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二人芝居 『面会』...ほか

二人芝居 『面会』...ほか

劇団サイエンスフィクション眼鏡

πTOKYO(東京都)

2026/01/31 (土) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

約60分の二人芝居、とても良かったです。
2つのストーリーでしたが、違った面白さがありました。
1つ目は、会話やリアクションが可笑し過ぎて涙、そしてほろりとさせられました。
2つ目は、シリアスな中にも、笑いや優しさが溢れていました。
二人の演技も素晴らしく、ぐりむさんの表情が凄すぎだし、須藤さんの笑顔も良かったです。
あっという間の贅沢な時間でした。

音楽劇『ただいま、はじまりの家』

音楽劇『ただいま、はじまりの家』

劇団水曜の家族

高槻城公園芸術文化劇場 南館・大スタジオ(大阪府)

2026/01/31 (土) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。10周年の集大成ともお話していましたが、まさに!ですね。2時間を超えるお芝居でしたが、それを感じさせない素晴らしい内容でした。途中の歌のアクセントも最高でした。
もちろん内容も演者の皆さんのお芝居も、そして音楽も良かったです。元気をいただける楽しい時間でした。ありがとございました。また、機会があれば是非ともみたい団体さんになりました。

「わたしの町」

「わたしの町」

TRASHMASTERS

新宿シアタートップス(東京都)

2026/01/29 (木) ~ 2026/02/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/02/01 (日) 14:00

座席1階

トラッシュが今回取り上げたのテーマは、過疎の町の再生。とりたてて特徴がなく、若者が流出するばかりの人口減少の町に、どう若者たちを定着させるのか。また、町外からの移住者をどう呼び込むのか。新しいテーマではないが、世代を超えた登場人物たちの群像劇を柱に据えることで、3時間近くの長編であることを忘れるくらいの見事な仕上がりとなっている。

北海道の海辺の街。産業は漁業、農業、林業という一次産業で、どれも後継者不足で若者は出ていくばかり。地元高校の閉校が持ち上がり、子どもたちを巻き込んだまちづくりに向けて、大人たちの試行錯誤が始まる。
実際に取材を重ねたとあって、登場人物の設定やエピソードはリアリティにあふれている。前半は教育現場が舞台。地元の子向けの農業などの体験ツアーが大失敗に終わったり、新しい取り組みを忌避する教育幹部の場面など、いかにもと思わせる。「若者が出ていくのは学校教育でなく社会のせいだ」と叫ぶ先生に、いつもの大人的思考を見せつけられる。

舞台の特徴は、休憩を挟んで時の流れをくっきりとさせたこと。前編で町おこしに参加した子どもたちが大人になり、町の将来をデザインしていく。苦労してまいたタネが少しずつ花開いていく。
後ろ向きになりがちなテーマだが、物語は常に前向きだ。これはけして過疎地だけの話ではない。人口減少社会の日本各地に対する、大いなるエールだ。見終わって勇気が湧いてくる、とてもいい仕上がりだった。

テント演劇 B1F52LLLLLLLLLLLLLDDDDDDDDDDDDKKKKKKKKKKKKK

テント演劇 B1F52LLLLLLLLLLLLLDDDDDDDDDDDDKKKKKKKKKKKKK

劇団身体ゲンゴロウ

東京芸術大学 上野キャンパス グラウンド(東京都)

2026/01/28 (水) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

独特の雰囲気の中、充実した幸福な時間でした。

ある夜をめぐって

ある夜をめぐって

パンケーキの会

駅前劇場(東京都)

2026/01/29 (木) ~ 2026/02/04 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『壊れたガラス』

この演出家は要チェックだと思う。名取事務所の作品が好きな人は観ておくべき。配役がズバリで役者全員魅力的、照明への過剰な拘り、効果音の入れ方も繊細。チェロ奏者の中田鉄平氏が生演奏。ある台詞を切っ掛けに演奏が始まったり、作品と生々しく連動し空間を濃密に染め上げる。

