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糸洲の壕 (ウッカーガマ)

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

風雷紡

座・高円寺1(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 観るべし! 華5つ☆ 初日を拝見、約2時間15分、休憩なし。

ネタバレBOX

 太平洋戦争時、沖縄は本土防衛の最前線となった。今作は、陸軍の医療部隊が最前線に設えられたガマ内の傷痍軍人に対して行った「医療行為」の実際を、その補助として携わったふじ学徒隊女学生たちの曾孫に敗戦後の1945年生まれの祖母が自らの産みの母の義務(戦争体験を後代に伝える義務は、朱里の本部が解体後その指揮系統は各部隊長が担えとの司令部指令により通達された経緯からこの医療部隊の隊長であった小池隊長が最後の命令として生き残っていた少女たちに命じたもの。即ち生きて親元に帰り自分達の体験した戦争の実態を伝えよとの指令であった)
 ファーストシーンでは、若い女学生の華やぐ声音の響く中、頭に包帯を巻いたり、脚を負傷してびっこを引いたりする負傷兵が舞台上を歩き回る。背景にはいつの間にか「海行かば」が歌われている。非常に上手い導入部である。また、これらに覆いかぶさるように裕仁の開戦時1941年12月8日に発された「宣戦の詔書」の宣言が流れる、{それは侵略している大日本帝国を正当化し侵略されたが故に立ち上がった中華民国が恰も悪であるかのような物言い、また中華民国を支援する英米とも戦禍を交えることになったこと(=太平洋戦争開始)、断じて勝つべきこと、虜囚の辱めを受けるより死すべきことなど、トンデモない奢りと下らない精神主義に凝り固まった非合理的発想そのもののプロパガンダ}であるが、物語冒頭にこのような発言を置き、最後に所謂「玉音放送」を流してサンドイッチにすることで裕仁の戦犯性と反省の全く無かったことを示して何気に挟み撃ちにしていると自分は解釈した。無論、何も対比はこればかりではなく至る処に散見している。演劇など、文化が人間に対し、平和時に為すべきことは、如何に昏い未来を防ぐか! への補助機能を果たすことでもあろうから、悪は悪とキチンと言うべきなのである。いつの時代の若者も、本来悪戯っ気に溢れキャピキャピしているのが在るべき姿であろう。未だシリアスな現実というもの・ことに出遭わずに済み、その実態が如何に苛酷でまともな精神に異常をきたさずにはおかないものか、に気付かないうちは。だが、部隊に参加した少女たちは殆ど1人の例外も無く苛酷な現実に出会い、どんなに悲惨な状況を見、出遭っても何も感じなくなってゆく。そうなって行く自分自身を怖いと思いながら。それが出来なかった余りに感受性に恵まれた少女たちは、目に見えぬほど、徐々に静かに、確実に狂ってゆく。他に道は無いかの如く・・・。
 かく言う自分も実際に最前線に行って戦争を体験した経験はない。それ故に静かに狂ってゆくことの恐怖を実体験せずに済んでいる。幸いなことである。支援している場所が場所だから、無論紛争地に入ったり難民キャンプに入ったり、軍事基地と向き合ったりということはあったが、戦争体験では無い。その為か、実際の戦争には入って行けない、と実感させるだけの舞台であったことに感心させられた。 
 最初と最後に裕仁の演説が流れるのも効果的である。何という極楽蜻蛉ぶりであることか! 大日本帝国憲法下では唯一の主権者で在りながら敗戦責任を取る行為は退位を含め一切せず、日本人だけで300万以上、アジアの人々を1千万以上も死なせておきながら、一切の責任を取らずに済ませたのみならず、敗戦時にはシベリア抑留者として残隆兵をソ連の苛酷な強制労働に従事させ、沖縄の人々をアメリカ軍制下に置いて土地収奪、米軍基地建設、婦女暴行、殺人、暴力行為等々好き放題をさせておきながら自分はしゃあしゃあと天皇制の上にふんぞり返っていた。三種の神器が大切だったと言ったことが伝えられている。こんな者を頂点に置き最前線兵士死者の殆どが病や食料不足、安全な飲み水不足や虜囚の辱めを受けずに死すべし、との訓示によって無駄死にさせられていった。ふざけちゃいけない! 
 ところで敗戦後、主権は我ら国民一人、一人が担うようになった。即ち現在奄美から沖縄島嶼部に及ぶ軍拡と日本国土の僅か0.6%を占めるに過ぎない沖縄だけで在日米軍基地の約70%を置き続けていることの責任は我々日本国民自身に在る。このことの意味する処を深刻に受け止め、行動せねばならぬ。伊勢崎 賢治氏の言われる通り、日米地位協定のとんでもない内容は、総て国際標準に改めねばならぬことは当然である。そうしなければ、日本全土が台湾有事の際には前線となり多くの原発が立地している日本海側の原発が安全に保たれることなど、それこそ「想定外」ということになろう。アメリカの最前線として機能させられる植民地の実態についても想いを馳せるべきなのである。戦争というものが勝敗によって決せられるのが基本である以上、そんな愚行を犯す前に為すべきことは、真剣に対処しておくべき最低限の最重要課題である。今作を含め敗戦後80年の今年、多くの戦争物が演劇でも上演されている。今作は、その中でも優れた作品ということができよう。観るべし!
えがお、かして!

