漸近線、重なれ
EPOCH MAN〈エポックマン〉
新宿シアタートップス(東京都)
2024/04/01 (月) ~ 2024/04/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
一色洋平×小沢道成『漸近線、重なれ』(作:須貝英 音楽:オレノグラフィティ)観劇。
住人たちが入れ替わるアパートを舞台に「僕」と他者との付かず離れずの交流、人と人との出会いと別れが描かれていく。そんな日々の風景にカットインする「僕」と「君」の往復書簡。互いに宛てた手紙に紡がれた思い、また紡げないままの葛藤が過去と現在が観客を物語の深いところへと誘っていく。
と、このあらすじの時点でまず驚きなのが、これが二人芝居ということです。アパートの住人たちや大家さん、母や地元の幼馴染も出てくるけれど、演じる俳優は舞台にたった二人。人々の温度や息づかいの交錯するこの物語が一体どういう形で表現されているのか。その方法を是非劇場で目撃してほしい。
どこを切り取っても人の温もりに触れることのできる、人の営みがすぐそばに見える風景に胸がギュッとなりました。大家さん、愛らしくて、愛おしくて。だけど、たしかにそこには、始まり、続き、そして終わる人生があって、「生きている時間」があった。人間の身体ができること、そしてこの身体が知っていることを慈しみながら見つめていました。舞台美術もまた驚き。劇場に入ってまず率直に思ったのは「ここでどうやってお芝居するの?」ということでした。
シングルファザーになりまして。
演劇集団 Ring-Bong
座・高円寺1(東京都)
2024/03/27 (水) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
昨今の色々な問題を盛り込みつつも、コミカルかつ軽快に描かれていて楽しく観させていただきました。
また粒揃いの役者陣で安定感のある舞台でした。
永遠アイドル
lovepunk
劇場MOMO(東京都)
2024/04/02 (火) ~ 2024/04/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
めっちゃ面白かったです。難しいこと考えずにただ楽しめた舞台です。
女性の気持ちがよくわかる〜
今も昔も・・・なところも良かった!見逃すのは残念!
白鳥先生と過ごした2日間
enji
調布市せんがわ劇場(東京都)
2024/04/03 (水) ~ 2024/04/07 (日)公演終了
白鳥先生と過ごした2日間
enji
調布市せんがわ劇場(東京都)
2024/04/03 (水) ~ 2024/04/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
厳しい内容を暖かく、かといって甘すぎもせず、いい塩梅で描く。enjiの舞台はまだ数本しか観ていないが、本作が一番好きかも。
レンタルディレクター
演劇企画アクタージュ
studio ZAP!(東京都)
2024/04/04 (木) ~ 2024/04/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
アクタージュさんには独自の演技メソッドがあるとしか思えない
“STRAYDOG”さんにも似た突き抜け感
日常風景であって日常でない、大阪人顔負けのコッテコテ&どことなくシュールな匂い
最初こそ一歩引いたスタンスで観ていたものの、これが段々クセになってくるというか いつの間にか笑いをかみ殺してのアクタージュワールド
今回これまで役者として出演されていた竹下亘さんの初 作・演出作品になるのでしょうか
自劇団の魅力となり得る部分を良く分かっているなぁという印象で、ピンポン玉が弾んでいるようなフットワーク、猥雑な面白さがありながらシーン(日時)が変わるごとに衣装チェンジされていく細やかさも活き、本作に出演されている主催 大関雄一さんもめっちゃ楽しそう(笑)
体感的にはコメディー8割のドラマ2割
とは言えラストに近づくにつれドラマ部分が俄然生き出し、ちゃっかりロマンスも
最後に涙が滲んできたのはジ~ンときたからなのか、笑いをかみ殺し過ぎたのか
キーワードは“突き抜け感”
各々の個性を演じ切った役者さん達が清々しくキラキラ輝いて見えるのでした
ギラギラの月
プレオム劇
ザ・スズナリ(東京都)
2024/04/03 (水) ~ 2024/04/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/04/04 (木) 19:00
価格5,000円
19年前に書かれた故中島淳彦氏の脚本。
劇団も脚本も初見での観劇となりましたが、昭和観あふれる舞台の上で本当に生活しているかのような女優たちの自然な演技。スッと大泉サロンの世界に入り込んでしまいました。
