命令は下せない」と決意が書かれている。その文だけ読めば肯いてしまうが、劇中では典型的な軍人としての本音や戦略が透けて見える。
別団体の公演では、「特攻は美化させてはならないが、あった事実を風化させてはならない」と。美濃部隊長が率いた芙蓉部隊(員)は、別の意味で懊悩することになる。軍という階級(制度)、そこに見る意識の違い、さらに彼らの世話をする地元の人々の思いが交差する。少しネタバレするが、物語は 現代から戦時中に思いを馳せるような始まり、そのシーンが戦時中の上官(司令官等)の姿に重なるような描き。
物語としては、知らなかった人物の存在、その思考・行動を興味深く観ることが出来た。今から考えれば 常軌を逸したこと、しかし当時の事情や立場を鑑みれば、当たり前なのかも知れない。それでも同意・共感は出来ない。先の「決意」が表面的と思われる台詞(言葉)の数々。舞台として 理屈ではなく、感じ入るか否かだが…。
(上演時間2時間20分 休憩なし)
ネタバレBOX
舞台美術は、前後二重の暗幕で 場景を手際よく変化させていく。幕を左右から開閉させるが、始めのうちは 真ん中で閉まりきらないため裏(手動)で補っていたのが もどかしい。劇場の奥行きを活かし、汚れた平板で作った基地 兵舎内。机等を置き、日章旗や旭日旗を掲げているが、基地の移転(藤枝〈静岡〉⇨鹿屋〈鹿児島〉⇨岩川〈鹿児島〉)に伴い置く場所が変わる。
物語は、説明にある通り太平洋戦争末期、攻撃の主体は「特攻」であったが、夜間襲撃という戦法で戦果を残した芙蓉部隊を描いたもの。冒頭、現代の平和な様子・・明日のイベントで大量の生花が必要だったが、手違いで届かない。現場担当者はその対応に追われている。しかし責任者は、それぞれ役割・分担があり 自分の出番ではない、と手伝わない。
芙蓉部隊は、(沖縄)戦線へ特攻する部隊の夜間誘導、戦果見届(後方支援)、夜間偵察、本土決戦に備えるため といった戦術。美濃部少佐(物語では新渡戸正造)は、自部隊員の無駄死にはさせない信念、一方 玉音放送を聞いても にわかには信じられず戦争続行(本土決戦)の意思をみせる。他にも、今更 和平なんか といった台詞。そこに当時の状況や(軍人としての)立場が立ち上がる。悪意ある(疑った)見方をすれば、あくまでも本土決戦を見据えての特攻反対のよう、もっと言えば 沖縄戦線を見捨て本土を主戦場に といった捉え方が出来る。そこに冒頭のイベント責任者の役割・分担があり、手伝わない姿と重なってしまう。本意ではないだろうが、そんな印象を持ってしまう。
脚本・演出の沢村紀行 氏が 当日パンフに記した文は、反戦劇。実在した人物や隊をモデルにした戦争物。凄惨な戦争は 二度と起こさせない、記録だけではなく生の声、その記憶を伝えることも大切。しかし曖昧になる記憶の危うさも…。「制作委員会 発足」というペーパーにJUDYを上演し続けて20年とある。公演では、特攻作戦を拒否した正攻法のみでの戦いを描いており、あくまで戦時中における作戦・戦術。先にも記したが、特攻を美化しないが、あった事実もなかったことには 出来ないだろう。
舞台として、衣裳や所作は当時を思わせるもの。役者陣のキビキビとした動作を始め、確かな演技力が好い。また三味線の生演奏など抒情味もある。
次回公演も楽しみにしております。
黒塚 雪女 時次ぐる神の花嫁
演者集団 剣舞
麻布区民センター 区民ホール (東京都)
2025/07/11 (金) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
登場人物や場面を理解するまでに時間がかかりましたが、最後に追い付けました。もう少し話が分かりやすいとよかったです。演技は上手でした。次回作も期待してます。
JUDY~The Greatest Unknown Squadron~
グーフィー&メリーゴーランド
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2025/07/10 (木) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
確かに踏み込んだ側面がある作品。華4つ☆(追記予定)
ネタバレBOX
板上は板奥行の中ほどに天井から左右に分かれる幕を張り、場面、場面で使い分ける。尺は休憩無しの約140分。時代は太平洋戦争終期。海軍航空隊に芙蓉部隊と呼ばれた部隊があった。美濃部正少佐(最終階級)を指揮官とする部隊であったが、特攻が至上命令化する中、合理的な戦術である夜襲攻撃を主張、実践し多大の戦果を挙げた部隊であった。今作は、この部隊が活躍した1945年静岡県に在った藤枝海軍基地から海軍の特攻基地として名を知られる鹿児島県鹿屋、鹿屋が敵にマークされいくら偽装しても空爆を免れぬ為新たに移転した同県内の岩川基地からの転戦に至る過程を搭乗兵、指揮官、航空技術者、整備。無線技術者、司令官補佐、兵士らの任務をサポートする為に派遣された女学生、身辺雑事の世話をする女性や内地から流れてきた芸者や浮草稼業の女性、往時の大日本帝国植民地であった台湾の最前線で念う人の為に自らできることをする女性や数多くの一般市民が空爆激や銃撃等で追い散らされ亡くなったり傷つく戦場の有様をも描く。
