
おーい、 救けてくれ!
鈴木製作所
雑遊(東京都)
2025/07/30 (水) ~ 2025/08/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Dチームの回。この作品、他の劇団の公演を今年観ているが、それとは少し異なる雰囲気もあって面白い。やはり見事な戯曲だと思った。

おーい、 救けてくれ!
鈴木製作所
雑遊(東京都)
2025/07/30 (水) ~ 2025/08/03 (日)公演終了

記憶の欠片達
株式会社GROW
シアター・アルファ東京(東京都)
2025/07/30 (水) ~ 2025/08/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
最高でした。これは名作ですね。あっという間の2時間でした。緩急のあるつくりになっていてまったく退屈しませんでした。話の展開も自然でふつうにどの役にも感情移入できました。これはほんと傑作ですね。脚本も演出も役者もすべて三位一体化したすばらしい作品だと思います。最高の時間をありがとうございました。

vol.41 「廃墟」、vol.42 「そぞろの民」
TRASHMASTERS
駅前劇場(東京都)
2025/07/25 (金) ~ 2025/08/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
この劇団としては珍しく、中津留章仁の作品ではなく、随分前に亡くなった昭和の劇作家・三好十郎の、しかも、あまり知られていない戯曲を再演した。この企画が、意外に時代との響き合いがよく面白い。芝居はやってみないと分らないものである。
この公演の成功は、この作品をやってみようとした演出者の時局を見る眼に尽きる。
中身は、終戦直後の時局性の強い世相劇である。敗戦直後、心ならずも時の風潮に迎合した歴史学者の一家は戦災で家を焼かれ知人の一家の一隅に一部屋を借りて明日の食糧の配給を待ちながら細々と暮らしている.今劇場を埋める観客の全ての人(年齢を考えるとそうなる)は、ドラマ的設定と思うだろうが、私は十才たらずながらこの現実を実体験しているただ一人の観客(市民)だったのかも知れない。
舞台で繰り広げられる戸主である老碩学の実直に見えて、無責任、そこで育てられた子供たちの時局便乗、長男は共産主義新聞のお先棒を担ぎ、よくできた次男は市内のヤ指南や指南役になる。女たちは、それぞれの特技では暮らせず、そうなれば、当然の道しか残っていない。隣近所の市民生活の契約した金は必ず払わなければならぬというごく普通のルールも今夜の食の前にたちまち破壊する。家族の連帯も叔父、叔母程度にも遠くなれば、何ほどの役に立たない。
その時代を生きた者もしばらくは忘れていたが、こういう現実は昭和20年の敗戦後一二年にはどこにもあった.誰も経験があるし、責められないファクトである。
三好十郎はこの時代を生きて、そのままに書いた.それがこの戯曲である。少し後に書いた「夜の道連れ」は今年、新国立が贅沢に金をかけて新人の演出で上演した.この演出家は二三本見ているが、篤実な演出家とは思うが知らない世界を演出して全く違う人種になった今の日本人に提示できるほどには本の読み込みは出来ない.終戦ファッションの新国立的歴史修正のドラマになってしまっていた。経営はともかくそこは本人の責任ではないと言いたいだろう。その欺瞞を中津留は許さない。三好の筆力もある。
そこを、中津留のトラッシュマスターズは、PITの3分の1の高さもない天井のビルの仮設といってもいいような劇場で三好の戯曲をそのまま上演した。それが、図らずも、新国立の欺瞞を暴くことになった.演劇はそういうところがいいのである

おーい、 救けてくれ!
鈴木製作所
雑遊(東京都)
2025/07/30 (水) ~ 2025/08/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
未見の作品。1ヶ月のワークショップ/稽古を経ての公演で、基本的に2人芝居。この公演では5組が挑戦している。自分が観たのは、赤松真治さん、勝谷涼子さん のD回。
物語としては、薄幸な若い男と女が牢獄の内と外という特殊な状況の中で芽生えさせた幻想的な恋物語といった内容。その切っ掛けは、男の「おーい、助けてくれ」という孤独と絶望の淵から出た言葉。それに呼応した女、彼女もまた孤独で世間知らず。いつしか儚い恋物語のような…。
自分が勝手に思い描いていた状況ではないことから、その世界へ没入出来なかったのが悔やまれる。舞台で先入観は禁物、知ってるつもりだったが…。
(上演時間55分)【D】

