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われらの血がしょうたい

われらの血がしょうたい

範宙遊泳

シアタートラム(東京都)

2026/02/21 (土) ~ 2026/03/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「人工知能が抱える孤独」


 山本卓卓が作・演出した2015年の作品をの再演である。今回は演出を額田大志が担当し、一部出演者を入れ替えての上演となった。

ネタバレBOX

 開演すると舞台上のスクリーンに断片的に「は」「る」「春」「よ」「夜」「女」などと文字が映し出され、やがて「『春の夜』『女性』『失踪』クリック」と投射される。おそらくコンピュータの学習とインターネットのキーワード検索を可視化したのかと見当をつけながら観続けていくうち、「われらの血がしょうたい」というSNS投稿を残して61歳の女性が失踪した事実が観客に知らされる。やがてバッハの無伴奏チェロソナタの旋律にのって現れた二人(植田崇幸、端栞里)は、なにかに操られるかのような不自由な動きを見せる。二人とも失踪した女性にゆかりのある人物だが行方は知らず、なにかに突き飛ばされるようにして舞台奥へと消えてしまう。そのあと投射された字幕から、この失踪した女性が人工知能「ザマ」に変化したことが示唆される。
 
 以降はザマが存在する世界のある場所で起こる様々な出来事を、5名の俳優が何役か演じ分けながら劇が進行していく。お手伝い(井神沙恵)に言い寄るうさんくさそうな若社長(福原冠)の成功と没落、新居を探す若夫婦(植田崇幸、端栞里)の行く末、浮ついた若い警護たち(植田崇幸、埜本幸良)が不審人物(福原冠)にからむ様……ザマに問いかければ今日の天気や株価がわかり、電源のオンオフからひとりのときの話し相手まで担ってくれて便利である。こうしてザマは長い時間、同じ場所で起こる出来事をかわいた感覚で見つめ続けている。やがてこの場所が解体されると、なんとザマは「4分の0」という擬人化されたもの(端栞里)として姿を表す。当初あきらかに機械的に聞こえた「4分の0」の語りは、やがてとめどない絶叫となって人間たちを圧倒するのだった。

 失踪した人物が時間や存在を超越した人工知能になり、時間と存在に固定されている人間の世界に介在し続ける本作を観ていると、常日頃の悲喜こもごもに一喜一憂することがバカバカしく見えて面白い。同時にかわききった視座で人間界に影響をもたらすさまが、まるで己を作り上げた人間たちを凌辱するかのようにも見えて空恐ろしさを覚えた。そして後半に「4分の0」が吐露し続ける叫びは、人工知能のかわきに隠された圧倒的な孤独のように感じられたのである。情報技術が知能の延長であるならば、コンピュータのバグは寂しさや欠落といった人間の感情に由来するのでは、という本作の視座に私は深く思いを馳せることになった。

 多彩な出演者たちの演じ分けはどれも見応えがあったが、特に冒頭で滑らかな動きを見せ、ところどころ情けない男性を演じた植田崇幸、「4分の0」の胸の内をこれでもかと連呼した端栞里が印象深い。ただ作品の構造上是非もないが、演技合戦を堪能するというよりは作品を構成するパーツのように見えてしまった点がやや残念である。

 三面スクリーンに投射された文字やビジュアルに必要以上に雄弁でない音楽、そして蛍光灯を埋め込んだ木枠のセットを使った硬質な空間づくりも作品に多いに貢献していた。私が観たのが最前列だったからか、舞台上下(かみしも)が特にガラガラに感じられたところがあったため、もう少し小さい空間で観たかった。
Chloé-クロエ-

Chloé-クロエ-

紙魚

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2026/02/27 (金) ~ 2026/03/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

