最新の観てきた!クチコミ一覧

41141-41160件 / 191852件中
無教訓意味なし演劇vol.10「純喫茶"味噌夢"~蜘蛛でもわかるアクリル製色即是空~」

無教訓意味なし演劇vol.10「純喫茶"味噌夢"~蜘蛛でもわかるアクリル製色即是空~」

劇団「地蔵中毒」

千本桜ホール(東京都)

2019/05/02 (木) ~ 2019/05/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

今村さんや徳橋さんという強い役者さんが出ても中和さえもされない
言語も背景も飲み込まれる地蔵中毒の強力な世界
まぁただラストを徳橋さんにして良い芝居っぽくするのは反則気味w
全体的に定番の形ではあったのだけど、どこか物語の臭いを感じた
今回は無茶苦茶な小道具が少なめで
人と会話での不条理な笑いが多く感じた
てか頭のおかしい群像劇って感じ
今回はがじらさんや礒村さんがいなかったので
2人の味による突飛な混迷感が少ないことが影響があったかも
でもフルサワさんは相変わらずエロばばあで好きだった
地蔵中毒という団体の分岐点なのかもしれない

生ビールミュージカル

生ビールミュージカル

宇宙論☆講座

スタジオ空洞(東京都)

2019/05/01 (水) ~ 2019/05/05 (日)公演終了

満足度★★★

上演前、上演中と役者が飲酒をして泥酔した状態で行う公演
※観客も生ビール飲み放題
以前の公演でも泥酔回が用意されていたが今回は基本がこの泥酔回(1日だけシラフ回有り)
ぺけさんは毎回凄い印象的
新名さんが進めようとする姿自体が面白かった
どこが泥酔で滞ったのかわかりにくい部分も多かったが
諸々のトラブルでそもそも作品が全く成立しなかったのでこれはこれで一つの成功だなと思った
ただ元の脚本はもっと普通で良いのでは
酔ってるからと言って余計なことをするのを見るのは愉快じゃないなと思った


泥酔公演というものを考えた時
・やっぱり通常回があってこその泥酔回
→何が壊されているのかわかりづらいのでせめて観客に台本とか配るべき
・作中のキャラに狂気的な人を配置すると、酔ってるせいか元々なのかわかりづらくて良くない
・下ネタとの相性は良い
・演者側に一人はちゃんと進行させる役割の人間が必要
・泥酔により作品が成立しないほどの状態になって初めて泥酔公演は成立する
・観客側の覚悟が必要なので、どれだけ上手く共犯者に出来るかが重要
・機材系のトラブルにはもっと回避策を用意しておくべき

ネタバレBOX

オープニングがいきなり葬式の遺体を乱暴にするというシーンから始まり
女児のパンツを撮るのが趣味のお爺ちゃんとか、基本的にドン引きだった
酔って変なことをするという意味合いが全く無く、狂気的な人ばかり最初に登場することで泥酔回の効果が全く失われていた
かたりと和LIVE『山月記』

かたりと和LIVE『山月記』

語りと和楽の芸人衆 かたりと

プーク人形劇場(東京都)

2019/05/12 (日) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

鑑賞日2019/05/12 (日) 14:00

価格3,000円

雑記です

この会場は2回目。
スタジオ・ポラーノによる「オツベルと象」(2018/7)。

※ポラーノは遡れば2011/12の公演から。

かたりとでいわゆる(劇場)舞台上の公演を観るのは初めて?

中島敦も「山月記」も初めてなのでネットで事前の予習。
国語の教科書にあったかどうか全く記憶がない。
いや、国語で何を学んだかを覚えていない。

当日は少し暑いくらいの陽気。
会場(地階)に入ると緞帳が下りている。
時々箏の音が聴こえてくる。

14;07開演~14:53終演。

下手に北原さん(渋い色)、一方、上手の山田さんは明るい花が咲いている。

山月記は「青空文庫」で読むことができるが、使われている言葉はなかなか古風にして剛質。

これを北原さんは精魂込めて語り、山田さんは激しくも優しい音色を織り込んだ旋律で包み込む。

公演名にある「かたりと和LIVE」の真髄がここにある。

北原さんの語りは吟であり唄でありあるときは聴く者を揺さぶり、またある時には厚い人情で心を休めさせてくれる。

グレゴール・ザムザは大きな虫に、ヘンリー・ジキルはハイド氏に、
民話では異形の姿に変ってしまうことも多い。

本当の自分、変化した自分、混濁する自我の葛藤が生きてゆくことの辛さを現している。

洋の東西を問わず...。

さらに余談

突然、箏に左利き用のがあるのか、と思った。調べるとどうもなさそう。
手元を観ていてギターの「スウィープ奏法」に近いのかと思った。
身を乗り出しての演奏は実に力強い。

