
この上のない下水筒
コトリ会議
アトリエ春風舎(東京都)
2026/06/12 (金) ~ 2026/06/17 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/06/15 (月) 15:30
価格3,800円
劇が始まって以降、舞台と客席を包み込む空気感が、
いい意味でピリッとしていました。
役者さんの台詞の抑揚・間の取り方・主張する照明…
今までに経験したことのない空気感でした。
朝倉くんが急逝したあと、
中学校の同じ部活だった同級生4人が集まります。
思い出話に花が咲く…といったのどかな感じは全く無い。
むしろ、朝倉くんと部員たち、そして部員同士の間に
当時さまざまな思いや感情があり、感動や共感・すれ違いや悲しみの
あったことが明らかになります。
そしてそれらは、現在進行形でもありました。
話の流れや台詞に抽象的なところは全くないのですが、
全体的にかなり抽象度の高い作品でした。
観たあと、自分の中で消化する(咀嚼する)のに時間のかかる劇でした。
咀嚼した結果、タイトルの「この上のない下水筒」が持つ意味が分かる
ところまで行ければいいのですが、まだまだです。
質の高い、イイ劇を観せていただきました。
ありがとうございました。

僕ん家の冷蔵庫は 雪男ん家じゃない
劇団わたあめ工場
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2026/06/11 (木) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
日常の延長線上にあるシュールで奇妙な世界観を、個性豊かな役者陣の掛け合いで小気味よく描き出した一幕。
タイトル通りのクスッと笑えるユーモアと、どこかノスタルジックで愛おしい空気感が劇場を包み込む。突飛な設定ながらもテンポの良い会話劇として心地よく引き込まれ、観劇後にふんわりと優しい余韻が残る魅力的なステージでした。また、劇場内が寒くて一体感が増して良かったです。

借金大王
中央大学第二演劇研究会
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2026/06/11 (木) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
「運貸し」を巡る物語は少年漫画さながらのスピード感があり、一発逆転を夢見て破滅へ向かう中毒者たちの剥き出しの熱量に、学生演劇ならではの荒削りなエネルギーが炸裂。人間の尽きない欲望と業の深さを、スリリングかつダイナミックに突きつけられた見事な一幕だった。

現代韓国演劇上演「四番目の人」
名取事務所
「劇」小劇場(東京都)
2026/06/19 (金) ~ 2026/06/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
天井から地上1.2m程の高さにLEDバーライトを吊るして部屋の輪郭を縁取る美術。要所要所で青く点灯。
失感情症の女子高生、赤松怜音(れお)さんが黒沢清映画キャラの雰囲気。ロボットが人間の心に興味を持ち自分もそれを感じてみたくて追求するような話。自分の心、自我、意志、魂、アイデンティティ···。自分自身が突き動かされるような衝動に憧れる。何度も何度も鬼頭典子さんに聞く話は良心の疼きについて。その正体は何なのか?
パク・ヨンミの1990年のデビュー・アルバ厶に収録された代表曲『私は寂しさ あなたは懐かしさ』。この曲を鬼頭典子さんが昔好きだったと思い出す。
「私は寂しさ、私は流離う雲。
私は果てしない海を漂う舟。」

