満足度★★★★
ホネ
面白い。
ネタバレBOX
覆面レスラーと宝塚の母から生まれた辛島タエ(菜月チョビ)と、その人生の骨になった男たちとのロックな舞台。
歌手とか卓球とか、なんであれ「主役」になりたいタエは、父・右近(松村武)の「心の中のエタマシラカ王国に願え」という教えを胸に、挫折したり恋したり波乱の人生を送る。バンド「ゴスニーランド」のボーカルとして武道館にたつその日、大地震で半死半生となるが、覆面レスラーとなった息子・歩(オレノグラフィティ)の窮地を救うべく復活。そして次の「主役」を探しに歩き出す…。
OPからかっこいい。フリに照明に歌の道具など凄いパワーと美しさ。
タエの半生を取り巻く男らの存在感が主演の菜月を後押しして、グイグイ話の引き込まれる。テンポもいい。
菜月チョビの演技はとてもかわいい。そしてどこか寂しげなものを感じさせる。
終盤の歩の死で、歩が自分の足の骨だと気づくタエ。正直妙な男ばっかりだけど(歩はまともだけど)、タエに注がれた愛情とそれを受け止め歩き続けるタエの姿に惚れる。
卓球で父と二人の力で戦うシーンは、ユーモアも入りつつも、なんか熱くなった。歌も良かった。
満足度★★★
スペース合コン
話はいいけど、もうちょい笑わせて欲しかった。
ネタバレBOX
女だけになった地球から「男」を探す旅に出た女たちと、逆に男だけの星から女を探す旅にでた男たちが、お持ち帰りを目標に合コンに熱意を燃やすが…。
女サイドと男サイドを描きつつ合コンへ。探り合いから、栗田艦長(三井智映子)が水面下で進める「人類股間計画」や「アダム山本」の話で加速し、「愛」が芽生える。
序盤から中盤は、素直に笑えず残念。あとセリフが聞き取りにくい。合コンに絡めたセリフっぽいけど何言ってるのか聞こえにくかった。
合コンに突入してからは、テンポも良くて笑える箇所もあって良かった。想法の星が「愛情」を無くしたため異性がいなくなったという話→愛情の芽生えって展開はスッキリとしてて良い。強引ともいえるけどコメディに合わせて身軽なほうがいいし。
アダムの恋人の称号を持つアリー(鈴木亜里紗)のブレーンぷりが気に入った。あと、なんか空回りで貧乏くじひくようなバーンズ少佐(鈴木若菜)も好き。
90分の面白い合コン舞台ではあったけども、思わず笑っちゃうシーンがもっと欲しかった。少佐の中佐ネタ(の「なんで昇格したの」ってツッコミ)は思わず笑ってしまった。
満足度★★★
紐パン
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。
ネタバレBOX
デザイナーの本山田健一郎(内田龍)は、妻(前彩子)と喧嘩した翌朝、なぜか小型(全長17cm)になっていた。それを機に蟹崎(樋田洋平)と堂々と不倫しだす妻。そして離婚させられ、蟹崎と妻のペットとして生きていくことに傷つく健一郎。その健一郎の前に何人もの小型の妖精が現れる…。
舞台は健一郎の部屋の片隅でPCとかが大きく作られたセット。妻の姿は映像で足音で振動が伝わる臨場感。いい感じ。
妖精は、人間と違って完全なもので健一郎が望んだものを与えてあげると言う。健一郎は不完全を望むと妖精らは人間のように愛したり妬んだり傷ついたりして、最後はドンパチまで繰り広げる。そして、健一郎の元には結局蟹崎と別れた妻が残る…。
妖精の存在とはなんなのか。「人間的」って連呼してたように、健一郎(王様)を中心に、人間的な蠢きを演じてみせたショーだったのか。妻(人間)に傷つけられた健一郎を慰める優しさだったのか。よくわからんが、ニガいファンタジーさが気に入った。
富岡英里子の表情がいい。ドンパチシーンが単純に面白い。
満足度★★★★
幻
面白い。
ネタバレBOX
新進の小説家・板倉(今里真)が黒崎(平山寛人)に売春宿に連れられてくる。30後半の板倉は、16くらいから売春してたという玖美子(秋澤弥里)を前にしてもその気になれないと帰ってしまうが、その時会った唖の売春婦・布見繪(奥野亮子)と付き合いだす。そして、今度は玖美子を買いにやってくるが、そこを基点に玖美子の人格が壊れていき、自殺してしまう…。