逆襲の花束

逆襲の花束

生きることから逃げないために、あの日僕らは逃げ出した

新宿LIVE FREAK(東京都)

2019/05/12 (日) ~ 2019/05/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

若い女性の観客が多くはじめは場違いの会場に来てしまったかと戸惑いました。始まってみればこの芝居の魅力に取りつかれます。エネルギッシュで歌もダンスも上手い。時々笑わせ、ほろりとさせて。100分の時間は目がクギヅケ。良い芝居を観ました。

ソリチュードタウンの死神

ソリチュードタウンの死神

空想嬉劇団イナヅマコネコ

上野ストアハウス(東京都)

2019/05/10 (金) ~ 2019/05/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

140分と長めですが、体感はもっと短かったです。
出演者数も多いですが、決して難解ではありません。
140分なのでクッション…とは言いませんが、ハンカチは在っても良いかも。

たすけて! 青春ピンチヒッター!!

たすけて! 青春ピンチヒッター!!

劇団ジグザグバイト

ぽんプラザホール(福岡県)

2019/05/10 (金) ~ 2019/05/13 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/05/11 (土) 12:00

価格2,500円

3500円払ってもいい、と思いました。
照明も楽しめる。アクションもキレがある。役者の使い方が上手だと思います。
女性陣、コウタロウ、会長のエネルギーが良かった。

「日本国憲法」を上演する

「日本国憲法」を上演する

die pratze

d-倉庫(東京都)

2019/04/30 (火) ~ 2019/05/13 (月)公演終了

満足度★★★★

中野坂上デーモンズの憂鬱と、IDIOT SAVANT theater companyはどちらも「激しい」舞台。もちろん「劇」とは激しさを伴うものだが。
毎回恒例のトークでは前者の主宰松森モヘー氏は今回の台本76頁と言って驚かれていたが(平均十数枚だろうと他の二人)、舞台はボルテージ高く、高速の絶叫声(一人の台詞は短い)が数珠繋ぎにまくし立てられていく。
後者は鍛え抜かれた肉体が圧倒する毎度の舞台で悲壮感と身体負荷によって絞り出される台詞の熱量は健在だったが、今までになく多量の言葉(書き下した何編かの詩)を独白するシンプルな舞台だった。
今回のシリーズは3組観劇でき、それぞれ健闘ぶりが見える成果で観劇としては満足だが、テーマそのものの課題は重くのし掛かる。

ネタバレBOX

デーモンズのタイトル「No.12」は、パンフを見る限り俳優が12人である事以外あまり意味はない。数は意識されているようでそれは憲法条文への意識だろう、などと想像したが特に関連を考えなくてよさそうだ。本番3週間前の文章がパンフに載っているが終始「わからない」と書かれている、その通りの舞台だった。客電落ちの前に俳優が一人ずつ登場し、動きが付随する一定リズムで数を1からカウントする。最後の一人が入って12人の輪ができると、主催者の開演の挨拶を挟み、本編が始まる。
基本形としては俳優は横一列に並んで観客に向かって喋り、他者がリアクションして会話に発展する。また出番の無い者は体育座りで並び、その並びが舞台ギリギリに来た所で再び全員が一列に並んで座り、折り返し地点。
喋りはガナリでも、台詞自体はアングラよりは静かな演劇系、何も無い所から立ち上がっていくテキストで、冒頭は「私たちは高校生」だが「高校生ではない」、といった禅問答。言葉を詰めに詰め込んだ60分が、日本国憲法(というか社会的な視野)にリンクする箇所は何度か訪れるが、結語的に感じられたのは「変化の時(現在)を感じ、身を置く事、対峙していく事」といったもの。改元などが影響しているのか知らん、憲法は「変えるべきもの」と本人が考えているかどうかは別にしても、その感覚に捕われる危うさを覚えたのが私の印象。
愚策を国民挙って歓迎した郵政選挙での小泉派圧勝という前例が日本にはあり、「変えねばならない」気分が内容抜きに高まる事ほど危険なものはない。
トークで今回よく聞かれたのは、日本国憲法というテーマの難しさと、改めてこれを考える機会を与えられたというもの。松森モヘー氏は「頭がよくなりたい」と印象的フレーズを繰り返していた。(もっとも自称偏差値30台というのは名刺代わりなのだろう。同学年での学力相対評価に過ぎない偏差値でなく、IQテストをやれば決して低くないはずだ。)

