【大好き】センパイを双子コーデでコロしてみた! 公演情報 舞台センコロ「【大好き】センパイを双子コーデでコロしてみた!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    タイトルから推察できるように、憧れの先輩の容姿、趣味趣向を真似た少女の模倣・独占欲を描いた少し不気味な物語。先輩と自分という2人だけの密やかな生活かと思えば、それを第三者に向けて配信するという自己顕示もある不思議な芝居。真似をされた人は、それが嬉しいと思うのか気味が悪い(ウザイ)と思うのか、どちらだろうか?そこに相手との距離感が見て取れる。一方的ながら、その感情表現は上手く表されていた。
    (上演時間30分、アフタートーク30分) 【長谷川栞サン Ver】 2019.5.13追記

    ネタバレBOX

    セットは、人気動画配信者MAYUが住んでいる一室。上手側にパソコンとプリンター、中央にミニテーブルと客席寄り三脚に据えられた配信用カメラ。セットは作り込んでいないことから生活感は漂わない。むしろ人物造形を観せるにはシンプルなセットの方が分かり易い。MAYUは、「ミツハラマリ」という人物について語りだす。高校時代に憧れていた先輩のようになりたい。そして同じ大学に入学し住むところもルームシェアする。アクセサリーのような小物から、ついには容姿まで...。仲睦まじい先輩と後輩の間に何が起こり、「最後の動画」とは何を意味するのか。

    全てを真似することによって自己は埋没もしくは消滅し、先輩の中に自己投影して生きるような不気味さを感じる。同時に、先輩「ミツハラマリ」は慕ってくる後輩を愛おしく思う反面、うっとうしく感じるのではないか。MAYUが色々なことに干渉し、管理下に置こうとするような怖さもある。2人の関係は先輩・後輩という間柄から、人間として独占欲というか支配したいという欲望が感じられる。

    1人芝居であるからほとんどMAYUの1人称として淡々と語られる。これが2人芝居であれば自我の衝突か、もしくは親密度が増しある種、淫靡な関係をも想像してしまう。どちらにしても独占=究極の排他はこの結末になるのかもしれない。この物語にシェークスピアの有名な戯曲を絡めたラストは予定通りの展開で意外性がないのが残念。
    演技は、MAYU=長谷川栞サンが等身大の女性のようで、その意味で動画配信している女性の部屋を狂視しているような錯覚に陥るようだった。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2019/05/12 23:42

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