最新の観てきた!クチコミ一覧

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桜歌

桜歌

ラビット番長

演劇制作体V-NETアトリエ【柴崎道場】(東京都)

2018/02/02 (金) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

不覚にも涙腺が緩んでしまった感動の舞台、今後も続けて行って頂きたいですね!  詳細については私のブログ記事をどうぞ。→http://idolarayama.seesaa.net/article/456622088.html

『カザカミ』

『カザカミ』

kazakami

インディペンデントシアターOji(東京都)

2018/01/31 (水) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

身近で切実な問題を分かり易く取り上げてくれました。

ネタバレBOX

パワハラ、モラハラなどの古い因習がまかり通っている職場で精神的に疲れ休職した女性が、睡眠薬を飲んで眠っている間に、夢の中で先輩に連れられて職場の人たちの姿を見ることによって少し元気を取り戻すというストーリー。

誰が悪いというわけでもないということでしたが、一番悪いのはセクハラ等の相談室を設置しただけで受け身に終始しているこの会社の体質です。もっと積極的に取り組まないといけません。

せっかくパワハラ上司に耐え、自分なりの理想像を持ってようやく上司になれたのに、同じ轍を踏むとはがっかりです。部下の指導法を教えてもらっていないなんて言い訳は言語道断です。本人も悪いし、人事部も悪いです。

古い体質から変わる過渡期の人には高い意識が必要です。学校で体罰はダメと決めたら、自分が体罰を受けて育った過去があっても仕返し的憂さ晴らしはしてはいけません。先輩が後輩をいじめる体育会系クラブでも、フラット化を決めたら仕返し的憂さ晴らしは避けなければなりません。相撲部屋の親方は竹刀を持ってはいけません。少年野球の指導者は子供の前ではタバコを吸ってはいけません。

恨みの連鎖は断ち切らなければなりません。
Do Munch

Do Munch

みどり人

新宿眼科画廊(東京都)

2018/01/26 (金) ~ 2018/01/30 (火)公演終了

満足度★★★★

上演前にスクリーンに静止集合写真(チラシの人物写真)を蠢めかせるように小刻みに揺らしながら、ムンクの絵画に重ね合わせるような、スクリーン-プロセス手法で見せ続ける。公演は、どこにでもいるような人々の暮らしを坦々と描き、些細なこと…「これからは、息づき、感じ、苦しみ、愛する、生き生きとした人間を描く」(ムンク-副題)する様子を描いたもの。序盤はパントマイムと擬音が大仰な演技に思えたが、それも始めのうちに状況と情況を説明するためで、公演時間に占めたのは短時間であった。少年時代に受けた肉親(母・姉)の死、その悲しい思いが心の傷になっている男、それをムンクの人生と重ね合わせて観せた珠玉作。
(上演時間1時間20分)

ネタバレBOX

客席はL字型、舞台は素舞台である。上演前はスクリーンへの映写があるが、あくまで心象形成に止まる。また壁には何枚かのムンクの絵画が飾られている。ちなみに、当日パンフ中面のムンクの絵「カール・ヨハン通りの夕べ」は、本公演チラシ(登場人物7人)写真の構図に似ていることから意識したもののようだ。

登場人物は7人(アパート大家、コールセンター勤務の男性1名、女性2名、コンビニ店員男女1名、コールセンター、コンビニ店員の兼職1名)で、生活・仕事ぶりを通して人柄なりが自然と表現される。疎外的なイメージの人間による濃密な会話劇がアンバランスでありながら、目が離せないのは巧みな演出だからであろう。冒頭から女性3人が別空間でありながら横一列に並び出勤する準備をしており、孤独感が漂うようだ。

