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そらさかさまに

そらさかさまに

早稲田大学劇団木霊

劇団木霊アトリエ(東京都)

2026/05/22 (金) ~ 2026/05/25 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2026/05/25 (月) 13:00

劇団木霊『そらさかさまに』
空逆さまに、悲しみを帯びたファンタジー。

作中に、村で育った若者が連れと一緒に村の中で近道を探すという台詞があったが、村で育っていれば、その状況は無いのではと思ってしまったがどうだろう、ここではそうじゃあないのかも知れないけど、そう思うことがおかしいのかも知れないが。

アカデミック・チェインソウズ

アカデミック・チェインソウズ

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2026/05/27 (水) ~ 2026/06/02 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

選曲にセンスある。開演前SEなんか良かった。レッチリの次の曲が凄く気になった。

全員、ほぼ実名が役名。メタ的な構造を狙っているのか。

美人の璃音(りのん)さん、表情がアニメチックな梶川七海さん、キツイ若月海里(みさと)さんは海岸ではしゃいでいる。

陰キャの市島琳香さんはスクールカースト一軍に入りたがる唯一の友人・桑田佳澄さんに忠告をする。そこに居合わせる体育教師の日栄洋祐氏。

いつも破天荒な有馬ゆかさんを支える親友二人、米田ひかりさんと荒波タテオ氏。彼女の悪戯に巻き込まれる教師の加賀美秀明氏。

教師の澤唯氏から修学旅行実行委員に選ばれた田中優笑(ゆみ)さん169cm。彼女はイマジナリーフレンドであるおがわじゅんや氏と櫻井智也氏に不満をぶちまける。そこに通り掛かるみしゃむーそさん。

教師の堀靖明氏はパパ活の疑いがある井澤佳奈さんを呼び出す。彼女の親友の川久保三子さんが抗議に乗り込む。やたら落ち着き貫禄のある上田房子さん、伊達香苗さんを従えて。

女子校である私立みつばち坂まつぼっくり高校の修学旅行先は南洋!ホエールウォッチング・ツアーも楽しめる!
船長は北島広貴氏。

堀靖明氏はインパルスの堤下敦っぽい。もうお笑い芸人としか見えない程のツッコミ力。
梶川七海さんは表情が『らき☆すた』っぽい。(観たことないが)。
桑田佳澄さんにメチャクチャ見覚えがあるのに作品が思い出せない。ガチ小学生のルックスで29歳、有吉弘行のように芯を食った毒舌。MVP。

ネタバレBOX

ラストはRadiohead の「Creep」で決める。美しく天使のような“君”にまるで信仰のように夢中になっている自分。“君”は綺麗な世界で真っ白な羽根のように舞っている。でもそれを見つめている自分は出来損ないで醜い。自分の存在が“君”の世界を汚してしまう。

だけど俺はキモい。頭も変。
一体ここで何をしているんだろうな?
ここにいるべきじゃないのに。

波打ち際で踊る少女達の躍動的なダンス。それを遠くから眺める市島琳香さんと田中優笑さんの表情。これは彼女達の物語だったんだと判明する。そこにはみんながいるが自分だけがいない。

押井守に『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』という1984年の映画がある。ずっと「学園祭の前日」が果てしなく続く世界に閉じ込められた面々。実は「ずっとこのままでいたい」と願う少女の夢の中だった。日本のモラトリアム文化の一つの象徴。今作に影響を受け、社会学者・宮台真司が『終わりなき日常を生きろ』を執筆した。

劇団活動こそが永遠の「学園祭の前日」なのか。
亀と潜水艦

亀と潜水艦

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2026/05/22 (金) ~ 2026/06/04 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/05/31 (日) 13:00

座席1階

今回の桟敷童子は、いつもに比べると質素な舞台美術だった。それだけに目を奪われたのは、役者たちの躍動ぶりだ。今作では、老婆役を演じた鈴木めぐみ、板垣桃子、藤吉久美子(客演)の演技がすさまじい迫力だった。

