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app.17【Oxymoron(オクシモロン)】

app.17【Oxymoron(オクシモロン)】

電動夏子安置システム

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2026/06/05 (金) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2026/06/05 (金) 16:00

「チームLf」を観劇。89分。

外のことはわかりません

外のことはわかりません

ポポポ

シアター711(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

地方の小さな工務店「イチオ工務店」
三姉妹の父が興し二女の玲奈が
継ぐ事になったその店に
家を建てたいと一組の夫婦
博とすずがやってくる
間取りの打ち合わせは和やかに進むが
「子供部屋、いらないです」
その一言が工務店に関わる
全員の人生を静かにかき混ぜていく
これは
ある夫婦が間取りを完成させるまでのお話
との説明通りに舞台は工務店の
接客スペースで
間取り等の図を配したデザインにて
視覚にも拘った舞台の見せ方をしてた
110分の作品 全席自由
個性的なキャラクターも出してきたりと
物語も十二分に楽しめました ♫

THE GAME OF POLYAMORY LIFE

THE GAME OF POLYAMORY LIFE

趣向

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2026/05/30 (土) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

10年前の初演を(同じKAATで)観た縁に託けて、今回も観に出かけた。稲葉賀恵演出、が後押し。
知った顔と名の上田遥のAチームは叶わず、Bを観た。そのため上田女史の方だったら・・という想像を観ながらやってしまう。が、Bのムーン役(笠木泉)のウラだろうと踏んでいたのが実は違ってた。男女比も両チーム違う。エンジェル(豊田エリー)は男女二刀流で先のムーン・女とタイガー(小川ゲン)・男(ムーンが先に付き合っていてエンジェルに紹介し、三人の関係が生まれた)。だがAチームではムーンが男(加藤啓)、タイガーが女(これが上田)、そしてチームで性が異なるエンジェルの友人アリス(これが複雑な要素を持ち込む)は、Bでは男(阿岐之将一)、Aでは女(前原麻希)である。
豊田と共に、エンジェルが新たに出会う相手・ガンダムがシングルキャスト(笹川幹太)。この舞台、難しい設定にしては心情表現がリアルに迫り、興味深く観たため、自然別チームも観たくなったがそれは叶わずであった。

舞台は両面客席の間にほぼ正方形の台が、エンジェルの室内として置かれる。廊下に近いゆるいスロープが四角の一辺に渡され、反対側には逆向きのスロープ。片側は玄関へ、片側は抽象的な使用。
高級感あるフローリングの台上には金持ちらしい簡素さで、伝統色無しの瀟洒な調度(ベッド、テーブル、高めの台・・ふかふかの起毛布で覆われカグスベールで俳優が一人でよく移動させる)、冷蔵庫、低い木製台、観葉植物、書籍、柱、椅子。
ポリアモリー(複数との愛)が果たして成立するのかの実験=ゲーム?が、初演では「成立しづらいな」という感想。今回も基本同じなのだが、裕福で生活に困らない相手、そのパートナーに相応しい肢体を備えた相手、生活苦から解放された条件下でしかこの「実験」に果敢に取り組むエネルギーもモチベーションも湧かないだろうな・・と。
三人が恋人同士という関係(女2+男1)の始まりは、エンジェルとムーンの二人でいた所、ムーンが「もう一人」の恋人をエンジェルに紹介した。エンジェルはこの相手をすぐ好きになり、三人共が「同じ考え」(同等に愛を分かち合える)である事を悟り、その関係に入った、と語られる。(ここで興味深いのはBでは女性同士の関係に、バイのムーンの男恋人が入る、という形なのに対し、Aでは男女の恋人に、男のもう一人の女恋人が入る、という形。Aの方が中々ハードルが高そうだ。)
偽りの無いその感情と関係性を、舞台上に描く事が本作では大きな課題だったろうが、流石それが成立するのを見る事は出来た。その上で。

