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共演者

共演者

2223project

小劇場 楽園(東京都)

2020/01/09 (木) ~ 2020/01/15 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/01/13 (月) 14:00

「想像を超えた」大傑作会話劇。
ありのままの人間の醜くも温かい姿がここにある。
以下、ネタバレBOXにて。

ネタバレBOX

観劇のきっかけはフライヤー。
めちゃくちゃカッコいいな、と思ってよくよく見たら、『なるべく叶える』展の
保坂萌さん撮影でした。納得。

楽屋での会話で進行していく物語。
メインである4人の女性の会話は赤裸々で生々しい。
この脚本は絶対に女性が書いたなと思ったんだけど、男性が書いていたので心底驚いた。
うーん、すごいな。

そんな生々しさに、役者さんの熱演が乗ってくるから、もう、とにかく圧力が凄まじい。
二列目という事もあったし、劇場の構造上、舞台が近いという要素はあったにせよ、
あの迫力は、私がこれまでにみた演劇の中では最大級の迫力だった。
シーンによっては、正直、ちょっと怖かったりもしたくらいだ。

この作品で、私がすごく良いなと思ったのは、女性の言葉遣い。
「~だわ」
「~かしら」
「~よね」
という、よく見かける「ザ・女性口調」とでも言うものが一切なかったこと。
私は40年以上生きているけれど、創作ではよく聞くこの口調を、リアルで話す人間を
片手で十分数えられるぐらいしか知らない。
だから、演劇でも何でも、女性がこういう口調で話すたびに、何となく違和感を
感じてしまうんだけど、本作ではそういう違和感が一切なかった。
少なくとも、私にとっては、没入感を高めてくれた大きな要素の一つである。
私の周りは、劇中のような口調で話す女性ばかりなので、非常に入り込みやすかった。
女子同士の会話って、実際あんな感じだもん。

本作を振り返ってみて感じるのは「ありのままの人間の姿」を見たなぁという事。
高校の同級生4人が旗揚げした劇団。
会話の内容からすると10年以上の付き合いになるんだろうけれど、じゃあ、4人は
仲が良いのかと言われれば、それはまたちょっと違う。
ショウはやっちゃんの演技力に、そしてやっちゃんはショウの女としての強かさに
それぞれ嫉妬の感情を持っている。

この微妙な距離感がものすごくリアル。
やっちゃんがやったことはもちろん許されることではないんだけれど、その気持ちというか
衝動というものは、分からないでもない。

一方でショウは女を武器に出来る強かさを持っているのは確かだけど、その実、一途
な面もあり、損な立ち位置だなという気も。
何だかんだで、この同期4人で芝居をしたいと一番強く思っているのは、ショウなのかな
という気もする。

自分の演技がやっちゃんに及ばないことは、ショウ自身がよく知っているのだと思う。
降板するときの、彼女の
「芝居うまかったらよかったかね」
というセリフはどうにも切ない。

追いつきたいのに追いつけない。
追いつくための努力を認めてもらえない、分かってもらえない。

力はあるのに、客を呼べない。
力はないのに、客を呼べてしまう女との共演。

お互いのストレスが膨れ上がって、ついには弾ける終盤の二人の対峙は、率直に言って
怖かったし、震えた。

ただ、この楽屋で4人がそれぞれの思いを、文字通りぶちまけて、ぶつかり合うこのシーンは
私にとっては、生涯、忘れられないくらいの名シーン。
ショウとやっちゃんの対決も見どころだけれど、そこに割って入るコングがすごく良かった。
暴力的ではあるけれど、彼女の言うことは間違いなく正論だし、説得力もある。

そして最終的にまとめ上げるまなみの姿はもう涙なしでは観られなかったし、さすがは主宰と
いうべきなのか、そのまとめ方も実にお見事。
コングの
「こいつ、すげぇな」
という言葉は、彼女のみならず、私を含めた観客も同じ思いではなかったか。