『私立シバイベ女学園』私達のインフラ編
SFIDA ENTERTAINMENT
劇場MOMO(東京都)
2026/06/17 (水) ~ 2026/06/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/06/19 (金) 18:30
実は前にも、私立シバイベ女学園を観ていて、今回で観るのは2回目となる。
何となく前回が、芸能界に蔓延る悪慣習、ハラスメント、ハニートラップ、放送事故発言等々、芸能界に深く関わる問題をテーマに時に茶化し、真剣になり過ぎず、そういった問題について学園に入らされた訳あり過ぎる、個性豊かでアクの強い生徒たちと、鋭いツッコミをするが、生徒たちに振り回されがちな女性教師、時に威圧的だが、人によって態度が露骨に変わる女性副校長ら、生徒たちに負けず劣らずクセ強な教師陣、自由過ぎる保健の先生役のゲストの役者、時々盛り込まれるアドリブや一発芸などが混ぜこぜの、時々考えさせられつつも、全体としては大いに笑えるドタバタコメディだったので、今回もそういう感じかと思っていたら、良い意味で裏切られた。
実際に観てみたら、今回は教師はいなく、教師の代わりをAIが努め、声優の有澤澪風さん演じる関節系アイドル「POP☆SWEET」リーダー陽向信愛さん、北瀬永莉さん演じる、同じく「POP☆SWEET」メンバーでリーダーの信愛さんに対しても当たりが強く、最近急上昇中の後輩グループを目の敵にする、しっかり者の白月莉美さん(学園に入った理由が謎)、HKT48を2022年12月に卒業の宮崎想乃さん演じる美容系アイドル「POP★QUEEN」所属のあざと可愛いが、キツイ遠回しの皮肉も上手い佐野愛里沙さん、この白月さんと佐野さんが新たに学園に入ったことが分かるところから、話が本格的に進む。
前回と違い、テーマがインフラについて考えるだったので、インフラに関わる問題が多く、正直、馬鹿でなくても詳しくは分からない。簡潔に説明するとなると、尚更言葉が出てこない問題が多く、笑える場面もあったが、前回よりも、インフラや青切符制度、還付金、インボイス制度等、名前は聞いたことのあるものの、詳しくは知らない問題を多く扱っており、結果として、前回より、社会派テイストが強まり、考えさせられた。
具体的に青切符詐欺に登場人物の白月莉美さんが引っ掛かりそうになったり、陽向信愛さんが確定申告をしていなかったり、佐野愛里沙さんがかつて熊本地震で大切にしていたモー君(実は観葉植物)を亡くしたことから、自身に対してのトラウマが強いことが描かれたりすることで、日常とコミットさせて考えることができ、具体的なイメージが掴みやすかった。
どうしても、自然災害とか、インフラとか、イランと米国、イスラエルによる戦争というと、あんまり身近な問題として捉え難いが、ホルムズ海峡が封鎖していることによって、日常的に使っているものの物価が高騰したり、劇の登場人物自身が震災を過去に体験し、大切にしていたものを失うことで防災について深く考えるようになる。
青切符制度について、劇の登場人物が青切符詐欺に遭いそうになって初めて交通ルールについて考えるようになる。
そういった劇の中で描かれるのと同じように、自分の身近で、何か起こらないと具体的に想像することが出来なくなってきてしまっているのかも知れないと、危機感を感じた。
私は、日頃、新聞を読んだりして、普通よりかは、社会問題や、戦争、紛争、平和とは、民主主義とはといったことに思いを巡らせてきたつもりだが、これからは、よりいっそう気を引き締めて、少しの異変にも気付けるように気を付けていきたいと、思いを新たにした。
この私立シバイベ女学園のシリーズ、次は、なぜ世界各地で戦争、紛争が起きるのか、なぜ戦争、紛争は一旦始まると終わらないのか。
平和とは、憲法とは、民主主義とは、ポピュリズムとは具体的にどういったことか等をテーマにしてみても良いんじゃないかと感じた。
また、LGBTQ+やジェンダー格差、障害者雇用、部落差別、外国人問題、DV、虐待、カスハラ、いじめ等の問題を扱いつつ、シバイベ女学園シリーズならではの笑いも交えて、そういった社会問題をテーマにしてみるのも面白いと感じた。
佐野愛里沙さんを演じる、元HKT48の宮崎想乃さんが、今回登場人物のうち3人がより主役として描かれて見えたが、良い意味で他のその他大勢のクセ強な登場人物たちに混ざると、元HKT48と言うような、1人突出して目立ち、光り輝いているというようなことはなく、自然に溶け込んで見え、悪目立ちはしていなかった。
他の登場人物を演じる人たちも、宮崎さんが元HKT48だということで、特に特別視したり、異様な緊張感は見られず、和気あいあいと楽しげに各々の役を自然に演じていて、観ている側も劇世界に自然と入り込めた。

