unicornの観てきた!クチコミ一覧

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「売春捜査官」「熱海殺人事件〜友よ、いま君は風に吹かれて」

「売春捜査官」「熱海殺人事件〜友よ、いま君は風に吹かれて」

★☆北区AKT STAGE

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/02/18 (水) ~ 2015/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

P
面白い。90分。

ネタバレBOX

木村伝兵衛(鈴木万里江)…決めるとこ決めてくる演技で好印象。かわいい演技も魅力的。ダンスもいい感じに見えた。声がかすれているような感じだったのが残念。男3人を相手に奮闘パワーがもう一声ほしい。
熊田(高橋邦春)…劇団ひとりに見えてしょうがなかった。ただ、演技はしっかりしてた。やや一本調子な感じもするけど、いい感じだった。
万平(石井克美)…落ち着いた感じとやわらかな感じが、ホモさをいい方へ後押ししてた。セリフがやや早口なのが気になったけど。
金太郎(八重樫良友)…浜辺のシーンから絞殺まで魅せる演技してた。金太郎の弱さ部分も滲んでみえた。

なんとなく内面をじっくりみせた舞台と感じた。浜辺以降が厚めに描かれたというのか。わかりやすく表現されてたというのか。そのせいか、なんかグッときた。1000円ってのもあるけど満足の舞台だった。
penalty killing【18日14時追加公演決定!!】

penalty killing【18日14時追加公演決定!!】

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2015/02/12 (木) ~ 2015/02/18 (水)公演終了

満足度★★★★

penalty killng
面白い。130分。

ネタバレBOX

地元密着なアイスホッケーチームが、決勝リーグへ歩を進め最終戦に勝つが、チームメイトの歓喜の中、他チームの勝利の知らせが入り、チームの中心である鈴江(杉木隆幸)の現役が終わる…。

両面に客席をとったスズナリの狭い舞台で、18人の男が試合の内外で火花を散らす熱い舞台。アイスホッケーってスポーツを土台に、人間とか人生とかがくっきり浮かんでくる。アメリカン?な感じの曲を使用し、かっこいい照明で彩られたアクションも豊富な試合シーンとかなかなか良かった。何気にコミカル調なとこも多くて面白く観ていられた。
ジマさん(森下亮)の言った、スタメンを脅かさない控えに価値はないとか、なるほどと。結構いい文句多かったなーって。

真利(金丸慎太郎)のイケイケな感じとか、逆にビビりな虎雄(後藤剛範)のトウフなメンタリティとか、ホッケー馬鹿のタクヤ(佐野功)とか、いろんな人間の精神の書き分けが上手いなと。多人数芝居でもみんな活きてたのが良かった。
あと、筒井俊作のコメディ演技はなんだかんだ上手いと思う。
新釈・月喰マスカレイド

新釈・月喰マスカレイド

<火遊び>

ギャラリー悠玄(東京都)

2015/02/10 (火) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★

男性不在
面白い。80分。

ネタバレBOX

遺伝子異常で男子が生まれなくなった世界で、女性らは夢を語り楽しんでいたが、真夢(鈴木朝代)は眠れない夜を過ごしていた…。

実は、システムである女神像(黒沢佳奈)が、男性への恐怖から月に移り、男性が生まれないよう遺伝子操作した世界だったという話。頭ぽんぽんからここまで男性を排除する世界を構築した女神さまは凄いなと。話的には、けっこう楽しめたけど、もうちょい人物の情念みたいなの感じたかったかな。

メガネっこはかわいかったし、ATの黒沢佳奈らの宇宙講義もなにげに楽しかった。
雲の脂

雲の脂

ホエイ

アトリエ春風舎(東京都)

2015/02/07 (土) ~ 2015/02/16 (月)公演終了

満足度★★★

ウミコマ
面白い。100分。

ネタバレBOX

仲の悪い兄弟、佐田彦(大竹直)とミヤ(菊池佳南)でなく叔母のうか(山村祟子)が神主となり、収益を上げるため、お稲荷様の廃棄所と化した砂原稲荷には、今日もまたお稲荷様を持ち込む外崎(斉藤祐一)やブローカーの川守田(河村竜也)がやってくる。さらにミヤ達女衆は、唾液で醗酵?させるドブロクをせっせと作る。その頃海岸に近い一の鳥居が海の侵食により崩壊していた…。という日本海近くの神社でのひきこもごも。

