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菊五郎と天狗の冬

菊五郎と天狗の冬

劇団 枕返し

OFF OFFシアター(東京都)

2026/01/30 (金) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

千秋楽観劇です
妖怪と人間が共存してる世界観で
天狗様の下で修行をしている
四季の名を冠した4人のうちの1人
冬彦が生き別れの母に会いに行こうとする話
レトロ感と不条理気味なコメディと
笑えながらも芯の通った90分の作品
ロードムービーの定義にも当てはまるかねぇ
入場時に渡されたポチ袋は
各役者さんへの投票券だそうです
また1回300円の25種の妖怪御神籤も
なかなか面白そうでした

ネタバレBOX

タイトルからの想像通りに
ビートたけしの映画なぞりもあり
「昼間っからブラブラしてると
こんなおっさんになっちゃうよ」が出たわね

さて 荒筋ですけど
様々な天狗の神通力の中から
(6つの神通力があるそうデス)
心を読む力を目覚めさせた修行中の冬彦
天狗様の心を読み東京に居るという
母に会いに行こうとします
何かと面倒をみてくれてるおばちゃんから
一人では無理だろうと
おばちゃんの連れ合いである菊五郎を
交通費と共に付けられるも
ダメおっさんの菊五郎は資金を増やそうと
競馬に手を出し冬彦の神通力で儲けるも
呑みに使って散財し
ヒッチハイクで行こうとするも上手くいかず
追ってきた冬彦の仲間に助けられます
道中での妨害が実は冬彦の祖母にあたる
雪女の仕業で母には会わない方が
よいと言われるも覚悟を決めて仲間の助けで
母を見つけるのだが
母は既に別の家族として幸せな生活をしており
それを見た冬彦は会わずに去る事を選ぶのでした

冒頭のシーンで冬彦を母から奪う
雪女が描かれるのだが
理由があり雪女の産んだ子は
女なら雪女だが男だと人間で
触れるだけでものを凍らせる雪女では
人間は育てられないという理由があったのでした

足折った競走馬の末路とか
マキバオーのパロディとか
ほんに昭和な感じが受けます♪
闇の六重奏 Dark Sextet

闇の六重奏 Dark Sextet

✴︎ソライロハナビ✴︎

Paperback Studio(東京都)

2026/01/30 (金) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

SFというよりは
不条理哲学的な話を前面に押し出した
作品だったかなと
シンプルに登場人物人数に合わせ
背もたれ付きの椅子が6つ置かれてて
現実 虚構 妄想 空想と様々に語り尽くす話
会場土足厳禁

ネタバレBOX

黒服の男女3人づつが自らを狂人と称し
物語の冒頭での宅配エピソードにて
受け取った荷物の手錠を
各人自ら掛けて精神の非正常を主張し
現実と虚構との議論を繰り広げるのだが
白基調の舞台に動画で
モザイクとホワイトノイズを舞台背景に投影し
科白に被せ観客も
不条理世界に巻き込んでゆく感じです
終焉には椅子を回転させて
背もたれを客席側に向けて
物語りの終わりを見せつけて幕となります
ある夜をめぐって

ある夜をめぐって

パンケーキの会

駅前劇場(東京都)

2026/01/29 (木) ~ 2026/02/04 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「壊れたガラス」先のリーディング公演の
舞台化だそうで2作同時の公演舞台であり
特に変更無しの挾み舞台セットです
ベッドと車椅子が印象的な舞台美術にて
一組の夫婦が辿る人生を垣間見る作品
2時間15分の長丁場
緊張感続きまくっていたなぁと 感想

ネタバレBOX

挾み舞台セットで なんと!
チェロの生演奏付きです♪

足が悪く車椅子生活を送ってる妻と
その治療に紛身しながら
自身の仕事にも追われている夫を
妻の主治医とか看護師とか交えて
人間模様を見せてゆく話

妻が歩けないのが精神的理由であり
物語の展開で この夫婦はユダヤ人であり
ナチスのユダヤ人狩りから逃れ
NYのブルックリンに亡命していたのだが
どうやらユダヤ人迫害【水晶の夜】の事を
知りその衝撃をにて歩けなくなったようで
治療にあたる医師とも関係があったりと
複雑な人間関係を淡々と見せ
夫は仕事のミスから衝撃を受けて
心臓に負担がかかり倒れ慟哭し亡くなり
その夫の死を目の前にして妻は
立ち上がり歩けるようになり終幕となります
ある夜をめぐって