シャープさんフラットさん
キューブ
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2026/06/19 (金) ~ 2026/07/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初演は2008年。ナイロン100℃の15周年公演として、ブラック・ホワイトの2チームに分け、更に台本も書き分けて上演されました。今回はふたつの上演台本をミックスした「ハイブリッド版」とも言えます。
元々すごく好きな一作ですが、18年ぶりに観て、忘れていたシーンが多かったことも事実(すみません)。また、初演の出演者の「影」が見えず、今回のキャスト陣による良さや、初演とは異なる空気感が感じられたことも印象に残りました。

幕末異聞 武士の影
演劇企画戯舎
「劇」小劇場(東京都)
2026/05/13 (水) ~ 2026/05/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/05/16 (土) 13:30
とある藩で起きた事件から十年の時を経て黒幕が再び動き始めたことに対して当時下手人とされた義賊も対応し……なピカレスク時代劇、2013年、2017年に次ぐ3度目の上演。
初演時に若干の抵抗を覚えた落としどころも再演ではさほどではなく、三演目の今回はむしろ説得力のようなものを感じたのは改稿によるものかこちら側の変化によるものか?
また、処刑された罪人の亡骸を「腑分け」に使うことに少し前に観た映画「幕末ヒポクラテスたち」との共通点を見出したりラストカットにスターウォーズ(第一作)のそれを想起したり(玄八=オビワン説(笑))。
それにしても初演にあの人、再演のその人がご出演だったとはすっかり記憶から抜け落ちていた……いやぁ、申し訳ない!(爆)

隕石
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2026/06/11 (木) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
鑑賞日2026/06/11 (木)
これから経験するはずだった事柄を相続して代わりに経験するという話
独立した複数の話が次の話で繋がっていくという形になっているが、繋がりが微妙だったりもした

ファーム・ホール
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2026/06/15 (月) ~ 2026/06/30 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
昔、某映画監督がどんなシチュエーションであっても重要なのは登場するキャラクターの色気なんだと語っていた。色気を頼りに観客の意識は作品内をあちらこちら浮游する。それは性愛とかの意味ではなく、人を惹き付け興味を持たせる感覚のこと。汚らしい土木作業員の日常風景でもちょっとした工夫を入れることで色気は出る。殺し屋の残忍な殺し合いすら色気の有る無しで作品のイメージはガラリと変わる。色気のある関係性。
俳優座のレヴェルは群を抜いている。東映実録ヤクザ映画全盛期を思わす聳え立つ俳優山脈。その中でも選りすぐりの6人が色気たっぷりの演技合戦。俳優座スタジオで前売6800円は高いなと思ったが納得させられた。
1938年、オットー・ハーンの発見した核分裂反応。当時、ドイツの科学レヴェルは世界一だった。かつてアインシュタインの助手であった物理学者レオ・シラードはユダヤ系の為、1933年にナチスドイツから亡命。1939年、核分裂が連続的に起こる核連鎖反応の存在に気付き恐怖する。これを利用した爆弾を作ったら世界を征服出来る。アインシュタインを通じてフランクリン・ルーズベルト大統領に手紙を送る。(アインシュタイン=シラードの手紙)。一刻も早くドイツより先に原子爆弾を開発しなければならぬと。
結局の所、アメリカの天才、J・ロバート・オッペンハイマーが原爆を完成させる訳だが、連合国はドイツも完成させていると睨んでいた。天才ヴェルナー・ハイゼンベルクが完成出来ない訳がないと。23歳で博士号、「行列力学」「不確定性原理」を提唱し31歳で量子力学の創始者としてノーベル賞を受賞。彼がドイツの原爆開発の陣頭指揮を取っていたのだ。
1945年5月7日、ドイツが無条件降伏。
1945年5月1日から6月30日に渡りドイツのノーベル賞級物理学者10人の身柄が拘束される。(=オペレーション・イプシロン)。彼等は1945年7月3日から1946年1月3日までイギリスのゴッドマンチェスターにある田舎の屋敷、ファーム・フォールに抑留される。屋敷中に盗聴器が仕掛けられており、彼等の生活の中の自然な会話から原爆開発の実情を探ろうとした。(今作では6人になっている)。
ウディ・アレン、ジム・ジャームッシュ、アキ・カウリスマキ系のコメディ。淡々と観客を突き離した距離感から笑わせていく。何となく一人ひとりのキャラや人間関係が見えてくると特に何もしていなくてもその場を面白く味わえるように。ツッコミを入れずぼんやりと観客を空間に放置させる感覚はジム・ジャームッシュっぽいか。
メチャクチャ面白い。
是非観に行って頂きたい。

