花がこがれる 公演情報 アユカプロジェクト「花がこがれる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    尺103分。通常の観劇体験のみならず香や音との共感覚すら楽しめるゆったりした舞台空間は秀逸。最終的な☆印、追記は後送するがお勧めである。未だ予約も可とのこと。

    ネタバレBOX

     板上はセンター奥に荘厳な祭壇を思わせる造りの構造物、手前には周囲を椅子に囲まれた広く大きなテーブルが並べられている。客席側の下手、上手には幾多の切り花をふんだんに用いた華の宴。ここ以外にも随所に花々が見え、洒落た瓶や試験管立に並んだ試験管、その1つに差し込まれたピペット等が見える。極めてセンスの良い安定感と豪奢すら漂わせながら決して威圧感のないこの舞台美術を包み込むように仄かに漂う微妙で繊細な芳香、そして音響。これらが共感覚を体験するように観客の身体をしっとり浸し包み込む。
     この空間の手前は店の入口という設定なので登場人物が客席側通路から店へはいる際、出る時は音で出入りを表現する。
     ちょっと見、花屋に見えるこの空間に下手奥から試験管とピペットを持ったカガミが入って来、ピペットから薬品を垂らす。微かな反応がある。満足そうに彼女は試験管立にそれを差す。
     と店に若い女性・アイリスが入ってくる。挨拶後、飲み物を取りに行こうとするカガミにアイリスが質問する。花屋さんでしたよね? と。答えはマジョノミセ。「ようこそ生贄さん」と返され、直ぐ帰ろうとするアイリスにカガミは冗談であったかのように応答。この後もスナック、花屋と答えは変転するが、総て嘘、との言葉も入り、アイリスが帰ろうとすると引き止め、これから先は総て真実しか言わない契約を交わす、と悪魔と人との契約時の台詞をベースにした文言を滑り込ませる辺り、中々芸が細かい。この直後カガミがアイリスに飲み物を用意している間に常連たちが次々にやってくる。物語の始まりだ。

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    2025/07/04 11:37

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