最新の観てきた!クチコミ一覧

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ガラパゴス

ガラパゴス

キルハトッテ

水性(東京都)

2026/03/10 (火) ~ 2026/03/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

下半身だけイグアナの娘。中絶と聞くだけで、お腹が痛くなる(直前にニンニクを食べたのもあるけど)。“私のカラダなんだから”って言われちゃうと男はどうしたらいいの?ただ、話は重くならず、さらにナンセンスへ逃避行。

いまのところまだ存在しているわたしのたましいが……

いまのところまだ存在しているわたしのたましいが……

円盤に乗る派

吉祥寺シアター(東京都)

2026/03/12 (木) ~ 2026/03/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

このグダグタした演技はたとえあえてであっても、いい加減もういいんじゃないかと思う。見てて辛い。痛い。セリフはそれなりにいいのに残念だな

国語事件殺人辞典

国語事件殺人辞典

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2026/03/07 (土) ~ 2026/03/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/03/14 (土) 13:00

座席1階

井上ひさしの作品だがこまつ座では初上演という珍しい舞台。言葉が持つ力、歴史とともに移り変わる現実、日本人によって日本語が変えられていく現実など、作家ならではでの視点は新鮮だ。国語学者が相棒と旅をするといういかにも演劇的な展開でこれらを提示していく作品は新鮮で、面白い。

特筆すべきは演出だ。蜷川幸雄に鍛え上げられてきた演出家・大河内直子を起用したのはすばらしい決断だった。普段のこまつ座とは全くテイストが異なる、客席と一体化して躍動するような楽しい舞台に仕上がっている。特に、舞台転換が素晴らしい。駅前食堂、大衆劇場、駅、喫茶店などさまざまな場面がでてくるが、観客の気持ちを止めることなく早変わりのように転換する。とてもテンポがよく、客席は国語学者と一緒になって旅を楽しむことができる。

もう一つは配役だ。国語学者役を務めた筧利夫を始め、大半がこまつ座初出演なのだ。役者の起用は誰が行ったのかは定かではないが、それぞれの役回りがとてもぴったり合っていて、よくこれだけの多彩な顔触れを集めたなと感心する。筧利夫と相棒役の諏訪珠理のセリフはマシンガントークのようだ。歌唱も出てくるのだが、さすが筧利夫の歌はうまい。感心してしまう。

ふれる、文豪

ふれる、文豪

水中散歩

ホワイエ江古田(東京都)

2026/03/12 (木) ~ 2026/03/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い。この3短編小説の選定と朗読順が妙(テーマ性含め)。自分は3編とも未読だが、一度読んでみたいと思った。
昨年は戦後80年ということで、戦争そのものを描いた作品(例えば 特攻や沖縄戦または物質的困窮等)が多く上演されたが、本作は戦後の精神的疲弊といった物語。そして地続きの現代にも通じる世界が…。

物語は、太宰治「トカトントン(昭和22年作)」 小川未明「明るき世界へ(大正10年)」 林芙美子「雨(昭和21年作)」の3篇で、太宰と林の作品は戦後 間もなくの状況を描いているが、小川の作品は大正期で様相が違う。「明るき世界へ」は<小さな芽>と<幸福の島>から成っているが、その世界観は虚無に通じる。戦後 間もなくの2作品(状況)を橋渡しすることによって、その(間にある)精神構造は特殊なことではなく、いつの時代にも起こり得ることを表しているよう。大正期に書かれているにも関わらず、自分は <幸福の島>が戦時中の或る状況に重なるようで怖い。

役者陣の朗読力は確かで、小説という紙媒体の中の人物が血/肉ある生身の人間として立ち上がる。また声質が異なり 歌う場面(トカトントンの中の「インターナショナル」)では、意図したのか分からないが、語り手以外の5人でミニ混声四部合唱になっており驚いた。舞台セットは箱椅子が7つあるだけ、舞台転換はない。物語の場景・状況に応じて座るまたは立つ位置が違う。全員が黒または濃紺の衣裳(靴も含め)で統一しており、話に登場する人物を 外見で特定しない工夫。朗読に傾注した公演、観(聴き)応え十分。
(上演時間1時間25分)追記予定

