最新の観てきた!クチコミ一覧

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月曜日の朝、わたしは静かに叫び声をあげた

月曜日の朝、わたしは静かに叫び声をあげた

甲斐ファクトリー

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/11/25 (水) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

月曜日の朝、わたしは静かに叫び声をあげた

月曜日の朝、わたしは静かに叫び声をあげた

甲斐ファクトリー

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/11/25 (水) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

一言で表すならワールド?な、お芝居でした。

昨年の「八月のモンスター」タクシー飛ばしてリピート券使って観に行ったぐらい良かったんだけど。期待してたのに・・今年は全てコロナ鍋が悪いの?それとも、元々こっち系の作家さんだったの?

悪魔だか悪い人だかはっきりさせなかったのが、何だかワールドになってしまった原因だったんじゃないのか。

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観劇するモード?観客に何を楽しませようとしてるのかが最後までつかめきれなかった自分の努力不足?魅せ方の問題?

You'll Never Walk Alone

You'll Never Walk Alone

青春事情

ザ・スズナリ(東京都)

2020/11/26 (木) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

いやはや。FC東京公認でもよいのではないか。それくらい、汎用性が高かった。実在する味の素スタジアムの観客席で応援する3組を、それぞれの物語から描いていくが、群像劇に見えなくもない。なぜか。やはり大観衆のサポーターという匿名性からだと思う。そこに色付けしていく快活さが魅力である。

観客というのは「観る」側であるが、ここでは客体ではなく主体となっている。サッカーの試合展開を感じられる臨場感は、彼らの応援やアナウンスによってものの見事に再現されている。

スリーウィンターズ

スリーウィンターズ

劇団未来

未来ワークスタジオ(大阪府)

2020/11/20 (金) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

時代背景をもっと理解して望めば、一層楽しめたと思います。今回は客演も多く、らしさが少し薄れていたと思います。しかし、演技はとても良かったです!ありがとうございました‼️

優し音につつまれて

優し音につつまれて

劇塾!S.W.S

魅殺陣屋スタジオ(大阪府)

2020/11/27 (金) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

犬を飼っているので、😖😢😭💨号泣。涙鼻水が止まらず、焦りました。演技は別として、ストーリーは良かった。しかし、人間は最終的には一人に孤独になる。孤独と上手く付き合っていくことが大切❗

一日だけの恋人

一日だけの恋人

稲村梓プロデュース

サンモールスタジオ(東京都)

2020/11/26 (木) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

千秋楽を観劇。

2人芝居ですが、他の方が触れているように歌とか色々な要素ありで飽きさせない展開。

稲村さんの魅力ももちろんですが、相方の杉山さんのリアクションも見事。

飛龍伝~風信子と共に~

飛龍伝~風信子と共に~

ThreeQuarter

萬劇場(東京都)

2020/11/26 (木) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

風チームを観劇しました。聴き取れない台詞や、声のかすれが少し気になりましたが、熱い舞台で観応えありました。それぞれの思いや立場故に、愛し合いながらも対立しなくてはならない男女の姿・・切なかったです。そして、こんな時代もあったんだな・・と、しみじみ思いました。良い舞台でした。

月曜日の朝、わたしは静かに叫び声をあげた

月曜日の朝、わたしは静かに叫び声をあげた

甲斐ファクトリー

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/11/25 (水) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

ダークファンタジーになるのでしょうか⁉︎
いくつかのテーマが内包されていて、
それぞれがうまく絡み合っていて面白かったです。

「昨日の自分と明日のあなた」「アマニサクト」

「昨日の自分と明日のあなた」「アマニサクト」

しみくれ

荻窪小劇場(東京都)

2020/11/27 (金) ~ 2020/12/01 (火)公演終了

満足度★★★★

本日(29日)雨の回、雨の回観劇してきました。拝見したあと、ハッピーエンドなのか違うのか、考えちゃいました。少し理解するのに時間かかっちゃいました。
演者の皆さんの演技はいろいろ実際には芝居に出てこない背景まで考えて演じられているとのこと(アフタートークで話してました❗)で、とても素晴らしい演技だったともいます。応援してるモリマリさんもさすがの世界観で良かったです。

ネタバレBOX

最後のシーンはこういうことだったのか。という、解説的な感じなのですか?
どういう意味だったのか?なんだか、考えてしまいました。
妹さんかわいそう、あの犯人ひどいですよね
わが町 高円寺

わが町 高円寺

演劇なかま高円寺

座・高円寺1(東京都)

2020/11/27 (金) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/11/29 (日) 11:00

