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脚光を浴びない女

脚光を浴びない女

グッバイハローproduce

サンモールスタジオ(東京都)

2026/02/17 (火) ~ 2026/02/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

〈グッドチーム〉

初演は劇団ハートランドで2015年。劇団が女性のみの演劇ユニット、プレオム劇に再編されて再演、再再演。今回、4回目だそうだ。中島淳彦氏脚本、青山勝氏演出となると観たくなるのは至極当然。期待にたがわずメチャクチャ面白い。
女性ばかり団地のご近所モノとして「昭和のアンパサンド」みたいな濃い笑い。構えは今村昌平っぽい重喜劇。今平の『うなぎ』みたいな苦笑気味の重い奴が炸裂。笑うに笑えないネタだが、ググッと喉の奥で笑う奴。

工業地帯に立つ市営団地。築50年、4階建てでエレベーターもない。主人公、中村まゆみさんはスーパーでパートをしつつ工場勤めの旦那とアメフト部の大学生の息子を持つ3階住まい。溜まり場になっているのか来客が多い。九州の父親が亡くなって一年、実家で一人暮らしの母親(西山水木さん)が五万円お小遣いをくれた。かつて一瞬だけ弱小芸能事務所に所属した過去もある彼女はふとエレキ・ギターを買おうかと思い付く。

団地の取り壊しと立ち退きの噂。元教師のもりちえさんは高校生の娘(演出助手の高橋真希さん)がグレてピンク・パイレーツ?という名の暴走族に加入、頭を悩ましている。

田中千佳子さんの中学生の娘(伊藤りりかさん)は将来について悩んでいるらしい。

上階の山口智恵さんは惚け始めているのか毎回階を間違えて帰宅してしまう。

団地住民皆が怯えている元工場の労組の女リーダー、中村裕子さん。独自のルールで皆を仕切る。

団地に越して来たばかりの井場景子さん。人間関係はよく判らないが何とか苦笑いで皆に合わせないと。

とある事件で一年間ここを離れていた高山佳音里さん。

中村まゆみさんのスーパーの同僚、木下綾夏さんはバンドを組んでいるそうでエレキ・ギターの相談に乗ってくれる。

サンモールスタジオは喜劇の聖地。観客は沸きに沸いた。キャスティングで既に成功は約束されたようなもの。甲乙つけがたい手練役者が奏でる協奏曲。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

中村まゆみさんのよく通る声、もりちえさんのコーラスとカホン、山口智恵さんの縦笛···、曲も素晴らしい。西山水木さんが小節を回す『北国の春』も決まる。

伊藤りりかさんは無気力ダンスが素晴らしい。何処かで観た記憶があるが思い出せなかった。
ハッピーハードラック

ハッピーハードラック

sitcomLab

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2026/02/11 (水) ~ 2026/02/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

シットコムはハズレなしですね。
いつも観客にわかりやすく楽しく笑える脚本は本当に素晴らしいです。役者の皆さんはみな演技が上手な上に、開演直前までイベント対応してる余裕ってすごいなぁ。

2時22分ゴーストストーリー

2時22分ゴーストストーリー

東宝

シアタークリエ(東京都)

2026/02/06 (金) ~ 2026/03/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

主演・加藤シゲアキが終了後に「口止め」するほどネタバレに気を遣っている本作。

言える範囲のことを書くと「序盤から目に見える規模で伏線がいくつも貼られてる」
「でも脚本演出の妙でたいして気に留まらないまま流されていく」という話。後から
振り返って「あ~あれそういうことなのか」と納得する感じで、できれば2回観た方が
いろいろ「答え合わせ」できて楽しいかもしれない。

主要人物は以下の4人。

サム(加藤シゲアキ):大学の天文学教授。徹底した科学信奉者で上から目線に人へ接しがち。
ジェニー(葵わかな):サムの妻で元小学校教諭。キリスト教信仰深い家で育ったためオカルティックなものに極度な親和性がある
ローレン(南沢奈央):サムの大学時代からの古い友人。サムほどではないが合理主義的でさばさばした性格。男運がないらしい・
ベン(松尾諭):ローレンと同棲している建設業者。懐具合は正直あんまりよくなくどこか屈折した感情を抱えている。

観終わってから言えるのは……リアルでは死んでも関わりたくない人ばかりだよ!

