最新の観てきた!クチコミ一覧

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ひとくず

ひとくず

映像劇団テンアンツ

本多劇場(東京都)

2025/07/04 (金) ~ 2025/07/09 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 必見! 華5つ☆ 途中休憩を挟み長尺の大作だが余りに夢中になって時を図るのを忘れた。追記7月8日11:55

ネタバレBOX

 私事で恐縮だが私自身が多少複雑な環境下で育ったので幼児期のある期間親権下になかった。70年以上経た現在でもトラウマであることに変わりはない。ただ許すことを覚えたに過ぎない。更に若い頃かなり長期間地域の住民運動に関っていたから様々なタイプの人々と関りを持っていた。こういう人々の中には虐待を受けていた人たちも多かった。そして子を虐待した親のそのまた親も子を虐待していたというケースが実に多いのが実情であるという事実を観てきた。
 オープニングでホリゾントに浮かび上がる観覧車の光彩が都会の夜に浮かび上がる時、何という侘しさ、妙な切なさが胸を撃つか! これはこの後のシーン、マリとカネマサの少女・少年期が交互に描かれる、母に取り付いた男によるそれぞれの虐待の有様を予め暗示しているように見える。マリとカネマサの左手に残る無数の根性焼きの跡。更にマリの胸にはアイロンで焼かれたケロイドが残り、カネマサには失明の危険を伴う頭部の負傷があった。カネマサの母、マリの母は、何れも自らの子が傷付けられることを防げなかった。但しカネマサの母は息子を庇おうと抵抗した実績は持っていた。この点がカネマサが弱者を庇い続け、優しさを持続する靭さを保持し得た原因かも知れない。極めて残念なことであるが、今作で描かれているように虐待に走る親と、それを止められない親に共通する圧倒的共通点は、現に虐待している親は、虐待されて育った親であり、その親もまた虐待されて育っているので、子供の愛し方を知らない、否寧ろ子供の愛し方が分からないという事実なのである。
 兎に角、脚本に人の心を撃つ力がある。作・演が上西 雄大さん1人なので細かい処迄虐待という不条理に抗う強い念が一貫している。キャスティングも良い。殊に少女時代のマリを演じた役者さんのまっすぐな演技が作品の錨のように機能し、所轄の刑事らのカネマサ(鴉)に対する深い人間性評価は剣持さん演じる元名刑事・桑島を通じて随所に鏤められ、カネマサの犯した殺人事件や窃盗事件に関しても何とか見逃してやってくれ! との気持ちを観客に呼び覚まし一瞬たりとも緊張感が途絶えることが無いなど芸達者な役者陣が各々いい演技をしている。
 終盤、カネマサ逮捕に至る場面でも、それを執行したのは、本署の連中であり所轄署は蚊帳の外で関与出来なかったが、カネマサがマリの誕生日に買ったプレゼントは桑島の計らいで渡すことができたばかりでなく、カネマサ、マリが分かれの挨拶を交わすこともできた。一方で現実に殺人という重罪が裁かれるという現実の厳しさをも同時に描いて作品のリアリティーを担保する点も流石である。観客もこの劇団のファンが多いようであるが、それも当然と頷ける良い作品であり、劇団である。
此岸と彼岸の間

此岸と彼岸の間

獏天

劇場MOMO(東京都)

2025/07/01 (火) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

広いとは言えない舞台でたくさんの役者が入り乱れての立ち回りはとても迫力があった。
怒りに満ちた怒涛のセリフのため聞き取りづらいところが多いことや前半の設定がわからないまま進んでいく状況が少し残念だった。

金曜はダメよ♡

金曜はダメよ♡

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/06/27 (金) 19:00

新作ホラー映画製作のため3人の若手脚本家が集められたがプロデューサーから「あれはダメ、これもダメ」と制限がつけられ……な物語。
その試行錯誤中の脚本の内容を舞台上の演技で見せる別チームがいて、な構造は舞台や映像表現でままあるが、その架空の(?)メンバーの意思が次第に現実界の面々に伝わり始めるのが妙案でトツゲキ倶楽部らしいところ。
倉田江美や小松左京の作品にも通ずるこういうシカケ、好きなんだなぁ。
あと、オープニングで流れる「あの曲」、知っているとニヤリだよね♪

ひとくず

ひとくず

映像劇団テンアンツ

本多劇場(東京都)

2025/07/04 (金) ~ 2025/07/09 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

