満足度★★★
ネタばれ
ネタバレBOX
野田秀樹の【足跡姫】を観劇。
故・中村勘三郎との思いを全面に出した作品である。
母との思いを胸に、女形歌舞伎を続けている姉と弟。
だが世間はそれを許さず、役人が取り締まっているようだ。
そこでそれを打破するために、枕営業の傍ら、姉弟は新しい物語で変えようと試みるのだが、肝心の話を書く事が出来ない。そこに殺された由井正雪が生き霊となって、ゴーストライターとして書き始め、世の中は少しずつ動き始めて行くのである.....。
歌舞伎の始まりである出雲の女形歌舞伎と幕府転覆を狙う由井正雪の史実を下に進んでいく。
ただ史実はあくまでも背景だけで、そこで描かれるのは社会の矛盾だ。
それは歌舞伎が現在に至るまでの様々な矛盾、社会を変えようと試みる者たちが感じた矛盾、そして生きる事への矛盾などだ。
それを感じた人々が、こごの立場で世の中をどのように変革していくか?
それが今作の大きなテーマであろう。
だがそんな大事な事も、言葉遊び、見立てる、妄想、二重構造な展開に思考したりする時間すらないほど早い展開で進んでいく。
またある時は内容に転化しない事も常々だが、そんな事はどうでも良いのである。全てが最後に集約していくのが野田秀樹の面白さなのである。
だが残念な事に、今作はテーマを逸らしてしまい、中村勘三郎への弔いだからか、故人へのメッセージへ転化した事は間違っているのである。
だから余計にセンチメンタルになり過ぎた感は否めなく、最後の弟の独演は、説教臭く感じた観客もいただろう。
野田ファンにとっては不満な今作である。
満足度★★★★
ネタばれ
ネタバレBOX
庭劇団ペニノの【ダークマスター】を観劇。
以前に一度だけ観た劇団で、ここ最近、岸田戯曲賞を取っている。
大阪のさびれた街で、夢も希望もない30歳過ぎのバックパッカーが洋食屋で食事をしている。
そこの店主は無愛想で、人生にくたびれた様子なのだが、作る料理はすこぶる美味しいようだ。
そしてそこの店主の勧めで、彼が代わりとして働く事になるのだが、料理を作れない彼に、店主は彼の耳の中に極小マイクロチップを埋めて、遠隔操作をして、全てを任せていくのである。
料理を作った事のない青年が遠隔操作でどのように作っていくのか?
そこが今回の見せ場でもあるのだが、これは演劇としては初めての試みではないかと?と思うほど手が込んでいて、遠隔操作をされている青年と同じ条件で、我々が体感出来る仕掛けがなされている。
そして郷愁を感じさせる古びた店内、目の前で作られる料理の数々、その匂いが充満している劇場内、視覚、聴覚、嗅覚を同時に感じながら演劇を観賞していくという状態だ。ただそんな設定は、あくまでも青年と同じ位置に我々を置いただけで、描かれるのは青年の人生観だ。
そして将来に展望を感じた青年がどのようになっていくのか?
ラストのオチとその背景で一瞬に行われる行為は、捉え方次第で拒絶するかもしれないが、そこでどのように感じられるかが今作の面白だ。
達観か?虚しさか?
かなりのお勧めである。
もし今作を観るのであるならば、舞台正面の真ん中から下手の席に座る事をお勧めします。
満足度★★★★
ネバばれ
ネタバレBOX
木ノ下歌舞伎の【隅田川】と【娘道成寺】を観劇。
二本立てで、両作品とも単独の舞踊である。
【隅田川】は、人買いにさらわれた息子(梅若丸)を探す母親の苦悩。
白神ももこ(振付・演出)なのだが、共同演出で、杉原邦生が入っているからか、母親の苦しみを舞踊だけではなく、背景をぼんやりと見せてくるか、更に母親の悲しみを感じながら、共感してしまう。
彼の演出と構成力は、毎作品ごと記憶に残る作品になっている。
【娘道成寺】は、好きになった安珍に裏切られた清姫の話である。
ついつい苦手な舞踊は、背景になる物語をなぞって見てしまい、踊りと物語の整合性を考えてしまいがちだ(男性観客に概ね多い)。
だが、そんな事は如何に無駄か?という事を感じてしまった作品であったようだ。
清姫がどれだけ安珍を愛していたか?
