unicornの観てきた!クチコミ一覧

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売春捜査官/カム・ブロォ・ユア・ホーン

売春捜査官/カム・ブロォ・ユア・ホーン

モウムリポ(ポップンマッシュルームチキン野郎課外活動)

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2015/06/24 (水) ~ 2015/06/29 (月)公演終了

満足度★★★★

売春捜査官
面白い。100分。

ネタバレBOX

客入れからのゾンビネタから始まって、PMCらしい笑いもありつつ、浜辺のシーンからじっくり描き、いい舞台に仕上がってた。わかりやすくするためのセリフもあって、馴染みやすい感じ。

木村を演じた小岩崎小恵もなかなかの奮闘。キメるシーンももっとバシっとキメてもいいけど。ラストのハズしは、難しい気もする。
脳しんとうのままで

脳しんとうのままで

GORE GORE GIRLS

王子スタジオ1(東京都)

2015/06/11 (木) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

ボランティアがとまらない
面白い。60分。

ネタバレBOX

梶原(杉浦雄介)…レオナに代わり、ボランティア(以下B)の道に進んだ。
サク(柴田順平)…梶原に憧れてBに。Bの中毒になりつつある。ゴールドマンサックスと兼業。
イチカ(吉原麻貴)…サクと同様Bに。博報堂と兼業。
斉藤(井田雄太)…梶原の元同僚。梶原を連れ戻しにきたが、Bにハマる梶原に失望する。
レオナ(大城麻衣子)…斉藤や梶原の元同僚。梶原と同棲してた。自身がBにハマった際に梶原が身代わりとなってくれた。

Bにハマる面々を救おうとレオナと3人がルービニ(ビニール袋)で会話し闘う。やられそうなレオナの前に斉藤が立ちはだかり、ルービニでの会話をこなし、闘い圧倒する…というゴアゴアな感じ。結局、みんなBのままで終演となるが。

「ボランティア」への違和感的な部分を肥大化させたようなセリフもシビれた。表向きキレイそうな感じがある言葉だけに、その裏側の黒いとこを想像しちゃうというか。序盤の精神疾患というか狂信者な描き方とか、いい塩梅だなと思う。
一応、人の笑顔をBじゃなくても~というセリフを挟んで、それっぽくしつつ、結局Bから抜け出せない面々というラストもよいね。
斉藤が、皆にルービニかぶせてやんややるシーンも面白かった。
ハンサムな大悟

ハンサムな大悟

ロロ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/06/04 (木) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★

2万円
面白い。110分。

ネタバレBOX

ハンサムな大悟がジョンとヨーコから生まれて…というとこから始まる。

伸縮する布?を用いた演出とかユーモラスだし、セリフも好み、エロさもあるし、笑えるとこもけっこうある。けども、ややしっちゃかめっちゃかな感じで、大悟とかどーでもよく感じちゃった。舞台の力点がよくわからんというか。
部分部分は面白いけどね。

この木何の木のシーンは好き。
わが星

わが星

ままごと

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2015/05/16 (土) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

光速
面白い。90分。

ネタバレBOX

大柿友哉…男の子。遠くからちーちゃんをみて光速越えて会いにいった。
黒岩三佳…おかあさん。
斉藤淳子…月ちゃん。ちーちゃんの隣に住む子。ちーちゃんとままごとした。
寺田剛史…男の子の先生。過去に戻りすぎた。
永井秀樹…おとうさん。
中島佳子…おねえちゃん。
端田新菜…ちーちゃん。
山内健司…おばあちゃん。

ユーモラスな作品。面白い。遊戯しているような感じも、星だなんだ時空を越えてってわかるようなわからんような感じも、セリフやダンスの表現でスッと入ってくる。アップテンポなとことか、なんか清涼感というか心地よさがある。
ちーちゃんかわいいし。

観劇中の気持ちよさや浮遊感のある感じが、観劇後になにかに変わればいいなと思った。
夏果て幸せの果て

夏果て幸せの果て

ねもしゅー企画

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/06/03 (水) ~ 2015/06/09 (火)公演終了