ある夜をめぐって

パンケーキの会

駅前劇場(東京都)

2026/01/29 (木) ~ 2026/02/04 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「エーリヒ・ケストナー~消された名前~」
劇団印象さん初演からの再演になるのかな
挾み舞台であり
客席に挟まれた細長の舞台に小道具を配し
場面転換の薄明時に小道具の入れ替え等し
全6場の幕間は段々と響きの強くなる
軍靴とヒトラーの演説で社会的な不安感を
巧く醸していた2時間の作品
服装なども当時のらしさとか
上手く出していたなぁとも

ネタバレBOX

エーリヒ・ケストナーというと
自分知っているのは
「ふたりのロッテ」が思い浮かぶかな
その他にも色々と文章書いていた方で
(自分的には この様な印象の方です)
本作では時代順にナチスが政権取り
戦争に突入する中
周囲の様々な人間に助けられ
自身の主張を貫いてゆく姿が描かれていました
ドイツ人である事に誇りを持ち
周囲の亡命の勧めを断り続けたが
芸は身を助けるの諺通りに
文豪としての影響力からナチスが
手を出しかねていたのが凄い名声だなぁと
また恵まれた周囲の人間らも
役者さんが上手に演じられていました
バック・トゥ・ザ・フューチャー

バック・トゥ・ザ・フューチャー

劇団四季

JR東日本四季劇場[秋](東京都)

2025/04/06 (日) ~ 2026/03/29 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

息子の高校のPTA文化部観劇会、OB枠に入れてもらって行って来ました。応募者が多くて抽選だったようです。一緒に参加したお母さんが「友人は四季の会会員なのになかなかチケットが取れないと言ってました」とのことで、大変ラッキーなことのようです。
なかなか面白かったのですが「私のバック・トゥ・ザ・フューチャーじゃなーい」
映画とは別物ともっと強く心に念じてから見れば良かったのでしょうが、そんなに思い入れがあるわけではないと思っていたのでしたが、マーティに愛嬌が足りないとか思ってしまったんでした。
それにあちこち映画と違うのですが、初演のロンドン版から違っていたのでしょうか。
ミュージカルはあまり見ないので私がそう感じただけかもしれませんが、どれも似たような曲に感じられ、いっそ歌わなければ(それはあり得ないですが)もっと映画に近いことができたのでは?と思ってしまいました。
でも、デロリアンは・・・

ネタバレBOX

ラストシーンで、すごかったです!映画ではここで飛ぶんだよねと思っていたら、舞台でもちゃんと浮かんでいました。回転までしていました。うーん、あそこをよく見ていなかったのが残念。別の席でもう一度見てみたいものですが、チケット取れないだろうな。
恋におちたシェイクスピア

恋におちたシェイクスピア

劇団四季

自由劇場(東京都)

2025/11/23 (日) ~ 2026/02/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初観劇の四季ストレートプレイ。
とはいえ、歌あり踊りありで流石四季。
1幕は状況の説明的なシーンが多かった気がするが、そのおかげで2幕の展開がスッと入ってきた。
終盤の劇中劇、ワクワクというかドキドキというか、おぉ!という感嘆の舞台。

平坂村事件

平坂村事件

十七戦地(2026年1月31日に解散)

新宿眼科画廊(東京都)

2024/11/22 (金) ~ 2024/11/26 (火)公演終了

映像鑑賞

団体解散のラストに、3作品を無料配信。
この無料配信で観させてもらいました。
※無料配信の視聴なのですが、再見です。劇場で観ております。

これはね、シンプルに面白いんだよねえ。
人の死なない2時間サスペンス。
横溝正史的な田舎の町で、詐欺師が一山当てようとするが……。
いちいちキャラが良いし、テンポも抜群に良い。
えせ科学は現代でも問題で、そういうリテラシーを育む意義もあると思う。

オダマキとフクロウ

オダマキとフクロウ

十七戦地(2026年1月31日に解散)

東京おかっぱちゃんハウス(東京都)

2023/09/20 (水) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

映像鑑賞

団体解散のラストに、3作品を無料配信。
この無料配信で観させてもらいました。
※無料配信の視聴なので、星評価はしません。

歯ごたえのある、見ごたえのある、骨太い論争劇でした。
学者の戦争責任。
俎上に上げられた方を裁いてるうちに、それぞれの責任が暴かれていくっていう。
最後は良くも悪くも、度し難く人間だなって思わされました。