OUT IN CEREMONY

OUT IN CEREMONY

人畜無蓋

APOCシアター(東京都)

2026/03/13 (金) ~ 2026/03/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

劇団初見。これは学園コントなのですね。予想した内容とは違っていましたが、大いに楽しめました。きちんとした作りには好印象。また観たいです。

鹿鳴館異聞

鹿鳴館異聞

名取事務所

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2026/03/11 (水) ~ 2026/03/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

二転三転する展開にぐっと引き込まれました。史実をベースにした“歴史のIF”の面白さも魅力。
難しいセリフをしっかりと届けるキャスト陣の演技にも見応えがあり、舞台ならではの緊張感も楽しめました。

ガラパゴス

ガラパゴス

キルハトッテ

水性(東京都)

2026/03/10 (火) ~ 2026/03/15 (日)公演終了

実演鑑賞

公演資料を読むと、一本芯がしっかり通っている作品であることが伝わってきます。創作意図もテーマも理解できるし、合理的でありながら、見易さや受け取り易さも意識している。公式情報に載っているためネタバレにはならない…と思いつつ、以降は下のboxに書きます。

ネタバレBOX

タイトルが『ガラパゴス』で、ガラパゴスだからイグアナなのでしょう。いわゆる「ガラパゴス化」の意味合いでこのタイトルだと解釈しています。女性の基本的人権をテーマにしているため、シーン各所や台詞の数々で「自分で決められる権利、そして、その重要性」に触れられています。作品が放つメッセージが点として散りばめられ、それらを頭の中で反芻し繋げていくと、やはり一本芯が通った上演に感じられます。ただ、お話の中盤以降で、シチュエーションやエピソードの数が増えてしまい、やや散漫になってしまった印象も。公演全体の骨格やテーマはしっかりしているため、演劇的な膨らませ方に時間や労力を割くと、よりバリエーションが生まれそう。個人的に、この団体が持つコラージュセンスに魅力を感じているので、今後の創作にも期待しています。
繊維葬失

繊維葬失

人文借景

早稲田大学某所(東京都)

2026/03/13 (金) ~ 2026/03/13 (金)公演終了

実演鑑賞

早稲田大学の敷地内で上演された企画公演。架空のオートクチュールデザイナーをモチーフに、それにまつわる作品や資料の展示会と、演劇の上演会がセットになっています。企画の中心にいるのが架空の人物のため、基本的にフィクションであり、意図的に創作された内容で構成されています。展示会には、人物の年表、肖像、作品などが置かれ、上演会は、同じ会場内で行われ、出演者がその展示会を訪れた設定で進行します。

ネタバレBOX

公演資料を読んだ時に、その企画性に惹かれました。演劇公演の見せ方として新鮮に感じたし、演劇は「いない人の話をする」ことに向いています。アイディアの広げ方にも複数の可能性があると思いました。展示会の中を覗くと、笑いにウエイトを置いた内容に見え、コメディ要素が強い印象を受けました。後半の上演会では、その展示会を訪れた大学生が「分からないこと」をテーマに短編を上演します。この内容も、いわゆる「あるあるネタ」のような雰囲気で、やはり笑いにウエイトを置いており、展示会を含めて全体的に笑いが強めかなぁ…と思わせつつ、最後の最後に「分からないことこそ面白い・惹きつけられる」というシリアスなシーンで締めていました。公演趣旨や企画性も理に適っており、本人たちがやりたいことの輪郭もはっきりしていて、そこへ等身大の問題意識を投影し、コミカルでありながら、それ一辺倒ではない作品。全編を通して、そんな印象を持ちました。
完熟華火