ネタバレBOX

葵わかなは台本読んでいるとき、ガチで怖かったそうだけど、ホラー的な演出などは実はそんなに
恐ろしくなく、実際はある事柄をきっかけに普段は理性で武装している人たちがいともたやすく
壊れていってしまう、ということの恐ろしさの方がリアルに感じた。

あと、思っていた以上にキリスト教というか宗教的な要素も強くって、日本にいると分からない
「強烈なまでに強い信仰心またはオカルティックな考え」がヨーロッパで今どう受け止められて
いるのか、そして2020年代の今でも深く深く思考や価値観の部分で生き残っているということも
すごく伝わってきた。こういう考えの人って普段は分かんないけどあちこちにいるんだろうな……。

タイトルも回収される最後なんだけど、個人的にはものすごく悲しい話だと思った。2時22分以降の
展開が気になる(特に約1名はよりどころも消滅してどうなるんだろう)。想像していたより普通の
最後だったかもだけど、上演中は着地点が見えなかったのでエンタメとしてすごくいい作品だなと。
UME

UME

株式会社オフィス鹿

サンシャイン劇場(東京都)

2026/02/15 (日) ~ 2026/02/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/02/16 (月) 13:30

最後に誰が勝つかドキドキハラハラ(江戸時代のほう知ってるんだけど)。音楽も大音量で強力。

ヂャスヴュラ

ヂャスヴュラ

おぼんろ

本多劇場(東京都)

2026/02/12 (木) ~ 2026/02/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/02/14 (土) 13:00

会場が広くなったぶん客演をたくさん呼ぶのかと思ってたら、コアなメンバーだけの上演。なのにスカスカ感がないのはさすが。歌がさらに強力に。

強いてマイナス面を探すとすれば、背もたれのある椅子に深く座っちゃうと、役者が客席後方から登場した時に、後ろに振り向きづらいことかなあ(要するに私の側の問題です)。

ハッピーハードラック

ハッピーハードラック

sitcomLab

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2026/02/11 (水) ~ 2026/02/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

言葉の足りなさのすれ違い、思い込みのすれ違い、お話の中の人たちはそれぞれが真剣だけど、観劇してるほうは全てが見えているからあー、そうなる!?と大変楽しく観劇させていただきました。

UME

UME

株式会社オフィス鹿

サンシャイン劇場(東京都)

2026/02/15 (日) ~ 2026/02/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

現代の保険金殺人事件と江戸時代の吉宗兄弟殺し事件が交錯する音楽劇、一人多役で何ともドタバタですが、なかなかに楽しめました。

ぴかり

ぴかり

もちもち

cafe MURIWUI(東京都)

2026/02/14 (土) ~ 2026/02/16 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/02/15 (日)

価格3,000円

素敵!

大阪演劇祭2026

大阪演劇祭2026

大阪府・大阪市・大阪文化芸術事業実行委員会

HEP HALL(大阪府)

2026/02/14 (土) ~ 2026/02/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

無名
こちらは親子間あるある
私の母の言葉を借りると、下の子の方がそれも同性が可愛いと…
夢を追い求める一番下の子と父親の話
漫才は今ひとつだが、演技は素晴らしい
演劇にリアルを求めない人にはハマらないかもですが、私は好きです!