二人芝居 『面会』...ほか

二人芝居 『面会』...ほか

劇団サイエンスフィクション眼鏡

πTOKYO(東京都)

2026/01/31 (土) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

60分の上演時間。
テイストの違う2本立て。

本当に60分なのか?と思うほどの充実感。

特に二本目は見事な脚本、見事な演技。素晴らしい。

ネタバレBOX

須藤さんは喜劇の才あるなあと、感心。
えのもとさんは犯罪者役がピタリとはまっていました。そう思ったのは私だけではなかったですね。
真夜中の影法師

真夜中の影法師

十七戦地(2026年1月31日に解散)

ギャラリー&クラフト杜(東京都)

2022/12/01 (木) ~ 2022/12/04 (日)公演終了

映像鑑賞

団体解散のラストに、3作品を無料配信。
この無料配信で観させてもらいました。
※無料配信の視聴なので、星評価はしません。

コンパクトな作品ながら、面白かったです。
コロナ禍での公演だったそうですが。
アートスペースの存続危機のてんわやんわを……軽やかに、なんですが。
通常こういうのだと、まあ、色々あって最終的にはまとまって……にはならず、
意外な転がり方をして、なかなかシビアな着地点にたどりつきます。
演劇を観る側よりもやってる人たちへ、より響きそうだなって。

菊五郎と天狗の冬

菊五郎と天狗の冬

劇団 枕返し

OFF OFFシアター(東京都)

2026/01/30 (金) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

なぜタイトルが冬彦ではなく菊五郎なのか。見終わるとそうゆうことなんだと納得。
天狗の神通力が欲しくなる作品です。

菊五郎と天狗の冬

菊五郎と天狗の冬

劇団 枕返し

OFF OFFシアター(東京都)

2026/01/30 (金) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

不良中年男と少年の母親探しの旅に天狗がどう絡んでくるのかと思っていたが
なるほど!妖怪と共存する世界観が枕返しらしいオリジナル設定
おかげで二人旅感が薄れてしまうくらいに賑やかではあったけれど(笑)
エピソードが沢山積みあがっていくロードムービースタイルというのはやっぱり面白い

ラストにきて「えっ泣かせようとしているのか!?」「これはカッコよく決めようとしているのか!?」と思わずツッコミを入れたけれど、拍手の後には「いいもの見せてもらったなぁ」という余韻がしっとり染み入っているのでした
いろんな存在の合わせ技で面白かったです!

『雁作・銀河鉄道の夜』

『雁作・銀河鉄道の夜』

楽園王

駅前劇場(東京都)

2026/01/08 (木) ~ 2026/01/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/01/11 (日) 14:00

「エッシャーの絵の中に紛れ込んだよう」と評される楽園王だけにまるで騙し絵/トリックアートのように「予想外なところが繋がっているがよく考えるとおかしいんじゃね?」な感覚が好みかつ快感♪
また、ある人物の役名(世代的にワカっちゃうんだなぁ)や劇中で語られる賢治や他作家の作品などからの引用は元ネタを知っているとより楽しい。
さらにこれは深読みだが劇中の「迷路のように曲がりくねった廊下の大きな病院」に夢野久作「ドグラ・マグラ」を連想したが後から考えれば「病院の入院患者の精神的治療」ということや「堂々巡り」も共通しているではないか!
こういうの、大好き♪

二人芝居 『面会』...ほか

二人芝居 『面会』...ほか

劇団サイエンスフィクション眼鏡

πTOKYO(東京都)

2026/01/31 (土) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

約60分の二人芝居、とても良かったです。
2つのストーリーでしたが、違った面白さがありました。
1つ目は、会話やリアクションが可笑し過ぎて涙、そしてほろりとさせられました。
2つ目は、シリアスな中にも、笑いや優しさが溢れていました。
二人の演技も素晴らしく、ぐりむさんの表情が凄すぎだし、須藤さんの笑顔も良かったです。
あっという間の贅沢な時間でした。

音楽劇『ただいま、はじまりの家』

音楽劇『ただいま、はじまりの家』

劇団水曜の家族

高槻城公園芸術文化劇場 南館・大スタジオ(大阪府)