スタジオHIKARIで音楽劇か、どうだろうなっ?て思いで場内入った瞬間に。
これは!?って、唸った。
美術はシンプルそのものなんですが、スタジオの使い方が自分はここでは観たことないやりかたで。
対角線を斜めに切って、奥側に客席を。これによって舞台の間口が広くなった。
動線の確保にもなってたのかな。
代わりに舞台奥は狭くなり、センターに太い柱って、いびつなステージなんですが。
とても工夫されていて気にならなかった。むしろ太い柱の使い方が上手かった。
照明の素晴らしさにも触れておきたい。ずっと奇麗なんだけど、自分が特に凄いと思ったのは。
センターにある太い柱が闇にまぎれて消えたとき。演劇の魔法だって思った。

演者は6人。音楽が生演奏でピアノとドラムの2人。
生演奏も歌もほぼ2時間絶えることなく。演者もメインの役だけじゃなくて、アンサンブル的なことも兼ねます。
ミュージカルでもここまで歌が続くのあまり無いんじゃないかな。

セットはほぼ素舞台、しいていうなら例の柱。
小道具と役者の身体表現によった数々の表現で場面はつくられていきます。
凄い段取りの数で、運動量だ。

『うたかたの日々』を自分は読んだことないので、忠実さや翻案具合は言えませんが。
物語自体、凄いことが起きるわけじゃないです。
一幕は、それこそディズニー映画のような、恋に恋するエンタメとして楽しめて。
二幕は、それだけじゃなくなってくるけど。表現方法も、より尖がるっていうか、色んなことやってきます。
幕切れの畳み方がやや淡泊に感じる人もいるかも。ただ個人的にはちょうど良かった。
小さな箱だけど、空間の使い方が良くて、もっと大きいステージで客席がステージ上にあるような臨場感でした。

工夫された劇空間に、役者たちが歌に身体表現に目まぐるしく躍動して。
シンプルなステージを、凝った照明と生の演奏が支えてくれる。
総合点が高く、素晴らしかったです。

いきなり本読み!2DAYS

いきなり本読み!2DAYS

CoRich舞台芸術!プロデュース

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/02/27 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

演者と観客の一体感が最高でした。
たくさんの笑いがあって、素敵な時間を過ごすことができました。

いきなり本読み!2DAYS

いきなり本読み!2DAYS

CoRich舞台芸術!プロデュース

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/02/27 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

DAY2「いきなり本読み!the Musical」昼の部 観劇。改めて役者さんたちの表現力,臨機応変力に感服。凄いです。一般参加の方々も弾けちゃってて,とても楽しそうでした。こういうイベント的な演劇も面白い。観劇できて良かったです。

いきなり本読み!2DAYS

いきなり本読み!2DAYS

CoRich舞台芸術!プロデュース

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/02/27 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

DAY2「いきなり本読み!the Musical」を
観劇デス
台上に出演者の椅子とテーブルを配し
下手に演出家 上手に音響さんと
バックの幕に読み上げる科白と
配役等を投影する仕組みでした
各シーン事に男女関係無く
配役がシャッフルされて面白味増してました
途中というか終盤のトコで観客参加で
読みも入った約2時間弱の作品でした

ネタバレBOX

女性客が多めだったかしら
一式氏が席を立って壇上動き回ったり
サービス精神旺盛な動きをされてました♪

読み上げる作品はオンラインMMOゲームで
パーティー組んでる3人組が現実世界と
ゲーム世界の境界が壊れてメチャ強い
ボスキャラと戦い世界を救う話です
絶対に倒せないボスキャラと引き分けたのが
主人公カケルの亡き父であり
皆の協力で魔獣らも追い返し
世界が交わらないようにゲーム世界と
分かれるトコで主人公は世界の案内人さんに
惹かれて現実世界からゲーム世界に行くも
その案内人さんは旦那と子供持ちだった
というオチが付いて終わるのでした

観客参加は主人公カケルの母役で
各センテンス事にマイクを隣に渡して
声出ししてく仕様でした

主人公の必殺技とラスボスの名前が
言い難い長ネームにされておりましたわ
アイロニーの丘:Re:Re

アイロニーの丘:Re:Re

9-States

駅前劇場(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/03/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

