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夏の夜の夢

夏の夜の夢

theater 045 syndicate

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2025/08/21 (木) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/08/21 (木) 19:00

130分。休憩なし。

話せば、

話せば、

Gesu◎

京都市東山青少年活動センター(京都府)

2025/08/21 (木) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

体験したことない演劇
どこから始まってんねんから始まり、他愛のない話が、三部作?の1時間半 アフター30分
これで台本有るのも不思議
未知の演劇でした

aging/#不確かな或る日展

aging/#不確かな或る日展

フロアトポロジー

Gallery Conceal Shibuya(東京都)

2025/04/03 (木) ~ 2025/04/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ある女性の「或る日」に同時併行的に他の複数の女性の「其の日」も交えて一人芝居的な演技に音響効果・映像を加えて描いた実験的な65分で「不確かな或る日展」の中の企画公演的なものとしてそれぞれの「或る日」を「展示している」感覚。
で、会場の雰囲気に改装前のギャラリー・ルデコを想起したり、途中の「あのシカケ」や上演中に移動可なことに泣かないで、毒きのこちゃんの「手口」に通ずるものを感じたり「記憶の煤払い」的な?(笑)

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

風雷紡

座・高円寺1(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

舞台美術は2mほどの正方形枠を左右に
3つ程置いたシンプルなもので
その分 衣装などがしっかりとしていました
卒業証書をかたにしての従軍で
日本人得意の同調意識もあっての
従軍看護を淡々と劣悪なる状況に向い
過酷になってゆく戦況を背景に
見事に表現していた舞台であり
引き込まれました

ネタバレBOX

昭和20年の終戦の年に生まれた女性が
孫を連れて沖縄に旅行に来て
自分の母が体験した沖縄戦を
孫娘に語って聞かせ
その話の再現が舞台作品となってる体です

看護助手としての従軍ではあるものの
戦闘で負傷した兵士の四肢を切断するばかりで
碌な医療品もない状況が進んでいき
段々と精神が削れられ終には部隊の解散となり
軍人さんは全て戦死し
女学生らは米軍の捕虜となり悲惨なめに
あったようだが作中ではボカしてましたね
この話を伝えた祖母の母は
首里の守備隊にいた婚約者とのあいだで
子を成していて妊娠4か月だったので
凌辱を免れたようだが
学友達は後世にこの戦争の史実を伝え
生き延びよと隊長の最期の命令あったが
母は何も語らず死後に見つけた日記と
自分の調べたことを孫娘に伝えて
命を繋ぐ尊さを託したかったと
一人孫娘の妊娠に気付いた祖母は語り
終演となります

作中で女学生たちが歌うのも
何か良かった

野戦病院の医薬品がモルヒネと多量の青酸カリ
しかなかったとか悲惨通り越しますね
医療軍人さんらも専門が歯科とか産婦人科とか
眼科など外科が1人もいないとか
末期の戦争デスよね
糸洲の壕 (ウッカーガマ)

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

風雷紡

座・高円寺1(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

終戦80年の年に上演された作品。

ネタバレBOX

この劇を見るまで実感として抜けて落ちていた事に気づきました。
当然のことではあるのだけど、80歳の人には、戦時中の記憶がないということ。
80歳というとかなり高齢者だけど、そんな人でも戦争は体験していない。
改めて気づき、愕然としました。
メイツ!〜ブラウン管の向こうへ〜

メイツ!〜ブラウン管の向こうへ〜

劇団6番シード

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2025/07/30 (水) ~ 2025/08/03 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

レッドチームも見たかったので配信で見ています。こちらも面白いですが、セリフがちゃんと聞こえるように音量を設定するとミュージカルシーンの音が大きすぎて慌てます。
家人がいるときには絶対に見れないですね。そこが残念です。
まあ、たいていの配信、なんなら映画も同じなんですが。

WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-

WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-

TBS/読売新聞社/TBSラジオ

よみうり大手町ホール(東京都)

2025/08/05 (火) ~ 2025/08/27 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/08/20 (水) 18:00

劇団チョコレートケーキの日澤・古川コンビでの舞台とのことで、「これは観るしかない!!」と早めにチケットget!
主役の奈緒さんが素晴らしく、全て一人で演じていたのか…とびっくりしたほど。
夫役のウェンツさんも良かった。もう何度も涙溢れました。
ほぼ素舞台というのもまた良かった。想像が膨らむからね。