IDIOT SAVANTは苦しむ心の身体表現に息が詰まる冒頭のくだりを潜ると、俳優個々がやはり苦悩しながらも、語りが個の身体というより理性や心情に接続する感じがあり、詩の朗読の様相となる。この詩が何とも直裁で気恥ずかしい程に青く、願い、祈り、絶望と希望の文字が並ぶが、これを聴かせてしまう身体がある。7名の俳優は皆黒のスーツを着込み軟弱さを見せないのがスタイルのよう。最後は奥に椅子を並べて各様の決めポーズを取ると客電が点き、互いが見合う空白の時間が暫く続く。個人の独白を終えて観客への問いかけの流れはテーマに即していると感じ、違和感がなかった。トーク用の椅子とマイクを仕込むスタッフが現れ、漸く立礼にて終演。
不知火譚 第三章~蜘蛛の子散らすノ陣~

不知火譚 第三章~蜘蛛の子散らすノ陣~

劇団鳥獣戯画

本多劇場(東京都)

2019/05/08 (水) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/05/10 (金) 19:00

座席1階E列14番

3作連続観劇。2作目はザ・スズナリの手狭さが仇となり、化け猫、大蜘蛛とも窮屈感満載。
上手下手を気にしながらのダンスでは、どうもミュージカルに欠かせぬ解放感も、十分に出せずじまいだった。
今作は、本多劇場に凱旋し、全てに思いっきりできたのはよかったよかった。

ただ、1作目に比べると少しスケールが小さいような。
大ダコ、大グモ、化け猫の登場はあるものの、何ででしょう。

江戸時代の講談に、起承転結や理路整然、歴史検証を求めること自体ナンセンスだろうし、そのナンセンスさを土台にした舞台づくりなのだろうから、細かいところはとやかく言っても仕方ない。

敵討ちは連鎖する、ということでまとめるしかないのだろう。
ある意味、ネバーエンディングストーリーということなのかしら。

ネタバレBOX

おひねりの紙、他のチラシと一緒に回収ボックスに入れてしましました。
確かにそんな流れがありましたよね。とんと忘れていました。
お気に召すまま

お気に召すまま

ヌトミック

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/05/12 (日) ~ 2019/05/19 (日)公演終了

満足度★★★

『お気に召すまま』観劇

ネタバレBOX

身体的パフォーマンスを取り入れたシェークスピアの『お気に召すまま』。

オーランドーとロザリンドはうまく行ったと思われますが、男優が少なく、誰の役をやっているのか良く分からず、さっぱり訳分からずでした。能の様式美を取り入れたようなところなどもありきたりでつまらないものでした。
10分間2019~タイムリープが止まらない~【ご来場ありがとうございました】

10分間2019~タイムリープが止まらない~【ご来場ありがとうございました】

中野劇団

HEP HALL(大阪府)

2019/05/10 (金) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/05/12 (日) 17:00

10分間が繰り返される演劇の中、笑いが止まらない展開のストーリー、本当に観ていて楽しかったです!