えがお、かして!

四喜坊劇集※台湾の劇団です!日本で公演します※

小劇場B1(東京都)

2025/08/14 (木) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです。
難しいテーマでしたが、ファンタジー要素と明るい雰囲気で観易かったです。
役者さん達の熱演と歌唱、とても良かったです。
そして、主人公シャオティエンを演じた役者さん、本当にリアルで感動でした。
決して綺麗事では終わらない内容で、考えさせられました。
良い舞台でした。

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

風雷紡

座・高円寺1(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

自分はね、戦争ものの芝居って苦手意識があるんですよね。ただ、これは、良かった。
良し悪しじゃなくて……。
こういう時代、歴史があった。
そこに生きてる人たちがいた。
それは、今の我々にも地続きであるって、感じられる芝居。
医者、医療の話でもあって、トリアージについても考えさせられたり。
強く描かれたのは、生きるってことだと自分は感じた。

悪役として描かれる人がいないのが、本当に良かった。

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

糸洲の壕 (ウッカーガマ)

風雷紡

座・高円寺1(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

沖縄戦とは何だったのか、戦禍の中、何が行われていたのか、緊張感の中、鮮明に伝わってきました。

ネタバレBOX

1945年の沖縄戦。ふじ学徒隊25名は戦死者3名にとどまった。
戦禍の惨状が生々しく、戦争の悲惨さに胸が締め付けれます。そして、「死の教育」の中での生きることの意味を深く考えずにはいられませんでした。
軍医である隊長の言葉。「かならず、生き残れ。親元へ帰れ」という言葉、胸に強く響きました。
戦争のこと、決して風化させてはならないと強く感じました。
発表せよ!大本営!

発表せよ!大本営!

アガリスクエンターテイメント

シアターサンモール(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

これだけ多くの笑いを引き出しながら、戦争の虚しさ、確かな反戦を訴えてかけてくるのが凄い
体裁ばかりの奔走に笑ってしまうけれど、段々ともういい加減にしてくれ、上層部報道関連にウンザリ感が芽生え始めた頃に深味が加わる、景色が変わってくる
滑稽だけで語り尽せない人間描写の方に強く惹きつけられました

同じ時代(時間)を生きている飲食店での若者達
こんなに違うのに同じ「日本」という船に乗っている
心地良くもあり、本流とは全く違う視点で感じ入るものがあり、このエピソードもとても良かった

発表せよ!大本営!

発表せよ!大本営!