桟敷童子の舞台は、九州を舞台にした重たいテーマが多い。今作は終戦直後の1946年、博多港に中国大陸から引き揚げてきた人たちと受け入れ先の人たちの物語。命からがら逃げてきた女たちの中には、レイプした外国人の子を宿した人が多かった。祖国を目の前にして引揚船から身を投げた人も少なくない。外国人との混血児と母親に対する祖国の人たちの差別的感情・視線から守ろうと、秘密裏に不法である堕胎手術が行われた。現地の「二日市保養所」跡地には石碑があり、400~500人もの胎児がそこに眠っているのだという。

戦死しなくても、生きて帰ってきても辛酸をなめつくした大量の引き揚げ者たち。上陸した直後の一時的な投宿場所が今作の舞台だ。そこには片腕を失うなどした男性ら登場するが、主役は女性たちだ。なかでも「二日市保養所」から来て、ショックのあまり精神的に不安定になった若い女性を演じた大手忍の演技はすばらしかった。この女優さんは桟敷童子や外部出演でもメンタルに深く傷を負った女性を見事に演じている。この物語でこの役を演じるのは「この人しかいない」という評価は揺るぎないだろう。

「亀と潜水艦」というタイトルは、ストレートにこの舞台を表しているわけではない。もっと他に考えられる言葉があったかもしれないが、物語があまりにも壮絶なだけに、舞台を見終えるとタイトルに何だか少しホッとするような印象も受けた。また、悲劇的な結びになっていないのが、何より本当によかった。

『ZOO』

『ZOO』

ウテン結構

インディペンデントシアターOji(東京都)

2026/05/28 (木) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

リアルと虚構が混ざり合ったファンタジー、共感できる世界観で大いに楽しめました。色んなオマージュ的なエピソードには、デジャブ感ありましたね。芝居人変人説は同感。観る側もそんな気がします。発達障害自己申告は自分もよくやる免罪符なので、ちょっと反省。

光る

光る

玉田企画

シアタートラム(東京都)

2026/05/22 (金) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ステージ上に半球状の穴が空いていて、その上に巨大な石の輪が吊るされている。『未知との遭遇』を思わせる暗示的なセット。キリスト教プロテスタント系カルトで歴史上何度か起こったムーヴメントに「空中携挙」(rapture)がある。滅亡の日に選ばれた人間だけが天から引き上げられるとの信仰。

祷(いのり)キララさんの父親はカートのレーシングチームを運営していた。彼女が13歳の時、スピリチュアルに嵌まった母親(能島瑞穂さん)と離婚。その後、父親は亡くなり祷キララさんがチームを継いでいる。今は26歳、中学の時の担任(浦井のりひろ氏)と交際している。チームには古屋隆太氏、浦井のりひろ氏、三村和敬氏。チームの持っているサーキットでレースの開催が決まり、実況アナウンサーとして初挑戦する浅野千鶴さんが挨拶に来る。だがレースの開催日が例年行われる慰霊祭と重なる為、住民からクレームが来ていた。運営会社の広報担当の井上向日葵さんはレースと慰霊祭を合同に行なうとの決定を伝える。戸惑い抗議をするメンバー。

この近辺で突然地面が陥没し大きな穴が空く事件が頻発。穴の夢を見た人間が気になって現地に行くとその通りに穴がある事例が続いた。これは何かの啓示なのか?同様に夢を見た浦井のりひろ氏が現地に赴くとそこには穴が。居合わせた能島瑞穂さんとの再会。13年前の教え子の母親だがその頃に離婚している。今の能島瑞穂さんはネットの預言系インフルエンサー、これについて全てを知っているようだ。

知らない役者ばっかりと思ったが浅野千鶴さんはコンプソンズの『ビッグ虚無』のヒロイン。祷キララさんはiakuの『モモンバのくくり罠』のヒロイン。井上向日葵さんはpapercraftの『世界が朝を知ろうとも』で観ていた。玉田真也氏が意外、イメージと違った。