「想像を超えたい」
っていうまなみの言葉は、ちょっと、ハッとさせられたな。
彼女たちの魂の叫び、胸にしっかりと刻まれた。

・・・が。

この場面に限ったことではないんだけど、本作のすごいなと思うところは、そう簡単には
ハッピーエンドにさせないこと。

楽屋に二人きりになった時、ショウはやっちゃんに、自分の夫が、ピッピであることを告げる。
3年という時と、それ以上のものを奪われたショウの復讐。
そりゃ、そうだろう。ショウの気持ちを思えば、いくらコングやまなみの言葉や思いがあったとて、
そう簡単に納得できるものではない。
それをこういう形で、復讐の思いを遂げさせたことは、ある意味、書き手の優しさであるようにも
感じる。

もしも、このくだりがなく、次のシーンに移ったとしても、それはそれでキレイだし、成立もする。
「ショウは大人だね」と観客もまぁ、納得はできるだろう。
けれど、私としては、ショウがああいう形で復讐を遂げることで、むしろスッキリしたし、納得した。
そんなに人間、キレイなものでも、大人になりきれるものでもない。

やっちゃんにとっても、やられた!という思いはあれど、自身に対する負い目は軽くなったのでは
ないか。
すごく人間味がある、それでいて、スパイスを聞かせた脚本だなと思う。
この時のやっちゃんの、
「芝居だけは渡さない」
っていうセリフが、また良いんだなー。

そして最後のシーン。
ここの展開も実にお見事。素晴らしかった。
ピッピを共通の敵にすることで演出した、ショウとやっちゃんの一体感。
私、この場面で、すごく好きだったのが、まなみがPCを持ってトイレにこもった時の、二人の
静かなやり取り。
周りが脚本の完成を危ぶむ中、まなみの様子を見て、
「いけそう」
「いけそうね」
と脚本の完成を確信する。
これは痺れた。
水と油の二人だけれど、お互い、どこかで信頼し合っている部分がある。
そういう部分を垣間見せる、この演出、ホントに素敵だと思った。

まぁ、とにもかくにも。

これほどまでに「生きた人間」を描いた作品にはそうそうお目にかかれるものではない。
何よりもすごいなと思うのは「胸糞悪い」と言っても過言ではない、人間の醜悪な感情の渦を、
何ら飾りを加えることなく、心温まる物語にしてしまったその手腕。

そしてその素晴らしい脚本を、役者の皆様が完璧以上に舞台の上に展開させたと思う。
特に女性陣は、感情をむき出しにするシーンが多く、その辺りの表現の圧力は冒頭でも触れたように
本当に凄まじかった。
「熱演」というのはまさにこういうのを言うんだろうな。

対して男性陣は三者三様のスタイルで、女性陣ほど、激昂するシーンはないんだけれど、ぴっぴの
真っ直ぐなバカっぽさ(笑)、かーくんのどこまでも深い優しさ、都倉のビジネスマンらしいカリカリ
した感じが、目まぐるしいストーリー進行の中で、良いアクセント、あるいは休符になっていたように
感じる。

さて、私は劇団関係者ではないので、この物語が、どの程度、小劇場の舞台裏をリアルに再現した
ものなのかは、分からないけれど、演劇が出来るまでの過程を知るという上では、興味深い部分も
あったし、勉強になりました。

いやー、しかし、ホント素晴らしいものを見せて頂いてしまった。
映像化されたら絶対に買う。
色々な意味で「ザ・小劇場演劇」だった気がする。
正直、感じたことの半分も伝えられていないのがすごく悔しい。
でも、それだけ、言葉に出来ないくらいの魅力が詰まった作品でした。

役者の皆様、劇団関係者の皆様、最高の舞台を本当にありがとうございました!
マジで最高!大好きです!!
歌劇「紅天女」 新作初演

歌劇「紅天女」 新作初演

財団法人日本オペラ振興会 藤原歌劇団/日本オペラ協会

Bunkamuraオーチャードホール(東京都)

2020/01/11 (土) ~ 2020/01/15 (水)公演終了

満足度★★★★★

スーパーオペラ ガラスの仮面より 歌劇「紅天女」

超良かった!