そしてその愛の重さゆえに安珍が逃げてしまったのか?
この踊りは、清姫の傲慢で、一方的な求愛を描いているのだが、その思いが狂気をはらんでしまえばしまうほど、嫌悪感と愛好感のバランスが取れてくるのが不思議である。
最初は女性らしい清らかな紅い衣装を身にまとった踊りから、情念の度合いが増せば増す程、紅い衣装が剥ぎ取られ、狂気をはらんだ姿と踊りと表情に変っていく。そしてこの過程を得ていきながら、清姫が行き着いた先は、非常に美しい幕切れになっていく。
今作は清姫の愛の過程、心情の変化の具合を踊りを通して感じる事が出来るのが一番の面白さでもあるのだが、それ以上に清姫が出した最後の答えを、どのように受け入れられるかで、己の愛の遍歴が垣間見えてしまうのである。
踊りだけで言うと、シルヴィ・ギエムの【ボレロ】以来の感動である。
とんでもない傑作である!
満足度★★★
ネタばれ
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【高校生演劇サミット2016】を観劇。
全国の中で実力がある高校の演劇祭。
選ばれた三校の選考理由は分からないが、かなりの実力を持っている高校で、戯曲はオリジナルで、演出は顧問が行っているようだ。
新劇なんかぶっ飛ばせ!という勢いで、1980年代の演劇シーンを彷彿させるような描き方は刺激的で、その時代を生きた顧問の影響が大いに感じられる。
演出もさることながら、演じているアマチュア高校生俳優たちが演じている素の芝居が、唐十郎の特権的肉体論の見本の様にも感じられる。
まさしく人前で演じるとは?俳優とは?という疑問の答えを導き出しているようでもある。
たまにはこんな芝居も良い物である。
満足度★★★★
ネタばれ
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渡辺源四郎商店の【コーラないんですけど】を観劇。
青森を中心に活動している劇団。
母子家庭で、子育てに上手く言っていない母親。
息子の為にと、ピアノ、ヴァイオリン、水泳などのお稽古事を習わせるが、無理強いさせているからか、ことごとく拒否されてしまう。そんな息子も成長と共に引きこもりになってしまい、ネットゲーム三昧だ。
そして将来を案じて、親戚に頼んで仕事の面倒を見てもらうのだが、それが紛争地域での派遣活動だったのだ.....。
日本が紛争地域で行っている派遣活動を描いている作品で、それに残された家族を描いている。
母子家庭ながら、母と息子が過ごした楽しかった時間、自立する息子、母との別れ、そして【瞼の母】という流れにはせず、母と息子が過ごした辛い時間、引きこもり、自立すら出来ない息子、そして親子関係すら破綻してしまうという負の出来事だけをあえて描く事によって、母と息子との何十年ぶりの再会には心を揺さぶられてしまう。
では何故?、あえて楽しい思い出ではなく、負の出来事だけを描いた後に、家族を離れ離れにして、悲劇に落して行くのか?
そんな疑問を考えながら観ていくと、作家の意図が思う存分伝わってくる作品になっている。
傑作である。
満足度★★★★
ネタばれ
ネタばれ
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iakuの【車窓から、世界の】を観劇。
関西の劇団で、今回は初見だ。
とある小さな駅で、人身事故の為、待ちぼうけをくらっている人達がいる。その人達は、地元の中学生が自殺をした為に、お別れ会に行くつもりである。
そして長い待ち時間の間に「何故、少女たちは自殺をしたのか?」という討論を駅構内で始めるのである。
「十二人の怒れる男」のような議論づくしの作品ではないのだが、各々の感情を通じて、論じていく展開になっている。
それも最初は己の社会的立場、道徳的な意見ばかりが目立つのだが、それぞれが論じていく内に、「少女たちは何を考えていたのか?」という当事者たちの視点から原因を探り始めていく流れになっていく。
ただ原因追求の作品ではなく、相手の立場になって考える事の大事さをメッセージとして感じられる。
そして観客も作家も決して戻る事が出来ない、多感な十代の頃に立ち帰ろうとあくせくしながら、観賞する事が出来る宝物の様な作品である。
お勧めである。
満足度★★★
ネタばれ
ネタばれ
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城山羊の会の【自己紹介読本】を観劇。
ここ最近、ずっと観続けている劇団。
【トロワグロ】でやっと岸田戯曲賞を取ったにも関わらず、受賞が遅すぎたのか?
