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クミの五月

クミの五月

劇団印象-indian elephant-

座・高円寺2(東京都)

2025/09/08 (月) ~ 2025/09/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前回の劇団印象リーディング(鈴木アツト氏の自作)も1ステージのみの公演。確か日程的に断念した記憶だが、今回は行けた。韓国戯曲という点にも背中を押されたが、題材が光州事件とは観始めて判り、身が引き締まる。
伝え聞くにこの事件は韓国現代史に特筆される凄絶な事件であるが(再現映画も衝撃的に描いていた)、本作は街の店を経営する家族を中心に、多様な立場の光州市民たちの目と関心が捉えた事件の姿が描写される。
軍・警察の介入に抵抗し、市民による道庁占拠によって束の間勝ち取った自由が、その後の空挺部隊員らの無慈悲な銃剣による襲撃で敗れたという悪名高い全斗煥大統領の名を更に黒くした事件。
苦しい展開が見えている史実を描いた作品だが、庶民が暮らす場に流れるユーモアや人情の機微が面白くつい入り込んでいる。そして家族や隣近所と同じ目線になっている。語り手でもある主人公クミは、大好きな一人の兄の死に直面する、多くの遺族たちの一人である。
最後にその「死」を無駄死ににはしない使命を、クミは語る。事件が収まった後、行方不明であった兄の遺体とまみえた後、集会で発言するような声で、場内に語り掛けるのだが、惜しむらくは「その時はそう語っただろう」トーン、声量、すなわち悲壮感一色の「今戦う」声が出ていた。瞬間的な激情が言わせる言葉のようにではなく、徹底的に冷静沈着な心から、その決意の声を出して欲しかった・・今の私らにも可能な「決意」の心の形がそこにあると思える声で。歴史の一コマを描いた芝居、という意味ではクミのその声は「恐らくそのように人々に向って語っただろう」と思える正解なのだが、その歴史の時間の中から「今」へ語る要素があり得るとしたら、最後の台詞だったか、と思ったような次第。
キャスティングも含め上質なリーディング上演であった。

ネタバレBOX

1960年代~70年代の朴正熙政権は、日韓条約等により批判される面はあるも経済成長を実現し、富をもたらした大統領だと評価する向きが多い。一方、同じくクーデターによる軍政を80年以降敷いた全斗煥に対する人望は(軍内部からさえ)無かったとの評判である。
その始まりが光州事件であったという事になる。

朴正熙政権時代から民主化勢力のリーダー的存在であった金大中を、幼少から追ったドキュメントが昨年公開されていた。日本でのKCIA拉致事件(日本国内で韓国諜報員の無法な行動を許したとして批判が起きた)も経て1989年「取り敢えずの民主化」を遂げた盧泰愚(軍人)政権~同じ野党勢力の一翼であった金泳三政権5年の後、大統領となった人。
このドキュメントは金大中の背中をカメラで追いながら独裁体制下にあえぐ韓国人の民主化勢力の帰趨を追った映画でもあり、熾烈な独裁政権にどう対抗するか、し得るかを模索する彼の背後にある民衆の存在を想像させるのでもある。その象徴的なシーンがある。
金大中にとって光州事件という悲劇が何であったか、それはその半生を独裁政治に対抗する機を窺う闘争に費やした彼にとっては、自らの力不足によって生じた犠牲に他ならなかった、という含みである。軍政が退いた韓国でついに彼が選挙に打って出るため地方を遊説する中、それまで一度も訪れなかった光州の地を踏んだ時の映像。・・彼はゆっくりと走る車の上に立ち、目的地に着く前から涙をおさえきれない。やがて視界を埋め尽くす何万という彼の支持者は、それを汲み取るように一人一人が手を叩いている。よく生き延び、我々の代弁者として立ってくれた・・と、その心の台詞が聞えるようなシーンである。
光州事件はどのようにしても「終わり」は無いが、もし何らかの区切りを付けるとすれば、それは圧倒的な力でねじ伏せられ奪われた命の犠牲が報いられる瞬間であり、それは恐らく闘争の象徴であった金氏と共に犠牲を悼み、未来をつかみ取る決意を互いに確認する時、であったのだろうと想像されたのである。
政治が腐敗し、私欲権力欲にまみれた為政者によって市民が銃を向けられた経験を持つ韓国、同じ経験をした他の国もそうだが、最終的に「民自身への信頼(それなくして団結はないので)」に立つことで「力」を持つという知を体得している、と思う所がある。そして日本にそれがあるのだろうか、いざとなれば民は団結できるのだろうか、と考える。
nitehi:kedo

nitehi:kedo

こわっぱちゃん家

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2025/09/10 (水) ~ 2025/09/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

