青色文庫‐其五、夜長月の童話集‐
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2024/09/11 (水) ~ 2024/09/16 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/09/11 (水) 19:00
【プログラムB】月と花のある風景、三篇」
プログラムAが女性4人による上演だったのに対しこちらは藤川さんが加わったことで印象が異なる。喩えて言えばAの弦楽四重奏に対してBは管楽器と弦カルによる協奏曲、的な。
どちらかと言えばビターエンドな2編の後に軟着陸する1編という構成に胸を撫で下ろす。そして1編目「野ばら」の警告が胸に沁みる。アフタートークでかつて教科書に掲載されていた本作がなくなったとの話を聞き政治的圧力?と邪推。
第38回公演『バロウ~迷宮鉄道編~』
激団リジョロ
すみだパークシアター倉(東京都)
2024/09/27 (金) ~ 2024/09/30 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
創団25周年記念公演、面白い。
観劇した日は、上演中の写真撮影OK。
迷宮の世界観といった内容…それが幻想・妄想はたまた悪夢なのか、理屈や細部に拘って観ると混乱しかねない。説明には、悪夢を見るために眠り続ける姉、細胞に潜む悪夢と不条理犯罪を研究する学者、謎の連続放火事件、そして時を遡って17世紀の島原の乱へ、情景と状況が次々と変転し同じ場所(空間)に止まらない。
混沌とした迷宮物語、それは坑道・軌道によって昏い穴倉へ誘われるような感覚だ。勿論 舞台美術はタイトル「バロウ:BURROW=穴・隠れ家)を表すような怪しさ、登場人物も奇異な出で立ちで外見的にも観(魅)せる。照明や音楽・音響といった技術は効果的で、物語の雰囲気を見事に漂わせていた。 観応え十分。
(上演時間2時間20分 休憩なし) 追記予定
VOGUES
good morning N°5
ザ・スズナリ(東京都)
2024/09/27 (金) ~ 2024/10/07 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/09/30 (月) 14:00
座席1階
これで2回目のgood morning N5だ。今作は絶望のふちに立たされても立ち直っていくぞ、というような感じの舞台だが、物語はあまり重要ではない。その場面場面でいかに客席を引きつけるかという熱量が最大の見どころだ。
いつも通り、観劇中の飲食、多少のおしゃべり、携帯電話の操作、劇場への出入りなどは自由。小学生以下は無料で、子ども連れの人もいた。また、2万円のVIPシートが一般客席より舞台に近い高台に設けられており、専用のコンシェルジュが何でもご用聞きをしてくれる。今日は女性2人が座っていた。
舞台も客席も真っ白なシートで覆われ、独特の雰囲気だ。開演前は主宰の澤田育子の強烈トークで思いっきり引っ張る。強烈なダンスで幕を開けると、終幕まで1時間半、誰ひとりお隣としゃべっている人はいない。視線を舞台にくぎ付けにする仕掛けが次々に登場するからだ。
毎回、VIPの席が売れるとは限らないと思うからこれは売れた時だけの演出かもしれないが、イマージョン、すなわち舞台への没入体験をVIPはすることができる。今日の女性2人はイマージョンで舞台に上がってもおじけづくことなく立派に役目を果たしていた。これこそイマージョンだ。
今回は、役者たちのコスチュームがドキドキである。また、冒頭のダンスの中では秀逸な演出もある。思わず見とれてしまった。
これほどまでに客席を楽しませようという熱量を持った集団はなかなか珍しい。異次元の演劇体験をしたい人はお勧めの舞台だ。
疾走
う潮
スタジオ空洞(東京都)
2024/09/27 (金) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
これは期待以上の自分好みの作品でした。確かにトラウマが疼くような感覚ですね。ディテールに多少疑問がありますが、納得のいく展開で、ラストもよかった。些細なことですが、ギターやベースが実物だと重くて振り回せないのかな?
