
不機嫌な女神たちプラス1
エイベックス・エンタテインメント
紀伊國屋ホール(東京都)
2019/10/19 (土) ~ 2019/10/27 (日)公演終了
満足度★★★★
CoRichの常連の方々はこういうのは行かないだろうなあ。私も私が勝手に決めた「死ぬ前に生のお姿を拝見したい女優さん100人」の中の和久井映見さん、羽田美智子さんが出演されているがためにポチってしまったのだ。
アラフィフの女性3人と男性1名の恋愛などを巡るドタバタ喜劇である。男女4人の人間関係劇という点では前日観た「終夜」と同じである。もちろん比べるようなものでは全くないが何かの縁と無理に振り返ってみると、一方はストレスが張りつめたまま終わり、一方は一時的な軽いストレスが予定調和的に解消されて終わる。演技も一方はいつもとは違う大きな負荷がかかるものであるが、一方はいつもの持ち味をそのまま発揮するものである。もちろんどちらもプロのお仕事であった。
和久井さんも羽田さんも私にはアラサーにしか見えなかった。そういう点では満足度大。

死に顔ピース
ワンツーワークス
ザ・ポケット(東京都)
2019/10/24 (木) ~ 2019/11/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/10/24 (木) 19:00
135分、休無。
ターミナルケアなどのテーマに関心があれば、ストーリーは割とオーソドックス。映画「パッチ・アダムス」に似ている部分もあり。
古城十忍の「ここは譲れない」という想いや主張は交えつつ、死に至る人の物語を、一般論ではなく「物語」として触れていた作品。観ていて爽快感。ラストに至るまで、涙が止められない、という場面が何度もあった。

ゼロイチ
劇団龍門
シアターシャイン(東京都)
2019/10/23 (水) ~ 2019/10/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
村手さんの作品は今回こう来たかー!
近未来を舞台にした、いや、地球の誕生からを舞台にした(?)と言ったほうがいいかもしれないサスペンスで、とても興味深いストーリーが面白かった。AIをテーマにした舞台はよく見ますが、ちょっと違った世界観に連れて行ってくれた、そして1時間50分にまとめるのがもったいない、もっと続きが見たくなる作品でした。それとあの狭い劇場にいきなり始まるあのダンスパフォーマンスは圧巻でした!

レネゲイズ
Nana Produce
赤坂RED/THEATER(東京都)
2019/10/11 (金) ~ 2019/10/15 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/10/15 (火) 14:00
座席I列12番
価格6,000円
高木式現代宗教論にして「現代の神話」?(笑)
鵺的における高木作品は内部のエネルギー(?)が表皮を突き破って爆ぜるのに対して本作ではそれが内部に沸々としたまま留まっているような。
静かなのに大きなナニカが蠢いている感覚はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のタッチに近いか。
「先生」がああなるまでを描いた「エピソード0」と、後日譚な「その後のレネゲイズ」があって不思議ではない……というか、観た人それぞれにそれがありそう。

『花と爆弾~恋と革命の伝説~』
劇団匂組
OFF OFFシアター(東京都)
2019/10/23 (水) ~ 2019/10/27 (日)公演終了
満足度★★★★
劇団匂組の旗揚げ公演が「花と爆弾」であり、その再演のようだ。旗揚げ時は大逆事件(明治天皇暗殺未遂事件)の百年後を意識しており、それは主人公・菅野スガ の没後100年を意味する。初演(「~恋と革命と伝説」の副題はないようだ)は観ていないが、描かれている内容は現代においても色褪せない。その骨太作品は観応えがあった。
初日に観劇したが、奇しくも前日は令和、今上天皇 即位礼正殿の儀が行われた日であり隔世の感を覚える。
(上演時間1時間50分)

『花と爆弾~恋と革命の伝説~』
劇団匂組
OFF OFFシアター(東京都)
2019/10/23 (水) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

