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朗読活劇 信長を殺した男 2025

朗読活劇 信長を殺した男 2025

ハピネット・メディアマーケティング

THEATRE1010(東京都)

2025/11/20 (木) ~ 2025/11/24 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/11/21 (金) 15:00

戦国時代の話なのに戦いのシーンが殆どないのが斬新。新説を広めるのに論文ではなくて漫画や演劇を通じて、というのも新たなアプローチ。

お寺でポンポン‼︎

お寺でポンポン‼︎

劇団娯楽天国

ザ・ポケット(東京都)

2025/11/19 (水) ~ 2025/11/24 (月)公演終了

実演鑑賞

喜怒哀楽がぎゅっと詰まった傑作コメディー。お寺も大変なんですね。

ネタバレBOX

最後の家の爆発は迫力。
お寺でポンポン‼︎

お寺でポンポン‼︎

劇団娯楽天国

ザ・ポケット(東京都)

2025/11/19 (水) ~ 2025/11/24 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ファンキーな坊主と煩悩ファーストの衆生たちの悲哀を描くコメディは痛快でした。

ネタバレBOX

定年後の田舎のスローライフを楽しんでいた男の家で、次々と相続バトル、破壊坊主の登場、インバウンド・ビジネスを企む外国人、選挙活動を行う坊主、が出現し、ドタバタとした展開に感じましたが、最後は胸が熱くなりました。    
何もできない男の子と何も持たない女の子

何もできない男の子と何も持たない女の子

劇場企画タイオン

インディペンデントシアターOji(東京都)

2025/11/19 (水) ~ 2025/11/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 田舎町の塩メーカーを舞台に、失敗ばかりのダメダメ男性社員と突然退職代行を利用して会社を去った優秀社員・幸子を中心に描く話。登場キャラがそれぞれに魅力があり、話に魅入りました。ミステリアスな退職代行業者があまりストーリーに絡んでこなくて少し残念な気もしました。退職代行業者をもっとクローズアップしてみても良かったかと思います。

「増える部屋」神奈川公演

「増える部屋」神奈川公演

Quno(旧:projecttiyo)

STスポット(神奈川県)

2025/11/20 (木) ~ 2025/11/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

開演前は客席に強いライトが当てられていて舞台がよく見えない。始まると色とりどりのシーツや布が天井から何枚も垂れ下がっている。どうやらこれが沢山の部屋を表現しているようだ。レイヤー(階層)が奥行きとして積み重なっていることをカーテンで表現。雑然と枕やらクッションやらタオルやら洋服やらがそこらここらに散らばっている。時折、突然シーツに投影される「うたビデオ」。ウクタ(北みれいさん)が自撮りしたその時々の気持ちを切り取ったもの。ウクタの瞬間のその気持ちが脈絡なく呟かれる。

西奥瑠菜さんと薮田凜氏の二人芝居。北みれいさん演じるウクタが自分の住んでいるシェアハウスに二人を呼ぶ。三人は大学時代の友人。
西奥瑠菜さんはイベントコーディネーターだが自分の言葉や思いがどうも上手く伝えられず企画はなかなか通らない。
薮田凜氏はコンサル会社勤務でタワマンを買うのが夢。会社の不正の証拠である書類の処分を頼まれて何処かに隠さないといけない。今日が28歳の誕生日。

ウクタの頼みはどっかに行っちゃったシベリアンハスキーの縫いぐるみを見つけて欲しい。増設されていった奇妙な作りの家の為、迷宮のようになっていて何処が何処だか分からない。二人はここが本当にウクタの部屋なのかも分からず住民に確認しようと辺りをうろつく。部屋なのか廊下なのか仕切りも曖昧なラビリンス。いつのまにか誰かの部屋にいて謝罪し、いつのまにか誰もいない部屋で取り残されている。

いろんな人間に出会うのだが互いによく分からないまんま。西奥瑠菜さんと薮田凜氏がひたすら別人役をやり続ける。変装もせずにそのまんま。それが不自然じゃないのが面白い。

