最新の観てきた!クチコミ一覧

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バリーターク

バリーターク

KAAT神奈川芸術劇場×世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2018/05/12 (土) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/05/21 (月) 19:00

 「腑に落ちない」系不条理劇だが、「永遠」を感じさせるような印象を持った。広い部屋に2人の男(草彅剛・松尾諭)がいて、バリータークという村の人々の様子を演じてみせる。暗転して、また、それを繰り返すことから、2人は閉じ込められていて、同じ事を繰り返しているらしいことが分かるが、突然、壁が倒れ、老人(小林勝也)が現れる…。なぜそうしているのか、そこはどこなのか、等が謎のまま終わるが、エンディングにより何故か少しスッキリする。不思議な芝居だった。小林勝也の重みが味わいを持って迫ってくるのがスゴイ。

キャガプシー

キャガプシー

おぼんろ

キャガプシーシアター(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

公演は、静かに力強く、そして不思議な”思い”が湧き上がってくる力がある。それは美しく切なく、そして愛に溢れており胸を締め付けてくるようだ。閉鎖的な所から開放され、その先に未来・希望という光が見えてくる。

再演であるが、前(2017年11月)より動きが軽やかに感じる。もっとも逆に重厚さがなったような気もするが…。外的な、例えば季節的(前回は肌寒かった)なことが関係しているのだろうか。
さて空想の物語であるが、現実での出来事を連想させ、寓意があるような。その物語が紡がれるのが「おぼんろ特設ギャガプシーシアター」である。主宰・末原拓馬氏の言葉が誘う…参加者は自分で色々な想像をし、夫々の空想の世界を膨らませる。参加者はいつの間にか劇中の深い森の中へ…。
(上演時間2時間強)

ネタバレBOX

閉ざされた森というシチュエーション、それを表現するための特設劇場(葛西臨海公園内)はテント。外観はファンタジックなもので、内部は観客=参加者から提供された衣類や小物類などが、その特性に合わせて配置されている。場内は雑然とした中にも人々の温もりが感じられるような…。パイプ組した櫓のようなもの、その上り下りの動作によって躍動感とテンポの良さが生まれる。
すでに場内が おぼんろ らしい参加型公演になっている。自分が観た回は立見の人が多く、それだけ人気のある公演ということだ。

物語は、人間の穢れを人形(キャガプシー)に押し込め、その人形同士を戦わせて穢れを浄化させるというもの。人間の勝手さ、人形の哀切が鮮明に描かれる。もちろん寓意を籠めている、その訴えは強く明確に伝わる。先代・人形師が作ったキャガプシー・トラワレ(末原拓馬サン)は何年間も無敵。その人形師が殺され娘・ツミ(わかばやしめぐみ サン)が後継した。その娘が作ったキャガプシー・ウナサレ(高橋倫平サン)は無敵の人形を兄と慕い、殺し合いを望んでいない。逆にこの森から逃げ出すことを提案するが…。

人間の穢れを他者(人形)に負わせ、人間は素知らぬ顔の傍観者。また自身もギャガプシーでありながら、興行主になるネズミ(さひがしジュンペイ サン)。自分のこと、または身近な周りのみに気を配る、そんな視野狭窄で安全地帯の世界観が描かれる。しかし森の外は素晴らしい世界、その開眼と広がりに幸せを見出す。森から抜け出す(会場テントの一部を開け外に出る)と、そこは葛西臨海公園の広場。公園の風景を借景し人と自然の調和、共生が表現されるという見事な演出であった。
公演全体は”おぼんろ”らしいファンタジー、そこに籠められた悲しく、しかし優しく美しく力強い物語であった。

次回公演も楽しみにしております。
市ヶ尾の坂

市ヶ尾の坂

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2018/05/17 (木) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

鑑賞日2018/05/22 (火)

三姉妹物は数あれど、三兄弟物は…。暑苦しくもありヒリヒリすることもあり、面白かった。ラストにはムラムラでしたね。

ネタバレBOX

キャスティングも良かったのだけど、ヒロインの麻生久美子さんの役が赤堀雅秋 作・演出の『同じ夢』と同じようで比べてしまった。
三浦貴大さん良いですねぇ。
iaku演劇作品集

iaku演劇作品集

iaku

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/05/16 (水)