能島瑞穂さんはヤバイ。豊田真由子っぽいキチガイ・オーラ。この人が主人公だろう。
浦井のりひろ氏も凄腕。イキウメみたいなキャラ。軽部真一とか鴻上尚史とか立川がじら的雰囲気。三村和敬氏に毎回、「お前は誰だ?」と聞くネタが最高のキチガイっぷり。
古屋隆太氏は売れてそう。高橋ジョージっぽい。
三村和敬氏はお笑い芸人にいそう。
祷キララさんは冨永愛っぽい。
浅野千鶴さんは声が可愛い。
井上向日葵さんは小学生の声。AIを疑われると動揺する。

ネタバレBOX

自分的には笑いが決まらない。笑いと黒沢清&イキウメ系ミステリアスがどちらも中途半端。いやこれメチャクチャ笑わせてくれよ。その後でゾッとさせてくれ。どっちつかずの批評家任せの立ち位置は余り好きじゃない。

ただ能島瑞穂さんVS井上向日葵さんはスピン・オフ希望。能島瑞穂さんを宗祖に大本教のような壮大な話を語って欲しい。ファクトかフェイクかではなく、もっと根源的な話を。(正しいか正しくないかではなく、全く別の回路で人間は生きている。同じような陰謀論が何度も繰り返されるのはそれが人間の本質に関わっているからだろう)。浦井のりひろ氏のキャラなど文学的で面白いだけに、もっと踏み込んで欲しい。井上向日葵さんは人造人間だとして、人工知能は最終的に何を望むのか突き詰めて欲しい。鉱物の本能は静かに佇むことだから人工知能コンピューターは最終戦争を望むという筒井康隆の初期短編があった。
居場所・ドラマの基礎と応用(2プログラム)

居場所・ドラマの基礎と応用(2プログラム)

中野成樹+フランケンズ

シアター711(東京都)

2026/05/19 (火) ~ 2026/05/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/05/22 (金) 15:00

中野成樹+フランケンズ演劇作品集『居場所・ドラマの基礎と応用』Bプログラム

前半「ランダム2」
綾門優季『応答、あるいは浴槽』
小島淳之介『老人の家』(『Tong Poo』より)
齊藤文也『種』
関口洋平『距離』
『weka(ウェカ)』(『距離』toki pona語訳)田代さつき『改札ディスティニー』はぎわら水雨子『みんなで寝てみる、できるだけ快適なかっこうで』
波田野淳紘『手遅れ』
中野成樹『C定食』
『なっとうご飯』
後半
『シャア・アズナブル(架空の人物)』(2021年) 原作 テネシー ウィリアムズ『しらみとり夫人』(1944年)より 誤意訳 中野成樹
『寝る寝る寝るね』(2026年) 原作 テネシー ウィリアムズ『バーサよりよろしく』(1961年)より 誤意訳 中野成樹

を拝見しました。テネシー ウィリアムズの短編、「しらみとり夫人」、「バーサよりよろしく」は 1ヶ月少し前に、「居場所・ドラマの基礎と応用」の 関連企画としての読書会「T. ウィリアムズを読む」で両短編のリーディングを拝聴していたのですが、が、両作ともほぼ原型を留めておらず、そう言えばリーディングを聴いていたなと途中で思い出した次第 笑。誤意訳たる所以なのだろう 笑。
『シャア・アズナブル(架空の人物)』で、そう言えば原型のリーディングを聴いたはずだけどと思っていて、いや違う、その事実と「しらみとり夫人」の内容を思い出させてくれたのは「ゴキブリ」と言う単語だった 笑。それまでまったく思い出して/気付か、なかった。

なるほど、フレームと言うか、構造というのか、前提のベースというか、そこは受け継いでいるなと。『寝る寝る寝るね』に至っては、導眠剤だ!なるほど酒に眠り薬を混ぜるってあったなのみ 笑。でも、超絶面白かった。
短編は、どれがどの作品名の上演か、短いこともあって判らん! あとで戯曲を読んでおきます。原作からあの上演作品を創り出す中野成樹さんはおかし過ぎる 笑。どんな頭をしているのだろうと思う 笑。演者の皆さんも良かった。
小泉まきさんのセーラームーン、説得力の塊でした!

