
LoveLoveLove20
劇団扉座
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2017/02/14 (火) ~ 2017/02/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
扉座研究生の卒業公演として上演された作品であり、芝居もダンスも歌も必ずしもうまい人ばかりとは言えない。
しかし、未熟であることや必死であることすら、観客が目撃する枠組みの中にある。たとえ間違ってもヘタクソでも声を枯らしても、それでもいい、いや、いっそその方がいい、と言ってしまったら語弊があるかもしれないが、彼らのがんばりこそが、この公演の最大の見せ場のように思えるのだ。
その汗や息づかいを魅力的に見せようとする演出や振付、そして照明や音響もある。
公演の最後は『スクラム』という演目だ。ラガーシャツに身を包んだ彼らが、それぞれ最大の愛の言葉を叫びながら体当たりをする。
準備から公演までたくさんの汗を流し、その日の公演でも力を振り絞って、スクラムの頃にはもう、叫ぶ言葉もほとんど聞き取れない。
それでも、これも演劇なのかもしれない、と毎年思う。……というか、実はこの辺りはもう毎年泣きながら観ているのだ。
ほとんどが初めて拝見する役者さん(のタマゴ)ばかり20人、序盤のタップからラストのスクラムまで、彼らが踏みしめる劇場の振動に共鳴し、彼らの「愛」と喜怒哀楽に寄り添い、2時間10分の上演時間が終わる頃には、いつの間にか彼らに親しみを感じるようになっている。
この先彼らがどんな道に進んでいくのかはわからない。扉座に残る方もいるだろうし、他で役者や舞台に関わる仕事をなさる方もいるだろう。あるいは、もう2度とステージに上がることのない方もいるかもしれない。

淵、そこで立ち止まり、またあるいは引き返すための具体的な方策について
カムヰヤッセン
ワテラスコモンホール(東京都)
2017/02/16 (木) ~ 2017/02/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
誰も観たことのない犬の鳴き声。困窮しつつ借金のない暮らし。要介護度の軽さ。
そういういくつかの違和感と3人の刑事の取り調べの様子が、本当は何があったのか、ということへの興味をそらさず、それが解かれていく時間の生々しい痛みだけでなく、物語としての(こう言ってよければ)面白さ感じさせた。
ナイフで人を殺すより、借金を重ねて踏み倒す方が容易だろう、という意味のことを一人の刑事が言った。
それができなかった母と息子の繊細なやり取りを、3人が交互に語る終盤の場面。痛みと優しさが胸にしみた。
どうしようもない現実。それでも、その淵を渡らずに済むためには……。
答えを出すのではなく、あなたもそして私自身もそれぞれに立ち止まり引き返せますように、という祈りのような何か。
身につまされる、などという安易な共感ではなく、もう少し丁寧に考えてみたい気がする舞台であった。

口々(くちぐち)
サンボン
サンモールスタジオ(東京都)
2017/02/08 (水) ~ 2017/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★
家族だからこそ言えない言葉。ウソだと知りつつ交わす約束。
身勝手さも優しさも親しいからこそ、なのだろう。愛情などと簡単には言えない。けれど、気がつけば同じ曲を聴き、同じものを食べたりしていたように、切り離せないつながりを感じる。
見応えのあるキャストが揃う中、父の愛人と弟の恋人の2役を丁寧に演じ分けた井端珠里さんの演技が特に印象的だった。
観ていて、(ああ、わかるわぁ……)と思う台詞がたくさんあって、台本買ってきてよかったなぁ、と帰りの電車の中で思った。

アトレウス
演劇集団 砂地
吉祥寺シアター(東京都)
2017/02/09 (木) ~ 2017/02/13 (月)公演終了
満足度★★★★
壮大なギリシャ悲劇をひとつの家族の物語として再構築した舞台。その壮絶な喜怒哀楽は、我々現代人の感情とは一線を画す神話的な激しさを見せる。
暴力、愛欲、拘束、殺人。罪と罰。
大義や信仰のためではない、家族という狭い関係の中の愛と憎しみは、エッジの効いた光と音と相まって、スタイリッシュといってしまうには荒々し過ぎる、ざらつく手触りを感じさせた。
我々よりずっと神々に近いところで暮らしながら、その信仰は禍々しく、予言は不吉であった。
女性だけのコロスを民衆の声として、舞台だけでなく客席通路や舞台上のバルコニーなど様々な場所に配し、家族の悲劇を揺さぶり続ける。
それぞれに印象的な登場人物の中で、アガメムノンの妻 クリュタイムネストラの母としての顔と女の顔、そして、愛人とともに夫を手にかけた後の迷いのない佇まいが印象に残った。