一言で言うなら

「マンガから日本の新しい古典オペラとなる作品が生まれてしまった!その瞬間を目撃してしまった!」

って所ですかね。

まあ原作読んでる&個人的に20年の時を超えて結末が見れた補正もあると思うけどね笑

美内すずえ先生も見れました^^

ストリッパー物語

ストリッパー物語

URAZARU

オメガ東京(東京都)

2020/01/15 (水) ~ 2020/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

青組を観ました。悲しさと切なさとそして暖かさのあふれる2時間でした。つかさんの思いの詰まった作品を役者さん全力で演じ素晴らしい舞台でした。

12のユーモレスク

12のユーモレスク

AI・HALL

AI・HALL(兵庫県)

2020/01/11 (土) ~ 2020/01/12 (日)公演終了

満足度★★★★

良かった。みんなこうして戯曲家になるんだなーと改めて思いました。

『COME!!』

『COME!!』

ねくすぽすと

シアターブラッツ(東京都)

2017/03/08 (水) ~ 2017/03/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

最高に素敵な、夢いっぱいの作品でした。

とある移動型のサーカス団のお話。
そのサーカス団が移動する中で生まれる人と人との交流と、
表面には出ていない人間(親子)関係などが切なさもあり…

でも、そんな切ない感情も全部含めて「サーカスで笑顔にしたい」という
並々ならぬ強い想いで乗り越えようとする物語はグッと引き込まれました。
出てくるピエロ達(子供達)もとってもキュートで惹かれました。

個人的に「舞台が終わったら物語が終わる」だけでなく、
「舞台が終わっても作品が続いているかも知れない」という作品が好きで、
このCOME!!に関しても「今頃彼らはまた別の町でサーカスを続けているかな?」
「元気にしているかな?」「またいつか会えるかな?」と今でも思ってしまうくらい、
この作品は自分の空想の中でも続いている作品です。

音楽も魅力溢れる作品が多く、とてもとても好きな作品でした。
またいつか、彼らに会えたら良いなと願っています。

本当に素敵で、大好きな作品でした。

野畑の飼ってた宇宙人

野畑の飼ってた宇宙人

VACAR ENTERTAINMENT

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2017/10/25 (水) ~ 2017/10/29 (日)公演終了

満足度★★★★

逆班を先に観てからの上演で、印象が引っ張られるかと思いましたが、
男女が全て逆転しており、印象も全く違い、別作品として楽しめました。

特にこちら側の班の方が女性陣がハッちゃけており、
8.6秒バズーカさんもいたからか笑いのテンポが良かった印象でした。
ただし8.6秒バズーカさんに関しては逆の事も言えてしまい、
お芝居のレベルとしては逆班の方が高かった印象があります。

いずれにせよ、どちらの班も頭を空っぽにして笑えるドタバタ・コメディで、
とても楽しい時間を過ごす事が出来た作品でした。

野畑の飼ってた宇宙人

野畑の飼ってた宇宙人

VACAR ENTERTAINMENT

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/22 (日)公演終了

満足度★★★★

ツボがたくさんで、なんかもうずっと笑ってました。

宇宙人役の若林倫香さんが絶妙なキュートさで、
バインバイン跳ねていたのとか、表情の多彩さとか、目が離せませんでした。

主演の伊勢さんも面白く会場も大いに盛り上がっており、
頭を空っぽにして楽しめるザ・コメディで楽しい時間でした。

As Long As〜

As Long As〜

ShiMeJi

RAFT(東京都)

2019/03/28 (木) ~ 2019/03/31 (日)公演終了

満足度★★

5人芝居…なのに本番3日前に1人が降板しての上演(ひょえぇ…)
5人のセリフを4人に振り分けるという苦肉の策で、
更に役者さん達も開き直ってハッちゃけて暴れてくれていたのが救いでした。