こけら落とし 観劇
3回目となる再演だから
:Reが二つ付くのだねぇ

政府の人生100年時代を揚げた
「人生リスタート支援政策」により
40代以上の大人たちが定時制高校へ入学
したものの政策転換で呆気なく
廃校が決まった「丘の上高等学校」の
最初で最後の生徒ら+教師らが
皮肉に満ちた現実に翻弄されながら
人生の意味を探し続ける話であり
学びの本質を問いかける
奇妙な学園物語であり
卒業までの期間を生徒と先生が不器用に
全力で駆け抜ける様を約2時間で
描き切った作品

横長の駅前劇場を巧く用いて綺麗に再現された
高校の教室が舞台セットです
幕とかはされず開演前は教室の窓に
夕日があたってる感じでした

ネタバレBOX

チラシのイラスト人物であろう
加藤岳仁(ライオン・パーマ)氏の演じる
定時のクラス担当である山崎教諭を繋に
副担任の小林教諭や全日担当の女教諭や同僚に
定時制高校に通うクセの強い面々らが
繰り広げる群像劇かな
ブラックコメディとか割り切るには
何かモヤっとする感じの作品であり
心に引っ掛かる話となっていました

殺人で収監刑期終了後に事件の示談金を
ソープランドでの稼ぎで返済した女生徒が
編入してきて目を付けた男性を付け回して
ストーカーしたりするというヘビーな話入れたり
生徒側の状況もふんだんに織り交ぜて
無事皆が卒業するまでを時間軸通りに展開し
廃校後は教師を辞めると言ってた山崎教諭が
同窓会にて顔を出し「今何をされてるのか?」と
聞かれて「先生」と ひと言 答えた処で終演
となります

紙アンケート用紙があり
気になる登場人物のチェックが出来て
配役わかり易かったかな

暗転時に天の声で意味深な科白とか
もっと入れても良かったのでは とかも思えたッス
前はモニター設置して台詞が流されてましたが
今回はモニター無かったから〜特にそう思えたな
いきなり本読み!2DAYS

いきなり本読み!2DAYS

CoRich舞台芸術!プロデュース

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/02/27 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ずっと前からこんな楽しい企画の舞台があったのかという気持ち。
役者さんのアドリブ、歌唱力はさすがの一言。これに加えてほんとにいきなりやってるんだという素の部分もたくさん垣間見えてとても楽しい時間を過ごせました。

いきなり本読み!2DAYS

いきなり本読み!2DAYS

CoRich舞台芸術!プロデュース

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/02/27 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

荒唐無稽なブラックコメディ作品でした。話の後半の展開が面白かったです。俳優さん達は戸惑いながらもなんとか話を理解しようといていました。話の結末がとんでもなく怖くて、面白かったです。

私を野球に連れてっTake me out

私を野球に連れてっTake me out

劇団鮫軟骨

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2026/02/25 (水) ~ 2026/03/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

高校球児だった主人公が甲子園を逃した決勝戦のサヨナラエラーを振り返って、検証するストーリーでした。当時の関係者がみな同じ会社で社内の人間関係も盈虚いしているという設定も分かりやすくて面白かったです。会社が支援する劇団の女優の話も絡んで2時間半、飽きずに見れました。そちらの方がメインかなとも思いました。
ただ、主人公がそのエラーが原因で既に野球を辞めていて、全体的に野球への熱が伝わって来なかったので、最後の盛り上がりに少々欠けるかなと思いました。もう少し主人公が自分の思いを伝えて欲しかった。

いきなり本読み!2DAYS

いきなり本読み!2DAYS

CoRich舞台芸術!プロデュース

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/02/27 (金)公演終了

実演鑑賞

前々から参加したいと思っていた「いきなり本読み」やっと参加できました。
かなりぶっ飛んだ脚本なんだけど、なんか感動的だったなあ。

いきなり本読み!2DAYS

いきなり本読み!2DAYS

CoRich舞台芸術!プロデュース

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/02/27 (金)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

われらの血がしょうたい

われらの血がしょうたい

範宙遊泳

シアタートラム(東京都)

2026/02/21 (土) ~ 2026/03/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

10年越しに観ても怪作(褒め)!

