
舞台『異説・狂人日記』
ヨビゴエ
三越劇場(東京都)
2025/07/03 (木) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/07/04 (金) 19:00
ダブルキャストのうち【受容】バージョンを拝見。初演以上に印象的な舞台となっていた。日常を侵食する狂気とそれに翻弄されるセンセ、十三の抱く不安定さと切実さ、誰がどこまで正気なのか、などと思い惑う暇もなく仄暗い舞台に引き込まれた。様々な考察もできそうだが、それ以前に独特の雰囲気に圧倒される。生演奏や会場の雰囲気も作品の雰囲気に合っていてよかった。

がらんどうのしにすとら
‐ヨドミ‐
TACCS1179(東京都)
2025/04/16 (水) ~ 2025/04/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/04/16 (水) 19:00
彼らは強く美しくしかし陽の光を浴びると灰になってしまう。彼らは人を狩るが、彼らを狩る存在も……などというある種の定型めいた道具立てをこの団体らしい居心地の悪さと切実さで描く。登場人物の大半が人格に問題あるし、特に父親と名の付くヤツらがホントろくでもなかった。

秋田は何もない
わらび座
わらび劇場(秋田県)
2025/05/06 (火) ~ 2026/01/03 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/05/06 (火) 13:45
インパクトのあるタイトルだが、実は「何もない」と自嘲しがちな故郷へのさまざまな想いを描くミュージカル。ある事情から強烈な郷土愛を抱く主人公ばっけ(蕗子)を中心に、家族や友人やそれらを取り巻く周囲まで含め、それぞれの寄って立つべき根っ子を探す物語。わかりやすい答えや解決を示すのでなく、人と人とのつながりの温かさを感じさせる誠実な作品と感じられた。

あたらしいエクスプロージョン
CoRich舞台芸術!プロデュース
新宿シアタートップス(東京都)
2025/11/28 (金) ~ 2025/12/02 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/11/29 (土) 18:00
堀越さん演出、金子さん出演、島田さん演奏というあやめ十八番ファンとしては期待高めで観に行ったが、それを上回る面白さだった。
「映画は戦争に負けたんだ。次は勝つ」と語る杵山やGHQに剣劇が禁止され打つ手を模索する月島など戦後新しい映画を撮ろうとする人々の姿を目まぐるしい転換と衣装替えで(!)描く。堀越演出らしさを随所に感じつつ、初演がどんなふうだったも気になって調べてみたら、初演も同じ兼ね役での上演だったらしい。映画愛に加えて生身の人間が演じる面白みを見せる芝居。
そんなキャストに増してお忙しそうだったのが一人楽隊(?)の島田さん。アコーディオンやキーボードをはじめ効果音も含めて八面六臂の活躍に加えて持ち前の美声も堪能させていただいた。
小道具や大道具を服飾関係のアレコレで代用して見せていたのも印象的だった。

舞台「近松心中物語」
CCCreation
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2025/10/18 (土) ~ 2025/10/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/10/18 (土) 13:00
凄かった。いやホント凄かった。時代物の戯曲を現代風のビジュアルで演じるのがこんなに面白いなんて!
それを成立させる手だれ揃いのキャスト陣に見惚れるとともに、多彩な場面作りや台詞の発し方に感じられる演出の細やかな配慮を堪能した。

草創記「金鶏 一番花」
あやめ十八番
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2025/09/20 (土) ~ 2025/09/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/09/20 (土) 18:30
事前にあらすじを読んだとき(話の軸が複数だと散漫になってしまわないか?)などと思ったがまったくの杞憂だった。複数の物語が絡み合い解けぬ糸のような運命が人々を翻弄する。その姿をさまざまな仕掛けで描き出し、惚れ惚れするほどの傑作群像劇となった。

音楽劇 金鶏 二番花
あやめ十八番
座・高円寺1(東京都)
2025/07/07 (月) ~ 2025/07/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/07/09 (水) 18:30
テレビ放送黎明期の試験放送等に関わった人々の奮闘を戦後日本の復興と重ねて音楽劇として描く。笑いや華やかさだけでなく切実な出来事もあるが、主人公2人の歌声と洒脱な魅力が作品の印象を明るくした。金子さんの歌声に物語を支える説得力があって見事だった。

そして下北沢で我々は
片岡自動車工業
ACT cafe(大阪府)
2025/04/11 (金) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

蒼い瞳の女
座キューピーマジック
「劇」小劇場(東京都)
2025/11/26 (水) ~ 2025/11/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
感想文「蒼い瞳の女」
https://gen11.seesaa.net/article/2025-12-04.html

想い出のテラス
座キューピーマジック
「劇」小劇場(東京都)
2025/06/11 (水) ~ 2025/06/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
感想文「想い出のテラス」
https://gen11.seesaa.net/article/2025-06-18.html

ミュージカル「ロミオの青い空」~絆~
ミュージカル「ロミオの青い空」製作委員会
天王洲 銀河劇場(東京都)
2025/12/19 (金) ~ 2025/12/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/12/21 (日) 12:30
ルソーあたりに影響を受けた啓蒙主義的なストーリー。歌も良し。アニメでこんな作品が放送されてたとは知りませんでした。

