
寓話のゴーグル
Pave the Way
劇場MOMO(東京都)
2020/01/13 (月) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
TeamBを拝見。
誰もがよく知っている寓話の中に次々と入っていく悩める若者達。
主役じゃなくそっちかっ!だったり、見知った物語と彼らが抱える現実とがないまぜになったりで、なるほど~ニンマリ笑わせてくれるコメディーですね、と思いきや…
その先(奥)に、また一味違う熱量を持った、ホントウの物語が待ち受けていたのですね。
何というか、若い人達が運営する結婚式にお呼ばれした様な、一青窈のハナミズキが似合う 色々あっても幸せになってね感と、ちょっとくすぐったくもある友愛の連帯感を感じました。
内容形態がそうというわけでなく湧きあがってくる感情として。

雉はじめて鳴く
劇団俳優座
俳優座劇場(東京都)
2020/01/10 (金) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
学園ものである。どこにでもありそうな高校の青春物語なのに、現代社会の辛いところをシャープに織り込んで、見事な現代人間ドラマになっている。さすが、横山拓也!
昨年の秀作「熱い胸さわぎ」のカップリングとでもいうべき作品で。同じく母子家庭の母子が主人公になっている。こちらは子供が男の子、あちらはひと夏の物語、こちらは冬。家族、親子がすべての人間の避けられない根源的人間関係だということを作者がよく心得ている。
ぎりぎりの暮らしの母子家庭の高校二年生男子の冬物語。体をすり減らして働く母(清水直子)を重荷に感じて、サッカーの部活と、担任の年上の女教師(若井なおみ)に避難所を求めているケン(深堀啓太郎)。母との殺伐とした日常関係と、もう二年間も、祖母の介護のためといって国へ帰ってしまった父の不在で心理的に追い詰められているケンを、担任の女教師は話し相手になり求めに応じてハグしてやる。そういう、人間同士の肉体的接触の多義的な意味あいもこの作者は巧みに取り込んでいる。「あつい胸騒ぎでは「乳房」、こちらは「父」。その「ハグ」が学内で問題になる。
物語は高校に派遣されてきた新任のスクールカウンセラー(保亜美)を通して分かりやすく展開し、ケンの家出、失踪へと広がっていく。
感想1。新劇団が、小劇場のめぼしい作家に作品を委嘱するのは、ここ数年の趨勢で、文学座、青年座、民藝はもとより、銅鑼とか青年劇場とか、以前から戯曲主導でやってきた劇団はどこでも同じことをやっている。それぞれの文芸制作部の力がなくなってしまって、窮余の策だろうが、作品的にはあまり成功例がない中で、この作品はかなりうまくいっている。よくある、劇団側も作者の側もお互い帳尻を合わせました、という発注作品的安易さがない。深みのある出来のいい現代青春ものになっている。見ていても気持ちがいい。
感想2。さすが俳優座で演技がモダンで鋭い。脇がもたもたしていない。母親の清水直子の無駄のない人物造形。学校の校長(山下裕子)と教頭(河内浩)もウけ芝居をやりたくなるところを見ごとに抑えてリアリティを担保する。たいしたものだが、ここでも、熱い胸騒ぎのiakuと俳優座の違いがくっきりと出ている。どちらがいいというレベルではなく、二つの提示が舞台にある。面白い。
それにしても、ブレヒトと田中千禾夫、千田是也の俳優座も変貌するものである。しかし、時代とともに歩まざるを得ない演劇では変貌を畏れてはいけないだろう。
感想3。平日の昼公演、客席は三割がた空いていた、若い客も少ない。Iaku公演なら満席である。客席数が違うというかもしれないが、アゴラで見るより、最初から演劇劇場として作られた六本木の真ん中の俳優座の方が客にとってはいいに決まっている。そこで僅か10公演でも客が埋まらない(アゴラの手打ちは15公演全席完売である)というのは、やはり、経営部がよく考えなければならないだろう。つまらないことを言うようだが、せめて、当日客席パンフで、配役くらいは知らせるべきだろう。俳優座なら役者は誰でも知っている、配役表など無駄だと思うところがダメなのである。