満足度★★★★

クーラー
面白い。90分。

ネタバレBOX

舞台下で根本(大森)が追い出した彼氏に連絡とれなくて妄想にふける話、舞台上でエアコンが壊れたコンビニでバイトの女3人がギャアギャア騒ぐ話。

メタフィクションな展開(舞台や演助、制作の登場など)とか、鳥肌実のダベり、根本がセーラームーンに着替えて客席のパワーで妄想の恋敵を倒すなどなど、ライブな舞台。大森靖子の歌もちょこちょこ入るし(ラストのが気に入った)。
上の話の妙な盛り上がりも面白かったが、下のライブな感じとか梨木のキャラとか、笑えるとこが多め。話的に面白いかはわからんが。

鳥肌実を一目みようと思ったけど、久々の根本宗子作品としても楽しめた。
女のみち2012 再演

女のみち2012 再演

ブス会*

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/05/22 (金) ~ 2015/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★

AV
面白い。105分。

ネタバレBOX

スズナリのは、かなり爆笑の舞台という記憶だけど、今回は女の生き様な舞台という印象。クスっとするとこは多かった。

エロを追求してた過去のカリスマなものより今(子)を優先することを選んだリカコ(安藤玉恵)や、AV界に復帰するもイマイチな感じのカスミ(内田慈)、本気でAVやるんだかわからん実は子持ちのマリナ(松本まりか)など、年齢相応、女性特有な背景が人物を彩って見ごたえあった。
タイトルも女のみちだけど、男にもズンっとくる生き方の提示という作品だった。
ラスト、カスミが監督へ一声かけてから上がるシーンに、前向きさというか力強さが篭ってた。

ルミ姉(もたい陽子)のカスミへの潮吹き指南シーンは笑えた。
爛れ、至る。

爛れ、至る。

elePHANTMoon

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/05/21 (木) ~ 2015/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★

ご調教
面白い。120分。

ネタバレBOX

詩織(中村真沙海)…マヒル女王様。タカムラに懇願され刺殺。クラブに戻り、今度はシタラに懇願される。
タカムラ(永山智啓)…マゾ。マヒル女王様の聖水を一滴残らず飲み干した。
雛乃(久保山智夏)…女王様。真面目。
シタラ(山田百次)…マゾ。マヒル女王様に殺してと願うも、土壇場で素に戻った。
柊(石橋征太郎)…マヒルの弁護士。妻の精神疾患に悩む。
一花(林奏絵)…新人の女王様。
アダチ(関村俊介)…マゾ。ベラドンナの常連。
クラタ(江原大介)…マゾ。エグイ系のイベント主宰する。
楓(山口オン)…女王様。雛乃から調教について相談される。
奈由美(菊地奈緒)…ベラドンナの店長。
春菜(長野海)…柊の妻。精神疾患で荒れる。

経験がないせいか、単純にSMプレイシーンが面白かった。俳優のリアクションが上手いのかな。けっこう尺とってる気もしたけど、飽きなかった。シタラの脇腹のミミズ腫れなのとか痛くないのかなと。

話に大きな変動はなく、じっとりした舞台。その分、ラストのシタラの「ムリムリムリ!」に、妙な安心感?を得てしまった。アブノーマルにならなくていいんだ的な。
『ひとよ』★【横浜公演】6月6日・7日KAAT大スタジオ!★

『ひとよ』★【横浜公演】6月6日・7日KAAT大スタジオ!★

KAKUTA

ザ・スズナリ(東京都)

2015/05/21 (木) ~ 2015/05/27 (水)公演終了

満足度★★★★

one night
面白い。120分。

ネタバレBOX

こはる(岡まゆみ)…DVな夫を殺し刑務所へ。15年後、家に戻る。
大樹(若狭勝也)…長男。吃音と変形した指と面倒な妻を抱える。雑誌を配った妻に激昂する。
園子(桑原裕子)…長女。こはるの帰宅に表向き喜ぶが。
裕二(伊達暁)…次男。こはるの一件でグレた。自分らの境遇をこはるにぶつける。
社長(久保貫太郎)…稲村タクシー社長。色々苦労している人。
真貴(高山奈央子)…ドライバー。雄二に好意を寄せる。ファッションセンスがない。
歌川(佐賀野雅和)…ドライバー。弓と隠れて付き合っている。
吉永さん(成清正紀)…こはるの面倒をみた、酪農家。日本人。転換期を迎えた。
二三子(異儀田夏葉)…大樹の妻。別居中。離婚しに大樹宅に押しかける。
友国(松本亮)…ヤクザ。堂下の弟分だった。
日名子(四浦麻希)…友国の女。真貴のファッションにダメ出しする。
弓(磯西真喜)…こはるの友人。会社の受付。介護する義母を殺す。
堂下(まいど豊)…元ヤクザ。10年以上前に捨てた息子に援助するが、嘘をつかれてたとわかり暴れる。