1994年初演、アーサー・ミラー78歳、晩年の代表作とされている。

水晶の夜=クリスタル・ナハト。あぶらだこの「クリスタル・ナハト」を思い出す人も多いのでは。家族がドイツから追放され難民キャンプ生活となった17歳のポーランド系ユダヤ人青年がパリのドイツ大使館員を射殺。これをいい機会とヨーゼフ・ゲッベルスはユダヤ人社会への実力行使をナチ党員に扇動。1938年11月9日、10日にナチスの統治するドイツ、オーストリア、チェコスロバキアでユダヤ人に対する大規模な集団暴力行為が発生。267のシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)が破壊され、ユダヤ人の経営する7500軒の商店のショーウィンドウが叩き壊された。割れたガラスが国中の道路を埋め尽くし、月に照らされて煌めく。

1938年11月、ニューヨークのブルックリン、裕福なユダヤ系アメリカ人夫妻。息子は米国陸軍士官学校に入学していてここにはいない。
新聞にドイツのユダヤ人弾圧の記事。薄着のユダヤ人の老人達が歯ブラシで道路を磨かされている。這いつくばって。それを囲み嘲笑する群衆は厚手の外套をまとっている。彼等の罵声が確かに聴こえた。佐乃美千子さんは突然下半身が麻痺してしまう。原因不明の車椅子生活。夫の井上裕朗(ひろお)氏は医師の大原研二氏に紹介されて診察を受けさせる。医師の妻であり、秘書の岡本易代さんがお喋りで笑い上戸、爆発的に場を盛り上げる。医師は肉体的には何処にも異常が見当たらなかったと伝え心因的なものではないかと推測する。心当たりはないか?

井上裕朗氏は住宅ローンブローカー会社のNo.2にまで上り詰めている。WASP(英国系白人上流階級)の仲間入りをユダヤ人である自分が果たした自負。息子もウエストポイントの唯一のユダヤ人だと誇る。だが本当はユダヤ人であることが嫌で自分自身のことも嫌っていて鏡も見ない。自己否定と繰り返す劣等感の補償行為。

井上裕朗氏は後期氷室京介や梶原善、板尾創路を思わせる。とにかく熱演。会話の畳み掛けるスピード感。声がまた良い。妻を愛し崇拝し、それと同時に自分への当てつけで歩けない振りをしてるんじゃないかと疑う。妻の佐乃美千子さんは適役。その妹、豊田可奈子さんもしっくり来た。医師の大原研二氏も巧い。人間性が透けて見える。その妻の岡本易代さんも凄腕。柳原可奈子の爆発力。登場するだけで場の空気が盛り上がる。会長、ひのあらた氏も文句なし。宝田明みたいにダンディ。

ネタバレBOX

精神分析学の創始者、フロイトはヒステリー(解離性障害)の原因を抑圧された性欲だと分析した。今作の医師もそう予想して夫婦の性生活について尋ねる。井上裕朗氏は週2,3回と答えるが妻の妹の豊田可奈子さんはそれを否定する。直接、妻の佐乃美千子さんに訊くと出産して以来20年性交渉がないことを告白する。当時心配になった佐乃さんは自分の父親に相談してしまう。そのことを第三者に知られた井上氏は深く傷付く。

実は性的不能の原因は妻への過度の崇拝であると井上氏は告げる。出産を終えた後、妻の横で眠るとまるで胎児になったような心地良さを感じたと。妻が性的対象ではなくなってしまったのだろう。

惜しむらくはラスト前が混乱してしまっている。公演中に何度も戯曲を改訂し、芸術監督の頼みで1シーン追加したそうだ。それが医師と主人公の対話シーンらしい。「人間は誰しもが迫害されている。ヒトラーですらユダヤ人に迫害されている。」自身の加害性に目を向け相手を許すこと。そして自分をユダヤ人であることを許せるように。
この辺の遣り取りが哲学的で作品と巧く噛み合っていない気がする。

ブルーハーツ 「チェインギャング」
世界が歪んでいるのは僕の仕業かも知れない

自分もこの世界の加害者であることの自覚。じゃあどうすりゃいい?

※両面客席なので対面の観客が見えてしまう。居眠り客はやたら多かった。暖房のせいか?