大阪演劇祭2026

大阪演劇祭2026

大阪府・大阪市・大阪文化芸術事業実行委員会

HEP HALL(大阪府)

2026/02/14 (土) ~ 2026/02/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

プロトテアトル
夢?を追い求める男とそれを支える女
男は定職にも付かず言い訳ばかりで、家でゲーム… 女は夜の仕事にでて…
巷に良く有る紐男の話
リアル過ぎて…

ヂャスヴュラ

ヂャスヴュラ

おぼんろ

本多劇場(東京都)

2026/02/12 (木) ~ 2026/02/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

千穐楽観劇。
面白い。井の中の蛙が外の世界を覗いてみれば、そこは仁慈どころか残酷なところだった という寓話。外という未知の世界での冒険が始まる。それを おぼんろ らしいファンタジーとして描く。本作も物語性は勿論、照明・音響/音楽といった技術、舞台美術の演出が素晴らしい。特に可動する櫓状の造作をフルに動かし情景を豊かに紡ぐ。舞台全体が亀甲ひび割れ模様、それは美しくも惨い証。照明は夜空を照らす月であり 星々である。井戸の中を照らす月明り、その4分58秒間が愛おしい。

本多劇場での全ステージ 投げ銭公演。上演前と後、場内至る所で語り部(出演者)が参加者(観客)と談笑し、一緒に写真を撮って和気藹々と触れ合っている。投げ銭公演といってもいつもと同じ。いつの間にか参加者は おぼんろ の世界へ誘われ、その雰囲気に陶酔していく。この同化・没入感が おぼんろ の魅力!
(上演時間2時間15分 休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は、大小形の違う櫓状の造作が2~3、それらを人力で動かし組み合わせや向きを変えることで情景に変化をつける。天井には逆さにした傘が吊るされ、降水を待っているよう。この島にはめったに雨が降らず、日照りで大地がひび割れている。逃げ場のない島という設定が妙。

井戸の中にいる蛙の3兄弟、イモリに外の世界の様子を聞き 憧れている。いつか外へ出てみたいと願い跳躍を重ねていた。念願かなって外へ出てみれば、そこは雨が降らず乾ききって殺伐としていた。人間は絶滅し 小動物の多くは奇形。人間が遺した建物は廃墟、そこに梟とヤドカリ。梟は片羽を痛め飛べず、仲間のように他の地へ行くことが出来ない。翻って この島にいることに意味があるのではないか と自己肯定する。島にいる小動物に水を与え、雨乞いの儀式も行っている。蛙3兄弟も梟の手助けとして雨乞いをする。そして黒い雲から雨が降るが…。

人間が遺した施設は放射能に汚染され、小動物に配水しているのも汚染水。たとえ汚染水でも水がなければ生きられない、奇形になっても生き長らえるか死ぬか という究極の選択を迫られている。梟は汚染水と知りつつ配水を続け、長男 蛙はそのことを糾弾し小動物たちに真実を告げる。その結果 小動物たちは梟を詰り信じなくなり、蛙3兄弟もバラバラになる。おぼんろ らしい弱き物(本作では蛙)の観点から、今の社会を批判的に見詰める。それは大上段からの理屈ではなく、あくまでファンタジーとして見せつつ、参加者に考えさせる。ラスト、前方客席まで広がるスモークマシンは まるで雲海の中、環境も精神も浄化されるような清々しさ。

井戸の中に月明かりが照らされるのは4分58秒、その光を愛おしむ様に体を少しずつ傾ける。狭いが兄弟仲良く平穏に暮らしていた日々、しかし未知への好奇心によって過酷な運命へ。そのドラマチックな展開が参加者の関心を刺激し語り部と一緒に旅へ、そんな一体(没入)感が おぼんろ公演の魅力。今の時代、2.5次元で魅せることも出来るであろうが、敢えてキャスト・スタッフ総動員で舞台美術を動かす。そこにも表立たない一体感を見るようだ。
次回公演も楽しみにしております。
『止めるな』

『止めるな』

劇団皆奏者

ウイングフィールド(大阪府)

2026/02/13 (金) ~ 2026/02/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

時間停止と人間の葛藤 生きる事 とても面白かった。
この状況、孤独感。存在しているのに、この世界にいないような感覚。
徐々に狂っていく。
できることを突き詰め、動き続けた。
40年 もう覚えていない。
4人だけの社会。無限の時間。彼らは十分に生きた。
「もう許してあげてほしい」
止めてはいけない。
その一歩に必要な勇気。人の心の弱さと強さ。
母の想い。