『粛々と運針』この作品は観るべき!と知人たちからきき行ってきました。なんだろう、この、最初はなんかイライラとしてしまい、本当に面白いのか?と。どのあたりからだろう、話に飲み込まれて、そして最後には自分がその想像の先に行っているような感覚に。
帰り道涙があふれて止まらなかった。

ネタバレBOX

病床でのお母さんを自分と重ね合わせ、「いいな、このお母さん。私より幸せだよ」と思っちゃったりしました。だぶんそこが涙腺崩壊のきっかけかな?
ワレワレのモロモロ  ゴールド・シアター2018春

ワレワレのモロモロ ゴールド・シアター2018春

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場・NINAGAWA STUDIO(大稽古場)(埼玉県)

2018/05/10 (木) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/05/13 (日)

いくつになってもやりたい事ができるっていいな。今回は岩井さんのもと、実話をももとに創作された短編を上演。どれも「人生」を感じました。今回のリーダー岩井さんとの関係も良かったのでは?と思いました。予定は90分、でもどうなるかわかりません。の前説があり、終わったときは120分超えていました(笑)
私もまだまだ頑張らねばねぇ~と思えるものでした。

害虫

害虫

劇団普通

ギャラリーLE DECO(東京都)

2018/05/22 (火) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/05/22 (火) 19:30

「帰郷」「換身」「害虫」と観ていくと、石黒さんの作風は、日常的な繰り返しを、時間経過や場面転換に拘ることなく、それぞれその場での登場人物の意識や心情の差異で見せていくのが好きなんだなあ、と感じます。

今回の舞台は、5人兄弟姉妹の関係を一応頭に入れて観ることをお勧めします。
ちょっと整理しておくと、変なことに気づきます。(石黒さんは、全く頓着していない部分かもしれませんが)

ネタバレBOX

長女・・・1人目の夫との子
長男・・・2人目の夫の連れ子
次女・・・2人目の夫との子
三女・・・3人目の夫との子
次男・・・付き合っていた(る?)男性との子
が同居しています。
整理が必要というのは、
本来の年齢順では、こうなっているはずですが、パンフレットでは長男と次女の順が逆になっています。
長男は2番目の夫の連れ子ですから、特殊な事情がない限り、次女より年長で、次女にとっては兄にあたることになります。
パンフレットを読み、舞台のセリフを聞いていると、錯覚に陥ります。
次女が長男の姉と思い込んでしまう、錯覚です。

また、長男は母親と血縁がありませんから、長女、三女、次男とも血縁はありません。唯一血縁があるのは、次女ということになります。

さて、次男は母親と婚姻関係のない男の子として生まれています。この兄弟姉妹の中で、長男と次男は最も遠い関係とも言えましょう。

兄弟姉妹で社会人として働いているのは長女だけのようです。(ただし、金曜の朝にゆっくりと食事の支度ができることを考えると、長男や次女と同じ境遇なのかもしれません)
長男はフリーターか、大学ないし専門学生(バイトをしている)。
次女も同様のことが言えます(夜、割烹で働いている)。
次男は、給食が出ていることから中学生か小学生のようです。
    給食の内容や、高尾山に関する空想話からすると小学生のような気もします     が、一方、空想話では担任の先生ではなく、複数の科目の先生が出てくること    から中学生も否定はできません。
三女は、次女と次男の間ですから、高校生と考えるのが妥当でしょう。

ところで、母親は存命ですが、滅多に家に帰って来ないようです。
普段、どこで寝泊まりをしているのかはわかりません。
また、3人いた夫の生死も判りません。
母には今恋人らしき男性がいるようですが、それが次男の父親なのか、別の男性かも判りません。

整理します。
この家には、ほとんど子供たち(兄弟姉妹)だけが済んでいます。それも血縁が皆一緒ではありません。私生児もいます。その上、5名は年齢もかなり近いのです。
ある意味、ここは楽園です。兄弟仲が悪いということはありませんし、お互いを許し合う風土があります。母親への思慕はあるようですが、それに耽溺することはありません。

