unicornの観てきた!クチコミ一覧

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荒野の家

荒野の家

水素74%

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/02/07 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★★★

脳のくぼみ
面白い。90分。

ネタバレBOX

父(永井秀樹)…兄に対応できずにいたが、大山クラブへの入会を決める。きちんとした家庭にしたかったけどできなかったと悔やむ。
母(高木珠里)…兄を甘やかしてた。もう解放されたいと家を出る。
兄(玉田真也)…10歳くらいからひきこもり。カッターを所持。父を殺すと宣言し大山クラブへ入会する。
妹(石澤彩美)…夫とケンカし実家に戻った。母からの愛情が乏しくちょっと歪んでる。
大山(近藤強)…ひきこもり等更生組織のトップ。女はバカと決めつけ、父が強権を行使すべきと主張する。
井上(吉田亮)…元ひきこもり。大山の元で更生し部下となる。「母(と女)」を敵視している。
近所の奥さん(高田郁恵)…隣人。水商売。義理の父の介護をなぜ自分がするのか(家族とは何か)を考えて、母に介護を依頼する。
フミヤ(野田慈伸)…妹の夫。妹から犬として扱われる。フミヤの子を孕みたくないという妹がわからずにいる。直毛に生まれたかった。

ステレオタイプっぽいひきこもり息子話な立ち上がりで、笑い少なめかなと思ってたらしっかり面白かった。斜め下から突き上げるようなセリフが舞台を活性化させるよう。
思い通りにいかなかった家族を思う父、父を責め子を味方につける母、自分のせいではないと信じ込む兄、まともに見えてしっかり歪んだ妹。家族って特殊な関係性で成り立ってるんだなと、改めて思う。強固なようでいて脆く、近しいようで他人という危うさみたいな。そう考えると笑えないんだけど。兄がひきこもってた時は安定していて、兄が連れてかれたらバラバラになってしまったというのが象徴的な気がする。

近所の奥さんが言った「家族がわからないんです」という言葉がズシっと心に残る作品だった。あと、大山と井上コンビは笑った。
「売春捜査官」「熱海殺人事件〜友よ、いま君は風に吹かれて」

「売春捜査官」「熱海殺人事件〜友よ、いま君は風に吹かれて」

★☆北区AKT STAGE

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2014/02/12 (水) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★★★


面白い。

ネタバレBOX

部長(小山蓮司)…整った顔立ちで表情もいい。声もいい。部長のトチ狂った感がもうちょいほしかったかな。チャイコフスキーの早セリフもばっちりキマってた。
水野(安藤瞳)…キュートな表情はいい。もうちょいはっちゃけて良かった。
熊田(中島涼)…カピバラネタは笑った。ところどころ締まった演技してて好感。
大山(宮下裕治)…中盤あたりからノッてきて、浜辺のシーンも見ごたえあった。

部長と水野の10年にわたる恋愛と大山とアイ子の恋愛と水野と熊田(茶畑の息子)の結婚と、男女の愛をテーマに熱い舞台。90分と短めだったせいか、アクが少なめで見やすい印象。発声、序盤聞き取りにくいと思ったけど、中盤以降はよくなった。序盤から全開な演技で突っ走ってもらえるとなお良かった。500円で充実度は高い。
村にて

村にて

野鳩

OFF OFFシアター(東京都)

2014/02/13 (木) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★★

黒いカラス
ちょっと長い。

ネタバレBOX

筈実(佐伯さち子)…沿介死後、町から村へ。沿介の子を身篭る。
義母(安藤真理)…沿介の母。村に残ると決心した筈実を苛める。
義父(堀口聡)…沿介の父。義母に主導権を握られている。
閉子(雪港)…メイド。10年勤めているが使えないといびられる。
丑雄(佐川誠)…村唯一の舟漕ぎ。上半身裸。
読子(すがやかずみ)…盲目。予知能力あり。
沿介(村井亮介)…筈実の夫(婚約者?)。事故死する。
少年(ワタナベミノリ)…筈実のおなかの子。
先生(加瀬澤拓未)…村の医師。元町の人。筈実を理解する。
外人(村井亮介)…村に流れ着いた。沿介に似ている。筈実を祖国に連れて行こうとする。