結城美優さんによる冒頭の10分程度のモノローグ(独白シーン)から、
全編に渡って本当に頑張って作品を成り立たせていました。

出ていた役者さん達とスタッフさんには大きな拍手を送りたいです。
ただしやはり作品の評価としては厳しかったのは事実です。

君の言った”またね”を僕は1年待っている

君の言った”またね”を僕は1年待っている

感情7号線

APOCシアター(東京都)

2018/06/30 (土) ~ 2018/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

凄く好きな作品でした。
甘酸っぱく青春で、瑞々しく素直で真っすぐで。

狭い劇場で限られた動きの中でも窮屈さを感じる事無く走り回り、
それぞれの感情を丁寧に描いており、ドキドキさせられました。
セリフが折り重なるシーンや、感情が交差するシーンなど、
また時間軸が繰り返されるシーンなどの描き方や演出が見事でした。

完成度も非常に高く、作り手達の想いがしっかりと作品に乗っている様に感じました。
観劇後に清々しい気持ちになる事が出来た、素敵な作品でした。

『誓いますか?と聞かれても』

『誓いますか?と聞かれても』

ACT

アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

2017/03/29 (水) ~ 2017/04/02 (日)公演終了

満足度★★★

若い役者陣、若い制作陣による瑞々しい公演でした。
未完成であるが故の勢いと輝きが眩しい作品でした。

個人的には彼が17歳から知っている西本銀二郎くんの結婚式シーンを観る事が出来て、
何だか少し頼もしく感じた次第でした。

これから、これから。

伯父の魔法使い

伯父の魔法使い

TOMOIKEプロデュース

本多劇場(東京都)

2020/01/10 (金) ~ 2020/01/13 (月)公演終了

満足度★★★

「大衆(万人)にウケる作品を作るのって難しいんだな」と改めて思った作品。

楽しめる場面も多く、飽きる事無く作品を観る事が出来たが、
どの年齢層をターゲットにしているのか…?
少なくとも自分の世代のドストライクでは無いなと感じながらの観劇になった。

主演が赤井英和さんだったのもあって、少し上の層を狙った作品だったのかも知れないが、
物語として大きな山場というのがそこまで見当たらず、穏やかな作品であった。

死神役の安田聖愛さんは凛としていて、赤いスカートも似合ってて目にも鮮烈で、
とても良い役回りをされていた印象だった。
もうお一人、重要な役割を担っていた白石隼也さんのちょっとした言動に、
客席の若い女性陣が反応してたので、そちらのファンも楽しめた作品だったのかも知れない。

初日だった事もあるのか、どことなくフワフワとした危うさを感じた。
特に赤井英和さんはエセ関西弁か?と思うほど(確か関西の方だったと認識しているが)
セリフと役がまだ身体に馴染んでいなかったのか聞き取り辛く聞いていてソワソワしてしまった。

その後のツイッターなどでの評判を観ていると、良い意見が多く、
期間中にドンドン良くなっていったのであろう事が分かったので、
きっと上演自体は成功されたのだろうと推察している。

会社の人事

会社の人事

一般社団法人横浜若葉町計画

WAKABACHO WHARF 若葉町ウォーフ(神奈川県)

