満足度★★★★
人間心理の残酷さ脆さを掘り起こすタブーを描いた異色作。心・脳内ーその記憶喪失と記憶再生を斬新に”視覚化”した異色のサスペンス劇といった印象である。多くの文学作品を思わせる台詞、例えば「今日も太陽はムダに輝く」等は有名な小説を示唆している。ある指向性を思わせるが、表層的には若い女性の心象風景_毎日変わらない当たり前の暮らしが一変する。この変化も有名な小説をイメージさせる。公演は、2つの物語を並行と交錯によって重層的に描こうとしているが、その関連性が少し弱いような…。
それでも根底にあるのは、「人間」への限りない興味、そのことを十分に思わせる作品だ。
(上演時間1時間30分)