心とカラダは分けているという性に対してイケイケな玖美子、そんな玖美子が理解できず悩み続ける布見繪、布見繪と付き合い心とカラダを分けるってことを知った板倉。心って何、カラダって何、ってな舞台に90分があっという間だった。
覚醒した板倉に仕事だからと抱かれた玖美子が布見繪に変わる手法は見事。黒崎は「別の人格ではない」ってなことを言ってたけど、玖美子の中の布見繪のような心が一気に吹き出したということなのか。
終盤、女将の久乃(佐々木なふみ)が心とカラダを別に考える人間は続かない、と言っていたところで再度舞台が歪む。そして、時折入るナレーションは(しゃべれない)布見繪(の独白)なのだが、途中からは玖美子のしゃべりのようにも聞こえ出してくる。すごい揺さぶりだと思う。
派手なシーンや濡れ場があるわけでない静かで暗い作品だったけども、人を不安にさせるというか落ち着かない気持ちにさせるというか、そんな空気に触れられる舞台だった。
満足度★★★
マシュマロ
面白い。
ネタバレBOX
囚人だった男(今奈良孝行)が記憶を消され、ナース・渚つかさとして政府の密命を受ける。保険屋の会長・ポッケ(松尾マリヲ)が運び込まれた山中の病院で、Dr.クランケ(足立雲平)とナースの芥川みくり(斉藤マリ)から治療を受ける。渚はそこの夜勤ナースとして勤めるが…。
基本バカな調子の舞台で、仕事帰りでも楽しく観られるのが嬉しい。ストーリーあんま把握してないけど。独特の笑いのタッチにクスっとさせられる。「右心房と左心室?が~」には大いにウケた。エンタメな舞台。
お友達らは普通のおじいさんおばあちゃんなのか。思い切ったことするなと。
第一秘書の宮下今日子のマシュマロチャッチも大いに沸いた。
みくにのドクターへの愛情を歌った「この臓器」は良かった。ストレートに良かった。
ナウシカと組み合わせた「TOMORROW NEVER KNOWS」も好き。
ちなみに、つかさ渚になっての白衣でサーベルオペがかっこいい。そして、Dr.クランケは、風貌も声も動きもメイクもヘアスタイルも完成度高かった。
満足度★★★
列車に乗って
まずまず。
ネタバレBOX
なんでも揃っていて、欲しいものはなんでも手に入る「東京駅」に住む人々。
何気ない日々の中、歌手(橋口克哉)の新曲で海の存在を知り、アホなボンちゃん(川村隼斗)は海へ向かう列車に一人乗る…。
ボンちゃん…コトリを探している内に出会った少女(安川まり)にコトリと名付ける。
コトリ…自分が何者か知らない純真な子。ボンちゃんと仲良くなる。
ねじミ(岡本摩湖)…オカマ(性同一性障害?)。ボンちゃんへの想いと二人の関係と自分の存在に悩む。
マーヤ(中西良介)…どこかドンくさい。僕野(津田幹土)を刺殺し、ショックを受ける。
僕野…海を目指そうとする面々を馬鹿にするリアリスト。
設定からして明確でない、ファンタジーな作品。
「東京駅」ってエデンの園的なとこのような天国のような地獄のような、そんなイメージでみてた。結局、脱出できるのはボンちゃんだけで、ねじミとかそのまま(ラスト、コトリは海に着いたが)で、舞台というか物語的な一体感があると、想像するのもさらに楽しくなると思う。設定がふわふわ飛んでる分、人物にある程度の明確さがほしかった(ねじミのような)。
リフレインや独白の効果が何を狙ったのかはわからなかったが、80分飽きなかった。コント的なシーンはあってもいいけど、スパイシーというかシャープな感触が欲しかった。
照明キレイだったし、セットもしっかりしてた。
満足度★★★
小噺
面白い。
ネタバレBOX
「プロローグ」…CR岡本物語の前説が利いてる。
「閉じられた穴」…NPO法人の肛門を撮影したいスタッフは、小話を始めるというテイで、短編を語る。今井孝祐が徐々に老けていくのがミソ。