ほんわか、楽しめた舞台でした。

刹那的な暮らしと丸腰の新選組

刹那的な暮らしと丸腰の新選組

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2020/11/26 (木) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

歴女の回想形式で展開する幕末伝_新選組の人間模様を中心とした歴史と今の出版業界の在り様、過去と現在を往還させ軽妙洒脱かつ鋭く描いた好公演。”生きてこそ”をしっとり感じさせる物語は、その後の新選組(隊士)と定年後の第二の人生を…生き様に悲哀も付きまとうが、それ以上に力強さを思わせる人間賛歌。実に見事な公演であった。
(上演時間2時間 途中休憩10分含む)
2020.12.1追記

ネタバレBOX

舞台セットは劇団らしくしっかり作り込む。上手側に和室、二階を設え上り下りの動作に躍動感を持たせる工夫。下手側は黒板塀と出入り口。和室には「差し向かう心は清き水鏡」の横軸。場面に応じて和室が池田屋になったり新選組の屯所だった八木邸を思わせる。先に舞台技術にも触れておくが、幾何学的模様を描く照明(何となく落ち葉の重なり合い)が、表現し難い心の在り様に代わって照らしているようだ。また音響は重厚とポップな音楽を場面ごとに使い分け、場面の演出効果を高める。

説明から、某出版社に入社した新人女子社員が一冊の本に目を通していた。それはその出版社によるベストセラー・新選組本である。内容は新選組隊士たちが抱える苦闘と知られざる日常を章立てに描いた短編。新選組のことに全く無知な新人女子は、ページをめくりその世界へ...。新選組の日常を描く短編と新選組歴女たちの溺愛妄想が爆発するオムニバス舞台。
現代から幕末を回想というか夢想_新選組が時代の奔流に立ち向かった状況を、隊士の日常を通して人間臭く描く。描く人間も新選組でも有名な近藤局長、土方副長、沖田、永倉、藤堂などの各隊長だけでなく、無名の平隊士の言葉をもって紡ぐ。

一方、現代の出版業界の変容_本が紙媒体から電子媒体へという変化の中、紙の感触やページを前後させることで時代の流れを感じる、憂いにも近い描き。同時に先の新選組本の編集に携わった編集者(現幹部)の諦念⇒定年後の心配をする現実感を皮肉、ユーモアをもって語る。大政奉還後の新選組隊士の生き方と出版者の幹部連の行く末に重ね合わせる。
公演の魅力は、先に挙げた有名人物だけではなく、むしろ歴女が好意を示した平隊士の視点というユニークさ。多くの人物が出会い交流し、それぞれが幕府に忠義を尽くす。この一点に収斂する。一方、現代では燃え尽き症候群のように怠惰な状態を対比する。新選組に興味もなかった新人女性がその歴史の面白さにハマる、その状況や立場等の違いを書の章立てーオムニバス的に描く構成の巧みさ。

群像劇であるが、1人ひとりの人物像がしっかり描かれ、脚本は現在への時間続き(経過)の中で物語を過去・現在を巧みに繋ぐようなシンボライズの上手さが真骨頂。演出はアップテンポ、軽妙洒脱なシーンとシリアスなシーンを描き分け、物語に緩急と硬軟を巧みに組み合わせ、観客の意識を刺激し続ける。
物語の底流には、人の優しさ温かさを感じさせる。そんな時代を超えた人間賛歌…見事でした。
次回公演も楽しみにしております。
月曜日の朝、わたしは静かに叫び声をあげた

月曜日の朝、わたしは静かに叫び声をあげた

甲斐ファクトリー

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/11/25 (水) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

人間心理の残酷さ脆さを掘り起こすタブーを描いた異色作。心・脳内ーその記憶喪失と記憶再生を斬新に”視覚化”した異色のサスペンス劇といった印象である。多くの文学作品を思わせる台詞、例えば「今日も太陽はムダに輝く」等は有名な小説を示唆している。ある指向性を思わせるが、表層的には若い女性の心象風景_毎日変わらない当たり前の暮らしが一変する。この変化も有名な小説をイメージさせる。公演は、2つの物語を並行と交錯によって重層的に描こうとしているが、その関連性が少し弱いような…。
それでも根底にあるのは、「人間」への限りない興味、そのことを十分に思わせる作品だ。
(上演時間1時間30分)

ネタバレBOX

舞台は大小4つのBOX、それを場面に応じて配置や向きを変えることで情景や状況の変化を表現させる。物語はコロナ禍のオフィス、そこで働くベテラン営業社員が突然他の女性に自分の人生を奪われる。自分の名を名乗り、会社同僚を始め恋人にまで無視される。自分は何者なのか?アイデンティティを奪われた悲哀、喪失、絶望が記憶の扉を閉じる。