紅哭-KURENAI-

紅哭-KURENAI-

舞台「紅哭-KURENAI-」製作委員会

シアターサンモール(東京都)

2026/05/27 (水) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

Wキャスト菅原茉椰の回観劇。殺戮の戦国時代劇の舞台、設定はかなり無理目なのですが、なんかグッときますね。ガールズがメインの殺陣はカッコよかったです。

貧乏物語

貧乏物語

劇団東演

東演パラータ(東京都)

2026/05/27 (水) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

この劇団のお芝居は獅子の見た夢に続いて2度目です。今度も迫真の演技が印象に残りました。獅子と共通するテーマは、昭和初期から戦時中にかけて、新劇など国家の意志に歯向かう活動に対する国家の圧力。一方、今回は、迫害を受ける本人というよりはその周りで彼を尊敬し慕う人々の物語です。女性や縁の下の力持ちのパワーと、それでも明るく生きて行こうとする姿勢、それは希望と言う言葉を作ってしまったのだからどんな時でも希望を持とうという劇中の言葉に呼応するものでした。
中国映画で「生きる」というのがあります。世の中が大きく変化する中でたくましく生きる、それが滑稽でもある。この映画を思い出しました。
もしかしたら近年と似てるかもしれないと、現在の世情と重ね合わせて考えされる内容でもあったかもしれません~

グリムプリンセスストーリー The New Order

グリムプリンセスストーリー The New Order

フェアリーテイルシアター

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2025/11/21 (金) ~ 2025/11/24 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

持田千妃来さん出演。23日のチームPUのマチネとソワレを観劇。

1公演で2話。
14:00 公演 白雪姫&いばら姫
17:30 公演 灰かぶり姫&髪長姫

グリム姫:雨宮美都
グリム王子:持田千妃来
グリム魔女:清水星来
グリム娘:藤本麻依、伊澄ちひろ
グリム親父:波多野和俊
グリム語り部:岩田裕耳

各話で役割を 姫、王子、魔女、娘x2、親父、語り部 の7人で回すという、合理的な配役体制。各童話に似たようなキャラクターがいるんですね。

椅子の無い朗読劇で出入りと動きはたくさんあり。朗読劇はともすれば眠気を誘うので、なんらかの動きがあるのが良いと思います。

持田さんは王子。よく考えれば女性が男性を演じる唯一の人ですが、なんら違和感なく。得意分野のひとつになってますね。

フェアリーテイルシアターさんは「リア女王」などのイノセントギアカンパニーさんと主宰は同じ方で。ペンネームはたびたび変化してますが名前の読みは一貫していて「ゆうたろう」さんです。

ネタバレBOX

タイトル通り、グリム童話を原作としているとのこと。
調べたところグリム童話集は昔話を19世紀に再編したもの。グリム兄弟が作ったわけではなく、整理したものなのですね。

今回は原作に沿っているものとアレンジ多めなものがあり。「灰かぶり姫」はいわゆるシンデレラ。けっこう原作に沿った、復讐的な話になってます。いちばん興味深かったですね。

「いばら姫」は眠れる森の美女として知られるもの。劇団東少さんで観劇したことがあり「糸車の針に刺されて死ぬ」が印象的でした。今回のはちょっと表現が違いましたが。好きな話です。
ツイスト・アンド・対話

ツイスト・アンド・対話

南京豆NAMENAME

シアター風姿花伝(東京都)

2026/05/27 (水) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めちゃおもしろかった!!