アガリスクエンターテイメント

シアターサンモール(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/08/16 (土) 18:00

日本らしい風刺が多く面白かった。
こんな事していたら駄目だよなという第三者目線で楽しめた。
当時の軍人は真面目に行動していそうなのが、より滑稽に感じた。

5月35日

5月35日

Pカンパニー

吉祥寺シアター(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/08/16 (土) 14:00

座席1階

Pカンパニーがこの作品を最初に演じたのは2022年。それから3年で再演が決まり、前売りチケットは売り切れているという。どれだけこの作品が支持されているのかが分かる。中国政府の言論統制はどんどん進み、比較的自由だった香港も中国政府の抑圧が強まるばかり。この作品は今、日本でしか見られないのだ。初演の熱量は鮮明に覚えている。あの感動をもう一度味わいたくて、吉祥寺に出かけた。

やはり、劇団代表の林次樹と竹下景子の熱演に尽きる。竹下が演じた「天安門の母」は脳腫瘍で幾何の命もない。彼女の魂に引っ張られ、林演じる夫は、5月35日、すなわち天安門事件があった6月4日に母国の軍隊に殺害された息子の弔いを事件現場の天安門広場で行うという計画を実行しようとする。
中国では今も、この事件に関する報道はおろか、ネット検索もできず完全に歴史から抹消されている。30年以上たち、事件のことを知る国民は圧倒的に少ないと思われる。劇中でも余すところなく描かれる政府による言論弾圧、歴史の抹消が中国では今も進行している。
だが、これは中国だけのことなのか。2022年の初演の口コミでも書いたが、自由な言論が保証されているはずの日本はもはや対岸の火事ではない。「南京事件などなかった」「沖縄・ひめゆりの資料館の記述は歪曲されている」などの発言は今や国会議員レベルでも横行し、それを真に受けたひとたちの投票行動が選挙に反映され政治を動かしているのだ。政府に都合のよい方向で。中国とどこが違うのだろうか。
だから、今Pカンパニーがこの演目を再演し、それが連日満席になっているという姿に少し勇気づけられる。政府にとって都合の悪いことでも、「日本人ファースト」に都合の悪いことでも歴史的事実を忘れてはいけないのだ。
主人公2人の演技の熱量は、初演より大きくなっている。戦後80年の夏に目撃したい。

りすん 2025 edition

りすん 2025 edition

ナビロフト

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2025/08/07 (木) ~ 2025/08/10 (日)公演終了

実演鑑賞

諏訪哲史による同名の小説を原作に、天野天街が2010年に初演した作品を2025 editionのリ・クリエイションツアーとして名古屋、岡山、多治見、伊丹を経て横浜での公演は8月10日まで。120分。ワタシは初見です。

https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/08/post-ee0698.html

発表せよ!大本営!

発表せよ!大本営!

アガリスクエンターテイメント

シアターサンモール(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2025/08/16 (土) 13:00

価格3,000円

おもしろいのだけど、ささりはしなかったな
事実は事実として、嘘で塗り固められた真実に一生懸命になる姿は滑稽ではあったので、ブラックコメディと言われればそうなのだろうけど、なんだろう

サブのストーリーの方がどちらかといえば楽しめた印象。切ないね

『夫婦レコード』

『夫婦レコード』

劇団青年座

カメリアホール(東京都)

2025/08/16 (土) ~ 2025/08/16 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

6月の上演された吉祥寺シアターでの「コラボレーター」以来の青年座です。青年座は、笑いもあるなか、シリアスだったりしんみりだったりのストーリー展開が心地よくいつも観劇が楽しみです。家族とは?何て100も答えがあるのでしょうが、家族ってこうだよなと身に沁みるお芝居でした~

風鈴が心地よかったです

七つ数えて

七つ数えて

AOI Pro.

新宿シアタートップス(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

セットが秀逸…だったが、話の展開というか、登場人物たちの出し入れは思いの外ぎくしゃく。救いのないイヤな話とはいえ、おっと思うような芝居の人が何人か。

えがお、かして!

えがお、かして!

四喜坊劇集※台湾の劇団です!日本で公演します※

小劇場B1(東京都)

2025/08/14 (木) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

日本語字幕が入るスペースがあるのだが座る位置によっては舞台上の役者と被って読めない。そこが勿体ない。何処がベスト位置になるのか?