The Human Condition
人間の条件
テルプシコール(TERPSICHORE)(東京都)
2024/09/25 (水) ~ 2024/09/30 (月)公演終了
実演鑑賞
語られないセリフをどう理解するかでこの舞台の捉え方は全く違ったものになるのでしょうが、それは作者の意図ととはどうなんでしょうね。
江川蘭子の数奇な運命
犬儒派リーディングアクト
アトリエ三軒茶屋(東京都)
2024/09/27 (金) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
犬儒派(キュニコス派)とは古代ギリシャ哲学で「野良犬のように自然に与えられたものだけであるがままに生きていく」心の持ちようのこと。
6人の作家によるリレー探偵小説『江川蘭子』の第一回の江戸川乱歩執筆部分、同じく乱歩の短編『踊る一寸法師』、オスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』。この3作品を同時進行で語っていく。
行動主義心理学を生み出したジョン・ブローダス・ワトソンの学説を引用し、生後数ヶ月の環境によって人間の行動と心理の因果関係が決定されると語る乱歩。「支持の滅失」という独特な言葉が繰り返される。安全な安定した状態から危険な不安定な状態に不意に落とされる恐怖感を「支持の滅失」と呼んでいるようだ。
①江川蘭子は特異な環境で育ち、「支持の滅失」に悦楽を感じるある種の変態。死への恐怖にこそ魅せられる化物。才色兼備、運動能力にも長けた美少女が家出し、曲馬団(サーカス団)で空中ブランコ乗りになる。
②曲馬団の緑(ろく)さんは一寸法師(小人症)の道化役だった。いつも団員の玩具にされて虐められている。美人玉乗りのお花に惚れているがお花の方はからかって嘲っている。公演後の酒席の宴で余興として隠し芸大会が始まる。緑さんとお玉は美人獄門の大魔術を披露することに。
③ユダヤの王の義理の娘サロメは井戸に幽閉されている預言者ヨカナーンに恋をする。彼に拒まれたサロメはどんな手を使っても口づけをすると誓う。
壇上に4つの椅子。左端の天才ナカムラスペシャル氏は植本純米氏っぽかった。真ん中2つの椅子、橋本樹里さん、松葉麻里花さん、愛弓(あゆみ)さんはシーンによって入れ替わる。右端の宇鉄菊三氏は岸田森や内田裕也系の顔で声が独特、声優向き。
口周りに血が付いたり、「首」と書かれた紙に赤い糸で血痕が垂れていたり、赤い紙を血飛沫として撒いたりの演出。
オープニングのSEが布袋寅泰の『CIRCUS』。この曲のイントロの元ネタはボニーMの『怪僧ラスプーチン』だろう。ちなみに林あさ美の『ジパング』はモロの替え歌。
白魔来るーハクマキタルー
ラビット番長
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2024/09/26 (木) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
三毛別羆事件をモチーフにした作品、予告通りのグロテスクがありました。いつものラビット番長とは違うテイストですが、ガツンときましたね。
第38回公演『バロウ~迷宮鉄道編~』
激団リジョロ
すみだパークシアター倉(東京都)
2024/09/27 (金) ~ 2024/09/30 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
昭和レトロなアングラ風舞台、スケールの大きな話で、詳細がよく分からないところもありますが、ガツンときましたね。
庭の見える部屋と四つの物語
庭の見える部屋と四つの物語 製作委員会
東京文化会館 小ホール(東京都)
2024/09/29 (日) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「夏」「秋」の回を観劇。シニカルでビターでちょっとエロくてしっとりとした朗読劇、まったりと楽しめました。ラストのミニコンサートもいいですね。
庭の見える部屋と四つの物語
庭の見える部屋と四つの物語 製作委員会
東京文化会館 小ホール(東京都)
2024/09/29 (日) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
「秋」「冬」を観ました。シニカルでビターなお話で、素敵な部屋なのにあまり幸せにはなれそうもない気がしました。
アフターコンサートは皆さんそれぞれに素晴らしく、楽しかったです。
しかし、このホールの特性なのか、アフターコンサート用の音響なのか、朗読の声がやたら響くというかエコーがかかったようになって聞き取りにくかったのでした。終演後に劇友さんを見つけたので聞いてみたら、彼は反響は気にならなかったけれど音量が小さくて聞き難かったと言っていました。残念です。
à deux
うにくらげ
宗清寺(東京都)
2024/09/27 (金) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/09/29 (日) 18:00
女優2人のユニットの2作目。テイストの違った短編を2作上演して、興味深い舞台になっていた。(5分押し)34分(10分休み、席移動6分)28分。