同時(並行的)に、自分らしさ、性癖(女装趣味)や性好み(同性愛等)などマイノリティの課題を描くこと、この2つの物語は自分自身と向き合う といった共通項は観られるが、その関連性というかストーリーの絡みが、互いを支え合ったように思えない。それぞれが独立した2つの物語という印象が強く、重層性を抽出しきれなかったのが残念。とは言え、物語るサスペンスフルな描き方は巧みだ。イメージの喚起力ある構成だけに、2つの物語が有機的に関連付けできれば もっと印象深い作品になっただろう。

物語は学生(小学生か中学生?)時代、何気なく発した言葉によって傷つけられた女性が恨みを晴らすため、当人の人生を奪うといった復讐劇であるが、何となく逆恨みのような展開_過剰反応、ナルシスト的な思いが暴走し…。
コロナ禍の職場状況を垣間見せ、従来の半拘束的勤務形態(通勤時間む含め)と今 ソーシャルディスタンスという名目でテレワークが導入。今までの不自由さから解放され、ある程度自由度が広がった現況、自由時間が多くなった分、いろいろな事を思い巡らす。その中には嫌な思い出等、嫌悪・非情が露出する、ある種のノワール劇といったところ。

キャストは総じて若いが、その中に時代劇であれば口入れ屋的な存在の男が実に飄々とした振る舞いと とぼけた味わいが印象的であった。登場人物は個性豊かに演じており、全体的にはバランスよく表現していたと思う。
次回公演も楽しみにしております。
ただやるだけ

ただやるだけ

good morning N°5

シアター711(東京都)

2020/11/19 (木) ~ 2020/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

舞台観劇を始めて2作目として拝見するには強烈な舞台でした。
キャストさんの熱量と怒涛のセリフに圧倒され、「たまげた!」の一言でした。
このような舞台をみて、どんどんはまっていくのだな~と実感。
開演前にキャストの皆さんがお出迎えしてくださって、コロナがなかったらもっと楽しい仕掛けがあったとお話していました。
コロナの前からgood morning NO5を見ている方々がうらやましく思いました。

飛龍伝~風信子と共に~

飛龍伝~風信子と共に~

ThreeQuarter

萬劇場(東京都)

2020/11/26 (木) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

第二章、頭を強く殴られたみたいに、超、感動した。二度目は、感動は、半減するかも、と思っていたが、違った。
前回より、劇場の椅子も座りやすく、照明、音響効果も 抜群で、本当にパワーアップしていた。
そのせいか、前回以上に、感動して、涙がホロリとこぼれた。
前回聞き取れなかったところ、意味がわからなったところも、バッチリわかり、本当に、素晴らしかった。
よい作品は、何度観てもよいのですね。
忘れられない感動作を演じてくださった、役者さん、本当にありがとうございました。

刹那的な暮らしと丸腰の新選組

刹那的な暮らしと丸腰の新選組

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2020/11/26 (木) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かったです。幕末という時代背景、新選組は大好きなテーマなので、興味深く観ました。役者さん達の演技も良く、知られざる裏側や人物を知る事が出来ました。殺陣も観応えがあり、特に沖田総司を演じた石川健一さんの殺陣は、感動して泣けてきました。変わっていくものもあり、変わらないものもある・・何だか非常に胸にグッときました。大満足の舞台でした!

投げられやすい石

投げられやすい石

ハイバイ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2020/11/18 (水) ~ 2020/11/24 (火)公演終了