侵食は続き二の鳥居も崩れ、巫女のブライ(ブライアリー・ロング)も離れていき、旧本殿には大量の千羽鶴が廃棄され、死に体な神社。田舎(だけでってわけでないけど)の暗部みたいな、中身と外っツラは違うぞというのか。それでいて徐々に衰退してゆく、恐ろしさのようなものの表現か。結構クスっとするとこもあったけど、全面的にそうゆう気味悪さみたいな感じを覚えた舞台。

その内旧本殿とか捨てられ稲荷ゾーンも海にのまれ、終焉を迎えるというイメージを感じる、もの寂しさがあったのが良かったかな。ラストのたい焼き?を3人で食べるのは、物事に鈍感な、もしくは半ば諦めな、またはめんどくさがりな人間の象徴かなと。
【T OF N】

【T OF N】

エビス駅前バープロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/19 (木)公演終了

満足度★★★


70分。

ネタバレBOX

好きな3編ではあるが、演出的に微妙と感じた。

「東京へ~」の小桜(酒井香奈子)の内なる人として萱怜子を置いていたけど、効果的だったのかなと。Mrs.fictionsの際の黒木絵美花のアホかわいいさに心掴まれた記憶があるが、今回はアホさがちょっと足りない気がした。
「天使~」と「お父さん~」の途中で「東京へ~」の一節が挿入されるが、ピンとこなかった。
衣装とか装置とか照明とか、単純な舞台公演とは違うというのはわかるけども、舞台になじみにくい感覚だった。

ただ、「天使~」の3名を残したまま「お父さん~」が始まり、ラストに一同のエンドをみせたのは良かった。
斉藤麻衣子とか萩山博史の演技が良かった。
こうして二人は幸せになりました、とさ

こうして二人は幸せになりました、とさ

MacGuffins

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2015/02/10 (火) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

エンディング
面白い。90分。

ネタバレBOX

恋人の一平(横田純)が若くして死に(ほぼ死んで?)自殺未遂?するサチ(金魚)。夢の中で一平から生き返るかどうかを選ばされるサチは、一平のいない世界へ戻るより夢の中で一緒にいようと逃避するが、決別を決意し一平へ(伝説の)剣を振り下ろす…。

テンポと笑いのバランスがよかった。舞台的なメリハリがあったし。笑いもボケとツッコミのテンポがあってたからか、自然に笑えた。

現世に絶望したサチが、想いを整理し目を覚ますという主軸もわかりやすいが、整理をつけたくだりの葛藤とかがもうちょい色濃く描いてもよかったかなと。演技的には難しいだろうけど。
サチに選択を迫る一平を演じた横田の穏やかそうでいながら、サチに難問を迫る空気が上手かったと思う。サチを演じた金のコメディな部分としっとりするシーンの切り替えとか上手いし、かわいらしさの表現も良かった。「ムチ」のシーンはとても気に入った。

サチが目を覚まして窓を開け一言「まぶしい」と言って暗転するとこに、なんかグっときた。寂しさとちょっとだけ前向きな感じがして。いいラストだった。
丘の上、ただひとつの家(全公演終了・ご来場ありがとうございました)

丘の上、ただひとつの家(全公演終了・ご来場ありがとうございました)

鵺的(ぬえてき)

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/02/11 (水) ~ 2015/02/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

一つの家族
面白い。110分。

ネタバレBOX

遥(奥野亮子)…愛の妹。愛の説得により母に会うことを決める。母のこともあり、自信がないと堕胎した経験あり。
愛(高橋恭子)…父の遺言的な手紙を見つけ母に会うことを決心。頑固でマイペース、芯がしっかりしてる。遥同様、出産に恐怖し、夫に黙って避妊薬を服薬。母に生んでくれてありがとうと伝えた。
章朗(平山寛人)…愛の夫。自分の父が不倫してた。愛の母の素性を知って、愛が母に会うことに一貫して反対する。
遥(宍戸香那恵)…母とその兄との子。母への復讐のため太一との子を産む。
太一(古屋敷悠)…遥の弟。遥を好きになる。
残間(生見司織)…愛が依頼した弁護士。高野の襲撃も跳ね返し、逆に捜査に利用する敏腕さ。堕胎経験あり。
真登香(安元遊香)…愛や遥らの実母。愛への暴力や夫への暴言、窃盗、遥(はるか)の子へのネグレクト殺人など、色々酷い女。