組曲虐殺
こまつ座 / ホリプロ
天王洲 銀河劇場(東京都)
2019/10/06 (日) ~ 2019/10/27 (日)公演終了
満足度★★★
第一幕100分休憩15分第二幕80分。
第一幕、貧富の差のない平等な社会を作る為、共産主義運動に参加した作家小林多喜二。特高警察の二人にマークされる。
第二幕、地下に潜って逃走しながら執筆を続ける多喜二。警察の包囲の網が狭まっていく。
作曲とピアノ演奏の小曽根真氏が素晴らしい。名曲揃いの上、役者6人は歌える方ばかり。中盤、小林多喜二役の井上芳雄氏が「片方だけの○○じゃ何の役にも立たない」と己の無力さを嘆くBLUES、『独房からのラヴソング』が心を震わす。作品のテーマとも言える『胸の映写機』は井上ひさし氏の創作法の開陳を。『信じて走れ』の歌詞、「後に続くものを信じて走れ」は氏の遺言のようにも聴こえ。
多喜二を支援してずっと匿う伊藤ふじ子役の神野三鈴さんが良かった。(小曽根真氏の奥さんでもある)。存在が温かく空間を立ち込めていく。
ジブリ調の優しい好青年、小林多喜二がこの世を正しく変えてゆこうと願う物語。その姿をチャップリンに準えるとは流石である。その結末はタイトルに記されている通り、虐殺なのだ。
『何か綱のようなものを担いで絶望から希望へ橋渡しをする者がいないものだろうか!いや、いないことは無い。』
井上ひさし氏の哲学がぎゅうぎゅうに詰まった遺作。

東京ストーリー
劇団青年座
駅前劇場(東京都)
2019/10/23 (水) ~ 2019/10/29 (火)公演終了
満足度★★★★
松田正隆、ストレートプレイでの復活である。
もう二十年以上昔、「海と日傘」や「夏の砂の上」で芝居好きを静謐な感動に誘って堪能させた劇作家は、ここのところ東京の日常の演劇の表舞台から消えていた。失っていた世界に、また再会して、その長い喪失の時間を知った。この新作は、日常の生活に寄り添って人間の哀歓をドラマにする伝統的な「新劇」現代劇の良さを遺憾なく発揮している。
-ご無沙汰を感じさせない松田節が健在だった!!! まず観客としてはそれが大きな喜びである。
松田正隆はこの二十年の間に、抽象的な演劇作品を試み、大学で教職に就き、学生と触れ合い、イスラエルに留学し、京都から東京に住まいを移し、と個人としては動きの激しい体験をしてきた。その結果の東京の日々を題材にしたのが「東京ストーリー」である。
軸となる人物もそれなりに歳を加えて、50歳台の大学教員の佐和子(津田真澄)と不動産屋に勤める奈々(野々村のん)の職業を持つ独身女性二人をめぐって、コントの舞台を目指す姪たち女学生三人組や仕事場で出会う男性たちとの生活がつづられていく。
一シーズンの春の何気ない日々の重なりの中に、東京に住んでみた作者のこの大都市生活者への実感が込められていて心を動かされる。かつてのようにここでもこの作家は誠実な生活者の目でドラマを見つめている。市井の物語なのに凛とした格調がある。他者の追従を許さない松田の世界なのだ。
松田に新作を書かせた青年座に大きな拍手。俳優では津田真澄。押していく役柄が多い俳優だったが今回は受けに回っていい味を出している。最近よくいる妙に無神経な男を演じる山賀教弘もうまい。若い演出もノーセットの舞台を苦労して切り回しているが、軸になる女性三人の位置(生活と関係)は、はじめのうちにしっかり押さえておいてほしかった。休憩なしの二時間。

小刻みに 戸惑う 神様
劇団ジャブジャブサーキット
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/10/17 (木) ~ 2019/10/20 (日)公演終了

『花と爆弾~恋と革命の伝説~』
劇団匂組
OFF OFFシアター(東京都)
2019/10/23 (水) ~ 2019/10/27 (日)公演終了
満足度★★★★
とても見ごたえのあるお芝居でした。菅野すがとそれを取り巻く人たちの生き方を知ることができました。学校で学んだ歴史の時間では知ることができない大逆事件。興味深く夢中で観劇しました。

東京ストーリー
劇団青年座
駅前劇場(東京都)
2019/10/23 (水) ~ 2019/10/29 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/10/24 (木) 14:00
座席1階
松田正隆の書き下ろし。小劇場で上演するのにぴったりのサイズ感がいい。三人の女性たちの生きざまがある空き家を巡って交錯する。テープを引っ掛け直して次の場面を作り出す、シンプルな演出も心地よかった。
物語は哲学的だ。小ネタにチェーホフなんかが出てくるからではない。年齢差もある三人のストーリーに、なんだかメタファーというか、セリフの後ろにあるものを感じてしまうのだ。
小劇場ならではの不思議な空気感を楽しめた
。