一人一人のストーリーがめっちゃわかりやすくて、そして自分だったらこうだろうと考えやすく、それによって余韻にめっちゃひたひたになりました。凄く勉強になったし見れて良かったと心から思いました。

ネタバレBOX

個人的に笹原家のエピソードが1番自分と重なったため凄く響きました。良い事も悪い事もきっかけひとつ。この言葉ずっと忘れず生きていこうと思いました。
nitehi:kedo

nitehi:kedo

こわっぱちゃん家

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2025/09/10 (水) ~ 2025/09/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても感情が揺さぶられる観劇体験でした。
登場人物は自分とは異なるバックグラウンドではありますが、共感を得る部分もたくさんあり自分だったどうなんだろう、どうできるんだろうと考えながら観劇してました。
ここまで泣きながら観劇したのは初めてでした。
その分、今後自分がどうしていきたいのかと感じることもできる舞台でした。

ネタバレBOX

それぞれ、感情を溢れさせる部分ではぐちゃぐちゃになっていましたが...

序盤のももちゃんがお母さんから優しい言葉をかけてもらいながら、自分で冷房の電源を切るところとか、お母さんが亡くなったと聞いた時の手の動き、目の動き、表情の欠落とか、心にグッとくるものがありました。
頑張ってお姉ちゃんに謝れたものの、ちほちゃんの遅いよ、の言葉のニュアンスとか...
妹ってやっぱり無意識に甘えてるしそれを上はイライラしてる部分もどこか見えるようで姉妹の関係性もリアルだなと。
(自分も妹なので...)
でも2回目の観劇で気がついたんですがお母さんは決してお姉ちゃん呼びだけではないんですね。
ちほ、ちほちゃんって名前で呼んでる方が多い。
それでもちほちゃんはお姉ちゃんにならなきゃって思ってたんだろうなと。

あとはさくらママがやっとうちに帰ってきてくれた時のパパのリアクションとか。
さくらみたいにガシッと抱きしめて行かないところとかに、本当にいるのか?という迷いと、1センチあいたようにしかさわれないところにパパの気持ちが表れていて
本当に器用な人ではないんだなということが伝わってきました。

ももちゃんも学校に行けなくなった理由はささいなことだったし、ママが家を出た理由も人によったらそんなこと?ってなるかもしれないことなのが、人間らしくて好きでした。
それぞれの限界や糸が切れる理由はそれぞれ。
良いも悪いもないんだなと実感できましたし。

最後の、上村(兄)の楓との会話もよかったですね。
相手がどう思ってるか、ほぼリアルに近い回答をもらったにもかかわらず、自分がどうしたいのかを優先したところとか。
あの状況では自分も楽になるのは楓の思い通りにしてあげることだと思います。
私は耐えられない。
でも自分がそう思えないからそうしないと。
それはITには理解できないところだと思いますし、人間でこそできる判断なのかと。
正解ではないのかもしれませんが。
吉永教授のいっていたそうかもしれませんねってことなのかなぁと。

言葉で書くとすごく簡単になりますが、役者さんたちが人間らしい感情をたくさん表現してくれていました。喜怒哀楽すべてがつまった観劇でした。

観劇後に感じたことはやっぱり愛でした。
この登場人物全てが誰かを愛していて、愛情を受けている姿が描かれていました。
場合によっては、その愛を表現できていなかったり受け取れるようにしてなかったり、
愛ゆえにネガティブな気持ちを引き起こしているところもたくさんありましたが...