母に会うこと(あわせること)を拒んでいた遥(はるか)も納得し、一同が会する。あっけらかんとした母に対して想いをぶつける娘や息子たち。母が窃盗未遂した指輪を愛が渡し、母にはもう会わないと告げる…。

序盤から色濃い空気感。簡単に感情記入できない登場人物ら(章朗は一般人感覚だけど)の想いが飛び交い、静かながらも熱い作品。手に汗握る感覚の舞台だった。

愛の純朴そうで人のよさそうな感じとか母(家族)に特別な想いを抱くとことか、遥(はるか)の屈折した感じとか、いい人物造形だなと思う。特に母のクズさと社会性や責任感のなさとか、舞台に与えた程よいユルさの加減が上手い。遥(はるか)の無表情さが、彼女の不幸さと不気味さをよく表現してた。

実際に自分の親があんなだったらとんでもないが、4人の子から責められまくるも(悪意なく)幸せだと言ってのける自己中でクズな母に、(間違っているけど)彼女なりの受け止め方を感じた。
とらわれた夏

とらわれた夏

ほりぶん

ムーブ町屋4階ハイビジョンルーム(東京都)

2015/01/29 (木) ~ 2015/02/11 (水)公演終了

満足度★★★★

夏の汗
面白い。60分。

ネタバレBOX

ハナ(墨井鯨子)…麦子の子(13歳)。実は麦子の夫の不倫相手。
麦子(菊池明明)…夫の死を受け入れられず狂乱する。
多恵子(川上友里)…護国寺のトンカツ屋の二代目。初代から、トンカツは目じゃなく耳で揚げるんだの教えで、目をくり抜かれる。
桑子(佐々木幸子)…多恵子を追ってきた。夫は初代の息子だが味が違うと多恵子に戻るよう説得する。

夫の死を受け入れられない麦子のため、(夫死亡の罪を償うため)娘に演じるハナ。そこにやってきた盲目の多恵子に夫と迫る麦子。多恵子は助けてもらった恩返しのため夫を演じる。楽しい二週間が過ぎ、桑子が脱水症状で運び込まれ、多恵子に店に戻れと迫る…。
ここからナカゴーな、絶叫に次ぐ絶叫とドッタンバッタなシーンが延々続く。
トンカツを揚げない(この家に残る)と決めた多恵子を前に、歌いながら桑子は帰っていき、3人むつまじく抱き合うが、ハナが夫の名前を呼んだせで、多恵子もハナも追い出される…。

精神病んでる奥様な序盤から一転してのカオスな展開につなげる手腕は流石。カオスシーンも笑える。佐々木幸子の人を呪い殺しそうな目つきが最高。トンカツ片手に多恵子に迫るシーンは、ちょっとした原始的な儀式のようなビジュアルだった。
ラスト、追い出される多恵子の、一致団結してたのにーなセリフはウケた。
完熟リチャード三世

完熟リチャード三世

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/17 (火)公演終了

満足度★★★★

恨み
面白い。80分。

ネタバレBOX

障害を持ち醜く生まれ育ったリチャード(安藤聖)が、この世を呪い、王位をのっとるため騙して殺してをくり返し王位に就く。更に殺し続けるが、戦争を目前にして殺してきた人間の幻覚に惑わされ憔悴し、戦場にてクビをはねられる…。

実母(七味まゆ味)からも差別され世の中からも差別され、歪んだリチャードを安藤が好演。一見かわいい笑顔もとても不気味に見える。
戦争前日に、子供のときにリチャードだけご飯食べに連れてってもらえなかった恨みを実母へ放つ。幻覚に責められ、自分が好きでないと愛の欠乏した自分を嘆く。カーテンコール?も独りだけたたずんだり居場所なく存在する。そんなリチャード哀れな様にグッときた。