Bチームの感想となるが、女性二人の関係が倦まないための刺激剤、あるいは間隙を埋める「豊かさ」をもたらす人材として「もう一人」(男)が「仲間」となり得たのは、三者が個として持つ「豊かさ」(物理的・才能的=人間的)ゆえで、その豊かさ=富を惜しみなくシェアする関係として、実は利害関係にある、という(貧しい庶民の)発想に私は持って行かれる。彼らが特権者に見えるのは否めない。(無論、世に「経済・生活」を捨象したドラマは幾っくらでもあり、物語の伝えたい核がそれによって見劣りする事のないドラマも存在する。ただしポリアモリーという形が現実の中でどう成立し得るかは、やはり検証の俎上に置かずには通過できない。)
友情は感じるがエロスは別枠に思える点が、言ってしまえばそれである。
明治のエライ人は妾を別宅でなく妻と同じ屋根の下に住まわせたようだが、「秘め事」に関しては暗黙のルールがあった事だろう。3人が規則性も無しに常にエゴも含めて相手の前に出したり出さなかったりを、他の二人が居る前でやるのか、それともやはり一対一の時間をそれぞれ作る事にしているのか・・。3Pはやらない、とすれば一対一の時間、残る一人は孤独である、という具合。「パートナー」の別表現である「まぐわいの相手」の側面が、どうしても乗り換えられない。

感情の揺れ動き、そして「成立するか実は危うい」という実際この関係が誕生しても忍び寄るだろう要素にも言及しながら、それでも「今は続けて行く」(そして私達は愛のただ中にある)と、愛の多様性を謳いあげてドラマは終って行く。

この世界を描けるのは、性欲を離れた関係をリアルに想像できるのが女性だから、だろうか。
愛がリスクからの、暴力からの防波堤であると考えれば、つまり平和が自然な状態としてでなく暴力を忌避し回避する「態度」として捉えると、「あなたを守りたい」感情は確かに、セックスを抜きに存在し得る。
コザ騒動を背景にした「hana」に登場するジラースーと呼ばれる旦那さんは、ママのパートナーだが「そういう関係」を好まず、子どもたちを助けるために戸籍上の夫となった人。愛の広さ、深さが沖縄の地上戦の悲惨を背景にする事で「あり」に見えてくる。むしろ輝く。
本作で描こうとした定義しようのない関係とは、実はそのようなものではないか。

さて観客の少なさには「あ」と思わず驚いた。通常の客席ならどの程度埋まっていただろうか。対面客席の「客の多い側」に座れば、対面の少なく淋しい客席が見えてしまう。もっと多くに観られて良い舞台だと思う。

六月のシャバダバ

六月のシャバダバ

ここ風

スタジオ空洞(東京都)

2026/06/05 (金) ~ 2026/06/11 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

公開ゲネプロを拝見。縦長のスペースをコの字(しの字?)に囲むように客席が設置。このゲネプロの観客は15名だけなので、まずどこに座ったものかと迷ったが、割といい感じに皆バラけて着席。明日からが本番なので内容に触れるようなことはしないけど、観終わってから改めて説明文を読んだら何だかグッときてしまった。

半神

半神

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田大学学生会館(東京都)

2026/06/04 (木) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

囲み舞台だったのでスタッフさんに「おすすめは?」と聞いて選んだ席だったので、それはそれでよかったのですが、場面によっては「あっちから見たい!!」というのもあって悩ましいです。明日もう一度行こうかなと思ったのですが、売り切れていました。
大道具(と言っていいのかな)はなかなかの力作と思いました。確かに二分の一の螺旋階段です。
これから萩尾望都さんの「半神」を読んでみようかと思っている方には「霧笛」もおすすめします。

アサッテの人

アサッテの人

7度

調布市せんがわ劇場(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/06/04 (木) 19:30

難解な小説を舞台化して、良く分からないけど何か分かる舞台。(前説6分含み)107分。
 諏訪哲史の小説の舞台化だが、元の小説が難解らしく、観ていて何かが分かるというわけではないが、「伝える」ことに長けたユニットらしく、何だか分かった気になる舞台だった。ユニットの山口真由が語り、客演の飴屋法水は主にBGMならぬBGN(Back Ground Noise)を発しつつ、時折語りに加わる。照明が実に巧みで、観え方を意識した山口の舞台姿が妙に説得力を持ち、緊張感ある時間を過ごした。
 思わず原作の小説を買ってしまった。
 80分の予告が105分というのはちょっと・・・。

THE GAME OF POLYAMORY LIFE

THE GAME OF POLYAMORY LIFE

趣向

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2026/05/30 (土) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