登場人物は基本的には独り者、アパートに一人で住んでいる。そこには都会生活の寂寥感が漂う。また仕事はコールセンターという相手の姿が見えず、受身一方の仕事のストレス。またコンビニ店員という接客業は、客に気を使う勤務、ローテーションに苦慮する責任者の姿。仕事への生き甲斐というよりは、坦々と時間の経過に身を委ねているだけという無為な様子(=都会人の表徴か)が窺える。頻繁に早退する、在日韓国人アイドルへの虚妄など、第三者には分かり難い、理解し難い行為であっても、生きていくための自己防衛本能かもしれない。その行動をよく観察し弱い人間性を上手く表出している。

暮らしの中で小さな事件が起き、人間関係を大きく揺さぶり、人の心の闇に迫っていく。この行為にこそ孤独と独善、不気味さを孕んでおり、過去(幼い頃)のトラウマが垣間見える。独身女性の部屋に大家が合鍵を利用し忍び込み、ムンクの絵画を眺める。責任追及する周囲の人々が発する言葉…エドヴァルド、茂道はムンクであり大家の名でもある。この過去回想への強烈な印象付は、2人の人生を重ね合わせた見事なラストシーンだ。

次回公演を楽しみにしております。
ハラカラ・コエダス・レクイエム

ハラカラ・コエダス・レクイエム

GAIA_crew

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2018/01/25 (木) ~ 2018/01/29 (月)公演終了

満足度★★★★

「グリーンフェスタ2018」特別公演、この芝居は再演(再葬)で初演は「グリーンフェスタ2014」で、その時に”BASE THEATER賞”を受賞している。初演も観劇しているが、今回は微笑ましいシーンも多く、作・演出の加東岳史氏が当日パンフに「会話劇ベースのチョット不思議な話なのですが、やはり初演より少しエンタメっぽい演出になってしまいました」と書いており、その延長線上での再演らしい。
面白いにも係らずカンパ制(気持ちの香典)。
(上演時間1時間50分)

ネタバレBOX

舞台セットは中央に祭壇のみ、上部に遺影(破顔で滑稽な姿)が飾られている。ちなみに初演時には白木の祭壇でレンタル料が高額なこともあり、他の劇団と共同で借りていた。

交通事故で亡くなった女性が成仏できず、この世を彷徨い自分の葬儀を別の世界から眺めるというもの。根底にあるのは「腹から声出すレクイエム(鎮魂歌)」か、もっとも主人公は”肥えだす”人であったが、いずれにしても思わぬ事故で亡くなったことへの慟哭がしっかり伝わる。公演は映画「生きる」(黒澤明監督)を連想してしまう。もっとも映画は病死(癌)で、死ぬことが分かっていた主人公(地方公務員)が、それまでの人生を顧(省)み、後悔しないような生き方に改めた姿が映される。公演では交通事故で亡くなった後の家族や職場(銀行)等、周囲の人々の思いの中で主人公の人柄なりが描かれる。人間的な深みというよりは、日常を坦々と真摯に生きて来た、特別な人や出来事ではなく普通の人が描かれているところに共感、親しみを覚える。それは故人を偲ぶという荘厳な儀式ではなく、儀礼的に執り行うといった感じである。それが段々と意識の変化が生じ、家族の絆、職場での評価など良い方向へ展開して行く。
故人を描きながら葬儀を通して人の嫌らしい面、例えば次女は葬儀に託けて彼を紹介しようとする。過去に結婚詐欺に遭い、今度の彼の見栄えを良くしようと容姿(鬘)や職業を(警官と)偽る、三女は姉(故人)の遺産を探し回る等、欲望・虚栄・偽善などを断片的に織り込み、物語を単なる回想から重層的な物語に仕上げている。そして動かぬ故人は、他者の動作で存在感を示す(体重が重たく棺桶を動かせない)。

もう一つの見所は、主人公は霊であることから生者とは話すことが出来ず、その思いは死神(女の子)の力を借り、葬儀社のアルバイトを通じて意思疎通を図ることになる。アルバイトは、ヤル気がなく少々頼りないが、段々と周囲の人の勝手気ままな言動に呆れ、一方主人公の真面目な性格などに心が動かされる。アルバイトという中途半端な気持から、死者と残された人の気持に寄り添う葬儀の仕事に遣り甲斐を見出すという成長の姿が描かれる。