妙な面白さ。感触の世界。二人が魅力的。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

生き辛い世界に悩んでいたウクタが人と上手くやれないで悩んでいる連中を呼び集めたシェアハウス。NPO法人のひきこもり支援のような場所。ずっとここに居てもいいし嫌ならここを出て行ってもいい。沢山の人間が自由に共存するシステム。虚構なら理想郷だが現実なら地獄かも。それでも観てる間だけほんの少しでも気分が楽になれればいいんじゃないか。ふっと気が逸らせればいいんじゃないか。そんな演劇。一生懸命引っ越しの準備をしている女性。捨てられなかった物達との別れの区切りが付いた。自分の中で自分の経験を消化すること。今ならここを出て行ける気がする。そんな気持ちを手に入れる為にモラトリアムがあるんだな。最強の武器はその気持ちだ。
MOON 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

MOON 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

KUROGOKU

シアターシャイン(東京都)

2025/11/19 (水) ~ 2025/11/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

圧巻!ネオ不条理コメディですね。不条理劇なのに意味がクリアーで終始不思議な感覚でした。俳優陣がみな凄腕というのもありますが、舞台そのものが非常にクオリティが高く舞台を観ながら一人でニヤニヤしていました。「こんなにハイクオリティのものを観ちゃっていいのだろうか…」と。阿佐ヶ谷姉妹のような集金のおばさん2人のキャラが最高でめっちゃツボりました。息がドンピシャリであの2人だけの2人芝居も観てみたいと思いました。そして一番衝撃を受けたのが最後のシーンです。一言「神々しい」です。今までにない感情を経験しました。すばらしい舞台でした。

朗読活劇 信長を殺した男 2025

朗読活劇 信長を殺した男 2025

ハピネット・メディアマーケティング

THEATRE1010(東京都)

2025/11/20 (木) ~ 2025/11/24 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い!朗読と演奏のコラボによって臨場感と迫力溢れる情景が立ち上がる。
物語は 史実と虚構を綯交ぜにした世界、その内容はタイトルのような主君殺しの非道な人物像ではなく、いかに世の安寧と家族愛を願ったかを紡いだもの。

戦国時代を背景にしているが、合戦シーンはほとんどなく 信長を殺した男 明智光秀の半生 その機微を中心に紡ぐ。キャストは わずか5人、光秀役以外は1人複数役を担う。また舞台美術、その造作はシンプルだが中央の櫓状に組んだ所には 織田信長1人が座る。主人公となる明智光秀を含めた人物は板の上。等間隔に4つの演台とスタンドマイクが横に並ぶ。勿論 高い場所から信長が睥睨していることを表し、板の上で(4人)は演台を移動し 固定した場所はない。そこに光秀の流浪人生が垣間見える。
(上演時間1時間45分 休憩なし)【桔梗】

ネタバレBOX

舞台に演台が並び、上手奥に演奏スペース…法螺貝・太鼓・三味線等 情景に応じて演奏し分ける。後景は、焼けたような薄汚い平板が組み合わさったオブジェ。戦国の世…焼け野原といったイメージだろうか。
またキャストや演奏者は皆 和装で男優は袴、女優は着物姿。また信長だけはマントを羽織って威厳を漂わせている。

戦国時代ー強烈な戦国武将たちが各地で死闘を繰り返し、その攻防の末 崩れる勢力図。光秀は、美濃国の戦国大名 斎藤道三とその息子 義龍の争いの中で 道三に従ったが破れて越前 朝倉家へ。そこでの働き、後の室町幕府15代将軍 足利義昭との関りなど、通史(史実)の出来事が語られていく。織田家へ仕え 武芸に秀でた光秀は頭角を現していく。信長による天下統一が進む中で、小さな綻びが広がり始める。中国・四国への政略戦。大陸(明)侵攻計画。そして極端な成果主義など……。特に荒木村重の謀反と明智家の関り、そこに時代という<社会>と明智という<家族(個人)>が繋がってくる。信長の意に添わぬものは排除、そして皆殺しという歴史(事実)を語る。