〈Aチーム〉

広い一軒家の透視図のセットを二面4列の客席で挟む形。舞台美術の松岡泉さんは見事にこの奇妙な世界を開放的空間として成立させた。

高校美術教師のエンジェル(豊田エリーさん)はムーン(加藤啓氏)、タイガー(上田遥さん)と同棲している。3人共それぞれ愛し合っているトライアッド(パートナーシップ)。大学時代の友達でずっとエンジェルに恋しているアリス(前原麻希さん)にはそれが理解出来ない。到頭、家に乗り込む。同じくInstagramで彼女達のことを知ったガンダム(笹川幹太氏)はムーンに取材を申し入れる。

ポリアモリー(複数愛)なんて初めて知った。関係する全員の合意のもと、複数のパートナーと恋愛関係を築くライフスタイル。よっぽどルックスが良いか、金が無いと成立しない気もするが。しかも今作の登場人物は全性愛者(パンセクシュアル)も兼ねている。男も女もない渾沌。一昔前なら柴門ふみに漫画を描かせて月9でドラマ化もあったネタ。

豊田エリーさんはた組で沢山観てきたが、今作が一番魅力的。この妖精のような圧倒的ルックスがないとなかなか成立し辛い設定だと思う。(旦那が柳楽優弥氏だとさっき知った)。こんな綺麗な人だったらこんなことも有り得るのかもと思わせる。

上田遥さんの独特な声は誰かに似ている。芹那かな?
加藤啓氏はやたら感動屋なので人間的には胡散臭い。
前原麻希さんはヒールの女子プロレスラーみたいな威圧感。
笹川幹太氏は細かい仕草が巧い。存在にリアリティーがあった。

多分、作家は人が人を自然に愛することを肯定したかった。そこに嘘がなければ何も間違ったことではない。純粋に幸せに向かって生きていくことを許容し合える共同体。自分が心からそう思えればそう生きられる筈だと。

Bチームだと豊田エリーさんと笹川幹太氏以外のキャラが男女入れ替わる仕様。どう見えるのかちょっと気になる。

ネタバレBOX

驚く程、客が入っていないことに不安を感じた。意識高い系の糞つまらない作品を危惧していたらシンプルでストレートな人間讃歌。『かぐや姫の物語』を匂わせもするファンタジー。これは討論を削ってミュージカルにすべき題材だと思う。理屈立てて言語化されると一々ムカつくが、歌と踊りで「本能なんだから仕方ない」とやられると納得せざるを得ない。

嫉妬がなくなるということは相手にあんまり興味がなくなること。ラストの「(豊田エリーさんに)好きな人ができました」「おめでとう!」のくだりも独占欲を超越した理想の関係性というより普通の友人関係に見える。独占欲のない愛、しかも無関心ではない···!?。

昔、「恋愛=友情+性欲」だと考えた。性欲だけだと人間の関係性としては一面的に終わる。友情だけだともう一歩奥に踏み込めない。今作の登場人物も「性行為」がなければ仲の良い共同体だと観客は普通に受け止められたと思う。やたらキスをして肉欲を表現しているが仲の良い友人関係では駄目なのか?性的快楽の共有がなければ物足りないのか?セックスのない共同体ならヤマギシ会とか新興宗教的な共同生活を思い浮かべるが。

一度、普通のルックスのもっと年代が上の役者で今作を上演して貰いたい。果たして観客にはどう映るのか?
外のことはわかりません

外のことはわかりません

ポポポ

シアター711(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです!
契約を取りたい姿や、業界の現状などリアルだなぁと思いました。
3姉妹の関係も、自分も姉がいるので、共感しながら観ました。
笑いあり涙ありのストーリー展開に、どんどん惹き込まれ、あっという間の時間でした。
楽しい中に考えさせられる部分が多々あり、深くて素敵な舞台した。

かさぶた式部考

かさぶた式部考

文学座

紀伊國屋ホール(東京都)

2026/05/29 (金) ~ 2026/06/06 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/06/05 (金) 13:30

180分。休憩15分を含む。(90-休15-75)

真夜中図鑑

真夜中図鑑

Dotoo!

