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馬留徳三郎の一日

馬留徳三郎の一日

青年団

座・高円寺1(東京都)

2020/10/07 (水) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★

大変笑えた。山村の過疎の老夫婦宅に、東京にいて何年も帰らない息子の、部下を名乗る男がやってくる。オレオレ詐欺師らしい。老父は金に困っているなら仕事を紹介するといい、それがなんと「ロシアのスパイ」。金髪美人にロシア語を習える、という。怪しげなロシア語まで操り、爆笑した。
いっぽう、近所の親子三人が用もないのに何度も来る。最初は詐欺師に、息子の部下なら息子の似顔絵をかけという。詐欺師を追い詰めるかと思うと、だんだんこの親子自体がおかしなことを言い始める。別々にやってきては、息子は両親がボケ始めえてるといい、両親は息子が若年性アルツハイマーだという。互いに、相手が逃げた、行方不明だと言っては助けを求めて、混乱させる。
かと思うと、別の村人が「この家の息子は死んだ。あんた調査が足りない」といい出し、老妻は「いや、生きてる。今海外で商社マンだ」と。
いつの間にか、詐欺師は家の息子に扱われ、甲斐甲斐しく朝食を作る…。

同じ人でも、出てくるたびに言うことが変わる。コントの連続のようで、笑いにはことかかないが、なにが真実かというと、つかみどころがない。すべての解釈をするりとかわす、軟体動物のような舞台。老人役の三人が、自然体でユーモアがあって良かった。これは痴呆化(高齢化)進む日本の桃源郷かもしれない。ボケても人は幸せに生きていけると。

途中の場面の区切りに、テレビの甲子園中継の音が効果的に使われていた。冒頭の老人の会話からして「加山雄三と歌丸は同じ歳だぜ」「嘘だろ」と、懐かしい昭和ネタでくすぐっていた。歌丸が司会の「笑点」といい、甲子園テレビ中継と言い、古き良き時代のノスタルジーをくすぐる。高齢者を描くツボにはまっていた。

ネタバレBOX

個々の話は繋がらないので、どうやって終わるのかと思った。最後はリアルで幻想的で切ない終わりだった。
老妻が老夫に「どちら様ですか?と、急に認知症がひどくなる。そして、二人が知り合った高校時代、高校球児だった夫が、県予選の決勝で負けて甲子園に彼女を連れて行けなかった悔いを告白する。妻は(ボケているので)、決勝で勝った思い出を語りだし、夫も同調。ふたり、かつての破れた夢の記憶を塗り替え、甲子園に行った恍惚に浸るなか、暗転。
世界も三角、土俵も三角/特殊になれなかった者たちへ

世界も三角、土俵も三角/特殊になれなかった者たちへ

マチルダアパルトマン

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/10/07 (水) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/10/08 (木)

観てきました☆ 世界は~の方は なんだかリアリティーのない話。照明の暗さもあって眠くなってしまった。特殊に~のほうが良かったかな☆ 

ネタバレBOX

松本みゆきさんと早舩聖さんが出てるので観ましたが、 いまいちパッとしませんでした。 早舩さんはモノローグ演劇祭でのふっ切れた演技が印象的だったけど、今回はおとなしい役でした。
ブカブカジョーシブカジョーシ

ブカブカジョーシブカジョーシ

オフィスコットーネ

小劇場B1(東京都)

2020/11/12 (木) ~ 2020/12/10 (木)公演終了

満足度★★★★

「部下と上司」のブラック・コメディだが、面白いのにあまり笑えない。
芝居は常に上演されたその時の影響を受ける。この中身では90年代初演かとも思うが、そのは時にはタイムリーで、客も大いに笑ったのではないか。カレント・トピックスが多い。今は常識化したエピソードが多くパンチがない。
しかし、上司と部下という現代会社社会の中の構造喜劇としては結構よくできている。二人芝居に組みなおした佃典彦の演出も緩急ところを得て中身の古さを補ってダレさせない。よく出来ているのに、さほど受けていないのは時代のせいのような気もする。今、岸田國士は復活したが、ひところはだれもやらない惨憺たる評価だった。大竹野の本にはそういう古典性もある。
今回の出演者では野坂弘が好演。この現代的な、ある種の不気味なキャラクターを演じて、この本のフルさを掬った。受けの高田恵篤はベテランの安定感。