杮落とし観劇
遂に劇団念願の本多劇場での公演
おめでとうございます

お話は説明通りで不器用な登場人物たちの
幸せをつかもうと足掻く落涙の物語でした
休憩入れての3時間半もの長丁場ながら
目が離せない内容でありました

ただ入場時の混乱があり
開演が30分以上遅れてました
でも待ってる観覧客さん方も
大人しく待っていたトコが
愛されてる劇団だなァと思えました

ネタバレBOX

金田も虐待されていて左手には
タバコを押し付けられた火傷痕があり
母親を蔑ろにし自分に暴行を加えていた
男を刺殺した前科があり
生計は空き巣であり
その仕事先で鞠と出会うのです
その鞠にも酷い火傷痕があり
胸のアイロン押し付けでの傷跡話は
実話から引っ張ったと思うけど
ホント酷いです
で鞠の母親も虐待受けてた為に
子供の愛し方が解らず日々を享楽的に
過ごしていたのだが
金田との出会いで鞠含めて3人で
何とか幸せに生きていこうとするが
人並みの鞠の誕生日に
金田の殺人がバレての逮捕となり
プロローグの刑務所の出所シーンへと
繋がって迎えに来た鞠母娘が
車椅子に乗った金田の母も連れてきて
再会するところで終演です
金田母が不器用に息子を愛して
ひたすらアイスを差し出すのが
胸に染みました

基本は大人になった鞠が当時を振り返り
過去シーンが時系列順に上演されていきます

ヒール役の方々の存在感も上手く
慣れた感ありました

劇団の始まりは
大阪の焼肉屋2階15席スタートだったそうで
朧よりは良さげかなー
渋谷のマンション地下7席だったもんな
グッジョブ

グッジョブ

や印企画

シアター711(東京都)

2025/07/01 (火) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

デザイン事務所内の群像劇みたいな
人間模様が楽しめた約100分の作品
いろいろと要素を詰め込みながら
綺麗にまとめてあって見応え満足でした

ネタバレBOX

社長を含めて従業員数7名の
小さなデザイン会社が経営の屋台骨となる
クライアントの仕事を取れるかどうか
というジョブ話に亡き先代社長の息子が
一人前になれるかーと
神さま達が絡んでくる話も入り
笑いを取りながらも
七夕祭りまでの3週間を乗り切る話です
先代社長の詣でが祭りと同時で
締めとなるのでした
トレマーズとバック・トゥ・ザ・フューチャーの同時上映を観に行った僕のその後の話

トレマーズとバック・トゥ・ザ・フューチャーの同時上映を観に行った僕のその後の話

カワモとメイメイ企画

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2025/07/02 (水) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

中々のものだ。バイバイの「ワレワレノモロモロ」等で川面女史の創作的側面をチラ見はしていたが、田中氏原案(自らの半生を記した)、脚本・演出川面の舞台は出来として予想をかなり上回った。
トークにて、川面氏は個人のリアルなエピソードを劇化したいらしく、その感性はもしやバイバイで岩井作品のリアルを元にした創作と舞台製作で育まれたものか、と想像した。
役者のチョイスも秀逸である。アルシェという狭小空間にも合っていた。
手脚の長い菊池明明を、武器として用いていた。二人のコンビは以前春風舎でケラ作品をやったのに遡るが、あの気合の入った本域芝居をやっただけで演劇的ポテンシャルが知れるという代物で。
今後もこのユニットで(不定期でも良いので)活躍を期待する。

平田俊子作品連続上演『夜の左側』『ガム兄さん』

平田俊子作品連続上演『夜の左側』『ガム兄さん』

流山児★事務所

Space早稲田(東京都)

2025/06/23 (月) ~ 2025/07/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

まずは「夜の左側」、平田俊子という作家を再発見の時間であった。台詞が面白い。秀逸。
「ガム兄さん」がかつて書かれた脚本で、今作は当時のアパート住いの男が今もそこにいた、という設定と読めるようだ。が特にその事に言及するわけではなく踏まえる必要もない。人生とはかくの如し、の一言で足りる。が、劇中に執拗に言及される「あいつ」が、過去作に実際に登場するというなら興味がある。ゴドーのように観客が目にする事のない存在としてあっても良いのだが、一点、あいつは男なのか女なのか、混乱しそうではあった。仮想のあいつはその時々で違うのか、自分の生涯に決定的な影響を与えた存在が、一人ではないとの含意か、人生の末期にあって混濁した記憶の中の「誰か」を通して自分の人生を捉え返すという事なのか、またはそのどれもか。。
何より塩野谷氏の存在感である。流山児氏は「必ず噛む」が予測内だし立ち方と発声の構えが決まってるので予測内、にしてはどうにか芝居に貢献できていた。龍昇氏も常に変わらないが笑わせる。伊藤女史も役目が判っておる。玄人ばかり揃い踏みの初々しい芝居。

KYOTO

KYOTO

燐光群

ザ・スズナリ(東京都)