でもやっぱりその人を愛する気持ち、日常だとつい忘れてしまうその大事なことを忘れずにいたいと思える観劇でした。
素敵なお話、ありがとうございます。
『REAL』

『REAL』

metro

インディペンデントシアターOji(東京都)

2025/09/11 (木) ~ 2025/09/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前作「GIFT」は観なかったが今回は観た。タイトルからして前作~今作は同系統との読みと、第二弾をやるなら勝算はあるに違いない、といった姑息な予測で・・。
舞台。嫌いではなかったが、幾許かでもストーリー性を織り込むなら筋は通したい所、軽視し過ぎな憾みも。
質店を守る次女(サヘル・ローズ)。そこへ売文か探偵か(その両方か)でもやってそうな男(渡邉りょう)が失踪している長女(月船さらら)を題材に書きたく消息を尋ねに訪れる。その際、次女も少し前まで色んな方が訪ねていらした、と証言するからには「追われる」だけの何かを帯びているのだろうと想像している所、割と序盤で長女は現われ、その後もずっと居るのだ。探される身、という事ではまァ学界で注目される神出鬼没の思想家ないし社会学者、と観客側で設定しても良いのかもだが、追われているなら一度現わした姿を最後またくらますか、くらまさないのなら過去の生き方と決別してのラストとなるか、ラスト実は彼女の生き方の延長であったと判るか・・そこだけでも何か整合を取ってくれると、もう一味美味しい(芝居らしい)芝居を観た気になれたのでは、と思う所はある。
宮沢賢治の妹になりきった(憑かれた)三女(犬宮理紗)は「永訣の朝」のために、長女はニーチェ(ツァラトゥストラ)のため、三人は「三人姉妹」のために存在し・・憑依された者の異言の如く言葉が吐かれて行く。晩年のニーチェがイタリアのとある地の路上で鞭打たれる馬に泣き縋り、精神を病んだ彼はついに正常に戻る事はなかった・・というエピソードから馬つながりでヨルダン川西岸のジェニンの「瓦礫の馬」を模した巨大な馬の登場。私の中では次女=サヘル・ローズ本人が、この馬とパレスチナの今を伝えるために存在させたと解釈され、天願氏の脳内を開陳したような本作を自分の中で完結させたものである。
時折鳴る爆撃、終盤の「残っているのはこの家くらい」との台詞で、大正期のような佇まいの静かな質店から、戦場へと観客は駆り出される。ここで三人姉妹の最後の台詞たちが正面芝居で語られるのだが、没落し職と結婚(恋愛よりも)の必要に迫られるもうまく行かない原作の状況(三女の新婚相手が決闘で死んだ朝という緊迫の状況ではあるものの、ある意味日常)で作者が言わせた台詞が、戦場という状況に勝てるのか・・これを凝視していた。辛うじて成立するのを見届けた。

nitehi:kedo

nitehi:kedo

こわっぱちゃん家

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2025/09/10 (水) ~ 2025/09/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

非日常ではない限りなく現実に近い物語。当たり前にある今を大切にしようと思え、言葉にして伝えることの大切さを学びました。
芝居愛溢れる脚本演出と美術、そして出演されている役者さん全員がその瞬間を生きていらして、毎回涙するシーンや受け取る感情が変わり、まさに生のお芝居の醍醐味を感じられました。

オズの魔法使いによろしく

オズの魔法使いによろしく

中央大学第二演劇研究会

シアターシャイン(東京都)

2025/09/11 (木) ~ 2025/09/14 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

商店街グランドリオン2025

商店街グランドリオン2025

劇団バルスキッチン

あうるすぽっと(東京都)

2025/09/03 (水) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

倉田瑠夏さん出演。木曜ソワレと土曜マチネ。

この演目は初演が2021年で、2024年に再演されました。今回で3回目ですね。2024年の池袋演劇祭で大賞をとった人気作です。
商店街とファンタジーという、かけ離れた存在が融合する壮大なコメディー。好きな演目なので面白さはよく知っています。
初演、再演の役者さんが別役で出演されることもあり、どんな変化があるのかも楽しみにして観劇に臨みました。