廃グランド・ホテル別館
システム個人
小劇場 楽園(東京都)
2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
チラシ、タイトル、そしてキャストを見た時から絶対観ようと思っていたシステム個人『廃グランド・ホテル別館』。こういう直感がバチーンっとハマる喜びもまた観劇の醍醐味。大好きな世界観でした。
怪異たちの暮らすホテルが舞台のコメディだけど全然それだけじゃなかった。自分とは何もかもが異なる他者、そんな誰かのことを好きになったり、恋しく思うこと。会いたいと思うことや、会えなくなりたくないと思うこと。この演劇はその瞬間を掬い上げ続けていたように私には見えた。だって今の私がもうそうなっている。あのホテルに暮らしていたみんなのこと好きになって、会いたくなって、恋しくなってる。そういう気持ちって、記憶ってなかなか消えない。25年くらい平気で消えないのかも。なんてことを思った。
私がもし幽霊になったら、なかなか成仏できない気がする。
好きな人に会いたいって気持ちがそうさせてしまう気がする。
そんなことも思った。友愛とか恋愛とか家族愛とかどれも違う気がするしでも全部当てはまる気もする。そんな名前のつけられない愛着や関係をそのまま抱きしめてくれるような作品でした。
可笑しく愛らしいキャラクターが出てくるコメディが観たい人はもちろん、お話としてうねりのあるドラマが観たい人も楽しめるのでは?と思いました。
以下ネタバレBOXヘ

センスセンスセンス・オブ・ワンダー
三月倶楽部
OFF OFFシアター(東京都)
2025/06/20 (金) ~ 2025/06/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
窓のない、しかしそれそのものが窓である劇場でこの旅に立ち会えたことが嬉しかった。若くなくても、子どもを育てていても、私たちは遠くに行ける。冒険ができる。私もそう信じています。
(上演前に公式HPに稽古場日記をお寄せしました。後ほど劇評もお寄せします)

リトルサマー
リトルビット
浅草九劇(東京都)
2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ありがちなAI対人間の構造に収めず、かと言って容易にその共存やAI礼賛にもしておらず、絶妙にありそうでなかった話だった。
以下ネタバレBOXへ

みどりの栞、挟んでおく
宝宝(bǎo・bǎo)
水性(東京都)
2025/06/18 (水) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
子どもが寝たらやろうと思ってたこと、話そうと思っていたこと、聞こうと思っていたこと...そうしてそれらをできないまま時が過ぎてしまうこと。
子育てってまさに、流れてく時間に栞を挟んでそのまま忘れちゃうことの連続だから、「挟んでおく」って言ってくれる人、そのことを一緒に思い出してくれる人に救われてばかりの12年だったってことに改めて気づいた。
気づかされる演劇だった。それと同時にその人が私にそうしてくれたことを私はその人にしていただろうか、ということも考えさせられる演劇だった。
圧倒的にちがうあなたとわたしが「互いにできるだけ傷つかずに一緒にいるためにしているはずのこと」が、少しずつあなたからわたしを、わたしからあなたを遠ざけてしまう。挟んでいたはずの栞はパラパラと落ちて、何を読んでいたのか、どこを読めばいいのかわからなくなる。
でもこの作品は、「もう一回一緒に読めばいい」を信じようとしていた。他者と生きることを自分なりのやり方で諦めない、不器用で懸命な人々の姿がそこにあった。
「出産や育児によって"失われる自分"がある」ということ、そして「子どもから離れてひとりになりたい」ということをはっきり言ってくれたことにも私は本当に救われた。12年ずっとこのことばかり考えている。
「子育てに没頭できず自分を優先してしまう罪悪感」と「子どもを産んだだけで私は私でしかないという祈り」の挟み撃ちで引き裂かれそうになる時「それでもやっぱり子どもが大事」という結末や感触をしばしば物語やドラマは用意したがる。最低のままでいさせてもらえない不自由と、最低じゃないよと誰かに言ってほしい切実の狭間で何度途方に暮れただろう。
だから、そのどちらでもない、そしてどちらにもとれる「いいじゃん」を聞いた時涙が止まらなかった。
「いいじゃん」も栞だった。私が私を適当に読み終わらないための栞だった。
そして、どこからでも「あなたのことが大好き」ってことから始めるための栞だった。
余談。かなた書店の選書と私の本棚の本の並びがあまりに似ていて他人には思えなかった!遠目でざっと数えただけで20は同じ本があった(笑)そして私はそのことがすごく嬉しかった。私も必ずあの本屋に行くだろう。きっとあの場にいるだろう。そう思える時間と空間、それから人々だった。
あともうひとつ。これは何度でも言わせて下さい。
「セルフ託児ありがと割」をありがとう。ずっと欲しかった言葉でした。そのことに気づかせてくれました。誰かの生活や支度を見つめる試みはやっぱりこの演劇そのものの魅力に通じていました。