世界も三角、土俵も三角/特殊になれなかった者たちへ

世界も三角、土俵も三角/特殊になれなかった者たちへ

マチルダアパルトマン

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/10/07 (水) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/10/07 (水) 19:30

70分。休憩なし。

All My Sons

All My Sons

serial number(風琴工房改め)

シアタートラム(東京都)

2020/10/01 (木) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

戯曲はすでに古典的な有名作だが、初めて舞台を見た。すばらしい傑作だった!!。戯曲、演出、俳優、美術と3拍子も4拍子も揃った充実の舞台だった。ケラー家の庭での朝から翌未明にかけての一日の出来事。古典的な三一致の法則にのっとったかのよう。最初はご近所たちとのたわいもない話で幕を開けるが、次第にこの家をむしばむ「罪」が明らかになる。背景の二階家は、内面で傷ついた家庭を象徴するかのように、一部が焼け焦げて崩れている。庭のど真ん中の、大風で倒れた木は、リンゴ。聖書にあるように「罪」を象徴するようだ。

次男のラリーの戦死を受け入れずに現実を逃避する、母親役の神野三鈴がとくにすばらしい。あらためて気づいたが、声がいい。低音が混じり奥深く響く。しかも、この現実逃避した母親が、最も現実に近づいていたことが最後に分かる。つまり、他の人は気づかない怖ろしい深淵を、ただ一人予感していたから、母親は逃避するしかなかったのである(現実は、母親の予感以上に過酷なものだったが)。
父親役の大谷亮介は、最初はただ偉そうにしているだけに見えたが、それが自分の秘めた罪を虚飾するものとわかってくる。元共同経営者スティーブ(パイロット21人が死んだ大事故の原因の、欠陥部品納品の罪で刑務所にいる)の息子のジョージ(金井勇太=好演)に対し、悪いのはスティーブだということを、自信たっぷりに丸め込む場面は見事だった。長男・クリスの田島亮はかっこよく、死んだ次男の恋人だったアンの瀬戸さおりも美しく素敵だった。

日常のリアリズム芝居から、奥深い思想、戦争批判、おカネが人を狂わす資本主義批判へ。「戦争も平和もつまりはカネだ」という資本主義・帝国主義の醜い事実を照らし、「戦争で儲けたやつら」に裁きを下す。井上ひさしの「闇に咲く花」「太鼓たたいて笛吹いて」を思い起こさせられた。似ているところが多々ある。

最後に。日本で戦争を批判すれば戦争指導者(天皇も含むかどうかは別にして)による無謀な戦争がまず批判の第一になるが、アメリカのこの劇に、その要素はない。「正義の戦争」だからだ。「戦争で儲ける奴ら」への批判が第一となる。それが、逆に普遍的な資本主義批判につながる。
また、子世代が父世代を批判する厳しさも欧米的なもの。ドイツのナチス世代を批判する戦後世代も同じ。日本では、元兵士だった父親を息子たちはあまり批判しない。あるいは、戦死した戦中世代が、戦前世代を批判したりしない。あるいは批判は少数にとどまる。この違いはどこから来るかはわからない。

ネタバレBOX

最後にならないと、欠陥部品の責任が父親ジョーにあることがわからない。それが後半の二幕になって、次第次第に明らかになっていく経過が、推理劇のように見事。最初は隣の奥さんのスーの憶測話からそしてジョージの登場以降、二転、三転しながら、悲劇のクライマックスへ。ジョージに向かって、「いるんだよ。責任をとらずに、人が縛り首になるのを見捨てる奴が」と語るジョーの、自分のことを言っているのに気づかないような、平然と語る姿が怖い。戦争成金の自信に満ちた表情の裏の、「原罪」の恐ろしさを抉り出す。

予定のあと先【東京公演中止】

予定のあと先【東京公演中止】

空晴

HEP HALL(大阪府)

