
ラブピー
トツゲキ倶楽部
「劇」小劇場(東京都)
2021/10/27 (水) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
トツゲキ倶楽部の公演は、期待を裏切らない面白さ!
短編三話…プロローグが三話目に繋がりエピローグとしてテーマであろう「思い」と「生きる」をしっかりと浮かび上がせる、その構成は巧み。押し付けがましくなく、さり気なく、しみじみとした味わい。観ているだけで優しく温かい気持にさせる作品群。三話とも基本的(Wキャストの前田綾香さんと横森文さんは除く)には、4人のキャスト(少数精鋭)。ちょっとした仕草や微妙な表情はほんと上手い。バランスも良い。
三話のタイトルは次の通り。英語で副題あり。
①火星の我が家
②見上げてごらん、星空の父を
③俺たちは天使じゃない
(上演時間1時間40分 途中休憩なし)2021.10.28追記

エレモア・ムーブ
バンタムクラスステージ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2021/10/22 (金) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
さすがのバンタムクラスステージ。
新作はハリウッドを舞台にしたコメディと謳い、たしかにコメディなのだが軽すぎない。むしろしばらく重い。笑 ただしその重さを気取られないよう軽妙に見せることはやっていて、それが序盤にあらわれている。ものすごい情報量を一気に観客にぶつけるオープニング、見事である。
「かべぎわのカレンダリオ」でもその一端を感じられた作者の映画好きは今作まさにである。映画ネタが分からなくても作品の面白さは変わらない程度にとどめてある、それでも作者の映画好きが伝わるし、なにより主人公が米国映画界で生きていることのリアリティが出ている。
実在のネタと架空のネタが混ざり合い、かつ俳優陣の演技によりエレモア・ノートンが実在の俳優に見えてくるし「デッド・ディール」が実在の映画に思えてくる。
作中のセリフにある通りの練られた脚本が見事であり、すべての登場人物を好きになり、何度見ても面白い。難点は終わりがあっさりしていることだろうか。今作も登場人物たちのその後を知りたいと思わせてくれる見事な作品を作り上げてくれた。
以下ネタバレBOX。

ラブピー
トツゲキ倶楽部
「劇」小劇場(東京都)
2021/10/27 (水) ~ 2021/10/31 (日)公演終了

エレモア・ムーブ
バンタムクラスステージ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2021/10/22 (金) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/10/26 (火) 19:00
初見のユニット。ハリウッドを舞台にしたコメディタッチのかなり込み入った芝居だが、ベテランらしく練られていて、面白く観せてもらった。
落ち目のアクション俳優エレモア・ムーブを取り巻く様々な人たちに、いろいろと取り込まれながら、エレモアが窮地を脱する物語。登場人物が多く、それぞれのエピソードを展開するために、やや冗長な印象がなくもないが、中盤からの展開は素速く、ややご都合主義的な筋もコメディと思えば許容範囲だと思う。楽しく観た115分。カーテンコールはややクドイ気がした。セリフを怒鳴る演出が多用されるのは一考を願いたい。ハウスキーパー役の馬渡直子がいい味を出してる。