サウナが身体に良いわけねぇだろうが(仮)
劇団ドラマティックゆうや
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2025/06/12 (木) ~ 2025/06/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
劇団ドラマティックゆうや『サウナが身体にいいわけねえだろうが』(仮)改め『嘘の教育』。
「言ってくれた嘘」と「言わない本当」果たしてどちらが価値がある?
そんな世界の、人間のバカデカ命題に今日も今日とて男が二人きりで食らいつき、同時に食らわされ、皮肉のジャブと愛のハグを繰り返すサウナより熱い100分。今回の主題歌も最高だった。劇団の持ち味である、そんな愛と皮肉の絶妙配合によって、"教育における嘘"が暴かれる?なんて思っていたら、いい意味で裏切られた。
以下ネタバレBOXヘ

プレイ・モデュロール
ハラサオリ
シアタートラム(東京都)
2025/06/13 (金) ~ 2025/06/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
テクノロジーの進化が与えた影響をリアルな身体を通じて受講する高密度なレクチャーパフォーマンス。
「携帯の電源お切り下さい」から即没入、幅と高さそして奥行きのある"振付"に高揚!
バレエとダンスを習う11歳の娘と、ハラサオリさんならではのユーモアとエッジの効いた構成とパフォーマンスを堪能しました。すごくいい時間だった。生まれて初めて「北海道」と叫んだ日!

燃える花嫁
名取事務所
吉祥寺シアター(東京都)
2025/06/11 (水) ~ 2025/06/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
"架空の日本"を舞台に描かれる、外見ではその"しゅつし"がわからない移民の生きる今、背負う過去、そして見えぬ未来...。あまりに自然に溶け込む「ザ行が濁らぬ関西弁」が現実の隣人の存在に、人生に、そしてそれらを透明化してしまうことに輪郭を持たせていく。ラストに立ち上がるタイトルの風景に震えるとともに、「花嫁」という言葉が意味する本当のところを考えさせられたりも。
「シスターフッド」と一口に呼ぶには憚られる複雑な憧れと思慕と共鳴...誤解を恐れず言うならば、私はそこに同性愛/同性婚を巡る問題をも見た気がしたのだった。男女二元論を前提とした結婚あるいは求婚や、女性同士という理由だけで連帯を余儀なくされる昨今のシスターフッドの汎用化に異を忍ばせる意味も含んでの「花嫁」だとしたならば...。そう考えたとき、現実に隣人を透明化してしまう実感がよりリアリティを持って身に迫ってくる。
移民問題を見つめると同時に、"移民"というラベルのみに個人を収めてしまう社会や世界の横暴をも見つめた作品だったのではないか。振り返れば振り返る程そんな気持ちになって仕方ない。
いずれにしても今を生きる私にとって、同じく今を生きる隣人の息づかいを切々と伝える作品、俳優陣の見事な緩急あってこそ辿り着けた実感だった。