しかし、
唯一の長男の血縁である次女は、過去にケーキを食べられた恨みから(これも長男が犯人と限ったわけではない)、自らがやっておきながら、長男が冷蔵庫の中身やご飯を食べたと叱責します。
三女は、次女の思惑を知ってか知らずか、面白がりながら、それに便乗するように長男に食べ物を盗まれたと嘘をつき、長男を疑惑の目で見ます。
長女は、三女や次男の空腹にも、彼らの身勝手に怒り、それを放置します。
皆は、次男の分のカレーを残してあげません。
母親は、カレーを作って欲しいという次女の望みを聞き入れません。

そうです。この家庭では、冷蔵庫が全てを食べてしまうのです。
繰り返します。この家は、兄弟姉妹にとって楽園です。ですから、物語の何年か後、皆が社会人になったようですが、まだ兄弟姉妹は同居しています。
母親も家にいるようになったみたいです。

冷蔵庫には、害虫が湧いていたのかもしれません。
害虫

害虫

劇団普通

ギャラリーLE DECO(東京都)

2018/05/22 (火) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/05/22 (火)

22日ソワレの回(90分)を拝見。

ネタバレBOX

昨年、スタジオ空洞で拝見した『帰郷』よりは、血のつながりのあるなしはともかく、兄弟姉妹を題材した作品のせいか、取っ掛かりやすかった。
父親「達」の不在・母親の存在感希薄な「家庭」において、精神的に相互依存な関係にある兄弟姉妹の、食卓?を囲む面子の組み合わせで、それまで銀のスプーンを舐めたような無機質な口調だったのが、急に饒舌になったり・ならなかったり…と、互いの距離を意識した、探り合いのような時間が過ぎていくのだが、そこで展開されるやり取りの蓄積は、観客の側に、あるいはリアルな私生活での不協和音を思い起こさせ、ヒリヒリしたり・腹が立ったりの、大層、シンドイ時間を強いられた。
それゆえに、ラストの喫茶店での、彼ら彼女らが、この先の人生において、自力で光明を見いだしていくのだろう、という期待感の暗示には、正直、ホッと息をつくことができた。

あと、今回、特筆⁈すべきことかもしれないが、カズユキ(演・澤原剛生さん)が、弟のコウスケ(演・榊原美鳳さん)相手に、英国プレミアリーグの話題を熱弁するくだりでは、あろうことか、静謐な不条理劇が特徴の劇団普通さんの芝居とは思えぬほどの、爆笑の不意打ちを喰らわされた。既成観念にとらわれて観ていた身には、まさに油断大敵!の瞬間だった。

最後に配役について記しておく。

タエ(長女。母親の最初の夫との子。不在がちな母親に代わって、長男・次男・三女の面倒をみている)
…菊地奈緒さん
ユキ(次女。二番目の夫との子。長女と一緒に、弟・妹達の面倒をみている。気が強く、ぼんやりした性格のカズユキを嫌っている?)
…菊池真奈美さん
カズユキ(長男。二番目の夫の連れ子。サッカー・英国プレミアリーグの話題になるとイキイキと喋り出す)
…澤原剛生さん
メイ(三女。三番目の夫との子。コウスケを相手にした時だけホンネで話す)
…丹澤美緒さん
コウスケ(次男。四番目の交際相手との子。上の姉たちやカズユキに学校の事を喋っても、あまり相手にされないせいか、感情を殺して無口でいることが多い)
… 榊原美鳳(さかきばら・よしたか)さん
母親(五番目?の男と交際中。家を不在がち)…石黒麻衣さん
首のないカマキリ

首のないカマキリ

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2018/05/18 (金) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

とにかく良い作品です。脚本が秀逸。こんなに言葉に魅了される芝居は、鈍感な私には珍しいのです。また劇団俳優座の俳優陣が魅力的。久々にお会いできた岩崎加根子。俳優座劇場プロデュース『十二人の怒れる男』に出演の塩山誠司。On7(オンナナ)の保亜美。内面の気持ちをにじみ出す清水直子ほか、誰もが素晴らしい演技なのです。そして、まだ準座員の後藤佑里奈の頑張りがとても面白かった。生きることを真面目に真正面から考えさせる舞台。しかし堅苦しくならず、時々笑いを誘う芝居づくりが上手い。今年観た舞台の中でも、トップレベルであることは間違いありません。