ネタバレBOX

川島鈴遥さんが何役も演じているのですが、どれも違って見えて、彼女は立派に舞台女優になって行っているとも感じました。
劇団唐ゼミ☆第33回公演『少女仮面』

劇団唐ゼミ☆第33回公演『少女仮面』

劇団唐ゼミ☆

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2025/08/19 (火) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/08/19 (火) 19:00

昨年も観たけど、キャストによってまた違う醍醐味を感じられますね。
しかも今回は同期の桜組とニュー・ウェーブ組の2組あるので見比べるのも面白いかも。
時勢的に「戦争」に対する見方も変わってきたような…。
戦後80年。若い方々にもっと観ていただいて感想を語って欲しいな。

『意味なしサチコ、三度目の朝』再演

『意味なしサチコ、三度目の朝』再演

かるがも団地

吉祥寺シアター(東京都)

2025/08/08 (金) ~ 2025/08/11 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/08/09 (土) 18:00

初演は観ていないです。自分も団地育ちなのですごく頷けて、そして大人になって…。
高さを使った演出も面白かったなぁ。そして最後は…。
かるがも団地いいねぇ。

君の夏則

君の夏則

Oji中高生演劇スクール実行委員会

インディペンデントシアターOji(東京都)

2025/07/25 (金) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/07/25 (金) 19:00

あぁ青春。今しかできないことを見せてもらえた。
今の中高生は忙しいのかこんなに素敵なワークショップを受けないなんて。もったいないなぁ。
青春だって一期一会だもんね。

ノーマンズランド

ノーマンズランド

Oxymoron Thatre Club

北とぴあ カナリアホール(東京都)

2025/07/23 (水) ~ 2025/07/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/07/23 (水) 18:30

なかなかにわけわからずおもしろくふしぎなたいけんができたとおもう。
あの北とぴあカナリアホールがあんな感じになっていたのにも驚いた。

ネタバレBOX

多分戯曲を読んでも理解するには難しいのかもしれない。
観ることができて良かった。
星の王子さまと迷子たち

星の王子さまと迷子たち

ホリデイズ歌劇団

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2025/07/17 (木) ~ 2025/07/18 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/07/17 (木)

ホリデイズ歌劇団第1回目の公演!!
タイトルなるほど、迷子になったおばさまたちと星の王子様のお話。
沢山の方々が出ていたけどそれぞれの個性も強く(笑)そして被ることもない。
歌ありダンスありで、とても楽しかったです。

月の爆撃機

月の爆撃機

劇団イン・ノート

駅前劇場(東京都)

2025/08/20 (水) ~ 2025/08/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

座組の熱量と勢いに圧倒される。
芝原/横山のらしさ
あふれるイン・ノートの世界を
堪能できる2時間。

"あまりにも眩しくて、限りなく暗い"

"あまりにも眩しくて、限りなく暗い"

アカルプロジェクト

アカルスタジオ(大阪府)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

遅くなりましたが感想です。印象としてお芝居の途中で主人公の心情を歌にしているなど、工夫した内容だったと思います。時間が行き来して少しわかりづらいところもありましたが、面白かったです。歌とダンスは2部とかにして別でゆっくり見てもよかったと思いました。

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

風雷紡

座・高円寺1(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

小池勇助軍医については、ドキュメンタリー映像や別の舞台を観たことがあり、地元の偉人でもあることから、私自身本を書いて上演したことがあります。
沖縄戦について、ひめゆりなどとは異なる結末のお話である一方、犠牲者も少なかったからか、あまり扱われることもないですが、多くの人に知ってほしいお話であり、今回舞台にしていただき胸が熱くなる思いです。
風雷紡さんの観劇は三度目ですが(前回の舞台も長野…)、風雷紡さんらしく史実に対して誠実に真っ直ぐ描いた、教育演劇のような、教科書のような作品だなぁと思いました。

現代のおばあちゃんが、亡くなった学徒隊の娘という設定で、語り継ぐ学徒隊本人が亡くなりつつある現実が現れていて、戦争の現実を後世に伝えていくタイムリミットを感じました。