吉永さんをはじめ、笑いを引き出すのが上手い。それでいて、情を描くのも上手い。こはるが帰ってきたことを素直に喜べない子らの微妙な想いとか、子の遅まきな反抗期に、エロ本読んで対抗するこはるとか、まっすぐな心が熱くて気持ちよかった。

堂下に死んだ父を重ねた雄二が荒れ、息子との一夜に涙する堂下に、自分にとって特別な夜ならそれでいいじゃないと声をかけるこはるが優しい。殺人を犯した夜を体験した家族が、どんな目でみられようと、自分らがよければそれでいいんだと、問答無用な肯定感が、なんとなく嬉しかった。
花園Z

花園Z

20歳の国

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2015/05/21 (木) ~ 2015/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★

童貞ver
面白い。90分。

ネタバレBOX

佐藤(森崎健吾)…演劇部。古田新太をリスペクトする。恥ずかしいと思っている客に~のくだりとかいいこというなと。
井吹(竜史)…ラグビー部二軍。菅谷とのキャッチボール(というのか)のシーン良かった。
蟹江(目崎剛)…演劇部。西園寺のキスシーンに興奮する。
小島(安藤理樹)…粘着彼女をふろうとしてフラれた。
青木(浅見紘至)…ヤリタイさかり。
速水(亀山浩史)…元ラグビー部?な帰宅部。最終戦前に燃えてた。
西園寺(櫻井拓也)…彼女がいることを黙ってた上に蟹江が絡まれた時逃げた。
高橋(吉田壮辰)…実力的に一軍な二軍。静かな言動と巨体のミスマッチのせいか、ツッコミが冴えてた。一番ウケた。
菅谷(ぽんず)…バスケ部。練習するもレギュラーになれないことを悩む。
藤原(廣瀬瞬)…ラグビー部一軍。周りに受け入れられていないことを佐藤に指摘される。
浜崎(斉藤マッチュ)…頭の回る不良。南とは幼馴染。
淡野(大石憲)…バスケ部。仲町がサボリ出したことが気に入らない。
仲町(小林和也)…バスケ部。イケてる系だけど、親のことでバイトにあけくれる。
南(古木将也)…カラオケにハマってるひきこもり。カラオケ屋のおねえちゃんい興奮してオナニーした。
林田(原弘)…モテたくてポジション替えを希望した。

男子高の青春の一幕という感じ。当時の人間関係の感覚になんか同調してしまう。そこが上手い。井吹と菅谷、菅谷と仲町の関係とか、なんかキュンとする。菅谷のキャラはお気に入り。

OPのラグビーシーンとか、(ラグビー生で見たことないけど)結構いい感じと思う。最終戦(最下位決定戦)の紅(Xジャパン)をバックに繰り広げる戦いもまた、面白かった。いい熱量だった。

サイドで控えてる選手演出もいいと思う。ただ、数人の話が転々として、ボールパスで転換するのが、テンポいいのか悪いのかよくわからんかった。あと、声がやや聞き取りにくい。
『いないかもしれない 静ver.』『いないかもしれない 動ver.』

『いないかもしれない 静ver.』『いないかもしれない 動ver.』

うさぎストライプ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/05/03 (日) ~ 2015/05/12 (火)公演終了

満足度★★★★

動ver
面白い。70分。

ネタバレBOX

バーセットでも小学校な小道具をちりばめ、小学校から抜け出せていないような空気感。だけども、ラストの佳奈(小瀧万梨子)と友子(植田ゆう希)のキャッチボール時は、初演と違って、程よい距離感があって良かった。