再演の2024年版と同じ役での出演は、ズドンさん、尾上恭平さん、ViViさん、紙野千鶴さんと笠原紳司さんの計5人。別の役では大内真佑花さん、緑川青真さんと井坂仁美さんの計3人。2021年の初演以来は2人で、浮谷泰史さんが同役で、倉田さんが別役で。計10人がこの演目の経験ありということに。全部で32人なので22人が新規ということになります。

初演は30人。再演で「渡辺」が追加。今回さらに「神官2」が追加で32人。この大人数が広い あうるすぽっと の舞台上を駆け巡るのは迫力満点でした。

ロビーも広い。駅からも近い。あうるすぽっと、ほんといい劇場です。去年の池袋演劇祭の大賞をとったことで、ここでの上演が実現したとのことです。おめでとうございます。

ネタバレBOX

今回主役の松本幸大さん。2022年シアターχ「レ・ミゼラブル」で拝見しておりました。今回はコメディということで、シリアスなジャンバルジャンとはまた違った松本さんが見られて、楽しかったです。

倉田さんは初演で魔法使いのマヨーネ。「こんなかっこいい役は初めて」とおっしゃってたことを思い出します。今回は一転、コミカルな大賢者のペペ役。初演で萩原成哉さん、再演で愛恵さんが演じました。今回の終演後のチェキ会で「愛恵さんより面白くするのは難しいでしょ?」と尋ねたら、真顔で「難しいよー」と。負けないくらい面白かったですよ。

雅美役の大内真佑花さん。二週間もしないうちに始まる次の舞台で、出演だけでなくプロデュースもされてます。多忙な毎日だと思うのですが、それを感じさせないご活躍でした。
再演での猛獣使いのエイルはよく覚えています。初演でガングロの朝子だったのですね、意外でした。振り返ると、自分にとって大内さんの初見はその朝子でしたね。

朝子の役、今回はりんごちゃん。さすがの存在感でした。日替わりのギャグだと思いますが、「ダルシム」と名乗ったのは爆笑でした。
演技中に、まともにビンタを食らってましたね。思い出しましたが、再演で演じた若松春奈さんもビンタを食らってました。大内さんはどうだったかな。

余談ですが、チェキ会で倉田さんに「2回来てくれるとは!」と驚かれました。そういえば、倉田さん出演舞台で2回行ったことはほとんど無かったですね。グループ在籍8人出演の「見よ、飛行機の高く飛べるを」を除けば、14年前の「Stranger than Paradise」以来かな。
ポオの眷属たち

ポオの眷属たち

かはづ書屋

新宿眼科画廊(東京都)

2025/09/12 (金) ~ 2025/09/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/09/14 (日) 12:00

エドガー・アラン・ポオの2作品「おしゃべり心臓」と「盗まれた手紙」を元に
再構築と深掘り検証を加えるという凝った造り。
脚本のテイストとかはづ書屋との相性の良さもあって極上のエンタメとなった。
ミステリーにはつきものの説明的な長台詞をものともせず、流れるような展開に引き込む
役者陣が素晴らしい。

ネタバレBOX

「第一話 エディプスの心臓」
神経症のような行動をとってしまう若き子爵は、密かに林教授に助けを求める。
教授は木々高太郎の名で探偵小説を書いており、作品の中で探偵は精神分析を用いて事件を
解決する。
教授は、子爵と彼の父、父の後妻の3人の関係を解きほぐし、一旦は表面的な解決を見出した
かのように見えた。
が、そこから子爵の計画をあぶり出し、決して表に出してはならない秘密へとたどり着く。
隠された憎悪の念がすさまじく、張り詰めた空気が客席にまで伝わってくる。
教授役の森尾繁弘さんが精神分析の手法でそれを引きずり出す過程が大変面白かった。
子爵の思いがけない行動の理由と、ラストの着地のコントラストが鮮やかで印象深い。