0.8倍速な舞台。ユルっとした作風がダメと思わないけど、求心力に欠ける印象。ストーリー的な問題なのかな。すわりが悪いというか。
ナマの効果音はいい線いってるなと思った。あと、閉子はかわいい。ちょっと面白いし。

130分。
ブラック西遊記~ステッピン・イントゥ・ユア・ダークサイド・ワールド

ブラック西遊記~ステッピン・イントゥ・ユア・ダークサイド・ワールド

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2014/02/05 (水) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★★

私好きなんです
面白い。100分。

ネタバレBOX

いわゆる西遊記な話だけど、なぜか別の孫悟空(塩崎こうせい)らが登場したりシーンが戻ったりと、時間と空間が捻じ曲がった世界になっていることに気づく。三蔵法師(大野清志)が、孫悟空と旅を続けたいと願ったことから暗黒面に落ち、ブラック三蔵法師となったことが原因と分り、孫悟空らはB三蔵法師へ戦いを挑む…。

終盤のB三蔵法師との戦いは熱い。終始涼しげなB三蔵法師がめちゃかっこいい。殺陣が多いのでラウンド客席でも気にならないし、全体的に見易さに配慮されてるのが好印象。小道具も安っぽくなくて良い。
三蔵法師の心(人間の心)の闇を描き、孫悟空の理解と人情で一段上に持ち上げる展開もストレートに響くが、ここらへんに焦点をもっと当てて構成してくれたらなお良かった。ドラマ性というか。
独占!女の70分

独占!女の70分

秘密結社ブランコ

ムーブ町屋 ハイビジョンルーム(東京都)

2014/02/07 (金) ~ 2014/02/11 (火)公演終了

満足度★★★

町屋
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。90分。

ネタバレBOX

「町屋の火事」(ふじきみつ彦)
パワーストーン屋が火事になって店長(水野伽奈子)から解雇を告げられ、柿を渡される従業員たち。その中の地味な金沢(中島真央)が、店が火事になるといいなと願ってたと告白する…。
つまらなくないけど、どこかチグハグな印象。もうちょっと色濃いものがあればよかった。

「たまたま」(新井友香)
出産間もない琴美(はしいくみ)の部屋にギャルっぽい友人・佐保(宇野なおみ)が訪れてきて、今の彼氏にするか50歳の男と付き合うか悩みを打ち明けるが…。
助産師(徳元直子)も含めた女三人の、女らしい会話劇。なかなか面白かった。静か目なオチ(名前くらいきけよ)もいい。

「センチメンタル吐瀉物」(福原充則)
上尾(土田有未)が取手(野々山椿)の夫を客にとったことから、上尾を騙してラブホに呼び出す三人だったが…。
ママ友同士のラブホでの会話劇。上尾が人生に幸せを感じつつ、SEXへの探求しかないじゃないと言い切るところあたりから、いい具合。んで、4人ベッドにゲロ吐いて掃除しないで食事に行くという、強引なようで清清しい展開が良かった。何気に深そうで、もうちょい長くみていたかった。

「こし…」(鎌田順也)
とある定食屋を舞台にしたホームドラマな入りから一転、ゾンビ映画な展開に舵をきり、カオス度を最後まで上げきった作品。カオスでありながらまとまりもあって、キャラもあって、でもメチャクチャでって妙な舞台。面白かった。
お上さんな徳元と不良な整備工な田村?が好み。
行動・1

行動・1

射手座の行動

新宿眼科画廊(東京都)

2014/02/07 (金) ~ 2014/02/12 (水)公演終了

満足度★★★★

射手座
安くて面白い。80分。「こだま」と「親」が好み。

ネタバレBOX

「こだま」
こだまの運転手(岡部たかし)がルールを破りフィアンセ(永井若葉)を運転室に連れ込む。はしゃぐフィアンセだったが、運転手の元妻の出身地駅に止まってほしくないとダダをこねる。そこへ車掌(岩谷健司)がやってきて、フィアンセに同情し、運転手もまた駅をすっ飛ばすことを決意する…。
格下に見られがちな(?)新幹線「こだま」をネタに、夫婦の愛情が走り始める作品。「院長」と「タクシー」で運転手も車掌もクビになったことが分かる。でも、この時の男二人はちょっと輝いてた。真剣な想いをアホな行動に結びつける展開がいい。