際どい衣装で綺麗な女優さんの舞台であるけど、不思議と女な色気は感じなかったのは逆に良かったかな。演技もみな良かったし。岡田あがさと葉丸あすかの暗殺者コンビはウケた。
大仰な演出はないけど、作品にあってたかなと。恨みのパワーみたいなのビンビンだったし、面白かった。
ワンダーランド

ワンダーランド

Straw&Berry

王子小劇場(東京都)

2015/02/04 (水) ~ 2015/02/11 (水)公演終了

満足度★★★★

ソフトクリーム
面白い。125分。

ネタバレBOX

甲田茂(小西耕一)と香田繁(池亀三太)の恋とその結末。
桜(椎谷万里江)にフラれた茂の家に高校時にバンドやってた今日子(鮎川桃果)が訪れ、交際が始まる。デリヘル嬢の咲良(中村真沙海)を前にしてもインポな繁の家に高校の文化祭?の時一緒にアイス食べた恭子(岩崎緑)がやってきて交際が始まる…。

交互にシーンを見せ、一つの結末として「結婚」、一つの結末として「殺人」を提示し、最終章として茂が今日子を殺し、繁が恭子と結婚し子を授かるシーンに繋げる。同音の名前だから仕掛け自体に驚きはないけど、裏側にある愛情みたいなものの違いがくっきりする最期のシーン(二組が上下でキスするシーン)がちょっと怖い。
殺人を犯したシゲルを受け入れられるかどうか。色々すっとばしてる気もするけど、許されたシゲルと愛を示したキョウコの小さな関係性がちょっと羨ましい。

全体的にテンポアップしても良かったかなと思うけど、笑えるとこも多めで面白く感じられた。女優なハナコ(亀田梨紗・佐賀モトキ)の対比(蜷川に誉められた・風俗ばれてCBクビになった)がウケた。
夏目漱石とねこ

夏目漱石とねこ

DULL-COLORED POP

座・高円寺1(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★

ねこ
面白い。110分。

ネタバレBOX

死期迫る漱石(佐藤誓)がネコとともに過去の自分を見つめる…。

神経衰弱でジャムばっか舐めて鏡子(木下祐子)に辛く当たって不満タラタラでって、「夏目漱石」ってラベルがなかったら単純に人格破綻者な漱石。幼くして塩原家へ養子に出されたきんのすけ(百花亜希)が、物を与えられても喜ばずにいるところからして、漱石の持ち続けた「居心地の悪さ」が伝わってくる。死ぬのは怖くないといった漱石は、自分の過去を見て、死は怖くないと思ったのかなと。

淡々としてて地味で、ストーリー的な面白さには欠ける。偏屈で拒否的に孤独な漱石に同調はしにくいし。笑えるとこも少なめだったかな。ネコネコな感じは良かったけど。若林えりとか特に。
「売春捜査官」「熱海殺人事件〜友よ、いま君は風に吹かれて」

「売春捜査官」「熱海殺人事件〜友よ、いま君は風に吹かれて」

★☆北区AKT STAGE

★☆北区AKT STAGEアトリエ(東京都)

2015/01/18 (日) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★

売春
面白い。80分。

ネタバレBOX

意外と面白かったという印象。序盤は微妙かなと感じたけども、徐々に熱気がいい方向に向いてった感じ。笑えるとこがもっとビシっと決まるとなお良いけど。
もう1、2公演見に行こうかなと思った。安いし。
暗く暖かな日々

暗く暖かな日々

小松台東

OFF OFFシアター(東京都)

