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枯れた心臓になる前に-再起-

枯れた心臓になる前に-再起-

とりのこいろ

アルネ543(東京都)

2024/02/21 (水) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

近未来SF?ダークファンタジー?
物語の展開は割とシンプルだけど人物設定や感情の絡み合いが複雑で完全に受け取れきれず。
世界観、テイストは好きなので団体としては今後も注目したい。
役者さん、皆それぞれに熱演で良かった。

朝が来る、半ば狂う。

朝が来る、半ば狂う。

TEAM909

雑遊(東京都)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

千秋楽に観劇。
あっという間の2時間。
伏線が繋がって、そういうことなのねと。
面白かったです。

ネタバレBOX

唯一女医の真意はあまり分からず。
白黒

白黒

創像工房 in front of.

慶應義塾大学日吉キャンパス塾生会館(神奈川県)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いろいろと頑張ってたなぁと
ただ学生演劇では
なんというか声を張り上げるのが
デェフォルトなんでしょうか?
普通に強弱付けての発声セリフで良いのでは
などと思ったデス
なんか皆さん同じようにするのは
そーゆー指導とかがあるのであろか・・・・

さておき
これも学生演劇の流行りなのか
OPでは動画が綺麗に流されていました

特に難解な話でもなく
普通にエンターテイメントとして
楽しめた110分の作品

ネタバレBOX

バカラさん声枯れかかってたし・・・・
動きは頑張ってたし
タッパもあって見栄えのする主人公枠でしたわ

話は死んだ人がエンマの振り分ける
白と黒の世界で
黒は罪人=地獄で
白は天国という振り分けにて
ダムの上にある白の国と下の黒の国で
互いに諍いをしてる話
どちらの住人も記憶を失っていて
白の国にある仮面の力を用いて
少しずつ記憶を取り戻せるんだが
白の国では奉仕の程度によって仮面の力を使え
黒の国ではその仮面を狙って攻撃をしてるという設定です

ところが
この世界の真実は・・と
なってゆく
わりとデストピアみたいな
破滅向かって一直線な脚本でした
にあおーとまたでの「おのれヨコオ」みたいかねぇ・・・

わりとサックリと殺したりするのが
けっこう凄かったし
狂ってしまったりと
なかなかにカオスな顛末でしたが
話的にはスッキリまとまっていたなぁと感心

きらいじゃないよ
こーゆーのは と
星数はオマケしときますわ

ネタバレー
実は地獄も天国も仕分けなど無く
エンマは死んだ人に合う色で白黒を分けてたという
罪が仮面により暴かれ白と黒の陣営は潰し合い
バカラは生前の自分が犯した罪を思い出し・・・・

う~ん
色分けがルワンダ虐殺の
ツチとフツの対立になぞられるなぁ・・・
ベルギーから独立した政府が
根拠無く分けた部族なんだが
言葉によって対立の溝が深まり
遂には80万とも100万ともいわれる
人々の虐殺になったんだそうだ
言葉が生む虐殺
人権が人を守れないとは
ローティ凄いデス
自分的にタイムリーな芝居だったなぁと
川にはとうぜんはしがある

川にはとうぜんはしがある

ばぶれるりぐる

こまばアゴラ劇場(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/02/25 (日) 13:00

観るのが2回目の、全編土佐弁で上演するユニット。面白い。110分。
 古い民家、母屋と離れを結ぶ土間が舞台。家に残った次女の陽子と入り婿の博樹・娘のみまが住んでいるが、諸事情で神戸に出た長女の早希が離れに住むことになる。その引っ越しの日に、空き家バンクの募集を見て借りようとして来た生田目を加えた5人の会話劇。一定した生活を送っていた陽子の一家が、出戻りの長女と「異物」の生田目を得て、変化する様を丁寧に描く。どうするんだろう、と思わせる展開もあるけど、希望を持って終わるあたりがいい。母屋と離れの微妙な距離が、近づけるけれども一歩では行けない「家族」の有り様を示しているのだと思う。

猛獣のくちづけ

猛獣のくちづけ

くちびるの会

OFF OFFシアター(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

土曜夜アフタートークまで拝見しました。不思議な話なのですが面白かったです。内容としてはシュールで重い話だと思うのですが、なんだか不思議と悲壮感が出ないのはなぜなんだろうですね。
世の中がどうなっちゃうのかは気になりましたね。不思議な時間楽しかったです。