「ある院長の憂鬱」
接骨院の院長(岩谷)と同医師(永井)に呼び出された男(岡部)とその妻(山村麻由美)。院長が妻を好きになってしまったという理由でもう来ないでとつげられる妻だったが、意味深な言葉を院長に残して去る。
これも真剣な想いがアホな展開に結びつく作品。妻の言葉に思わずニヤつく院長の表情が上手い。妻は「親」でのクレーム対応後、ヘンテコな院長を相手にしてたのかと思うと、疲れる一日を過ごしたんだなと気の毒に思う。

「タクシー」
男(岩谷)と妹(山村)を乗せたタクシー運転手(岡部)のタクシーが、タヌキっぽい動物をひき殺してしまう。そこに運転手の妻(永井)が通りかかるが、実は運転手の売り上げのため男と妹にサクラを妻が頼んでいたと分かる…。
「こだま」夫婦の愛情の話。岡部の演技が冴える。

「親」
とある中高一貫校の教師三人が保護者宅を訪れ、保護者(岩谷)からの難題について善処を約束する。しかし保護者がモンスターペアレントと思われていると感づき、教師らは弁明をはじめるが…。
岡部と永井の受け流すような教師演技が上手い。保護者をモンペかどうか延べ9時間議論した上でモンペでないと結論しましたと、毒っ気なく告げる空気感がいい。台本と演技の呼吸が合っているというのか。「院長」のところへ行かなくてはならない女教師(山村)が電話をかけて、岡部と永井がすみませんと謝るという、後引かない終幕も好み。

好みな作品群。人をくったような4編だけど、テンポ良くダラっとしてなくていい。ピアノ演奏を山村がやってたのかな、こじんまりとしながら、好感触の舞台だった。
乾杯の戦士

乾杯の戦士

ホチキス

エビス駅前バー(東京都)

2014/02/04 (火) ~ 2014/02/09 (日)公演終了

満足度★★★

空白の一年
面白い。65分。

ネタバレBOX

あの世へ向かう階段の途中にあるバーに慶太がやってきて、バーテンからあなたの会いたいと思う人がこれから3人来ますと告げられる…。

小鶴慶太(加藤敦)…お笑いコンビやってたけど、地球を救うため相方に黙って戦隊ヒーローのレッドとなり、地球を救う。DVDパッケージの仕事に就くも、借り出された戦いで命を落とす。ピンクが好きだった。
奥沢太一(斉藤陽介)…慶太の相方。突如いなくなった慶太に怒りをぶつける。慶太のネタを参考にネタを作るが、慶太の想いを感じて独り立ちする。
雨宮順子(田中沙織)…戦隊ヒーローのピンク。引退後も戦いに身を投じることを願い、司令官?と寝る。慶太を誘うも、慶太は身を引く。
小鶴ちよ(小玉久仁子)…慶太の母。元スナックのママ。今は給食のおばさん。慶太に嫌われつつも仕事のスキルを見せつけ、去る。
バーテン(松本理史)…あの世とこの世の中間のバーに勤める。慶太の功績から、慶太に復活という例外扱いもあると伝えるが。

太一との話があんまり波風たたないななんて思ってたら、順子との戦隊ネタでいい感じに揺さぶられた。あがったのか下がったのかわからなけど、いい落差だった。
ちよとの会話は、やっぱりグッときた。墓場まで持っていくと決意した、誰にも知られない(言えない)ヒーローだったという過去を、ついに打ち明ける慶太。ビックリしたちよも水商売スキルで切り返す。たぶん、慶太にしてみればあんまり良くなかった母もやっぱり母だったんだとジンとくる。バーで坊主めくりをして語るという趣向が、ミスマッチながらも味がある。

死んで会いたいと願う人に会うという設定はありきたりとも思えるけど、苦めなファンタジーな色合いで、自分に置き換えるとどうなるかななんて思った。
男たらし

男たらし

ブス会*

ザ・スズナリ(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/04 (火)公演終了

満足度★★★★★

オレンジジュース
面白い。110分。チラシの毛伸び写真がかわいい。

ネタバレBOX

カネシロ(古屋隆太)の会社にひっぱられた淑美(内田慈)はカネシロと付き合うが、カネシロの女癖の悪さに次第に冷めていく。と同時に仕事に打ち込むようになり、カネシロとの仲はさらに悪くなる。
カネシロの息子・ユヅル(大窪人衛)が地方の大学に受かり引っ越す前夜。ユヅルに抱きしめられた淑美は、服を脱ぎながらユズルの部屋を訪れる…。