色々な人に観ていただき、特に学生さんや若い人に知って欲しいです。

ネタバレBOX

素人ながら気になったところをいくつか。

ふじ学徒隊の話は規模は小さいとしても、沖縄戦のシンドラーや杉原千畝だと思っていて、ひめゆりなど他の学徒隊が、「冷酷な」本土の日本兵の道連れに合い命を失ったという構図に対して、同じ本土の一人の軍医によって多くの命が助かった実話です。
戦争という極限状態で3日間悩んで女学生達を助けることを決断するのですが、隊長として抱えるものもあった中で、なかなか出来ることではなかったのではないかと思います。
当日パンフにも書かれているのですが(知らないお客さん向けには載せないでも良かったかも)、このあと小池隊長は自決してしまいます。自決は学徒隊を助ける前から決めていて、巻き添えには出来ないと思ったのか、学徒隊には生きろと言いつつ自身は自決しなければならなかった事情は何だったのか、本土の家族や部下のことなど葛藤はなかったのか、また、自決した小池隊長を発見したのは落ちていたタバコを届けようと壕に戻った女学生だったかと思うのですが、届けようとまでした女学生の行動、小池隊長の遺体を発見したときの思いなど、ちょっと観たかったところもあります。

史実に基づいたお話はどこを拾ってどこを削るか、書き手によって違うところが良いのですが、私としては小池隊長の人柄、心情や葛藤によりフォーカスしたものも観たかったかとも思います。

部下には厳しかったが患者や女学生には優しかったとの話もあり、隊長と学生との直接の関わり合い、優しかったというエピソードがあっても良いかと思いました。大切なことを言わない人設定だったのと、部下が大分代弁して話を進めてしまっていたり、直接は無関係な野戦病院のエピソードが多く、小池隊長の話が薄まってしまった気もします。
この辺りも証言してくれるおばあ達が少なくなってどんな関わりがあったのか情報も集められないとは思いますが。

おばあちゃんと孫娘の設定も、ふじ学徒隊は結構語り部として映像でも証言している中、隊長に命令されながら死ぬまで話さなかった理由とか、飛行機に乗ってから行き先を話すものか、孫娘があれほど戦争の話を嫌がるものか、嫌がる様子が感情的で子供っぽくて妊娠する設定も不自然に思え、本題と違うところで話が広がりすぎかとも思いました。

小池隊長が雨男だったり佐久や浅間山の話も後に活かされるのかと思ったらそうでもなかったり、部下のタバコも、死後の話を知っている私からするとキーアイテムに思えてしまい、回収されなかったのが気になったりしました。

いずれ、こうした話を掘り起こして伝えられるのは演劇の良いところで、観に行かれて良かったです。
えがお、かして!

えがお、かして!

四喜坊劇集※台湾の劇団です!日本で公演します※

小劇場B1(東京都)

2025/08/14 (木) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/08/16 (土) 15:00

 今回の台湾の劇団による『えがお、かして』という公演は、生まれつき顔面神経麻痺により、口をすぼめたり、笑ったり泣いたり、怒ったりといった感情を面に表すことが出来ない「モービウス症候群」(PCで調べてみたら、実際にはモービウス症候群というような病名は見つからなかった。しかし、モービウス症候群と同じような症状のメビウス症候群というものが見つかったので、現実に顔面神経麻痺といったものがあることは事実で、それへの正確な対処方法が見つかっていないことも事実なんだと考えると、感慨深くなってしまった)の王曉天(ワン·シャオティエン)とその家族、交通事故で父親の王克強(ワン·クァチャン)の実際の肉体は病院で生死の間を彷徨っていた。
 だが、どうしても王曉天(ワン·シャオティエン)や家族のこれからが心配で、気にかかっている父親の王克強(ワン·クァチャン)の思いが強すぎて、自分の分身である謎の少女を生み出してしまい、王曉天(ワン·シャオティエン)にしか見えないその少女との不思議な交流を主軸とした、学校の教師や生徒、近隣住民のモービウス症候群の王曉天(ワン·シャオティエン)に対する無理解や差別、侮蔑、支え合わなきゃいけない家族内での意見のすれ違い、不和といった深刻な社会問題を内包したシリアスになりがちな劇を、ミュージカル劇として上演されていて、時に緊迫して観ながら、モービウス症候群や障害のある子どもを育てる大変さを真剣に考えつつ、肩の力を抜いて観れて良かった。
 またこれだけ深刻なテーマ(モービウス症候群を持った王曉天(ワン·シャオティエン)、障害を持った子どもに対する世間の無理解、差別や侮蔑、家族の不和や少しでも普通の人と同じになってほしい姉との確執)などをそのままリアルに描いて、心理描写や人間関係に重点を置いて描くと全然救いがなくなるが(王曉天(ワン·シャオティエン)が追い詰められて、自殺しようとする場面が劇中に出てきたり、父親の王克強(ワン·クァチャン)が現実としては交通事故で病院のベットで生死を彷徨っていたりしていることからも)、輪廻転生の要素や転生オークション会場責任者の地縛霊を劇中に出したり、王曉天(ワン·シャオティエン)に対する想いや家族への未練が強すぎて、父親の王克強(ワン·クァチャン)が分身の少女が生み出されたりといったどこかミステリアスで、ファンタジックな要素を混ぜ込むことで、少し救われた気がした。
 それに、王曉天(ワン·シャオティエン)の母親が家族の前では、気丈に振る舞い、学校の先生や保護者に対しても息子を守ろうと強気で振る舞ってきたが、一人になるとこれで良かったのか(息子のために会社も辞めたことが本当に正解だったのか)と、自問自答する場面が描かれたりと、王曉天(ワン·シャオティエン)の姉も本人の前では時に辛く当たることもあるが、実は弟のことを愛しており、モービウス症候群という障害を持つ弟を理解しようと陰ながら努力し、弟が思い悩みながらも頑張ろうとする姿を陰ながら応援していたりと、この劇に出てくる登場人物たちは1枚岩ではない人物が数多く登場し、物語自体も複雑に絡んでおり、そこがミステリアスでファンタジックな要素もありつつ、何よりも現実の人間関係や1筋縄ではいかない社会を表していると感じ、他人事とは思えなかった。
 