史的には実際に特攻する兵士らに死の恐怖を紛らわせる為に用いられたヒロポン(即ち覚醒剤)の話も出てくる。この事実を今作では家族全員の死の報せを聴き守るべき者さえ奪い、徴兵した兵卒には死を強制しておきながら自分達だけはおめおめ生き残っているばかりか階級上位や特権階級であることを利用するだけ利用してのうのうとふんぞり返っている真の国賊共への反感を素直には出せない斎藤のキャラに担わせている。このキャラの創造が今作の肝と言えよう。
料理昇降機
劇団夢現舎
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2025/06/20 (金) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
不条理劇といっても、『ゴドー』とは違い、ユーモラスで肩肘張らずに楽しめました。主演のおふたりは存在感も個性もたっぷり。濃厚な80分でした。ミニマムな舞台美術もストーリーに似つかわしく、劇場の周辺には不思議な店がたくさんあって、総合的な不条理体験ができたのも印象深いです。
主婦 米田時江の免疫力がアップするコント6本
大人計画
ザ・スズナリ(東京都)
2024/11/07 (木) ~ 2024/12/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
勝地とクドカンにハズレなし。
みんな楽しそうで、見ているこっちも楽しくなってくる。
君がくれたラブストーリー2024
シベリア少女鉄道
赤坂RED/THEATER(東京都)
2024/10/30 (水) ~ 2024/11/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初見だったので、
最初は何を見せられてるんだろう???
と思ってましたが、、、
なんですかこれ、最高ですね!
紅鬼物語
劇団☆新感線
シアターH(東京都)
2025/06/24 (火) ~ 2025/07/17 (木)公演終了
実演鑑賞
45周年記念公演でありつつ、今もなお「新しい新感線を模索する」という姿勢。素直に尊敬に値すると思いますし、その試みをしっかり感じられる点も「さすが」の一言。メインキャストは劇団外から多く招へいし、新鮮味のある座組ですし、全体的に「劇団固有のらしさと新しさの融合」のような印象を受けました。
ネタバレBOX
シアターHは昨年オープンした新しい劇場、とのこと。キャパ700といえど、新感線が使用すると小さく感じるのも不思議な体験でした。全編を通して感じたのは、音響や照明など、スタッフワークがとても安定しており、その基盤があるからこそ、華やかで臨場感のある上演が成立するのだなぁ…ということ。キャスト陣に見どころが多いのは勿論ですが、こういうスタッフワークも含めて、45年目の劇団の強みだと考えました。
校舎、ナイトクルージング
ロロ
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2025/07/08 (火) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
料理昇降機
劇団夢現舎
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2025/06/20 (金) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
二度目の観劇。後期日程初日は強い雷雨に祟られたが、地下のスタジオに入り公演が始まると空気は一変! 劇空間という特別な時空間の圧倒的な力を実感する。開演と同時に地下の一室に響く雫の音。その音の不気味が身に染み入る。これほどのインパクトを一回目の観劇では感じなかったが。何れにせよ二度見の効果はしょっぱなから現れた。役者陣の観客への“どしゃぶりの中、来て下さって有難う御座います”という気持ちの籠った迫力のある演技、台詞回しからも力を頂いた。当に演劇は生き物だ。二度観、三度観・・・お勧め作品。追記1回目7.13 15:40。華5つ☆ 追記2回目7.14 02:57
ネタバレBOX