完熟華火

中央大学第二演劇研究会

シアター風姿花伝(東京都)

2026/03/12 (木) ~ 2026/03/15 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

ガラパゴス

ガラパゴス

キルハトッテ

水性(東京都)

2026/03/10 (火) ~ 2026/03/15 (日)公演終了

実演鑑賞

何を描こうとしてるのかは薄ぼんやり見えるけど、色んな視点というよりも焦点がぼやけてしまってる印象。
下半身がイグアナになるって要素も、ワンクッションや象徴というよりは、曖昧さが増してる感じで。
個人的には、描きたい部分を直球でリアリティをもって探るほうが良かったと思う。
アフタートークで少し出てたんだけど、フィクションとしての距離感みたいなのは。
思考実験、リアルに想像した話として描けば、逆に丁度良かったんじゃないかなって。

内容には関係無いんですが。
昼間で水性独特の、あの外の通りがガラス張りで。通りすがりの人の野次馬的な声が聞こえてしまって。
そういうのが良い演出になる場合もあるんだけど。この芝居内容的にはノイズだったと思います。

※チケットプレゼント見させてもらったので星評価はつけません。ありがとうございました。

鹿鳴館異聞

鹿鳴館異聞

名取事務所

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2026/03/11 (水) ~ 2026/03/15 (日)公演終了

実演鑑賞

まず、入場して作りこまれた洋館の美術に目を奪われる。
場内には静かに雨音が客入れから響く。
暗転。開幕すると雨のシーン。いつしか雪模様に。

始まってしばらくは、時代がかった大げさなセリフに、やや怯む感じもあったんだけど。
理想と俗物さ。どちらも人間だ。一つの醜聞は二転三転。
演劇の仮装性みたいなものも重ねられて。真相が明かされるときには、
時代も新しい幕開けを迎える。

観終わって、鹿鳴館が舞台じゃないんだよなって、気づく。
実は、激動の時代にあった悲喜こもごもで、なかなかにエンタメ。
序盤がややたるく感じもしたけど、キャラも強く、ミステリーとしても上質で面白かったです。
背景説明されてる用紙が当日パンフにはさまれてるので、開演前に目を通しておくとより理解しやすいかも。

※チケットプレゼントで見させてもらったので星評価はつけません。ありがとうございました。

ネタバレBOX

紙吹雪が使われるのですが、”蝶”の形に切り抜かれてるんですよ。
前方席だったので気付ましたが、この拘りは素敵だ。
揺れる

揺れる

東京演劇アンサンブル

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2026/03/10 (火) ~ 2026/03/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

独特な世界観。とても、惹き込まれました。素晴らしかったです。

鹿鳴館異聞

鹿鳴館異聞

名取事務所

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2026/03/11 (水) ~ 2026/03/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 驚嘆! 流石名取事務所、タイゼツ、ベシミル!! 華5つ☆。3月15日が楽日。尺は約115分。開演前に往時の説明が入るから早目に行くと良い。手話通訳も入る。

ネタバレBOX

 名取事務所がこのような収容人数の劇場で上演するのを拝見したのは初であったが、驚嘆した。見事である。これ迄拝見して来た舞台も総て極めてグレードの高い作品群であったが、今回は脚本の素晴らしさのみならず演出、役者陣の演技と舞台美術、衣装、音響や照明、様々な仕掛けの効果、総てが実に見事に作品の深みや高みに収斂してゆく。
 無論、その前提として実在した森 有礼と、その最初の妻・常及び千代(看護婦兼侍女)が女二人だけで何故今作の舞台となる築地にあった外国人居留地内の館に住んでいるのか? 鋭敏な観客にはこのような自問があったであろう。
 鹿鳴館が建てられたのは1883年、その寿命は短く1894年には華族会館として払い下げられたと当パンに記されている。して、今作で描かれるのは1889年2月10日の夜、即ち明治憲法発布の前日という設定だ。この夜、岩倉具視の娘・寛子と1887年に再婚していた有礼が居留地の館を訪れるという設定になっている。そして、常との離婚に関する噂が広まり明日ある大変大切な行事に差し障りがあってはいけないから、執事の勝又以外の人間は決して通してはならぬ、と言い置き、自身はその行事に出席する為帰宅してしまった。   
 だが有礼退出後、しつこくドアを叩く音がした。入って来たのは以前親しくしていた男爵夫妻…。ところが・・・なのだ! ここから先クライマックスは観て確かめるベシ。
アベンジャーズ2026ver