2015/02/03 (火) ~ 2015/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

立派な家族
面白い。100分。

ネタバレBOX

晴夫(坂口候一)…朋美が中学生の頃から家を出て別居していた。突如、「うなぎの骨」を片手に家に戻り、朋美と衝突する。
朋美(浅野千鶴)…長女。父のいない、母も倒れた家を支える。母死去し、父のいない家が普通だったと父を責める。
克則(松本哲也)…長男。父不在で母がいなくなった家に彼女と住む。朋美と違ってイマイチしゃんとしてないが、母死去後父に詰め寄った。
玲子(小林さやか)…母の妹。父の帰来に、朋美の肩をもつ。
信二(佐藤達)…玲子の夫。玲子のわがままに若干キレる。
稲本(瓜生和成)…晴夫の元同僚。晴夫の帰来のきっかけをつくる。晴夫世帯に色々世話を焼く。
関根(永山智啓)…晴夫の後輩。朋美の高校時のクラスメイト。朋美から好意をもたれていると想いこんでた。
幸恵(小園茉奈)…克則の彼女。新しい父の存在(とソファの買い替え)に反発して、家に帰らず、克則宅に住み続ける。

母の容態が良くない中、父が突如帰来し、反発する朋美。母の危篤の際も父とは病院に行かないと意地を張る朋美。母が死に、父が喪主を務める葬儀が
終わるが、克則は朋美と自分の前に説明しろと迫り父は頭を下げる。朋美は、父のいる家は穏やかでないと49日が過ぎたら家を出ると決意し、うなぎの骨を一齧りし、父や克則もまたうなぎの骨を食べ続ける…。

意地っ張りな父娘と、ちょっととぼけてそうな息子の3人(+母)の情を描く。生まれた溝を積極的に埋めるでもなく、かといって完全に拒絶するでもなく、宙ぶらりんな関係の親子。「家族」に想いいれのある(妻を亡くした)稲本が、葬儀で晴夫のぐちゃぐちゃのハンカチを朋美が預かったシーンに感涙するというくだりで、本人たちの「無意識の」繋がりをジワっと客席に届けてくれた。受け取る人が自分にはいないと嘆く稲本に(何の気なしに)捨てとくよと手を出す晴夫に涙する稲本がかわいい。
49日までは家にいるという朋美に、49日までは出て行かないと約束しろと迫る晴夫や、49日もあれば気も変わるよねと一見のんきな克則ら男陣の、弱弱しくもかわいげのある反応が面白い。朋美には悪いが、49日後も「家族のため」に残ってあげてほしいなと。

稲本演じた瓜生の演技もいいし、晴夫を演じた坂口のぶっきらぼうで内心ガキっぽい男性造形も上手い。関根というみょうちくりんで実直な男を演じた永山がいい笑いを産んでた。
笑えてビターでちょっとウィーミングないい舞台だった。
お暇をこじらせてⅡ

お暇をこじらせてⅡ

aji 2021年活動終了

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/01/29 (木) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★

革命
90分。

ネタバレBOX

「幸福の王子」「正義の人びと」を下敷きにした舞台。
「正義の人びと」は会話がどうも伝わってこなくて眠くなった。
「幸福の王子」は言葉少なめで、なんとなくだけどグッとくるものがあった。

照明とか衣装とか小道具の使い方はセンスあるなと感じたし、ラストのつばめさんを中心とした構成はとても気に入った。
つばめさんの声とかいい感じだし。「正義」のほうのパフォーマンスな部分は好きだし、スタイリッシュな感じもかっこいいけど、全体的にぼんやりって印象かな。

「幸福の王子」は既読。
「シアワセでなくちゃいけないリユウ」「カワイクなくちゃいけないリユウ」2作品同時上演

「シアワセでなくちゃいけないリユウ」「カワイクなくちゃいけないリユウ」2作品同時上演

日本テレビ

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2015/01/22 (木) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★

カワイクなくちゃいけないリユウ
面白い。120分。

ネタバレBOX

グレッグ(村井良大)…工場夜勤。ステッフの顔が(好きだけど)並だと発言し、ふられる。親友・ケントとケンカし、ケントの浮気を間接的にカーリーへバラす。
ケント(植原卓也)…工場夜勤。他人の心の把握とか関係を保つのに長けてる。カーリーと付き合うも、職場の新人と二股をかける。
カーリー(吉川友)…ケントの彼女。工場の警備員。顔の良さを自覚している。ステッフの親友。ケントの子を妊娠したが、ケントの浮気に気づき始める。
ステッフ(村川絵梨)…グレッグと同棲して5年。家を飛び出し、見た目に気を使い、彼氏をみつけ求婚される。容姿ににコンプレックスあり。

