満足度★★★★
上演前にスクリーンに静止集合写真(チラシの人物写真)を蠢めかせるように小刻みに揺らしながら、ムンクの絵画に重ね合わせるような、スクリーン-プロセス手法で見せ続ける。公演は、どこにでもいるような人々の暮らしを坦々と描き、些細なこと…「これからは、息づき、感じ、苦しみ、愛する、生き生きとした人間を描く」(ムンク-副題)する様子を描いたもの。序盤はパントマイムと擬音が大仰な演技に思えたが、それも始めのうちに状況と情況を説明するためで、公演時間に占めたのは短時間であった。少年時代に受けた肉親(母・姉)の死、その悲しい思いが心の傷になっている男、それをムンクの人生と重ね合わせて観せた珠玉作。
(上演時間1時間20分)