その役の個性や人物描写が色濃く描かれるだけで、他人の心は温かくなったり、興味関心がどんどん湧いてくる。それを見事なクオリティで上手く魅せている作品です。
ナマリの銅像
劇団身体ゲンゴロウ
新宿スターフィールド(東京都)
2024/03/27 (水) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/03/30 (土) 13:00
実は、今回観た劇の『ナマリの銅像』は、2022年にも観ているのですが、前回観たさいは確か観客側ではマスク着用とか体温を測ったりなどの色々な制約が多い中での、更にかなり小さな会場での公演だったと思う。
なので今年の公演では、会場も大きくなったうえ、マスク着用がどちらでも良くなったり、だいぶコロナ前の状況にようやっとなってきて、前回の公演よりも観る側もだいぶ自由になってきたので、前よりもより没入感が強くなるかと思い、更に前回の天草四郎の物語よりも今回のあらすじの解説を読んだ感じだと進化するか、物語が拡がっているものとすごい期待しておりましたが、良くも悪くも前回と変わらない内容、没入感もいい意味で前回と同様だった。
ただし、前回劇公演の料金が投げ銭制だったのが、今年の公演では普通の小劇場公演で取る料金設定になっていたところが、変わっているとしたら、そういう所だと思う。
前回よりパチンコ店のマイクパフォーマンス場面での益田四郎(天草四郎)役の初鹿野海雄さんによるマイクパフォーマンスを通した人旋回術というか、そのマイクパフォーマンスの言霊が、最終的に第二次大戦以前や第二次大戦時における天皇の御言葉など、天皇を現人神へと昇華させていった。戦後も天皇という存在自体は日本において存在し、ほとんどの国民が疑問を持っていないこの危機的状況をも内包させているふうに感じ、前回以上の迫力と怖ろしさが滲み出ていて良かった。
前回より広い会場ということもあってから、所々現実に引き戻されたり、何よりも集中力が続かなかったので、やはりかなり小さい会場やまたは工場跡とかのほうが絶対に合うと感じた。あと、前回観たときと違って、劇の後半で裏切る武将の山田役がいかにも怪しい感じがでているイケオジな男性が演じていましたが、見た目からは何を考えてるか分からない感じで、しかし見るからに怪しいというか、どうせ裏切るといった感じが出ていなかったので、やはり山田役は前回のように女性が演じたほうが良いと感じた。
ミュージカル版 『五色ロケットえんぴつ』〜気がつけば恋の話〜
劇団帰燕
高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)
2024/04/04 (木) ~ 2024/04/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2024/04/04 (木) 16:00
価格3,500円
脚本家の園田英樹氏が手掛けるミュージカルプレ公演。
五色ロケットえんぴつ…略して「ロケミュ2024」を観劇してきました。
エンタメ性が全面に出ている本作品は、若い役者たちのパフォーマンスから
衣装チェンジまでの視覚的要素が大きく、今どきの「きゅん」ポイントが沢山詰まった
可愛さ溢れるステージ。お芝居と言うより、歌と台詞付きのライヴを見ている感覚かな。
4チームの内、今回はBチームの舞台を楽しませて頂きました。
漸近線、重なれ
EPOCH MAN〈エポックマン〉
新宿シアタートップス(東京都)
2024/04/01 (月) ~ 2024/04/07 (日)公演終了
朝日と夕日の出会う国
劇団ミックスドッグス
上野ストアハウス(東京都)
2024/03/28 (木) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
(あたらしい)ジュラシックパーク
南極ゴジラ
王子小劇場(東京都)
2024/03/28 (木) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
新ハムレット
早坂彩 トレモロ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2024/03/22 (金) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/03/27 (水) 14:00
事前に青空文庫で「はしがき」を読んで臨んだので太宰による「あの人物/設定なら自分だったらこうする」的な二次創作(=薄い本?(爆))として観てあれこれ得心。
先入観もあってかいかにも日本的で太宰らしい(いや、そんなに太宰作品に接した訳ではないが)気がする。