一回目の観劇では此処迄深くは気付かなかった、ベンの新聞記事言及の意味する処である。先ず、87歳の老人が渡ろうとした道路の混乱に体力的にも対応できなかった老人は、停止していたトラックの下に潜り込んだ。するとトラックは動き出し老人は轢き殺された。次は「8歳の子が猫を殺した」と苛立たし気に叫ぶベンにガスが、その男の子は云々の突っ込みを入れる。すると「女の子だ」と答えるがこの時11歳の兄が目撃していたことも語り、ガスとの会話の中で兄が殺した猫に対する罪を妹に擦り付けたと判断した。無論不条理劇が不条理劇として成立する社会的条件が提示されたのだ。現実社会の大混乱、既存価値反転、崩壊に起因する人倫崩壊、それ迄真っ当とされてきた総ての価値観、倫理観崩壊の惨憺たる結果を示している訳である。人々は最早まともなヒトとしての価値観の中では生きてゆけないという、全世界に対する認識である。それが、新聞という報道の王者であったメディアを介して提示されることで、綿密な取材と緻密な検証によって客観的であると認知されてきた媒体が未だ信ずるに値するとの願いを込めて語られていると解すべきであろう。既にマスゴミになっているかも知れないが、そうであって欲しくない、という儚い幻影迄込められているという解釈さえこの作品冒頭で提示されたと診た方が良かろう。
この後直ぐ、今朝出掛ける時の話をガスがし始める。ベンが道路の真ん中に車を止めて暫く動かなかった理由について、何故そんな不自然なことをしていたのか? との突っ込みである。この時点でガスはベンが自分の知らないことを組織から知らされていたのではないか? との懸念を抱いていたことが感じられ、その後も何度も様々な突っ込みを入れるが、ベンに「どちらが兄貴分なのか」を問われ一歩引くことになった。その端緒がこの無駄の一切無いハズのミッション実行過程の不気味な軋みとして提示されていたことである。これがピンター流の伏線か! と感心させられもした。この後終盤でベンとガスの再びの論争があって、ガスの抱いた疑念はうやむやにされるが、結末を考慮するなら…。さて、ここから先の解釈は楽日迄伏せておく。
自分の解釈は以下の通り。無論、ベンは組織から総てを明かされていた訳ではあるまい。それは、夢現舎の演出家・演者の解釈も同様であることは演技から分かる。然し作品全体を合理性に則って解釈しようとした結果、小生は以下のように解釈した。
組織というものの本質的属性は組織を維持することである。これが組織が組織として構築されていることの第一義であるからだ。少なくとも組織中枢はそのように考える。ベンの方が組織に対して従順である。即ち組織にとって都合が良い。ベン自身はそのように身を処すことによってガスより「狡猾」に生き抜く術を持つ。これに対してガスは理屈を通し過ぎる。それは組織を維持し続けることこそ第一義である組織にとって危険なことである。従って組織は、その組織維持の為に不都合な者を処分する。という非倫理的な即ち不条理な条件下にあって実に尤もな論理によって危険を除去した。ピンターという作家。何と寒々しい、我らの現に生きる時代の実相を描いていることであろうか! 終焉時に響く雫の音は開演時の予感を遥かに凌駕する寒く侘しく無情なものであった! これこそ、無意味の味か! 甘~い! 「我らが現に生きている資本主義の正体だ」そんな作家の肉声が地の底から届いてきそうだ。
料理昇降機
劇団夢現舎
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2025/06/20 (金) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「灰から灰へ」以来久しぶりに観たハロルド・ピンターはやはり期待を裏切らない
しかし始まってすぐ結末は予想出来たな(笑)
地下室の閉鎖空間に殺し屋の男がふたり
セットはふたりのベッドくらい
あの2階以上のレストランにある料理昇降機が中央
あらっぽいセットだが必要にして十分
昇降機の音、ドアの開閉の音、相変わらず音響が絶妙
ふたりだけの会話劇だが、見慣れた(笑)ふたりの表情がたまらない
みんなちがってみんないい、 けど私はみんなと一緒がいいの。
noo
雑遊(東京都)
2025/07/10 (木) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/07/10 (木) 19:30
価格2,999円
初日を拝見しました。今まででピカイチの舞台でした。俳優という存在のすごさに、こみ上げるものがありました。
障がいを持たない俳優が当事者と出会い、自ら学び、考え、想像しながら作り上げた等身大の作品。それは真摯なリスペクトであり、当事者への贈り物だと思います。
座組のチームワークも抜群で、今日は大雨に見舞われたにもかかわらず、それを感じさせない温かい空気が流れていました。
ネタバレBOX
継夏さんの、親戚についてのモノローグがとても素敵でした。
大川さんのシーンは、私のイメージにぴったりで完璧でした。「ポップコーン」が受けて嬉しかったです! あと光合成の訪問介護の役どころがいかにもで、「あるなああるなあ」がニヤついてます。
やまもさんの走り方がチャーミングで印象的でした。福祉関係者的な台詞、ぴったりハマってます
美奈さんのいきなりの実況も面白かったです(光合成の演技は本当に素晴らしいと思っています。ラストの表情、たまらん!白石加代子さんみたい!)。
ずみちゃんさん、マルさんの稽古初日のエピソードを語るところがとても好きでした。 bambooも素敵でしたし、光合成もとてもよかったです!あの髪を結ぶシスターフッドのやり取り、しみじみいいなあ、と思ってます!