2020/10/01 (木) ~ 2020/10/06 (火)公演終了

満足度★★★★

ホンワリとできた。最後の話も最高。大阪のおばちゃんらしさを、楽しめた。次回も楽しみです。

余命バイバイ

余命バイバイ

office Knight

OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)

2020/10/03 (土) ~ 2020/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

内容は良かった。案内が今一つで、イラっとしたが、観劇後は満足。あり得ない事だが、あって欲しい。人生は一度キリ。時間は戻らない事を再確認し、今を大切にしようと思わせてくれた。

All My Sons

All My Sons

serial number(風琴工房改め)

シアタートラム(東京都)

2020/10/01 (木) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★

「劇作家より演出家」を自称しても劇作家色の濃い詩森氏が、今回は古典を相手についに「演出」だけをやる(正確には翻訳で「書いて」いるが..)。演目・俳優陣と相まって興味津々、日程危うかったがどうにか観劇できた。

本企画は○○劇場プロデュースかと見紛う本格的な古典戯曲への取り組みで、詩森氏が自らの「演出家」像をトラムの土俵にさらす、言わば勝負舞台。して堂々たる舞台化だった。

この作品の現代との隔たりをどう捉え、処理するか、という点では評価がしづらい。劇の「調」としては、昨年新国立研修所の成果として観たイプセン作「社会の柱」が思い出された。こちらも地元のある会社の主の「罪」にまつわるドラマ。自らの過去の「嘘」によって今は名声を手にするが、当時を知る者の帰還により転覆の危機に見舞われる展開。ただし最後に「人間賛歌」が高々と歌い上げられる。
一方アーサー・ミラーの処女作という本作は、大戦後のアメリカの片田舎の町が舞台で、地元で成功者となった事業主ジョーにも「罪」の影が。
主人公である息子(社長の)クリスは、戦死(戦闘機が墜落)した弟ラリーの元婚約者アンを遠方から呼び出して彼女への思いを遂げようとしているが、母ケイトはラリーがまだ生きていると信じて疑わず、ラリーとの関係解消を意味するクリスとアンの結婚も当然受け入れられない・・この基本構図にアンの父(ジョーの共同経営者だった)を含めた戦時中のエピソードが絡みついて来る。

作家の筆力と、場面の狙いを的確になぞるケイト役神野三鈴の(演技的)八面六臂の最大が、第二幕でジョージ(アンの兄)を迎える場面。久しく故郷を離れたジョージは弁護士となり、獄中の彼の父(戦時中戦闘機のエンジンの部品の不良品を納品して約20人の兵士を墜落死させたスキャンダルでクリスの父と共に実刑を食らうがジョーは早々と出所)に会って証言を聞いたことで激高し、クリスの家を告発しにやってくるのだが・・。ジョージ演じる金井勇次も、登場しない父親に通じるだろうあるキャラを体現し、温かく残酷で切ない。

田島亮は2012年に同じクリス役を演じていた模様(この演目が今回選ばれた理由はそれだろうか)。罪を問う道徳劇のようなラストの生硬さそのままに、クリスの演技も生硬であったが、ドラマの「目線」となる役として不問に付されるも最後には母ケイトから「あの子は何者なのか分からない」と言わしめる謎が確かにある人物。このあたりで「戦争」が彼に何をもたらしたかを(観客に勝手に)想像させる何等かの引っ掛かりが欲しかった気がする(戦争は我々にはブラックボックスだ)。

一家の主(社長)ジョーを演じた大谷亮介が、本人のキャラもあって「人物」先行、台詞をニュアンス優先でねじ伏せた感が随所にあり、結果人物の魅力を放つ。彼が「神の眼差し」からくる罪責にでなく、息子の死の真相を知って絶望するラストには、これは戯曲通りだろうか、若きケイトの前に肩で風切るジョーが現われるという二人の出会いの濃密な一瞬がよぎる。彼の唯一の倫理「家族のため」の原点であり、この世の凡そ全ての人間が「そのために」生きる現実はあるが、不良部品の飛行機で墜落死した兵士らの存在が眼中になく、それでいて情熱家に見えるジョーの人物像は、(日本人の自分には)一般化しづらいものがある。アメリカでは「こういう人いるいる」の一類型なのだろうか、先日観た「心の嘘」の北部の親父を思い出す(あれほど酷くないが)。
作品背景についてはそんな風に納得しておこう。だがこの舞台の味はやはり俳優の仕事。そしてそれを引き出した演出の仕事も記憶に刻んでおこう。