リベルテ Vol.26

リベルテ Vol.26

END es PRODUCE

本所松坂亭(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/03/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ナンバーズエヴァジオンを拝見しました。面白い企画で、挑戦的でしたね。演技しつつも役者のみなさんの素が出たりして。人間性も役のうちなのかもですね。推理はなかなか難しかったです。役者の皆さんの演技に騙されたと言うことでしょうか。最後の挨拶良かったです。縁をためるエンタメ いいですね。共感しました。また機会があればみたいですね。

寉峯~カクホウ~

寉峯~カクホウ~

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ラビット番長十八番の将棋モノ。ただし今回の主役は棋士ではなくて、将棋の駒を作る駒師。勝負の緊張感はないけど、実にいい話ですね。今後は将棋界周辺の人たちがクローズアップされるのでしょうか。

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

劇団Cheminèe

エリア543(東京都)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ドメスティックで、ちょっとのんびりで、ほのぼのとした1時間、まったりとした楽しめました。

猛獣のくちづけ

猛獣のくちづけ

くちびるの会

OFF OFFシアター(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

シュールな話なのだけど、すごく身につまされますね。いろんな意味でググっと惹きつけられます。しかしながら、主宰は観客にえらく親切だなー。

ワークショップから生まれた演劇 「マクベス」

ワークショップから生まれた演劇 「マクベス」

彩の国さいたま芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/02/17 (土) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

角書きに「はえぎわX彩の国さいたま芸術劇場・ワークショップから生まれた演劇」とある。若い世代に向けた作品作りを目指し、試演を重ねて、親しみやすく、飽きさせない構成と演出で制作された、いままでいくつもの舞台を見てきた「マクベス」のニューヴァージョンである。リーダーは演出のノゾエ征爾。デビュー三十年になるベテランである。
特色としては、舞台がいかにも今時の若者好みにきれいに様式化されていること、演出者か音響担当者か、あるいはワークショップの民総意か解らないが、何曲か、現代作曲の音楽が使われていること。それに応じて(ひきずられて、といった方が良いかもしれない)ダンス的表現(美術での8X8の椅子を俳優全員が動きながら美術大小道具の役割をさせていくところも含め)が多用されていること、テキストは、現代に残る名台詞、名場面を残らず山場として強調してあり、今まで再演ではマクベス夫人(が最も多いだろう)や敵対する武将などの視点をとることが多かったが、この再演では原作通り、今となっては類型的な普通の人間、マクベスの原作に従っていること、制作に携わった俳優、制作など舞台の現場が(多分)平均年齢以下の若者ばかりだったこと。が上げられるだろう。それらが良くも悪くもこの公演を特徴付けていて、それに耐えるのも古典戯曲の役割だとも感じた。
もうずいぶん前になるが、中屋敷法仁が、 踊るシェイクスピア というシリーズを上演していて、オールフィメールキャスト(だったと思う)で、名作を踊り抜く舞台があった。確かに新しくはあった(それなりに愉快ではあったが)が、だからといって、シェイクスピアに新しい発見があったと言うことはなかった。そこが古典のしたたかなところで、ノゾエは、真面目に考える方の人らしく、やはり難物だなぁ、と感じた由で、客席には若者と同じくらい成人客層も見に来ていて、なかなか、観客世代を変えようとするほどの作品は作れない。上に挙げたような小手先ではどうにもならない。アノ、野田秀樹ですら、ずいぶん脇では使っているが、正面からはほとんど4大悲劇と戦っていない。入りは6分。

う蝕

う蝕

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2024/02/10 (土) ~ 2024/03/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

僕の好きな横山ワールドはリアルな会話劇だったので、架空の島の架空の災害という話は意外だった。しかも今回は不条理劇。ちょっと戸惑った。それでも横山らしい会話で展開するのだが、その中でからグッと引きつける ドラマ が立ち上がってこない 恨みがある。後輩役の坂東龍沙汰がうぶな好青年をはつらつと演じてよかった。

冒頭で舞台幕代わりの封筒が開いて、荒野が現れるという舞台装置は驚いた。演出は頑張っていたと思う。途中一度、時間がさかのぼるのだけれど、その場面が過去だったことは、後でわかる。その場ではぼんやり、違う時らしいなと、舞台の地面の変化で示す程度。

そういえば「粛々と運針」はファンタジーだった。が、あれも最初からずっと、ホームドラマのような会話劇で、二組の登場人物の片方の真実がわかるのは終盤。その意外性に感動があった。