マルさん、開場中緊張しすぎて礼拝のように手を組んでいたのが面白白かったです。世に出てよかったですね。もっと世に出るように、お互い頑張りましょう!
前川さん、ここまで丁寧に積み上げてくださったことに心から感謝しています。個人的には、bambooの演出が見事だと思いました。間を埋めるのが本当に上手い!
そしてワカヌさん、上演の機会を作ってくださり本当にありがとうございます。 千秋楽まで盛況をお祈りしています(お客さまも笑顔に溢れていました)。
料理昇降機
劇団夢現舎
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2025/06/20 (金) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
不条理な注文が謎めいていました
ネタバレBOX
あうんの呼吸、間合いと雰囲気のたっぷり出た臨場感が伝わってきました。独特の世界観に引き込ました。
料理昇降機
劇団夢現舎
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2025/06/20 (金) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
『ハッピーバースデー』
劇団チリ
コトブキヤホール(東京都)
2025/06/27 (金) ~ 2025/06/29 (日)公演終了
実演鑑賞
「ハッピーバースデー」
ブラジリィー・アン・山田による立川での上演団体・劇団チリの短編集。即興の上演と交互上演で6月29日まで、コトブキヤホール。90分。 作家自身による解説がありがたいけれど、読み取れてないなぁと自覚するワタシです。無念。
https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/07/post-1752f7.html
『ハッピーバースデー』
劇団チリ
コトブキヤホール(東京都)
2025/06/27 (金) ~ 2025/06/29 (日)公演終了
実演鑑賞
「即興の穴」6/27昼
劇団ブラジルのブラジリィー・アン・山田が、劇団チリとして立川での開催を続ける即興公演。コトブキヤホール。105分。 短編公演およびメンバーを替えた同様の即興公演を組みあわせ交互上演。6月29日まで。
https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/07/post-1752f7.html
最後の言葉にラベルはいらない
東京ゆめもぐら
OFF・OFFシアター(東京都)
2025/07/09 (水) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
バック・トゥ・ザ・フューチャー
劇団四季
JR東日本四季劇場[秋](東京都)
2025/04/06 (日) ~ 2027/03/31 (水)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★★
楽しみにしていた観劇。ワクワクし過ぎてこんなに期待値を上げていいのかと少し不安になったりもしましたが、最高でした!
