満足度★★★
ひよこ感
面白い。50分。
ネタバレBOX
前半と後半で若干のキャスト入れ替えがあっての二本立て。分身がテーマとあったがそこらへんよくわからんかった。
麦わら帽子三人組みのぬれせんべい話は面白い。吉村役の小野正彦の表情というか顔のつくりが気に入った。声の調子もいい。
意味と空気感の両方味わえるのが強みなのかと思うけど、芸劇アイズの舞台のほうがどちらも堪能できた気がする。いい感じではあったけど。
満足度★★★
豆腐
岸田理生作品は初めて。110分。
ネタバレBOX
話自体よくわからんようななんとなくわかるようなという感じ。セリフ部分の調子があんまりピンと来なかったかな。終盤のパフォーマンスな感じは、グッと良かった。若い年齢のキャスト勢でありながら、怪しげな空気が出てた。
血のりのシーンは、客の血のりに対する姿勢で派手さが変わるんだろうけど、ややショボかった。機関銃の調子も悪かったみたいだし。作品の中でも結構見映えするような箇所なんでやや残念。
満足度★★★★★
山わさび
面白い。80分。
ネタバレBOX
とあるアメリカンな高校。山わさび農家の父を持つ篠原正明が、養子の星原むつみを連れて復学する。高校を仕切ってる男とか、篠原の元彼女とか、星原を苛める女とか、苛められっことか、彼氏の親友に口淫する女とか、黒人学生をボコボコにする男とか、色んな人がいる中、学校を仕切ってた男が食い殺され、体育女教師の子(バレーボール)が行方不明になる。篠原の元彼女(羊田彩佳)の能力で教師も落ち着いたとこに、篠原の母(小笠原結)がやってきて、この町の歴史を語り始める…。
歴史のくだりは良く覚えていないが、山わさびを食べれば○○族の能力が復活するというような感じ。篠原の教師とか中国語の女生徒、母vs学生たちという構図で抗争が起こり、次々に人が死んでゆく
。
直球エロな感じと脈絡ないような話で土台を固め、ラストシーンで清清しさを感じさせる手腕が素晴らしい。胴体真っ二つとか、以上に長い包茎ペニスとか、ギミックの調子もいい。ホールの長さを利用した横長な対決構図も美しい。快作。
満足度★★★★
千夜一夜
面白い。120分。
ネタバレBOX
ケイスケ(藤尾姦太郎)と相思相愛のマイコ(服部容子)だったが、ケイスケから迫られた際に拒否してしまう。交際5年で手も繋がない二人を不審に思い、ケイスケのバイト店長・ゲス本(満間昴平)とニク宮(鈴木アメリ)がケイスケに迫るが、ケイスケはほっといてくれと突き放す…。
ケイスケとマイコが兄妹で付かず離れずな関係でズルズルきて、意を決したケイスケとそれを受け入れたマイコが、それでも愛し合っていくという話。雨の中ケイスケが告白しマイコも受け入れ、正直な本音をぶつけ合う二人のシーンが一際眩しい。単純に雨降らせるのもスゴイけど。犬と串はあんまり見てないけど、がっつり舞台を作ってるとこが好感。
本編に上手くからませた多々あるコメディなシーンの仕上がりもいい。賑やかなシーンもウザくない。ダンスの楽しげな感じも○。ただ。ケイスケとマイコの関係が、兄妹という禁断の愛ってとこが、王道すぎる気がした。
満足度★★★★
HIP HOP
面白い。80分。
ネタバレBOX
中身がないと言われた小説書き(フジタタイセイ)が現実逃避し、気づいたらとある停留所でバスから降りていた。近くのブルーシートの前で流しソーメンをすする女(田中渚)にどこから来たのと話かけられる…。
現実に打ちのめされた男と現実に生きていない女のやりとり。女は自分を女優というがドラマにも映画にも出ていないという。男はそこが気に食わない。けれど女はそれでいいと、不毛を愛していると突っぱねる。