「第二話 ふみどろ」
こちらは町中の碁会所が舞台。
まもなく席亭の一周忌、後を継いだおかみさんが席亭の残した日記を持ってくる。
ポオの作品の中でも傑作と名高い作品、その結末にどうしても納得がいかない、
別の真実があるのではないか、という意味のことが書かれている。
碁会所の常連で探偵作家の小栗忠太郎はほかの常連客を巻き込んで”別の真相”求めて
推論を戦わせる。
落語を織り込みながらのにぎやか且つ鋭い推論から、原作のほころびを追求していく。
作家役の島田雅之さんがさすがの作家ぶり。硬軟自在で進行にメリハリが生まれる。

原作を読んでいなくても心配は不要、巧みなリードでその先の世界へ連れて行ってくれる。
完成しているはずの論理のほころびを見つけ出すとは、どんだけ読み込んでからの創作なのか?
創作のスタートそのものを自ら難しくするような柳井氏のチャレンジがたまらない。





三國志

三國志

おのまさしあたあ

南青山MANDARA(東京都)

2025/09/04 (木) ~ 2025/09/06 (土)公演終了

実演鑑賞

おのまさしが大作を上演する一人芝居シリーズ。2008年コレドシアター初演、2010年横浜中華街・同發での再演を経ての三演め。ワタシは初見です。110分。9月6日まで南青山MANDARA。

https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/09/post-4f21d7.html

KAGO

KAGO

劇団美辞女

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2025/09/11 (木) ~ 2025/09/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ミステリィ・サスペンス調で物語を牽引し、観客の興味/関心を掴んで離さない。見所は、物語性と観(魅)せるエンタメ性、この相乗効果によって舞台ならではの面白さが活きているところ。

劇団名は 美辞女(ミジメ)で、前作「シャイシャイマンションシャンソンショー」は、その団名の通り女優だけだったが、本作は多くの男優陣も出演している。姦しく賑やかさに加え、力強さが加わって魅力が増したよう。
(上演時間2時間 休憩なし)【オモカジ組】

ネタバレBOX

舞台美術は、段差を設え中央が出捌け口、その左右に衝立状の壁 というシンプルなもの。また中央口の上部にも別空間。

物語は、2025年 大阪・関西万博を引き合いに出しながら、今から132年前のシカゴ万博へ繋げる。説明にある刀剣で栄えた地・兜坂(トサカ)を治める若き当主 蔵之助が主人公。それを遡ること17年前(1876年<明治9年>)に廃刀令が出され 、物語で暗躍する集団 または兜坂家そのものにも大きな影響を及ぼす。もう 刀の時代ではないのだ。またシカゴ万博に向けて出帆した船内という、いわば密室空間での出来事。
この時代と空間の両設定が妙。

蔵之助の妻は非業な最期、さらに彼自身がその時の記憶を失っている。そんな彼の後妻に、黒金造船会社 御曹司の妹との縁談が持ち上がる。シカゴ万博での真剣演舞の披露、そして この機会に多くの若き視察(留学)者を連れての渡航。そこに説明にある忍び寄る刺客、暴かれる過去、抗えぬ運命といった謎を織り込む。蔵之助の出自が肝。

登場人物(シングル+ダブルキャスト)は20名、その人物の紹介と関係を説明するだけでも大変。前半は、謎の伏線を仕込んだり 過去の出来事を見え隠れさせるが、物語の方向が分かり難い。中盤以降、物語の筋が明らかになり興味を惹くが、それまでは人物素性や関係を整理しているような感じ。相関図は上演前にQRコードを読み込むことで確認できるが、やはり舞台を見たほうが分かり易い。

舞台は、当時の衣裳や刀剣といった小道具が それらしく観えることからビジュアル的にも楽しめる。また見所である殺陣は、スピードや力強さ それに音響効果が相まって迫力があった。一方 小ネタのような笑いを挟み込み和ませる。そして全員での群舞は華やかで、それら全てが娯楽性に富んでいた。
次回公演も楽しみにしております。
夜長月

夜長月

表現集団蘭舞

at THEATRE(東京都)

2025/09/13 (土) ~ 2025/09/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

初めての団体であり会場。
9月だが、体感的には夜長と言うには まだ早い。それでも「夜」を思わせる内容とその照明効果がよかった。公演は、朗読3作品で ゆるく繋がっている。しかし内容的には独立しており、それぞれテイストが違う。全体的には丁寧な劇作といった印象だ。ちなみに2チーム(A・B)での(朗読)公演だが、当日パンフは別々に作成して配付。
(上演時間1時間10分) 【Bチーム】