The Freak

The Freak

劇団カルタ

RAFT(東京都)

2026/05/29 (金) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

これまでの重厚なテーマとは違って、カジュアルで、軽やか、そして心霊ものなのにクスッと笑える絶妙なバランスの舞台でした。
また空間の使い方や場面展開が見事なので、気持ちが切れることなく観ることができます。
こういう感じのテーマもGood!ですね。

The Freak

The Freak

劇団カルタ

RAFT(東京都)

2026/05/29 (金) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

役者陣が目の前で度量のある演技。釘付けの舞台でした。今回は前作とは全く違う趣向でしたが、どの劇場も上手に隅から隅まで使うので感心します。個人的には取り壊し後のノゾミとのその後が観たいです。

花よりタンゴ

花よりタンゴ

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2026/05/12 (火) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

設定が戦後の昭和だけあって、さすがに今との時代の変化を感じました。唄やダンスなどあって、コミカルで明るく楽しい舞台でした。
他の方のコメントもありましたが、どうやって食べてるのかは気になりますね。そこはうまくやってるのでしょうかね。
最後は、ハッピーエンドとまで行かないですが、戦後の荒波に負けずに姉妹が力を合わせて強く生きていくというメッセージをいただいた気がします。ありがとうございました。

東京物語(横浜公演)

東京物語(横浜公演)

チームラヴ・ガン

WAKABACHO WHARF 若葉町ウォーフ(神奈川県)

2026/05/29 (金) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

若葉町ウォーフは劇場色が強くここでやるというだけで「色」が付く(自分的には良い意味で)のだが、今回の上演主体チームラヴ・ガンは佃氏個人のもので名古屋、京都そして締め括りの場所との意味合いのよう(以前平田俊子作品をここでやったのが佃氏演出、頼まれ仕事が多い佃氏のこれもその口かと思いきや違った)。
竹内銃一郎の本作は基本二人芝居。元気の良い芝居なので声がかなり反響する、という会場の特徴を痛感、最初は気になったが次第に引き込まれ、中々含蓄のある作品を堪能した。佃氏が師事した演劇人が竹内氏であるらしく、自作でない師の作を「演出」したのは存命の竹内氏に観てもらい「答え合わせ」をするためだ(という全く個人的願望に発した企画である)との当パンの説明。京都公演でそれをやったらしい。ほぼ毎回トークあり(中々豪華)この日はJACROW中村ノブアキ氏で「他者作品の演出」をテーマに展開、昨年の「THIS HOUSE」(翻訳劇)に話が及び個人的には面白く聞いた。「自作の演出と他作の演出どっちが好き?」の答えは佃氏は他作だが中村氏は自作、それは昨年のが大変だったから。そして佃氏の今作について。
竹内作品にはあまり馴染みがないが(今回で3作目?)何となく感じるのがその文体や空気感にある「余白」が役者を駆り立て、何者かをカタチ作らせる感じ。受動的歩みを宿命づけられながら主体たろうとする意志が、徒手空拳の足掻きからにせよ瓢箪から駒にせよ、何かを手にする。作者なりの人間観人生観が反映されていそうだがそれ以上の事は書けない。観劇機会を待つより一度作品たちを読んでみようか。

東京物語(横浜公演)

東京物語(横浜公演)

チームラヴ・ガン

WAKABACHO WHARF 若葉町ウォーフ(神奈川県)

2026/05/29 (金) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 華5つ☆ タイゼツベシミル!! 尺は約85分。(追記6.2)