また、その感覚は紋付やインバネスコートに山高帽という古き日本を思わせる衣裳による部分も少なからずあるな。そしてその衣裳がそれでなくとも的確な配役に更なる説得力を持たせて印象的。
更にシンプルながら造形美を感じさせ盆のように回る装置もセンスが良くて好き♪
花に嵐
東京タンバリン
東京国立博物館九条館(東京都)
2024/04/04 (木) ~ 2024/04/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/04/04 (木) 13:00
座席1階
東京タンバリンがかつてより行っている、和をモチーフとした舞台「わのわ」。今回は講談とのコラボだが、演劇と講談は実は相性が非常によいことが分かる。観劇後はそのまま座って、出演した俳優さんたちがおいしい抹茶と香川県坂出市の「名物かまど」の和菓子を振る舞ってくれる。このような演劇体験は初めてだ。
「わのわ」を見るのは自分は初めて。今回は東京国立博物館の敷地内にある茶室を舞台にして上演された。茶室だから畳敷きで、床の間の絵画も何やら由緒ありそうなものだ(ひょっとして文化財?)。窓から見る桜は満開。いす席と座布団の席を一列ずつ、舞台を挟んで両側に配置し、かたわらには茶の湯を沸かす茶釜が湯気を立てていた。始まる前からこれまでの小劇場観劇とは違ったムードが漂う。
講談を見たことのないお客さんのために、皮切りは講談師の一龍斎貞寿による、易しい解説からスタート。目尻の下がった笑顔がとてもチャーミングな貞寿だが、いざ講釈台を張扇でパパンとたたくと座がキュッと引き締まる。実は今回、舞台の導入部や舞台転換で貞寿がパパンとたたき、舞台の背景を講談調でしゃべるのだ。お客さんはこの軽快な話術に引き込まれ、舞台をしっかり理解することができる。実にいいコラボレーションだ。
物語は由緒ある日本料理店。茶道のたしなみのある主人公の女性は、同窓生の日本料理店社長に請われて従業員に茶道を教えに招かれる。ところが行ってみると、生徒である従業員は一人も来ない。この社長は女性関係が派手で、奥さんが不義を疑い、意地悪をしていたとみられるのだ。
茶室が舞台だから、茶道を教えるというシチュエーションにはぴったり。だが、おもしろいのはやはり、東京タンバリンが得意とする日常的な人間関係が織りなす会話劇だ。驚いたことに畳の上で和服の女性が取っ組み合いのけんかをするシーンも登場する。
俳優は全員が和服。茶室が舞台なのでこれがすごく美しく映る。何の小道具もいらない。お客さんは「日本料理店にある茶室」との設定に違和感なく溶け込んでいく。
講談とのコラボも奏功し、貴重な演劇体験を味わうことができる。もちろん、物語自体も面白い。終演後にお抹茶をいただいたから言うのではないが、見ないと損するかも。
新ハムレット
早坂彩 トレモロ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2024/03/22 (金) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
原作を知らないのが
ただただお恥ずかしい限りなのだが、
美術も衣装もオシャレだったし、
抽象的な美術の使い方が凄く上手だった。
何より俳優さんが達者‼️
個人的に感嘆したのは、クローヂヤス役の
太田さんと、ポローニアス役のたむらさん。
特にたむらさんのお父さんは「目から鱗‼️」
でした。女性は、女性のままでもお父さんに
なれるのだなぁ(びっくり)
観る前に原作を読む余裕があると
作品は倍楽しめたと思います。
(そこは自分に対して残念です)
天の秤
風雷紡
小劇場 楽園(東京都)
2024/03/29 (金) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
史実に基づく舞台 演劇作品で
ハイジャック事件の流れを
忠実に再現しながら 人間ドラマが
見事に描かれ
それぞれの立場だけでなく
素性や内面も 会話や振る舞いで
描かれていたので
それぞれの気持ちに寄り添ったり
後ろから頭をバシッとしたくなるような
苛立ちを感じたり
地上から奮戦する空港関係者に
エールを送って、と
再観劇でストーリーはわかっているけど
その場面場面に集中して
共に闘う気持ちで
最前列で観た時は 役者さんと
擦り合うくらいの距離感で
でも ふれあう事のない
こちらは当然ながら安全な場所いる事が
自分が飛行機本体で
機内や地上で起きている事を
見守っている そんな思いも感じました
観劇 ではなく
搭乗 という言葉で
機内アナウンスのような前説も
気持ちを高めてくれて
飛行機が飛び立つ爆音で 本当に
Gがかかったような感覚がありゾクゾクしました!
事件の実話ですし
乗り越えたから幸せになる
という話ではないですが
すごく面白くて 観れて良かったです!