三人の密偵
劇団チョコレートケーキ
サンモールスタジオ(東京都)
2025/12/25 (木) ~ 2025/12/29 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
3本通しで鑑賞。単品ではそれほど面白くないと思われる。張作霖爆殺事件の前後を描く芝居で、歴史ものとしても、スパイものとしても、核としてどういう表現がしたいのか分からない。よって題材はともかく、演劇の観せ方としては面白味に欠ける。B級スパイ映画のようにしたほうがまだ良かったのではないか。あと、こんなすぐ感情的になるスパイがいたら嫌だと思った(笑)

奇跡かな
劇団かもめんたる
本多劇場(東京都)
2025/12/25 (木) ~ 2025/12/29 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
笑った。さすがプロの芸人さんが書く台本は笑いのレベルが高いと思った。そしてまさに奇跡のようなラスト。俳優さんたちも皆、それぞれの役割を理解した演技で隙がない

そして下北沢で我々は
片岡自動車工業
ステージカフェ下北沢亭(東京都)
2024/09/12 (木) ~ 2024/09/16 (月)公演終了

「エターナルチルドレン」「ツキカゲノモリ」
片岡自動車工業
駅前劇場(東京都)
2025/10/15 (水) ~ 2025/10/19 (日)公演終了

養生
ゆうめい
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2025/12/19 (金) ~ 2025/12/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/12/24 (水) 14:00
昨年2月、ザ・スズナリでの初演版をスケールアップ。
脚立を繋いだあの特徴的な装置の数は増えるわ客席背後も使って会場内を駆け巡る(初めてゆうめいを観た「ふぇす(2016年10月)」を想起)わ、そしてもちろん状況/会話は楽しい(?)わで満足満足♪

7days-特殊能力捜査班-怨情の本能寺パラドックス
メディリリ
萬劇場(東京都)
2025/12/27 (土) ~ 2025/12/31 (水)公演終了
実演鑑賞
「本能寺の変はそれ自体でもう1つのコンテンツである」ととある歴史研究家が揶揄をした。
高校技術の授業で何故か本能寺に向かう明智軍を書いた私には耳が痛い言葉だった。
成人向け雑誌で美人の女教師が教えていたのはこれもまた何故か本能寺の変だった。
しかしであるならば誰もが知っているコンテンツとして活用すべきで、客も参加するこの試みはすっと理解されやすかったのではなかろうか

「エターナルチルドレン」「ツキカゲノモリ」
片岡自動車工業
駅前劇場(東京都)
2025/10/15 (水) ~ 2025/10/19 (日)公演終了

そして下北沢で我々は
片岡自動車工業
ACT cafe(大阪府)
2025/04/11 (金) ~ 2025/04/13 (日)公演終了

マレビトの歌
Noism
彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)
2025/12/20 (土) ~ 2025/12/21 (日)公演終了
実演鑑賞
純正のダンス公演、と書いてみる。自分が演劇的要素のある舞踊に惹かれるのだとすれば、そうでない舞踊(演劇的要素の薄い又は無い舞踊)との境界線があって、それは舞踊というカテゴリーの端っこに位置するのかも知れぬ、と想像してみる。もっとも「演劇的」と書けばその意味範疇は広く、舞踊というカテゴリーをも包み込んでしまうだろう。意味的には。
舞踊作品に限らず、絵画でも、もちろん演劇(特に抽象性の高い)にも言える事だが、作品の文脈を理解する事によって漸く鑑賞に耐えるという事があるように思う。シュルレアリズムや、ダダといった時代区分の作品を、「なぜこう描きたかったのか」という時代背景とセットで見るのとそうでないのとでは見え方も理解の深みも違ってくるといったような事。
話を舞踊に戻せば、まず音楽(音)が不可欠な要素である。逆に「音がない」舞踊舞台は、その事に意味が付される位に不可分なもの。この音楽がキャンパスの背景色に当り、舞踊はその中で位置を得る関係性だ。関係を違えると(そぐわない動きが入るか、選曲を間違えるかすると)作品としての質に関わる。
Noismの舞台は二度目であったが、前に芸劇で観た舞台は美術や趣向からして演劇的であったのに対し今回は「踊り」の技巧や群舞のアンサンブル、統一性に比重が置かれていた感がある。その分、音楽との緊密な関係性は削がれ、大括りな関係性となっていなかったか(この音楽を流していれば踊りの中身が意味深に見えるという無難な選曲・・舞踊公演には割とありがちに思っている)。目を見開き、凝視していたのだが、群舞はかなり攻めた形を作っていて、技巧的に素晴らしい・・が、訴えて来るものが無い。そのため、これを受け取る心の受信機は暇をこいてこっくり船を漕ぎ始める。耐え切れず爆睡に入ってしまった。・・とは言い訳かも知れないが。終演と同時に大きな拍手が起きた。舞踊関係者が多そうに見えた。「よくやった、すごい。あれだけの事をやれただけでも拍手に値する」そういう拍手である。一方自分は、技術を見に来たのではなく、問いを受け取りに来た。一歩を踏み出す、なぜ?どうそれを説明するのか、を見据える。その連続性の中に、舞踊という表現のドラマがあると期待して経過を見て行く。舞踊を見慣れていない目には、振りが長かったという事なのかも・・。
帰路、人が踊る姿に魅入ってしまう理由、あるいは辞めてしまう理由について、改めて思いめぐらしていた。