葬儀という儀式を通じ一人ひとりの人間性を炙り滲ませる演出は見事であり、同時に第三者(葬儀社の社員-アルバイト)を巻き込んだ成長、一種のサクセスストーリーは仄々とし心温まる公演であった。ラスト、死神ならぬ別の正体が明かされ余韻が…。

次回公演を楽しみにしております。
オホヒルメ

オホヒルメ

アブラクサス

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2018/02/01 (木) ~ 2018/02/05 (月)公演終了

満足度★★★

衣装やヘアメイク、舞台装置が素敵でした!
一年分の大河ドラマをいっきに観たようなスケール(笑!)
よって情報量が膨大なので、
物語の展開についていけなかった(泣)
全編を通じて、同分量でエピソードが進んで行く感じがしたのですが、
どこかのエピソードをピックアップして、
政治的な人間模様を細かく描くと、
よりドラマティック且つスリリングになったような気もしました。
色々な年代の役者さんが演じられているのは、
説得力があって本当に素敵でした!



エピメテウスの眼鏡

エピメテウスの眼鏡

劇団レトルト内閣

HEP HALL(大阪府)

2018/01/26 (金) ~ 2018/01/28 (日)公演終了

満足度★★★★

生演奏による音の重み響き、ミュージカルのようで楽しかったです。舞台セットに照明も好きです。役者さん達が豪華なだけあって面白い作品でした。

三人姉妹はホントにモスクワに行きたがっているのか?

三人姉妹はホントにモスクワに行きたがっているのか?

鈍牛倶楽部

駅前劇場(東京都)

2018/01/26 (金) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★

よくわからなかった。事前に本を読むなりの準備が必要?演劇を見はじめて1年の自分にはわかりにくかったです。それでも演者さんのエネルギーだけは伝わってきた、はじめて見た片山さんの演技は素敵だなと思いました。

瀬戸の花嫁

瀬戸の花嫁

ものづくり計画

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2018/01/31 (水) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

あぁ~瀬戸の方言に癒される~。
お嫁さん候補を心待ちにする島民と一緒になって、こちらのワクワク感もヒートアップのオープニング。
そうそう!やっぱりこういうイベントは迎える前が特に楽しい。
遂にやって来る運命の日。
ここまで漕ぎ着けるまでにもいろいろあって、もうすっかり自分も瀬戸の仲間気分。
既にこんな気持ちにさせるなんて「この作品なかなかあざといなー」と思いながらも、どの役者さんも役に入り込んだ表情のひとつひとつが実にイイ。
そして言葉の掛け合いのタイミング!・・・なんて絶妙であざとい。あぁでもそれが楽しい。
島民の皆さんの思惑は赤裸々に、女性陣の本音はまだちょっと不透明なのが、またイイ。
イベンターの人達の仕切りも心憎くて実にイイ。
もうラストを待たずに心のホカホカメーターはMAXに。
こういう心の芯まで温まる作品は、観る者を無条件に笑顔にしてくれるのでとても貴重。

オホヒルメ

オホヒルメ

アブラクサス

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2018/02/01 (木) ~ 2018/02/05 (月)公演終了

満足度★★★

開演前に当日パンフを読んで登場人物のプロフィールをチェックしたのですが、やはり馴染みのない(自分の不勉強のせいですが)歴史物だとストーリーを追うのが精一杯。セリフも結構難しくて、漫然と聞いていたのでは頭に入らないし、役者さん達もしばしば噛んでましたね。それでもかなり興味深い話でありました。

明日になるまえに

明日になるまえに

おやすみ深呼吸

テルプシコール(TERPSICHORE)(東京都)

2018/02/02 (金) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

おたまじゃくし【15日より大阪公演開幕、チケット好評発売中!】

おたまじゃくし【15日より大阪公演開幕、チケット好評発売中!】

劇団鹿殺し

座・高円寺1(東京都)

2018/02/01 (木) ~ 2018/02/12 (月)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

