
In This House
conSept
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2018/04/04 (水) ~ 2018/04/15 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/10 (火)
大晦日の夜、若い男女の車が故障して助けを求めた寂れた農場には、年老いた夫婦がいた。彼らはもうここには住んでおらず、久しぶりの訪れたという・・・電話もなく、一晩彼らはここで過ごすことになった。
どこか憂いを含んだ老夫婦、はしゃぎながらもなんとなく気持の行き違いを感じる若い二人・・・共に過ごすこの夜は彼らの人生の分かれ道・・・・。
時代が変わっても、世代が違っても愛する気持は変わりなくて、すれ違う気持も変わりなくて、完璧などどこにも無くて、だからこそ人は寄り添っていくんだとそんな優しくて、哀しくて、温かいファンタジーでした。
老夫婦を岸祐二さんと入絵加奈子さんが演じ、若いカップルを法月康平くんと綿引さやかさんが演じました。
岸さんの老いた夫の後悔満ちた表情、深い歌声がとても心に響いて、彼が胸に抱いたままの悲しみが伝わってきました。
あの時こうすれば良かった、そうすればもっと違う結末になっていたかも・・・と、思いながらも、ああするしかなかった自分がいたことを受け入れ、妻とも分かり合えることが出来、きっと二人はようやく娘の元に行けたんではないかと思いました。
生演奏もとても素敵でした。
私の中の永遠のアンジョルラスの岸さんですが、本当にいい役者さんになったなぁと思います。バルジャン、ジャベールもまたいつか演じる日が来ると思ってます。でも、これくらいのキャパの劇場で、こういう素朴でしみる舞台をまたやってほしいと思います。
心温まる素敵な舞台を、ありがとうございました

ARTE Y SOLERA CONCIERTO Vol.24
ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団
めぐろパーシモンホール(東京都)
2018/04/21 (土) ~ 2018/04/21 (土)公演終了
本場・西班牙が揺れている。
今宵、都立大学を揺らしたのは帰属問題ではなく、フラメンコだ。
スクールでレッスンを受講する生徒さんが たぶん、勢揃い。30人超だったろうか。
かの小林幸子さえ眩いと述べたか述べてないかの カラフル衣装に ポツンと紳士。生徒なのか、わからない。
70代の痩せ型・ロマンスグレーのステップが、今宵も あなたの心を酔わせます。
怒ったのは、スマートフォンを掲げる若い女だ。はっきりいおう。台無しだった。
一部と二部の間にアナウンスされて ブツブツ呟いてたが、こんな奴、即注意してしまえ、と小林幸子も主張するはず。
あの女、 染色してたっけ。
白髪もピンからキリまでである。

Bye-Byeレストラン!
バズサテライト!!
新宿スターフィールド(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
下ネタを発しない役柄がいない。
いや、正確には品行さん もいるのたが、下ネタというループがつづく。
売れない「洋食屋」の引き払いの 話。ドタバタする。笑いあり、人情あり、涙あり、という古典だ。
すっきり まとまっている。
そして、具も出てる。
(商店街の幕の内弁当か!)
ついでの「いよッ!」は、通り一遍の古典からのクライマックスだ。
店主は薄っぺらい。20年の料理歴なのに、まずいという とてつもない斬新さ。
声を被せすぎではあった。
下ネタだって、誤解元の「おもちゃ」(幼児用)は何度も登場させてはダメ!

十二夜
演劇集団円
シアターX(東京都)
2018/04/20 (金) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
正統派のシェークスピア劇です。チェックしてみるとほぼ原作通りでした。もちろんちょこちょこと遊びはあってそこも笑わせてくれます。上演時間は 70分+休憩10分+80分くらいです。
all male ということですが美少年ではなく、逆に美くしくない中年でもなく、女装が似合う普通の男性なので自然に観ていられます。とはいえ若干の違和感はあってそれが喜劇を盛り上げています。
役者さんは皆さん安定の演技で楽しく観させていただきました。ただし、歌は私の好みとは少し違っていましたが。
ストーリーの核心が男女の双子なのに顔かたちがそっくりというありえない設定なので、若い頃なら「あほくさ」といって観なかった代物ですが、年をとってくると受け入れられるようになっているのが自分でも不思議です。文庫の解説なんかを読んでシェークスピア劇全体への理解が深まったことも大きいでしょう。
会場はやはり高老年の方が多く。特に最前列はほとんどが白髪頭でした。
A5版12ページのカラー写真入りパンフレットが全員に配布されます。料金4,800円にしては破格のサービスです。
一つだけ苦情を書いておくと、黄色のストッキングの色が薄くてライトが当たるとほとんど白になってしまっていたのが残念でした。
何も目新しいことがないのも確かなので4つ星ですが、パンフレットの件で5つ星にします。