夢たち

夢たち

劇団文化座

シアターX(東京都)

2018/05/10 (木) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★

風変りな舞台だった。三好十郎のこの戯曲自体が戦前のもので(1940~42)、どこか牧歌的な匂いがあって戦争体制のただ中の状況の間にあるはずの緊張関係は戯曲の背景、というより戯曲の外に退き、読む側なり作る側がある種の読み込み方をしなければ「現代」の目には奇異な代物になる。
まず役者が戦前の東京下町の吹き溜まりのような長屋での「在り方」を掴みかねているか、戯曲がどっちつかずか。・・江戸人情噺のような人物の風情・口調が、語られるリアリズムに寄った台詞と、微妙にズレて軋んでいる。
戦争という状況を説明する台詞は僅かにあるが、大状況よりも個々の抱える事情、心情に焦点が当てられている。小さな営みを日々重ねる庶民の小さなドラマがそれ以上の何者でもなく綴られるのを、どう受け止めてよいか図りかねながらも、(他の三好十郎戯曲から来るものもあるのだろう)人間存在をみる熱い眼差しが、 舞台にそそがれているその眼差しに同期していく瞬間があった。舞台もそこへ収斂して、大団円のゴールを踏んでいた。主役と言える三郎が場面の一瞬、一瞬に変化し、存在の輪郭が上書きされた最後に映る「三郎像」を認め、芝居が漸く落ち着くべき所へ落ち着いていく。ゆらゆらと揺れて倒れそうな芝居を(戯曲の要請によるものだとしても)三郎が一人支えたと言って誇張でない感じを持った。

ネタバレBOX

「演技」に関する印象として、ベテラン若手にかかわらず「人物になりきれていない」「つかめていない」ために無為な時間が流れたように感じた瞬間が少なからずあった。これは戯曲のつたなさが役者に多くを要求するケースにも思われるが、最終的に役者は役をつかみ取って見せなければならないものだと思う。自分が役者である、という顔だけをしていると、目がそう見てしまうと、「芝居の時間」から離れてしまう。何より、その役者はその場に参加していない(どこか無理をして自分を隠し、空間的には参加しているというだけの状態)、と見えるのだ。その役者は「今、何者でもない」状態をさらしている事になる。まぁ私がたまたまそう見てしまっただけかも知れないが、確かな違和感であった事は確か。
黄昏のメルヘン

黄昏のメルヘン

劇団夜想会

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2017/10/19 (木) ~ 2017/10/23 (月)公演終了

満足度★★★★

初めて見させて頂いた劇団さんでしたが・・。
役者さんそれぞれの個性が光るお芝居が素晴らしくて・・
あっという間に時間が経ってしまいました。衣装や舞台装置も凝っていて、
とても良かったし、今回私が観劇したのは☆組でしたが、月組の方も見てみたかったなと思いました。

消す

消す

小松台東

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2018/05/18 (金) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/05/20 (日) 14:00

価格3,200円

終盤で各人の不満(?)が一気に噴出した時の居心地の悪さたるや!
口々に「自分のせいじゃないもんね」と言い逃れをする人物たちにかつて自分が不都合な状況に直面した時の記憶を呼び起こされて「七人の侍」の菊千代の如く「これは、オレだぁ!」だったもんなぁ。
映画「ポセイドン・アドベンチャー」にアーネスト・ボーグナイン演ずる刑事に「アンタを見ていると腹が立つのは何故だろう」と言われたジーン・ハックマン演ずる牧師が「自分を見ているようだからじゃないか、誰しも自分を見るのは嫌なものさ」と返す場面があったが、それとも通ずるのではないか?
そうして、そんな風に責任を逃れようとするのはいかにも日本的な気もして、ある意味本作は笑いのない「12人の優しい日本人」かとも思ったり。
またその言い逃れ合戦の直前の舞台上の構図がイイ。8人がほぼ等間隔に位置して背中を向けて顔だけ振り向いたり顔を背けたり椅子に寝そべって不貞腐れたりと、それぞれ逃げたい気持ちを体現していて、それはまるでダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の如し。

図書館的人生Vol.4 襲ってくるもの

図書館的人生Vol.4 襲ってくるもの

イキウメ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2018/05/15 (火) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/05/22 (火)

良かったんだけど、 もうちょっとインパクトが欲しかったかな~。 何て言うか、イキウメらしい不思議な感じとか 恐ろしいような感じが 足りなかった気がします!