※アーサー・ミラーはマリリン・モンローと撮影現場で出会い不倫、妻と別れ結婚。だがそれも長く続かず写真家インゲ・モラスと不倫し彼女と一緒になった。彼女との二人目の子供、ダニエルはダウン症で生後一週間で施設に送られた。妻は育てようとしたが拒絶する。アーサー・ミラーはこのことを生涯隠し通そうとして死後マスコミに叩かれた。今作の夫に崇拝される美しい妻にはマリリン・モンローの姿がだぶる。

※ステーキでビンタ。
クワイエットルームにようこそ The Musical

クワイエットルームにようこそ The Musical

Bunkamura

THEATER MILANO-Za(東京都)

2026/01/12 (月) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

大人計画関係の役者以外ほとんど知らずに行ったが、なるほどな方々でエンタメとしての面白さに納得。
ライトでポップな舞台だったが個人的には大人計画や悲劇協会の様なダークでパンクな舞台を観たかったかな。
それでも十分楽しんだ。

坊や、花火だ。逃げろ、空が落ちてくる

坊や、花火だ。逃げろ、空が落ちてくる

ルスバンズ

シアター風姿花伝(東京都)

2026/01/22 (木) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

深みのある素晴らしい舞台でした。

闇の六重奏 Dark Sextet

闇の六重奏 Dark Sextet

✴︎ソライロハナビ✴︎

Paperback Studio(東京都)

2026/01/30 (金) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
観応え十分の公演の魅力をどう表現するか、自分の語彙力の無さが悔しい。表層的には説明にある通りだが、前提となる物語性がいくつも重なり、議論が行ったり来たりするが少しずつズレていく。まるで螺旋階段のようにクルクル回りながら上る又は下るが、微妙に見え方 聞こえ方が違う。その歪で軋んだところに面白味がある。敢えて物語性としたが、それは 物語を積み重ねることによって 別の物語を描こうとしているように思えたため。それにしても「不協和音の室内重奏楽」とは上手い謳い文句だ。
(上演時間1時間25分)

ネタバレBOX

舞台美術は 客席に向かってオフホワイトの椅子が6脚 半円を描くように置かれている。後ろの壁もオフホワイト。登場するキャストはデザインこそ違うが皆 黒基調の衣裳で統一。奥壁の前に横並びすると まるで鯨幕のよう。

説明にある「亡くした子供に再び会うための具体的な方法を検討すること」は グリーフケアを指しているが、冒頭 読書会又は戯曲の読み合わせのような始まり方。物語の重なりのように感じるのは、箪笥の引き出しがいくつもあって それごとに物語を持っているよう。議論が対立しているようだが、少し視点もしくは発想を変えてみると違った光景(思考)になる。万華鏡を覗いて 少し手元を動かすと次々と違うようなもの。

説明の「議論の目的は・・・超常的な力を用いて」という手段の方に重きが移っていく。例えば 劇中にある宅配便(荷物は手錠)、相手に届けることによって完結するが、置配便は手交できる相手がいても指定の場所に置いてくる。目的よりも手段が大切になっている。自ら手錠をかけ非正常を表す。コールドスリープ、降霊術、超能力、タイムスリップの実現可能性…それは亡くした子供に再び会うための手段の優位性を議論している。その議論は専門的で少し難しいが興味深い。

いつの間にか グリーフケアが「現実」のことなのか、劇という「虚構」のことか判然としなくなる。また物語よりは そこに登場する人物が重要だという。現実であれば人物が大切で、その歩みこそ人生という物語になる。しかし 舞台であれば物語の中で初めて登場人物の名前や役割が決まる。議論は条理と不条理、倫理と狂気をまたいでいるが、その前提となる世界はどこにあるのか。役者陣の圧倒的な演技力に飲み込まれて、混沌とした世界観に誘われるようだ。

今日取り上げる戯曲 作者はシェークスピア、そして「マクベス」。物語はこの台詞から始まり 終わる。「マクベスに子供がいない?」ことがグリーフケアに繋がってくるようだ。
役者陣の演技力は勿論、照明の諧調によって明暗を そして壁に映像 ノイズといった不気味で不安を想起させる演出が巧い。
次回公演も楽しみにしております。
菊五郎と天狗の冬

菊五郎と天狗の冬

劇団 枕返し

OFF OFFシアター(東京都)

2026/01/30 (金) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 板上は奥に平台を敷いて一段高くしたスペースを設け天狗が棲む秘境を暗示したりもする。オープニングでは若い母から乳児を奪い取る場面が描かれるが、奪った者は天狗では無い。ただ、天狗と関りのある著名な怪異の一人でありこの子は天狗の弟子として他の仲間と共に修行に励むこととなった。(追記後送)