「遠くの空はカナダへ、近くの海は瀬戸内海」 「黄緑の境界線」

「遠くの空はカナダへ、近くの海は瀬戸内海」 「黄緑の境界線」

しみくれ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2018/12/05 (水) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★

兄と姉と弟と妹と時々妖怪

【遠くの海はカナダ近くの海は瀬戸内海】

常に二本立てのお芝居をされるけど
今回は清水氏の処女作と最新作

黄緑は最新作の方

ネタバレBOX

アル中の兄と、足の悪い妹と、座敷わらし

しみくれと言えば兄弟姉妹
しみくれと言えば殺傷沙汰
盛り込んだなー?!という印象
妖怪以外兄弟姉妹しか居ない

首を吊って死んでる人はいるし
見えないところで死んでる人はいるし
病気の発作で死にそうな人はいるし
やっぱり阿鼻叫喚。みんな死んでく。

やめて!もうやめて!(2回目)
なんだよ最新作も容赦ないやん

個性的で魅力的な登場人物が多く
だからこそ遣る瀬無さもひとしおでした。
「遠くの空はカナダへ、近くの海は瀬戸内海」 「黄緑の境界線」

「遠くの空はカナダへ、近くの海は瀬戸内海」 「黄緑の境界線」

しみくれ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2018/12/05 (水) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★

兄と姉と弟と妹と時々妖怪

【遠くの海はカナダ近くの海は瀬戸内海】

常に二本立てのお芝居をされるけど
今回は清水氏の処女作と最新作

瀬戸内海は処女作の方

ネタバレBOX


姉を恋愛的に好きな弟が
姉と肉体関係を持つ話

首を吊って死のうとする姉
相手の首を締めて絞殺する百合娘
あとなんだっけもう一件くらい死んでた
同時多発事象のなか響く声
「あのときこんな気持だったのかな」

やめて!もうやめて!!
こんな阿鼻叫喚にしてどうするんだ
さすが処女作は容赦ねえな。

「ずっとここにある小さな塊」で感じた
「姉と弟で禁忌を犯すかもしれない」を
「姉が耐えきれずに死ぬかもしれない」を
かもで留めずにアクセル踏み抜いてく形は
謎の達成感がありました。

あとは瀬戸内兄が良いキャラしてる。
ソリチュードタウンの死神

ソリチュードタウンの死神

空想嬉劇団イナヅマコネコ

上野ストアハウス(東京都)

2019/05/10 (金) ~ 2019/05/19 (日)公演終了

満足度★★★★

同一人物を複数の俳優が演じるスタイルはこの作家の特徴か。入りくんだストーリーで登場人物間の関係を示すエピソードがやや過多でお腹いっぱいの感はあるが、独特で良く錬られたおもしろいストーリーの脚本と思う。俳優たちは高い能力とテンションを持ち、下手な役者ならベタなシーンになってしまうところがうまく乗りきれている。

10分間2019~タイムリープが止まらない~【ご来場ありがとうございました】

10分間2019~タイムリープが止まらない~【ご来場ありがとうございました】

中野劇団

HEP HALL(大阪府)

2019/05/10 (金) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

めっちゃ面白かった。古典のネタ様式なんだけど、やっぱり「忘れた頃にやってくる」ってめちゃめちゃおもろいな。あれだけ沢山笑ったのに、最後にちょっと泣きそうになったの何かに似てるなと思ったらあれだ。カメ止めの時と同じ感覚。

日出下町三丁目の夕日

日出下町三丁目の夕日

妄烈キネマレコード

ナンジャーレ(愛知県)

2019/05/08 (水) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/09 (木) 20:00

ほぼ女子トークのみで構成されており、アドリブかと思うほど自然な会話が紡がれる。出演者が女性6人、素に近いキャラクターの様。傍から見ていて何について話しているのか分からなくなる瞬間もあって、そこがよりリアルっぽく感じた。最後は、ゆるく温かな、いつまでも続いて欲しいなと思える時間を確かに感じた。この劇場でここまで造り込んだ舞台セットは初めてみた。

死んだら流石に愛しく思え

死んだら流石に愛しく思え

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2019/05/09 (木) ~ 2019/05/15 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/05/10 (金) 19:30

初演も観たがやっぱりすごい芝居だ。
あの目、あの迷いの無い台詞、殺人鬼の2人が素晴らしくて
思わず感情移入しそうになる。
刑事とのやり取り、一体どんな風に稽古するんだろう?
たたみかける櫻井刑事の罵詈雑言と
私の好きなほっぺぶるぶるさせる熱い堀さんにしびれた。

