野外劇「南の島に雪が降る」 公演情報 ベッド&メイキングス 「野外劇「南の島に雪が降る」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    俺を見ろ
    面白い。150分+休憩15分。

    ネタバレBOX

    二次大戦中。役者の加藤(富岡晃一郎)に赤紙が届きニューギニアへ配属される。戦況悪化で後は死ぬのを待つばかりの状況下にあって、慰安のための演劇部隊を作ることになる。加藤は素人がほとんどの部隊で役をやることの抵抗感を拭い去り、ドタバタの中幕が開く。内地に想い焦がれる兵士たちに喜ばれる作品をつくり、人気を博す。戦況とはウラハラに、兵士に何かを与えていく加藤に内地へ戻れるチャンスが下る。戻りたいけど劇をつくり続けたい加藤は揺れるが、残ることを選択。灼熱の戦地にあって日本の冬を描くべく雪を降らせた舞台は喝采を浴びるが、同時に日本は敗戦国となり、舞台は取り壊し部隊解散となる…。

    台場に特設舞台を造っての公演。野外舞台ならではの演出効果も抜群で、舞台の取り壊しとか、劇中劇時の飛び出しとか、一味二味付加した作品に満足した。最期の劇中劇で舞台後方が開放され一般通行人が向こうから眺めてたシーン。通行人と小林顕作のやりとりを見つめる観客に「俺を見ろ!」と叫ぶ富岡に客席も最高に沸いた。いい感じの臨場感があった。

    死が間近にあって前にも後ろにも進めないような絶望したくなるような状況で、何かを人に与えようとしかつ自分らも救うという骨子に、ユーモアと独創性を加味した作品。貞子(猫背椿)が「生きてりゃ勝ち」と言ったとおり生きてりゃ勝ちな気もするし、加藤の生き様のように生きてるだけじゃ足りないんじゃないか、と思わせるいい作品だった。

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    2014/06/15 12:03

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