ネタバレBOX


 物語は、日々修行研鑽に励む子らが九歳を迎え明日からは冬休みに入るという処へ間もなく飛ぶ。ここで子供たちが課されている日々の鍛錬の内容が示される、天狗への道である。天狗の能力は高く予知、人の心(思念)を読む力、あらゆる音を聞き分け例えば捜索対象が何処に居るかを知る力、他人の来歴、前世などを知る力など人知を超えた力である。こんな超能力を身につける為、日々厳しい鍛錬に明け暮れている子らだが、当然学友同様に遊び惚けたい、内心ではそんな風に思っている。而も明日からは冬休み。本来なら友達と遊び廻る時間が一日の大半を占めるハズなのだ。然し・・・。厳しい修行は逃れられない。というのも修行する子供たち総てが身よりを持たないからだ。
 こんな子供たちの前に遊び人の菊五郎と菊五郎のダラシナサを何くれとなくケアする女性が現れ伏線で敷かれていた冬彦の生母探しの旅への段取りがつけられてゆく。菊五郎はギャンブル好きで粋がってはいるが、可成りシャイな人間であることが原因でこのような態度を取らせることもおいおい分かってくる。更に、弟子仲間も冬休みらしい行楽に憧れる者が多く各々に超能力の芽生えも見え始めた。
「わたしの町」

「わたしの町」

TRASHMASTERS

新宿シアタートップス(東京都)

2026/01/29 (木) ~ 2026/02/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/01/31 (土) 14:00

社会派の雄が実話がベースの物語を描くが、いつもとちょっと違って心温まる作品になっている。観るべし!60分(10分休み)105分。
 北海道浦幌町の「子ども中心の町起こし」の実話をベースにした作品。もちろんフィクションだが、実際にこうあったんだったらいいな、的な物語で、紆余曲折を経ての希望ある展開。2008年にある小学校の総合学習として始まったものが(ここまでが第1幕)、2015年、そして、その後、とどう繋がっていったかを描く。対立を描くことが多く笑いの起きない芝居をやることが多い本劇団だが、本作は随所で笑いが起こる等、『チョークで描く夢』(2023年)に近い感触だった。役者陣は皆熱演だったが、石井麗子・中嶋ベンの演技がシッカリした味わい。久々の出演の藤堂海が元気なのも嬉しい。
 同劇団の本公演では初めて、女性キャストの方が多い。

いのこりぐみ

いのこりぐみ

トライストーン・エンタテイメント

IMM THEATER(東京都)

2026/01/30 (金) ~ 2026/02/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/01/30 (金) 19:00

学校が舞台のシチュエーションコメディ、だが一種のホラーでもあったりして…(^_^;)。105分。
 小学校の教室で教頭(相島一之)とその教え子の若手教員(小栗旬)が、女性教員(平岩紙)が担任するクラスの生徒の親(菊池凛子)を待っている。その親はいわゆるモンスターペアレントで、担任を変えてくれと言っているのだが…、の物語。少し誇張されているものの学校でありそうなエピソードを積み重ねていくが、いかにもモンスターな状況が分かる前半と、真相が分かってくる後半で感触が変わる。冒頭の雑談も含めて、極めて緻密に積み重ねる脚本が見事で、教室の時計が17:00過ぎから1時間45分進む中でリアルタイムで進行する、三谷幸喜がやりたかったと言うシチュエーションコメディの典型。初舞台の菊池凛子は流石なところを見せ、他の3人も巧みに演じ、飽きることなく観ていられる。教員に平岩を配したことでホラーな展開も理解できるというキャスティングも巧い。
 細かいことを言うと、今時は「父兄」とは言わない。「父母」か「保護者」である。

ある夜をめぐって

ある夜をめぐって

パンケーキの会

駅前劇場(東京都)

2026/01/29 (木) ~ 2026/02/04 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

『エーリヒ・ケストナー~消された名前~』

秀逸な脚本。劇団印象の「国家権力に翻弄される芸術家」シリーズは本当に出来が良い。子供の頃は抵抗することこそが美徳だと単純に信じ込んだが、それもどうも違うらしいと判ってきた。美しく死んでも仕方ない。この世界は生者のものだ。生き続けることだけが意味のある抵抗。

ロッテ役櫻井成美さんの体調不良による降板の為、二本同時公演のもう一作、『壊れたガラス』に出演する豊田可奈子さんが急遽代役に。本番まで十日もない中、これを引き受ける強さ。純真な中学生時代から演じるルイーゼロッテ・エンデルレ。豊田さんは『ミセスフィクションズのメリークリスマス(仮)』のブルジョワ女優だった!