満足度★★★★

どこかで聞いた題名?・・そうだ一度観たと思い出した時は既にチケットを買っていた(新作と勘違いした)。
初演は何と2011年(震災前)。こまばアゴラだったらしい。舞台はシンプルでハイバイの過去作の中でも時折思い出す方であるが、自分はと言えば何やら気もそぞろに劇場に入り、ぼんやりと風景を眺めるように舞台を観ていた(耳の奥で「現実」がガランガランと鐘を鳴らしていた)のを覚えている。
そんなコンディションでも、分かりやすく展開する「痛烈にイタイ物語」を楽しんだが、際どいポイント突くな~と感心しながらも見終えた時何かが欠落、又は過剰と感じた。
学生の身で世の注目を得た“アーティスト”佐藤が、失踪する。そして再登場、そこからが「痛い痛い」本編である。
開幕は、佐藤の展示会のレセプション会場の控え室らしい空間で、会場から佐藤のスピーチが遠く聞こえる中、舞台上の山田が、佐藤との思い出を語り始める。少し離れて佐藤の恋人美紀。やがて佐藤がスピーチを終えて控室に戻ると、次は山田の番。逡巡する山田に佐藤は言う。「何も心配はいらない。自信を持て。お前が自分について何かを証明する必要はない、俺がお前のことを評価してる、その事実だけでいい。その事だけで世間の評価はついてくる。だから自分から評価を気にする事なんてない(といったニュアンス)」。山田は自分の絵にさほどの自信もなく売り出そうという野心もなかったが、ただ佐藤という大きな存在によって日常は変わり、あの佐藤に認められた人間という評判が自分のステータスを押し上げ、変えられて行く自分を感じていた。そして同じく佐藤の恋人美紀も「付いて行く」タイプの人間だったが、三人が青春の季節を歩んだ日々は、そのレセプションの翌日佐藤が忽然と姿を消した事で終わる。
さて、ぽっかり穴が開いた時間、山田と美紀は互いの寂しさを埋めるように付き合い始め、結婚(か婚約までだったか)に至る。「そんなある日、僕は佐藤から呼び出しを受けた」・・ここで山田のナレーションは終わり、以後ほぼ「実写」の芝居が続く。

コンビニの雑誌コーナーで立ち読みをしていた佐藤を、最初見誤る山田。まるで風貌を変え、以前の輝き、自信、そして健康を失われた事が一目で判る(そういうメイクもしている)佐藤に戸惑い、山田はすぐさま立ち去りたくなる。だが、そのコンビニで店員から理不尽な扱いを受け、その後雨に降られ、空き地だか河原だかのベンチで過ごし、その後美紀を呼び出しカラオケに行く事となる。芝居の終着点はカラオケである。そして「石」のくだりが、空き地で手持無沙汰に過ごす時間にある。
佐藤は人に触られるとパニックになって後は死ぬしかないみたいな状態の人間になっていた。芝居はこの「醜い存在」を透明プレートの上でフナみたく観察し、解剖し、残酷に葬る。ただし初演時は、佐藤を演じた岩井秀人は作者本人であり、自虐は笑いに通じ、微かに救いがあった。

今回、若い俳優達(皆知らない)によって演じられた「投げられやすい石」は、佐藤を岩井秀人以外の俳優が演じて成立した一点において大きな成果であったと言えると思う。
作者岩井本人による佐藤が恐らく最も的確に違いない。ただしそれはハイバイ独特の構造の中で可能な面もある。今回の若手俳優の佐藤が「やれなかった」演技は、最後に「絵」を見せるまでのくだりである。佐藤の惨状を目の当たりにしながらも、輝いていた一年前の佐藤を知る二人だけに、佐藤の精一杯の「プレゼン」についほだされ、泣くのであるが、それはこういう構図である。
佐藤の「俺は俺なりに頑張って絵を描いてる、そして少なくとも俺はここまで来た!」という言葉は、「それに引き換え二人は描いてきたのか、意志を貫いてきたのか」という問いと表裏一体で、忸怩とする感情が二人に去来する。しかし二人の中でその後ろめたさを「今の佐藤をリスペクトする」という代償行為で打ち消す心理規制が働く。二人が「リスペクト」に導かれたのは、「佐藤がこんなになりながらも、それなりの絵を描いてきた」というドラマチックな物語を佐藤の言葉に見出したからだ。だが二人が自覚的でなかったのは、佐藤が持ち歩いていた絵が「きっと二人を(良い意味で)驚かせる作品に違いない」という前提が忍び込んでいたこと。
カラオケの場面では、その前段に、山田がいない間佐藤が美紀に「セックスしたい」と迫るくだりがある。佐藤がしつこく迫るのを美紀はその性格上邪険に拒絶できず体を触るに任せていたが、それを山田に見つかり、逆上した山田が美紀を連れ出そうとする。この緊張シーンあっての、その後の佐藤の「巻き返し」であった。「ずたずたになっても俺は絵を描き続けている」その絵が、いよいよ開陳される。そしてその瞬間、全てが瓦解する。