淑美…地位と金のある男に依存する女。仕事に目覚める。
カネシロ…DVっけのある×2男。高校中退の学歴コンプ。淑美の代わりはいるといい放つ。
ヨシダ(佐野陽一)…平均的にダメっぽい男。小さい。出会い系で知り合った女と結婚する。
タクヤ(松澤匠)…元ホスト。二度寝た女に飽きちゃう性格。女の扱いに長けてる。
サワキ(金子清文)…デザイナー。淑美と不倫関係にあったが、そのときは妻を選んだ。赤ちゃんプレー好き。
ユヅル…カネシロの子。IQ高い。マザコン。母を守れなかったことを気に病む。

淑美を中心に上手いキャラで固めた笑えてちょっとだけ苦めな作品。主演の内田の男たらしな演技が上手い。序盤のカネシロとのやりとりだけで引き込まれた。濃い目な男連中を相手に奮闘した内田がマッチしてた。
男連中も面白いキャラばかりだけど、佐野が演じたヨシダのしょっぱさ加減が絶妙。淑美を傷つける「男が気があると思っている~」もいい味だけど、「仕事のできる女って嫌いなんだよね~」は最高に笑った。笑えるけど、どことなく等身大な感覚になるのが上手い。

カネシロに暴力をふるわれユヅルに助けられた淑美の心が、ユヅルにまた一歩近づき、ユヅルもまた淑美に母を半分ほど重ねる終盤。妙な抱きしめ方をしたユヅルに母性をくすぐられつつ男を感じた淑美が、階段をセクシーに登る構図(照明も)がいい。エロスな内容でもあるけど、どことなくウォーミングな気持ちになる。

人間なにかで満たし(満たされ)ながら生きていて、傷つきながら生きていてって舞台。満たしているのか埋めているだけなのかが大きな違いなのかもしれない。
電磁装甲兵ルルルルルルル

電磁装甲兵ルルルルルルル

あひるなんちゃら

OFF OFFシアター(東京都)

2014/01/28 (火) ~ 2014/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★

二進法
面白い。70分。

ネタバレBOX

宇宙の外からやってくる敵に勝つため作られた巨大ロボ・電磁装甲兵ルルルルルルルの話。

タナカ(根津茂尚)…ロボットに乗りたいけどパイロットになれなかった「かわいそうなタナカ」。
カワカミ(田代尚子)…ロボットの総指揮。実はアオヤマのいいなり。
ヨシナガ(宮本奈津美)…オペレーター。パイロットの控え。頭悪い。
コヤナギ(森かなみ)…オペレーター。パイロットの控え。ヨシナガと仲良し。
ノグチ(松本美路子)…ヨシナガたちの上司。パイロットの控え。奇跡の人。
カトウ(三澤さき)…ロボの開発者。パイロットの控え。ギャンブル中毒。
アオヤマ(篠本美帆)…正規パイロット。天才。都合の悪いことは聞こえない。
マツナミ兄(三瓶大介)…正規パイロット。メガネない方。
マツナミ弟(堀靖明)…正規パイロット。メガネな方。

空っトボけたキャラと会話が、いい感じに絡んだ笑える良作。報われいタナカを好演した根津を筆頭にみな生きてるとこがいい。天才なアオヤマの無秩序なとこもいい。何気にカワカミとカトウが好きだけど。

人類というか宇宙滅亡の危機に瀕している世界のクセに、能天気でハッピーな空気感が充満しちゃう快作だった。
やみらみっちゃ

やみらみっちゃ

熱帯

駅前劇場(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/02 (日)公演終了

満足度★★★

未完の巨星
面白い。120分。

ネタバレBOX

ママさんのカルチャースクール的な授業で、代行の墓本(森田ガンツ)が二葉亭四迷の講義をするというスタイル。四迷の一生と「浮雲」「其面影」「平凡」のダイジェスト的舞台。講義を聴いたママさんの感想に落ち込む墓本だが、ちょっと四迷のことを分ってくれたママさんと意気投合する…。

安定した作品とも思うけど、なんとなく乗り切れない感覚。ちょこちょこ面白いんだけども。ラストの「小説みたい」はしっくりきた。才能と行動力のある異才があっけなく死ぬという。
「売春捜査官」「熱海殺人事件〜友よ、いま君は風に吹かれて」