受賞の前後作がかなり迷走しているようだったが、前作の青年団と組んだ【ザ・レジスタンス 抵抗】では、過去の最高傑作【あの山の稜線が崩れていく】以来の傑作を作ってしまったようだ。
それだけに今作は非常に楽しみであった。
さてその新作だが、全くに見ず知らずの女性にいきなり「自己紹介させて下さい!」という勝手な男の行動から物語は始まっていく。
そして互いに待ち合わせてしていた友人が集まり、関係をしていくという流れになっていく。
その展開模様は、本人の勝手な思い込み、自己チューから生じて、会話のズレが物語を大きくしていくのだが、それは何時も通りのパターンでもあり、観客も待ってました!というところである。
ただ今作が何時も違うところは、のっけから「自己紹介させて下さい!」という言葉を男が発した瞬間から、怒涛の如く物語が始まっていく点である。何時もはある程度の状況がそろってから、ゆっくりと大きくなっていくのだが、今作のような展開は初めてであり、観客は一気に引きこまれていく。
ただ実際起こっている出来事は、どうでも良い事である。
まぁ、そのどうでも良いところを観客自身が勝手に脳内で妄想する事が、この劇団を見る上での本来の楽しみでもある。
初見の方は当然面白いと思うのだが、何度も観ている観客は、この作家が毎作品ごとにどれだけ変わっているかを感じ取らなければいけないと思う。
お勧めである。
満足度★★★
ネタばれなし
「私、出番が少ないのよぉ~」
とカウンター越しにひとりの女性は囁くのであった。
無名な俳優が本物の女優になった貴重な芝居。
満足度★★
ネタバレなし
設定も面白いし、それを不条理として扱う辺りは良いのだが、それだけだと物語は成立しないな。
でも黒木絵美花が出演しているのは救いだな。
満足度★★★★
ネタばれ
ネタばれ
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阿佐ヶ谷スパイダースの【はたらくおとこ】を観劇。
借金を抱えたりんご農園の従業員たちが、魔法の液体の手にした瞬間から、
やむにやまれず暴走してしまうおとこたちの話である。
二転三転する先の読めない展開、小劇場界代表の男優陣、そして笑いと恐怖がいとも簡単に融合してしまう会話術、
そして物語に込められたメッセージを、肌で感じ取る事が出来てしまう演劇体験。
どうやら久しぶりに生涯演劇鑑賞ベストテンに食い込んでくる作品に出合ってしまったようだ。
初演は2004年なのだが、その当時からするとあまりにも早く作り過ぎた感は否めないかもしれないが、今回の再演は見事なまでにタイムリーである。
昨年末の【ツインズ】に続いて、怒れる劇作家・長塚圭史の大傑作である。
お勧めである。
満足度★★★★
ネタばれ
ネタばれ
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イキウメの【遠野物語・奇ッ怪 其ノ参】を観劇。
シリーズ物で、これで三作目。
柳田国男は、遠野で起こった伝承を本にして、自費出版したが為に、警察に捕まってしまう。
そして柳田がその伝承を話していく内に、奇ッ怪な世界へ誘って行かれてしまうのである。
遠い昔から語りべで言い伝えられている伝承を、物語の軸として進んでいく。
それはおとぎ話の様であり、理屈では説明出来ない、釈然としない事ばかりで、現代人からすると奇妙に感じてしまいながらも、説得力を持って引きづり込まれてしまうのである。