太ったタイヤ屋ヴェルナー・ブーレ役、ちょびつき雨宮氏は芦澤竜誠っぽい。もっと派手に太っていた方がキャラに合ったろう。妙に勘が良いと思ったら本物の芸人だった。ムードメーカー。

俳優ハンス・オットー役、林大樹氏は原嘉孝っぽい。長身で骨張りドイツ人っぽくも見える。佐藤弘樹氏にも似てる。

パンの売り子、エーバーハルト・シュミットは森山能(のりと)氏。名シーンがある。

美人ダンサー、レニ・リーフェンシュタールは佐乃美千子さん。

主人公の児童文学作家エーリヒ・ケストナーは渡邊りょう氏。どんな役を振ってもきっちり期待に応えてみせる安心感。ケストナーは『飛ぶ教室』を子供の頃に読んだ記憶があるが全く覚えていない。『動物会議』はこまつ座の『どうぶつ会議』として観た。

MVPは挿絵画家のヴァルター・トリアー役、大窪晶氏。もの凄い雰囲気。亡くなるまでケストナーの全ての作品の表紙と挿絵を任されたユダヤ人。文鎮のように作品の要所を締める。

ナチスの興亡と共に同時代の者達の運命も濁流に飲まれた木の葉のように浮き沈み。全てが終わった後でなら幾らでもしたり顔で宣うことは出来よう。だが溺れまいと必死に流されている最中、何が出来たか?

ネタバレBOX

大窪晶氏は幕間の語り部、狂言回しでもある。観客に向かってこの物語の時間の流れを説明してくれる。

①1923年12月 ライプツィヒ
ケストナーと学友との久し振りの飲み会。中学生のロッテはケストナーと知り合いたくて乗り込んで来る。隣の劇場の舞台で踊っていたダンサー、レニの登場。

②1929年12月 ベルリン
児童文学『エーミールと探偵たち』がベストセラーになり、一躍時の人となったケストナー。ユダヤ人の経営する向かいのパン屋のガラスが割られ、犯人のシュミットをヴェルナーが捕まえて連れて来る。シュミットは理由を「汚いやり方で儲けているユダヤ人のパン屋だからだ。」と言う。そこに居合わせたトリアーは瓶を渡し「私もユダヤ人だ。私に投げてみろ。」と迫る。目をつぶって投げようとするもどうしても投げれない。「君が石を投げれるのは目をつぶって相手の顔が見えてないからなんだ。」ボロボロ泣くシュミット。相手のことをきちんと見ないで傷つける行為の愚かさ。名シーン。

③1933年11月13日 ベルリン
ナチスが政権を執り、ユダヤ人への迫害は強まる。トリアーはドイツを去り亡命する決断。ケストナーの児童向けでない小説は焚書される。『飛ぶ教室』の出版。

④1938年12月 ベルリン
「水晶の夜」が起こる。

⑤1941年12月 ベルリン
執筆禁止令を出され経済的に困窮したケストナーをロッテが支える。『ほら男爵の冒険』のシナリオを受けるか断るかの場面。自分と作品との関係性はそんなたやすいものではないのだと渡邊りょう氏は涙を零す。自分の意思でどうにかなるものではないのだと。それを受けて佐乃美千子さんもボロボロ泣く。芸術家にとって自分よりも大切なものが作品である。自分は作品に仕えている下僕に過ぎないのだ。名シーン。

⑥1945年5月4日 オーストリア・マイヤーホーフェン
ドイツの敗戦が知らされ、逃げて来た芸術家達の歓喜。

佐乃美千子さん演じるドイツの女性映画監督、レニ・リーフェンシュタールがもう一人の主人公。1936年ベルリンオリンピック記録映画『オリンピア』の監督。圧倒的な美意識への拘り、美しさを崇めひたすらに追求する視点は誰もが評価せざるを得ない才能。戦後、美しくナチスを表現し鼓舞した戦争責任を生涯追求されて回る。だがそれは敗戦国に付き物の話。勝った戦争を鼓舞した者が糾弾される話なんか聞かない。