ネタバレBOX

自宅で売春しながら女装させた息子にそれを見せるという
そんなクズ母の元で子どもがすくすく育つわけがない。
どんな風に育つかというと、川島(川島潤哉)のようになるんだな。
その母親を皮切りに、川島は殺人を重ねていく。
一方奥田(奥田洋平)は快楽殺人タイプ。
天使のように純粋な奥田の妹(後藤飛鳥)と2人の殺人者は
町から町へ、人を殺しながら旅をする。
だがやがてそれが崩壊する日が来る・・・。

同じ殺人者でも全くタイプの違う2人。
登場しただけですべてを語っているような、奥田の目つきが素晴らしい。
思考を素通りして、殺人という行為に直進する異様さを見せつける。
さらにそれを隠そうともせず、刑事らと会話する姿にハラハラする。
直接的な場面よりもはるかに緊張感がある。

川島の悲惨な生い立ちと、歪んだ価値観には大いに同情する。
怒りと失望の行き場が「殺す」ことにしか見いだせない川島は
大切な人までも手にかけてしまう。
彼が思いとどまって殺さなかったのは、友人堀(堀靖明)だけだ。

今回改訂版として“ほぼ新作”のよう、と謳っているが
あまり根本には影響していないと思う。
元が強烈なので、周囲をいじっても根幹に変化はない感じ。
唯一、殺されなかった堀が面会室で川島と向き合う場面、
あれは良かったと思う。
「どうして俺を殺さなかったんだ?」と尋ねる堀に川島は答える。
「堀君の中の自分を殺すような気がしたから」

堀はただ一人、異常な自分の中に残された「普通の、健全な部分」を見ていた。
もはや「普通の自分」は、堀の心の中にしか存在しない。
堀を殺すことは、その自分までも殺してしまうことになるのだ。

奥田と川島が二人で、大きな包みをテーブルに置いたとき、
中から人間の首がたくさん出て来るような気がした。
が、転がり出てきたのは、大量のグレープフルーツだった。
ふたりはそれを片っ端から貪り食う。
享楽の果ての結末が、果実の苦味に重なる印象的なシーンだった。

川島が奥田と決定的に違うのは、殺人に喪失感を伴う事ではないか。
殺人者としては致命的な弱点かもしれない喪失感は、そのまま孤独につながる。
それはラストシーンに端的に表れている。




尾を咥えたり愚者の口

尾を咥えたり愚者の口

電動夏子安置システム

駅前劇場(東京都)

2019/05/07 (火) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/10 (金)

下北沢・駅前劇場にて電動夏子安置システム『尾を咥えたり愚者の口』を観劇。
一度見聞きしたら記憶に残るインパクトの強い劇団名を冠する電夏さんの作品観劇は昨年11月の『サンザル、月をとる。』以来、半年ぶり2回目。前回は予備知識ゼロで伺い、前座からの異様な盛り上がり、開演直後の大拍手などその独特なシステムに戸惑いましたが、2回目の今回もやはり戸惑い…。それだけ個性的な幕開けをする電動さん。2回目ではまだまだ慣れず戸惑いは隠せませんでしたが、個性的で悪くないと感じました。開演時間が数分遅れても、終演時間は定刻を目指すというシステムもユニークで面白い。観客を楽しませることに長けている団体であると改めて感じました。
本編は1948年、都内の銀行で不可解な毒殺事件があった年が舞台。一見すると真面目な社会派作品であるかのような印象も受けましたが、それ以上に劇団のスタンスであるコメディ要素が強く反映され、基本的には笑いシーンが目立った120分でした。「表現の自由」は今も昔も変わらない。様々な圧力や規制があるのも確かですが、表現の自由は守られても良いことなのではないかと感じました。前作同様、今回もお笑い芸人・アンジャッシュさんのスレ違いネタを彷彿とさせるようなシーンもあって面白かったですし、駅前劇場の横に長い舞台空間を生かしたようなよく創り込まれた舞台セットも良かったです。
強引過ぎる笑いシーンや、小劇場でのお芝居にしてはやたらと声を張り上げての演技など聞き取りにくく若干疲れるシーンもあったのは確かですが、個性豊かな顔ぶれのキャストさんの熱演は見応えがありました。中でも前座からテンションMAXだった道井良樹さん、なかなか威圧感のあったドロンズ石本さんなど印象的でした。