ザ・ポケット(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

肝試しで夜の校舎に忍び込んだ中学生たちが起こした事件の検証のため、真夜中の学校に集まった教師や親たち。会話の中で浮かび上がってくる関係性も面白いし、役者さんたちもみな達者なんだけど、今ひとつ舞台が弾まなかった印象。

外のことはわかりません

外のことはわかりません

ポポポ

シアター711(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

影絵の演出が良かった。

ネタバレBOX

いくつかの家族を描いた群像劇。
ラスト近くの母親な台詞にはジンときました。
外のことはわかりません

外のことはわかりません

ポポポ

シアター711(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

家づくりという現実的なテーマの中で、家族それぞれの本音や葛藤が丁寧に描かれていました。
家族とは何かを改めて考えさせられる作品。笑いと切なさのバランスも絶妙で、最初から最後まで魅せられました。

第46回台東薪能

第46回台東薪能

台東区芸術文化財団

浅草公会堂(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/03 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「『隅田川』と『小鍛冶』」


 今年で46回を数える浅草寺の薪能は、台風の影響で浅草公会堂での開催となった。

ネタバレBOX

 前半の「隅田川」は、子どもをさらわれた女性(坂真太郎)が隅田川の河原を物狂いの様相で歩いているときに村人から真実を教わる悲劇を描く。物狂いの心持ちを短い所作で描く演出「彩色」ということで狂女の描き方は割合に淡白だが、右手を面に当てた所作に深い悲しみが出た。

 後半の「小鍛冶」は一条天皇の勅使が三條宗近(舘田善博)に御剣を打つようにとの要望に慄き氏神に祈願すると、不思議な童子(観世喜正)が出てきて剣の故事を語る、それが実は稲荷明神の狐の霊だったということが分かる、という伝承を舞台化したものである。観世喜正は後ジテで右手に持った刀をかざしながら足拍子を踏むあたりの異形の様子が躍動的であった。
外のことはわかりません

外のことはわかりません

ポポポ

シアター711(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

軽妙な会話の中に、家を建てる家族の問題だけでなく、工務店の人々それぞれが抱える悩みや葛藤も丁寧に描かれていました。
登場人物それぞれの立場や思いに触れることで、誰に共感するかによって作品の見え方も変わりそうです。
笑いあり涙あり、喜怒哀楽が詰まった素敵な舞台でした。

碧く哭く

碧く哭く

‐ヨドミ‐

TACCS1179(東京都)

2026/04/22 (水) ~ 2026/04/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/04/23 (木) 14:00

文明開化な明治初期、士族の次男を主人公に当時の日本人と外国人との交流や軋轢を描いた力作。内心では日本を下に観ている英国人なども描きつつ、士族の長男としての悩みを抱く主人公の兄と主人公がそれぞれ進むべき方向を見定める展開に「おや?今回はそういう路線?」と思いきや、そこから悲劇が幕を開け、クライマックスはスペクタクル(?)になるのはやはりヨドミ、でぃすいずヨドミ(笑)。
また、英語で交わされている設定の会話もすべて日本語なのに「これは英語なんだな」と察することができるのが巧い……どころかスゴい。このテクニックに舌を巻いた。
あと、直近の朝ドラ2作と通ずる部分もあり共時性も感じた。

外のことはわかりません

外のことはわかりません

ポポポ

シアター711(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

脚本も一人一人の演技力も素晴らしく最後まで笑わしてもらえました

外のことはわかりません

外のことはわかりません

ポポポ

シアター711(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
間取りという限られた空間を通して、人が大切にし 何を優先したいかを描いた良作。そこに人それぞれの思考、生活様式や社会的な問題を絡め、幅と深みのある物語を立ち上げている。

どうして「子供部屋、いらないです」なのか が肝だが、ラストはその言葉の裏返し(真意)が心に響いてくる。実演では表現し難い場面、それをポポポらしい影絵(手遊び)演出で効果・印象的に観(魅)せる巧さ。
(上演時間1時間50分 休憩なし)追記予定

闇の中に

闇の中に

Pカンパニー

吉祥寺シアター(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

内藤裕子がPカンパニーに書下ろし演出した作品で、期待に違わずある社会問題を正面から扱い、十全に語らせていた。名取事務所で二年程前に上演した精神病棟を扱った芝居(同作者)に通じる。犯罪被害者遺族の感情からの論理と、加害者の犯罪に至った背景を対置させ、「加害者に甘い」との声が増えている昨今、両者ともをしっかり対象に据えて描いている。見事。