キルミーアゲイン'21
劇団鹿殺し
紀伊國屋ホール(東京都)
2021/09/30 (木) ~ 2021/10/10 (日)公演終了

いのち知らず
森崎事務所M&Oplays
本多劇場(東京都)
2021/10/22 (金) ~ 2021/11/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
岩松了の芝居では、よく変なことが起きる。観客にとってわけの解らないこと、と言ってもいだろうか。それも突然。
それは作者が舞台の上に起きることに、ある視角をつけているからで、普通は満遍なく観客に説明していくところを隠してしまう。だから、ある俳優が(経歴が隠されているために)突然観客に理解できない言動をしたり、とんでもないところから(セットが隠されているために)あらわれたり、ストーリーが飛躍したりする。劇中人物にとっては当然のことだが、見る方はそのたびにおやっ?となる。
その一部隠しの作劇術は三十余年前の初期のご近所三部作や竹中直人の会から冴えていて作者お手のものだ。岩松流不条理劇の核心だが、今回はミステリである。もともと、隠すことで読者を翻弄するのが本領のミステリではどうなるのか。
設定は平易なもので、人里離れた飯場に、かつては同級生だった若い男二人(勝地涼 仲野太賀)がやとわれている。舞台はその飯場宿舎の一杯。先輩(光石研)やさきにここで働いていた兄を探しにやってきた男(新名基浩)に教えられながらの職場だ。しかしその職場で行われている事業がよくわからない、山中にある療養所なのだが、そこで何が行われているか先輩をはじめ、皆言うことが少しづつ違う。経営者の身内らしい本部の人(岩松了)に聞いても判然としない。
死亡した人を蘇生させる、事業だとも聞かされ、兄を求めてやってきた男は、兄がその実験材料になっているのではと疑っている。先輩もその噂は否定しない。次第に疑惑が濃くなっていく…、という展開を、登場人物のキャラクターや小さな日常的な身近なエピソードを混ぜながら膨らませていく。二時間、三度の暗転だけで、かなり速いスピードで休憩なしで畳み込んでいく。俳優は全員よく頑張ってセリフをこなしている。岩松了。この作品を台本だけ渡されて処理できる演出者は…ちょっと思い浮かばない。やはり、作・演出、それに出演もやって終始舞台を完結させたお点前お見事ではあった。だが、latticeさんの「見てきた」ではないがこのお流儀になれていないとつらいことも事実だろう。終演後の通路では「どーなってんの?}という声も聞かれたが、それでも九分の入り。かつて、東京乾電池は岩松作品を上演することで固定客が大幅に減ったがめげなかった。今はもっと楽に勝負できている。
ここから先はネタバレで書くが、これはミステリのパロディがテーマという芝居でもない。コロナ禍が生んだ、現代の情報社会への痛烈なパロディでもあるし、常に不条理が伴う現代の社会劇でもある。

15(Fifteen)
円盤ライダー
アトリエファンファーレ東池袋(東京都)
2021/10/25 (月) ~ 2021/10/31 (日)公演終了

太秦ラプソディ
劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)
サンシャイン劇場(東京都)
2021/10/22 (金) ~ 2021/11/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/10/26 (火) 13:00
座席1階
スーパーエキセントリックシアターの舞台でいつも期待するのは、座長の三宅裕司と小倉久寛の掛け合いだ。今回も盛り込まれてはいたものの、主な笑いどころは劇団員たちによる軽妙なギャグの数々だった。それはこの舞台が大部屋俳優たちを主役にしているからであり、タイトルにもあるように「名無し」の出演者たちの軽快な動きが今回の舞台を支えている。
コロナ感染対策?のため1回に制限されているカーテンコールの後の恒例のトークで、三宅さんは「SETは非常に幅広い年齢層で構成されている」と言っていた。舞台のテーマである「いつかは主役を」という夢にあふれる大部屋俳優たちのような劇団であるようだ。老若男女が入り乱れての今回の構成に、それこそ幅広い年齢層が集まっている客席もみんな、よく笑えるわけである。
SETが時代劇を取り上げたというのもいいな、と思う。描かれている通り、時代劇はテレビの主役からとっくに締め出されていて、今や専門チャンネルのBSで固定ファンをつないでいる状況だ(NHKだけは頑張っているが)。そのテレビも若者たちは見なくなっていて、人気ドラマという言葉さえ存続が怪しい。パンフレットに「時代劇基礎知識集」が載っていたのは、なんだか寂しい気もしたが、時代劇というジャンルを次世代に引き継ぐためには必要なのだと思う。
時代劇では定番の「人情」を描いているためか、今回の舞台は派手な笑いが起きる仕掛けにはなっていない。だが、私としてはSETの面白さは思いっきり笑える舞台だと思っている。そういう点では少しおとなしい舞台であった。

エレモア・ムーブ
バンタムクラスステージ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2021/10/22 (金) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
個人的な事情で半年程劇場から足が遠のいていましたが、当日券で飛び込み実演鑑賞。
映画的演出の喜劇ですが、終盤に伏線がきれいに回収されていき、見ていて、違和感や疑問点が残らず、とても面白かった。
各々のキャラも立っていて、細かい台詞回しもキャラクターの個性作りに効いている印象。