一方、光秀とその正室 熙子との出会いと思いやりは、歴史に刻まれない心の奥底にあるもの。それを情感たっぷりに表現する。熙子が光秀に嫁ぐことになったが、疱瘡を患い 顔に痘痕が残る。破談を恐れた熙子の父は彼女の妹・芳子を身代わりに立てるが、光秀はこれを見破り熙子を正室として迎え入れる。のち 朝倉家のために歌会を催すことになり、光秀がその資金に困っていると、熙子は黒髪を売って金を用立て助けた と。正確な記録もなく、語り継がれの美談のような出来事を虚構の舞台として立ち上げる。

演出は、場面の強調や場景の変化の時、演台に扇子を張り扇のように叩きつけて、緊張とリズム感をもって展開する。また 信長が本能寺で討たれ、退場する場面では紙吹雪が舞い印象と余韻を残す。
演技(朗読)は、声量や声色を変え 複数の人物や情況や状況を巧みに立ち上げていく。声の変化と同時に扇子を叩くタイミングが難しく、叩いた音が響かずスッたような音は愛嬌か。
次回公演も楽しみにしております。
クレマチスの小屋

クレマチスの小屋

劇団大樹

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2025/11/06 (木) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今回も、素敵な舞台でした。
最終公演を観劇できて、本当に良かったです。クレマチスは、思い出の花になりました。

MOON 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

MOON 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

KUROGOKU

シアターシャイン(東京都)

2025/11/19 (水) ~ 2025/11/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/11/20 (木) 14:00

価格4,500円

11月20日〈木〉14時観劇

最初に紙チラシ(フライヤー)を見て、
その表紙デザインがすばらしかったので興味を持ちました。

次に、如月小春さんの存在を読みました。
調べてみて、とても魅力的な脚本家だと分かり、
ますます興味を持ち、今回KUROGOKUさんの劇を初めて拝見しました。

素晴らしかったです。
如月さんの脚本は、抽象的過ぎず具体的過ぎず、
ちょうどよい間合いで現代社会のいろんな歪みをあぶり出していきます。

年寄りを「可燃ゴミ」としてごみステーションに放置する…
ある日部長から突然解雇を通告される…
突然立ち退きを求められるのは、当時問題化した「地上げ屋」のせい?
良きも悪きも、80年代後半から90年代前半の時代感覚が表現されています。

夫婦間の問題、核家族の問題、主婦の孤独。
サラリーマンの不甲斐なさ、高齢化した家族の問題…

作品の大きなテーマは社会に対するアンチテーゼですが、
それが前面に押し出されている感じは無く、
話が淡々と展開していきます。

役者の方も、演出も、そして脚本も素晴らしい。
素晴らしい、素晴らしい劇でした。

近代能楽集 葵上・道成寺

近代能楽集 葵上・道成寺

CroixProjec†

APOCシアター(東京都)

2025/11/19 (水) ~ 2025/11/24 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/11/21 (金) 14:00

芝居ももちろんのこと、ダンス、音楽、照明が素晴らしかったです。

その事件、推理小説家には荷が重い

その事件、推理小説家には荷が重い

劇団皇帝ケチャップ

浅草九劇(東京都)

2025/11/12 (水) ~ 2025/11/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

台詞量の多さと言い回し、シェイクスピアを意識しているのかな!?
色々なシーンが重なりつつ、テンポのいい進行、結末も含めて面白かったです!

ネタバレBOX

脳内のシーンと現実の場面が重なっているのだけれど、違和感なく観れました
喜劇王暗殺

喜劇王暗殺

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2025/11/19 (水) ~ 2025/11/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ニアミスの史実から、こんな話が作れるとはイイですね。いかにもトツゲキらしい舞台、大いに楽しめました。劇団員さん達のアフタートークも参考になりました。

MOON 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

MOON 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

KUROGOKU

シアターシャイン(東京都)

2025/11/19 (水) ~ 2025/11/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ここまで面白い不条理コメディは久しぶりです。確かにバブリーな時代の雰囲気がありますね。色々考えさせられて、いい時間を過ごせました。

喜劇 芝居で見せる あづま通り物語

喜劇 芝居で見せる あづま通り物語

演劇なかま高円寺

座・高円寺2(東京都)

2025/11/15 (土) ~ 2025/11/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

地元密着といいますか、手作り感がいいですね!