男たちの中で
座・高円寺
座・高円寺1(東京都)
2019/10/18 (金) ~ 2019/10/27 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日19:00
座席1階A列13番
「戦争戯曲3部作」を、座・高円寺で観て、ボイドの他の作品も観たいなあ、と思っていたものの、なかなか上演がない。そして、今回の「男たちの中で」。すぐに飛びつきました。佐藤信、座・高円寺の英断に感謝。かなり、骨っぽい舞台でした。
エドワード・ボンドを「劇作家」ではあnなく「劇詩人」と呼ぶのは、言いえて妙。朗々とした長セリフは、役者の力量の見せ場で、まさに古典劇と言えるような構成。何といっても、役者個々の技量が高いので、3時間を超える舞台も飽きさせることなく、観客をぐいぐいと引っ張っていく。確かに、話にもどかしいところも多く感じるし、登場人物の性格描写も一筋縄でいかないので、あれ?何で?と思うことも多い。ただし、話がわかりづらいとか
、複雑だとか言うことはなかったなあ。
主人公レナードに関しては、取締役会への参加を強く義父に求めると、義父の殺人を思いつき、それに失敗すると、財産の相続権を放棄したと思ったら、ハロルドの手の上で踊らされているように見せたり、義父に裏工作を告発したり、結局、、、、と、まさに精神分裂症かと思わせるハチャメチャぶり。
しかし、その行動も、無料配布されたパンフレットでの解題で、ストーンと腑に落ちた。そうか、シェークスピアのシークエンスなんだ。レナードをハムレットと解釈すると、なんの違和感もなくなった。(こうした解説を載せたパンフを無料で、かつ安いチケット代で配ってくれるのはとてもありがたい。)
千葉哲也の不気味さと、植本純米と下総源太朗の壊れっぷりは見もの。松田慎也も悪くないのだけれど、中盤の超長独白はちょっと間が持てなかった。
全体としては、ストレートなほどのストレートプレイ。堪能させていただきました。

mark(X)infinity:まーくえっくすいんふぃにてぃ
劇団鋼鉄村松
コフレリオ 新宿シアター(東京都)
2019/10/23 (水) ~ 2019/10/27 (日)公演終了

猩獣-shoju- <東京公演>
壱劇屋
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/10/11 (金) ~ 2019/10/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/10/14 (月)
ワードレス、セリフはありませんが、強い息遣いや、死んでしまうのではないか?って心配するほどの呼吸がたくさん溢れています。言葉がない分、刀を振り下ろすときの気合の入った声や、叫び声のような呻き声のようなものに対して観客側もきっちり受け取ろうとするので集中力がすごいです。
技術がある熱い舞台はみていてしばらく後遺症が残るぐらいの衝撃でした。
台風19号への対応の早さ、臨機応変に対応する逞しさ、ツイッター等の情報提供の速さ、等、広報制作側の素晴らしい対応も今回はとてもよかったですね。
あの1時間ちょっとの後、そのままの姿で物販で声を出して売っている姿には感涙です。
とても応援したくなる、みんなに知ってほしくなる劇団です。

mark(X)infinity:まーくえっくすいんふぃにてぃ
劇団鋼鉄村松
コフレリオ 新宿シアター(東京都)
2019/10/23 (水) ~ 2019/10/27 (日)公演終了
満足度★★★★
ベースになった3年前の『mark(X)』は45分ぐらいの中編だったというので、開演前の案内で上演時間2時間と聞いて少々不安も感じたのだが、観終わってみれば「SFパラレル・ディストピア・ラブコメディ」の謳い文句通りの仕上がり。これだけくだらない展開(=誉め言葉です)なのに、話の骨格はしっかりしているので、終盤には妙な感動も。エプシィちゃん、可愛いです。

浅草福の屋大衆劇場と奇妙な住人達1982 改訂版
東京アンテナコンテナ
六行会ホール(東京都)
2019/10/23 (水) ~ 2019/10/27 (日)公演終了
満足度★★★★
面白かった舞台ありがとうございます。
ただ遅刻で入ってくる方も多くて、
もうちょっと観ている方の配慮が必要
かと思います。
そして隣の隣の遅刻者は、荷物ガサガサ
飲み物飲み出すし、靴下脱ぐとか最悪の
観客が居たのが残念