ネタバレBOX

会場は剥き出しのコンクリート壁と天井。舞台中央に椅子2つ、背凭れを背中合わせにしてハの字のように置く。

物語はシンプルにして分かり易い内容、不要な形容詞や修飾的な言葉(台詞)は少なく、どちらかと言えばストレートにして端正といった印象の朗読。その意味では、伝えたい内容を簡潔に しかも的確に表現している。基本的に2人の対話、その人物造形と今の状況を簡単に説明し、夜という時間の流れの中に観客を誘うようだ。

公演の魅力は、分かり易い---軽快で歯切れよく、それでいて安定感ある会話、それも現代の若者言葉でグイグイと押してくる。出来れば気の利いた言葉の1つや2つあったら、印象的だったと思う。またキャストは表情も含め感情を込めた朗読をしていたが、もう少し生彩ある情景がほしいところ。それが端正ー言葉を丁寧に読んでいるが、生々しさという実在感をまとった迫力、リアリティが感じられないの惜しい。

初めて行った会場、比較的狭く 周りはコンクリート剥き出しの壁や天井だ。舞台技術…照明は 角度を微妙に変え、壁に照明(光)が反射しない工夫。しかも物語の情景に合わせて諧調し時間の経過を表す。また音響は、1話のゲームの出だし部分(音楽)だけ大音量にし、あとは台詞に被らないよう配慮している。公演全体が丁寧な印象を受けるのは、キャストの明確な朗読、舞台技術の工夫、そして制作(受付を含む)の対応等による。

3作品は次の通り(朗読順)。
1.「ゲーマー、ふたり」
ゲームが趣味の女性 伊吹香澄がVTuberの小畑めぐるとオフ会で会う。香澄は めぐるが同じくらいの年齢の女性だと思っていたが、実際は年下の男の子。めぐるから格闘ゲームの勝負を挑まれ対戦するが容赦なく叩きのめすが…。

2.「嘘と秘密」
情報屋の烏は、不良集団に拉致された神崎陽葵を助けた。彼女の片目(神秘的な輝き)に価値があるようで、それを闇社会で売れば大金が手に入るらしい。彼女の危機を救うためラブホに入った2人の話、そして烏の正体とは…。

3.「初恋の記憶」
高校時代の彼女 星名朱莉の結婚式に出席するために帰郷した日向光洋。都会で美容師をしているが、順調とは言えない。日向に、幼馴染の矢島翔子が声をかける。彼女が率いる少年野球チームの練習で汗を流し、今の心境を見直すような…。

当日パンフに主催挨拶として「立場や境遇の違いはあれど、誰かを思いやれる人達の話。何かに行き詰っている大切な誰かが、再び立ち上がるためのキッカケのひとつ」を記している。その思いは十分伝わる。
次回公演も楽しみにしております。
ナビゲーション

ナビゲーション

株式会社 Matsurica

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2025/09/12 (金) ~ 2025/09/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです!そんなことありえないでしょと思いつつ、どんどんお話に引き込まれました。
当たり屋みたいにして乗り込んできた女の正体は?
ああ、そうだったのね。気づけなかったのが残念。
あの!山寺さんも客席にいらして急遽の声の友情出演。ちょっと得した気分になりました。

KAGO

KAGO

劇団美辞女

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2025/09/11 (木) ~ 2025/09/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/09/14 (日) 18:00

チケットプレゼントに応募し当選して9月14日夜の回を観劇しました。
はじめて観る劇団の公演はいつもワクワクするものです。

出演者の多い舞台にもかかわらず「その他大勢」的な人はおらず
それぞれがキャラクターとしてしっかりしている所が
素晴らしいと思いました。
知っている俳優さんは一人もいませんでしたが(失礼!)
これから応援したいなと感じる役者さんはいて
今回をきっかけに次回公演も観てみたいと思いました。
今後HPをまめにチェックしていきたいと思います。