阿呆船
演劇実験室◎万有引力
座・高円寺1(東京都)
2026/06/19 (金) ~ 2026/06/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
万有引力さん5回目くらいです
段々慣れて来てしまっている自分が怖いけれど
今回も凄い熱量ある舞台だと思いました
個人的に今回に限らず好きなところが
開場からすでにキャストのパフォーマンスが始まっていて
開演までの間抜けな時間が無いところ
しかし今回何か物足りない感じ???
前回辺りから気が付いてしまいましたがやっぱりそうかも…
最近万有引力さんを知った私ですが
こちらの劇団を感じるお2人のうちお1人今回出演されてませんでした。。。
三俣さんと森さん次回は一緒に拝見出来ると嬉しいかも

『約束ーpromise of reunionー』
Actor’s University
クレオ大阪東(大阪府)
2026/06/20 (土) ~ 2026/06/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても、良かったです。内容も演技も心に響くお話でした。優しい気持ちになれました。相手を思いやる、信じること、尊いですね。難しいですが…
親の心子知らずなのも、親として共感しながら拝見しちゃいました。あっという間の2時間、楽しい時ありがとうございました。

ルーム1307
劇団未来
未来ワークスタジオ(大阪府)
2026/06/19 (金) ~ 2026/06/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても面白かったです。2時間超えがあっという間でした。時間を遡るお話のセオリーを覆してのお話し、これは見るべき作品です。
役者の皆さんの演技も最高でした。昨年から関西に来ましたが、お気に入りの団体さんです。次も楽しみですね。

まほろば
劇団往来
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2026/06/19 (金) ~ 2026/06/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
田舎の本家に女性ばかりの家族が集まった。
生きる上で向き合わなければいけない問題に
直面した女性たちの現実と葛藤を描いた作品。
母親の古い考えと子供達の自由な考え方の
ギャップの溝を埋めていく会話劇。
最後まで楽しめました!
感情のこもった演技がリアリティに見えてくる。
出演者の中に初舞台の人も居たけど
違和感もなく演技は馴染んでいた。
Wキャストなので配役が変わればまた違った見え方がするんだろうなぁと思えるお芝居。

ハムレット×AI
半畳の宇宙
日本福音ルーテル蒲田教会 礼拝堂(東京都)
2026/06/11 (木) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
昨年は一人芝居三昧をやった半畳の宇宙の俳優陣を前面に、些か翻案を施した「ハムレット」を、一度一人芝居を観た会場でもあったルーテル蒲田教会で拝見。終演後挨拶にて「山の手事情社発・半畳の宇宙」と名乗っていたのが印象に残る。芝居のテイストは身体表現を駆使した山の手事情社流域のもので、よく練られていた。少々近過ぎな席(桟敷)で観たせいか動きの幅が目まぐるしく、今少し俯瞰で舞台を眺めたかった。様々な創意が感じられるも「半畳の宇宙とはこれ也」とまでの像が浮かぶには至らず。だが体一つで舞台に立ち、異形を醸す集団、今後が楽しみ。