「売春捜査官」「熱海殺人事件〜友よ、いま君は風に吹かれて」

★☆北区AKT STAGE

★☆北区AKT STAGEアトリエ(東京都)

2014/01/14 (火) ~ 2014/02/09 (日)公演終了

満足度★★★★


面白い。110分。会場、駅から遠くて分りにくいが送迎サービス有というのが○。会場前に人立たせてほしいけど。

ネタバレBOX

木村を演じた高畠麻奈の、大きな瞳とニヤッとする口元が魅力的。伝兵衛はかなり嵌ってると思う。チャーミングな演技もいいとこついてる。終盤の声のパワーが弱まってしまったのが残念だけど。あと、女的な感情の揺れ動きが大きいとなお良かった。

大山役の水鳥の藤岡弘、ネタと豊橋出身のニッサンネタが上手い。
1000円という価格も素敵。
地獄篇 ―賽の河原―

地獄篇 ―賽の河原―

鬼の居ぬ間に

王子小劇場(東京都)

2014/01/23 (木) ~ 2014/01/27 (月)公演終了

満足度★★★★

鬼と菩薩
面白い。115分。

ネタバレBOX

君枝(美吉弘恵)…妹が間引かれるところを目撃し、また、自身の子の病気をやみ子を絞め殺す。キミエの子も絞め殺す。
キミエ(古市香菜)…売春をして家を飛び出し、耕吉(島田雅之)と駆け落ちするも、アルコール依存症から子に暴行してしまう。君枝とのつながりから復調するも、ストレスから子に暴行をしてしまう。
スミ子(わかめ)…君枝らの大家。おせっかい焼き。辰夫(瀧澤裕也)から求婚されるが、子を産めない体を気にしている。君枝らの事件で畳の痕が消えない。

三人の女性の子に対する純粋な想いが歪んだ結果に行き着く過程を描く。子を間引くという前時代的な行為には金銭的な原因があると思うけど、舞台で描かれた事件の根本はもっと複雑なところにあるように感じた。まっすぐに生きようとしても不遇な状態になり、耐え切れずつぶされかかってしまう、そんな人間の弱い部分の表現が上手い。単なる不幸話で終わらない重みを感じられる作品だった。

序盤の子殺しシーンは君枝の記憶と思ったが、三人の精神的なイメージでもあったのかと。舞台美術とか服装とかの表現も良かった。場面転換のスムーズさも上々。
かなわない夢ガール

かなわない夢ガール

タイマン

スタジオ空洞(東京都)

2014/01/22 (水) ~ 2014/01/26 (日)公演終了

満足度★★★

叶え給え
チラシは○。90分。

ネタバレBOX

小学校の宿題で夢についての作文を、ちょっと逡巡してから医者になりたいと披露する玉恵(笠井里美)。勉強を頑張った中学校から服飾の専門学校を経て、ガールズバーでバイトして、落語家に弟子入りして、ビッチになって家に戻る。そして、母(斉藤陽介)に遊園地になりたかったと告白する…。

遊園地のくだりまでがシャープさに欠けるかなと。笑えるとこもあるけど、ふわふわしてて座りが悪い印象。
急な遊園地になりたい話は、ちょっと戸惑ったけど昔話のとこはなかなか魅せてくれた。笠井の観覧車姿も母性とちょっとの神々しさが美しかったし。

前半でもっと引き込んでくれてたら、遊園地エピソードがもっと魅力的に思えたかもしれないと思った。
続ける理由

続ける理由

おかぼれ

座・高円寺1(東京都)

2014/01/22 (水) ~ 2014/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★

渡辺さん
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。75分。

ネタバレBOX

松居大悟…公演前日なのに思うようにいかない作演出家。
安藤聖…アイドル志望の30歳。DVDの仕事を貰うも、撮影場所を間違える。
尾上寛之…インストラクター。破損を原因にからまれ、その男を殺してしまう。

若者というべきか若くないというべきかって人間の、夢と希望の裏側って体裁。3人の想いが弾けるシーンの音楽と照明の高鳴りが好き。ラストの演奏も気持ちがのってて良かった。
シーン毎の切り替えもテンポ良いいし、話自体シンプルで○。時間的にも短めで、仕事帰りにピッタリと思う。溌剌としてないけど、地味と思うけど、ちょっと元気湧くステージだった。