アベンジャーズ2026ver

カプセル兵団

三鷹Ri劇場(旧 三鷹RIスタジオ)(東京都)

2026/03/10 (火) ~ 2026/03/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

おもしろいコメディでした。

ネタバレBOX

等身大の世界観で音響、照明に頼ることがなく、役者は自由に動き、その瞬間の感情で会話をつなげていく、その役者の演技力はとてもさえていました。リラックスして観れるシチュエーションコメディでした。
アイロニーの丘:Re:Re

アイロニーの丘:Re:Re

9-States

駅前劇場(東京都)

2026/02/26 (木) ~ 2026/03/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ちょっと突き放すような対応
でも、それが自分で考えさせることにつながっているのが、寄り添うことが正解なのか!?と、考えさせられました
笑いどころの多いステージ、楽しかったです!

これが私の世界

これが私の世界

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2026/03/04 (水) ~ 2026/03/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

演者達の熱量を思い切り感じるステージでした

ナイト・オブ・ザ・ミミキングパンダ【東京公演】

ナイト・オブ・ザ・ミミキングパンダ【東京公演】

yhs

インディペンデントシアターOji(東京都)

2026/03/04 (水) ~ 2026/03/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

そういう展開できましたか!?
問題提起的なものもありましたが、楽しかったです!

ネタバレBOX

続きがありそうな結末が、少し消化不良に感じました
『ガチゲキ!! Part3』

『ガチゲキ!! Part3』

『ガチゲキ!!』実行委員会

座・高円寺1(東京都)

2026/03/06 (金) ~ 2026/03/14 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ガチゲキ感想
ほしぷろ✕劇団だるめしあん

ネタバレBOX

ほしぷろ
『名前がカタカナの難しい人たち』
構成・演出:星善之
原作:『トロイラスとクレシダ』

舞台が始まるとジャージの人物が二人。
シェイクスピア『トロイラスとクレシダ』の人物表を読み上げる。
手にしているのは小田島訳と松岡訳。
片方はプリアモス、片方はプライアム。あれ、違う。
的なシーンだ。シェイクスピア翻訳あるある。このシーンが体感結構長く、展開としては同じ調子なのが観劇の出足としては痛かった。

演劇部的な二人が、顧問の先生っぽい人の与える「シェイクスピアの『トロイラスとクレシダ』を二人で上演せよ」という無茶ぶりに翻弄されたりやってみたり、という展開。

舞台開始から、劇場には現代の戦争のような音が間断なく流れている。

この状況で、舞台上で起きている事をどう観るか、というのが観客投票によって大きく異なる作りだなと思ったし、刺さる人の方が少なそうな試みのようにも思える。
演劇バトル・ガチゲキというある種のエンタメイベントにおいてこの球を投げてくるというのは、相当にぶっとんだ作り手なのだと思う。

見え方として一番濃厚なのは
国家(=先生)とその国民(=部員たち)
という印象だ。

先生らしき人の言うままに、部員は『トロイラスとクレシダ』のシーンを演じ始める。
一人が何役もやる、という形態は私はとても好きなのだが、舞台上では「そんな無茶な」という前提の元に、おざなりな「やらされてる感」の強い演技が続く。
この感じが結構長いのもまた、観ててちょいとしんどいポイントだった。
シェイクスピアの台詞を、一人で何役も。もっと楽しそうにやってほしい。という思いと、いや、国家と国民を被せているとしたら、これが正解か、という思いと色々複雑である。