(生きていない)幽霊のような女との話から生きていくことのコツみたいなのを得た小説書きが現実世界から女の存在を感じるところで終幕。演じた田中の美しさだけでなく、そんな浮世から離れた感の美しさが滲んでたとこが良かった。
空中戦みたいな会話の応酬は率直に面白いと思う。最初に見た時より動きも加わって、楽しさが増してた。
満足度★★★
ペコ
面白い。45分。
ネタバレBOX
紳士二人が山で迷子になってお腹空かせて歩いているとレストラン「やまねこけん」に辿りつく。中に入ると「当店は注文の多い料理店です」とある。扉を開け廊下をいくとまた扉があって客への注文が書いてある。その通りにして扉を開け廊下をいくとまた扉があってまた注文があって…。
原作未読。怪しげな照明とユニークな振りと動きが特徴的。くり返し展開から「もういいんじゃね」と砕けていく様が面白い。汗だくになりながら扉を開けていく紳士二人の軽い感じとシリアスな感じのバランスがいい。ズンズンズンの時の葉丸あすかの表情が好き。
扉役(注文を読み上げる)深谷由梨香のセクシー的なウェイトレススタイルと威圧感のある表情の落差がいい。
終盤がしゃべりすぎな印象かな。それまで激しいから動きを少なくしたのかもしれないけど。
満足度★★★★★
昭和十一年五月十八日の犯罪
面白い。75分。
ネタバレBOX
定(ハマカワフミエ)が石田を殺害し逮捕され、警視庁?へ身柄を渡す前の取調べ。石田のチンチンを離そうとしない定は、机に正座し刑事らをキッと睨み付けている。そこに内閣府から「立会い」に来たという安達(瀧川英次)がやってくる。邪魔すんなと煙たがる浦井刑事(谷仲恵輔)に対して、ワクワクしているんだとあっけらかんな安達。浦井と堅物で定の言うことが受け付けない興石刑事(平山寛人)が取り調べを再会し、殺した動機、殺し方を聞き取りする。腰紐での殺害シーンを再現することとなり、定役の安達は失神するが、あの世との境で石田に会ってきたと告げ、定も取り乱す。石田もチンチン切られたことを良く思ってないことが分かると、定はチンチンを花に例え、刑事を呆れさせる。満足した安達は退席し、浦井と興石は力づくで定の衣類(犯行時の衣類)を剥ぎ取ろうとするが定も抵抗し、また睨み合う。そんな中、安達が脱走した精神疾患者だったことがわかり、移送の時間となる。浦井からチンチンを受け取った定は「参りましょう」と凛とした表情を見せる。
生涯で愛すべき一人と出会い、その人と永遠を生きている(と思ってる)時の定をハマカワフミエが好演。アバズレという感じでなく純粋に「惚れた」という空気感で男たちに相対する表情が初々しくもあり別のステージに立っているかのような自信が満ちているようでもあり、いい感じだった。
終盤、定に結核で死んだ妻の話をする浦井が、それでも浮ついたような話をしつづける定に「(死んだ妻を)ここに連れて来い」と一喝するシーン。定事件で浮ついている庶民とか、定事件で問題をうやむやにしようと画策する役人とか精神疾患の安達のこととか、そんなよくわからん世の中(人間全体)に対する怒りかなと思った。
安達のキャラが話にいい感じの緩みを持たせていた。チンチンと花の調書のくだりとか石田に会ったことを警視庁でも言えといわれた際に「世の中そんなに甘くない」としれっと放ったくだりが最高に笑えた。
満足度★★★★
じぇんこ
面白い。90分。
ネタバレBOX