ピーターとアリス

ピーターとアリス

梅田芸術劇場

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2026/02/09 (月) ~ 2026/02/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度

舞台,小道具の使い方は面白かったです。
「不思議の国のアリスとピーターパンが大人になり 出会った」と言う最小限の内容しか知らずに 観て来ました。私には合わない劇でした。多分脚本と演出が苦手な部類だったのだと思います。救いは麻美れいさんが等身大で晩年のアリスを演じていたところです。
台本によるセリフの昔から良くある「まるでそれは〇〇の様な…」という言い回しや 言葉数の多さ 要らない言葉が,いっぱい詰まっていて 役者はそれを何回も練習して流れる様に発していましたが 初見の私には荷が重かったです。

ネタバレBOX

ピーターパンや不思議の国のアリスのモデルになった2人が後に出逢う とても素敵な題材だと思っていましたが まぁ現実は子役やアイドルに良くあった周りの勝手な思い込みやプレッシャー 作家の縛りなどから人生が狂っていったり! 自分の人生をキチンと生きたり!
でも なんか 観た後救われない舞台だったなー
眠レ、巴里

眠レ、巴里

華翔

中野スタジオあくとれ(東京都)

2026/02/12 (木) ~ 2026/02/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

プログラムに掲載されていたモチーフの悲しい話と舞台のイメージが違い、意表を突かれました。切なくとても深い作品ですね。40年前に起きた事件ですが、昔はサラ金、今は闇バイト、世の中はそれほど変わっていないと思いました。初日でしたが、満席の大盛況でした。

2月の花火

2月の花火

ヒトトナリ

千本桜ホール(東京都)

2026/02/10 (火) ~ 2026/02/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

分かりやすいストーリーでところどころ笑いもあって、面白かったです。舞台の民宿がうまくはまっていて違和感なく楽しむことができました。こんな民宿あったら、泊まってみたいですね。伏線がセリフで一気に明かされてしまい後半の盛り上がりが少々足りないのと、ライターの立ち位置に少々無理があるようにも思われて、その点は少し惜しいなと思いました。

レイディ・ベス

レイディ・ベス

東宝

日生劇場(東京都)

2026/02/09 (月) ~ 2026/03/27 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2026/02/16 (月) 18:00

185分。休憩25分を含む。

黒百合

黒百合

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2026/02/04 (水) ~ 2026/02/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

オープニングがカッコイイ。二人のスタッフがズルズルと一本の花の咲いたズタ袋を上手下手から引きずって来る。いつしか沢山の花が咲く舞台に。岡本夏美さんが現れ、その中の一本の花を摘む。するとズタ袋からは人間の手が突き出ている。また摘むと手、また摘むと手。人間の手が地べたから咲いている奇妙な絵。そこから役者達が這い出してオープニングに。美しい花を摘む行為の裏に潜む生命を殺す残酷さ。

富山県知事の令嬢勇美子(土居志央梨さん)はフランスの帰国子女で植物収集愛好家。子爵・千破矢家の若き当主、千破矢滝太郎(木村達成氏)が屋敷にやって来て食虫植物のモウセンゴケをプレゼントする。それに魅入られる勇美子。

富山には「白山の黒百合伝説」がある。織田信長の親衛隊であった佐々成政(さっさ・なりまさ)は越中国(現在の富山県)の富山城主。愛妾の早百合(さゆり)をことのほか愛していた。だが早百合が不義密通して別の男の子供を懐妊しているとの噂を耳にして激怒。神通川の畔の一本榎に吊るして惨殺した。それは全くの濡れ衣で早百合は「立山に黒百合咲かば、佐々の家は滅しよう。」と呪って死ぬ。その呪いの通り、後に佐々成政は黒百合にまつわる出来事から切腹に追い込まれる。