2025/06/27 (金) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

坂手氏オリジナルと思い込んでいたが翻訳物であった。燐光群の場合翻訳劇はほぼ「本邦初」であるが、本作も非常に興味深く観た。
CO2排出制限目標を出した京都議定書はそれなりに有名だが、今はSDG'sを経てさらに進んだ段階にあるとは言え、意識の面では「慣れ」に拠るものか、相対的に低くなった気がする。ネットの深化によって陰謀論やフェイク、オカルティズムも、様々な「あり得る事実」の一つ程度に光を浴び、等しく無視できるものとなる。現実を捉える感覚が変質し、玉石混淆に存在する有象無象の言説に埋もれて、平準化されると、CO2問題も一旦カッコに括り、「夏は暑い!」けれど「それはそれ」で終ってしまう。
異常気象(以前はこの語句だった気がするが今は「気候変動」?)の問題、実は産業と結びついている眉ツバな分野と自分などは疑う一人だったが、京都議定書を扱うなら脱酸素を「善」とする前提だろうと推測しつつ、温暖化とCO2の因果関係に関する研究がどう絡んで来るのか、芝居の行方を眺めた。

科学の領域の話である「温暖化とCO2の関係」については、劇中ある研究成果に言及されるが、脚光を浴びたその主張は反対勢力の巻き返しにあい、学者は地位を失墜させられる事になる。
本作で「科学的裏付け」について触れられたのはここのみであった。
が、この作品のテーマは別の所にある事が見えて来る。物語としての面白さを語りたいが(今書き始めると長大になる事間違いなし)、日を置いて書いてみる。

花がこがれる

花がこがれる

アユカプロジェクト

シアター風姿花伝(東京都)

2025/07/03 (木) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

未来へつむぐ

未来へつむぐ

つむぎジャパン

国立オリンピック記念青少年総合センター・カルチャー棟・小ホール(東京都)

2025/07/04 (金) ~ 2025/07/05 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高!圧巻!何もかもよかったです。満点の舞台でした。知覧の特攻隊の話はある意味ベタですが、でも、すごく新鮮ですごく腹にドスン!とくる話と演技でした。中盤あたりから周りからすすり泣く声がしてきましたし。劇中の歌とサックス、最高でした。音響も抜群で聞き惚れました。サックスを吹いているシーンで完全に涙腺崩壊しました。あと、私の真横に下村元文科相大臣がいたことにビックリでした。下村さんの最後のスピーチもよかったし、戦争経験者の話もズシンときました。最高の時間でした。

ひとくず

ひとくず

映像劇団テンアンツ

本多劇場(東京都)

2025/07/04 (金) ~ 2025/07/09 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/07/04 (金) 14:00

素晴らしい舞台でした!

🟥京都🟥 keyp - C

🟥京都🟥 keyp - C

劇団1mg

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2025/07/04 (金) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いつもと違う1mgを見た感じ
10回目公演ということも有るのか…
プチミステリーだが、犯人(トリック)は比較簡単に分かりミステリーファンには不完全燃焼だが、違った作風を観たいならおすすめデス

六道追分(ろくどうおいわけ)~第六期~

六道追分(ろくどうおいわけ)~第六期~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

キャストそれぞれが個性豊かやで花魁は華やか、盗賊はイケメン、客席からも近くて見ていて迫力が有りました。笑いや踊りも随所に散りばめられて、良い意味で古典演劇ではありませんでした。あっという間に終わってしまった1時間40分でした。

花がこがれる

花がこがれる

アユカプロジェクト

シアター風姿花伝(東京都)

2025/07/03 (木) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

舞台に花や香が溢れて、いるだけで心地よい空間でした。お話も最後に意外な謎解きがあり、引き込まれました。アフタートークやお見送りも楽しめて、サービス精神満載でした。お花屋さん役の人が面白かったです。

ひとくず

ひとくず

映像劇団テンアンツ

本多劇場(東京都)

2025/07/04 (金) ~ 2025/07/09 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。真面目で怖いドラマ作品でした。しかし話のなかで笑えるところがけっこうあったので、話が重くなりすぎず楽しめました。
出演者の人数の多さに驚きました。また上演時間は休憩を入れて4時間位だったことも驚きました。「ひとくず」は超大作でした。

みんなノーフューチャー

みんなノーフューチャー

セビロデクンフーズ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2025/07/03 (木) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 (笑えた度)4(今感)5(完成度)4

今日は7月4日。予言通りなら、みんなノーフューチャー。
明日、セカイが終わるかもしれないそんな日は、
ハチャメチャな芝居を観に行くしかない。
近所の店でグチャグチャなカレーを食してからゴチャゴチャした駅前を抜け、バス停へ。
都バスが環七をぶっ飛ばしているが、大丈夫なのか。
司法解剖されたら、腹の中がマッチャッチャだ。
そんなことを考えながら王子へ。