青森県南部の山奥の畑。葉っぱを分けている女性たちが休憩をとってダベっている。そこに弘前大学から男女がインタビューしにやってくる。女性らは嫌がるが、おかまいなしの女子学生。終いに扱っていた葉っぱが大麻だったことがバレてしまう。そこにJT(JA?)の職員がやってくる。二人を庇う女性らだったが、JT職員は二人を捕らえるよう指示。さらに大麻の件で県庁に電話した犯人を捜そうとし、拳銃で女の一人を殺す…。
南部弁というのか、セリフの3割位はよくわからん。よくわからんが、なんとなくわかる。田舎のおばちゃん達(一人は若いけど)ののほほんとした会話から、大麻密造(&銃器所持)、そしてヤクザなJT職員の登場で、舞台の空気が暗くなる。青森恐るべしというのか。のほほんとした背景とのミスマッチ感もいい。
さらに、若くて不倫してたウメ(三上晴佳)が、子供に胸を張って向き合えるよう違法な大麻栽培から足を洗うため県庁に電話したことを涙ながらに告白し、ジンとした空気に変わっていく。と思ったら、沼久保のお母さん(乗田夏子)が復活、他の女が語りだしたかと思えばダンスな展開へ。そして、JT職員の銃弾を別の女が素手で受け止める…。
ここらの流れが秀逸。いい感じ。女達だけでなく、JT職員・戸来(葛西大志)の演技もいい。
社会性と家族愛的な大小の視点で、よく聞き取れない言葉と、いい感じに社会的弱者な女達のキャラクター性でもって、90分駆け抜ける舞台。快作。
満足度★★★★
童貞の定義
面白い。95分。
ネタバレBOX
浅田(堀夏子)…2年。卓球部キャプテン。里中にどっきりもどきを仕掛ける。
里中(高田郁恵)…2年。誕生日。里中にキツく当たられ退部を考える。
栗山(井上みなみ)…1年。加藤のことが好き。津田と幼馴染。
手塚(由かほる)…1年。なぜか学ラン。女に興味ない。母親と風呂に入ってる。
津田(大山雄史)…1年。マネージャー。里中が好き。テンパると難しい言葉で濁す。
加藤(木下崇洋)…大学4年。OB。里中と付き合っている。
北山(斉田智恵子)…林田の恋人。付き合って10年。
林田(吉田亮)…OB。表向き先輩風を吹かすが、北山に虐げられる。
小池(玉田真也)…顧問。OB。失恋の津田を慰める。
高校卓球部の夏合宿での群像会話劇。内情をちょっとずつ見せて、終盤の飲み会に繋げ、笑いのピークにもってく。単純に面白かった。津田のぶきっちょな恋心というか童貞談義はウケた。
リアルな感覚になる作品でニヤっとしちゃう。里中へのどっきりバースディのグダグダ加減とか。確かに今となってはそんなもんだと軽く思えることの連続でもあるけど、舞台の外側から眺めることの可笑しさをうまく表現してた。セリフの調子も上手い。
手塚のキャラに女優を持ってきたとこにセンスがある気がする。異性を意識した作品の中で、ひとり異性を感じない感じさせないポジションを作ることで、ひと味違った面白さが加わった気がする。
満足度★★★
忠臣蔵・OLB
面白い。80分。
ネタバレBOX
こっちが元の作品ということで、休憩室でOLが飯食べてるところに浅野の刃傷沙汰の知らせが入ってきて、一同今後の身の振り方を話し合う…。
あくまで忠臣蔵の討ち入り前段階の話し合いという内容で現代OLの格好をした女性たちが論をぶつけ合う。論が空中に舞うかのようなサラリーマン会議を皮肉った異色作というった感じ。
田中を演じた長野海の勢いのいいような演技がなんとなく気に入った。小瀧万梨子のOL姿がきれいだった。
満足度★★★★
定や、定
面白い。75分。
ネタバレBOX
阿部定(岡田あがさ)がグレて親類の宇野正直(寺十吾)に預けられる。木彫り職人だったが傷を負い女衒業をしていた宇野のおかげで女になった定は、店や男を転々々とした生活を送る。心底惚れたという男の首を絞めチンポコを切り取った定は一躍時の人となり、出所後も定の名を背負い手記を出し舞台に立ち、好きなように生きる。宇野の晩年、宇野に絞め殺すよういうが断られた定は宇野の前から姿を消す…。