「近すぎて遠い」…多重人格障害のリコ(小岩崎小恵)に恋した精神科医のオサム(渡辺裕太)だったが、実は主人格のコウジ(野口オリジナル)の策略でリコは消滅し、悲しみにくれる…。シンプルだけど突飛な関係が面白い。
「私の彼は甲殻類」…ヨーロピアンロブスターの彼をもつ長万部朱美(増田赤カブト)の顔芸がウケる。ちょっと顔芸により過ぎな気もするが。
「窓」…自殺で彼女を失った拓郎(サイショモンドダスト)は、そのショックから、ストーカーのばあさんが自殺して、その祟でピアノの音が聞こえると言い出す…。王道なホラーで面白い。ばあさん横切りはスローなほうが怖い。
「文字通り、時間をかけた挨拶」…身重の妻(小岩崎)のため、会社のカネを盗んだ義男(サイショ)の前に、未来からきた息子と名乗る、鮮魚を携えた青年(加藤慎吾)が現れる…。生まれた娘との結婚の許しを60年遡ってもらう義理の息子。タイトル通りの展開。PMCらしいテイストが味わえた。
「君といつまでも」…認知症の妻(小岩崎)と思い出を語る夫(加藤)。妻が夫を、結婚前の別の交際男性と認識していることに気づく…。夫のことをつまらない男だったといい捨てる妻に対して、何も言い返さずそばにいようとする夫がやるせない。現代的な恐怖とか情愛とか、短い舞台で色んなものが見え隠れする秀作。面白かった。
「ともだち」…終末期患者の老いたジャ○アン(今井)の病室に、やはり老いたの○太(CR)らが見舞いにくる。病室からのび○らが退出し、恐怖に押しつぶされそうになるジャイ○ンだったが、の○太は優しく抱きしめる。そして、タイム風呂敷を投げ捨てるドラ○もん(渡辺)…。原作に負けない友情パロディ。小ネタも利いてるが、タイム風呂敷のシーンを挟むことで、一段上の作品になった。面白い。
満足度★★★
エビ
「あるミライと、そのタもろもろ」が面白かった。照明良かった。
ネタバレBOX
「あるコトバ」
恋してフラれてを繰り返すをんな(真嶋一歌)は、失恋のたびをとこ(石本政晶)の病院へ行き、「愛してる」を排泄するオペをしてもらい、その都度体が軽くなる…。
結局、「愛してる」を返してもらい「苦しさ」を自ら手に入れるをんな。話的にはストレートだけど、コトバのジェスチャーとか何度も来院を繰り返すくだりは面白かった。
「あるヒカリが在るケシキ」
中学同級のカナエ(丸石彩乃)とタマエ(石澤希代子)と転校生のノゾミ(石井舞)の青春時代からノゾミの死までを描く…。
口に合わなかったのか、退屈だった。
「あるミイラと、そのタもろもろ」
お父さん(石井勇気)とお母さん(馬渕史香)と息子(村木雄)の元に娘(渡辺実希)がやってくるが、お父さんがゲイをカミングアウトすると、実は、4人は家族でもなんでもなくて、太陽が終了する最期の日に集まった擬似家族だったことがわかる。イライラする息子や娘だったが、お母さんのコトバで家族ごっこを続けていく。太陽のない暗い世界になっても…。
家族に恵まれなかったであろう4人が、息子のネットの呼びかけで太陽最期の日に集まるというシチュエーションで、舞台の厚みが増しグっと話に引き込まれる。「家族」を意識するあまり、自分より年下のお母さんやゲイのお父さんに失望する娘に、すきやき食べようとお母さんするお母さん。「家族」を求める4人が、お先真っ暗になっても、家族で生きていくような気にさせるストーリーが暖かい。面白かった。
「あるオトによって生まれる、あるカラダがある」
取り囲む役者のセリフにあわせて、踊り手(森脇洋平)が舞う。劇中のセリフから劇のエピソード的なセリフへ移行するにつれ、BGMも踊り手の表情も盛り上がり、素直に楽しくなれる。
満足度★★★
ビジター
チケットプレゼントにて鑑賞。
ネタバレBOX