ダークマスター東京公演
庭劇団ペニノ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2017/02/01 (水) ~ 2017/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
マスターと若者の奇妙な融合、中国資本の台頭、暴力、セックス、循環構造をにおわせるラスト……などなど、寓意を読み取ろうと思えば膨大な情報量があって、でもそれはそれとして巻き込まれた奇妙なシチュエーションにゾクゾクしながら腹を減らす……というのが、まずはこの作品の味わい方であろうという気もした。
さまざまな仕掛けと刺激と隠喩に満ちた3.5次元くらいの観劇体験。不穏な空気に背筋がざわつく、油断のならない2時間20分であった。

オペラ『想稿・銀河鉄道の夜』
オペラシアターこんにゃく座
世田谷パブリックシアター(東京都)
2017/02/03 (金) ~ 2017/02/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
繊細ないくつものパーツを、音楽が1枚の大きなタペストリーへと織り上げていく。生の楽器の音色が耳よりも先に肌と共鳴し、澄んだ歌声が胸に響く。
半円形の会場と舞台の奥の大きな輪を生かした美術が銀河系や時間を象徴し、その中で少年たちが探す「ほんとうのこと」「ほんとうのさいわい」は孤独と自己犠牲を経て、永遠へと変わる。
若々しい顔ぶれのキャスト陣にベテランがそれぞれの味わいを加えた座組は、少年たちが主人公となる作品によく似合っていた。

天使の心臓
しゅうくりー夢
「劇」小劇場(東京都)
2017/01/25 (水) ~ 2017/01/25 (水)公演終了
満足度★★★
昨年3月に上演した『爆裂!GR7』のメインキャラクターたちを別の世界観の物語に登場させたアナザーワールド。
元の作品のアクションコメディ的なテイストからぐっとダークな印象となり、4人のキャラクターもシリアス度を増していた。
ハラハラドキドキの展開やダンスやアクションも素敵だったけど、何より登場人物の魅力にときめく作品となった。

ハダシの足音
万能グローブ ガラパゴスダイナモス
駅前劇場(東京都)
2017/12/27 (水) ~ 2017/12/30 (土)公演終了
満足度★★★★
体験した記憶。例えば「感動的だったライブ体験の記憶」とかが売買できる未来でのお話し。(作中では既に違法行為)
自分にも売り物になる記憶が沢山あるけれど、やっぱり売りたくはないかなーと。
もちろん今回の観劇体験もしかり。 ・・・う~ん、ちなみにいかほどで? イヤイヤイヤ、福岡からやって来た劇団さんの貴重な公演でした。
曖昧になった記憶をクリアに蘇らせる的なサービスもありましたが、自分では完璧に美しい思い出だと確信していたものが、掘り起こしてみると実は余計な枝葉がくっついていてガックリ。そんな事もあり得るかな~と思ったりしながらの観劇でした。

マクベス
株式会社トゥービー
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2017/01/26 (木) ~ 2017/01/29 (日)公演終了
満足度★★★★
とにかく人々が動き回る。それに連れて舞台は躍動し、脈打つように進んでいく。動的で、遊びや見立てたっぷりの演出で、笑いも多めだったが、同時にヒリヒリするような緊張感に満ちていた。
後半、舞台上の人々のやり取りが聞こえないかのように、舞台の下を行き来するマクベス夫人が痛ましい。そして追い詰められていく中でのマクベスの独白に圧倒された。

白山の仇討ち~石川県民話より~
青山郁彦
藝術工場◉カナリヤ条約(大阪府)
2017/12/29 (金) ~ 2017/12/29 (金)公演終了
満足度★★★★
1部 青山郁彦一人芝居「白山の仇討ち~石川県民話より~」
2部 「女形舞踊ショー 年越しだよ、お前さん」
1部2部とも魅せます。アクロバティックに、殺陣も迫力 客席にまで入って盛り上げる、客大根切りも 女形で着物を着ての舞台2階から飛んだのは驚いた。郁彦手拭い舞踊ショーでぶんぶん振り回し盛上ります。観劇収めにぴったりな 青山郁彦一人芝居 楽しんだ。