正夢
星歌オムニバスひとりしばい公演
北池袋 新生館シアター(東京都)
2024/03/28 (木) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
頑張っていた。
・・というコメントは一番無粋な類だとは思うが、見たそのままの感想が出た。五名の劇作家のラインナップは目を惹くが、書き下ろしとなると贅沢な反面「出来」も気にかかる。もう一つ別の舞台と散々迷ってこちらを観た。どっちが良かったとは判定できないが、結果的に良かった。北池袋駅周辺の長閑な地区に降り立ってすぐの新生館という空間も駅も初めての場所で、昼下がりに池袋駅方面へ歩く道行きも新鮮で久々に旅気分込みの観劇であった。
演目の方はそれぞれの劇作家らしさのある作品、10〜15分程度の、と当初書いたらしい宣伝文句の中にあったが、前説で115分と案内される(とすると一作15〜20分の勘定)。テーマ設定がない分、この星歌なる若輩のパフォーマーにインスパイアされて書いたと思しい作品が多い。手作り感のある劇場には星を誂えた美術が、最後の演目(柴幸男)に寄せたのかとも思ったが、「星歌」に寄せたのだな。ムシラセ・保坂萌の作はゾンビがいるディストピアな未来に、一人でやってるラジオ放送を聴きながら「読まれる」はがきを書こうと頭を捻る少女の話、笑いを好む作者らしい内容。続くMCR櫻井智也は先頃別れた彼氏の悪態をつきつつ想念から離れない二律背反に悶える女性の話、オノマリコの作品が最もスケール感とスピード感があったのは意外だった。続く鈴江敏郎は友達から聞いて作った物神との対話(自己問答)、柴幸男のは宇宙を旅する者の語り。「他者」が出て来ないほぼ独白は詩の朗読の域で、ラスト2つ抽象的舞台が続いて体力もそろそろで眠気が襲ってしまった。見て判りやすいものが三つ続いた後でもあり、順番的にどうだったかな、と。体力さえあれば終盤に抽象度の高い世界に入るのも悪くはないが・・。
しかし全体として中々なレベルであった。
花田少年史
人形劇団ひとみ座
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)
2024/03/26 (火) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ひとみ座を見始めたきっかけが同じ劇場で観た70周年記念と力の入った「どろろ」。今回も劇団総出の力の入った公演、観るしかないと足を運んだ。
終演後、自分には意外だったのが今回が75周年だった事。つまりひとみ座観劇歴史は5年。えーもっと前かと思った。。やはりコロナ禍が時間感覚にかなり影響している。
作品は所謂「人形劇=子ども対象」の範疇。そこが「どろろ」と大きく違う。題材がこれなのでそうなるかという所ではあるご。。
面白い演出ではあった。いや存分に趣向を凝らしこのコミックのドラマ世界を具現していた。ただ、ドラマの強度が気になった。同じ筋書きで別の色合いは出せた、かも知れないが、脚本かな・・。
冒頭とラストでロック調のテーマソングが
生演奏で披露されるが、この曲は悪くないが、ラストではオープニングにはなかった歌詞、あるいはCメロが欲しかった。カーテンコールで同じ曲のサビ〜ラストを一クサリやったのもお腹一杯であった。音楽監修が入ったらそこは意識してアレンジを施したのではないか、と想像をしてしまう。終わり良ければ、なのである。
アンドーラ
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2024/03/11 (月) ~ 2024/03/26 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
隣国「黒い国」と緊張関係を持つ架空の国アンドーラを舞台とし、ユダヤ人差別を軸に展開する不思議な味わいのドラマだった。文学座のアトリエ公演は濃い。秀逸。
文学座の勢いある女性演出陣の若手の一人とされる西本由香の演出舞台は初めてであった。その視点で反芻していなかったが、アトリエ公演らしい実験精神も見られた。架空の世界を描く際には、確かに、その世界を統べる法則や人々のふるまい方、習慣が戯曲に即して特徴的に描かれたい。
ただこの作品では「ユダヤ」という固有名詞は現在用いられるそれそのものとして使われ、迫害の熾烈な隣国の好戦的ファシズムの脅威にさらされた国、を舞台に、平和主義を貫いているとは言いつつそこここに欺瞞が満ち、ユダヤ差別も屈折した形で存在する哀れな弱小国の現実が浮かび上がる。この作品のメタファーがどこへ向かっているのか、どの現実を特に意識して書かれたものなのか、知りたく思うが舞台のみでは思い至らなかった。
天の秤
風雷紡
小劇場 楽園(東京都)
2024/03/29 (金) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
テレビの再現で取り上げているので分かっているが、映像では伝えられない生の緊迫感を観ることができました。そして、正面のない楽園の使い方が見事でした。