ネタバレBOX

映画「2001年宇宙の旅」のマザーコンピューターHAL9000はAIの反乱の象徴になっているが、本作のお手伝いAIことザマは、記憶媒体・再生装置としてのIoT (Internet of Things:モノのインターネット)でありながら、残留思念を引き継ぐ地縛霊と化していく…みたいなことを10年前も紐付けて妄想しながら観た。

10年経った現在、この作品を眺めてみると、あの家とザマは変わらないまま劇場に鎮座していたが、外では現実のディストピア感が加速していて、劇世界が理想郷にすら思えてくるのが面白い。

膨大なデータ学習と優秀なアルゴリズムによって、より人間らしくアップデートされ進化していく人工知能と、相反するように抑制されてバグを生んでいく人間。
時空が歪み、内部だった劇場ごと裏返って外宇宙の彼方へ連れていかれる感覚。
たどり着いた先で私たちは母なる存在に遭遇できたんだろうか。

みたいなことを妄想しながら観るのもよし!いろんな捉え方が生まれる演劇。

キャスト陣、新演出によるリクリエーション、スタッフワーク、シアタートラムという空間もバキバキにカッコよかった。
終われない8人と冷静な1人

終われない8人と冷静な1人

総合学園ヒューマンアカデミー大阪心斎橋校 パフォーミングアーツカレッジ

ヒューマンアカデミー大阪心斎橋校 B1ホール(大阪府)

2026/02/26 (木) ~ 2026/03/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

専門学生の演劇
そとばこまちが関わっているな〜と感じる内容
内容はそれなりだったが、 演技がもう一つかな…
パワフルでしたが
それなりに満足できました

いきなり本読み!2DAYS

いきなり本読み!2DAYS

CoRich舞台芸術!プロデュース

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/02/27 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

DAY2「いきなり本読み!the Musical」昼の部見せていただきました。
面白かったです!「いきなり」は譜面でなく即興の演奏で歌うということで、みなさんその場で歌えてしまうのがすごいです。
「お前も本読み!」シートの皆さんも自信があるからこその選択だと思いますが、原田さんがおっしゃっていたようにスカウトされているかもです。
苦手意識のあったミュージカルですが、今後もっと見てみたいかも・・・。
今回チケプレで見せていただいたのですが、当選したもののV2の会員登録がうまく行かず
もう面倒だから諦めようかと思ったくらいでした。しかし、メールで問い合わせると担当の方が根気強く付き合ってくださりなんとか登録できて、無事見に行くことができました。ありがとうございました。

アイロニーの丘:Re:Re

アイロニーの丘:Re:Re

9-States

駅前劇場(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/03/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 脚本が良い上に、演出、役者陣の演技もグー。特に山崎先生の台詞が凄い。観るべし!