「悲劇喜劇」3月号に戯曲掲載
1時間45分

ネタバレBOX

主要な登場人物が実は死人だったとか、役所の人間と思われたのが 実は囚人だったという、意外な 真実というのが物語の終盤にある。そこが意外性や、新しい発見になってこないのが残念。
掟

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2024/02/15 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

改革派の若い市長と、古い議員たちとの対立を描いた。腐敗の温床だったなれ合い市政を変えるという市長の姿勢はいいが、議員に前もって予算案の説明や根回しは一切しないというかたくなさには首をかしげた。しかし、「調整、というのは、結局、議員へのご機嫌伺ですよね」という市長の言葉になるほどとも思った。

さらに財政改革として公共施設の3割削減を打ち出して進める。これは住民サービスの切り捨てにならないか? 議会からも「失業者が出るのに、当事者に視聴は直接会おうともしない」とつかれる。これは議会に理があるように見える。
つまり、議会もかたくなだが、市長もワンマンすぎる。どちらかが一方的に悪いとはなっていないところが、この芝居の最大の長所である。

新聞記者(目黒省吾)が、自分の小5の息子の不登校を打ち明けて、子どもの未来のために、議員たちに副市長人事に賛成してほしいと訴える場面は心に響いた。人を動かすのは、大声ではなく、静かな声だと感じた。議長(葛西和雄=青年劇場)が、支援者の息子が農業を継ぐ気になってくれたんだ、だから「無印企画」との提携のため、議員に一言説明してくれと、市長に土下座する場面もよかった。互いに、対照的な関係になっているが、この舞台の二大ハイライトである。

青年座の山本龍二をはじめ、新劇系劇団から、5人のベテラン俳優が参加したことで、議会の古参議員たちに説得力があった。このキャスティングが素晴らしい。葛西だけでなく、それぞれの見せ場をもう少し練りこめば、さらに良かった。

ネタバレBOX

モデルは安芸高田市の石丸伸二市長だということだ。石丸市長のことは全然知らなかった。私は明石市の泉房穂前市長や、杉並視聴なども少し入っているのかと思ったら、そうではなかった。調べてみると、居眠り恫喝問題も、副市長人事案否決も、無印良品の出店却下も、公共施設削減も、石丸市政でおきたこと。モデルにつきすぎているのは、舞台の寿命を短くする弱点があるが、事実という強みがある。

石丸市長の「財政報告」をユーチューブで見たが、舞台でわからなかった、公共施設削減の深い背景が分かった。簡単に反対できないと思った。今の市は箱モノを作りすぎ、持ちすぎているのである。借入金では、市町村合併時の合併特例公債の比重が大きい。年120億円の財政で、30億円が借金の返済に充てられている。借金のしすぎなのである(国も同様だが)。

今更遅いが、後世への教訓とするために、合併特例公債はじめ公債を何に使ったのかの検証が必要だ。これは総務省の誘導あってのことなので安芸高田市だけの問題ではない。全国的な問題である。現に、山梨県の市川三郷町は、赤字財政で7年後に基金が底をつくと、財政緊急事態宣言をしている。同町も公共施設の削減を財政健全化のカギとしている。
​骨と軽蔑

​骨と軽蔑

KERA CROSS

シアタークリエ(東京都)

2024/02/23 (金) ~ 2024/03/23 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ケラの頭の上にウクライナとガザの戦争が、重くのしかかっていることがわかる稀有な作品。ケラのような、一見、浮世離れした別世界を舞台上で追求する演劇人でさえ、これほど時代の動きに強く反応するとは意外だった。

もちろんストレートな反戦ではないし、ブラックなユーモアで一貫している。しかし、開幕から最後まで、周辺で砲声が鳴り響き、西と東に分かれて内戦が長く続いている設定である。若い男たちは死んでほとんど残っておらず、女性と子供が戦場で戦っている。「戦争のおかげで食べている」軍需工場を経営する一家の物語となれば、戦争にどう向き合うかは避けて通れない。ときおりつけるラジオから、「本日の死亡確定者数」が知らされ、「○○はいなくなってしまった」が延々続く投書や、DJ自身の「墓森の父が職を失った。墓地を兵器工場にするからだ」という 告発が、家の外では何が起きているかを思い出させる。そのうえで、ラストのどんでん返しと急展開は見事だった。