実際に起きたであろう出来事を文章ではなく、何世代にも渡って伝承していく事によって、物語として肉付けされ、形作られていく事が伝承の興味深いところでもある。
現代社会は、時代と共に何でも科学的根拠を下に、合理的で、便利さを求めてしまいがちだが、実は奇妙で釈然としない物語を身近に感じとる事こそが、生きていく上で大事だ!という柳田国男のメッセージを感じられずにはいられない。
お勧めである。
満足度★★★★
ネタばれ
ネタばれ
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劇団チョコレートケーキの「治天ノ君」を観劇。
わずか15年で退位した大正天皇の生涯を、皇后の目を通して描いている。
父・明治天皇から不肖の息子と言われ続けながらも、帝は常に神の存在になくてはならないという父の教えに苦悩する。
そんな中でも西洋の価値観を学んでいけばいくほど、新しい皇室のあり方、開かれた皇室、世界での日本の立ち位置などを変えようとしていくのだが、生まれついた病弱な体質の為に大病を患い、無念の上、息子・昭和天皇に退位させられてしまうのである。
当然誰も知る事がない内部事情の話なので実話ではないのだが、日本がこの時代から本格的に変わっていく様が、皇室という目を通してダイナミズムに描かれている。
大正天皇が自ら問いた疑問「天皇の存在とは何なのだ?」というのがテーマであり、その疑問を大正天皇と一緒に観客が考えていけるのが今作の面白さだ。
天皇が神の存在であるという事を時代が変わっても守り続けようとする皇室と宮内大臣たち。そこに一矢を放った大正天皇の行動こそが、今の日本の皇室のあり方を変えていったと言っても過言ではないだろう。
初演時には大喝采を浴びたようで、今作は3年ぶりの再演なのだが、全く色褪せてない傑作である。
個人的には今年氏のベストワンである。
お勧めである。
満足度★★★
ネタばれ
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サミュエル・ベケットの【ゴドーを待ちながら】を観劇。
永遠の不条理演劇と言われ続けているようだが、内容をカットせずに150分版を観ていると、全くそんな戯曲ではなく、哲学的に受け取れる作品になっている。
ディディとゴゥゴは職も住む場所もなく、毎日の食事にありつけるかどうか不安である。そんな彼らはゴドーを待っているのだが、ゴドーの代わりに来るのは彼らを征服しようとする輩だ。
第二次世界大戦中に敵国に占領された人々の飢えや苦しみの中、彼らがゴドーを待つ事が希望なのか絶望か?
そんな葛藤をしながら、来るはずのないゴドーを待つ事によって、何かを掴み取ろうとして、今日一日を生き延びようとして行くのである。
時代背景は明確に描かれてはいないが、明らかに戦時中に苦しんでいた欧州の市井の話である。
未だにこの戯曲が世界の至る所で呼吸をしているのは、やはり世の中は全く変わっていないという現れであろう。
非常に観る価値の作品である。
満足度★★★
ネタばれなし
こんな面白い芝居を作る劇作家と女優が九州にいたなんて......。
この劇団の女優、えりゃ凄いな!
満足度★★
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参加型演劇とはつゆ知らず、サリーという謎の地底人の案内には度肝が抜かれたが、始まってみるとそんなに参加せずに済んだのはホッとしたのかもしれないが、何かを期待したのは間違いない。
こんな事をするのは寺山修司以来か?