ネタバレBOX

みなさん素晴らしい役者さんなんですが、今回目立ってたのは 大窪人衛さん。 普段はおとなしいのに たまにぶちキレて 自分本意の主義主張をまくしたてるあたり、すごく良かったです! それから客演の 清水葉月さん、どことなく蒼井優さんにも似てる気が。表情や動きも良く、素敵でした!
一つ気になったのは、 役者さんが不意に客席に向かって話しかける様なシーンが 何度かあったこと。 あれはシラケる。 せっかく話に集中してたのに、 あれ?ってなる。
Trance

Trance

笛井事務所

明石スタジオ(東京都)

2018/05/17 (木) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

7つの短編を、こうゆう観せかたもあるのかという演出、新鮮で面白かったです!妖しい雰囲気に満ち溢れていて、乱歩の世界、堪能しました。

iaku演劇作品集

iaku演劇作品集

iaku

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/28 (月)公演終了

満足度★★★★

『粛々と運針』観劇

ネタバレBOX

死に行く準備をしつつある命と生まれ出る準備をしつつある命が存在し、それぞれの関係者が気持ちをぶつけ合うことで、一方は親の死を親の生き様として受け入れ、もう一方は子供を産み育てることの意義を考え、方向性を定めていく話。

運針とは、針を動かすと縫物が少しずつ完成形に向かうということであり、議論しようがしまいが確実に時間が進むということでした。

二人の女性が癌を患った母親と胎児と分かった時点で、何かよくある精子を擬人化する若者のお芝居を観ているようで少し興醒めしました。

夫婦はどこかに紛れ込んでいるかもしれないノラの子猫のこと、息子二人は家の掃除のことと、忘れかけていた話題を持ち出しての終わり方はおしゃれでした。
その探偵の名、〜エコソン少年の殺人〜

その探偵の名、〜エコソン少年の殺人〜

インプロカンパニーPlatform

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2018/05/19 (土) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/05/21 (月) 18:30

座席1階1列

この芝居の形式ついては、前にlatticeさんが判りやすく説明されているので割愛します。

ちなみに平日の回には、本編前に「レディ・メイの失踪」という短編(30分)が公演されて、どのように舞台が展開されるのか、予行的に見せてくれます。
私が観た21日の公演は、4回目で初めて犯人が当たったということです。
ただ、土日の公演ではこの短編がないので、前3回の公演で時間切れになったりした背景には、初見の方々の戸惑いなどで、舞台進行が停滞したかもしれません。

舞台は面白いですし、観客参加型としても十分成功していると思います。
役者の皆さんの即興性も、十分に成熟したもので、観ていて不安がありません。

ですから、どのような方にも十分にお勧めできます。
そこで、?と「すごい」と思ったことを書き連ねます。

・8つの感情カードに7名の容疑者ですから、カードは1枚余ります。(ここはネタバレ になるかな)この1枚に「殺意」がなった場合、7名の容疑者の中に犯人がいないこと になります。その場合は、どうするのでしょう。

・被害者の職業は、観客が指名されて決められます。被害者は街の著名人・大立者です ので、それなりに大金を稼ぐ職業ということになっります(今回は不動産会社の社長 でした)が、観客も皆素直ではありません。
 被害者の職業は、容疑者達との人間関係や話の展開を強く拘束しますし、横文字の余 りに難しい職業ですと、即興にしようにもイメージができません。下打ち合わせがほ とんどできない状況ですから(多少は舞台裏に引っ込んだ際にされているのでしょう が)、舞台進行をギクシャクしかねません。
 もちろん、それなりに整理して、話を進めやすい職業として収斂するのでしょうけれ ども。
 ちなみに、私は「男性ストリッパー」にしたいと思っておりました。ショービジネス 界の成功者として考えれば、これもありだと思います。
 石戸貞義さんの容姿が、まず私にそんなインスピレーションを起こさせました。