ネタバレBOX

トラムでは前も役所的で上からなスタッフ対応にげんなりした記憶があるが(知名度の高い俳優の出る公演で)、コロナ対策でも同様なのを見て「こういう時に心根が出る」と残念感が湧く。芸術を愛で、応援する同じ側としての親近感をどうも抱けない・・とは言い過ぎだろうか。
コロナ対応では(うるさ方の兄貴が本多でも見られたが)マスクを外した人間に注意する劇場内マスク警察、否監視員が食傷であった。場内の温度はやや高めでマスクをしているとボーっとして来る。マスクを下げた私をスタッフは一定時間待ったのかも知れないが、私は飲料を口にするタイミングを計っていたので、肩を叩いて来たスタッフに振り向かず即座に手で「判ってる」と対応し、茶を飲んだ。

入場時チェック=検温と体調では割り出せないコロナ感染者(最も感染力が高まるのが発症直前~2日前あたりというから厄介である)が万一、劇場に入場した場合、今は空気(エアロゾル)感染が疑えず、マスクをしていようが漏れまくりだから感染は適切に防げないという現実がある。

ではマスクは何のためにやるかと言えばくしゃみ・咳・会話での飛沫飛散防止ツールとしてである(大きな飛沫には当然多くのウイルスが含有されているから感染者の飛沫を浴びない事は大事だ)。ただ、観劇中は喋らないし咳はともかくくしゃみは滅多にない。今回の観劇では最後まで咳払い一つ聞こえなかったから、言わばマスクがその効果を(幸いにも)発揮しない2時間半があっただけである(幸いとは、くしゃみをすればマスクから微細飛沫は漏れ出て場内に漂うので)。従って、感染防止には「換気」の方が余程重要である。

マスクをつける=周囲の安心、というのが実態だが、「安心と安全は違う(むしろ真逆)」とはよく言われる事で放射能被ばくへの対応が雄弁に説明している(「危険でない」と思って気にしない=「安心」が「安全」から遠いのは自明の理)。
「マスクをしていれば感染しない」と思い込んでいる大多数が居る、という仮定の下に、「皆がマスクをしていれば安心」(互いに不安にさせない)という状況が生まれる。
一方、多くの劇場では「マスクを外した場合も咳くしゃみの時にはタオルや衣服で飛散を防ぐ、咳エチケットをお願いします」というアナウンスを流す所が多い(時とともに変遷しているかも知れないが)。これは常識的な対応だと思う。
トラムの場合はせめて室温を下げてくれれば、マスクが辛い状態は幾らか緩和されるのに、、と思いながら、背後の視線を気にして観劇するのも嫌なので、途中から鼻出しマスクをした所、随分楽になった。
だが休憩後に「マスクを着用下さい」を客席の下の段から順次アナウンスするくどさ。「マナーの悪い人間には断固対応させてもらうぞ」という居丈高は、マスク着用絶対善(安全)説に乗っかっており、こういう役所的な態度は幾ら公共劇場でもヤだなと思う。世田パブは前からこんなだっけ・・違ったように思うんだが。
『浦島さん』『カチカチ山』 

『浦島さん』『カチカチ山』 

ヴィレッヂ

東京建物 Brillia HALL(東京都)