阿部定自体知らずに観劇したが、見ごたえ十分だった。宇野を演じた寺十の緩急寒暖の効いた演技がよかったし、黒子を使ったユーモラスな演出もいいアクセントだった。通常の阿部定を扱った作品で宇野のポジションに光が当たっていない(当てたら面白い)として造られた作品だからか、定の存在が宇野の存在を立体的にしているように見えた。
元の定?は知らないけども、独占したいからチンポコ切ったという話もなんとなく説得力があったように思う。不思議と異常という気がしなかった。
定と宇野の人生の師弟のようなヒモのような親子のような、そんな奇妙な関係性の面白さに惹かれた。あと、舞台上にはいないが、宇野の奥さんのことがいい意味でちょっと気になった。
満足度★★★★
俺を見ろ
面白い。150分+休憩15分。
ネタバレBOX
二次大戦中。役者の加藤(富岡晃一郎)に赤紙が届きニューギニアへ配属される。戦況悪化で後は死ぬのを待つばかりの状況下にあって、慰安のための演劇部隊を作ることになる。加藤は素人がほとんどの部隊で役をやることの抵抗感を拭い去り、ドタバタの中幕が開く。内地に想い焦がれる兵士たちに喜ばれる作品をつくり、人気を博す。戦況とはウラハラに、兵士に何かを与えていく加藤に内地へ戻れるチャンスが下る。戻りたいけど劇をつくり続けたい加藤は揺れるが、残ることを選択。灼熱の戦地にあって日本の冬を描くべく雪を降らせた舞台は喝采を浴びるが、同時に日本は敗戦国となり、舞台は取り壊し部隊解散となる…。
台場に特設舞台を造っての公演。野外舞台ならではの演出効果も抜群で、舞台の取り壊しとか、劇中劇時の飛び出しとか、一味二味付加した作品に満足した。最期の劇中劇で舞台後方が開放され一般通行人が向こうから眺めてたシーン。通行人と小林顕作のやりとりを見つめる観客に「俺を見ろ!」と叫ぶ富岡に客席も最高に沸いた。いい感じの臨場感があった。
死が間近にあって前にも後ろにも進めないような絶望したくなるような状況で、何かを人に与えようとしかつ自分らも救うという骨子に、ユーモアと独創性を加味した作品。貞子(猫背椿)が「生きてりゃ勝ち」と言ったとおり生きてりゃ勝ちな気もするし、加藤の生き様のように生きてるだけじゃ足りないんじゃないか、と思わせるいい作品だった。
満足度★★★
絶望
面白い。90分。
ネタバレBOX
赤鬼自体2回目。スピード感のある舞台でスタイリッシュ。円形舞台が際立つような作りだったのが好感触。
逆にドロ臭さが薄い気がした。勝手な思い込みだけど、もっと汚いような感覚でよかったかなと。
フク(黒木華)役は、黒木のような日本的美人が似合う気がした。
満足度★★★
自己紹介
面白い。110分。
ネタバレBOX
中嶋葵(森めぐみ)…元大手メーカー広報。自分が正しいという我の強さから追い出し部屋に送り込まれ、孤立を味わい、バイトに落ち、彼氏に振られる。電車に置き忘れられた物品を持ち帰っては倉庫の排水溝に捨てる毎日。
橋場雪子(林貴子)…不倫が原因で離婚。小さな娘のため親権を得られず、会えない悲しみを負う。葵に置き引きされた上、カオルに絞め殺されかける。
小杉カオル(原田樹里)…警官である厳格な父に厳しく育てられ、両親の離婚を経て愛情に乏しい女に成長する。雪子の娘に共感。バイト先で知り合った男に惚れるが、男が雪子と繋がってると知り、ナイフを雪子に突きつける。パワフル。