佳奈の壁押し時の(押してもいい?)的な演出は、メタ的な感じ。押してる脇で楽しげに遊ぶ面々との落差が魅力的なシーンだった。

静verもそうだけど、常連客(北村恵)の使い方が上手いなと思う。
『いないかもしれない 静ver.』『いないかもしれない 動ver.』

『いないかもしれない 静ver.』『いないかもしれない 動ver.』

うさぎストライプ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/05/03 (日) ~ 2015/05/12 (火)公演終了

満足度★★★

静ver
面白い。60分。

ネタバレBOX

佳奈(小瀧万梨子)…いじめられっこだったが母校の美術教師に。美術室に火をつけたことと向き合ってないと女から責められる。
女(堀夏子)…佳奈らの自称同級。実際は同級の妹。美術教師と関係し、女の兄の刺殺事件に発展。自称、過去と決別した。
友子(長野海)…いじめてたが、佳奈にはノリでやった、佳奈のためにやった的な言葉をぶつけた。
吉岡(海老根理)…佳奈が好きで小説のモチーフにしてた。
小田島(重岡漠)…喫茶店経営。吉岡をバイトに雇う。
長谷川(石川彰子)…喫茶店の常連。突如、「春よ、来い」を歌った。

初演作はDVDで動verを鑑賞したのみ。
動(DVD)が各個の内面に照明を当てるような作りだったけど、本作は佳奈と女により焦点を当てたという印象。悪くないけど、心臓鷲づかみな感覚がほしかったかな。友子の「ノリでしょ」のシーンとか、「春よ、来い」をBGMにした女との言い合いシーンは好きだけど。
過去との決別を強調する(結局決別できていないんじゃないかと思う)女が、屋上で待ってる的なとこは、地味に薄気味悪くてよかった。

男といざこざしてる地味な常連がいい存在感。序盤のカラオケはウケた。全体的に笑えるのがいいけど、締めるとこをもっと締めあげてもいいかなと。
ナカゴー特別劇場vol.14『堀船の友人/牛泥棒』

ナカゴー特別劇場vol.14『堀船の友人/牛泥棒』

ナカゴー

ムーブ町屋(4階)ハイビジョンルーム(東京都)

2015/05/01 (金) ~ 2015/05/05 (火)公演終了

満足度★★★★

牛の首
面白い。90分。

ネタバレBOX

「堀船の友人」
スガボン(土田有未)…バイトをバックレた。信頼する二瓶に呼び出されバイトの飲みに参加するも、腕を切られそうになり、結果二瓶に腕をもげられた。
カトリ店長(鶴まき)…町屋・和幸の店長。自分の腕は気が向いたときに切るらしい。
飯島(今村圭佑)…店員。店長に腕を切断された。店長のことが好き。
もっちゃん(土屋杏文)…店員。店長に腕を切断され、飯島に胸をもまれた。
二瓶(川崎麻里子)…スガボンの切断を阻止しようとしてスガボンの腕をもいでしまった。

和幸の秘密(右腕を切断すると左腕がパワーアップ)のくだりが一番ウケた。全体的にはもう一段上の爆発力がほしかった。面白いけど。


「牛泥棒」
乙葉(菊池明明)…みせたがりの性癖。
楓(高畑遊)…光太郎の筆下ろし要求などにも応える女性だが、ふっきれてみなをボコった。
優(下村萌)…蒼井優その人。カラダを売ることもある。楓が妬んでいるとボコったが、キレた楓に爆殺された。
徹(加瀬澤拓未)…乙葉のダンナ。光太郎が信一に殺されそうになった際、実父であることを告白した。
光太郎(吉澤清貴)…徹の姉の子。童貞。楓に筆下ろしを頼んだ矢先、優にも筆下ろしを依頼し、それがダメになると再度楓に依頼するというゲス。
信一(今田健太郎)…優の彼氏。カローラ好き。カローラを光太郎にぶつけられキレたが、逆にボコされた。

下ネタと可笑しな人間らの繰り出すナカゴーな作品。セリフのキレもいい。光太郎と信一のキャラが好き。面白かった。
シュレディンガーの猫たち

シュレディンガーの猫たち

激嬢ユニットバス

サンモールスタジオ(東京都)