ネタバレBOX

 大きな布に墨で大書された東京物語のタイトルがホリゾントに掛かっている。箱馬が全部で8個、平台が2個。
 板上は完全フラットで始まるが箱馬と平台を物語の展開に応じて組み立て実に上手に用いている。オープニングから可成りの時間役者陣の表情が見え難い程昏い照明が続く。これは観客の感覚を耳に集中させる為の良く練られた演出と観るべきだろう。
物語は監獄に閉じ込められた2人の囚人、革命家・ブレーキ(憲俊)とおかまのオリーブ(八代将弥)2人が語らって脱獄を図る話として展開するが、この昏い照明下オリーブの台詞は脱獄後匿ってくれるお婆さんとオリーブの対話ともなって語られるのだが、この声音の使い分けの見事なこと! 役者の力量によって本当に舞台そのものが息づくのだという体験を実感させる見事なもので、演出の素晴らしさと役者の力量によって本当に引き込まれる。
 また相方のブレーキは革命家という設定なので靭い精神と合理的で的確な判断で2人の脱獄方法についてもリーダーとしての資質を発揮するが、最後に世話になったオリーブの遠縁の叔母さんの家で食べた物が原因と思われる下痢に襲われた折り、周囲を官憲に囲まれたことを知り逃亡を優先することを選び排泄を堪える為にインターナショナルを歌い乍ら失禁してしまう挿話を入れることによって崇高な革命の理想が我らの身体の原理である自然に裏打ちされており、それに逆らうことは不可能でるという至極単純な事実を提示することで嗤ってみせる。
 ラストシーンがどのように展開するかは、明かさないが、極めて優れた脚本『竹内銃一郎)を、これまた優れた佃典彦さん演出と各々の役者特有の演技で見せて見事である。殊に佃さんは役者としても出演なさっているが、その役を当に生きて来たという初老の刑務官の演技は自然体で若い役者さんはどんなに上手くともこのように自然な演技は出来まいと思わせる流石の域。
愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸

愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸

劇団扉座

座・高円寺1(東京都)

2026/05/20 (水) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

扉座『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』を観劇。

1992年・岸田戯曲賞作品

あらすじ:
 ベットで寝込んでいる王様。
10年前に家来に囃し立てられ、民衆の前で透明な衣装を身にまとっていると、「王様は裸だ!」と子供に指摘され地に落ちてしまう。
ドンキホーテの従者・サンチョ・パンソと出会い、失ったものを探す旅に出るのだが、過去に起きた悲劇は一体何だったのか?
本当の真実が見えてくるのであった…。

感想:
 あらすじから想像するに、初演を公演した時代が違えども、トランプ大統領を例えて言っているようだ。
王様とサンチョ・パンソの旅を通じて、昔と今を交差させているのが嫌顔でも感じて、己の心に重い錘を抱させてくれる。旅を通じて、己の愚かさを悔いて、やり直して生きていく、という陳腐な物語になると思えないが、新たな展開すら見えてこない。あの時代の岸田戯曲賞作品は、最近の作品群と比較にならないほど激しいものだ。いったいどうなるのか?
 そこから再び、初めの場面に戻り、ベッドで寝込んいる王様の姿が見えてくる。来客は生徒で、王様は教師なのだ。校内暴力が流行った時代に、果敢に立ち向かい、生徒たちに向き合った先生なのだ。王様の姿を借りた、教師と生徒たちの姿の掛け合わせなのだ。
10年前の悲劇は、先生と生徒たちに起きた事件で、あえて二重構造にしていなく、伏線すら貼っていないからか、繋がった瞬間には圧倒され、現在と過去の真実が如実に見えてくるのだ。「起承転結などは必要ない」と思えるほど、物語の運び方が上手いのだ。今は冷静になって言えるが、観劇中はそれどろこではなく、作家の術中に嵌っていたのだ。
全体の2/3を王様の行方を執拗なまでに描いているのがみそで、その過程こそが、先生と生徒の交流の時間でもあったのだ。だが横内謙介の戯曲はそう簡単には終わない。その後に来る絶望と希望が更なる興奮を呼び起こしてくれたのだった。
 20代の頃に感じた観劇での感動を今では得ることが難しいものだが、魂を揺さぶられたの間違いない。
当分の間、興奮冷めやらぬという感じだろう。
亀と潜水艦

亀と潜水艦

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2026/05/22 (金) ~ 2026/06/04 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

劇場と一体となって独特の世界観を見事に表出するのに毎回魅了される。悪役のいない芝居がよく成り立つものだと驚く。敢えて言えば戦争とか時代が悪役であるが、「戦争が憎い」だけで終わらず、その先で生き続けていく人間を描いている。「生きていきましょうよ」と訴えられているようだ。