安藤がDVDのオファー貰って、父(松居)に報告する際(寿司のくだり?)の「ヤッター!」が羨ましく思った。こういうの近頃あんまないなと思って。
No Regret No Life

No Regret No Life

文月堂

RAFT(東京都)

2014/01/21 (火) ~ 2014/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★

コウカイ
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。105分。

ネタバレBOX

「低気圧ガール」
サトシ(熊野善啓)…スーパー主任。妻子持ち。ナオミと不倫。
ヨシエ(辻川幸代)…スーパーのパート。息子を探すためパート辞めるつもり。
ナオミ(松下知世)…スーパーのバイト。サトシの誕生日に一緒にいたいとせがむ。
暴風雨の日のひきこもごも。怒ったナオミが出て行って、ヨシエに諭されたサトシは、栄養ドリンク飲んで迎えにいく…。
いなくなった息子のことを想い、サトシの背を押すヨシエ。自分で蒔いた種だけど、ドリンク飲み干すサトシのみっともないカッコよ良さがいい。万引きの暗号は笑った。

「朝顔」
レイジ(石塚義高)…保育士。ジュンイチに片思い。
ジュンイチ(平岩久資)…カリンの父。本屋勤務。奥さんの浮気で離婚。
ユミ(椿真由美)…マサルの母。女優。夫の浮気で離婚。
朝顔を共同で育てるというカリンとマサルのいざこざから親同士の言い争いになるが…。
ジュンイチの女性論と子育て論から始まって、ユミの過去、和解、ジュンイチの過去と後悔と短い時間で色々詰まってるいい作品。朝顔を一緒に育てようと約束したカリンと浮気した妻を重ね、弱い部分を覗かせるジュンイチが上手い(演じた平岩のちょっとクセのある感じも上手い)。真面目に生きてる人間の、後悔と戸惑いと虚勢がちょっとビターに味付けされてて、いい感じ。あの時ああしとけば…的な想いがひしひし伝わってくる満足の舞台。

「NO REGRET NO LIFE」
カオリ(勝平ともこ)…絵本作家。シオンシリーズは人気作。斉藤といい感じ。
シオン(志水衿子)…(今は亡き?)カオリの妹・シオリを重ねたキャラ。
ミチコ(三谷智子)…カオリの元編集。斉藤を諦め別の男と結婚するも浮気される。
カオリの部屋を訪れたミチコとカオリの会話、の合間にシオンの話(カオリの自問自答)が挿入され、カオリはシオリの件に区切りをつけ、前を向く…。
カオリからのSOSを汲み取れなかったことを後悔したカオリが、キャラを作り上げ、自分の心と向き合うってスタイル。序盤ややタルいかなと思ったけど、終盤の熱意はとてもよかった。ミチコが戻ってきたときのカオリの思いがけない涙目顔が印象的だった。

みんな大変なんだけど頑張れるんだってポジティブさが、じんわり伝わるいい作品群と思う。仕事帰りに観れて良かった。
しなやかに踊りましょう

しなやかに踊りましょう

東京タンバリン

シアタートラム(東京都)

2014/01/16 (木) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★

踊るしかない
面白い。80分。

ネタバレBOX

内田淳子…占い師。ダンスを薦める。
弘中麻紀…無職。
佐藤恭子…お嬢の家政婦。
ザンヨウコ…カノ。ゴミだしにうるさい。ボランティア活動してる。
黒岩三佳…亜里沙の妹。三人姉妹の真ん中。母が入院して姉に見舞いを願い出るが…・。
宮下今日子…お嬢。女優。演技の稽古に余念ない。緊張するとア行とタ行しか話せない。
高山玲子…オオタ。亜里沙と同居して仕事手伝ってた。

亜里沙という女性が失踪したことで、聞き込みに来た妹と、ゴミ収集所つながりの女性6名の話。亜里沙と確執のあった妹が実際は…という展開。ストーリー的にどうこうではない気もするが、人の話を聞かない、大事なことは黙ってる、そんな女性らの狂騒って感じ。舞台だと面白いけど現実ではイヤだなと。。

演技は皆いいし、時間も短めで、好印象。(ニヤニヤ)笑えるとこもちょこちょこある。セリフとキャラがいいのかな。占い師とかお嬢とかは良い色合い。
実際にあんまりダンスしないのはいいけど、終盤の演出とかは、もっとカラーを変えてくるような感じでもよかったかなと。ちょっとあっさりな印象。
独り芝居『審判』