2020/01/12 (日) ~ 2020/01/20 (月)公演終了

満足度★★★★

通りに面し時折エンジン音が間近に通過する会場だが、「演劇」の魅力的な発生地である事をまた一つ実証したと満悦至極(単なる好みという話も..)。昨今痛感する事は、演劇も芸術もゼロベースで、白紙の心で鑑賞してこそ深く飲み込めるもので、期待(想定)に応える力量を持った出し物も良いが、芸術の価値という事を考えるに、観る者を裏切ってナンボでないか、と。若葉町ウォーフで観たパフォーマンスは既に多分10を数えるが全て、鑑賞前にゼロ地点に観客を連れて行く空気がある、と感じる。
さてお芝居。ユニークな作品だ。30年前に書かれた戯曲だという。ただし「平成の30年」という台詞もあり、今回のために書き改めたらしい。三人の会社員が物語の主たる構成員で、皆おっさん。他の三人は、超越的存在もしくはおっさんらを近未来から眺める存在(皆若者)。「会社」で起きている具体的な事象はうまく掴めなかったが、不思議な味のある台詞が劇空間に浮遊して心地よいものがある。
30年前すなわち1989年ベルリンの壁崩壊から雪崩打っての1990年冷戦終結。言及される地下鉄サリンと阪神淡路大震災は、その5年後だ(今回の加筆という事になるが隔世の感が半端ない)。
歴史を俯瞰した心象風景を刻み付けようとする言葉は根源的な「何故」の問いであり、人を共通の土俵に立たせる。私の好みである。予め答えが決まった問いが純粋な問いとして発せられる道理はない。利害を離れた問いの多くは人を解(真理)に向かわせ、競いつつも協力していく光景を生み出す。学生の頃は見慣れていたはずなのに、人生でそういう瞬間にあと何度巡り合える事だろうか。

ネタバレBOX

全く本題を外れるが、投票し損ねた2019年ベスト10公演をこの場を借りて。

1位 文学座「スリーウィンターズ」
2位 こんにゃく座「野物語」
3位 ひとみ座「どろろ」
4位 ドガドガプラス「肉体だもん・改」
5位 ファーミ・ファジール&山下残「GE14 マレーシア選挙」
6位 SPAC「RITA&RICO「セチュアンの善人」より」
7位 岡崎藝術座「バルパライソの長い坂をくだる話」
8位 桟敷童子「獣唄」
9位 KAKUTA「らぶゆ」
10位 ラッパ屋「2.8次元」

その他捨てるに忍びなかった作品群。
・うりんこ「わたしとわたし ぼくとぼく」
・演劇アンサンブル「クラカチット」
・bunkamura「唐版 風の又三郎」
・風姿花伝「終夜」
・鳥公園「終わりにする、一人と一人が丘」
・新国立劇場「オレステイア」
・新国立研修所「るつぼ」
・文化座「アニマの海」
・bunkamura「キレイ」
・第27班「潜狂」
歌劇「紅天女」 新作初演

歌劇「紅天女」 新作初演

財団法人日本オペラ振興会 藤原歌劇団/日本オペラ協会

Bunkamuraオーチャードホール(東京都)

2020/01/11 (土) ~ 2020/01/15 (水)公演終了

満足度★★★★★

「阿古夜×紅天女=笠松はる、仏師一真=海道弘昭」の回を観劇

美内みすずの未完の大作「ガラスの仮面」の架空の劇中劇「紅天女」の能に続くオペラによる実現である。「紅天女」は独立した物語であって月影もマヤも亜弓も一切出てこない。「ガラスの仮面」なんて知らないよ、という方でも鑑賞に当たって全く問題はない。

オペラと聞くと構えてしまいそうだが、本作はゆったりと穏やかなもので旋律も馴染みやすく“オペラとミュージカルって何が違うの?”と悩んでしまうくらい普通に楽しめる。そして歌の発声の素晴らしさに感嘆することだろう。どの音も完全にコントロールされていて、ミュージカルではしばしば感じる中途半端な音がまったくない。ここは確かに違う。こういう方々による「ウエストサイドストーリー」も観たいものだ。

時代は室町時代の初め、いわゆる南北朝のころである。二つの朝廷の対立から始まって世は乱れ、人々の生活は明日をも知れないものであった。これを鎮めようと帝は仏師一真に仏像の製作を依頼する。一真はお告げにあった千年の梅の木を探すうちに谷に転落して土地の娘の阿古夜に助けられる。二人は恋に落ちるが、実は阿古夜はその梅の木の精霊であり、仏像の製作は彼女の死を意味するのであった…。物語は二つの朝廷、神と仏、陰と陽、男と女など二項対立を基盤のテーマとして進んで行く。