昔よく観ていた香港コメディ映画と作品の空気感が似ているので物語に入り易い。隅に小さい箱馬を積み重ねた舞台美術。導入部は意外な展開から。

メビウス症候群は生まれつき顔面神経と外転神経(眼球を動かす神経)が麻痺している疾患。顔の筋肉を動かすことが出来ず表情が作れない。発声はモゴモゴし口が閉じれない為、涎が垂れてしまう。主人公ワン・シャオティエン(シュイ・ハオジョーン氏)は小学校で普通クラスに通うが見た目の異様さから差別され虐められる。このシュイ・ハオジョーン氏の役作りが凄い。顔をピクリとも動かさず能面のような表情で全ての感情を表現する。台詞を伝え更には歌い上げる。時には涙が落ち涎が垂れる。知らないで観ていたら多分障碍のある方だと思っていただろう。今作ではプロローグの場面で別の役を普通に演じていた為、その凄さが際立った。

父親ワン・クァチャン(ゴーン・ノウアン氏)
息子の病気に責任を感じ、カナダで手術があると聞いて働き詰めでお金を貯めている。
母親シュ・シューフェン(リー・シャオユーさん)
息子は病気ではなく、普通なんだと世間と戦っている。
姉ワン・シャオティン(ワン・イーシュエンさん)
いつも弟ばかり大事にされることで傷ついている。

要所要所に歌が入り家族それぞれが心情を訴え掛ける。

交通事故に遭い、生と死の狭間の空間から現世を眺めることになる父親。絶対に守り続けると誓った息子は絶望に打ちひしがれ追い詰められてゆく。それをどうにもしてやれない歯痒さ。何とか思いを伝えたい。生き抜く力を与えたい。

台湾の劇団、四喜坊劇集(フォーファンシアター)主催で作・演出・作詞・作曲まで全てこなした女性、王悅甄(ワン・ユエジェン)さん。当日パンフに書かれた文章が深い。「演劇は“正しさ”を競い合う分野ではなく、“共感”や“想像力”を駆使して様々な人々が語り合う場所である。」「生きることは一つの価値観で優劣を競い合う競技ではない。そのことに気が付く一助になれれば幸いです。」(意訳)。
作品の意図するテーマは単純なものではなく、ただの難病もの、障碍者ものではない。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

医師、旅行会社社員、隣人他(ワン・ウェイ氏)
好き放題やって台湾人の観客の爆笑をかっさらった。

地縛霊(ファーン・ヨウシンさん)
死んだ者が生まれ変わるまで滞在する場所があり、そこを管理している女性、ファーン・ヨウシンさん。左足首や左手首、二の腕の内側にタトゥーが見える。ヴィジュアルが抜群で華やかな台湾美人。段ボール紙のように見える半袖ジャケットは地図やら新聞の切り抜きやらが沢山貼られている。下手から消えたかと思えばすぐ上手から登場し、この劇場の仕組みがどうなっているのか興味深い。
実は完全に死ぬまでの間、変身して現実世界に戻ることが出来る裏技がある。姿形は選べない。父親が息子に会いに行く時、何故か女子高生姿のファーン・ヨウシンさんになってしまう。台湾の制服は随分ミニスカ。

ラスト、亡き父親を訪ねて日本人がやって来る。通常の作品だと救いの手が見つかるものだが、今作は同じメビウス症候群の娘を持つ日本人がただ娘のことを語るだけ。そこがリアル。この物語に必要なものは安上がりなハッピーエンドではない。どうしようもない困難を抱えながらもそれでも日々を過ごしていこうと思う気持ち。「僕には手がある」。

ブルーハーツ 「さすらいのニコチン野郎」

マニュアルを読んでるうちに今日もまた陽が沈んでく
誰のせいにもできないよ 希望はいつも隣に座ってる
どうか孤独を愛してくれ

どうか孤独を愛してくれ

ナキワスレ

OFF OFFシアター(東京都)

2025/08/15 (金) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/08/15 (金) 14:00

