ダークマスター東京公演 公演情報 庭劇団ペニノ「ダークマスター東京公演」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/02/02 (木)

    ネタばれ

    ネタバレBOX

    庭劇団ペニノの【ダークマスター】を観劇。

    以前に一度だけ観た劇団で、ここ最近、岸田戯曲賞を取っている。

    大阪のさびれた街で、夢も希望もない30歳過ぎのバックパッカーが洋食屋で食事をしている。
    そこの店主は無愛想で、人生にくたびれた様子なのだが、作る料理はすこぶる美味しいようだ。
    そしてそこの店主の勧めで、彼が代わりとして働く事になるのだが、料理を作れない彼に、店主は彼の耳の中に極小マイクロチップを埋めて、遠隔操作をして、全てを任せていくのである。

    料理を作った事のない青年が遠隔操作でどのように作っていくのか?
    そこが今回の見せ場でもあるのだが、これは演劇としては初めての試みではないかと?と思うほど手が込んでいて、遠隔操作をされている青年と同じ条件で、我々が体感出来る仕掛けがなされている。
    そして郷愁を感じさせる古びた店内、目の前で作られる料理の数々、その匂いが充満している劇場内、視覚、聴覚、嗅覚を同時に感じながら演劇を観賞していくという状態だ。ただそんな設定は、あくまでも青年と同じ位置に我々を置いただけで、描かれるのは青年の人生観だ。
    そして将来に展望を感じた青年がどのようになっていくのか?
    ラストのオチとその背景で一瞬に行われる行為は、捉え方次第で拒絶するかもしれないが、そこでどのように感じられるかが今作の面白だ。
    達観か?虚しさか?

    かなりのお勧めである。

    もし今作を観るのであるならば、舞台正面の真ん中から下手の席に座る事をお勧めします。

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    2017/02/03 11:24

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