魂-ココロ-推理士 心弦真
teamACT
要町アトリエ第七秘密基地(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/20 (金) 14:00
価格3,500円
類型的だったり作為的で「そんなにうまくいくかーい!」だったりなツッ込みどころもあれど、総じて言えば巧みな作劇の心理カウンセラーもの。序盤とクライマックスなどそちらの本業の方が書いたの?な部分さえあってビックリ。
さほど長くないのにそれ1つで「背後」を察知させる台詞が複数あるのにも感心。
また、アヴァンパートの心弦がヒロインに名刺を出したところでオープニングクレジットとなり、名刺風のデザインで出演者名・役名・役の肩書きを投射するのがスマートで膝ポン。
台詞の1つにスピンオフ……ってか前日譚を作れそうなものがあったが、本作の反響によっては実現もアリか?(笑)

青春超特急
20歳の国
サンモールスタジオ(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>
壱劇屋
ABCホール (大阪府)
2018/04/06 (金) ~ 2018/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
この「二ツ巴」は諸般の都合でDVD化されなかったが、もう一度観たいし、ぜひ多くの人に見てもらいたい作品である。「猩獣」以外の壱劇屋の殺陣芝居7作を生で観てきた上で、心から再演を願っている。なのでCoRich舞台芸術まつり!グランプリの審査を意識して、コメントしようと思う。
「脚本」
台詞はなくとも物語が伝わるからWordless×殺陣芝居はパフォーマンスではなく、演劇である。
作・演の竹村は、人の弱さや醜さからも目を背けず、それでも人を信じて物語を紡ぐ。殺陣をみせるのだけが目的ではない。
台詞がない分、想像の余地が広がり、観客の数だけ物語が生まれる。販売されている脚本を読んでもう一度観たとしても、受け取り方はひとりひとり微妙に違う。
観劇後に私の印象に一番強く残ったのは、ラストのそれでも生活を続けていくヒロインたちの笑顔と、それを見守る父の慈愛の表情だった。
また、この新しい切り口の演劇は、言葉の壁が無いので世界に発信しやすい。2年後の東京オリンピックの時期に再演して、海外の人の注目を集め、2013グランプリの「木ノ下歌舞伎」のようにパリ公演とかできたら、と夢見てしまう。
「演出」
迫力のある殺陣がもちろん、Wordless×殺陣芝居の最大の魅力だ。ダンスの様なきれいな殺陣ではなく、登場人物ごとに必然性のある動きや殺陣筋が感じられる。アイドルのヒロイン2名ともよくがんばっていたが、特に殺陣芝居2回目の久代梨奈の、初めて剣を手にした時の剣に操られるような動きには、目を奪われた。
人力CGや4Dと呼ばれた「水、川」や「矢」の表現は、生の演劇ならではの演出である。
今までも布を効果的に使った演出があったが、プロジェクションマッピングではなくビニールと照明で、こんな幻想的な「水、川」が表現できるとは、驚いた。「矢」が曲がりくねって飛ぶ場面も、エンターテインメントではあるが、生の演劇でしかできない表現である。
この人力CG・4Dは、ヒロイン2名と水神以外の全員が取り組んだ成果である。
「出演者」
演技賞に悪役の久沓をオススメする!
パントマイマーでもある主宰の大熊隆太郎の持ち味を、余すところなく生かした役どころで、操っている時の顔と手は怖いほどだった。
そしてアクションモブの成長にもふれておきたい。昨年8~12月の「五彩の神楽」を観てきたから、その切られっぷりとハケ方の上達がよく分かる。帽子や剣や農具といった最小限の小道具で、くるりと回って表情から動作まで兵士から農民に早変わりする。ビニールや矢で人力CGもやってのける。本当はこの影の立役者たちにも、演技賞をあげたいくらいだ。
「その他のおすすめポイント」
SNSを多用したPR体制、ファンを巻き込むイベントの数々を始め、小道具や衣装(二ツ巴は壱劇屋の安達ではなく植田昇明だが)や音響照明も、しっかりした路線を持っている。
今後も地方、関西から演劇を発信し続けようとしているところも、応援したくなる点である。
他ジャンルの客演を通じて演劇ファンの拡大を図ったり、ワークショップやアクションモブなどで若手の育成をしているところも好感がもてる。
6~7月 Wordless×殺陣芝居での初の三都市公演「独鬼(ひとりおに)」では、なんと枚数限定ながら高校生以下無料の試みに踏み切っている。これも話題性を求めているだけではなく、演劇ファンの裾野を広げるチャレンジでもある。
このコメントが審査員の目に留まって、何らかの参考になれば、幸いである。
そしてひとりでも多くの人が、こんなに力説するファンがいるなら壱劇屋を観てみようかな~と思ってくれたら、とてもうれしい。