そう言ってはなんですが、鹿殺しさんの作品としては素直に腑に落ちて共感できるお話でした。私が誘って一緒に行った友人も「とても良かった!」と言ってくれました。劇中の歌も素敵でCDが欲しかったです。アフタートークもそれぞれのお人柄や好みが分かって楽しかったです。

追記:2022年8月6日 20周年記念配信で見ました。あきのりは自分の未来を変えることができたということだったんですね。ここにたどり着くのに4年かかってしまいましたが、配信で見られて良かったです。

ネタバレBOX

タイムスリップものの疑問「あそこで現代に来たのは母子家庭だったからで、憲一が死ななかったら母子家庭になっていないわけで、そしたら・・・」と言うのは残りました。
あと、パンフレットの人物紹介の文字が小さくて辛いです。

瀬戸の花嫁

瀬戸の花嫁

ものづくり計画

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2018/01/31 (水) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

はじめからぐいぐいと話に引き込まれていきました。

ネタバレBOX

島の人たちのみなが家族であるという温もりがひしひしと伝わってきました。
お見合いというストーリーの中にも、いくつかの小さいドラマが盛り込まれていて、
横幅と奥行きのある見応えたっぷりで、笑いもありました。
最後はそうなるんだろうなあという展開ですが、
島のみんなの心の温かさに魅了されて、感動し、涙が出ました。
台本と演出もすばらしいですが、方言もすごくしっくりきて、演技も最高でした。
元気をもらった、すてきな時間でした。
ダンス30s!!! シアターコレクション

ダンス30s!!! シアターコレクション

モモンガ・コンプレックス プロジェクト大山 MOKK

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/02/01 (木) ~ 2018/02/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

■モモンガコンプレックス『ウォールフラワーズ。』鑑賞/約70分■
ただのダンス公演を超えた一級のバラエティーショー。ダンスはもとより、楽士の奏でる音楽、美術、照明…すべてを緻密に統合・制御し、可笑しみ、妖しさ、神々しさ…現出させたい諸々を的確に表現しおおせる白神さんの演出家としての才に射抜かれた。演出に多くを負わないダンス公演が多いなか、この図抜けた演出力は価千金。

瀬戸の花嫁

瀬戸の花嫁

ものづくり計画

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2018/01/31 (水) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/02/02 (金) 14:00

にぎやかで素敵なステージでした。誰が誰を好きになってという複雑な人間関係を見事に整理して表現し、しかも、全員の個性が生き生きと描かれていました。心があたたまりました。

小鳥たちのプロポーズ

小鳥たちのプロポーズ

劇団しゃれこうべ

ザムザ阿佐谷(東京都)

2018/02/02 (金) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/02/02 (金) 19:00

人生経験を積んだ大人でなければ演じられないステージでした。社会人劇団とのことなので、仕事の合間に稽古をしたのだと思いますが、丁寧な作りで、演劇大好きという気持ちが伝わってきました。

瀬戸の花嫁

瀬戸の花嫁

ものづくり計画

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2018/01/31 (水) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

初めての劇団さんでしたが、ほのぼのと、ゆる〜く続くストーリーに、ちょっと好みではないかなーと思いながらも、観終わったらホッコリしてました。これはこれでありかなーと。こういう世界観の劇団なんだなと納得です。

『カザカミ』

『カザカミ』

kazakami

インディペンデントシアターOji(東京都)

2018/01/31 (水) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★

じわじわ明かされていく展開は良かった。作品の持つ力みが伝わってきてちょっと疲れた。

Shakespeare's R&J

Shakespeare's R&J

トライストーン・エンタテイメント

シアタートラム(東京都)

2018/01/19 (金) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

演劇だからできること、だらけでした。官能的でスリリングな約2時間。

Bitter Room

Bitter Room

A.R.P

千本桜ホール(東京都)

2018/01/31 (水) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★

途中から、なんとなく展開は感じられてしまいましたが、面白かったです!ホテルマンがいいアクセントになっていました!