マンガでは月影の一人芝居だったが、本作は数十人のキャストが登場し、20分の休憩2回を挟んで4時間近くの大作である。衣装も舞台装置もしっかりと作られていて美しい。もちろんオーケストラは完璧である。とくに笛の音が場内の空気を制圧するように響き渡るのが印象的であった。

唯一の難点は、進行のテンポが遅いことである。こちらに次の展開を予想する余裕を与えすぎているために退屈するのである(分かる人には分かるといったポイントがてんこ盛りなのかもしれないが)。ゆったりとして安定した歌声も人によっては単調と感じるかもしれない。そういうわけで、せっかちでないミュージカルファン限定で超お勧めである。

後日追記:退屈したのは暗転が多かったせいもある。場面を削って80分+20分休憩+80分くらいにして欲しい。

「朝日のような夕日をつれて」

「朝日のような夕日をつれて」

株式会社STAGE COMPANY

本所松坂亭(東京都)

2020/01/14 (火) ~ 2020/01/19 (日)公演終了

面白かったです。この演目は理解はできないですが共感できるところがありました。前回よりも一層複雑に、くどくなっている気はしましたが。

スノー・ドロップ

スノー・ドロップ

感情7号線

劇場HOPE(東京都)

2020/01/11 (土) ~ 2020/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

カンナナさんの久しぶりに甘酸っぱいキュンとする舞台をみました。旗揚げ公演から何回か観てますが、今回はなかなか難しいストーリーで新しい試みもあって、全力で集中しないと取り残されそうな作品ですね。でもそこが気持ちいい、とても好きな作品でしたね!

阿弥陀羅一族の末裔 眠れるシティボーイ

阿弥陀羅一族の末裔 眠れるシティボーイ

とがったぴーなつ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/01/10 (金) ~ 2020/01/13 (月)公演終了

満足度★★★★

若さがあって良かったです。

ネタバレBOX

蜘蛛に呪われた一族の末裔でテレビ局でADをやっている青年が、覇権を狙う別の末裔一派と闘う話。

虫メガネか鏡か、あれは何に効くのでしょうか。
朝日のような夕日をつれて【STAGE COMPANY】

朝日のような夕日をつれて【STAGE COMPANY】

株式会社STAGE COMPANY

本所松坂亭(東京都)

2018/11/06 (火) ~ 2018/11/11 (日)公演終了

満足度★★★

とってもおもしろかった。アイデア豊富で熱演ですばらしかった。

寓話のゴーグル

寓話のゴーグル

Pave the Way

劇場MOMO(東京都)

2020/01/13 (月) ~ 2020/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★

TeamBを拝見。

誰もがよく知っている寓話の中に次々と入っていく悩める若者達。
主役じゃなくそっちかっ!だったり、見知った物語と彼らが抱える現実とがないまぜになったりで、なるほど~ニンマリ笑わせてくれるコメディーですね、と思いきや…
その先(奥)に、また一味違う熱量を持った、ホントウの物語が待ち受けていたのですね。

何というか、若い人達が運営する結婚式にお呼ばれした様な、一青窈のハナミズキが似合う 色々あっても幸せになってね感と、ちょっとくすぐったくもある友愛の連帯感を感じました。
内容形態がそうというわけでなく湧きあがってくる感情として。

雉はじめて鳴く

雉はじめて鳴く

劇団俳優座

俳優座劇場(東京都)