独り芝居『審判』

多田直人案

吉祥寺シアター(東京都)

2014/01/15 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★

血と肉
面白い。作品自体初めて。140分。

ネタバレBOX

捕虜となった7名が軍服剥ぎ取られ、食事も水もない地下室で人肉食にて命を繋ぐ。生き残った二名の内、ヴァホフ大尉は裁かれるため法廷に立ち、その顛末を傍聴人(客)へ語る…。

傍聴人へ一言一言を投げかけるスタイル(裁判資料をご用意くださいといった演出)で、凄惨な状況と人の情を訴えてくる。人肉食ってショッキングな要素ってこともあるが、戦争の傷痕をくっきりと見せ付けてくれ、また、裁くことの価値を問うようなつくりでもあり、いい本と思う。観てるこちらが音を上げそうになるような。

演技がだめと思わないが、いまいちノリきれない感触もあった。表現力の問題かなと思うし、あくまでドラマな作品でないからノリもへったくれもないのかもしれないけど。
授業

授業

ハチス企画

アトリエ春風舎(東京都)

2014/01/11 (土) ~ 2014/01/13 (月)公演終了

満足度★★★

家畜
面白い。75分。

ネタバレBOX

以前観た「授業」はより会話劇なスタイルだったけど、こっちは動物的な女生徒(植浦菜保子)の妙な奇声が特徴的な作品だった。

四つんばいで猛禽類的な鳴き声を時折出す女生徒へものを教える教授(石川彰子)が、次第にヒートアップしてナイフで殺すという展開。教える側と教えられる側という上下関係の中で、まどろんでいく理性と人間性というような印象。
そもそも同等ではこの関係が生まれにくいため、当然上下のポジションになる。そこで、(記憶力はいいけど)アホな女生徒の苦痛を聞き入れずに、自分にのめり込む教授が非常に人間的に思えた。残酷という意味で。
人魚の夜

人魚の夜

青☆組

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/01/10 (金) ~ 2014/01/20 (月)公演終了

満足度★★★★


チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。100分。

ネタバレBOX

正彦(藤川修二)…小波先生に女性について習う。夏雄とは疎遠。
夏雄(井上裕朗)…正彦の長男。村から出て先生をしてた。冬子の葬儀のため帰郷。雨宮の先生。
孝博(荒井志郎)…冬子の夫。男やもめ。冬子から忘れてもいいよと言われた。
冬子(小瀧万梨子)…正彦の長女。2年前の台風の際、石鹸を買いに出て海で行方不明に。最近靴が見つかり死亡となった。永遠を探してた。
春江(大西玲子)…正彦の次女。死んだ母以外のみんなが、勝手に動いちゃう人で、ストレスを抱いていた。
努(田村元)…春江の夫。役人。ちょっと無感動。
雨宮(佐々木美奈)…夏雄への想いから妊娠を認めないでいた。
伊藤(吉田圭佑)…雨宮の婚約者。村岡家の風呂掃除までする気ィつかい。
小波先生(渋谷はるか)…正彦の先生。合唱部顧問。

男しか生まれなくなり人魚を嫁に貰い始めるが、水がないとダメな人魚は雨の降る日に通い妻として男の元を訪れる…という伝説の残る、海沿いの村(島?)の話。

序盤の魚の学校シーンのような幻想的な舞台かなと思ったら違ってた。死んだ冬子や定年退職した正彦含めた男女の話。輪郭をはっきりさせるワケではないけど、色濃い想いの描き方が上手い。雨宮と夏雄の握手シーンとか、冬子から孝博への、私が覚えてるから忘れていいよシーンとか、痺れた。
スーホの白い馬みたいに。

スーホの白い馬みたいに。

劇団しようよ

王子小劇場(東京都)

2014/01/11 (土) ~ 2014/01/13 (月)公演終了

満足度★★★

洗濯機
もうちょい迫ってきてくれたほうが好み。

ネタバレBOX

人の心を抉っていくってテーマはいいけど、ちょっと長い。その心のバックグラウンドをもうちょい描いてほしいし、印象に残るようなシーンがもっとあると良かった。洗濯機での殺人と洗濯機を覗き込むラストは面白いと思った。120分。

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