 最後に、即興劇でどうしても気になることがあります。
即興ですから、意外な演技が飛び出ると、それがコミカルなものであればもちろん、「あ、うまいな」と思われるものでも、つい舞台上の役者さんが笑ってしまうことです。これは、これで、観客の皆さんと一体になる(その演技を楽しむ)という点では、けして悪いこととは言えませんし、それを楽しんでいる観客の方々がおられることも承知しております。
 ただ、どうしても舞台の役者さんが、口を押えたり、後ろを向いてして笑っている姿に違和感を感じることがあります。このあたりは好みなので、どうしろということはないのですが(そのあたりは気遣って、口を押えたりするのでしょうけれど)、どうも楽屋受けな感じがして、私などはちょっと引いてしまうのです。



ネタバレBOX

1枚余ったカードは、捜査にあたる刑事イシトレードの兄の刑事の、弟の関連性という形で使われます。このことは、終劇後に語られます。
この兄刑事は、狂言回し的な存在で、当然刑事イシトレードから尋問を受けることはありません。(もちろん、幾つかのやりとりはありますが)

もし、余ったカードが「殺意」だった場合、この兄刑事が犯人となるのですが、その犯人当てはどうするのでしょうか。可能性としては、7人の容疑者のカードを全て当てて、そこで大どんでん返し、犯人は実は兄の刑事でした、ということがありえます。
そこは、兄の刑事役と、刑事イシトレード役の、動機や証拠に関してハイレベルな即興性が活かされるのでしょうが、どうみても時間的な制約で7人のカードを当てるのは無理そうです。(今回も「母性」「友情」「嫉妬」「殺意」までしか正解がありませんでしたし)

ただ、こんな回を観てみたい気はします。
『gokko』

『gokko』

BELGANAL

渋谷 宮益坂十間スタジオ(Aスタジオ)(東京都)

2018/05/18 (金) ~ 2018/05/22 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/05/20 (日) 18:00

 物語は既にチラシなどによって公開されているので、説明的なセリフが少なく、感触を楽しむ芝居だと思った。主宰の林田沙希絵は映像系の人らしく、映像を多用して場面を作るのは巧い。

堀が濡れそぼつ

堀が濡れそぼつ

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2018/05/18 (金) ~ 2018/05/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/05/20 (日) 15:00

 相変わらずセリフのキレは抜群のMCR。今回は、脇役として使われる(でも、貴重なキャラの)ことが多い堀靖昭をフィーチャーして、いつもながらの、やや真当な人と感覚の壊れかけてる人との会話を楽しむ。堀は、実は大変な特性の持ち主だと思ってた私としては大満足な出来で、他の役者陣も、しっかりMCRワールドを作り上げている。KAKUTAの異儀田夏葉がKAKUTAとは思えぬ演技を見せてくれるのも楽しい。

分岐点

分岐点

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場

紀伊國屋ホール(東京都)

2018/05/18 (金) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/05/18 (金) 19:00

 トラッシュマスターズの中津留と青年劇場のコラボも第3弾となったが、今回はやや盛り過ぎに思う。2008年、リーマンショックで証券会社を追われることになる2人の男。一人は投資コンサルタントとして都会で働き、一人は田舎で農業をベースに地域を発展させようとする。物語は、2014年、2027年と進み、その2人の家族を巻き込んでいくが…。いつもの中津留風味で、社会問題を個人の(家族の)問題にする巧さは確実に観られるし、役者陣も長いスパンの物語を見事に演じているが、取り込んだ題材がやや多過ぎて、消化しきれていない印象はある。

たいこどんどん

たいこどんどん

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2018/05/05 (土) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★