五番目のサリー
M・G・H / ニッポン放送
よみうり大手町ホール(東京都)
2021/10/21 (木) ~ 2021/10/30 (土)公演終了

15(Fifteen)
円盤ライダー
アトリエファンファーレ東池袋(東京都)
2021/10/25 (月) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
演者さん達が楽しそうに演じるからか終始笑いっぱなしで見てるこっちまで楽しめました。
特に25日ゲストの足立さんのライオンキングは圧巻でした。(褒めてます)

『動ける/動けない 言える/言えない』を考えるWS 試演会
升味企画
アトリエ春風舎(東京都)
2021/10/24 (日) ~ 2021/10/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2021/10/24 (日) 16:30
企画が面白く、舞台も興味深く観た。
3人の作・演出の劇団主宰が、各自書いた脚本をシャッフルして演出する企画で、タイトル通りの試み。3作品ともそれぞれに特徴ある芝居だった。

BROKEN『ロミオとジュリエット』
Rising Generation’s Act
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2021/10/22 (金) ~ 2021/10/25 (月)公演終了
満足度★★★★★
日本史は詳しくないけど、蘇我、物部とロミジュリの融合の発想が凄い‼️シビアな場面だけでなく、笑い(稲森さん最高😃⤴️⤴️)もあり、強弱のある演劇で、目👀を離せなかった。最後がわかっているが楽しめた。

15(Fifteen)
円盤ライダー
アトリエファンファーレ東池袋(東京都)
2021/10/25 (月) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/10/25 (月) 19:00
価格4,000円
これぞ円盤ライダー!
久しぶりの東京公演、初日を観劇出来て良かったです。
劇場をこう言う風に使うのかっ!といきなり驚かされました。
笑いあり、そして感動あり。このコロナ禍での円盤ライダーさんの2年間が役者さんの芝居を通して充分過ぎる程伝わる温かい劇でした。
コロナ禍で中学三年生(15才)の子供を持つパパ友たちが劇場を借りて、頑張る姿を子供達に見せると言う導入。なので舞台上でなく、劇場中をかけまわるおじさん達。しかもきっちりとソーシャルディスタンスを守りながら面白い使い方に感服。
お帰りなさい。
そして今までよりパワーアップして帰ってきた東京公演をありがとうございました。

15(Fifteen)
円盤ライダー
アトリエファンファーレ東池袋(東京都)
2021/10/25 (月) ~ 2021/10/31 (日)公演終了

エレモア・ムーブ
バンタムクラスステージ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2021/10/22 (金) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
舞台美術がおしゃれで素敵でした。過去作品に捉われたくないエレモアと、それを愛する人たちの攻防(?)が面白かったです。みなさん、カッコよかったし。
映画にもっと詳しかったら、もっと笑えたのかもと思いました。

ジュリアス・シーザー
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2021/10/10 (日) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
all male ならぬ all female のシェークスピア劇。それって宝塚では?と調べてみると2006年にロック・オペラ 『暁(あかつき)のローマ』- 「ジュリアス・シーザー」より -が上演されていた。しかし“シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」を原作にして、ポップな音楽をちりばめたロック・ミュージカルをお届けします。”とあるようにあちらはやはり音楽劇になるのであった。
開幕するとシーザーを真ん中に全員の行進である。シルビア・グラブさん、こういう重厚な役がぴったりだ。観ているこちらもテンションが上がり、この先の展開を期待させる。
いやあしかし、セリフが多い。しかも前半では早口のキャシアス(松本紀保)に対してゆっくり目のブルータス(吉田羊)という対比を付けて、決断を迫るキャシアスと悩むブルータスを表している。そして意思を固めるにつれてブルータスも早口になって当然の演出とは思うものの老人の耳には辛さが増して行く。セリフを追うのに疲れて2時間20分休憩なしが3時間以上に感じた。
何か物足りないのは女優さんが正統派の方ばかりだからだろう。引っ搔き回す人がいない。唯一、異質だったのは外出をやめると言うシーザーを翻意させるディーシアス(智順)である。おっさんがおっさんを説得するのだがここでは若い娘がおっさんをたぶらかすようなウキウキ感を出していた。こういう気分転換をもっと入れないと単調な舞台装置もあって飽きてしまう。1953年の映画ではデボラ・カー演じるポーシャの登場シーンが息をのむくらい美しい。むさ苦しい男ばかりのところに突然美女が現れるから効果的だが、女優さんばかりの本舞台ではそうも行かない。ここはall femaleの弱点かも知れない。また戦闘シーンがカットされていることもあって後半は盛り上がらない。本当はアントニー・オクティヴィアス軍もブルータス・キャシアス軍も互角の大軍なのだがこの舞台では最初からブルータスは落ち武者のようだ。
アントニー役の松井玲奈さん、見事なせりふ回しで光っていた。やや喉を傷めているような声であったが、それが却って説得力となっていた。