だが観客を巻き込んだ割には、それと内容が交わってこないのが残念な処だ。それがもっと上手くいけばかなり面白くなる予感あり。
まぁ、でも最初に驚きをくれたサリーに万歳!というところだろう。
満足度★★★
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MUの【狂犬百景】を観劇。
街では人間を噛み殺す狂犬が多数出現していて、パニックになっている。
その犬はゾンビに変身するウィルスを持っていて、街中は狂犬とゾンビの天国になってしまいそうだ。
その騒乱の中で描かれる人間模様を短編集として描いている。
パニックとゾンビと映画の要素をたっぷりと感じさせてくるのだが、
それはただの背景に過ぎず、その混乱の中で垣間見える人間の本質を炙りだしていく。
ただそんなパニックの状況での炙り出しは、正義、勇気、プライドなどが定番なのだが、今作では、日常の恨み、つらみ、嫉妬ばかりが表に出てきて、そんな状況で出るわけないだろう?と思いがちだが、そこに妙に現実味を感じてしまい、一番危険なのは狂犬とゾンビとウィルスではなく、人間そのものだと感じてしまうほどだ。
やや平田オリザの【東京ノート】に通じるものがあるようで、演出家の眼差しをちゃんと感じられる良好な芝居であった。
満足度★★★
ネタばれ
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北村想の「游俠・沓掛時次郎」を観劇。
演出は寺十吾。
旅芸人の話である。
長谷川團十郎率いる芸人達は、とある田舎町で興行を打っている所に、若い女性が入団を申込んで来る。とりあえずひと夏の公演のみ許可され、劇団員として働く。そして最終公演を演目が決まり、幕が開くと現実なのか嘘なのか分からない芝居が始まるのである。
シスカンパニー主催なので、名優ばかり文句のない出来である。
旅芸人物なので、地方で行うような弁当を食べながら、お気楽に観れるかと思いきや、これが意外や意外、手の込んだ戯曲であった。
最後の演目が始まると同時に舞台は一転して、東京から来たあの若い女性のその後の人生が始まるのである。
その彼女は今では身持ちを崩し、とても惨めな生活を送っているのだが、実は旅芸人のヤクザな劇団員に引っかかった為である。
そして彼女を救おうと劇団員が奮闘して、彼女を救い出し万歳!で終わるのだが、それが実は現実ではなく、最後の演目の芝居だった!というカラクリなのである。
当然観客は疑いながら観ているのだが、疑いながらもすんなり観てしまうという心地良さを感じるられる芝居であった。
満足度★★
ネタばれ
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劇団子供鉅人の【幕末ス―プレックス】を観劇。
関西の劇団で、以前から観ようかな?と思っていた劇団である。
伊井直助を殺害し、財宝の地図の半分を手に入れた尊王攘夷を掲げる侍たちと、彼の財宝の地図の残りの半分を持っている愛人の花魁との攻防を描いた物語である。
歌、踊り、ナンセンスギャグの連続で、肝心な物語には殆ど関心ナシで、横道にずれっぱなしのだが、大人数の人海戦術で見せる演出は、舞台ならではの迫力だ。
クライマックスはよくある話で締めるのだが、それでもカタルシスを感じさせてくれる辺りはご愛敬か。
蜷川幸雄が、演劇とは【その日、その時、その場所でしたか体感できないものだ】と言っていたが、まさに生でお祭りを体感させてくれるイベント的な催しがこの劇団の持ち味なのだろう。
演劇に何を求めるかで変わってくると思うが、内容そのものは決して面白くはなかったというのは間違いない。
次回作は、本多劇場で100人の俳優を登場させるらしい?
満足度★★★
ネタばれなし
作家の事前に決めていたテーマがあり、それに準じて物語を作っているような感じなのだが、これが中々面白い。テーマが俳優の芝居によって簡単に凌駕させてしまう事が大きな狙いでもあるのだろう。
満足度★★
ネタばれ
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ネタバレBOX
元北区つかこうへい劇団の団員による、つかこうへいの【ストリッパー物語】を観劇。
初期の作品なのだが、バージョンが色々あり、今作は初期のものと思われる。
以前に観たポツドールの三浦大輔版は、ストリッパー明美とひものしげさんの話しから、明美が病に侵され踊れなくなると同時に、しげんさんの娘が、アメリカ留学でダンサーになる夢が破れて、
ストリッパーになるという物語であったが、今作は明美としげさんの関係を中心に描いている。
社会の底辺の人間愛を大きく謳った作風を、激しさと笑いで期待するのがつかファンの心情だが、その辺りを一切排除して、男女の一途な恋愛模様で攻めてきているので、やや拒絶してしまうほどだ。
演出の狙いという事であるのだろが、残念ながらつかこうへいを求めてきているファンとしては、どうかと思ってしまうのである。
ただ演出を変えてきているは分かっているのだが、未だにつかこうへいを求めてしまう自分自身の観賞法もどうかと思ってしまうのである。