FORTUNE(フォーチュン)【北九州公演中止(2月28日~3月1日)】
パルコ・プロデュース
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2020/01/13 (月) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
100分、休憩20分、60分。限りある命、誰にも平等に過ぎる時間、予測不可能な未来という人間に与えられた恵み、そして罪と罰について。物語「ファウスト」が示すものがやっと腑に落ちた気がする(きっとまだわかってないけど)。美術、演出が凄い。鮮烈、奇抜に見えてアナログで王道。劇場の異化効果も踏まえ虚空、宇宙、脳内に飛ぶ。出演者は根岸季衣さんが素晴らしかった。

十二人の怒れる男 -Twelve Angry Men-
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2020/01/10 (金) ~ 2020/01/20 (月)公演終了

劇の劇
壱劇屋
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2020/01/10 (金) ~ 2020/01/13 (月)公演終了
満足度★★★★
最初は意味のわからなかった劇のセリフが、ループされることによって、後から意味がわかる仕組みになっていたのが鳥肌がたって、私は面白かったです。

スノー・ドロップ
感情7号線
劇場HOPE(東京都)
2020/01/11 (土) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★
Aチームを拝見。魅力のある女優さんも多かったし、見終わってみれば可愛らしいお話ではあるのだが、他の方も書いているように少々分かりにくい箇所も。

雉はじめて鳴く
劇団俳優座
俳優座劇場(東京都)
2020/01/10 (金) ~ 2020/01/19 (日)公演終了

何も変わらない今日という日の始まりに
劇団皇帝ケチャップ
ザ・ポケット(東京都)
2019/12/18 (水) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/12/22 (日) 16:00
座席M列3番
価格4,000円
【Team空】
やはりダブルキャストは「味変」。演者の違い、立ち位置の違い、さらに僅かな間合いの違いで印象がだいぶ変わる印象。
「リアリストって漢字で書けないくせに」というからかいに対して前日に観たTeam海では「えっと、リ……もともと漢字じゃないじゃない!」(天然?ノリツッ込み?)とツッ込むまでしばしの時間を要したのに対しTeam空では割と早く、それによって人物のキャラがガラリと変わって見えた。
あと、その「漢字で書けないくせに」とか「主に私が」とかのやり取りが愉しい……ってかいつもながら巧い。

Indigo Tomato
『Indigo Tomato』製作委員会
ももちパレス(福岡県)
2019/11/26 (火) ~ 2019/11/26 (火)公演終了
満足度★★★
ほとんどうるうるしてました。
となりの女性は肩で泣いてましたから。
サヴァン症候群のタカシと弟マモル、母への思い、回りとの関係。
まわりがこんないい人ばかりなら、前を向いていけるかもしれない。
母との別れは、つらいシーン。
彩吹さんの何変化の早替わりは、笑わせたり、ほっこりさせたり、衝撃だったりします。

「朝日のような夕日をつれて」
株式会社STAGE COMPANY
本所松坂亭(東京都)
2020/01/14 (火) ~ 2020/01/19 (日)公演終了

フランケンシュタイン
ホリプロ
日生劇場(東京都)
2020/01/08 (水) ~ 2020/01/30 (木)公演終了

ロカビリー☆ジャック
東宝
福岡市民会館(福岡県)
2020/01/11 (土) ~ 2020/01/12 (日)公演終了
満足度★★★
岸谷五朗さんの演出だからでしょうか、タップダンスやフォーメーションでのダンス歌は地球ゴージャスのようにこっていたように思います。あと、小ネタも。

スノー・ドロップ
感情7号線
劇場HOPE(東京都)
2020/01/11 (土) ~ 2020/01/19 (日)公演終了

十二人の怒れる男 -Twelve Angry Men-
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2020/01/10 (金) ~ 2020/01/20 (月)公演終了
満足度★★★★★
とても良かったです!陪審員裁判という興味のある内容に加え、役者さん達の熱演と迫力で、ぐいぐい惹き込まれました。自分も会議に参加している気持ちになり、心の中で「賛成」や「反対」を叫んでいました。役者さん全員が、それぞれの役柄に嵌っていて、本当に素晴らしかったです。緊張感、臨場感があり、非常に観応えありました。大満足の舞台でした!