2015/04/30 (木) ~ 2015/05/05 (火)公演終了

満足度★★★

肖像画
面白い。85分。

ネタバレBOX

漫画家(有栖川ソワレ)…今回の件を漫画にしようと皆を消そうとするが、風俗嬢に母のことを言われ、消えた。
保育士(今井和美)…いじめてたこと、子ができないことを悔やみ消えた。
風俗嬢(今村美乃)…落下しそうな母を救うことで最初に分岐した。唯一、子を身篭り、現世へ戻った。
CA(うえのやまさおり)…好きだった男に告白できず、外国人に暴行され殺された。風俗嬢の計らいで、穏やかに消えた。
探検家(関根麻帆)…「箱」のことを調べ理解していた、最後の分岐者。
編集者(傳田圭菜)…探検家に誘導され、皆の役に立とうと、消えることを推奨した。
大工(日和佐美香)…工務店の社長と不倫していることを悔やみ消えた。
主婦(南かおり)…「箱」のことを信じなかった分岐者。風俗嬢に想いを託し消えた。

パラレルワールド的に分岐した人生を歩む、現世で瀕死の女性8人が「箱」にて顔を合わせる。悔やむことで生き返れると信じた8人だったが、悔やむことで苦痛の中死んでいく。最後の分岐者(箱を理解している)探検家と最初の分岐者である風俗嬢が二人残り、肖像画の女性が母であり、母から虐待されていた過去が明らかになる。母を見捨てた過去を思い出し、探検家は消えていく…。

前半の現状把握的なとことか、面白味が薄いかなと。逆に、消えていくとこからはテンポ良くて、ガンガン消えていくなと。それでいて、背景も描き面白味が増してた。
人生を悔やむってあんまりしたくないことだけど、8人(一応一人)は、悔やむことで過去と向き合い未来を生きることとなったということか。
編集者とかCAの暗い現世話(特にCAの悲惨さと整形という自己否定的な行動)は、舞台にピリっとしたものを加えてくれてた。穏やかに消えたCAの魂に、安堵ともの悲しさを感じた。

ラストの風俗嬢の戸惑いで〆るのも良かった。一度は「箱」の中でみんなで子を育てたいと思った風俗嬢が現世に戻り子を産み育てることは、消えていったみんなの魂を背負うということなのかなと思った。
ゆうれいを踏んだ

ゆうれいを踏んだ

突劇金魚

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/04/25 (土) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★

花見
面白い。95分。

ネタバレBOX

蔓子(片桐慎和子)…銀行に内定とるもゆうれいを踏んだせいで頭に桜の木が生える。父は桜の木で自殺し、身内はお婆だけ。
お婆(有北雅彦)…桜の木が生えた蔓子に愛想を尽かす。後に水晶の目で占いを始める。
タカシ(山田まさゆき)…蔓子と同棲するミュージシャン志望。蔓子を追いプロポーズするも断られ、味噌汁をすする。
美咲(大畑力也)…美鳥の兄。美鳥の面倒をみるが、美鳥からは嫌がられている。
美鳥(sun!!)…シンガー志望。結局、タレントとなり、今日子の劇団で芝居をする。蔓子とも同棲してた。
今日子(ののあざみ)…消しゴム工場従業員。劇団主宰で蔓子を木の役に抜擢。評価され海外ツアーをし、滋賀?の富豪と結婚する。
ゆうれい(殿村ゆたか)…蔓子に踏まれたゆうれい。

家族を求める蔓子の(違うけど)旅行記のような作品。居場所を見つけてはいなくなり、ホームレスになったりしてお婆の元へ戻るも、金目当てなお婆に枝を折られ、傷つく。そしてタカシから「家族になろう」といわれるも、それを断るという、なんとなく寂しげな印象。
お婆と蔓子の関係だけでなく、美咲と美鳥とか、人の心の内にたどり着けない感が、うまいなと。そんな空気の舞台にあって、最初のタカシと蔓子の普通でない二人の「普通な生活」シーンとか、今日子のパワフルなキャラのメリハリもうまいと思う。

蔓子を演じた片桐の寂しげな演技が美しく見えた。
誰

水素74%

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/04/16 (木) ~ 2015/04/22 (水)公演終了