ラブコメってよりも、男女の美醜って観点のほうが面白かったかな。それぞれに独白シーンがあって、実際の想いが吐露されるわけだけど、ケントの美人の彼女がいると気が気でないとか、カーリーのストーキングの悩みとか、そういうものかと。グレッグがラストに、(仕事やめて学校に入りなおして)美醜は個人的感覚だって〆てたけど、落ち着くとこはそんなもんだろうなと。目と下半身が美を求めているんだってセリフがなかなか印象的。

美人なカーリーが悲惨な目にあい、(一応)幸せを掴んだのがステッフってのもありがちではあるが、舞台的な落としところとしては妥当かな。
というかステッフはブサイクキャラには見えなくて、悩めるステッフって存在がやや掴みにくい。(男の)見た目にこだわらないというステッフが、幸せを掴んだきっかけは、自身が美に気を使ったかならのかどうか、そこらへんステッフがどう思っているか気になった。

序盤はやや退屈かな。笑いがもっとあると良かった。グレッグとケントのケンカのときの暴言とか、ケントの浮気とカーリーの妊娠とか、どんどん空気を絞めてくる感じは良かった。
This is 30

This is 30

シンクロ少女

スタジオ空洞(東京都)

2015/01/23 (金) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

迷える30
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。80分。

ネタバレBOX

兄貴(泉政宏)…38。ツタヤ勤務の父子家庭。何かあんまよくないことで妻を亡くしたらしい。借りた金も返さない「チンピラ以下」な兄貴。イケイケ。
タクミ(横手慎太郎)…35。次男。作家志望。8年付き合ったミナにふられる。ジュンがミナと結婚すると知り、キレまくる。ヒトの家で寝るのが怖い。先を考えるのが苦手。
ジュン(中田麦平)…30。商社勤務。ミナと出会ったその夜に中出しして子を授かる。ギリギリゆとり世代でない。
ミナ(名嘉友美)…35。元タクミの彼女でジュンの婚約者。先を考えないタクミに愛想を尽かす。

タクミとミナが別れて5年。ジュンの誕生日に兄貴の妻の墓参りをする3人。ジュンの告白から一転、高速を走る車で罵りあって気づいたら雪国で、バッテリー上がっちゃって、付近の民家で一夜を明かし、ぐったりして家に帰る…。

序盤のタクミとミナの会話の、小説の書き方と人生の設計とか、行き先のなく高速を走り続ける車と人生の終着も見えなくて時間が過ぎていく男3人の姿とか、シーンと意味のシンクロが愉快。
友達だったら絶交してそうな事柄でも、なんだかんだ互いを求める兄弟「愛」が眩しい。雪の中の行進とか、民家での添い寝とか。

30越えても子供な感じな大人(男)たちってっいうかわらしさが滲んでて良かった。30越えて、あのテンションはなかなか得られないだろうなと。兄貴の「楽しかった」という一言が沁みる。
親族代表 THE BEST LIVE『親族旅行記』

親族代表 THE BEST LIVE『親族旅行記』

親族代表

駅前劇場(東京都)

2015/01/22 (木) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★

ベストアルバム
面白い。105分。

ネタバレBOX

「影響を受けた男とその友人とその友人」
映画を見るとすぐに影響を受ける男・竹井は犯罪組織を結成すべく、友人であるファミレスバイトの嶋村の友人・野間口に熱心に組織の心構えを話すが…。
ロッキーとスターウォーズに影響されてごちゃ混ぜになって終幕。一発目ながらけっこう笑えた。

「シンラバンバンバンショー」
クイズ番組で、国際ジャーナリストの竹井と司会の弟である野間口が対決する…。
親族の問題ばっか出題してってシンプルなコントだけど笑えた。

「野間口徹と…」
親族代表というユニット名を「野間口徹と親族代表」に替えたいと提案する野間口に竹井はイライラしっぱなしだが、実は野間口が白血病に冒されていたことがわかり…。
メタな舞台だけどツボに嵌った。いちいち面白かった。各キャラの味わいもあるし。快作。

「コンビニ(あるいは謝罪について)」
なんとなくハイになった野間口がコンビニでタバコが間違えていたことで、店員になんで謝んないの?と攻め寄るが…。
ちょっと長め。ユーモラスといえばユーモラスだけど。