ファーム
フェスティバル/トーキョー実行委員会
あうるすぽっと(東京都)
2019/10/19 (土) ~ 2019/10/20 (日)公演終了
満足度★★★
本年度より統括が変わり(3代目)新たな試みもあるらしいF/Tトーキョー、毎回1、2本観られればラッキーで今年もオープニングの「セノ派」のパフォーマンスは目にとどめたが、気になっていた松井周作「ファーム」韓国人演出バージョンもどうにか観る事ができた。
「ファーム」は私のサンプル初観劇の舞台で、芸劇らしい舞台の使い方と近未来の雰囲気と役者の佇まい、静かな会話の中からじわじわと異形が首をもたげる感じが好感触だった。
が今回の演出はまるで違った(演出家本人も作者の思いとは正反対の方向かも知れないと吐露)。その評価は難しく、字幕を介しての観劇という事もあり身体パフォーマンスに寄ったのかも知れないが、初演を観て期待した者としては、その片鱗だけでも感じたかった所、換骨奪胎というか、初演では「異形」の根底に静かに流れていた愛情・愛着のような気分を、激烈な愛情表現として前面に出してきた。
さて、それが作品の核であるはずの「近未来」の人間のありようを探る試みとしてどうだったかと言えば、クローン技術や遺伝子操作といった生命倫理の問題は吹き飛んでしまい、達者な俳優らの声色・身のこなしの芸を見ることは出来たがより高次な「作品」への貢献として印象づけられる事がなかった。
作り手はこの作品の上に乗っかって「遊んだ」のだろうが、作者が最も注意を割いた部分を(手に余ったのか)省いてしまった、と見えた。
残念ながら自分の感性ではこの舞台の意義を掬いとることができなかった。

終夜
風姿花伝プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2019/09/29 (日) ~ 2019/10/27 (日)公演終了
満足度★★★
ベテランの皆さんの真似をして観劇に。こういうのを面白いと感じるようになれば私も演劇鑑賞人として成長したということになるのだろうが道遠しである。役者の皆さんの素晴らしさは理解できるが他の見どころが分からない。
この長さで途中休憩が2回も入るので意外と苦痛は感じなかった。休憩の時に、さて作者は次はどういう嫌がらせを仕掛けて来るのかと期待するような余裕もあった。これでは観客を甘やかしすぎだ。観客も不快の輪に参加してもらうのが狙いの一つだろうに。
しかしこの奥さん、攻撃は激しいが夫の主張を必ず検討して次の発言に乗せてくる。適切に取り入れたかどうかは別にして良心的だ(笑)。私の場合は奥義「お前が全部悪い」百裂拳で吹き飛ばされた記憶しかない(遠い目)。

『パンパンじゃもの、花じゃもの』
劇団天然ポリエステル
小劇場B1(東京都)
2019/10/17 (木) ~ 2019/10/20 (日)公演終了
女性バージョンを観劇。
今月は初の劇団に見える機会を多く得た。一定水準の俳優を客演に呼べる分母を形成し得た若手集団の一つ、という所。初見でなかった俳優は真島一歌くらい(が観劇中は別の女優と勘違いしていた)。話もさる事ながら俳優に見せ場を作るドラマの趣、つまりは最後は皆良い人、過ちは許され、精一杯生きてるノダ、という。戦後の混乱期はそうしたドラマにはうってつけの背景設定で、女優冥利を体感するに外れなしと言われる役=娼婦たちの話(男優ならば兵士なのだそう)。
話はと言えば、自己犠牲の美学で批判精神の脆弱さを糊塗するお決まりの構図で、土地の権力者の横暴も「俺はお前に本当に惚れていたんだぁっ」の一言で免罪される心地悪さは、無論これを現実に置き換えればの話。芝居のほうはテンポよく俳優も見せ場でそれぞれの魅力を存分にアピール。生い話ではあるが伏線が思わぬ展開で回収な場面もあり、健気な女性たちの残像もあり、無為な時間を過ごすよりは幾らか良いと思えるちょっとした料理。

ナイゲン 暴力団版
日本のラジオ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2019/10/23 (水) ~ 2019/10/28 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/10/23 (水) 20:00
95分。休憩なし。
この話、基本はコメディ、と受け取った。くすくす笑い、爆笑、その他笑いが絶えない。そんな中。お話に対して。感動とか、涙とか、そういう類の感情は、私に限っていうと全くなかったのだけれども。・・・正にヤクザ達の真剣勝負の会議に居合わせさせてもらった、という感じ。その真剣具合というのか、演劇としての完成度はものすごく高く。「ナイゲン」という枠を借りた、真剣勝負の会議の中にいた感覚で、我を忘れる芝居だった。