ろりえの暴力

ろりえの暴力

ろりえ

新宿シアタートップス(東京都)

2025/08/27 (水) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/09/03 (水) 14:00

4派に分かれていがみ合う「ゴル中七天王」に新人教師がアカペラコーラスの魅力を伝えることで更生(!)させるという清々しいほどにベタな(笑)学園青春ものだが「そうそう、こういうの、あったよなぁ」な懐かしさに囚われる。
それに加えて PLAT-formance(あやめ十八番のバンマス吉田能と本作でDJやボイパを披露する安藤理樹のユニット)が音楽監修なこともありアカペラバトルでのパフォーマンス(演者は言わずもがな)が圧巻、こんなの反則だよぉ!(笑)
いや、舞台美術も含めてお見事でした♪

夜長月

夜長月

表現集団蘭舞

at THEATRE(東京都)

2025/09/13 (土) ~ 2025/09/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

Bチームを観劇しました。
3つの短編、朗読劇でしたが、役者さん達の声が良く表現力もありました。
それぞれのストーリーは、ちょっと切なかったり意外性があったり面白かったのですが、短編なので物足りなさも感じました。
小さな会場で、濃密な時間を過ごしました。

オズの魔法使いによろしく

オズの魔法使いによろしく

中央大学第二演劇研究会

シアターシャイン(東京都)

2025/09/11 (木) ~ 2025/09/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです。
若者の抱える悩み、現代社会が抱える問題、家族や友人との関係等、色々な要素が入っていて、観応えがありました。
個性的な登場人物を、役者さん達は好演していました。
考えさせられる場面、笑える場面も多く、若さ溢れる良い舞台でした。

戦争始まったけど、どうする?

戦争始まったけど、どうする?

ぽこぽこクラブ

吉祥寺シアター(東京都)

2025/09/12 (金) ~ 2025/09/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

はじめましてで吉祥寺シアターへ、ぽこぽこクラブ。
戦争モノを扱うならば、こまつ座を超えて欲しかったのが第一印象。

ネタバレBOX

戦争モノを扱うならもっと、色々と表現はあるはずだった。主義主張もアイデンティティーも中途半端。

戦争に対しての結論は欲しかった。それが戦争反対で最悪なくても
『REAL』

『REAL』

metro

インディペンデントシアターOji(東京都)

2025/09/11 (木) ~ 2025/09/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

三姉妹が暮らす古い家屋の質屋。次女(サヘル・ローズさん)は帳場で破れた下着を繕っている。時折遠くから爆音が響き、どうやらここは戦地らしい。そこに現れた来客(渡邊りょう氏)は長女(月船さららさん)の行方を追っている。数年前から何処かに出掛け帰って来ないまま。「日本のインディ・ジョーンズ」と称される冒険家兼考古学者らしい。奥では三女(犬宮理紗さん)が臥せっている。幼い頃から憑かれやすい体質の三女、今回は宮沢賢治の妹トシに。客(マメ山田さん)が質札を手に品物を引き取りに来る。重い地蔵を奥から引っ張り出して来る次女だったがそれじゃなかったらしく客は帰る。下手の客席側面、頭上のキャットウォークから月船さららさんが登場。何故か馬の生首を持っている。BGMに乗せ、叫ぶのは『ツァラトゥストラはかく語りき』。名前は日枝(にちえ)=ニーチェ。ツァラトゥストラはゴータマ・シッダッタのように山奥で悟りを開いた。ある朝、太陽に告げる。太陽が幾ら偉大であまねく地上を照らすとしても、それを受け止め感じる者がいなくては何の意味もないのではないか?同じく自分がどれだけ真理を見付けたとしても、それを人々に伝えないことには意味がない。(初転法輪)。ツァラトゥストラは山を降りて町に出る。月船さららさんは滑車に吊り下げたワイヤーロープに片足を乗せて客席通路に降り立つ。

月船さららさんはここ数年で一番美しかった。衣装も綺麗。
ひたすら哲学談義が続くので眠る人もちらほら。三好十郎「廃墟」にも通ずる。
だが妙な面白さがあった。こんなカルトに詰め掛ける観衆。客層は全く読めない。