先生の無茶ぶりについていけなくなった生徒らが、「一人でやって下さい」と舞台を降りていく。
やってられない世界、への叫びのような物は感じる一方、世界のやってられなさをそのまま「やってられなさ」として投げつけられた感がある。
「じゃあどうしたら」は私たちが持ち帰る問題ではあると思う。
劇場から出た後にじわじわ効いてくるタイプの演劇だと思った。
観客投票が観劇後すぐ行われる、という形式においては、極めて不利な演目のように思う。投票までに咀嚼し切れない。
私が観た日の投票では圧倒的に負けていた。それすらもどこかで「人は分かりやすい答えに食いつくからね」と微笑まれているような気がする。
やっぱり、相当にぶっとんだ作り手な気がする。審査員評に強そうだ。

ただ、世界情勢が混迷する中、戦場音が流れていると、リアルが舞台空間を凌駕しているので「演劇観てる/やってる場合か」という感情が先行して掻き立てられる気がした。
イヨネスコの戯曲とかを読んだ際の、「何だこりゃ」感にとても近いものがある。なんだこりゃ。



劇団だるめしあん
『死ぬばかりの君たちへ~シェイクスピア♂️学園~』
作・演出:坂本鈴
参考作品:『ロミオとジュリエット』『マクベス』『ハムレット』『オセロー』『十二夜』

そしてほしぷろの後に劇団だるめしあんだ。
シェイクスピアの登場人物たちが集う学園をテーマにした乙女ゲー厶の中に腐女子二人が入り込んでしまう。
全ヒロインに死亡エンドが待つ中、その運命から逃れられるのか?

という、ノリも温度感もほしぷろとは対照的な演目だ。
設定がアホらしくてすっと観られる。味つけもエンタメ色で、正体不明の食べ物かも分からない物体を出された後だと、とりわけごちそうのように見える。

ただこちらも、食べやすいごちそうの見かけをした劇薬だ。
物語が進むにつれ、やはり世界への叫びが展開される。
個人の、中年の、叫び。女性の、叫び。世界の仕組みへの、叫び。
その構造の分かりやすいボスキャラとして「女性蔑視の権化・シェイクスピア」を置くことで、それを乗り越えていく主人公たち、という姿を分かりやすく観る事が出来る。
このアホから主張へのシフトがとても上手い。いつの間にやら引き込まれて、主張に共感しやすい下地が出来ている。
わりとゴリゴリした主張をバリバリ戦わせる後半だが、とても受け入れやすい。
前に観た同劇団の『ラブイデオロギーは突然に』(とても良かった)の方向性と共通の物が根底にある。
いつのまにか涙を流し、世界の問題と戦ったような気持ちになって劇場を出る。
とても良かった。


本当に対照的な二演目だった。
世界の「やってられなさ」をそのまま舞台に乗せるのか、「それでも」と抗う姿を見せるのか。
観客票は劇団だるめしあんの圧勝だったし、まぁそうなるだろうと思う。
ただ、抗う姿を観て、私たちはスッキリして劇場を出て良いんだろうか、とふと思う。劇場を一歩出た先には、やはりままならない世界が広がっている。
答えは自分で見つけて下さいと、ほしぷろが微笑む姿が脳裏によぎる。もう一回ほしぷろを観てみたい気になるのが、悔しい。



しかし、座・高円寺はやっぱりバカでか空間だなと思う。今回の二演目、いや、露と枕・鋼鉄村松も合わせて四演目、願わくばもう少し小さめの空間でもう一度観てみたい。劇エネルギーの散り方が尋常じゃない。たぶん、もっと凝縮された何かが、客席と舞台の間で消失してる気がする。
Anything Goes