 自分も愛の手帳(障害福祉手帳)を保持しているし、癲癇持ちで(これも劇中のモービウス症候群の王曉天(ワン·シャオティエン)とほぼ共通で完全に治すことはできない。ただし、癲癇の場合は、無理をしないことと、薬を飲むことである程度癲癇発作を抑えることはできるが)、モービウス症候群の王曉天(ワン·シャオティエン)と全く同じ条件かは分からないが、どこかシンパシーを感じた。
 ただし、自分は愛の手帳(障害福祉手帳)を普段使いして長いもので、もはや他人に自分がどう見られているかといったことをそんなに気にしなくなって久しいので(寧ろ、その手帳のお陰で、得することのほうが多いのもあって)、愛の手帳を使うことで、ジロジロ赤の他人に見られる、差別される、侮蔑されるかも知れないと極端に怖がり、不安になる王曉天(ワン·シャオティエン)の繊細な心情は、人によって違う気はした。

 劇中に登場する転生オークションや生まれ変われるのは人のみというような転生条件が一般的な輪廻転生の価値観と似ているようで違っていて、その違いやどこかキリスト教を思わせるような転生を待つ待機場所では、天使のような格好で1回人生が終わった人たちが転生を待っていたりと色々混合していたりしていて、観ていてユニークで飽きなかった。

 自分は今まで、モービウス症候群(PC検索では、メビウス症候群)という顔面神経麻痺の障害のある治らない病気について、全く知らなかったので、これを機会に知れて良かった。
 自分も癲癇の持病を持っていたので、モービウス症候群について、普通の人よりも、より身近な感覚として、その症状を持った人の心情や思い悩んでいることについて理解することができたと思う。

 アフタートークも有意義で、本多劇場グループ運営の本田さんを間近に見れて、出演者とのトークも観れて、貴重だった。
 

三谷文楽『人形ぎらい』

三谷文楽『人形ぎらい』

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/28 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