価格3,000円

8月15日14時公演を鑑賞。

主人公:涼の地元は大阪。
高校時代は東京の難関大学に進学するため、同級生には目もくれずガムシャラに勉強。
難関大学から一流企業に就職。
“優等生”というレッテルを貼られた存在。

しかし都会生活でさまざまなストレスを抱えるようになり、
次第に涼の心は蝕まれていきます。
不眠症や悪夢に悩まされ、休職を余儀なくされ、地元に戻ってくる。
ストーリーはここから始まります。

現代人の誰もが抱える心の病に対し、真正面から向き合った作品だと思います。
心の叫び、苦しみ、絶望というものが、涼の台詞となって飛び出します。
それゆえ、派手な舞台装置や凝った大道具に依らない、まさに真剣勝負の劇だと思いました。

話が進むにつれて、涼の顔の表情が変わりますね。
主人公の演技力が光る作品です。
とてもよかったです。

ありがとうございました。

JULIO -フリオ-

JULIO -フリオ-

はぶ談戯

駅前劇場(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

25年前の作品の、初めての再演らしい。
20世紀末。世の中をまた現代とは違った閉塞感が覆っていた時代。
あの頃、人間の内面の暗部に迷い込むような精神世界、猟奇的な事件を描いたサスペンスやホラーが流行っていた。
今作は、まさにそのテイスト。
2時間15分。発端から、猟奇的な連続殺人事件を追ってるうちに、異様な状況が立ち上がってくる。

人の頭を噛み砕く(食べてしまう)、謎の連続殺人鬼の話ですから。
本当に直接的な表現は避けられてるけど、まあ、割とえげつないシーンは多いので、映画なら15歳未満禁止くらいはつきそう。血のりはドバドバじゃないけど、多め。
発端から丁寧に見せてくれるので、こういうのに慣れてる人だと、割と全部読めてしまう感じはあります。

ほんと丁寧にやってるので、このスリラー、ホラーテイストが好きな人は、たっぷりと満足出来そう。
笑えるシーンや登場人物もありますけどね。

伊能忠敬、測り間違えた恋の距離

伊能忠敬、測り間違えた恋の距離

アナログスイッチ

ザ・スズナリ(東京都)

2025/08/14 (木) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

伊能忠敬を主人公にもってきて、ラブコメにしちゃうって発想が面白いよね。
まあ、自分が伊能忠敬で持ってる知識って、当時としては驚異の正確さで日本地図を作った人。
それから、その地図作りを始めたのが、当時としてはかなりの高齢だったってことくらい。
(今作だと55歳から。ちなみに当時の平均寿命は、50歳どころじゃなくて40歳とかだったらしい)

うまく言葉に出来ない、恋の鞘当て。
そういうヤキモキを、本当にコテコテのラブコメで。
平成どころか、こりゃ昭和のラブコメだと思った。

ただ、それが面白いんだよね。
ゲラゲラというよりは、クスクス吹き出す感じのドタバタコメディ。
舞台設定を江戸時代にしたのは正解で、同じことを現代でやると違和感出ると思う。

えがお、かして!

えがお、かして!

四喜坊劇集※台湾の劇団です!日本で公演します※

小劇場B1(東京都)

2025/08/14 (木) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

字幕の日本語が少し不自然なところもありましたが、歌やセリフの一つひとつが心に響き、家族の愛や勇気を感じられる、本当に素晴らしい作品で何度見ても素晴らしいレベルで良かったです!
特に、主役の王曉天を演じた俳優(徐浩忠)の演技が素晴らしく、難役を見事に演じ切っていて、より深く物語の世界に入り込むことができて本当にあっという間の90分でした!