ポポリンピック
ゴジゲン
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/01/03 (金) ~ 2020/01/21 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/12 (日) 18:00
馬鹿馬鹿しいと言えばそうなのだが、案外、問題作だという気もする芝居だった。ボウリング場に捨てられていたポポが、ボウリング場の支配人に育てられ、ボウリングの天才となる。東京オリンピックの種目に選ばれそうだというので、オリンピックの金メダルを目指すが、種目に選ばれず、そうなら、選ばれなかった種目だけで別にオリンピック(ポポリンピック)を開こうとする人々の物語。コメディなので笑っていればいいようにも思うが、オリンピック種目だけを重視する社会やマスコミへの批判も含まれているように感じた。なかなかの舞台だった。

つかの間の道
青年団若手自主企画 宮﨑企画
アトリエ春風舎(東京都)
2020/01/08 (水) ~ 2020/01/13 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2020/01/12 (日) 14:00
面白い試みの作品だった。日常の会話をしながらも、いかにもセリフっぽい発話だが、ポストパフォーマンストークによれば、そこが作・演出の宮崎の狙いらしい。音で台詞を作る、というのが宮崎の目指すところらしく、そのことによる違和感も含めて宮崎が産み出そうとしている感触だそうだが、それは一定程度成功していると思う。ただ、観ている側には感触しか残らないのは勿体ない気がする。感じ取れない私の未熟であろうか。

イケてるともだちX
なかないで、毒きのこちゃん
ザ・スズナリ(東京都)
2020/01/11 (土) ~ 2020/01/13 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/11 (土) 19:30
メタ演劇的な手法が多い同劇団には珍しい(と私は思うのだけど)、物語のある芝居を面白く観せてもらった。と言っても、同劇団らしい趣向に満ちたものだった。4つの独立した物語が立ち上がり、それが緩やかに近づきながら、最後は収束する作りは巧いし、エンディングの舞台の作りも見事だし、大いに笑いつつ楽しく観ることができる舞台だった。大島朋恵のコメディを観るのは久しぶりという気がする。

寓話のゴーグル
Pave the Way
劇場MOMO(東京都)
2020/01/13 (月) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
物語が進むにつれて内容が深堀されていくような重層的な公演。冒頭は在り来たりに思えたが、タイトルにある寓話は主人公の深層心理を表し、ゴーグルはその透視アイテムといったところ。何となく観せ方がセンチメンタルのようにも思えたが、一方、この場に集められた無くて七癖の人々の悩み、その思いが単純な”お涙頂戴”ものと一線を画す。そこにこの公演の面白さがある。
(上演時間2時間)【Aチ-ム】後日追記

昭和歌謡コメディVol.12
昭和歌謡コメディ事務局
ブディストホール(東京都)
2020/01/10 (金) ~ 2020/01/13 (月)公演終了
満足度★★★★
日替わりゲストが直江喜一さんということで劇場に足を運ぶことにしました。
直江さんといえば金八先生での不良加藤優役。当然前半のコントでは期待通りのパロディーを演じてくれました。さらに歌謡ショーのパートではご自分のオリジナル曲に加え、加藤優が逮捕される場面でバックで流れた中島みゆきの「世情」をアカペラで歌うサービスぶりに拍手です。
全体としては、まさに昭和にあった、「アイドル(元がつく方が多いが)が一生懸命コメディに挑戦する姿をゆる〜く観客(ファン)が見守る」という演目のコンセプトが実現していたのではと。
完成度、技術力などは度外視で、とにかくこのような企画が実現していることが評価するに値する。そんな演目があってもいいではないか。

スノー・ドロップ
感情7号線
劇場HOPE(東京都)
2020/01/11 (土) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
新宿でお芝居を観てからこの会場に向かいました。はじめに観たお芝居のインパクトがあまりに強く最初は物足りなさを覚えました。でも見終わればとても優しさにあふれきれいな舞台でした。
スノウドロップ花言葉をうまく使ったストーリーでした。少し理解しにくいところもありましたが、観てきたのネタバレを観てその意味がよくわかりました。