全校ワックス

全校ワックス

システマ・アンジェリカ

早稲田大学学生会館B202(東京都)

2025/11/20 (木) ~ 2025/11/22 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2025/11/21 (金) 13:00

主宰/作/演出の鈴木浩祐さんは吹奏楽部の2年の時、演劇部が上演していた『全校ワックス』(中村勉作)を見られて大学では演劇をやると決め、今、学生になり演劇をしていて、そしてその『全校ワックス』を演出し、上演されたのだ。

二つの versionが在るとのことでその二つを混ぜ、後半を潤色されたと伺った。

これまで中村勉先生の作品は多く拝見して来ているけど、全校ワックスは拝見してなかったので、楽しみにしていた。

少し陰/毒を含んだ、でも、高校生達がそこに居る作品だった。

神戸で育ったので、学校は上履きの無い、自分の靴で動いていた。ワックスは年に何度か業者が引いていた。結構匂いがきつかった。

この 6人の高校は生徒にやらせるんだ。そこに日常が、平常に、少しだけ陰や僅かに毒を含んだドラマが生まれる。いや皆、十分明るいのだけど。面白かった。女子生徒はベースを固め、江川役の彼がユニークさを担っていた。

MOON 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

MOON 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

KUROGOKU

シアターシャイン(東京都)

2025/11/19 (水) ~ 2025/11/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前公演に続いての如月小春 作品、面白い。
初演は バブル経済全盛期の1989(平成元)年、自分は未見。タイトルが「MOON」であるが、劇中では別の形でも表現される。詩的な印象であるが、内容は極めて私的であり人の心情をクッキリ表している。そして時代背景から長時間 過密労働という社会問題や疎外感といった事象が垣間見えてくる。労働者の代替など何人もおり、馘になっても無関心・無関係を装う。公演は 時代感覚/状況も大切にしており、携帯電話もパソコンも出てこない。

荒唐無稽のような展開に思えるが、それは比喩を紡ぎ人の心の空虚さ…「私はとても素敵なトースターを持っています・・・朝、夫がでかけたあと、私は一日中トースターを抱いています」を表している。そして物語の舞台となる夫婦の住居(マンション)も老朽化すれば取り壊し、新たな建物へ。人もモノも古く使い物にならなくなれば捨て 壊してしまう。今の時代に この演目を上演するのは、何となくコロナ禍を経て不寛容で無関心といった風潮に似ているような気がしてならない。勿論 労働環境(事情)は異なるが…。

少しネタバレするが、物語の中心になる夫婦の夫 ウエシタコーゾが、事件の概要を独白するところから始まる。夫が主人公で その観点で展開していくのかと思っていたが、いつの間にか 妻 のの が主役に代わっている。その視点こそが物語の芯であろう。
(上演時間1時間45分 休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は 中央に階段を設え、上部にカラフルな箱馬が5つ。左右にはビルを模った張り板。下手には屋外ゴミ箱。劇中、中央正面に大きな丸い照明、それが「月」であり「穴」を表す暗喩。この舞台美術と舞台空間の作り方が巧い。

物語は、平凡なサラリーマン夫婦の生活を風刺した喜劇。いつもと同じ光景、朝 夫を送り出し 帰宅を待ちわびて暮らす妻 のの。その孤独に いつの間にか見知らぬ男が入りこみ、夫になり変わって一緒に暮らす。さらに男は職場で夫の地位も奪う。地方から出てきた夫の母親も 粗大(可燃)ゴミとして捨てられる。 やがて 夫と男は銃で決闘することになるが、夫の不倫相手のOLララが妻に対して という三つ巴の決闘。なんとも荒唐無稽な展開。

見知らぬ男が夫になり変わるが、真に自分が夫であることをどう証明するか。妻は闖入してきた男を夫と言い、マンションの住人(管理組合)は夫を見たことがないと。家庭の中に”MOON”のような丸い穴がだんだん大きくなる、それは夫婦間(心)の溝の深まりの比喩のよう。それを埋めるように男が闖入してくる。何となく安部公房の「友達」を連想させるが、それとは別の怖ろしさ。妻の視点へ変わり、寂しさ虚しさに忍び寄る孤独、それを癒すかのような偽りの愛に縋る。