葵のバイト先倉庫に閉じ込められた3人は、倉庫地下で不思議な体験をする。徐々に背景を語りだす3人はどこか近しい関係になっていき、雪子と娘が再会できるよう娘を誘拐する算段を立て始めるが…。
立ち上がりがややゆるいかなと思う。状況がわからないなりに空気感のメリハリをもっと利かせてほしいなと。あと、電車に乗るシーンの、ファンタジーさというのか一種の恐ろしさというのかそんな感じが薄く、そこまで印象的な感触がないかなと。
バックグラウンドを語りだしてからは、クッキリし出して面白さが増した。寂しさとなんとか踏ん張ろうとする気概のバランスがいい。
ラスト、妙な月の光が差し込み下手くそなサックスが聞こえてくる中、明日も会おうと話す三人。カオルが念のため連絡先を交換しようと提案し、葵が明日でいいよと返す、この〆は秀逸と思った。この不思議な一夜を表しているようで。
満足度★★★★
忠臣蔵・武士編
面白い。50分。
ネタバレBOX
鈴木(大竹直)…討ち入りや篭城に消極的。
佐藤(海津忠)…日和見主義と揶揄される。
田中(河村竜也)…篭城派。武士道を重んじるが良く分らなくなる。
佐々木(島田曜蔵)…討ち入り派。
大橋(山本雅幸)…仕官派。
久保田(前原瑞樹)…泣いてうるさい。
大石(大塚洋)…まとめ役。
コーラとかipadとかレッドブルとかの現代的な小道具や子供の教育感とかで味付けされた武士たちが、現代人っぽい討論過程を経て、なんとなくの勢いと流れに押され、討ち入りという重大事項が決まるという作品。
「だからさ、こう討ち入り目指していく過程で、だんだん武士道的になっていけばいいんじゃないの、みんなが」というセリフが象徴するように、武士道って大事と思えてたものが、よくよく考えるともやっとしたよくわからんものだから、後付な方向に置かれていっちゃう面白さというのか。
OL編の前に見たけど入り込みやすく、笑えるとこも多かった。演技のメリハリもいい。
満足度★★★★
病気みたいなもの
面白い。90分。
ネタバレBOX
西山…元バンドマン。今の居場所に満足できない男。
スズエ…西山の彼女。西山の言動に一喜一憂する。
飛鳥…ロリコン好きの塗装。西山が好き。
ヨウコ…手相でなくその先を見るチカラを持つ。
本井…フクシマを使って自分の存在価値を見出そうとする。飛鳥が好き。
熊野…想像できない男。
香苗…スズエの友達。エロビデオ鑑賞が趣味だけど、スズエに言えなかった。
櫻井氏・小川氏・北島氏…西山とバンドやってたけど、西山とのゴタゴタで漫画家に転職。ジャンプ週間連載中。西山とバンドやるため、やめた。
特別な存在であろうと誰しも思うけど、さてほんとは…というなんとなく哲学な話。ちょっとセリフが多いなという印象の終盤が残念だけど、会話の運びセンスは上々。笑えるとこも多い。
お金で病名を炙り出すとかなるほどと思う。本井の飛鳥ちゃんおしっこ漏らした?ネタは面白恐怖な具合が上手い。オチの熊野と飛鳥の会話「出会いないね」「自分としてあるんですけど」「?」「ナニ想像した」に思わずニヤっとした。
満足度★★★★
十字架と神棚
面白い。120分。
ネタバレBOX
先代の一周忌に馴染みのスナックに集まる権藤組一同。スナック店主(村上誠基)の窮地に人肌脱いで、結婚相談所を開く組長・良子(小玉久仁子)。姉御肌なノリで型破りな相談所も軌道に乗る中、右腕・榎本(山崎雅志)の恋愛沙汰や結婚詐欺師・越川(斉藤陽介)の件、対立組長の愛人・エリカ(斉藤美和子)の件で組崩壊の危機に瀕する。極道を理由に御子柴(今井瑞)の前から去った榎本のことで相談にきた御子柴に、魔女である自分と先代との馴れ初めを聞かせる良子はエリカの猫・ビビアン(丹野晶子)と越川を救うべく業務用クリックルワイパーに跨り、戻ってきた子分らとともにカチコミをかけにいく…。