勇美子はその呪われた黒百合が欲しくてたまらない。立山にある石滝(いわたき)の奥深くの蛍の名所に、黒百合が咲くという。神通川の支流の奥の奥の魔所で人が立ち入ると暴風雨が起きる言い伝え。屋敷に出入りする花売りのお雪(岡本夏美さん)に金は幾らでも出すから摘んで来るよう言いつける。お雪は町で評判の美人で狙う男は数多い。だが目の病を患った若山拓〈ひらく〉(白石隼也氏)の面倒を見て二人で暮らしていた。

滝太郎は旅商売で行商をしている露店に行き合う。銀メッキ加工の商売をしているお兼(村岡希美さん)に自分の純金の指輪を加工するように頼む。実はこの指輪をくれたのはお兼で隠し刃が仕込まれている代物。それを見て滝太郎に気付くお兼。8年振りの再会。

岡本夏美さんが可愛い。昔、西野未姫に似ていると思って覚えた。
木村達成氏は大沢樹生に似ていてピカレスク顔。この役に嵌まる。
白石隼也(しゅんや)氏は岩田剛典に似ている正統派ハンサム。凄く唾が飛ぶので共演者は大変そう。
慶造役に外山誠二氏。
女中の道役に大西多摩恵さん。
荒物屋の婆さん役に白石加代子さん。

ネタバレBOX

白石加代子さんの台詞が飛んで岡本夏美さんがフォローするシーンがあった。

若山拓(ひらく)の原作での設定。
反社会的勢力組織(盗賊団?)の親分の一人息子。元海軍大佐?の親父が刑務所に収監されて娑婆にいない時を見計らい、家屋敷財産を勝手に処分し被害者への補償、賠償に当て全てを捨てて東京を離れた。理学士の学位を持つ。
2年前、富山にやって来て旅館に泊まるも持ち物一切合切を泥棒に盗られ無一文に。面倒見の良い地方裁判所の検事が身柄を預かりその援助で私塾を開いた。順調に生徒も集まり軌道に乗ったが運悪く目の病を患う。授業もままならず無念の閉塾、無収入に。生徒の一人がお雪の兄で療養の為にと家で面倒を見てくれた。その兄も兵隊にとられ、今ではお雪一人が花売りで養っている。

拓が夢で石滝の魔所での二人を見るのは原作通り。
神通川の氾濫で辺りは大洪水に。滝太郎は拓とお雪を担いで逃げるが水に呑まれる。お雪は拓だけでも救けて貰う為に自ら水に飛び込み死んでいく。
エピローグとしてその後、黒百合丸が出航し甲板に若山拓、千破矢滝太郎、慶造、お兼の姿。盗賊にでも出掛けるのか?

テンポが悪くかったるい。演出家は芥川比呂志演出の『夜叉ヶ池』を意識して狙ったのではないか?もしそうならばまずそこが間違っていると思った。
第一幕はしょぼいけれど自分的にはまあ有りだった。掛ける小屋を間違えた作品。新橋演舞場や明治座でやるべき演目。大衆芝居ということならまあ色々と許せる。だが第二幕は···。これだけ酷いのはなかなかない。もうこんなの全部夢オチで良かったと思う。客にとっては全てがどうでもいい話。脚本にも演出にも誰も突っ込まなかったのか?余りにホンが酷いので気になって原作もチェックした。だがほぼ原作通り。泉鏡花初期の失敗作。何の構想もなく行き当たりばったり適当に書き殴ったような話。相当弄らないとまともな作品には直らない。

脚本オリジナルの部分も訳が分からない。
お雪が拓とどうして出会って暮らしているのか全く記憶にないという設定。そこが何か意味有りげだが何もない。
黒百合を採りに行くことを拒否するお雪に勇美子はモウセンゴケを凝視させる。「行くのよ、貴方は、行くの。」暗示にかけたようだがもう既に行動は決まっていると言わんばかり。勇美子は観客の知らない何かを知っているような思わせ振りなシーン。だがただそれだけで何もない。それでいて何故かお雪は石滝に向かう。
※好意的に解釈すると原作の『黒百合』がそうなっているのだから虚構の登場人物であるお前の行動は決まっているのだ、と脚本家はメタ的に告げたとも取れる。そこまで『黒百合』をメタとして弄るんなら泉鏡花も引っ繰り返るようなラストを用意せねば。