「日々の生活の中で見失われつつあった自己のアイデンティティ、社会に翻弄される人々を痛烈な風刺を込めて描いた不条理コメディ」。今の時代、さらに 他人に対して無関心であり不寛容、近所の人の顔さえ知らず 挨拶もしない。同時にバブル期における交換可能な人間の空しさ、しかし 今は機械(AI等)が代替する非情さも。初演当時とは別の意味で 観応えある作品になったよう。
結末は、夫が妻を後ろから抱きしめるシーンで終わる。虚無の象徴だった月は、2人を見守る優しさの表象へ。
次回公演も楽しみにしております。
どん底

どん底

PRAY▶︎

浅草九劇(東京都)

2025/11/19 (水) ~ 2025/11/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

どう考えても這いあがれない状況、なじり合い、容赦ない言葉の応酬に下手すればゲンナリしそうなものだけれど、何だろう、このふてぶてしいくらいの生命力
思わず圧倒され見入ってしまい、死にゆく女性の情念に息を呑む
Vの字に突き出た舞台演出で更に迫力がドーン!

ロシアの古典作品であり名前も出てくる地名もそのままロシアなのに、違和感無く日本各地の方言が飛び交って、すんなり馴染めてしまうのも良かったです

THIS HOUSE

THIS HOUSE

JACROW

新宿シアタートップス(東京都)

2025/11/19 (水) ~ 2025/11/25 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

T.REXの「Get It On」の合唱からスタート。
Get it on, bang a gong, get it on
ヤろうぜ、ゴングを鳴らせ、ヤろうぜ。

よっぽどグラム・ロックが好きなんだな、と思っていたがデヴィッド・ボウイの「Rock ‘n’ Roll Suicide」も「Five Years」も戯曲の指定だそうだ。

1974年2月イギリス総選挙にて労働党が政権を握る。全635議席(過半数318議席)中、労働党301議席、保守党297議席、その他36議席。法案を通すには常に少数政党の協力を仰がねばならないギリギリの事態。院内幹事=執行部はあの手この手で政権の維持を図る。

谷仲恵輔氏から幹事長の後継者に指名された熊野善啓氏は労働党政権を維持する為に試行錯誤し苦しみ抜く。自分の器に余りある仕事、だが泣き言を言っても誰も助けてはくれない。次から次へと造反、スキャンダル、病気···、トラブルの雨あられ。

保守党(俗称・トーリー党)、党のカラーは青。中流階級出身が多数。
佐藤貴也氏、今里真氏、小平伸一郎氏。

労働党、党のカラーは赤。労働者階級、労働組合出身が大多数。
谷仲恵輔氏、狩野和馬氏、熊野善啓氏、芦原健介氏、福田真夕さん。

ユージュアル・チャネル(Usual channels)=「通常の経路」と隠語で呼ばれる非公式の取り引き。与党と野党の院内幹事が議会前にするオフレコの打ち合わせ。これがあることで最低限の信頼関係が得られた。

ペアリング(Pairing)=重要な採決に参加出来ない議員がいた場合、ユージュアル・チャネルで互いの欠員数を揃えるように調整する非公式の取り引き。

奇矯な発言と突飛な行動で世間を混乱させる三原一太氏。山里亮太や鈴木もぐらっぽいか。
病身を押し老体に鞭打ち、党に身を捧げる大竹周作氏は大泉滉や本田博太郎っぽい。

どこの国でもやってることは一緒。所詮人間。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

1979年5月の総選挙でマーガレット・サッチャー率いる保守党が政権奪取、初の女性首相に。1990年11月まで11年君臨した。

「Rock ‘n’ Roll Suicide」
Rock ‘n’ Rollの美しい高揚は現実生活との折り合いが付かず自死へと向かう。惨めでナルシシスティックな自己完結。だがボウイはこの歌で必死にそれを阻止しようとする。  