ホチキス風味な極道で序盤からニヤニヤできる。スナック店主とママ(細野今日子)の可笑しな味付けもいい。話自体シンプルで入りこみやすい。終盤の魔女宅な展開から榎本と御子柴の成就で相談所の明るい未来を照らすようなエンド感もいい。
良子とか榎本の心の部分はもっと照明あててよかったかなと。作品のメインでもあるし。良子の苦悩とかね。魔女な力を封印してた良子がその封印を解くってところがあっさりして見えたのは残念かなとも思うしね。その力で右腕の恋愛成就まで結びつけるってとこが鮮明でもいいかなと。
不自由
チケットプレゼントにて鑑賞。135分。客席暑くて舞台見難くて残念。
ネタバレBOX
悪い意味で自由人なヘッダ(榊菜津美)の話。アイレルト(糸山和則)とエルヴステード夫人(小角まや)の作品(子供)を燃やしたことでブラック判事(沼田星麻)に自由を奪われ、自殺する…。
あんまりちゃんとに見れてない。変わったしゃべりや動きの演出もどのような効果を生んでいるかピンとこなかった。
満足度★★★★
素数の証明
面白い。150分(休10)。
ネタバレBOX
キャサリン(百花亜希)…父から数学者としての才能を引き継ぐと同時に精神疾患への恐怖に怯える。素数証明をハルにみせるも疑われ1週間寝込む。
ハル(山本匠馬)…ロバートを敬愛する数学者。キャサリンと寝たことをクレアに叱責される。また、キャサリンのノートを手に入れ天才と嫌味を言われる。
クレア(遠野あすか)…父の面倒を直接みることもなかったが、費用捻出に尽力し、キャサリンの今後を気にかけつづけるお姉さん。数学の才能はそんなない。
ロバート(大家仁志)…精神疾患にかかり心不全?で死んだ偉大な数学者。版園は研究らしいことができなかった。スパゲッティ(パスタ)が嫌い。
自分が書いたと証明できない「素数証明」でハルを試したかに見える、女なキャサリンに対して、数学者として反応してしまったハルのチグハグさが男女なのかなと。直球なキャラであるハルと、天才だけど歪なキャサリンの戦いのように見えた。父を亡くし孤独になりかけ精神的に不安定なキャサリンが、不慣れで不恰好に支えを求める姿がいじらしい。証明できないことを愛(不確かなもの)で埋めようとする二人がとても人間的と思った。
ユニークな調子のクレアが何気にいい効果。見た目の美しさと、妹を案じる心と、冷静な視線のバランスがいい。ロバートのキャサリン(自分の跡継ぎ)への接する温かみと掛け合いのテンポがいい。
転換時の曲センスが○。
満足度★★★★
キャベツの妖精
面白い。120分。
ネタバレBOX
所沢のキャベティーナ(キャベツ祭)にまつわる群像劇。
序盤、ユルくて退屈な気もしたし、テンポ悪いと思うとこもあったけど、なんか面白かった。ストーリーとか設定の細かなとこは理解してないけど。
けっこう波乱な人生を送るキャロライン(後藤のどか)の淡々とみえる苦悩とか恋愛感情とか面白い。ラストの結婚を決めたウェディング姿で養父・ともお(廣岡篤)に好きだったと告白するキャロラインにゲイで良かったと抱きしめるともおって構成がなんかほっこりした。
ガンバさん(ムラマツベス)は、いいキャラでしっかり笑いにつなげてたし、岸田まさくに(村松かずお)の成長記的な部分も何気に好き。
ストーリーの良し悪しとかメッセージ性とかよくわからんが、平日夜にスカっとできた。犬(ボス)がセリフを間違える箇所は、台本通りなら上手く挿入してきたなと思う。あと、キングカズのくだりはなんか聞き入ってしまった。