Anything Goes

Seiren Musical Project

新宿村LIVE(東京都)

2026/03/10 (火) ~ 2026/03/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/03/13 (金) 18:30

Anchor班。155分。休憩15分を含む。(80-休15-60)

ガラパゴス

ガラパゴス

キルハトッテ

水性(東京都)

2026/03/10 (火) ~ 2026/03/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

シュールな世界観、鋭い感性。
表層的には、生きる者と生かされる者といった自立と他律を中心に、周りの人々が振り回される姿を面白可笑しく描いているが、その底は怖い。説明では「日本における人工妊娠中絶を取り巻く事象を扱い、『私たちのSRHR』をテーマ」となっているが、もっと言えば「命」そのものを捉えている。それも人間だけではなく他の動物まで、だからこそ、その象徴としてのイグアナ を想像してしまう。

相手に寄り添った言動をしているようで、実は自分の思いや考えを押し付ける。その噛み合わない会話が不穏で不気味だ。演出は 登場人物の立場や性格をコミカルに描き、重たいテーマを緩衝させているよう。突拍子もない展開だが、この先どうなるのか興味を惹く 力 がある。

水性で何度か観劇しているが、この客席配置は初めてで、少し落ち着かない。物語に集中しようとするが、硝子戸1枚隔てた外の人々の覗き込むような姿/様子が視界に入る。集客や観やすさの関係で、普通の配置(風水の観点は別にして、戸を背にすること)は難しかったのだろうか。
(上演時間1時間25分)

ネタバレBOX

舞台セットはベットが置いてあるだけで、他は水性の常設セット。上演前から寝ているサチコ、それが中絶手術をしてからある程度 時間が経っているいることを表している。

ナスノ看護師が寄り添っているが、すぐに退院できるわけではない。ベットから起き出してみれば尻尾があり 下半身はイグアナ。イシダ医師は暫く病院での検査が必要だと言う。サチコは正社員への面接があり、その買い物のため退院を強く申し出るのだが…。
サチコのパートナー ユキオ(旅行代理店勤務)、続いてサチコの姉 アキコが静岡から来る。どうしても退院したいサチコ、しかし 医師は海外の病院での精密検査が必要だと言い出す。サチコの代わりにアキコが転院手続をし、乗船させようと車で移動。その途中で運転しているサチコがユキオを轢き殺してしまう。そのユキオ 幽霊になっても登場し続ける。サチコは非正規職員としてペットショップで働いていたが、既に同僚のウオズミが社員になっていた。

サチコは、なんでも自分で決めたがる性格のようで、中絶も自分の体のことだし ユキオには相談(同意署名)なし。姉アキコはサチコが上京する際、相談もなしにと憤慨す。一方 ナスノは自分の意志で判断することが出来ず、イシダの指図のまま行動(妄信)。さらにイシダは自分の父の監視下で動いている。サチコの自立とイシダやナスノといった病院関係者の他律、その間でユキオ、アキコそしてウオズミが振り回されるといった構図。医師曰く イグアナになったのは中絶が原因ではない と。カフカの「変身」のような不条理系かと思ったが、物語の筋(芯)はハッキリしており、そこにイグアナや幽霊という奇抜さ、更に漂流するような滑稽な会話。キルハトッテのキャッチコピーにあるコラージュする といった多種多様な描き方で「SRHR」を考えさせる。

サチコは病院食では飽き足らず、肉が食べたいと言い出し 焼き肉店へ。多く注文し、中には苦手なモノもあった。残そうとするが店員(イシダ医師の2役)がそれを許さない。「命をいただいている」のだから。何となく自分の意志で「人工中絶」を決め実行する、一方 妊娠した命(未来)が 何かと天秤に掛けられているような。そこに得体の知れない不気味さを感じる。コミカル⇒コラージュな描き方によって、物語に潜む問題等を観客に委ねたようだ。
次回公演も楽しみにしております。

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