帰還不能点

帰還不能点

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2026/05/28 (木) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2026/05/30㈯昼の部鑑賞

小説「昭和16年夏の敗戦」がベース。迫力満点の芝居に終始圧倒されました。

クスッと笑える場面も散見され、2時間10分があっという間。
大満足の公演でした。

最後に元総力研の一人一人が意気込みを語るシーンは、映画『生きる』のラストシーンで区役所職員が今後の抱負を力強く語る場面を彷彿とさせてくれて、爆笑しそうになりました。

みんなで酒に酔って気勢を上げても、明日シラフに戻れば普通の小市民に戻ってしまうのだろうな、と。

「ミネルバの梟は夕暮れに飛び立つ」と言われます。

状況悪化の帰還不能点がどこだったのかは後から分かるものであって、渦中にいる者は誰一人分からないこと。

そしてポイント・オブ・ノーリターンを越える推進力は「保身を図る見て見ぬふり」であり、「善人の不作為」であることがよく分かる作品でした。

ツイスト・アンド・対話

ツイスト・アンド・対話

南京豆NAMENAME

シアター風姿花伝(東京都)

2026/05/27 (水) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ホームシアターで二画面ドラマを観ているような感覚。舞台美術と物語が上手/下手に分かれて(同時)進行する。少しネタバレするが、タイトルにある「ツイスト」が上手で進行する小さな劇場の楽屋裏、「対話」が下手の同棲しているカップル。この2つの物語はラストになって ようやく緩く繋がる。

なぜ2つの物語を交互に描くのか、そこに人間関係の妙が透けて見える。楽屋裏は個性豊かな役者が揃い賑やかだ。どんな芝居をしているのか定かではないが、そこに居る役者の存在こそが重要。役者を通して 時代劇、恋愛劇、アイドルといったジャンルを表し、その多様さが一般的な楽屋を指している。演劇はたとえ一人芝居であっても、スタッフ等 様々な人と関りがある。

下手のカップルは10年以上の付き合い、最近は倦怠期なのか会話も弾まない。日常の淡々とした営み、そこに少し奇妙な話を織り込むことによって刺激と関心を誘う。どちらともなく会話をするための工夫、そこに無理が透けて見える。

楽屋を「動」とすれば、カップルの部屋は「静」になる。人間関係の距離感の難しさ、それを演劇(対比)を通して色々な態様を描いている。また それぞれの笑いの質のようなものも違う。南京豆NAMENAMEの独特の表現方法であり世界観の構築、そこは楽しめた。
(上演時間1時間40分 休憩なし) 追記予定

『ZOO』

『ZOO』

ウテン結構

インディペンデントシアターOji(東京都)

2026/05/28 (木) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/05/30 (土) 17:05

座席1階1列

3rdシーズンの最終公演と久しぶりの劇場での公演という事で、凄く楽しみにして行きましたが、とても面白くて満足しました。
行く前にYOUTUBEで「晴耕雨読」を観てから行ったので一層楽しめました。
いつもより派手な感じのあきやまさんや、髪が伸びて雰囲気が変わった岩澤さん、茶髪になって綺麗さの増した染さん、バイオリンを弾いている立ち姿が美しい杉田さん、相変わらず見ていて楽しいタカハシさん等々魅力的な方ばかりでした。
そんな方々が演じる内容も面白くて良かったです。
最初に入った雰囲気がd倉庫に似ていて前回まで感じていたチョットの不安がなくなったのも良かったです。
やっとd倉庫に代わる劇場探しの旅が終わった気がして3rdシーズンまでの集大成と4thシーズンに向けての期待が高まりました。
気長に4thシーズンのお知らせを待ちたいと思います。

ネタバレBOX

最初に出てきた 天使の骨の話が最後に繋がった時にビックリしました。
天使の羽や服の雰囲気がとても可愛いかったです。

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