ニホンの外務省的なところに警視庁の人間が、キオソという国で起こった殺人の件でナガオという人間を調べに訪ねてくる。外務省的な内部では、2つある通訳班の内1つと委託をやめる方向で話が進んでいた。警視庁の人間と外務省的な人間とでは言葉がなぜか通じず、通訳班がそれぞれについて通訳をするが、情報漏えいの事件や私情が入り組んで混乱するばかり…。
一方の班の状況をみせた後、もう一方をみせるという構成。前半は面白くて笑えたが、後半は笑える箇所が減ってしまったのが残念。
途中で調子が変われば良かったと思う。悪く言えば、スタイルがくどいと感じてしまった。先に見せた班の流れをある程度覚えておかないといけないようなスタイルに疲れてしまったというか。
演技は総じて良かった。いい加減な染谷を演じた凪沢は、いい雰囲気出してた。
満足度★★★
宇宙をskipする時間
チケットプレゼントにて鑑賞。
ネタバレBOX
親友の歩(敷名めぐみ)との間に隠し事を残したままの少年・翼(市場法子)が、歩の飼い猫・そら(工藤理穂)に連れられ、宇宙をさまよい事実と向き合う。
カストル(山崎雅志)…ブランコ双子。ポルックス(大沼優記)への嫉妬と犬の糞でポルックスとの間がギクシャクしている。
ポルックス…ブランコ双子。さそり時計(ささきくみこ)に片思い。カストルと仲直りする。
さそり時計…時計。明るい性格。深夜帯(昼間も?)の姿が恥ずかしい。
カシオペア(矢野あずさ)…噴水の女神像。固くて上から目線で好かれてなかったけど、終盤で公園の仲間になれた。
カラカラ(樹)…カラス。翼に一人の寂しさを忘れるなとアドヴァイス。
流星(片山)…さそり時計の80年代ポップを熱唱する。
歩の大切なプラモを壊したことを告白できず、返した返さないのいざこざを経て、いまだに心の中でプラモを探している翼。歩からでなく先生から渡されたミニチュアプラモを、心の中で歩から渡されても、あれは歩が無くしたとかカラスが咥えていったと現実から目を背け続ける。
翼と歩の関係を中心に、ブランコ双子とかカシオペアのエピソードを入れ込んで、短い時間ながらも高い物語性があった。翼を演じた市場の演技もいい。終盤、舞台の空気がガラっと変わるのも翼という存在を後押ししてた。ラストの手紙を書くシーンも、発声も演出もストレートでしっかりしてて良かった。
後半はこんな感じで良いと感じたけど、前半の空気があまり好きでない。悪くないけど。笑うに笑えなかったので。
満足度★★★★★
8bit planet
面白い。
ネタバレBOX
社員50名程度のデザインソフト会社「ゲッコー」の初代社長が事故死し、USAに経営勉強に出ていたけど役者志望の長男・龍(八須賀孝蔵)が二代目に就任。業界に革命を起こそうと初代が開発したプロ向けソフト「ツキノワ」は、販売価格50万のせいか、高い性能をもちながらもほとんど売れていなかった。そんなゴタゴタの中、USAの大手ソフト会社「AGEHA」に雇われた企業買収のプロ・フジモト(みのみのり)が株式買収に動き出す…。
ストーリーとキャラがマッチしていて、しっかり笑わせてくれた。小ネタも利いててニヤニヤもできる。秘密兵器ヤマガタを演じた生見司織は流石。クールにコメディを決めてくれる。龍を演じた八須賀孝蔵も、頼りなくてそらっとぼけた演技が上手い(一応二重で演技してるというとこになるのか)。
話も左に右に動いてワクワクさせてくれる。シリアスに寄りすぎないところが好み。それでいて人間ドラマも混ぜ込んであって、素直に面白いと思える舞台。110分程度だったけど飽きなかった。
フジモトの策略で窮地に陥るも、龍が妹・みずほ(後藤幸子)の心を動かし、買収を阻止。月額利用料制がヒットし「ツキノワ」は爆発的に売れ始める。龍は社長を辞任し役者がやりたいからハリウッドに戻るといいだし、皆が引き止める中、みずほを二代目に指名する…。
ここで、嫌がるみずほに「二代目、ちょっと黙ってて」とグっと抱きしめ、笑顔で旅立つという展開がシビれる。中盤で、余計なことをいう龍に皆が黙ってとダメ出しするシーンを挟んでおくもんだからヤラレタ。実際、龍は経営学校を飛び級で卒業した天才で「ラストサムライ」にも出ちゃう有能さってとこもミソで、うまい具合に騙された。面白かった。