【8/17追加公演決定!!】おどるシェイクスピア 『RARE〜リア王〜』

【8/17追加公演決定!!】おどるシェイクスピア 『RARE〜リア王〜』

CHAiroiPLIN

六行会ホール(東京都)

2025/08/14 (木) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

ずいぶん昔、同じタイトルで「踊るシェイクスピア」とシリーズ(確か、中屋敷法仁だったか)を見たことがあったが、まもなく終わってしまった。口で言ったり、宣伝に使ったりするには分りやすいが、実行してみると上手くいかない。今度もきっと・・・、と思ったが、久し振りに伊藤キムが演劇と絡むし、中堅の俳優も出ているので首尾いかに、と新馬場へでかけた。
 演劇や、ダンス、音楽の交流を甘く見てはいけない。惨敗の舞台である。まず基本のテキストが未熟である。「リア王」をどうやらレストランの相続とからめているらしいのだが、役が多すぎて、どのように原作と絡んでいるか分らない。このあたりのテキトー感が濃い。かつて夏夢をレストランの厨房一同の森へのピクニックに組み直した作品を見たことがあるが(よくできていたが、やはり違和感は残った)、リア王ならでは、の組むシチュエーションも考えられていない。
音楽仕立てにするなら、もっと上質の音楽でないと。流行歌と児童向け音楽を混ぜたような音楽では気が滅入る。舞台の目先はどんどん変わるのだが、名の知れた演技者が出ているところはそれなりに本人の工夫でなんとか持つが、群舞のところになると落差が激しい。目当てで行ったキムもさすがに独演では歌も踊りも際立つが、年は取った。全編から見れば2分程度の出である。
音楽はムリに作曲にしないで、選曲にすれば、かなり救えただろ。俳優たちも面倒になると、机を前に横に並べて横一列の割り台詞、というのは安易にすぎるだろう。劇団名は茶色のプリンと言うらしいが、横文字なので、チャランポランかと誤読してしまった。
久し振りに6行会ホール。見やすい良いホールだがこういう演劇には辛くなった。この世界も技術進歩は著しい、Ⅰ時間45分という予告だったが2時間かかった。


SHOW MIGHT GO ON

SHOW MIGHT GO ON

演劇ユニット【オクチナオシ】

上野ストアハウス(東京都)

2025/07/30 (水) ~ 2025/08/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2025/08/01 (金) 14:00

起死回生のため有名劇場での公演を企画し人気俳優やアイドルの出演にも漕ぎつけたが、当日になり実は別の劇場だったと知りどうにかそこで公演をしようとする主宰……なバックステージ系コメディ。
エキセントリックな人物造形や小劇場界の内部事情的な部分は悪くないのに当日まで劇場が違うことに気付かないという設定はさすがに「芝居のウソ」の範囲を逸脱しているし終盤の「湿っぽい展開」も強引な感がある(私見)のが残念。

また、理由はどうであれ開演が10分以上遅れたのに開演前、終演後ともそれについて全く触れないというのはいかがなものか?(これにより星1つを減じた)

ネタバレBOX

帝国劇場での公演の筈が僻地の小さな小屋だったという設定だが
・チラシを見た観客などが本当に帝国劇場かと疑わないか?
・帝国劇場の座席数のチケットをさばけたのか?
・仮にチケットをさばけたのだったら当日訪れた客をどうするのか
など「芝居のウソ」として見逃すのはさすがに無理がある。
発表せよ!大本営!

発表せよ!大本営!

アガリスクエンターテイメント

シアターサンモール(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初演時にも観た作品だが、やはり流石アガリスクという秀作! 今回は全体がさらにブラッシュアップされ、テンポの良さが増していたように感じた。現代だからこそコメディとして笑えるが、当時の人々にとっては決して笑えない出来事だったはず。この舞台が、これからもずっとコメディとして観られる時代であり続けることを切に願う。

発表せよ!大本営!

発表せよ!大本営!

アガリスクエンターテイメント

シアターサンモール(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今回も笑ってしまいましたが、100年後には今の私たちはAIに笑われているんでしょうか。いや、AIにこんな芸当はできないのでしょう。
みんな自分の立場やら沽券やらに拘って、自分の都合の良い「大本営」を発表させようとしている姿はおかしいけど腹ただしい。それを信じた一般の人々は悪いことなど起きないと信じて、やがて酷い目にあってしまうのだ・・・

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