Do Munch 公演情報 Do Munch」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
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  • 満足度★★★★

    上演前にスクリーンに静止集合写真(チラシの人物写真)を蠢めかせるように小刻みに揺らしながら、ムンクの絵画に重ね合わせるような、スクリーン-プロセス手法で見せ続ける。公演は、どこにでもいるような人々の暮らしを坦々と描き、些細なこと…「これからは、息づき、感じ、苦しみ、愛する、生き生きとした人間を描く」(ムンク-副題)する様子を描いたもの。序盤はパントマイムと擬音が大仰な演技に思えたが、それも始めのうちに状況と情況を説明するためで、公演時間に占めたのは短時間であった。少年時代に受けた肉親(母・姉)の死、その悲しい思いが心の傷になっている男、それをムンクの人生と重ね合わせて観せた珠玉作。
    (上演時間1時間20分)

    ネタバレBOX

    客席はL字型、舞台は素舞台である。上演前はスクリーンへの映写があるが、あくまで心象形成に止まる。また壁には何枚かのムンクの絵画が飾られている。ちなみに、当日パンフ中面のムンクの絵「カール・ヨハン通りの夕べ」は、本公演チラシ(登場人物7人)写真の構図に似ていることから意識したもののようだ。

    登場人物は7人(アパート大家、コールセンター勤務の男性1名、女性2名、コンビニ店員男女1名、コールセンター、コンビニ店員の兼職1名)で、生活・仕事ぶりを通して人柄なりが自然と表現される。疎外的なイメージの人間による濃密な会話劇がアンバランスでありながら、目が離せないのは巧みな演出だからであろう。冒頭から女性3人が別空間でありながら横一列に並び出勤する準備をしており、孤独感が漂うようだ。

    登場人物は基本的には独り者、アパートに一人で住んでいる。そこには都会生活の寂寥感が漂う。また仕事はコールセンターという相手の姿が見えず、受身一方の仕事のストレス。またコンビニ店員という接客業は、客に気を使う勤務、ローテーションに苦慮する責任者の姿。仕事への生き甲斐というよりは、坦々と時間の経過に身を委ねているだけという無為な様子(=都会人の表徴か)が窺える。頻繁に早退する、在日韓国人アイドルへの虚妄など、第三者には分かり難い、理解し難い行為であっても、生きていくための自己防衛本能かもしれない。その行動をよく観察し弱い人間性を上手く表出している。

    暮らしの中で小さな事件が起き、人間関係を大きく揺さぶり、人の心の闇に迫っていく。この行為にこそ孤独と独善、不気味さを孕んでおり、過去(幼い頃)のトラウマが垣間見える。独身女性の部屋に大家が合鍵を利用し忍び込み、ムンクの絵画を眺める。責任追及する周囲の人々が発する言葉…エドヴァルド、茂道はムンクであり大家の名でもある。この過去回想への強烈な印象付は、2人の人生を重ね合わせた見事なラストシーンだ。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    前公演あたりから気になり、初観劇。面白い理由を考えた。俳優がきちんとしている(見てくれも良く演技もしっかり)。何も無い舞台のすっきりした清潔感。水道をひねるマイムで「じゃ~」と言う(潔い)。ムンクのドラマ上の正体が最後に明らかになる(タイトルにもあるのに意識させず、最後に存在感)。色合いの異なる場面の転換で緩急。現代の庶民生活のあるある会話やエピソード。意外と深い一言が幾つか。
    あるシーンの最後と別のシーンの最初が無音で繋がり、時には重なり、完全に二場面同時進行もある。その形式=芝居上の約束事が、やる側の潔さなのか、全く苦にならず、省エネでもあるが不思議とけち臭くならない。
    謎解きを終えた後の展開は現実シーンは大団円、それに続く回想(抽象)シーンでは、物語の背後に流れる物語、テーマが示され、作者の意図の全的開陳となる。
    横に広くステージを取り、相対する壁に言わば張り付けたような客席だったが、シーン転換の多い演出ではその形が相応しく感じられた。
    殆ど地味な日常シーンの寄せ集めが、中華鍋でサッと火をとおせば鮮やかに発色。程よく予測を裏切られる気持ちよさに書き手の手練を思う。佳作。

  • 満足度★★★

    何というか
    小劇場らしいかなぁ~と思えた作品

    近接でユニ~ク演技の役者さんを観れるし
    話もムンクと独特な価値観のアルバイターさんを軸に
    面白く表現してたけど
    万人受けは~チト無いかなとは思えたっす

  • 満足度★★★★

     開演前、突き当りスクリーンには、エンドレスな映像が映されている。客席は、上手長辺に沿って高低差のある2段と入口横、つまりスクリーンの真反対にこれも高低差をつけて2段。上手長辺の真ん中辺りにムンクの絵が数点飾られている他は、舞台美術なし、床もフラットである。

    ネタバレBOX


     開演直後、女が一人ふらふらと入ってきていきなり倒れる。これがムンクの幼い頃、亡くなった姉として物語が始まる。ムンクにとって、この姉の突然死は大変なショックだったと推察されるのが、今作の要の一つ、もう一つは、大家の不可解な行動の原点にある。(この不可解については観劇して確かめて欲しい)
     ところで、当パンを読むと、作家自身がムンクに惹かれ続けてきたということだが、何故惹かれるのか、その原因が得心できずにきたという。それが今作を創るきっかけになったということなのだが、自分は、それをガンジガラメにされた日本の、真綿で首を絞められるような逼塞感からのはみ出し行為、即ち自由へのよちよち歩きと捉えた。
     物語り自体は従って芝居の三一致法則からも外れ、劇的展開への工夫も弱い。然しながら、現在日本に住み、暮らしている女性が感じる閉塞感から脱出したいとの念はとてもよく滲み出ている。
     劇的になっていなかった点を以下に若干挙げておくと、大家・茂道の足が悪いことと姉・母の死が関連付けられていない点(ムンクも姉の死の直後母も失くしている、それであのような独自の作品を生み出していると解釈されている)、今作の創作意図にはそぐわないかも知れないが、圭子と瑞紀が終盤のクライマックスに絡んでこない点も迫力を削いだ。
    演出上で門題を感じたのは、茂道が部屋を出るシーンで施錠するのだが、この直後、部屋の中を紙飛行機が飛ぶと、開錠せずに部屋に入って行くシーン。このシーンは幻想シーンなので敢えてこのような演出をしたと考えられないことはないのだが、矢張り感覚的には不自然感が残る。施錠する寸前に音などでタイミングを合わせ、飛行機を飛ばす等の工夫が欲しい。
  • 満足度★★★

    大きな舞台装置も小道具も何もありません。スクリーンと何枚かのムンクの絵だけ。すべてをセリフと体の動きで表現して芝居が進んでいきます。芝居のストリー展開も解ったようでわからず、解らないようでわかる。そんな感じの80分でした。役者さん達の演技力は伝わりました。

  • 満足度★★★★

    やはり、“みどり人”は面白い!
    本作で4作目の観劇になりますが、人物設定・物語り・演出に演劇創りの上手さを感じます。
    とても楽しめました。

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