劇団印象の初演ではレニ役が今泉舞さん!これも観たかった。

ナチス、戦時中の日本、原爆をテーマにすると定型文のように作品が限定される。逆にどうしてそこまでユダヤ人が憎まれたのかを描く作品なんかが観たくなる。
ある夜をめぐって

ある夜をめぐって

パンケーキの会

駅前劇場(東京都)

2026/01/29 (木) ~ 2026/02/04 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「壊れたガラス」
初めて観たアーサー・ミラーの作だが、リアリティを感じにくい作品と思った。原作が悪いのか翻訳台本が悪いのか。セールスマンの死の劣化コピーという印象。難解というのとは違い、深みが感じられない。意味ありげのそれらしいセリフはたくさんあるが、核心の周りを無駄にグルグル廻るだけで突然話が飛んでしまい、深まらない。登場人物たちの言動も稚拙で、突然キレて怒りだしたり急に無関係な話に変わって明るくなったりと、感情の動きにリアリティを感じられない。医者も治療中にえらく個人的なことをやるものだ。
「エーリッヒ・ケストナー~消された名前~」
日本人作家が、ナチズム時代のドイツを舞台に実在の人物たちを描いているが、非常に優れた戯曲。ナチス台頭前から終戦までのドイツ社会の変化と登場人物たちの変化を緊密に描いた台本で、演出もそれを活かしている。登場人物たちの感情や心理の動きは単純ではないが自然なので、俳優たちの演技もリアルに見える。客席が舞台を挟む構造は、時に手が届くほどに俳優と観客を近づけ、演技を間近で堪能できる。俳優たちの演技はいずれも優れ、特にケストナー役とロッテ役は最高に素晴らしい。

坊や、花火だ。逃げろ、空が落ちてくる

坊や、花火だ。逃げろ、空が落ちてくる

ルスバンズ

シアター風姿花伝(東京都)

2026/01/22 (木) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

土台となる「かもめ」は未見ですが、十分楽しめました。役者さんの熱量と迫力がすごかったです。その時代に生きた若者達の想いや気持ちが心に響き、また自分自身も振り返り、色々考えさせられました。舞台の後ろから役者の出入りがあったり、音楽も効果的、話のテンポもよく、2時間・4部構成の長丁場でしたが、見どころがあり、飽きませんでした。特に第4幕の後日談的な話が、3年間の出来事の思いを駆け巡らせました。

野良イス物語

野良イス物語

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2026/01/28 (水) ~ 2026/02/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても心温まるお芝居でした。
現実とファンタジーが入り混じったストーリーですが、主題は人への想いと感じました。
世の中の理想と現実、リアルな世界とバーチャルなゲーム世界の交錯、事故に苦しむ遺族、どれもリアルに起こる話ですね。色々考えさせられました。でもキャストの誰もが悪い人ではなく、そのために劇場全体がとても良い雰囲気で包まれました。終演後のアフタートークも笑わせていただきました!
役者さんのお見送りも嬉しかったです。ありがとうございました。

アクサガ2026

アクサガ2026

EKISHA

高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)

2026/01/31 (土) ~ 2026/02/02 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

どのように展開していくか、ドキドキ感が高まりました。

ネタバレBOX

即興で役になりきりストーリーを作りながら演じるのはとても難しいと思いますが、すんなりスムーズに芝居へと入っていく役者の、芝居に真正面から真摯に向かい合う姿か、とても印象的でした。決して堅苦しくなくユーモラスさが滲み出るシーンの数々にエールを送りたくなりました。
坊や、花火だ。逃げろ、空が落ちてくる

坊や、花火だ。逃げろ、空が落ちてくる

ルスバンズ

シアター風姿花伝(東京都)

2026/01/22 (木) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

かもめは未見、帰りの電車であらすじを、ふむふむなるほど。
ユズルと五月親子の鬱積した感情のぶつかり合いが凄い。
梶川さん徳倉さんコンビのキレは見事。
時事や社会性などを意識する以前に役者の熱に当てられた。

菊五郎と天狗の冬

菊五郎と天狗の冬

劇団 枕返し

OFF OFFシアター(東京都)

2026/01/30 (金) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/01/31 (土) 13:00