ネタバレBOX

わりと真面目なラストだったので、コメディー色の薄まった余韻になってしまいました
オホヒルメ

オホヒルメ

アブラクサス

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2018/02/01 (木) ~ 2018/02/05 (月)公演終了

満足度★★★★★

 738年女性として初めて立太子した後749年孝謙天皇として即位し、一旦は上皇に退きながら重祚し再度称徳天皇として返り咲いた聖武天皇と藤原光明氏の娘・阿倍内親王を中心に、物語は展開する。
背景には645年に大化の改新で功を遂げ死後天智天皇から藤原姓を受けることになった鎌足の子孫で紫微中台長官及び太政大臣を兼任した仲麻呂、同じく新勢力として躍進していた藤原四兄弟の子で従兄弟に当たる永手と共に律令制を取り入れようと画策していた。即ちこれまで朝廷を支えてきた旧貴族勢力、長屋王や橘諸兄・奈良麻呂らとは対立関係にあったのだ。
なお、この物語の半世紀ほど前には壬申の乱、更に10年程前には白村江の戦いがあり、大和は、大敗を喫していた。しかも壬申の乱では、天智天皇の子・大友皇子が叔父である大海人皇子に敗れ大化の改新以来天智天皇の重臣となっていた貴族達も散り散りになっていたため、天武天皇は皇族中心の中央集権政治を実現することができるようになっていた。
 今作は、このような経緯があって後、疲弊した大和で仏教を重んじた聖武天皇及びその子、阿部内親王(718年生まれ。後の孝謙、重祚して称徳)は、728年に生まれた弟、基の死を受けて女性初の立太子として立った後、749年に即位したのだ。(追記2018.2.3)

ネタバレBOX

 先にも述べた通り天武以降天皇の権威が増し神の憑代としてその権威は高まりを見せていた。このことが、今作の改革派中心人物である藤原仲麻呂の権力の背後で権威として機能している聖武天皇の皇后であった藤原光明子(今作では多くのシーンで皇太后)の権威の源泉、力の源泉であることは言うまでもあるまい。光明子を演じた女優に品があることもキャスティングの良さを示している。長屋王の変、についての解釈、内親王の生涯についての通常とは反対の立場に立つ解釈(道鏡及び彼との関係に関しての解釈についても)自分にはとても納得のゆく解釈であり、今作の解釈が正しいのではないかと思う。何となれば歴史などというものは所詮勝者が己の為した悪逆非道、人倫無視の政策を隠蔽する為のものでしかないのは、事実を発掘し続ける者達の努力によって綴られる歴史とは大方対極を為すからであり、政治という人民操縦の具だからである。
 以上の事実から、今作の眼目は、現安倍政権に対するアイロニカルな批判ともとれる。実際、現政権の無定見、無思慮、無責任、そして反人民性、反人間尊厳性は明々白々である。この事実を、実際に現天皇及び天皇の家族が、政治的立場を明確に示せない現行法の中で示し得る最高の方法でアピールしているのを見ても、そして本音では、これら良心の鏡とも言える天皇家の国民的人気が、自民党の議員にとって頭の痛いことであるのも事実であろう。だが、自分は天皇制には反対である。天皇、皇族に対する現在の日本の総ての人民が、彼らを特別視することが逆差別に当たると考えるからである。ヨーロッパの国々にも王や王族を抱えたまま民主主義国家である国々は多いが、王、王族も人間として民と同じである。(無論、キリスト教という一神教の国々が多いことと無関係ではないが)
ヨーロッパに比して若干難しい問題はあるにせよ、人間及び人間性をベースにしたシステムの中で、天皇や皇族に人として当然の権利を与えるのは、主権者、国民の義務でもあろう。そのようなシステムを我々自身が用意しない限り、天皇制の問題は穏便に片付くまいしこの国特有のファシズム形態を乗り越えることもままなるまい。今作はこのような問題迄考えさせてくれる力を持っている。
演技では、特に主役の羽杏が気に入った。

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