サイキック・サイファー

サイキック・サイファー

劇団不労社

調布市せんがわ劇場(東京都)

2026/05/29 (金) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

最近活躍と名前のみ知る関西の劇団。せんがわ劇場で、というので(せんがわ劇場のコンクール受賞作というのもあり)千秋楽に駆け付けた(スケジュール的には際どかったがどうにか)。
前説で何度も「音量」についての注意があったが、成る程必要というより意義ありアナウンス。オープニングそして場面を繋ぐように合間にラップが入る。重低音強調のビートを効かせた曲に乗せてやるので、効果音をその瞬間だけ(意味だけ汲み取って)回避するといった対処は能わず、「味わう」しかない。従って耳はかっぽじいて聴く羽目になる(劇に入り込もうとすれば)。おー来るなァと思いながら観劇に入った。
ガッツリな音量に乗せるのでラップの言葉は当然聞き取りにくく、場面の意味というか仕組み、見方が最初掴みあぐねるが、次第に人間の風景が見えて来る。鬱々とする抑えた照明と、「制約」を象徴するかのような簡易組み立て式のテントという領域での芝居と、外に出てのラップの時間とあって、仮想空間を意識させる。音の圧を解いた静寂基調、夜の街灯のような明りの下で明瞭な会話がズーム効果となり耳に入って来る。やがて「制約」の象徴たるテントの骨組は畳まれ舞台から消える。それらが徐々に「現実」という空間を霧が晴れるように顕現する効果となる。
現実世界のままならなさ、これで良しとされるはずがない、という心のどこかに仕舞っていた本音に照らされば、陰謀論もありえねえ予言も不思議と輝く。吹き込んだ女と吹き込まれた男は束の間に光り輝く世界を幻視し、希望と共に生きる事の喜びに浸る。この作品はファンタジーではなかったらしく、信じた奇跡は起きず失意の内に崩壊が起きる。だが、二人は失意の中で何かを手にしている事にはたと気づく。四名が同等のポテンシャルで舞台に張りをもたらす。
この劇団の「通常」モードがラップ表現である訳でない、という推量は当ってるだろうか。演劇的な効果においてこれを選んだという印象で、他の作品も観たくなった。

THE GAME OF POLYAMORY LIFE

THE GAME OF POLYAMORY LIFE

趣向

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2026/05/30 (土) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

合意のもとで複数のパートナーと深く親密な恋愛関係を築くライフスタイル「ポリアモリー」をモチーフにした一作。初演は2016年とのことで、10年振りの再演になります。僕は初見でした。10年前の客席の反応と、現在の客席の反応に差異があるのか? など、一定時間を置いて上演することに意味がある戯曲だと思います。もし2036年に上演したら……という未来も気になりつつ。

観客各々が、この「ポリアモリー」という概念とどう向き合うか? という、自身への問いかけ、あるいは自身への問題提起に終始してしまうと、やや勿体ない作品に感じました。僕自身も、ついそれについて考えてしまうのですが、上演を観る限り、ポリアモリーはあくまでモチーフであり、本質は「人間は他者とどう親愛を分け合うか?」という、コミュニケーションの根源を見つめる一作に感じられました。

ネタバレBOX

劇中で描かれるポリアモリーというライフスタイルを見ていると、とても自然に感じられ、概念としても自然と受け入れられる感覚がありました。それに対する賛否の発想よりも、情報や登場人物たちの感情をスッと受け入れて、人物相関や物語を追いかけている自分がいました。これは、脚本や演出の整理の仕方が巧みだったことや、俳優たちの演技体などが背景にあると思います。観劇前は「難解な物語なのかな…?」と想像していましたが、想像以上に飲み込みやすい物語でした。一方で、「私とあなたの本音を交わして、できれば分かり合いたいです」という、できる限り心を開き、極力嘘を無くしたコミュニケーションの物語なので、ある種の討論劇のような、演劇上演の「型」として、やや単調な一面もあるように思いました。

また、これは余談ですが、どこかで「ハイヤーセルフ」(高次元に存在するもう一人の自分)という概念を知りまして、観劇しながら、それを思い出したりしていました。

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