ENCOUNTERS with TOO MICHI
THE ROB CARLTON
赤坂RED/THEATER(東京都)
2025/06/11 (水) ~ 2025/06/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
もう本当に「一体なにをみせられてるんだ」と笑いながら、「もっともっとみせてくれ」と思った80分のチャーミングな爆笑遭遇劇でした。
"未知すぎるもの"について議論を重ねると、その"未知すぎ"を凌駕する、"さらなる未知すぎ"が爆誕するのだと知りました。馬鹿馬鹿しいのに、俳優陣の突き抜けた姿がかっこよく、上質なコメディでした。

『bitter』
Ollegent
スタジオ空洞(東京都)
2025/06/05 (木) ~ 2025/06/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
一部衣裳をお貸出し(李そじんさん着用分)しました。
色々考えて選んで下さっただけあり、衣裳が劇の内側としっかり手を繋ぎあってて装いの意義を改めて実感。
彼女は自暴自棄と後ろめたさの狭間で過剰に装飾が施された服で武装し、麻痺させる様に乱世を生きていたのだな、と思うなどしました。コーヒーの苦さを消し去るために大量の砂糖入れちゃうみたいに。そうして溶けきらずじゃりじゃりと砂が歯に当たる様なあの感触は彼女の罪の暗喩だったのかもしれない。
面白く観ながら、この物語を面白く観てしまうことそのものにこの作品の本質があるのだと感じたりもしました。
過激化するインフルエンス、スキャンダラスな刺激を求める好奇心や欲求、そうしたものが潜在的にあるということが舞台から跳ね返って観客に向かうようでもあった。
あと、男性から男性への嫉妬や支配欲や征服欲ががっつり描かれていて、こうした場合、どちらかというと男→女あるいは女→女で描かれるパターンが多い気がするので、男性間の軋轢や破綻にズームがなされていたことにすごく意味があると思いました。これもまたホモソーシャルであり、トキシックマスキュリニティだなと。人が人を消費することについて考える帰路でした。
私は日頃から「女同士は怖い」、「女の揉め事はネチネチドロドロで嫌だ」といった言説や、(それに比べて)「男はさっぱりしたもんよ」的ムーブには断固否定派なので、男性間の嫉妬や軋轢、支配/征服欲が相応の粘度で描かれていたことがまずいいなと思ったのでした。

セザンヌによろしく!
バストリオ
調布市せんがわ劇場(東京都)
2025/06/01 (日) ~ 2025/06/08 (日)公演終了
実演鑑賞
舞台が散らかる毎に鮮明になる心象風景。散らかった所から何かを探し出す必要がある事、流れるこの涙が水である事、叫ばれるその声が振動である事、海や山水平線や稜線がこの身体に在る事をバストリオの演劇は教えてくれる。潮騒や山彦の様に繊細で心強い応答だった。
作品から受け取ったテーマを鑑みたときに「満足度」をつけることが憚られたためお控えしますが、
今必要な演劇であったと痛感します。
(せんがわ劇場のHPに劇評をお寄せしました)

ARCHIVE
END es PRODUCE
劇場HOPE(東京都)
2025/07/30 (水) ~ 2025/08/03 (日)公演終了

ARCHIVE
END es PRODUCE
劇場HOPE(東京都)
2025/07/30 (水) ~ 2025/08/03 (日)公演終了

メイツ!〜ブラウン管の向こうへ〜
劇団6番シード
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2025/07/30 (水) ~ 2025/08/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
大好きな昭和テイスト
アイドルミュージカルが
キャストリフレッシュで
令和に再々演。
やはり懐かしく、泣けて
素晴らしかった。

ARCHIVE
END es PRODUCE
劇場HOPE(東京都)
2025/07/30 (水) ~ 2025/08/03 (日)公演終了

ARCHIVE
END es PRODUCE
劇場HOPE(東京都)
2025/07/30 (水) ~ 2025/08/03 (日)公演終了