2026/01/31 (土) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。10周年の集大成ともお話していましたが、まさに!ですね。2時間を超えるお芝居でしたが、それを感じさせない素晴らしい内容でした。途中の歌のアクセントも最高でした。
もちろん内容も演者の皆さんのお芝居も、そして音楽も良かったです。元気をいただける楽しい時間でした。ありがとございました。また、機会があれば是非ともみたい団体さんになりました。

「わたしの町」

「わたしの町」

TRASHMASTERS

新宿シアタートップス(東京都)

2026/01/29 (木) ~ 2026/02/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/02/01 (日) 14:00

座席1階

トラッシュが今回取り上げたのテーマは、過疎の町の再生。とりたてて特徴がなく、若者が流出するばかりの人口減少の町に、どう若者たちを定着させるのか。また、町外からの移住者をどう呼び込むのか。新しいテーマではないが、世代を超えた登場人物たちの群像劇を柱に据えることで、3時間近くの長編であることを忘れるくらいの見事な仕上がりとなっている。

北海道の海辺の街。産業は漁業、農業、林業という一次産業で、どれも後継者不足で若者は出ていくばかり。地元高校の閉校が持ち上がり、子どもたちを巻き込んだまちづくりに向けて、大人たちの試行錯誤が始まる。
実際に取材を重ねたとあって、登場人物の設定やエピソードはリアリティにあふれている。前半は教育現場が舞台。地元の子向けの農業などの体験ツアーが大失敗に終わったり、新しい取り組みを忌避する教育幹部の場面など、いかにもと思わせる。「若者が出ていくのは学校教育でなく社会のせいだ」と叫ぶ先生に、いつもの大人的思考を見せつけられる。

舞台の特徴は、休憩を挟んで時の流れをくっきりとさせたこと。前編で町おこしに参加した子どもたちが大人になり、町の将来をデザインしていく。苦労してまいたタネが少しずつ花開いていく。
後ろ向きになりがちなテーマだが、物語は常に前向きだ。これはけして過疎地だけの話ではない。人口減少社会の日本各地に対する、大いなるエールだ。見終わって勇気が湧いてくる、とてもいい仕上がりだった。

テント演劇 B1F52LLLLLLLLLLLLLDDDDDDDDDDDDKKKKKKKKKKKKK

テント演劇 B1F52LLLLLLLLLLLLLDDDDDDDDDDDDKKKKKKKKKKKKK

劇団身体ゲンゴロウ

東京芸術大学 上野キャンパス グラウンド(東京都)

2026/01/28 (水) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

独特の雰囲気の中、充実した幸福な時間でした。

ある夜をめぐって

ある夜をめぐって

パンケーキの会

駅前劇場(東京都)

2026/01/29 (木) ~ 2026/02/04 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『壊れたガラス』

この演出家は要チェックだと思う。名取事務所の作品が好きな人は観ておくべき。配役がズバリで役者全員魅力的、照明への過剰な拘り、効果音の入れ方も繊細。チェロ奏者の中田鉄平氏が生演奏。ある台詞を切っ掛けに演奏が始まったり、作品と生々しく連動し空間を濃密に染め上げる。

1994年初演、アーサー・ミラー78歳、晩年の代表作とされている。

水晶の夜=クリスタル・ナハト。あぶらだこの「クリスタル・ナハト」を思い出す人も多いのでは。家族がドイツから追放され難民キャンプ生活となった17歳のポーランド系ユダヤ人青年がパリのドイツ大使館員を射殺。これをいい機会とヨーゼフ・ゲッベルスはユダヤ人社会への実力行使をナチ党員に扇動。1938年11月9日、10日にナチスの統治するドイツ、オーストリア、チェコスロバキアでユダヤ人に対する大規模な集団暴力行為が発生。267のシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)が破壊され、ユダヤ人の経営する7500軒の商店のショーウィンドウが叩き壊された。割れたガラスが国中の道路を埋め尽くし、月に照らされて煌めく。

1938年11月、ニューヨークのブルックリン、裕福なユダヤ系アメリカ人夫妻。息子は米国陸軍士官学校に入学していてここにはいない。
新聞にドイツのユダヤ人弾圧の記事。薄着のユダヤ人の老人達が歯ブラシで道路を磨かされている。這いつくばって。それを囲み嘲笑する群衆は厚手の外套をまとっている。彼等の罵声が確かに聴こえた。佐乃美千子さんは突然下半身が麻痺してしまう。原因不明の車椅子生活。夫の井上裕朗(ひろお)氏は医師の大原研二氏に紹介されて診察を受けさせる。医師の妻であり、秘書の岡本易代さんがお喋りで笑い上戸、爆発的に場を盛り上げる。医師は肉体的には何処にも異常が見当たらなかったと伝え心因的なものではないかと推測する。心当たりはないか?