『in and out』は鵺的の高木登の作。レズビアンカップルの一方が親の介護をしなくてはならなくなりカムアウトするが…、の物語。ヒリヒリするテキストと「音」の演出が効いてる。
『寄る辺の2人』はチタキヨの米内山陽子の作。兄弟とそれぞれ結婚した嫁同士が、1周忌を機に初めて腹を割って話をするが…、の物語。ホッとする展開で笑いも多く、最後はちょっと切なく終わる。
演出の福永マリカのアイデアも光る。
刑事大打撃 ラバーズラビリンス
株式会社オペラハウス
荒野座 文芸センター(東京都)
2024/09/27 (金) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
白魔来るーハクマキタルー
ラビット番長
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2024/09/26 (木) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
あらかじめホラー、スプラッター要素アリってアナウンスあったので、それなりに覚悟して行ったのですが、それでも凄惨な描写に息を飲む壮絶さでした。
自分は、メルヴィルの白鯨を思い出したりしたんですが。
生と死、善性って何だろ?、正気と狂気。
ただ、怖いだけじゃなくて、色んなこと考えられる深みもあると思います。
凄い芝居だった。
リバースヒストリカ
sitcomLab
ザ・ポケット(東京都)
2024/07/09 (火) ~ 2024/07/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
この演目も何度となく観てるんですが、この公演も面白かったです。
おまけのスペシャルカーテンコールが、ガチに格好よくて、おおって思いました。
『CREATIVE DIRECTOR』
アカルプロジェクト
アカルスタジオ(大阪府)
2024/09/28 (土) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
ロックンロールは死なないが君は死ぬ
(劇)ヤリナゲ
SCOOL(東京都)
2024/09/20 (金) ~ 2024/09/22 (日)公演終了
実演鑑賞
自分はやっぱり一人芝居は、その役者目当てで行くものでして。
その立ち位置でみると、センターに置かれたボックスから顔だけ覗かせて2時間やるってのは、いくらなんでも……でした。
このノベルゲームのような演出を全編で主体的にやるって判断は、わからない。
一部とか、もう少しわき役として持ってくるなら兎も角。
いっそ、演劇じゃなくてスマホのアプリゲームとして作ったほうが良かったのではって思いました。
一人の女性の死まで描いた脚本はなかなかで、(顔だけとは言え)演者さんの熱演は素晴らしかっただけに残念だった。
7周年記念公演
即興・インプロライブ『FIVE CRANEGAME』
イカロスの森(兵庫県)
2024/09/28 (土) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
演劇キャノンボール
自由バンド
怪獣シアター(兵庫県)
2024/09/28 (土) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
満足度★★★★
若い力(若くない団体もあったが)炸裂という感じ とても面白いし、おっさんには刺激的だった 演劇業界に期待できるイベントでした
オオキナコエ
劇団チャイ。
OFF OFFシアター(東京都)
2024/09/24 (火) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
結局3回観ました。笑いあり涙ありの作品でした。私自身、年間100本以上の演劇を観るのですが、間違いなく今年一番の作品でしょう。次回作も観に行こう。
庭の見える部屋と四つの物語
庭の見える部屋と四つの物語 製作委員会
東京文化会館 小ホール(東京都)
2024/09/29 (日) ~ 2024/09/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ソワレの「夏」「秋」の回と併せてどのような配役構成になっているのか当日までのお楽しみでしたが、自分はマチネの「冬」「春」の回を観劇
「冬」篠井英介さんと鈴木壮麻さんのカップルで共演は夢咲ねねさんと伊藤健人さん(45分)
「春」聖児セミョーノフさんと秋吉久美子さんのカップルで共演は菊池まさはるさんとREОさん(45分)
両作品に文学座の宮沢亜子さんのナレーションが入るというキャスティング
穏やかなギターの調べから始まる大人の恋愛劇
さすがに演劇界のみならず映画、シャンソン、ミュージカル、宝塚、声優、それこそ色とりどりのジャンルから集まった一流のキャストばかり
特に8名のキャストによるシャンソン中心のアフターコンサート(40分)は、まさに色とりどりの歌声
コンパクトな会場の至近距離でこんなにも多彩なコンサートに出逢えるとは・・・本当に贅沢な時間でした