長生炭鉱――生きたかった
温泉ドラゴン
座・高円寺1(東京都)
2026/06/05 (金) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
この題材をやると聞けば観るっきゃないか、と自分に言い訳しつつ劇場へ。
シライケイタ氏は事故後の坑内を舞台上に再現。そこからドラマが始まる。
現代の場面は歴史事実としての長生炭鉱(事故も含め)を発掘し、遺骨問題の解決を模索する人たち。両者が最後に出会う。
事故のことを詳しく知らない自分は、事故後に坑内で会話をしたり救出を待つことができたのかどうか、についてあまり疑問を持たなかった(海底炭鉱での事故ならアッという間に海水で穴は埋まったのでないか)。従って彼らが「死者である」予感も特に抱かず、日本人と朝鮮人のやり取りを興味深く見た。
しかし史実上彼らが助からない運命にあることは知れており、物語の展開的にワクドキは無い。韓国人俳優四名(炭鉱夫三名、潜水夫一名)のネイティブ韓国語と日本語が行き交い、中央上部に映される字幕は見やすかった。この字幕を追いながら物語を追うテンポは観劇としてちょうど良かったという事かな。
ドキュメントの要素を帯びる演劇は、とりわけそれが現在進行形のイシューである場合、観る者をある使命へと動かす圧を持ち得るが、それは事実のディテールの持つ説得力も手伝う。本作は坑内でのドラマの比重がどちらかといえば大きく、現代の発掘取り組みの部分は不足感を覚えるほどではなかったが、「事実」のインパクトという面ではもう少し描けたのでは・・と思わなくもない(欲張りな注文の類とは思うが)。
日韓関係そして国内の外国人差別、戦争そして植民地という「時代のせい」にできそうだがそれだけで終らせられないテーマが、交錯して熱を発するスポットでもある。だからこそ現代における日韓協力の側面を「事実」として描いたのが、本作の攻め処であったかも知れないが。

カッコーの巣の上で
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2026/06/07 (日) ~ 2026/06/29 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
早々に予約した公演。で、予定の日に行ったら、初日だった。そうだっけ?
雨っぽい空の下渋谷から歩いて会場へ着くと、8階だ、そうだった。若干余裕を持って来て良かった、と安堵しつつも雨の湿気にやられて腹が痛い。持つかな..。
PARCO劇場でやる芝居は高いので滅多に来られないが、今日は上流階級の御仁達の間に入ってあちきもいっぱしの「一級品」を味わうこともあるんだわさ、と靴音のならない上流階級が通うサロンのフカフカの床を歩く。劇場としては観客とステージの距離感が収容人数にしては良い。なぜ見やすいと感じるのかは不明だが。
この作品と松尾スズキ演出というので馳せ参じたが、初日ハプニングが。動いちゃいかん物が動いてしまい、先々の展開の一つが知れてしまい・・結構痛かった。が、「知らず」に見たとしてどうだったかな?というのも一抹過ったが。休憩時に自分の前の席の女性のところへ、見た感じ演出と思しい帽子の人がやってきて一言二言。ざわめきで声は聞こえんが女性は相手の背中をポンポンと叩く。「まあ初日だし仕方ないよ元気出しな」的な光景。このハプニングによって、終盤一つ盛り上がりを作る場面が「予想された瞬間がやってきた」という心の声に迎えられ、展開するのだが、ギミック的になかなかの仕掛けであるものの、その瞬間を「盛り上げる所」としなくて良い気はした。怪力が、よくぞやった!と胸がすく出来事でなくてはならんが、本当なら蹴ったり左右に揺らしたり「おりゃ、おりゃ、どりゃ~~~!!」と目いっぱいの力で「それ」を果たすのに、借り物の装置を使ってでは、らしい演技にも限界がある、という所は別の何かでクリアしたかった(といっても方法は今思い浮かばないが)。
しかし観客の想像力というものがある。自分もそのように「あるべき筋書き」をなぞり、芝居に付いて行く。
時代的な制約、という事をやはり考えた。
自分は映画版しか見ておらず、舞台版で恐らくはフィーチャーされたインディアン出身の男の存在感が舞台を神秘的な哲学的な空間にした、という事だろうと推察。だが強調点やテイストの違いはあるにせよ、自由を求める源である「管理・抑圧」の存在が意識された時代と、管理をむしろ望んでるとしか思えない風土の現代日本では、主人公のハチャメチャ振りの根っこに横たわる抵抗精神や、自由をどこまでも希求してやまない精神を理解する人は実はえらく少ないのではないか・・と想像する。
コールガールを呼び込んでの深夜のパーティだのに、天晴れ!と溜飲を下げる空気が流れない。かと言って、観客の許容力以上に人物らが走ってしまうと観客を置いてってしまう。
主人公の造形は「できる男」としては見事であったが、ある部分で不器用さ、あるいは脇の甘さ(正直な分)が良きところで見えるといった事があると、感情移入の度合いも違ったかも知れない。(これは脚本の問題になるだろうか。)
主人公の魂に呼応するのが先のインディアン出身の大男であり、彼を悼む収容者たちが部族の踊りを踊る展開に、伝えたい趣旨を汲み取り、終幕手を握りしめた。残酷な現実が社会にはある・・映画を観たとき突き付けられた事実は、そこから持つべき希望を、彼が我々に託したと思えたことで胸の内で消化されたのであった。ただ芝居では彼を現実世界が許容できなかった犠牲者として、明瞭に位置づけるまでには至らなかった、かも知れない。それをかの「ミス」のせいと私は思っていたが、そうではない側面もあったかも知れない。
役者の弾け振りが、あるいは松尾演出の真骨頂であろうか。切れ味鋭い演技を繰り出す役者たち。江口のりこ演じる看護婦長が管理主義の権化であり、憎まれ役であったが、彼女の背後に彼女をそうさせている大きな影を想像せねばならない。
ロボトミー手術とは実際のところ個人の趣味志向によるおぞましい支配の具現形で、趣味志向を普遍的正義と言い換える吐き気のする欺瞞、虚偽。
代用監獄、人質司法も、メンツのための拘留を正義と抗弁する「欺瞞」かも知れぬ。