ネタバレBOX

欲を言えばもっと脚本を練って欲しい。好きな作品のコラージュのようにも見える。哲学なんてどう例えて人に伝えるかの技術論。演劇は転義法(比喩)の最たるものなのだから哲学の視覚化に適している。物語の中にニーチェ哲学を秘匿文字のように刷り込んで欲しかった。

サヘルさんが梨を切り分けるのだが雑。皆で摘むおでんはいい匂いで美味しそうだった。風月堂のゴーフレット。

月船さららさんが姉妹に語る。
超人に至る「精神の三段階」。①駱駝=重い荷物を背負って砂漠を進む忍耐。②獅子=自らの意思で生きる自由を勝ち取る。③幼子=無垢であり、あるがままの世界を受け入れることができる。創造的な知性の獲得。

パンドラの匣を開けて最後に残ったエルピス=予兆。これが人間界に行かなかったお陰で人間は暮らしていける。先が分かったら辛すぎて人間は生きていけないだろう。先が分からないから人間はまだ生きていける。

「よだかの星」と「永訣の朝」をリレー形式で三姉妹が朗誦。

渡邊りょう氏の語るREALはよく掴めなかった。
蛇に舌を噛まれて逆に食い千切るマメ山田さん。

ジェニン難民キャンプの瓦礫で作ったオブジェ、「パレスチナの馬」が客席後方より運び込まれる。これが素晴らしい出来で軽いが人が乗れる程丈夫。
1889年1月3日、ニーチェはイタリア・トリノの広場で鞭打たれる馬に駆け寄り、泣きながら首にしがみつくと意識を失う。元々躁鬱病と誇大妄想が激しかったが、そのまま精神が正常に戻ることはなかった。

ラストは、チェーホフの「三人姉妹」を朗誦。
「パレスチナの馬」に跨った月船さららさん。精神の無垢なる解放。

戦争は止められない。虐殺も止められない。差別も止められない。何も思うようにいかない。正しく優しく平等な世界にはならない。憎しみを捨てられない。恨みを忘れられない。他人を愛せない。他人を許せない。結局何一つ出来ないままだった。
その全てをあるがままに受け入れる。

ゴータマ・シッダッタは「一切皆苦」と説いた。この世の全ては思うようにはいかない、人間は無力だ。親鸞は「他力本願」を説く。自力の考え方の傲慢さを打つ。

ニーチェは「もう神などいない。何かに縛られ従う必要はなくなった。これからは弱さに同情しそれを肯定する生き方はやめだ。『力への意志』を持った優れた者=超人こそが世界を導いていく時代だ。」と説き、見事にナチスに利用された。強く美しく賢い者達が世界を支配するべきだと。弱者はそれを崇拝すべきだと。だがこれは人類の永遠に抱えるテーマだろう。弱く醜く劣った連中をぶっ殺すことで強く美しく賢い者達の仲間入りを果たせるような幻想。ニーチェの人気の核には選民思想がある。

「バイ・バイ・ニーチェ 」 THE STALIN

バイ バイ bye bye バイ バイ
だけど大好きだからもっと遊ぼう
KAGO

KAGO

劇団美辞女

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2025/09/11 (木) ~ 2025/09/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

同劇団は旗揚げ公演から観ていますが役者の演技どんどんうまくなっていますね。初期の段ボールを積み上げただけの舞台で衣装もジャージのような頃とは段違いですね^^ 初期のころのはちゃめちゃ感というかわちゃわちゃ感がなくなてってきたのが残念ですが、ま、いろんなタイプにチャレンジするのもいいんじゃないかなと。あと、最初のスカパラぽい曲、あのピアノとドラムがすごく全面に出たあの曲、あれをもう一度最後に歌ってももらいたかったなーと。今回は歌もの少なめで残念でした。演出者さんのお母さんをまた舞台に呼んで大音楽会やってください^^

nitehi:kedo

nitehi:kedo

こわっぱちゃん家

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2025/09/10 (水) ~ 2025/09/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

9/14千秋楽

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