演技が飛び抜けてうまいってワケでもないし、斬新な演出ということもないけども、劇団紹介にあるような愛すべき宇宙を魅せてくれた。いい作品だった。
満足度★★★
グリーンのコート
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。
パンフのキャスト欄のキーワードが親切。
ネタバレBOX
デリヘル屋の控え室。人気デリヘル嬢だけど、家族はゴタゴタで乾いた感覚のマヒル(堤千穂)や、クズマネージャーな山下(野田慈啓)からボコられるスタッフ・カノウ(山田佳奈)を中心に、ドライだったりウェットだったりする女と男を描く。
フキ溜まりな空間と人間たちを尻目に、ニコニコ顔なマヒル。けど、何が楽しいのって、ほんとに人を金で買いたいのって問いたくなるような演技。そんなマヒルに無心する姉・和代(踊り子あり)から、母もマヒルも嫌いじゃないと言われた時の微妙な表情がいい。
母の男に体売ってたってぐちゃぐちゃな背景と、あっけらかんと高らかに笑うラストの絵。正直、心の中はわからないけども、寂しくなる。
セリフは、もっとグサっときて良かった。いや面白かったけど。
満足度★★★★
マカロン
面白い。
ネタバレBOX
小さなキッチンスタジオにフレネミーがやってきて…。
諏訪(岩崎純子)…スタジオの要。
音田(松浦英市)…8日目でオーナーになる。いずみ(奥村香里)の彼氏。
いずみ…素人にしてはお菓子作りが上手い。
砂土(西原誠吾)…日本料理担当。職人気質で人気ない。
王(アホマイルド クニ)…中華料理担当。酒飲みながら料理する坊主。
真島(匁山剛志)…イタリアン担当。イケメン。
野中(長谷部洋子)…フレネミーの正体に気づく。
奈部(西岡知美)…トリッキーなバツイチ。包丁で怪我した。
株川(西本泰輔)…スタジオで婚活する独身。米が好き。
波多野(河村美沙)…小佐井(梶原真理子)をいじるのが好き。
小佐井…波多野とフレネミーの間で困惑する。
七林(佑木つぐみ)…真島に恋する女。
朝霧(澤田育子)…フレネミー。
笑えた。テンポもいい。キャラのバランスもいい。シーンシーンの見せ方もいい。
引っ越してきたという朝霧が、徐々にスタジオに混乱をもたらす流れもジワジワといいスピードだった。演じた澤田の大きな瞳と、パッツン黒髪、スタイリッシュな妖女雰囲気が、マッチしてた。
野中やいずみが感づき、諏訪と朝霧の一騎打ちって展開。かなりあっさりとしてたけども、舞台の空気にあってた。もうひと波乱あってもいいけど。んで、オチ(これから頑張るぞってとこにビル解体の知らせ)もあっさり。ライトにブラックな空気を楽しめた。
砂土や王の濃いキャラが笑いを誘う。ベタにも見えるが上手かった。
諏訪の悩んだりイライラしてる感も悪くない。ドカンとインパクトのあるシーンが観たかったけど。
満足度★★★
満開
面白い。
ネタバレBOX
若干32歳で地元の町長に就いた陽一郎(阪本篤)と精神科医?の話。
桜が咲くとキレイだという山にある桜の木の下で女が殺され、その犯人が陽一郎だという。そして陽一郎は、桜の木の下には鬼がいたという…。
小学校卒業時、仲間の悪ガキらと桜の近くの秘密基地で一夜を過ごす陽一郎は、桜の木の下で男とSEXしている母(桜井昭子)を目撃し、母や男、友人もろとも山を焼いてしまう。その後、東京大学入学前に出会ったさくら(牛水里美)に筆おろししてもらい、大蔵省エリートの道を捨て、町長になり、さくらと付き合うも、桜の下でさくらを絞め殺す…。
陽一郎の告白再現という形で、火事で死んだハズの友人や母が登場し、現実逃避な陽一郎の精神性を表していく。そして、その事実を受け止めた陽一郎は、ラストシーンでさくら殺害のシーンを供述するという体裁かな。