2020/10/04 (日) ~ 2020/10/17 (土)公演終了

満足度★★★★

太宰の作品の中ではなじみのある「カチカチ山」。読んでも面白い作品で、朗読作品としても人気がある。その本文に大枠として、執筆当時の太宰本人と、弟子との葛藤、出演者を見て歌を四曲入れた構成(青木豪)は原作を程よく生かして1時間半の舞台にしている。いのうえひでのりの演出もこの欄の「浦島さん」の評とはだいぶ変わって、よく動き、にぎやかで飽きさせない。出演者も狸を演じる宮野真守。ウサギを演じる井上小百合、それぞれ歌にモノローグに、芝居にと、音との絡みがあるので、気が抜けず大車輪だが、とにかく走り抜ける。
コロナ騒ぎで、人数も少なくてできるものと考えたもののようだが、企画そのものはあまりビレッジらしくない。いのうえ演出は、この程度の舞台ではもったいない。もっとダイナミックで面白い舞台を用意してもらいたいものだ。2.5ディメンションと新感線やミュージカルをつないで、新しい時代のエンタティメントを期待している。

ネタバレBOX

一夜楽しく見るには、こわばったコロナ対策で、ここも例によってうんざりする。厚生省もあまり役に立たないと認めているマスクの強制(要請ではない。平然とケン高く強制する)や、手指消毒。チケットを客に切らせる、などといういやみな対策はやめたらどうか。
マッチ売りの少女

マッチ売りの少女

青年団若手自主企画vol.84 櫻内企画

アトリエ春風舎(東京都)

2020/09/26 (土) ~ 2020/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

時々観ると、確認できたり新しい発見があったりして楽しいです。

ネタバレBOX

おなじみの元マッチ売りの少女が訪ねて来る話。

典型的な詐欺の言い回しに慣れ親しんでいることから、市役所の方から来ましたかと思っていましたが市役所から来ましたでした。

戦後間もない頃のサラリーマンは、酔っ払ったときなどのノリでマッチ売りの少女からマッチを買ったことがある人って意外と多かったのでしょうか、何かそんな気がしてきました。

豪華なテーブルの代わりに使われていた折り畳み式の椅子付きテーブル、いいですね。
みどりの山

みどりの山

Pityman

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2020/10/02 (金) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

実演鑑賞

いやはやなんとも。。とりあえず一つ。窓の向こうに見たことない山が現れてきてるのは山が出てきたんじゃなくて、こっちの土地が沈んできたからじゃないのかって推理。こっちの土地が沈んだんじゃなくて隆起、もしくは中間に見えてる土地が沈むかしないと理屈が変だよね。

4年くらい前に、花まる学習会王子小劇場での「しろいあさに心臓ちぎって」そのあとの十色庵での芝居で、若手のセンス良い脚本家の印象が強かった分、ガッカリ感が強くて。

富豪刑事 Balance:UNLIMITED The STAGE

富豪刑事 Balance:UNLIMITED The STAGE

ソニー・ミュージックエンタテインメント/アニプレックス

クラブeX(東京都)

2020/10/02 (金) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★

森田涼花さん出演。
富豪刑事は今年アニメ化されてたのですね。変わったリュックがありましたが、あとで調べてみるとアニメがで出たもののようで。アニメを知ってたら、より楽しめたかもしれません。
とはいえ、すごい舞台でした。チケット代はどこでも12,000円とかなりのものですが、それだけのことはあったと思います。
Twitterとかで写真が公開されてますが、後ろのモニターのようなスクリーン。そこにいろいろ映し出す演出がとても良かったです。主人公のガジェットの効果がとても分かりやすいです。
クラブeXは円形ステージが魅力です。舞台上の回転板も効果的に使ってました。ギャグにも、ストーリーの大事なところにも見事に活かしていました。
森田涼花さんは「佐伯まほろ」役。ご自身のイメージそのままというか、ぴったりの役でした。28歳の森田さんですが、相変わらず可愛らしいですし、その演技も見事です。そういえば一年前は同じ劇場で「けものフレンズ」でしたね。声優さんを目指すので舞台出演少なくなりそうですが、ファンとしては貴重な機会を逃さないようにしたいものです。
森田さんはアクションしませんが、アクションシーンの皆さんは大迫力で、すごかったです。

ネタバレBOX

死んでなかったことは、正直言って納得感ありませんでした。無理があるなあ、と。アニメでガジェットのすごさを感じてたら、違う感想になったのでしょうか。
ホクロのある左足

ホクロのある左足

兵庫県立ピッコロ劇団

ピッコロシアター (兵庫県)