ただ、初演と今回とで「絵」は微妙にニュアンスが変って見えた。
初演で出された絵は、「美」の片鱗もなくただ精神薄弱者となり行く者の「後退面」が強調され、それゆえ「痛い」となっていた(病室を描いたような絵で、ベッドの向こうにテレビがありその中でタモリと思しいグラサンの男が描かれていた)。
が、今回の絵は(出来は確かに悪いが)微妙に「頑張ってる」痕跡がある。佐藤は二人のたじろく反応を見て、自分が甘味な空想の中で予想した「佐藤復活への祝福」の態度が微塵もない事を見てとり、何度も自分の絵を見返して首を傾げて焦る、という芝居が、最後を飾る「痛い」場面になる。
美紀がショックを受け、最終的に「もう私いやだ!」と立ち去ろうとする反応は、「微妙に頑張ってる」絵に対するリアクションとしては少し大仰になってしまったような。

ハイバイには『ある女』のような岩井氏本人が演じてこその作品があり、『投げられやすい石』もその一つ。その「岩井秀人の世界」を、「岩井秀人戯曲の世界」へと押し上げる試みは、それ自体貴重な仕事(アーティスト岩井秀人の本来的な仕事)だと思う。上に最後の佐藤の巻き返し「説得」演技は「やれなかった」と書いたが、私は秀逸すぎた初演に比べ、戯曲の狙いと俳優の演技との間で通常生じる「誤差」を考えれば、十分健闘している方である。
初演が作者本人=自虐=笑いの構造にあって、岩井氏が言わば神の特権のように露悪的、というより露醜的?演技を繰り出して笑いを取ったのに対し、今回は俳優が一人のあり得る佐藤を貫徹しようと演じた。ナルシシズムとコンプレックス、どこか漂う純朴さといった佐藤の構成要素を体現し、この戯曲を成立させたという事である。
山田を演じた俳優は初演の松井周に肉薄。恋人役はおっとり型の持ちキャラ(いや演技か)を生かして自然。コンビニ店員とカラオケ店員という佐藤のトラウマ的存在を演じるもう一人も「商品を取るふりをしてふざけた」事を(それと言わず)ネタに外見が「終わってる」(ニット帽を外せば円形脱毛だらけ)佐藤を(これもその外見については一言も触れず)いたぶるとことん性悪な悪役を好演。
詳述しないが石を投げ合う中盤でのシーン、初演にあったのを忘れていた。タイトルに重なる場面だが謎めいて美しい場面であった。

ハイバイ作品の批評は難しい。よく参照させてもらう宮台真司によれば、アートとは人に「傷」を与えるもの。この意味を知るにはハイバイの舞台を観るのが差し当たり正解、と書いておこう。

月曜日の朝、わたしは静かに叫び声をあげた

月曜日の朝、わたしは静かに叫び声をあげた

甲斐ファクトリー

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/11/25 (水) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

月曜の朝、突然世界が変わってしまった女性を巡る色々な人間模様を最小限の舞台装置で描く休憩無し約1時間40分、背景説明の序盤はやや乗れなかったのですが、主人公にある不条理が襲いかかってからは俄然前のめり、キーは図書係とマドレーヌ。

ネタバレBOX

人生を奪ったのがメフィストフェレスっぽい人外存在だったのがちょっと意外。
ボトルネッカー

ボトルネッカー

藤一色

世田谷代田仁慈保幼園 Piazza(東京都)

2020/11/26 (木) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

最終決戦前のヒーロー達は・・・ヒーローだって人間だから色々忙しいんだな。
ストーリーは面白かったのですが舞台の背面に当たるところがガラス張りの扉だったので光って見えにくかったのと外の人通りが気になり集中できなかったのが残念。

ボトルネッカー

ボトルネッカー

藤一色

世田谷代田仁慈保幼園 Piazza(東京都)

2020/11/26 (木) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

まず、世田谷代田駅のところにあんなにきれいな施設がたくさんで来ていたことに驚きでした。そこの保育園でのお芝居。ガラス張りの会場で外の様子も見ながらお芝居を見るというのは新鮮でした。内容もヒーローの裏側的な感じですよく考えられていたと思います。とても面白かったです。次回企画も楽しみです

月曜日の朝、わたしは静かに叫び声をあげた

月曜日の朝、わたしは静かに叫び声をあげた

甲斐ファクトリー

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/11/25 (水) ~ 2020/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

今回で、4回連続で観劇させていただいています。毎回人の心の裏側と言うか、闇の部分に、光をあてながら、人の心を掘り下げていくようなお芝居で、とても心に染み入ります。演者の皆さんの演技もとてもよかったです。相変わらず伊藤さんは変幻自在ですね。次回以降も楽しみです。

ネタバレBOX

ゆみさんと、四月さんの昔からの関係は最後にわかりましたが、伊藤さん演じる元締めはひとならざるものと言うことなのかな?
そういうこと気にしちゃいけないのかな

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