ネタバレBOX

 板上は夜間学校の教室。ホリゾントには下手に窓が2か所、上手に教室への出入り口、観客から観易いようにやや開かれた角度で伸びる教室正面の壁には緑板、その手前に教壇。この教壇とホリゾントの間に教師が用いることのできる机と椅子。対面に生徒用の机と椅子が整然と並んでいる。緑板対面の壁ホリゾント側にはもう1つの出入り口。センターには壁埋め込み型本棚が見える。尺は110分。
 初演は2011年。自分は初演を拝見していないが15年経って居る分、随分変わった社会情勢や言葉遣い等も含めて現在に合わせて改稿されている部分はあろう。然し改稿された部分と初演上演版決定稿との間に在るハズのズレは全く感じさせない。内容が極めて本質的で全くブレが無い深みを湛えているからであることは容易に想像できる。設定が定時制というのもいい。定時制に通う人々の年齢は一般的に現実でも様々である。全日制の生徒と同年代の生徒もいれば親子程年の差がある場合も多いのは、生徒それぞれが抱えてきた人生に大きな差があり、困難や苦労が在って通学できない事情が在ったケースが多いからだ。ヒトは生まれ落ちた時点で例え同じ両親から生まれた兄弟姉妹であっても個性差を持っている。その生得的個性差に経験差が加わり、各々の位置の差が社会的にある中で育つことによって初めは小さかった差は拡大するのが開かれた社会では当然起こることだが、この自然の流れに棹刺すのが「国家」教育である。
 今作では、担任教師山崎先生が生徒に接するに当たって取る対応が開かれた教育だとすれば、副担任を務める小林先生は「国家」教育の理念に縛られたタイプの教育、小林先生休職中代理で副担任を務める朝比奈先生は山崎先生寄りという感じだ。
 生徒たちも様々である。元社長、引き籠り、ホスト、漁師、主婦、工場勤務、モブ、殺人犯等各々様々な事情を抱え実生活では何処にでも居る人、社会的弱者、排除対象者として一纏めに括られそうな人々である。そのように括られ、括られることで軽んじられて真っ当な対応を他人からして貰えないという傾向があるのが我々が日々過ごしている現実社会の姿である。今作は担任の山崎先生の態度が一見つっけんどんであり乍ら実に深く本質を突き、本質を突いているが故に具体的解決に達する道程が見え、問題を抱えていた本人は少なくとも燈明を持つことができるようになる。国家の強制する政策合致目的の次元の低い話では無い。それどころか、真に個々人を活性化させ可能性を増大させて結果的に真の富をも得る方途の基礎を築くのである。
 描かれ方は、喜劇的に数々の擽りを入れ笑いを誘うシーンも鏤めつつ、優れた喜劇が本質的に持つ特質、悲劇を越えた悲劇を実は描いていると観た。
いきなり本読み!2DAYS

いきなり本読み!2DAYS

CoRich舞台芸術!プロデュース

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/02/27 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「いきなり本読み!the Musical」観劇。
「完成形より稽古場が面白い」という発想どおり、“物語が生まれる瞬間”を目撃した舞台でした。
個性的なキャスト陣と生演奏で、その場で一気にドラマを立ち上げていくスリル。
見事な役の切り替えやアドリブ、即興とは思えない流石の歌唱力も見応え十分で、存分に楽しめました。
一般参加の方の場面も含め、会場全体がライブで創作しているような一体感。
またぜひ体験したい、刺激的な企画でした。

アイロニーの丘:Re:Re

アイロニーの丘:Re:Re

9-States

駅前劇場(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/03/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

今回はちょっと趣向が変わりましたか。おかしな先生と生徒による群像劇風コントですな。ちょいちょいシニカルで、なかかなに笑わせてもらいました。

いきなり本読み!2DAYS

いきなり本読み!2DAYS

CoRich舞台芸術!プロデュース

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/02/27 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

DAY2「いきなり本読み!the Musical」昼の部。
ミュージカルで「いきなり本読み!」って、歌はどうするんだろう、譜面を初見で歌うのかなと思ったら、全部役者の即興なのね。キーボードの鎌田雅人氏による多少の誘導はあるにせよ、4人が即興でつけるメロディに、それぞれのクセみたいなものが感じられるのがまた面白く、予想以上に楽しい時間だった。

いきなり本読み!2DAYS

いきなり本読み!2DAYS

CoRich舞台芸術!プロデュース

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/02/27 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

DAY2「いきなり本読み!the Musical」昼の部観ました。いや~これは楽しい企画ですね。出演者さん達、皆アドリブに強くいて、歌が上手い。一般参加者もなかなかです。

大地の子

大地の子

明治座

明治座(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/03/17 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