塔の上の
くによし組
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)
2026/06/18 (木) ~ 2026/06/21 (日)公演終了
実演鑑賞
公演チラシなどから「寓話的な作品?」と思いつつ観劇しました。とある田舎町にある正体不明の高い塔と、その塔に住む謎の人物、そして、田舎町に住む人々にまつわる、少し可笑しくて、少し不思議な物語。中盤から、観客に「…おや?」と思わせるトリッキーな台詞やシーンが含まれ、終盤にそれらを伏線回収する展開。こういう過剰すぎない工夫や見せ方から、國吉さんの演劇創作経験の豊富さを感じます。大小の劇場、劇団公演、外部公演への参加など、様々な作品で作・演出を手掛ける國吉さんらしい一作でした。

A Perfect Family
果報プロデュース
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2026/05/20 (水) ~ 2026/05/24 (日)公演終了
実演鑑賞
キャラメルボックスの俳優・山本沙羅が立ち上げた個人企画。 脚本 米内山陽子+演出 須貝英も楽しみにワタシは初見です。5月24日まで北とぴあ ペガサスホール。100分。
https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2026/06/post-9d69be.html

現代韓国演劇上演「四番目の人」
名取事務所
「劇」小劇場(東京都)
2026/06/19 (金) ~ 2026/06/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
お昼の回、観劇しました。
韓国のお話がすんなりと入ってくるかな、と心配でしたが、開始から引き込まれ、
アッという間に時が過ぎました。
静かな流れの中に各々の感情というか、個性がきらりと光ってどの方も素晴らしかったです。
冤罪を覆せない理由に「面倒くさい」があることが悲しかったです。

ゾロアスター
カプセル兵団
三鷹Ri劇場(旧 三鷹RIスタジオ)(東京都)
2026/06/18 (木) ~ 2026/06/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
如何にもな小劇場らしいハコで
演者さんらは逆Vの字型に置かれた椅子に
座って朗読時に立ったり動いたりしての
熱演 約2時間の作品 全席自由で飲食も自由
ドリンクチケットが500円
善神マズダさんが
ノリノリで客席に移動しての芝居は
とても受けたデス
アドリブでの一発芸大会も差し込まれ
自分はテッカマンが刺さりました♪