2020/10/02 (金) ~ 2020/10/07 (水)公演終了

満足度★★

うーん・・・。評価し難い。何が言いたいのか、何を訴えたいのかぼやけてる。演技は良かったが・・・。

All My Sons

All My Sons

serial number(風琴工房改め)

シアタートラム(東京都)

2020/10/01 (木) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/10/03 (土) 19:00

演劇の魅力に溢れた舞台だった。観るべし!
 通常『みんな我が子』という題名で上演される、アーサー・ミラーの1947年の戯曲で、私も2011年の新国立劇場での上演を観た。主宰の詩森は、本作を上演するにあたって新訳を試み、脚本・演出を担当するのだが、このチャレンジングな姿勢が舞台を作る原動力になっていたように思う。2011年に出演した田島亮が同じ役で出演。
 物語は第2次世界大戦直後のアメリカ地方都市で飛行機の部品を作る工場を経営するケラー家を舞台に展開される。不良品を空軍に納入し21人の若者を事故死させたとの罪を問われるものの何とか無罪となった父のジョーを軸に、長男クリス、母ケイトらの家族と、3年前に行方不明となった次男の元恋人でクリスとの結婚を意識するアン・ディーバーとその兄、そして、ケラー家を取り巻く隣人たちを描く。徐々に事情が説明されていき、さらに、不良品納入の経緯や次男の死の謎が徐々に明らかにされていく戯曲の展開が見事である。2011年の上演を観たときよりも分かりやすい舞台になっていたのだが、それは「父と息子の葛藤」という文脈で語られることが多い本作に、母ケイトの視点を加えて再解釈したことによると思う。
 その意味で、ケイトに神野三鈴を置いたことの意味は大きいし、叩き上げの父親をしっかりと演じた大谷亮介の存在感も重要である。この2人を含む役者陣の確実な演技と、演出の力量が感じられた。
 なぜ今これを、という思いもなくはないが、そんなものを圧倒する素晴らしい舞台だった。トリプルコールもさにあらん、と思うし、私も基本的にはしないスタンディング・オベーションをしてしまった。

All My Sons

All My Sons

serial number(風琴工房改め)

シアタートラム(東京都)

2020/10/01 (木) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/10/06 (火) 19:00

登場人物の感情の変化に付いていけない所もあったが、とても見応えのある舞台だった。そして3度のカーテンコールとスタンディングオベーション。この時期に演劇が見れるお客さんとやれる役者さんの、共に感謝と喜びの思いが詰まった心に残る瞬間だった。

『浦島さん』『カチカチ山』 

『浦島さん』『カチカチ山』 

ヴィレッヂ

東京建物 Brillia HALL(東京都)

2020/10/04 (日) ~ 2020/10/17 (土)公演終了

満足度★★★

「浦島さん」を観劇
太宰 治「お伽草紙」の「浦島さん」を舞台化したもの。とくに中盤は会話の連続なのでほぼそのままである。原作は浦島太郎の物語を太郎と亀のくだくだとした会話で延々と伸ばしたもので、あらすじを書けばただの浦島太郎のお話になってしまう。したがって皮肉や揚げ足取り満載の会話を楽しむべきものなのだろう。ただし竜宮での生活はタイやヒラメの舞い踊りがない地味なもので作者の思いが感じられる。80分休憩なし。

いのうえひでのり演出ということで劇団☆新感線的な何かを期待してしまうが登場人物が3人という時点でそれは無理だと諦めなければいけない。とはいえ亀役の粟根まことさんの(いつもの)怪演がたっぷり楽しめるのは劇団☆新感線ファンには嬉しいところだ。その怪人粟根と渡り合う福士蒼汰さんは大変だったろうが一歩も引けを取ってはいない。しかし私の一押しは乙姫役の羽野晶紀さんである。出番は多くはないが実に個性的でチャーミングであった。今まで私の脳内ではあのお姑さんのイメージが邪魔をして正しい姿をとらえることができなかったが今回で払しょくできたと思う。