誤解のないように書いておけば、堅苦しい社会派ではない。基本は、ナンセンスとすれ違いの笑いに満ちた、俗物ブルジョア一家のホームコメディである。作家の姉マーゴ(宮沢りえ)と妹(鈴木杏)の、欲しいもののとりあい(真剣だが笑える)、テンションの高い居候ナッツ(小池栄子)、アル中の母グルカ(峯村リエ)、家の財産を狙う、父の秘書のソフィー(水川あさみ)、登場は一番遅いが、重要な舞台回しの編集者ミロンガ(堀内敬子)、そしてナレーターでもあるおしゃべりなメイドのネネ(犬山イヌコ)。花も芸もある女優陣は、期待にたがわない。宮沢りえと小池栄子の、呼び捨てで呼び合って心が通じ合うダンスシーンなど、見ているだけで幸せな気分になる(二階では父が危篤だというコントラストもいい)。
徴兵忌避で家出した夫から、何通も届く手紙が道糸になり、戦争と直接つながってもいる。
上演時間3時間(20分休憩こみ)

ネタバレBOX

「骨と軽蔑」とは、マーゴが書く小説のタイトル。少女の耳から、頭の骨がいくつも出てきて、それで作った人形と少女は仲良しになるが、ある日、喧嘩して、人形を投げ捨ててしまう。そして…という物語。イメージの鮮やかな話である。マーゴが書く小説がどういうタイプの物かもわかる。(もう一つ、マーゴのデビュー作の内容も少し話していたが、忘れてしまった。とにかくブラックだった。夫はデビュー作担当の編集者だった)

中盤、どくろの死神が直接登場するのも愉快。
最後、身内にも徴兵がきて、出征前に恐怖に震える。敵の爆撃機の大編隊が現れ、生死不明の夫から手紙が届く(その前のはナッツのなりすましだったが、これは本物)。戦争が一家を押しつぶす。戦争で儲けていた一家に対する、天罰ともいうべき結末である。
柏原照観展

柏原照観展

牡丹茶房

スタジオ空洞(東京都)

2024/02/21 (水) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

流石に面白い。舞台上は展示室になっており、数々の仏画が並べられている。(エアブラシ・アートなのが時代背景と合わず気になるが···)。中央に置かれた台座。
画家柏原照観(山本佳希氏)の大ファンである資産家(越路隆之氏)が道楽で運営する個人美術館。1954年(昭和29年)、柏原照観のアトリエで見初めた彫刻品を購入、それを展示することに。運ばれて来たそれは漆黒の消し炭で作られたような異形の禍々しいフォルム。何本も腕が突き出している奇形の阿修羅像。
柏原照観の妻(赤猫座ちこさん)はその像の前で涙を零す。「本当は売りたくないんです。必ずお金を用意して買い戻しますから、決して誰にも売らないで下さい。」
資産家の娘(小森かなさん)と結婚し、入婿となった次期当主(とのむらゆうだい氏)はそれを約束する。
だが、しかし・・・。

赤猫座ちこさんは増村保造顔。こういう暗い過去を背負った役がハマる。
今作のような設定の閃きがこの作家のかけがえのない財産なのだと思う。

ネタバレBOX

①1954年
空襲で産んだばかりの赤子を黒焦げにされた戦争未亡人の赤猫座ちこさん。戦後ガード下で街娼をやりながら彫刻を彫り続ける。頭の中の赤子が肉体を求めている。彼(彼女)に相応しい彫刻が完成したら、もう一度魂は地上に戻って来る筈だと。そんな女に欲情した画家、柏原照観は家に連れ帰って娶る。柏原照観はもう描けなくなっていた。自分の中に仏が何処にもいなくなったのだ。狂気の彫刻を完成させる赤猫座ちこさん。頭の中の赤子がいろんな表情を求める。いろんな仕草を求める。ただ足だけは付けてあげなかった。何処にも行かせない。私のもとにずっと居るように。子守唄。

②1989年
柏原照観の遺作となった阿修羅像はある時期一代ブームを呼ぶ。この彫刻に祈願すると子宝に恵まれるのだ。美術館を経営する嶺井戸一族の当主は遺書を残して自殺した。顧問弁護士(國枝大介氏)が相続会議を開く。妻(丸本陽子さん)、長女(二ツ森恵美さん)、次女(片渕真子さん)、三女(星野梨華さん)。同席する従姉妹(丸山夏歩さん)と潜入するフリーライター(吉成豊氏)。明かされる彫刻の秘密。異常に妊娠することに恐怖を覚えていた女達。会議の後、軽度の知的障害を持つ三女・星野梨華さんは妊娠していることを丸山夏歩さんに告げる。しかも性行為など全くしていないことを。そして口ずさむのは知らない子守唄。