フリンジのビニールで表現した滝もしょぼい。初め何なのか判らなかった位。唐突な洪水が禁忌の聖地で黒百合を摘んだ神罰だとしたら水の表現こそが重要。怒りに満ちた水が人間共を呑み込まないといけない。その全てが口先だけで安っぽい。
#13『惑星Bb◉忘れた凡ての時間たち』

#13『惑星Bb◉忘れた凡ての時間たち』

劇団スポーツ

駅前劇場(東京都)

2026/02/13 (金) ~ 2026/02/16 (月)公演終了

実演鑑賞

劇団の近作を何本か観ています。印象として「コメディ要素を徐々に強めつつある青春群像劇で、公演を重ねるごとに観客の反応も上々になってきている」と感じていました。今作も、観客の反応は良く、適所でしっかり笑いも取れており、青春群像劇である、と言えるのですが、全編に流れるトーンは近作数本と異なり、やや内省的になっています。十年前に事故で亡くなった演劇仲間が幽霊となって再来する…という物語なので、友人の死を取り扱うが故のトーンとも言えますし、劇団が元々やりたいことが、コメディよりもこちらにあるのでは? と推察することもできます。僕自身、否定的に捉えているのではなく、笑いを取り入れつつ多様なドラマにチャレンジできる団体だと思っていて、今後の活動にも注目したいです。ここ数作で団体が取り組んできた、「やり直しを繰り返して、いつか正解に辿り着くコメディ」の延長線上、あるいは発展系にある一作に感じられました。

ヘカベ/ドゥロイケティス

ヘカベ/ドゥロイケティス

お布団

アトリエ春風舎(東京都)

2026/02/12 (木) ~ 2026/02/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

観劇後に、原作『ヘカベ』のニュアンスってどんな感じだったっけ? と思い、ネット検索してみると、いま観た上演作品の印象とそれなりに剥離した「悲劇のあらすじ」が表示され、心の中で思わず「……おおお」と唸りました。おそらくAIによる要約なのですが、検索結果として出てきたあらすじは、極めて端的に、かつ要所を押さえた「とても悲劇的な物語」だったのです。ですが、この上演を観ると、AI要約のような分かり易い悲劇では全くなく、むしろ多面的、傍観的、そして複雑に入り組んだ繊細な物語に感じられます。戦争は悲惨だ、悲劇的だ。これを否定する人類はほぼいないでしょう。ですが、それが分かっているにも関わらず、人類は戦争を起こし続け、選択を誤り続けている訳で、そこには相応のメカニズムや因果、背景があるはずです。この上演は、人間同士の争い事や戦争について、多角的な視点から解釈することができます。おそらく観客は自分なりの解釈で作品を紐解き、そこから教訓や論点を導き出すはず。その論点の多さが、議論そのものを不成立にするほど、多くの視点から語ることができます。ひとつの物語として観ても引き込まれ、特定の視点にとどまらず多角的な解釈を導き出し、俳優たちの息遣いにも魅了される。古代のテキストを用いて現代演劇へと接続する、演出家や劇団の功績は見事。シンプルな小道具を組み合わせて空間を形成し、小さな会場を演劇空間として満たす、小劇場演劇の醍醐味を実感できた公演でした。

UME

UME

株式会社オフィス鹿

サンシャイン劇場(東京都)

2026/02/15 (日) ~ 2026/02/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

開場後のロビーはお祭りの露店のような賑やかさ。2017年に上演した『不届者』を、音楽劇にリメイクしたのが本作だそうだが、個人的にはその音楽というか、オリジナル楽曲にあまり印象に残るものがなく(=終演後も頭の中に鳴り続けるような曲、という意味での)、主演の松岡充をはじめ、出演陣の歌唱は概ね良かっただけに、そこはちょっと残念な気が。

ネタバレBOX

まあ、だからこそ最後の、オリジナルではないあの名曲(歌詞は違う)が、あれだけ強い印象を残したとも言えるのだけど。

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