母と陽一郎の偏愛シーンは地味な描写ながらも、なかなか重要。母が売春(か単純に青姦)していたという事実と母を殺したという事実に反して、母に甘える自分とそれを受け入れてくれる母を描く陽一郎。実際の関係性は描かれないからこそ、実際のとこが恐ろしく思える。
さくらは、父が死んだせいで親戚宅に預けられるが、結局父と過ごした家に戻り高校へ通う。親切にしてくれてた米屋とかが次第に性的関係を求めるようになり、「公衆便所」として生計をたてる。父は火事で死んだということで、陽一郎と妙な繋がりがあり、人生を諦め幸せに恐怖する中、陽一郎からの告白に身を委ねるが、実家で一人母に話をする陽一郎に困惑する。
陽一郎がさくらとSEXした後、殺すといういきさつはしっかりとは描かれない。鬼に見えた母の話をするにつけ、さくらが鬼に見えたのか。さくらはさくらで、さくらの父や陽一郎の母の最期を訊いて人生を本当に諦めたのかしら。
そもそもさくらの遍歴も陽一郎の虚像って箇所もあるだろうし、なかなか想像心をつついてくれる。
骨子は面白いし、好み。
ちんこの話も嫌じゃないけど、母やさくらの描写とか、絞殺シーンに集約するようなシーンをその分増やして欲しかった。
満足度★★★★
犬
原作未見。
ネタバレBOX
ギャングのボスの娘・グレースが山村「ドッグビル」に逃げてきて、村人トムの提案で労働をはじめ、村民に受け入れられるも、次第に妬みや蔑み、レイプの対象に落ちていく。結局、トムの通報でやってきたギャングの父のチカラで、村民を皆殺しにする…という重い話を、なぜかのヒップホップ調なセリフまわしで、別なテイストに仕上げた快作。
ヒップホップだかのBGMのせいか、ヒップホップな発声のせいか、セリフがききとりにくい。映画の映像を芝居の合間に映すけども、なんの話なんだかわからないまま。話が見え出したかと思えば、本編に関係ないような話を挟んだりしてストーリーがどうでもよくなる。
原作は、人の本性を晒しだすとかってテーマらしいけども、本舞台はそんなのどーでもよくって、ひたすらヒップホップな声が耳に残る。そして、グレース(佐々木幸子)と男の屋外でのダンスシーンが目に焼き付いた。
最後の佐々木幸子の言葉(作者の言葉)は、アフタートークって括りなのかな。久しぶりによくわからないけど、不思議とさっぱりな舞台をみた。次回も観たいと思った。
満足度★★★★
プロフィール
面白い。
ネタバレBOX
演劇的要素の面白さが味わえる、シンプルなつくりがいい。
ヴァイオリンをやってる音大生から院生になって、彼(ショータ)にふられて院生もやめて、出版会社に勤め、取引先の男と不倫し、年下の部下と恋愛し、病気になり…夢破れ失恋し、仕事を頑張り、離婚や愛犬の死に直面しってぎっしり詰まった、女の10年。
20歳過ぎるとあっという間って皆言うし、主観的にはその通りだけど、やっぱり10年って結構あるなと。それって人生的にもそうで。→こう見てる(進んでいる)人生を↑こっち側から眺めることが必要になるのかななんて思った。
ATで話に出た、女性な演出でも見てみたい。確かに、男が求める女性な作品にも見えたし。キレイというか。
失恋したり怒ったりした斉藤麻衣子(24歳)のメリハリな演技が良かった。土屋麻悠子(28歳)の声がいい。
終盤のメール読み上げは、BGMのせいか聞き取りにくかった。
満足度★★★★
G
面白い。赤ちゃんのイラストがかわいい。
ネタバレBOX
マリカ(西牟田恵)…千々岩(黒田大輔)の妻。懐妊に向け努力する。
千々岩…マリカの意気込みのプレッシャーでキャバクラに通う。いい旦那風だけど、愛生(高木珠里)に鬼畜と評される。
愛生…38歳。エロ関係の仕事をする。部屋汚い。ダメ男ばっかと付き合う。
高井大哉(岩瀬亮)…愛生の彼氏。東大卒のミュージシャン志望。
桜子(佐久間麻由)…未婚。愛生の彼氏・内田(川本直人)とデキる。
立花(島田桃依)…イケメン坊主と結婚。普段モテないけどイザって時にヤル女。
内田…23歳の映画監督志望。
30~40くらいの女らとその周辺の男らの、悩みとか希望とか。