不良中年がいい味出してるのと、天狗の優しさにグッとくる。
冬彦、この冬大きく成長したんだね。

ネタバレBOX

大音量のBGM、小さな赤ん坊を無理やり取り上げられて追いすがる若い母親…。
冒頭のこのシーンが、思いがけなく深い秘密を持っていたとは、この時はわからなかった。

赤ん坊を連れ去ったのは真っ赤な顔で長い鼻をもった天狗。
天狗のもとには春・夏・秋・冬の名前を持つ4人の子どもがいて、修行中だ。
そのひとり、冬彦が「東京のお母さんに会いに行く」と言い出して
不良中年菊五郎が連れていくことになったのだが、
この菊五郎が、中学生からカツアゲするようなしょうもない男。
なんだけど見事なダメっぷりで一気にキャラが立ち上がる感じで素晴らしい。

冬彦を取り巻くほかの子ども3人の中で突出してユニークなキャラ、秋○(男?夫?彦?)が秀逸。演じる役者さんが丁寧に作りこんでいて巧い。
性別不明の自由人でそれを自然に受け入れている天狗と仲間の懐の深さが心地よく、
冬彦の境遇が決して不幸ではないことが感じられる。
不良中年が、ちゃらんぽらんだが大事なものは守るいいヤツで、
終盤冬彦のけなげな成長を見守り受け止めるところがとてもよかった。
大きな9歳が泣くところ、本当に子どもが泣いていた。

雪女の哀しい運命や、天狗の密かな企てなど、切なく温かなエピソードが重要なカギだ。
これがとても素敵なエピソードなのにさらっとしすぎてもったいない気がした。
どん!とメリハリつけてもっと揺さぶって欲しかったというのは私のわがままか。

馬とか車とか綿あめとか、超アナログな演出がおかしくて妖怪ものに似つかわしい感じ。
頸椎捻挫も芝居に取り込み、真っ赤な顔のまま平然とほかの役もこなす、
そーゆーところ、結構好きです。



ミモザウェイズ 1910-2020

ミモザウェイズ 1910-2020

日仏女性の人権架け橋 ミモザ実行委員会

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2026/01/29 (木) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

フェミニズムの歴史と現状を分かりやすく演じ、参加(観劇)者に、女性地位向上を目指している演劇 私の年代の男性から観ると、女性は大変だったんだな〜と勉強になる反面、今後も女性は強くなるんだな〜と感じました
日本も首相が女性になったしね!

PRETTY WOMAN The Musical

PRETTY WOMAN The Musical

AMUSE CREATIVE STUDIO

東急シアターオーブ(東京都)

2026/01/22 (木) ~ 2026/02/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

今後に期待!!
詳細はネタバレBOXに書きました。

ネタバレBOX

期待していたのでかなり辛口になってしまいました。
あくまで私が個人的に感じたことです。
再演があるならまた観てみたいです。

全体的に惜しい作品だなと感じてしまいました。
映画の内容を知っているけれど、もう少しヴィヴィアンとエドワードが互いに惹かれるシーンがあると没入できたかも。

キャストについて。
ヴィヴィアン役の星風まどかさん歌声も演技も良かったです。
あえての洗練されていない飾らない歌声ところころ変わる表情が可愛かった。
キット役、エレアンナさんも素晴らしかったです!!歌声はもちろん、演技表情がとてもうまくて、もっと見たかったです。
エレアンナさんが歌うと一気にシーンが華やかになってました。
ハッピーマン役の福井さん、色々な役割があって、歌って踊って、大変そうでした。
スタッキー役の寺西さん、滑舌も声も良かったです。演技も良かったけど、演じてる感が全面に出てたのが残念でした。
私には寺西さんのスタッキーが感じられなかったです。
エドワード役の城田さんは声が良いのに、歌と演技が残念でした。
歌は上手いけれど楽譜をなぞってるようでした。心や思いが感じられなかったです。演技も表情が乏しかったです。
ヴィヴィアンとの対比であえてそうしたのでしょうか。それでも視線一つとっても好きな人を見る目では無かったような。
常に姿勢が悪いのも気になりました。
せっかく良い体格なのに勿体ないと思ってしまいました。

アンサンブルの方々はとても素晴らしかったです。
皆表情がよく、歌も素敵でした。

とても期待していた分、色々気になってしまいました。

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