ネタバレBOX

そうこうしてたどり着いた芝居は、意外にもかなりウェルメイド。
確かに、予想した通りのはっちゃけナンセンスが基調なのだけど、
セカイもとい、地球であるダンス君が生まれる前から、
滅亡する7月5日当日までの物語の語り口がしっかり文学風味。

人生に意味はあるのか。
無情にも、セカイはただのナンセンス、踊るしかないのか。

劇中、生アコギやパンクチックなエレキがいい味を出している。
ダンスもGOOD。

漫画を描いて物語に閉じ込められている地球であるダンス君は、
終末の最後の最後に何を見たのか。

バックサスのブルーを背後から浴びたダンス君の表情がたまらなく良い。
さすが演技派、大宮さんの主演は叙情性が高く、心に響く。

7月6日がもし来たら続編をやるようで、大変気になる。

 




さてさて、ネタですが・・・・




自走式ツチノコの声が天の声
今、逆にクリープハイプを聴いてる
CO2が四畳半にジェット噴射されて、温暖化が進む
置き配の置き場所に悩むウーバーが妙にリアル
男なら青い炎
トランプが米を輸入しろと言ったニュースが流れる
地球の母は網走出身だった
父自作の子守唄が10番まである
などなど。


POPだし、なかなか攻めている。
はぐらかしたり、もてなしたり

はぐらかしたり、もてなしたり

iaku

シアタートラム(東京都)

2025/06/27 (金) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/07/04 (金) 14:00

ベテラン劇団らしい、巧妙でいい話だが、クセもあり面白い。107分。
 冒頭の3場面ほど観ても、どうつながるかが良く分からないのだが、そこからの落ち着き方は見事で、さすがiakuさすが横山拓也と思わせる作り。登場する男女それぞれが普通の人だけど一寸クセがあるという描き方が巧く、笑ってる観客も多いが、笑えない部分も大きく感じる話だった。それはツマラナイということではなくて、シリアスに考えたらとってもシリアスな物語が展開されているということだと思う。

 7月流火

7月流火

DANCETERIA-ANNEX

大倉山記念館(神奈川県)

2025/07/01 (火) ~ 2025/07/04 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/07/03 (木) 19:30

流火というタイトルが物語に絶妙に合っていて、ロマンチックで、優しいあったかい気持ちになりました。ダンテリ作品はいつも温かい。
次回も期待しています!

花がこがれる

花がこがれる

アユカプロジェクト

シアター風姿花伝(東京都)

2025/07/03 (木) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

尺103分。通常の観劇体験のみならず香や音との共感覚すら楽しめるゆったりした舞台空間は秀逸。最終的な☆印、追記は後送するがお勧めである。未だ予約も可とのこと。

ネタバレBOX

 板上はセンター奥に荘厳な祭壇を思わせる造りの構造物、手前には周囲を椅子に囲まれた広く大きなテーブルが並べられている。客席側の下手、上手には幾多の切り花をふんだんに用いた華の宴。ここ以外にも随所に花々が見え、洒落た瓶や試験管立に並んだ試験管、その1つに差し込まれたピペット等が見える。極めてセンスの良い安定感と豪奢すら漂わせながら決して威圧感のないこの舞台美術を包み込むように仄かに漂う微妙で繊細な芳香、そして音響。これらが共感覚を体験するように観客の身体をしっとり浸し包み込む。
 この空間の手前は店の入口という設定なので登場人物が客席側通路から店へはいる際、出る時は音で出入りを表現する。
 ちょっと見、花屋に見えるこの空間に下手奥から試験管とピペットを持ったカガミが入って来、ピペットから薬品を垂らす。微かな反応がある。満足そうに彼女は試験管立にそれを差す。
 と店に若い女性・アイリスが入ってくる。挨拶後、飲み物を取りに行こうとするカガミにアイリスが質問する。花屋さんでしたよね? と。答えはマジョノミセ。「ようこそ生贄さん」と返され、直ぐ帰ろうとするアイリスにカガミは冗談であったかのように応答。この後もスナック、花屋と答えは変転するが、総て嘘、との言葉も入り、アイリスが帰ろうとすると引き止め、これから先は総て真実しか言わない契約を交わす、と悪魔と人との契約時の台詞をベースにした文言を滑り込ませる辺り、中々芸が細かい。この直後カガミがアイリスに飲み物を用意している間に常連たちが次々にやってくる。物語の始まりだ。
ふぁいやホーム 淑

ふぁいやホーム 淑

ボタタナエラー

テルプシコール(TERPSICHORE)(東京都)

2025/06/11 (水) ~ 2025/06/15 (日)公演終了

実演鑑賞

ボタタナエラーの新作。80分。6月15日までテルプシコール。

https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/07/post-de1435.html

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