聞いてくれ、苦しんでいるのはお前だけじゃない
お前がどう生きて、何処の誰であって
どんな人生を経てきようがそんなの構わない
この世の全てのナイフにズタズタに切り裂かれる痛み
それは俺も同じなんだ、痛みなら分かち合える
それはお前だけじゃないんだ 

「Five Years」
滅亡まであと5年と宣告された地球。ニュースでそれを知らされた者達が町中でそれぞれの反応を示す。泣いても笑ってもあと5年。5年経ったら皆消えて失くなってしまう。

これを谷仲恵輔氏が真っ赤なスーツで熱唱、美声で聴かせる。イギリスの政権の最長任期が5年である為、解散総選挙さえ阻止すれば5年間政府を維持出来る。労働党の院内幹事達の意地でも5年乗り切ってやる、という歌になっている。

ブルーハーツの「イメージ」のイントロみたいな曲は何だろう?モット・ザ・フープルか?

※イギリスは二院制を採用しているが庶民院(下院)が貴族院(上院)よりも優位とされている。庶民院は選挙で選ばれるが貴族院は貴族の中からの任命制である。

※The Who「無法の世界」
MOON 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

MOON 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

KUROGOKU

シアターシャイン(東京都)

2025/11/19 (水) ~ 2025/11/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 素直に観るとタイトルから想像されるような詩的作品という解釈が成り立ちそれはそれで極めて印象的な作品である。先ずはこの自然に導かれる解釈からゆく。

ネタバレBOX


 板上のレイアウトは板中央に2段の階段、2段目を上がった処は踊り場になっている。踊り場には4つ箱馬が点在し、この階段を挟み込むようにハの字型に衝立が置かれている。階段1段目下手に木製の塵箱、その下手に箱馬2つ。上手の階段1段目横にも箱馬1つ。因みに踊り場スペースは基本的に主人公及び妻の暮らすマンションの1室として機能する。
 物語はある事件が起こったことを主人公が説明するシーンから始まるが、内容的には要を得ない。無論、態と焦点をぼかした説明をしている訳だ。この辺りはリアルタイムで理解できる創りだし、流石如月小春の脚本ということができる。無論、このある種の怠さを抱えたシナリオは観客の集中を途切れさせ易い。その辺りの事情は如月自身よく分かっていたのは確実だから可成り多くのブラックユーモアが埋め込まれ香辛料が気付け役を果たすように機能している。
 ところで、この作品の特徴である焦点をぼかす手法即ち曖昧化は物語が終盤に入っても未だ続く。無論、伏線は巧みに織り込まれている。夫の母が居候を始めていたのだがその母が妻の不可解な行動について次のような証言をしていたのだ。愛しい夫を会社に送り出す前、トースターで焼くパンにさえ心情を転移している妻が不可解にも新たな男を“夫”と呼び生活し始め、遂には居候していた母を可燃ゴミとして廃棄した後、元々の夫であった息子に発見され助け出された際に述べた台詞である。妻が“夫”を送り出した後一日中トースターを抱いている時、不思議な穴が開いていた、と証言していたのがそれである。今作は、終盤のラスト2~3分で総ての要素が収斂してゆき、その収斂の様が余りに見事で感激の頂点に達するが、オープニングで語られた台詞の中で語られていたキノコ雲の話と総てが収斂するラストの話はそのまま連続していない。時空の歪が介在してくるからである。これを解決する為には、今作を不条理劇として解釈するのではなくSFとして解釈すべきなのである。そうすれば今作の捻れが解けると思われる。如月小春はこの辺りまで考慮していたのだとすれば? そんなことまで考えさせる作品だ。役者陣の演技は、皆さんしっかりしている、演出も良いし舞台美術の勘所を捉えてグー。お勧めである。それにしてもラストシーンで妻の抱えていたトースターから妻が取り出したモノは衝撃!
再生ミセスフィクションズ3

再生ミセスフィクションズ3

Mrs.fictions

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2025/11/13 (木) ~ 2025/11/17 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

どのお話も面白かったです。前説の時にいた怪人には笑わせていただきました。何だったんだ…バックに流れていた曲も気になりました(笑)

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