③2024年
もう美術館は閉館し、土地も建物も売り払ってしまうことに。最後の管理者、青木絵璃さんのもとに離島で暮らしていた嶺井戸一族の末裔が訪ねて来る。三女・星野梨華さんの娘である車椅子の池島はる香さんと恋人の辻󠄀響平氏。母は処女懐胎の娘を阿修羅像から遠ざける為、離島に籠もったのだ。阿修羅像は約束された肉体である池島はる香さんに到頭受肉することに成功。子守唄。

②の星野梨華さんが強烈。「黙れ!」
③の肉体を乗っ取られる池島はる香さんの葛藤。「違うよ。」

子供を妊娠する恐怖、処女懐胎が混乱を招く。とにかくこの世に生まれ出る肉体を求める悪霊の話なのか。逆に一族は誰も子孫を残せない方がよかったのでは。彼(彼女)が現世に誕生するまでは、誰も妊娠出来ない方が。
509号室−迷宮の設計者

509号室−迷宮の設計者

名取事務所

小劇場B1(東京都)

2024/02/16 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

まずまずであった・・とは期待の高さゆえの感想。
名取事務所の韓国現代戯曲シリーズでこの作者、金旼貞(キム・ミンジョン)作品は三度目の登場らしい。作者の傾向は判らないが、他公演の概要を見ると一つは日帝支配下の朝鮮を舞台、一つは現代(戦後のどの時期か不明)を舞台としたいずれも濃厚な人間ドラマといった風だが、今作は対象との距離を取ったドキュメントなタッチで韓国の民主化闘争時代の弾圧の側面にフォーカスした舞台。
韓国の著名な建築家・金氏の設計とされている元政治犯収容施設を案内人と共に写真家が訪れる現代と、当局から設計を依頼された当時の経緯、そして現代の案内人の元恋人かと想像させるある収監者のこと、この三つの逸話が錯綜して劇が展開する。
後で振り返ってもたげた要望は、できればその高名な建築家の人生に迫るドラマとするか、拷問を含めた権力の術策を赤裸々に抉り出す告発劇とするか、、どちらかに寄せたものを観たかった。

理由を考えてみると、民主化を弾圧した権力は憎むべき相手である。これに異論は無い。ありようがない。
だが、水責めが行われた独房を、「その用途を知った上で建築家は設計したのかどうか」を問い始めると、「そのように意図したか否かに関わらず負う責任」が埒外に置かれ、問題が矮小化して行く感覚に陥る。
仮に建築家がそんな事を意図しなかったのだとしたら、(政治的スタンスを巡る市民の責任に関して)「あまりに鈍感」である事にある種の咎は生じそうである。

実際にはその高名な建築家は中々当局のリクエストに対して(多忙ゆえか、多忙との弁解が可能だからか)回答を延ばし、会社で対応に当たった部下の一人の青年が、登場人物としてフォーカスされている。実際には彼が設計を行ったらしい推測が成り立つ格好で、芝居の中で「告発」まがいの視線を受けるのは彼である。
写真家(フォトジャーナリスト)が最後に問い詰めるのは彼である。彼女はまた、案内人に「収監者」との関係も問うが、固有名詞を担うのは建築家のみ。数知れない被投獄者を代表する舞台上の彼が、その案内人にとって誰だったかはさほど重要でない。また同様に数知れなく居ただろう権力への協力者に関してもそれが誰にとっての何者であったかは重要でない。
重要となるのは、案内者である彼女が客観的事実を述べる範疇を逸脱し、「私的」言動を取り始めてからの話で、しかしこのドラマではその瞬間は訪れない。弾圧の事実の告発は私的であり得る事を超えて大きく公的な問題群となる。
三者がそれぞれに抱えた人生の断面が見えて初めてドラマは動き始めるのだとすれば、この舞台はそれぞれの人生の行方を微かに予感させるにとどまった。作者は実は人を登場させながら無機質なその建造物を、というより建造物の無機質さ(非人間性)を感覚的に観客に届ける着想があったのでは、等と想像する。その部分に呼応するような効果音(音楽)が印象的ではあった。

養生

養生

ゆうめい

ザ・スズナリ(東京都)