オリバー!
ホリプロ / 東宝 / TBS / 博報堂DYメディアパートナーズ WOWOW
東急シアターオーブ(東京都)
2021/10/07 (木) ~ 2021/11/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
歌と踊りは素晴らしいがストーリーは単純でつまらない。まあ、ミュージカルではよくある作りである。キャストの人数が多く、皆さん楽しそう。どうも観る側より演る側の方が幸せになれる舞台のようだ。

ジュリアス・シーザー
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2021/10/10 (日) ~ 2021/10/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
シェイクスピア歴史劇らしい堂々とした朗誦セリフが耳に心地よい。吉田羊のブルータスの融通の効かない正義漢ぶりと、松本紀保のキャシアスの弱さと可愛さを醸す人情家ぶりが対照的である。特に二人が戦場のテントで諍う場面。
そうは言っても1番の見どころはやはりアントーニオ(松井玲奈)の「ブルータスは公明正大の人である」とクリア返して、次第に人身を反ブルータスに導く演説場面。最後の決め手として、シーザーが遺産分配を遺言していたと話が、民衆の歓心を買うためのばらまき政治はここにもあったかと感心した。
女性だけでどうなるかといと、男のようにギラギラしたり派手に激高したりということがない。けんかしても比較的落ち着いている。まあそういう演出のせいもあるだろうが、美しい、整然とした舞台という印象。
シェークスピアには珍しく、寄り道や副筋がほとんどなく、シーザー暗殺からブルータスの死まで一直線。もともとそういう戯曲である。テキストレジーでブルータス邸の謀議を縮めたり、フィリッポの戦いで敗れる最後の5幕を大胆に圧縮したので、それがいっそうきわだった。そのなかで、ブルータスの小姓ルーシアス(高丸えみり)が笛をふき居眠りする場面は、ホッと息が付いた。すぐシーザーの亡霊が出てくるのではあるが。
ブルータスの最初のセリフにヒントを得た、くすんだ鏡をいくつも組み合わせた背景装置が示唆的。2時間15分のコンパクトに収めた演出も良かった。

オリバー!
ホリプロ / 東宝 / TBS / 博報堂DYメディアパートナーズ WOWOW
東急シアターオーブ(東京都)
2021/10/07 (木) ~ 2021/11/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
連載大衆小説の祖ともいうべきディケンズの代表作の舞台化だけに、曲折ある展開に飽きさせない。特に、金持ちの老人とビルサイクス、フェイギンがオリバーを奪い合う後半は、時間を感じないあっという間の65分だった。冒頭の救貧院の歌、フェイギン(市村正親)一家の「ポケットからチョチョイ」の歌など、コーラスのたのしいがっきょくもいっぱい。一方、人生の哀感の歌はフェイギンの曲「こんな年でも人生はやり直せるか」にとどめをさす。ソニンの葉すっぱだが情のある演技も素晴らしく、悪い男ビル・サイクスに「あんたのためならなんだってする」と歌うのも、その後の悲劇も含めて哀切だった。
ドラマというよりショーとしてみれば最高。その中で市村正親のユーモアと哀しみを併せ持った存在感は絶品だった。休憩込み2時間40分
天井が高く舞台袖も空いているシアターオーブの舞台機構を生かして、リアルなロンドンの街の風景や救貧院、フェイギン一味のねぐらなどをササーっと転換する。この美術も良く、とくにセントポール協会が背後にドーンと控えている場面はいい雰囲気だった。