第一幕70分休憩30分第二幕第三幕105分。

現代の『山椒大夫』。全てのエピソードは作家・山崎豊子が取材で得た事実を繋ぎ合わせたものだけに重厚。「小日本鬼子(シャオリーベングイズ)」=鬼畜日本の子と苛められ罵倒され理不尽な目に遭いそれでも尚且つ前だけを見て生き続ける男の姿。

ステージ奥の中二階に回想シーン等が映る。静止した影絵のように始まり映像を投影しているのかと思うがふと動き出しリアルタイムで役者達が演じていることが判る。ざらついた幕を通してセピアなイメージが効果的。
配役にかなり演劇通の人が関わっているのだろう。一人ひとり出演するだけの理由があり、必ず観劇後も記憶に残っている。この大作でこれをやるのは凄腕。(天野はなさんの代役で山﨑薫さんをキャスティングするのもよく判る)。

時系列がかなりバラバラなので主人公・陸一心(ルー・イーシン)を演じる井上芳雄氏の各時代の演じ分けが大変。鬼気迫った役者馬鹿の情熱、ギラついた目付きは尾崎豊のよう。男泣き。70年代の役者の匂い立つ魅力がある。往年の映画ファンなら大好きになるだろう。凄い人気で1列目から双眼鏡で井上芳雄氏の表情を凝視する熱心なファンの姿も。

育ての父、陸徳志(ルー・トウチ)役は山西惇氏。ただただ泣かせる。この物語の心を司る。
育ての母、王淑琴(ワン・シューチン)役は増子倭文江さん。流石。
従姉妹にあたる陸秀蘭(ルー・シウラン)役は山﨑薫さん。
日本の父、松本耕次役益岡徹氏も巧み。
みやなおこさん!
内蒙古の労働改造所で羊飼いをしている黄書海(ホワン・シュウハイ)役浅野雅博氏のエピソードも秀逸。
『金鶏 二番花』主演の丸川敬之氏!
『焼肉ドラゴン』の櫻井章喜氏!
ヒロインとなる江月梅(チアン・ユエメイ)役は有森成美みたいだなと思ったら上白石萌歌さん。アイドルみたいなキラキラしたオーラ。

それでも何と言ってももう一人の主人公である張玉花(ツァン・ユウホワ)役奈緒さんがMVP。いつの間にこんな本物の女優に化けたのか。人間のカルマを見据えたとんでもない女優になりそうな予感。素晴らしかった。
(勿論養母役山下裕子〈ひろこ〉さん、旦那役木津誠之氏の名助演も特筆もの)。

いろいろと細かな不満点はあるがとにかく配役が効いている。一場毎に必ず人の心を打つ見せ場を作りガッチリ演技を堪能させる。小林正樹の『人間の條件』を一気見している気分。ガチのスタンディング・オベーションになった。

是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

都合により第二幕第三幕が繋がっている。幕が下りてすぐに上がり第三幕へ。脚本家としては休憩も当て込んで書いただろうに残念。

山崎豊子原作は実は読んだことがなく多分ドラマ、映画も観ていない。名前だけで何となく知った気になっていた。今回何処まで原作通りなのか解らないが相当人間の嫌な部分を掘り起こす作家なのだろう。脚本のマキノノゾミ氏が描きたい部分は奈緒さんが担った。言葉を持たない者達の経験した記憶は誰にも掬い上げられることもなく無言で海の底に沈澱していくのみ。何億年何十億年誰にも顧みられず沈黙のまま。作家の仕事とは彼等の声なき声を世界に伝えることだと山崎豊子は訴える。

井上芳雄氏は生みの親に日本に帰れと諭されるも自分は謂わば『大地の子』なのだと宣言する。経験してきた一日一日その全てが自分自身を形作ったのだと。
結語に現在の日中関係を重ね合わせ、「『大地の子』は今、何処にいるのだろうか?」と決める。日中の現実に痛烈な言葉。どんな時代にも優しく正しく公平であろうとする者は日本にも中国にもいる。

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