2024/02/17 (土) ~ 2024/02/20 (火)公演終了

実演鑑賞

スズナリ公演であるのと蠱惑的なチラシに惹かれて観に行く。相変わらずシビアな、ブラックな状況と独特なエスケープのカタルシス。深夜バイトで男3人、実体験がベースにありそうだが生々しさと滑稽さと奇妙な装置による効果でフワッとしてる感触もゆうめいらしい。

ウンゲツィーファ主宰の本橋龍、青年団俳優・舞監の黒澤多生、俳優の田中祐希三名による臨場感のある(ふと訪れる夢的な時間も)芝居空間が、その空間の心地良さを維持して続いて行く。冒頭の本橋氏の語りがまずドキュメントな空気満載で、これ実体験でなきゃこうならんだろ、と思わせた最初に観た「弟兄」(だったか..これはかなり実体験反映のケースだったがそれでも脚色創作部分があったのだと知って結構衝撃であった)以来、ゆうめい舞台に漂う空気である。
現代の職場空間、人間関係、状況適応テク、相互の浸食具合等の描写に目を見開かれるのだが、それら細部に時代の風景が逆照射されて行く感じもある。

猛獣のくちづけ

猛獣のくちづけ

くちびるの会

OFF OFFシアター(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

話は説明通りです

で なかなかに
話のインパクトと演者さんの熱量に圧倒されて
眠気も出なかった100分の作品
不条理SF系となるかしら
結構自分的には気に入りました

もとは仙台演劇祭での
40分の短編だったものに
今回は追加をしてアフタートークまで付けての
出血大サービスな作品と
あいなっておりました

ネタバレBOX

前作は人が象になる話だったそうで
そうゆーのが好きなのかしら
さて
B級映画の新アリゲーター 新種襲来に近いかなぁと
思ってたら
カフカの変身みたいな感じだったかなー
コメディな感じはニャイトオブリビングキャットみたいだったわ

なんでヒトがワニ化するのかは
明確にはわかんなかった感じですが
タイトル回収してのヒト戻りで
とりあえず作品は幕になります
渡瀬川にワニは溢れてる状態ですー

リアルに飲み食いして
底辺な派遣労働者の生活環境が
なかなか精神にキますわね

舞台セットはビールケースさん
みたいな箱をたくさん積んで運んでの
切り替えで
アウタートークによると
舞台上の照明が透過できる網目状のサイドが
気に入っての購入だったそうです
千秋楽後の処理はどうしようか迷ってるそうですが
無料持ち帰りOKなら
自分欲しいかも・・とかは思ったっす

チケット購入者には
お近くのコーヒー店での
コーヒー一杯無料券が付いてて
観劇後にあわただしく去るのではなく
演劇の余韻をカフェで味わって欲しいとの
配慮だそうです=よいですね=

身体が冷たくなってる違和感とか
毛布からニュッと緑の手が出るシーンは
真正のホラーでしたが
模型のかわいいワニをもって出てくる
黒子仕様の変身後のワニとの会話は
なかなかコメディで面白かった
あと
緑のスエット上下での
ワニとするのも
独特の間のある
その時の会話シーンも
なかなかのものでした
長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

長谷川圭一事件簿 ~Episode Zero~

劇団Cheminèe

エリア543(東京都)

2024/02/23 (金) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

コンパクトに纏まっていて面白かったです。

寉峯~カクホウ~

寉峯~カクホウ~

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

将棋の駒を作る駒士の話です
半生ものであり
丁寧に作られた話で
人の人生を垣間見れるのは
なかなか興味深かった

舞台美術も綺麗でしたわ

ネタバレBOX

将棋の駒の素体が背景に大きく出来てて
基本は木調のセットでした
背景にひだりうまとか
タイトルを投影してて
いい塩梅になっていましたわ

主人公が趣味にしていた
釣りのウキの製作が
のちの駒士としての下地だったと
も少し情報をセリフ多めに載せてもーとかは感じた
ウキの製作の木の削りと仕上げの表面の漆塗りとかね

落ちは竜王戦で用いられたコトで
作品の仕上げとなり
いつも通りに「またあうひまで」の合唱でENDです~♪
Bチーム 『心の炎消えぬ間に、恋せよ乙女』

Bチーム 『心の炎消えぬ間に、恋せよ乙女』

下北沢演劇祭実行委員会

北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)

2024/02/22 (木) ~ 2024/02/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

短編ながら丁寧に作られていて
観ていてホッこりとする話でした
無料でもあり
演劇というものを広めようとしてるのが
なんとも心地よかったかなぁ と

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