マリカの子供願望に疲れる千々岩が印象的。愛生と大哉のキャバクラに通っているという会話の逆側で煙草をくゆらす姿がいい味出してる。また。愛生が迫ってきたと平気なツラで言いのけちゃうとこいい。女らに比べセリフで表現するってことが少なめだったけども、厚みのある人物像を想像させる。
終盤のマリカと愛生のやりとりも面白かった。結婚してもしなくても、子供がいようといまいと、大変だけども、どうしてこうも生きにくいのかなと。二人とも、見た目も演技も良かった。
マリカの妊娠に対するフライングとか、立花の結婚とか、影口的なのがほどほどだけど、しっかりネジこんでるのに安心した。
「結婚」っていう制度と「出産」っていう出来事の、現代での位置づけって複雑だなと思う。いいんだろうなと思うし、厄介そうだなと思う。
満足度★★★★
暗い芝居
面白い。
ネタバレBOX
「垂直移動編」…男が老婆に靴の片方を返すって物語をを階層毎に見せる。
「平面移動編」…男が自分とよく似た放火犯のせいで逃避行する。
「直角交差編」…「垂直」と「平面」が交わる、男の脳内を描く。
大学時の恋人と結婚した男が、妻の精神病もあって、現状を変えるべく震災ボランティアに行こうと決意するも、結局行かずに妻の元に戻る…。
「直角」で、ご本人様(本人の主意識?)になりすました自分1086(本人の中の意識?)が提督とライトセーバーで戦うとこはウケた。
そんな自分1086が、老婆と男が親子であったという自分の中の物語とか、ボランティアへ向かいたいんだか向かいたくないんだかな男の意識に気がつく自己発見な話かな。
お面の奇妙な感じと老婆絡みの昔話な奇妙さ、楽器?や効果音、動きの奇妙さがマッチしてた。それらが男の意識って舞台を演出し盛り上げる。
作品では直接的な表現は少なく、精神病を抱える妻の夫である男を描くけども実際はかなり重い。それを一見軽快な作品に仕立てた手腕が素晴らしい。話自体は暗いとこから明るいとこへ向かうのかなァってとこで終わるけども(妻の靴の片方を戻す)、「再生」を信じたいなと思った。
音全般が良かった。「今日も暗い芝居するぞ~」は笑った。
満足度★★★
ヒト
おじいさんに対応できてたのが素晴らしい。
ネタバレBOX
「ヒト霊長目」と「ヒト偶蹄目」という2種類のヒトの間の差別や軋轢を描く。
多数派と少数派という争いってところ、人類の宿命てなとこがあって興味をひく舞台だった。もう一歩踏み込んだ表現とかあっても良かったかもしれない。職場や公演での不当な扱いって身近なところをもってきててわかりやすかったけども。
「感情」の記録を研究しているってところと、ヒトとは何ぞやってとこの焦点がよくわからなかった。
「ヒト霊長目」の彼は彼女の存在から自殺を思いとどまり、逆に「ヒト偶蹄目」の彼女(「感情」を研究している人の彼女)は、不当解雇とか友人の演劇中止の件から絶望し(「感情」研究のため?)、自殺する。
「感情」って難解なものを料理するのは難しいけど、ここで死ぬことがヒトなのかしら。ここのところは理解できなかった。
双方を描くため、コロコロ場面が変わるのがスムーズじゃなくて。
舞台客席寄りで座り演技されると観にくくて困る。舞台が低いので。奥の方でやってくれればと思う。
満足度★★★
桃太郎
チケットプレゼントにて鑑賞。導入語りが笑えた。
ネタバレBOX
事故で失明したメイジ(林灰二)が盲導犬・チロル(成田沙織)と出会い別れ、その寂しさを描く。
学生時代、いじめっ子軽部(古川憲太郎)の妙なカラミで江崎(神嶌ありさ)の犬を川に流したこと、その報いを受けたこと、その江崎とのこと、いじめられっ子の金房(矢部太郎)のこと、チロルの心とか色々詰まってたけど、胸に来るでもじんわり来るでもなかった。つまらなくないけど。
古川と矢部のシーンが印象に残っている。
コーンの照明はキレイだった。
最初の目をつむる演出はワクワクもしたし、よいと思ったけど。