久々のこまつ座、井上戯曲を「普通に」上演した演目を初めて観た。ラサール石井演出にも興味あったが何より戯曲が面白い・・と言っても最後まで読み切らなかったのだがふと書棚にあったのを手にとると止まらず、読んでも「観たい」と思わせた。その核は、艶笑というやつ。江戸を発って主に東北を回る旅の話だが作者井上のアイデア炸裂。思いのほか長くなる二人旅の後半はどうなるのやら・・期待しつつ劇場へ。戯曲からもらった印象とかけ離れた所多々あれど、このたび主役(幇間役)に抜擢された柳家喬太郎師匠が予想外に良い。江戸弁は本業とは言え芝居の間もある。一方の若旦那役は急遽体調降板した窪塚俊介の代役に立てられた江幡秀久氏、年齢的に「若」旦那はどうかと思いきやこれが小事に囚われない商家の放蕩息子の味を出して正解。三時間超えの大作。幕末江戸が物語の始まり、二人の旅はちょうどタイムスリップするかのように時代の最先端から逃れた格好、して「ご一新」を知る事になるラスト。圧巻井上の筆力、またこれを調理した演出も光った、と最後には思わせた。

その探偵の名、〜エコソン少年の殺人〜

その探偵の名、〜エコソン少年の殺人〜

インプロカンパニーPlatform

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2018/05/19 (土) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

観客参加型の即興的要素の多い推理劇です。基本的にコメディですが犯人当ての部分はガチです。なかなか面白い方式で私は大いに楽しめました。こういうものの愛好家には絶対のお勧めです。

カーテンコールで、その場限りのものなのでネタバレという概念はなく何でも書いて結構という発言があったので、少し丁寧に紹介しておきます。

「インプロカンパニーPlatform」という団体は「即興と台本の越境(コンセプト・インプロ)」を旗印に、いろいろなイベントを主催しているようです。観客からお題をもらったり、重要な選択を観客に委ねたりするのが特徴です。

今回の「その探偵の名、~エコソン少年の殺人~」ではおおよそ以下のように仕掛けになっています。私も初めての観劇なので細部で間違いがあるかもしれませんがご容赦を。

まず短い殺人のシーンの後、刑事と7人の容疑者が登場します。

容疑者は被害者の愛人や家政婦、会社の部下などです。
容疑者は
殺意/嫉妬/尊敬/母性/友情/依存/恐怖/愛情
と書かれた8枚のカードから1枚を引きます。これは容疑者が被害者に対して持っていた感情を表します。もちろん「殺意」を引いた者が犯人となります。だれが何を引いたかは観客にも本人以外の役者にも分かりません。

容疑者はその感情を持っていることを表すようにアドリブを加えて台本を演じます。どの程度、感情を表に出すかは役者に委ねられているようで、さりげなく、しかし後で振り返ったときに「あれがそうだったのか、なるほど!」といわれる演技をおそらく目標としているのでしょう。

本編が始まる前に、殺された被害者の職業を観客に決めてもらいます。私の回は「不動産」という発言だったので「不動産屋の社長」ということになりました。以下、台本をそのように読み替えて演技をするのです。

そこからは刑事(と一部で観客)の指定した容疑者(1~2名)と被害者との最近のエピソードが演じられます。それを見て刑事がその容疑者の持っている感情(=引いたカード)を当てます。ここはいくつかの候補から観客の拍手で決めたりもします。当たった場合は以後、刑事と一緒に推理をすることになり、外れた場合はそのまま演技を続けます。一定の長さの演技をしますので、そう何回も当てる機会があるわけではありません。私のときは6~7回目くらいで犯人を当てましたが、それ以前の公演では時間切れで当てることができなかったそうです。刑事は被害者役も演じるので、忙しくて推理に集中できないので無理もありません。

観客がすることは上で書いた以外に最初に配られる小さな紙にキーワードを書いて提出することがあります。その紙は集められ、途中の寸劇の中でくじ引きされて使われ、話をカオスに陥れたり、歌の題名になったりします。なお、解答用紙を回収して正解者には賞品というような企画はありません。

劇の途中で意見を聞かれたりするのは困るという人は、×マスクをもらうことができますし、前2列、通路側2列を避ければまず聞かれないでしょう。

なんだか説明がよく分からないという方も含め、ここまで読んだ方はぜひ劇場へ!

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