井上裕朗氏は住宅ローンブローカー会社のNo.2にまで上り詰めている。WASP(英国系白人上流階級)の仲間入りをユダヤ人である自分が果たした自負。息子もウエストポイントの唯一のユダヤ人だと誇る。だが本当はユダヤ人であることが嫌で自分自身のことも嫌っていて鏡も見ない。自己否定と繰り返す劣等感の補償行為。

井上裕朗氏は後期氷室京介や梶原善、板尾創路を思わせる。とにかく熱演。会話の畳み掛けるスピード感。声がまた良い。妻を愛し崇拝し、それと同時に自分への当てつけで歩けない振りをしてるんじゃないかと疑う。妻の佐乃美千子さんは適役。その妹、豊田可奈子さんもしっくり来た。医師の大原研二氏も巧い。人間性が透けて見える。その妻の岡本易代さんも凄腕。柳原可奈子の爆発力。登場するだけで場の空気が盛り上がる。会長、ひのあらた氏も文句なし。宝田明みたいにダンディ。

ネタバレBOX

精神分析学の創始者、フロイトはヒステリー(解離性障害)の原因を抑圧された性欲だと分析した。今作の医師もそう予想して夫婦の性生活について尋ねる。井上裕朗氏は週2,3回と答えるが妻の妹の豊田可奈子さんはそれを否定する。直接、妻の佐乃美千子さんに訊くと出産して以来20年性交渉がないことを告白する。当時心配になった佐乃さんは自分の父親に相談してしまう。そのことを第三者に知られた井上氏は深く傷付く。

実は性的不能の原因は妻への過度の崇拝であると井上氏は告げる。出産を終えた後、妻の横で眠るとまるで胎児になったような心地良さを感じたと。妻が性的対象ではなくなってしまったのだろう。

惜しむらくはラスト前が混乱してしまっている。公演中に何度も戯曲を改訂し、芸術監督の頼みで1シーン追加したそうだ。それが医師と主人公の対話シーンらしい。「人間は誰しもが迫害されている。ヒトラーですらユダヤ人に迫害されている。」自身の加害性に目を向け相手を許すこと。そして自分をユダヤ人であることを許せるように。
この辺の遣り取りが哲学的で作品と巧く噛み合っていない気がする。

ブルーハーツ 「チェインギャング」
世界が歪んでいるのは僕の仕業かも知れない

自分もこの世界の加害者であることの自覚。じゃあどうすりゃいい?

※両面客席なので対面の観客が見えてしまう。居眠り客はやたら多かった。暖房のせいか?

※アーサー・ミラーはマリリン・モンローと撮影現場で出会い不倫、妻と別れ結婚。だがそれも長く続かず写真家インゲ・モラスと不倫し彼女と一緒になった。彼女との二人目の子供、ダニエルはダウン症で生後一週間で施設に送られた。妻は育てようとしたが拒絶する。アーサー・ミラーはこのことを生涯隠し通そうとして死後マスコミに叩かれた。今作の夫に崇拝される美しい妻にはマリリン・モンローの姿がだぶる。

※ステーキでビンタ。
クワイエットルームにようこそ The Musical

クワイエットルームにようこそ The Musical

Bunkamura

THEATER MILANO-Za(東京都)

2026/01/12 (月) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

大人計画関係の役者以外ほとんど知らずに行ったが、なるほどな方々でエンタメとしての面白さに納得。
ライトでポップな舞台だったが個人的には大人計画や悲劇協会の様なダークでパンクな舞台を観たかったかな。
それでも十分楽しんだ。

坊や、花火だ。逃げろ、空が落ちてくる

坊や、花火だ。逃げろ、空が落ちてくる

ルスバンズ

シアター風姿花伝(東京都)

2026/01/22 (木) ~ 2026/02/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

深みのある素晴らしい舞台でした。

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