「詫びる男」
ニュースでの誤りを訂正するキャスター・嶋村の一人芝居。
シンプルで面白い。

「We are the world」
ピンサロ嬢とバンドマンの恋とバンドマンのギターを引き取るリサイクルショップとピンサロ嬢の定年した草野球する父と子を欲しがるその妻の話。
けっこう面白いがもう一声ほしいかな。

「三つ巴マン」
カツアゲされている野間口としている竹井の前に三つ巴マン(嶋村)が現れる…。
気づいたら対立がなくなり三つ巴なノールーザーで終わるという。野間口の何も解決してない」って終幕のセリフがいい。

「三人で死ぬ」
ネットで知り合った男3人が練炭自殺をこれからするって時に、女子高生との恋がくれば死ななくていいじゃんという話になって、お互いが落ちぶれたお笑い芸人だったことが分り、トリオを組むことになる…。
面白い。頭の悪そうな会話から妙な上向きな空気になるという感覚がいい。

一番は「野間口徹と…」かな。個人的には竹井さんが好きだが。
こわれゆく部屋

こわれゆく部屋

水素74%

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/01/16 (金) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★

カツ丼
面白い。85分。

ネタバレBOX

秋子(兵藤公美)…看護師。秋子の母代わり。同居の彼氏・高橋から人のつらさに鈍いと批判される。
高橋(柳沢茂樹)…看護師。秋子の彼氏で同僚。元浪人生。風俗で色々発散する。
麻里(富田真喜)…秋子の妹。16の頃家出。ホストなヒロと付き合っている。秋子のことは嫌い。
ヒロ(工藤洋崇)…ホスト。母子家庭で育ち、家族のありがたみを切々と説く。
三浦(木下崇祥)…看護師。患者に移入してしまうと思い悩む。水が飲めない。

住居に困った麻里とヒロが秋子の家に居候しに戻ってくるが、秋子は高橋と同居していた…。

2年前くらいの公演と比べて、キャラが随分真っ当になってきたなと。キャラが真っ当な分、会話に別なパンチが欲しいかなと。ちょくちょく面白いんだけど、全体的に圧倒される感覚がほしいというか。
85分飽きなかったけど、もう一声なんかほしかったなと思った。
男は二度死ぬ・その一度目!!~その三~

男は二度死ぬ・その一度目!!~その三~

ライオン・パーマ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/01/15 (木) ~ 2015/01/19 (月)公演終了

満足度★★★★

わがまま
面白い。125分。

ネタバレBOX

落ち目な男(女)が這い上がろうとダサかっこよくキメていくハードボイルドと、いつものボイルドジョークがふんだんな二時間。体調悪かったけど、十分楽しめた。

演技が上手いでもなく奇抜な舞台でもないけど、魅力的。
高級クラブのシーンは笑いの連続だった。蘭ちゃん(あや)かわいいし。奥井(橋本一郎)?の、かっこよく逮捕したいは、恥ずかしながらかっこいいと思っちゃったし。

終盤のわがままカードはやや衝撃が薄かったけども、竜崎(高崎二郎)の「俺は何度も死んだが、死んでない!」って言葉がキラリと光ってて、妙な爽快感を感じられた。
プロジェクト7

プロジェクト7

田上パル

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/01/05 (月) ~ 2015/01/12 (月)公演終了

満足度★★★

7
95分。

ネタバレBOX

真実(堀夏子)…孤児。闇な心を持つ。男に会いに階段を下る。
七子福…6人。孤児。心の声が聞けたり心が見えたり揚げ足取ったりする能力をそれぞれ持つ。
男(土田祐太)…真実の恋人?七子福の靖司(日高啓介)とさえ(長野海)の子。

設定は面白いなと思った。チャイナな演出もいい。アゴラな舞台の使い方も○。

不条理劇?なのはいいけど、いまいちピンと来ず、後半ほど退屈に感じられた。真実の視点がよくわからないからか。どこかひっかかるモノが欲しかった。

よくわからないながらも、(人の)背景を愛するってのが結婚なのかなと。

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