以上に述べた「ストーリーは浦島そのもの」「何事も起こらない」に気づくのが遅すぎた、と言うより終わるまで気が付かなかった(笑)ためあまり楽しめなかった。満足度は星3つ。

・会場の東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)について
池袋駅の東側、ヤマダ電機とビックパソコン館の間を抜けていくと小さな公園がある。以前は公園の向こう側に豊島区役所と豊島公会堂の古い建物があって急に寂れてしまっていた。そこにいきなりおしゃれな建物群が出現した。「東京建物 Brillia HALL」はその一つにある。それを見るのが第一の楽しみであった。ホールは3階構造で合計1,300席のほど良い大きさである。できたばかり(とは言っても2019/11開業)で小奇麗だがとくに目立ったものは残念ながらない。

風吹く街の短篇集 第三章

風吹く街の短篇集 第三章

グッドディスタンス

本多劇場(東京都)

2020/09/23 (水) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

7月の第一弾から続いた「風の短編集」第三弾の最終日、小松台東「グレートコマツブラザーズ」を劇場で拝見。他、配信では風間&喬太郎を鑑賞。
本多で小松台東を観るのもこの企画ならではだろうし、落語も他のミュージカル系・歌舞台も企画性満載だが、この企画のスローガンは「劇場の灯を消すな」であった。だが7月当初から9月末の3か月、コロナ状況的に変化はなくとも国内の「空気」は全く変わった気がする。

さて小松台東は後から思うと舞台上ディスタンスがあり、お得意の「密」でこすれあって加熱するドラマではなかったが、程よく意表を突く笑える展開や胸熱くする瞬間もあって面白く観た。塩野谷氏をはじめ配役が贅沢かつ的確で良い。ただ人数に比して深く描写しきれず薄味な感も。既に劇団員となった瓜生氏らが宮崎弁を操る宮崎県人を演じていた。

未定

未定

学習院大学演劇部 少年イサム堂

イサム堂公式youtube(東京都)

2020/10/03 (土) ~ 2020/10/20 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/10/04 (日)

興味深い芸術論が展開されていました。劇場でも上演したら面白いと思います。

BETRAYAL 背信

BETRAYAL 背信

PLAY/GROUND Creation

赤坂RED/THEATER(東京都)

2020/09/25 (金) ~ 2020/10/01 (木)公演終了

満足度★★★★★

「誰が誰を愛していたのか・・・」やはりそういうことだったのね・・・という結末ではありましたが私には度し難いです。夫の親友と不倫を7年間なんてとてもできない小心者なので、やはり共感はできませんでした。
だんだん過去に遡っていくという作りは面白かったですが、開演前に当日チラシに目を通しておいて良かった。これをしていなかったら私など置いてけぼりになっていたかもです。
青柳尊哉さん、鍛治本大樹さん、それぞれ違うタイプの二人はどちらも素敵でしたし、無機的な舞台セット、音楽も良かったです。千秋楽で思わず涙した青柳さん、無事に終えられてほっとしたのでしょう。

余命バイバイ

余命バイバイ

office Knight

OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)

2020/10/03 (土) ~ 2020/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

彼(藤原光一)を死なせないで
ばなーた、1年5か月後から来たのね
愛した経過がない。最期は妻(江藤美咲)だけが知る。
友情と愛 生きていく辛さ 苦しさ 切なさ を、最後に胸に押し込まれた感じだ。
とても良い作品 面白い。

ネタバレBOX

時間を遡る 余命と引き換えに
その後の運命が変わる 変わった途中経過の記憶がない
妻になった 愛した経過がない
漫画家 実力がない 余命がない
俺の代わりに溯ってくれ
リセット 余命は戻らない
妻(江藤美咲)が、余命バイヤーに依頼 彼(藤原光一)を死なせないで
ばなーた、1年5か月後から来たのね
全てが元に戻る 藤原光一の余命はない。
妻(江藤美咲)、夫の藤原光一は、愛した経過がない。
今は、荒井順と結婚 最期は妻(江藤美咲)だけが知る。
友情と愛 生きていく辛さ 苦しさ 切なさ を、最後に胸に押し込まれた感じだ。
とても良い作品 面白い。

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