 「舞い上がれ、レジャーシート」「ばいびー、23区の恋人」

「舞い上がれ、レジャーシート」「ばいびー、23区の恋人」

マチルダアパルトマン

すむぞう外苑前スタジオ(東京都)

2019/04/12 (金) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

満足度★★★★

【ばいびー、23区の恋人】
若者3人が4畳半に集まるとこんな世界ができ上がるんだなあと感心した。演劇の出前もできそう。こちらの予想をうまく外すところが才能なんだなあ。

『舞い上がれ、レジャーシート』も観れば良かったとは思うもののこれが大千秋楽。同クオリティで2本立て2時間なら間違いなく星5つだよ。まあでも5,000円は取れないから今のやり方がベストなのか。

【大好き】センパイを双子コーデでコロしてみた!

【大好き】センパイを双子コーデでコロしてみた!

舞台センコロ

cafe&bar 木星劇場(東京都)

2019/05/11 (土) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

満足度★★★

タイトルから推察できるように、憧れの先輩の容姿、趣味趣向を真似た少女の模倣・独占欲を描いた少し不気味な物語。先輩と自分という2人だけの密やかな生活かと思えば、それを第三者に向けて配信するという自己顕示もある不思議な芝居。真似をされた人は、それが嬉しいと思うのか気味が悪い(ウザイ)と思うのか、どちらだろうか?そこに相手との距離感が見て取れる。一方的ながら、その感情表現は上手く表されていた。
(上演時間30分、アフタートーク30分) 【長谷川栞サン Ver】 2019.5.13追記

ネタバレBOX

セットは、人気動画配信者MAYUが住んでいる一室。上手側にパソコンとプリンター、中央にミニテーブルと客席寄り三脚に据えられた配信用カメラ。セットは作り込んでいないことから生活感は漂わない。むしろ人物造形を観せるにはシンプルなセットの方が分かり易い。MAYUは、「ミツハラマリ」という人物について語りだす。高校時代に憧れていた先輩のようになりたい。そして同じ大学に入学し住むところもルームシェアする。アクセサリーのような小物から、ついには容姿まで...。仲睦まじい先輩と後輩の間に何が起こり、「最後の動画」とは何を意味するのか。

全てを真似することによって自己は埋没もしくは消滅し、先輩の中に自己投影して生きるような不気味さを感じる。同時に、先輩「ミツハラマリ」は慕ってくる後輩を愛おしく思う反面、うっとうしく感じるのではないか。MAYUが色々なことに干渉し、管理下に置こうとするような怖さもある。2人の関係は先輩・後輩という間柄から、人間として独占欲というか支配したいという欲望が感じられる。

1人芝居であるからほとんどMAYUの1人称として淡々と語られる。これが2人芝居であれば自我の衝突か、もしくは親密度が増しある種、淫靡な関係をも想像してしまう。どちらにしても独占=究極の排他はこの結末になるのかもしれない。この物語にシェークスピアの有名な戯曲を絡めたラストは予定通りの展開で意外性がないのが残念。
演技は、MAYU=長谷川栞サンが等身大の女性のようで、その意味で動画配信している女性の部屋を狂視しているような錯覚に陥るようだった。

次回公演も楽しみにしております。
尾を咥えたり愚者の口

尾を咥えたり愚者の口

電動夏子安置システム

駅前劇場(東京都)

2019/05/07 (火) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/07 (火) 19:30

価格3,700円

昭和の真っ只中、とある出版社の文芸部を中心に、当時起きた事件や訪れる人々が織り成す物語。
いつもながら構成が緻密。「さっきの場でウワサに出ていたのはこの人?」とか「あの人って実はその人の〇〇じゃないの?」とあちこちが結びついたりそう思わせて実は違ったりとかのバランスが巧み。もう「This is 電夏!」な感じ。
また、出版社が舞台だけに表現の自由、検閲、自粛などイマの現実にもチクリとすることが含まれているのもいかにも。
大好きな「胡蝶の夢」モチーフもイイ。そう言えば冒頭場面、当日パンフレットにある役の説明・配役と異なる人物たちで始まるのもトリッキーで面白い。

このページのQRコードです。

拡大