2020/01/10 (金) ~ 2020/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★

学園ものである。どこにでもありそうな高校の青春物語なのに、現代社会の辛いところをシャープに織り込んで、見事な現代人間ドラマになっている。さすが、横山拓也!
昨年の秀作「熱い胸さわぎ」のカップリングとでもいうべき作品で。同じく母子家庭の母子が主人公になっている。こちらは子供が男の子、あちらはひと夏の物語、こちらは冬。家族、親子がすべての人間の避けられない根源的人間関係だということを作者がよく心得ている。
ぎりぎりの暮らしの母子家庭の高校二年生男子の冬物語。体をすり減らして働く母(清水直子)を重荷に感じて、サッカーの部活と、担任の年上の女教師(若井なおみ)に避難所を求めているケン(深堀啓太郎)。母との殺伐とした日常関係と、もう二年間も、祖母の介護のためといって国へ帰ってしまった父の不在で心理的に追い詰められているケンを、担任の女教師は話し相手になり求めに応じてハグしてやる。そういう、人間同士の肉体的接触の多義的な意味あいもこの作者は巧みに取り込んでいる。「あつい胸騒ぎでは「乳房」、こちらは「父」。その「ハグ」が学内で問題になる。
物語は高校に派遣されてきた新任のスクールカウンセラー(保亜美)を通して分かりやすく展開し、ケンの家出、失踪へと広がっていく。
感想1。新劇団が、小劇場のめぼしい作家に作品を委嘱するのは、ここ数年の趨勢で、文学座、青年座、民藝はもとより、銅鑼とか青年劇場とか、以前から戯曲主導でやってきた劇団はどこでも同じことをやっている。それぞれの文芸制作部の力がなくなってしまって、窮余の策だろうが、作品的にはあまり成功例がない中で、この作品はかなりうまくいっている。よくある、劇団側も作者の側もお互い帳尻を合わせました、という発注作品的安易さがない。深みのある出来のいい現代青春ものになっている。見ていても気持ちがいい。
感想2。さすが俳優座で演技がモダンで鋭い。脇がもたもたしていない。母親の清水直子の無駄のない人物造形。学校の校長(山下裕子)と教頭(河内浩)もウけ芝居をやりたくなるところを見ごとに抑えてリアリティを担保する。たいしたものだが、ここでも、熱い胸騒ぎのiakuと俳優座の違いがくっきりと出ている。どちらがいいというレベルではなく、二つの提示が舞台にある。面白い。
それにしても、ブレヒトと田中千禾夫、千田是也の俳優座も変貌するものである。しかし、時代とともに歩まざるを得ない演劇では変貌を畏れてはいけないだろう。
感想3。平日の昼公演、客席は三割がた空いていた、若い客も少ない。Iaku公演なら満席である。客席数が違うというかもしれないが、アゴラで見るより、最初から演劇劇場として作られた六本木の真ん中の俳優座の方が客にとってはいいに決まっている。そこで僅か10公演でも客が埋まらない(アゴラの手打ちは15公演全席完売である)というのは、やはり、経営部がよく考えなければならないだろう。つまらないことを言うようだが、せめて、当日客席パンフで、配役くらいは知らせるべきだろう。俳優座なら役者は誰でも知っている、配役表など無駄だと思うところがダメなのである。

ネタバレBOX

思いがけない最終場面でのどんでん返しがあるが、これは見事である。青春は一時の激情、だからこそ貴い、という青春物語のくくりがここではっきり見えてくる。
FORTUNE(フォーチュン)【北九州公演中止(2月28日~3月1日)】

FORTUNE(フォーチュン)【北九州公演中止(2月28日~3月1日)】

パルコ・プロデュース

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2020/01/13 (月) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

100分、休憩20分、60分。限りある命、誰にも平等に過ぎる時間、予測不可能な未来という人間に与えられた恵み、そして罪と罰について。物語「ファウスト」が示すものがやっと腑に落ちた気がする(きっとまだわかってないけど)。美術、演出が凄い。鮮烈、奇抜に見えてアナログで王道。劇場の異化効果も踏まえ虚空、宇宙、脳内に飛ぶ。出演者は根岸季衣さんが素晴らしかった。

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