R老人の終末の御予定
ポップンマッシュルームチキン野郎
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
ポップンマッシュルームチキン野郎
R老人の終末の御予定観劇。
設定からして謎すぎるのに終わる頃にはいつも古典演劇でも観たかのような深い味わいがあって。
生きとし生けるものだけでなく無機質なものにまで愛を感じずにはいられなくなる。
アダムとイブ。
ロミオとジュリエット。
ヨドバシファミリーVSビックファミリー(あれ?)
家電たちがまた凝っていてミニチュア欲しいくらいでした(笑)

さようなら
オパンポン創造社
インディペンデントシアターOji(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★
楽日のマチネ。 初めてこの劇団見てきました。 王子はハズレがないのと、ツイ友の感想が良かったからです。 いや〜濃い濃い。このストレートさがパンチ効いてて良かったです。アンケにも書きましたが、東京には余り見かけないテイストが新鮮でした(東京中の劇団知ってるのか?と突っ込まれそうですが)。 4月に関西転勤した劇友に速攻で連絡です。

アカイイト 2018年版
劇団ピンクメロンパン
シアター風姿花伝(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

さようなら
オパンポン創造社
インディペンデントシアターOji(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/04/22 (日) 17:00
オパンポンさん作品に出てくる人たちは、ちょっとダメな人だったりかっこ悪かったりするけどもどこか愛おしい。
少しの希望と可笑しさに笑うが、頑張っても頑張っても報われなかったりして切なく胸が締め付けられる。
大雨の大事件から、再生に向けてこれまで通りの生活を決めた人の元に、ぶっ飛んだ変わり方をして帰ってくる人に、その人の人生が変わっていくような、爽やかで晴れやかなラストシーンが印象的。
観終わったあとも、その後の登場人物達の人生を想像させてくれる素敵な余韻があります。
観れて本当に良かったです。
ありがとうございました。

怪事街~ミス・サンフラワーの逃走
夜光堂
シアター1010稽古場1(ミニシアター)(東京都)
2018/04/21 (土) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★
本への深い愛情とやさしさに溢れた物語でした。
もしかしたら、自分の持っている本へも愛情を注ぎ大切に扱うことで心が宿るかもしれない、と思わせる
そんな優しい気持ちにさせてくれる素敵な作品でした。

地底妖精
Q
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2018/04/20 (金) ~ 2018/04/23 (月)公演終了

R老人の終末の御予定
ポップンマッシュルームチキン野郎
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/04/23 (月) 14:00
舞台風景の写真だけを観たら侮れられるかもしれませんが、出る役者出る役者技術も芝居に対する姿勢も達者な役者さんばかり、単純な作りの舞台装置ながらも情景の浮かぶ演技、照明、音。本来ならテレビシリーズでやっても良いくらいの素材を贅沢にも一本の芝居に集約させた本も満足の作品でした

青春超特急
20歳の国
サンモールスタジオ(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★
ま、まぶしい。まぶしくて、こそばゆくて、見てられなくて、目をそむけちゃうけど、でもやっぱり気になって横目で見ちゃう、みたいな。舞台ちかくの席でみちゃったけど、遠くの高い席のほうが全体を見渡せてよかったかも。

青春超特急
20歳の国
サンモールスタジオ(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

アカイイト 2018年版
劇団ピンクメロンパン
シアター風姿花伝(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

新宿コントレックスVol.19
アガリスクエンターテイメント
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/04/20 (金) ~ 2018/04/21 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/20 (金) 19:30
5団体の短篇コントを上演する、アガリスクの定番公演だが、玉石混交とはこのことだと思った。エンニュイ,アガリスクは合格点(星3つ)、くによし組は上級(星4つ)だが、今回は、かつて、新宿眼科画廊で「受付芝居」という新ジャンルを開発した、なかないで、毒きのこちゃん、が白眉(星5つ)。なんと「スタッフ芝居」という新ジャンルを持ち出してきたのは凄い。これだけなら十分に星5つだが、劇想からまわりえっちゃん、の悪ふざけをお笑いと勘違いした作品がひどすぎた(星1つ)。

嗚呼いま、だから愛。
モダンスイマーズ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/19 (木) 19:00
十分に共感できる芝居だった。2016年に初演した作品の再演だが、初演は見てない。売れない麻雀雑誌の4コマ漫画家の女性を川上友里が演じ、夫や姉との関係で、一種の被害妄想的な状況を語り出すのだが、それはそれで共感でき、一方で、夫や姉にも共感できる場面が多く、何とも言えない不思議な作品になっていた。エンディングは一種感動的だが、そんなに巧くいくかな、という気もさせられる。

さようなら
オパンポン創造社
インディペンデントシアターOji(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
とてもテンポが良くて、どんどん引き込まれてしまった。
人間の弱い部分とズル賢い部分がスケスケな感じで表現されてて、だれでもこういう面を持ってるんだよなと改めて思わせてくれる作品だった。
もちろん、笑いがあちこちに入ってて、お客さんと一体感があって良かった!
最後のオチには完敗です!