文楽でパルコがほぼ2週間、満席になった。渋谷で会いましょう、の若い男女にとっても、見て面白い公演だった、からである。新幹線は出てくるわ、通天閣は出てくるわ、いや文楽の人形劇であることまでネタにして笑っている内にお開きになるⅠ時間40分である。
それは良い、日本の伝統演劇である文楽が危機に瀕している今、苦労ばかり多い文楽脚本を書いてみた三谷幸喜の労を謝するには人後に落ちないが、同時にさまざまな文楽を巡る課題広く言えば日本の舞台芸術のあり方の問題もここに現われている。いずれ本格的な論議もあるだろうし、作者も、現代の当たり狂言作家の立場から誠を持って応えられるだろうから、ここは一人の観客としての感想である。
今回の上演戯曲はもう、現代劇の爆笑喜劇と思った方が良い。今、文楽は大衆芸能としては、大衆の支持を失っている。今回上演の戯曲は、『槍の権三』に依っている。近松門左衛門の姦通ものの代表作の一つで、昭和の時代には映画(篠田正浩・監督)にもなった名作で、ある。私は運悪く原典の、文楽も歌舞伎も見ていないが、内容は知っている。はじめの権三とおさいが密通して、互いの帯を取り違えるところなどはなかなか面白い仕掛けで、どう芝居で持っていくか、一度みて見たいと思っているうちに人生も終わりそうだ。この姦通は、もちろん両人の不義の意思(やりたい)があってこそのものだが、(しなかったという説もあるところも面白い)そこから話が転がっていく。
今回の『人形ぎらい』はここからは原作の大筋だけは辛うじて形骸を残しているといった程度(現代劇にしているからそれで当然で、それは全く問題ない)だが、この程度の不義は日常茶飯事になってしまった現在になると、見終わると、オビを取り違えた情事のあと始末が、お家の大事や主人公たちの生死に関わっていく武家社会の義理人情が懐かしく体内回帰して、これを人情劇として親身に見ていられたら面白かったのに、と言うあまのじゃくな感想になってしまう。そこが文楽衰退の原因という議論はよく聞くが、やはりそれだけではない。
物語の男女の構造も今の女性上位の世界になってみるとみるべき所はあるし、知らない世界の面白さもある。
現にパルコの観客を見ると、まず、文楽でこの作品を見た人はものの十人もいないだろう。浄瑠璃でもの語りを持っていくのは文楽の要素で、今を流行りの朗読劇にも繋がらないでもないのだが、新曲を作ってまで変えるなら、この浄瑠璃による聞き取りにくいナレーションに一工夫あってもいいではないだろうか。それでは文楽ではなくなってしまうという識者の意見を、考えてみるのも役に立つと思う。作品そのものは、是非残して欲しい。なにしろ近松の『三姦もの』一つである。欧米の今に残る姦通ものに匹敵できる名作として、時代は変わっても楽しみたいものである。

是々非々【揺・騒】

是々非々【揺・騒】

teamキーチェーン

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2025/08/05 (火) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/08/09 (土) 16:30

Cチーム【騒】を観劇。
舞台中央に被告、下手に検察官、上手に弁護人、奥(傍聴席)には被害者と被告の兄という裁判官席から見た刑事法廷の様子を基本配置に随時犯行再現場面を交えて描く集合住宅での騒音問題に端を発する殺人未遂事件の顛末。(以下ネタバレboxへ)

ネタバレBOX

動機である騒音トラブルだけでなく、被告に精神疾患の疑いがあったり実は単独犯行ではなかったりと実際にあったらどうなるのだろう?という事態を比較的淡々と描くので観ていてあれこれ考えさせられるばかりか劇中で結審はするものの「それで良いのか?」と余韻を残すのが巧妙。
ドラマなどなら「被告は誰それを庇っています」などと暴く「正義の味方」がいるのにね。(笑)
糸洲の壕 (ウッカーガマ)

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

風雷紡

座・高円寺1(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

戦後80年…沖縄の悲劇を考えさせられる、素晴らしい舞台でした。
風化させてはならないと同時に、自分自身を含めた、戦争を知らない、次世代への継承の難しさも、改めて考えさせられました。

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

風雷紡

座・高円寺1(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

8/16と8/18の2回鑑賞しました。とても良かったです。
始まりに一人一人がちょっとずつ舞台に出てきて、沖縄戦の世界に自然と引きずり込まれていきました。
話は一対の男女で進行し、それぞれのエピソードが混じって、面白い演出でした。そして、戦争の為に失ってしまうものの大きさに改めて気づかされました。このような戦争は二度と起きてはいけないことなのだと痛感しましたが、今の世の中、劇中にもあった同調圧力やセクショナリズムを感じるところがあります。
絶望的な戦況で負傷者の治療もままならならず、次第に追い詰められていく状況の中でやはり小池軍医の人としての優しさに救われました。生存者が比較的に多かったのも小池軍医の判断によるところが大きく、指導者で全然変わるものだと思いました。佐久市長のお話も良かったです。
一点、疑問だったのが、おばぁちゃんは当事者ではなく、ひいおばあちゃんから聞いた話でひいおばぁちゃんは何も話してくれなかったのに、なぜ孫娘に当時の状況を鮮明に伝えられたのかな?と思いました。

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