コインランドリーの天使
劇団浅葱色
サブテレニアン(東京都)
2017/12/27 (水) ~ 2017/12/29 (金)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/12/29 (金) 18:00
価格1,000円
2017年最後の観劇。
18:00の回(晴)
こりっちの返信メールには「開場は開演の30分前」とありましたが、それよりも前から受付&整理券配付をしていたようです。
チラシ、ホームページにも記載がなく帰宅して調べてみるとツイッターに「1時間前より受付、30分前より開場致します。」とあるのでこりっちの情報もアップデートしていただけるとありがたいです。
しおりをいただく(手作り)。
幕張総合高校演劇部の卒業生を中心に結団(2017)とあり、その演劇部は秋季大会に出場していました。今年は神奈川と埼玉の大会を観に行って、東京や千葉は未見。学校のサイトに行ってみると立派なホールやグラウンド。埼玉も神奈川も「総合高校」は演劇も盛ん。
ということで観に来ました。「団員紹介」にある学校では日芸は演劇もダンスも多く、法政大学ではⅠ部演劇研究会「あやと見たユメ(2016/7@市ヶ谷)」。
ここ(会場)では珍しい、奥が舞台で、手前が客席(ベンチシート)。左右に洗濯機、間にパイプいすが2つ。奥に見えるのは電柱の頭か。
客入時の音楽は控えめのピアノ曲、会話をする方はほとんどいない。
17:53前説(暖房がない...前からそうだったのだろうか初めて知りました、フタ付飲料可)、17:59開演~19:18終演。キャストお客さんで大賑わい。
台本を買ってみました。小説のような流れでよくできた短編のようです。
オープニングとエンディングの羽根、電柱にとまっている姿が印象的。

ノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』
ギア公演事務局
ギア専用劇場(京都府)
2015/10/08 (木) ~ 2018/03/31 (土)公演終了
満足度★★★★★
5回目になります。ノンバーバルでもすっごい楽しめます。組み合わせが変わればまた楽しめます。いいむろさんがキレッキレのダンスでカッコ良かったです!また観たくなる舞台です。

憫笑姫 -Binshouki-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/08/25 (金) ~ 2017/08/28 (月)公演終了
満足度★★★★★
この作品から始まった一連の作品たち
素敵な世界観がいっぱいのこの作品
なんて言っても女隊が素敵すぎる
けっしてハリーポッターではないw

賊義賊 -Zokugizoku-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/09/22 (金) ~ 2017/09/25 (月)公演終了
満足度★★★★
5カ月連続公演の中でも少し違ったテーストを感じる作品
るみさんの愛くるしさが魅力的な作品に仕上がっている
これを観てギヤを観るのはかなり贅沢な瞬間かもしれない
曲の感じも最高の作品

戰御史 -Ikusaonsi-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/11/24 (金) ~ 2017/11/27 (月)公演終了
満足度★★★★
「心踏音」を観て絶対次も観てやる!と意気込んで行きました。相変わらず頭フル回転して観ました。前回より迫力ある殺陣、ダークさ、少し理解出来ない所がありましたが楽しめました。前回より席が良くて嬉しかったんですが、足から身体全体に響く感じが少なかったのが残念。お目当ての大熊さんより赤星さんに目が釘付けになってしまいました。身のこなしの速さに不気味さ。この人は何者なんだろう。ゲストさんが色々出てたみたいで公演後調べました。こうやって皆で力合わせてこの舞台が出来上がってるんだなぁって考えると感動しました。舞台っていいなぁ、もっと知りたいもっと観たいと思う様になりました。ありがとう、壱劇屋さん。

戰御史 -Ikusaonsi-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/11/24 (金) ~ 2017/11/27 (月)公演終了
満足度★★★★
5カ月連続公演のラストにつなぐ素敵な舞台
毎月の積み重ねで素敵さが上がっていくのが凄い
たぶん毎月違うものを上演するのはかなり大変な作業
しかしクオリティは下がらない

荒人神 -Arabitokami-【2018年6-7月wordless殺陣芝居シリーズで東名阪ツアー決定!】
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/12/22 (金) ~ 2017/12/25 (月)公演終了
満足度★★★★★
5カ月連続公演の集大成
ほんとその期待を裏切らなかった作品
素敵すぎて鳥肌ものでした
こんな素敵な舞台に巡り合えて幸せです

時をかける稽古場2.0
アガリスクエンターテイメント
KAIKA(京都府)
2017/04/04 (火) ~ 2017/04/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
初めて観劇した舞台
これとの出会いが今年の私の生活を大きく変えた
約半年で何本の舞台を観たことだろう、大切な作品です
来年は東京も行っちゃうぞ~~

心踏音 -Shintouon-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/10/27 (金) ~ 2017/10/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
殺陣がとにかく素晴らしかった。主人公の中腰の構えから一気に相手との間合いを詰めて、逆手で相手を胴切りで切り裂くトリッキーな殺陣が何度観ても飽きなかった

戰御史 -Ikusaonsi-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/11/24 (金) ~ 2017/11/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
いろんな武器を持った個性溢れるキャラが登場するので、殺陣シーンがバリエーションに富んでいて面白い。とにかく赤星さんと大熊座長の弾けっぷりが最高‼︎