入った瞬間からテンションがMAXに!アトラクションのような楽しさと感動と完成度。
最高!この一言に尽きます。
本当に楽しかったです。
音楽劇 金鶏 二番花
あやめ十八番
座・高円寺1(東京都)
2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
舞台の熱量と使い方に歌詞まで下さり
歌への思いが伝わる作品でした
長丁場ながらも先の展開が気になり
飽きのこない時間を味わえました
ネタバレBOX
テレビジョン黎明期を担った歌手さんに
当時を振り返って回想を語ってもらい
それを時系列に沿って再現してく方式です
チョイとお婆さん時の
嗄れ声が聴き取り辛かったかな
結核で吐血するシーンの
小道具の用い方が巧みでした
舞台の高さも十二分に活かして
上の方も舞台として用いて
右上には大きな円形の装置も配して
ブラウン管みたいに影絵を映したり
工夫も楽しめました
小夏の青春
きむら劇場
高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)
2025/07/09 (水) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
無料公演。再演だが、演出と演技が違うようで 別公演を観た印象。
冒頭、前回は映像を使用したが、今回(初日)は高円寺K’Sスタジオの日下諭さんと「別れても好きな人」をデュエットするところから始まる。選曲は 劇中の映画スター 銀ちゃんへの気持か。前回は、銀ちゃんとヤスの人物像を立ち上げることで、逆に小夏の心情を浮き彫りにしていったが、今回は 小夏の心情を前面に出した描き方だ。
(上演時間1時間)
ネタバレBOX
会場入り口で 木村夏子さんが着物姿でお出迎え。素舞台。
物語は、人気俳優の倉岡銀四郎と新人女優の小夏が出会い、破天荒な彼に惹かれていく姿、彼を慕う大部屋俳優ヤスの奇妙な友情、2人の間で揺れ動く女優 小夏の姿を描く。公演の見所は 演技力。勿論一人芝居であるから、銀ちゃんの我儘や女遊びなどは小夏の心情として語り、ヤスは相手を詰るといった一人会話で情景を表す。衣裳替えで 舞台上に居なくなる時もあるが、そんな不在を感じさせないほどの高揚感と余韻を漂わせている。それを支える音響・音楽や色彩豊か・諧調する照明技術が巧い。それを日下 氏が担っている。
場所は、「新選組」の撮影真っただ中の京都撮影所。最大の見せ場である「池田屋の階段落ち」が、危険であることを理由に中止になろうとしていた。そんな中、小夏の妊娠を知った銀ちゃんは、スキャンダルを避けるため ヤスに彼女を押し付ける。銀ちゃんを慕うヤスは、小夏と結婚し自分の子として育てることを誓う。そしてヤスは、銀ちゃんのため、小夏や 生まれてくる子供のために、命を賭けた階段落ちに挑む。
見所は、演技力によって 小夏が<愛>もしくは<情>といった目に見えないコトに目覚めていく過程が切々と描かれているところ。印象的なのは、ヤスの実家へ結婚の報告、そして結婚式での様子が描かれている。銀ちゃんへの想いより、ヤスとの関りや暮らしが濃く描かれていた と思う。小夏曰く、「女は傍に居る人が好き」「必ず帰ってきて」と。女の心情・心境の変化といった情念にも似たような感情が迸る。前回に比べ 大きく激しい動作やアクションもある。驚いたことに、時々 「飛龍伝」の神林美智子や「売春捜査官」の木村伝兵衛といった、別作品の女性の影がチラつく そんな錯覚に陥る。やっぱり つか節(台詞回し)がそう思わせるのだろうか。
着物から上下黒の洋服へ、そして脱いだ着物を抱き撓るような姿態が艶めかしい。ヤスに対しては危険なスタントに対する忠告をしつつ、それを強く止めない。銀ちゃんを思う気持、一方 ヤスはこんなにも危険な仕事をしているのに 小夏がまだ銀ちゃんを慕っている、その心の内の苦しさ故の妬みや荒み。しかし そんなヤスに対して小夏は普段着。そこには本来の 着飾らない素直な小夏がおり、生まれた子供(娘)がいる。銀ちゃんにもヤスにも似ず、母似の娘…そこに小夏の強かさを見る。ちなみに黒衣裳は、次回「売春捜査官」のPRを兼ねての演出。
つかこうへい が、最後の付き人兼運転手だった木村夏子さんのために…それに応えるかのような気迫ある芝居。1人で主役3人の微妙な心持と奇妙な関係を見事に表現した好公演。次回公演も楽しみにしております。
ケチャドバ!Bottle1「フルハウス」
プラチナ・ペーパーズ
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
会場に入るとまず目を引くのが「舞台上の舞台」。劇中の公演のための舞台装置を背面から見たものでその時点では閉じているパネルが開くとその向こうには3・7・3席が7列の91席の客席まで(こちらを向いて)あるという再現度。
そんな装置で繰り広げられるのは演出家が急遽入院したとの報が公演前日の場当たり開始前に入り動揺しつつ「どうにかしよう」と奮闘する関係者たちの(文字通りの)舞台裏。
役者・スタッフや関係者それぞれの想いが説得力(?)をもって描かれるわあまり演劇を知らない当日運営手伝いを配してその人物に説明する形で観客に用語その他を説明するわ観劇マニアはもちろん観劇初心者(?)にも楽しめる作劇はまさに名人芸。
やはりバックステージものというのは作家・演者の「演劇愛」を端的に表現するなぁ、と改めて感じた。
なお前々夜に観たトツゲキ俱楽部「金曜はダメよ♡」も本作も掃除のオバちゃんが妙にエラそうな共通点がありニヤリ。