満足度★★★★

まなざし
面白い。110分。

ネタバレBOX

箕輪(野田慈伸)は、木田(浅井浩介)を脅迫しサークル(まなざしの会)に入るが、サークル活動は、会員の動向を見守ることで、会員も変人かつ性格異端者ばかりだった…。

殺す殺す言ってたフリーターな箕輪が次第に普通な人に見えてくる。会を作った田中(山科圭太)はじめ、傷を負った会員たち+関係者のひきこもごもが単純に笑えた。長谷部(吉田彩乃)の付き添いできた石川(鮎川桃果)の「ホントウの~」という言葉が、人間関係の空ろな感じを際立たせてた。
カノカタ

カノカタ

t2 produce

Geki地下Liberty(東京都)

2015/04/21 (火) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★

乾杯
チケットプレゼントにて鑑賞。90分。

ネタバレBOX

里見(那須野恵)の父が死亡した町工場に、小さい頃よく遊んだ数人が集まる。父の遺書でその内の4人が経営すれば、工場は畳まなくてよいということになるが…。

人物の背景の色合いが薄く、話や人物に移入しにくい。ところどころの一人語りも効果的とも思えず、魅力に乏しい印象。母に出て行かれた里見と貴弘(藤沢大悟)の関係ややりとりよりも、父の弟子であり遺書を託された健さん(鈴木利典)と敏腕管理職で4人と微妙な距離感な美奈子(鈴木万里絵)のほうが面白く感じられた。
あと、セリフがややくさめな印象。
追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★★

日本の支配
面白い。145分。

ネタバレBOX

韓国併合時の、日本人検事、憲兵隊長、日本人の元で働く朝鮮人、抗日戦線の若者、日本人に恨みをもつ朝鮮人農民らの立場、関係、心の内を描く。

冷たさと熱さが同居する舞台は健在。見ごたえあった。
一つの国が一つの国を武力をもって混乱や貧困を与えることで、人間一人ひとりの内面の苦しみや怒りを色濃く描いた。史実がどうあれ、生きた人間らの行き詰った感がいい感じに伝わってきた。

検事らも(多分、憲兵隊長も)朝鮮人らも、なんらかに作用されて生きていて、思い通りにいかない苦しみが、いい味出してた。そんな中、人民裁判委員の大内厚雄の朝鮮統一の話は、冷静な演技の中でいい感じに光ってた。
豊川検事(佐藤誓)を助けるため危ない橋を渡り続ける朴(浅井伸治)が、若干の満足げな表情で終わるのも良かった。序盤の手紙はここに通じているのかしら。

こうした戦争の話だと、軍部な人は印象の悪いクズという表現がされるのが常のような気がする。ただ、それはそれで大多数な人間の代表のように感じられて心苦しく思う。そういう立場だし。

ちなみにアリランはあんまり印象的な感じがしなかった。
ふつうのひとびと

ふつうのひとびと

玉田企画

アトリエ春風舎(東京都)

2015/04/17 (金) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★

誇り
面白い。105分。

ネタバレBOX

剛史(木下崇祥)…咲子のヒモ。岩崎と上京し店を持つ。
正志(吉田亮)…剛史の兄。飲食店経営。咲子、直見と浮気する。
咲子(菊川朝子)…微妙な兄弟と関係する微妙な女。
戸田(大山雄史)…店の従業員。元卓球部。童貞の疑いあり。
西田(飯田一期)…新米の従業員。すぐにタメ口になるが、イザとなると頼れる。
直美(島田桃依)…自分の店を持つため退職する。吉本からストーキングされる。
吉本(用松亮)…直見の元彼。直美が浮気していると感づく。
岩崎(成瀬正太郎)…死亡した。

相変わらず、会話で笑わせてくれる。そういうとこ上手いななんて思う。ただ、話的にはやや魅力に乏しい。中盤ダレる。
とはいえ、送迎会の一次会の居酒屋トラブルで携帯に逃げてた戸田が、二次会での吉本と直美のトラブル時にも携帯を弄ってるという、みせ方が上手い。大いに笑った。
わくわくステーション

わくわくステーション

拙者ムニエル

駅前劇場(東京都)

2015/04/17 (金) ~ 2015/04/21 (火)公演終了

満足度★★★

わくわく
面白い。110分。

ネタバレBOX

40前後なおじさんおばさんがわくわくしちゃいけないのかよ!と、わくわくしたりする話。3話構成だけど、繋がってた。
つかみも上手いし、よく笑える舞台だった。やや調子が同じような感じではあるけど。

エンタメな感じ。分不相応とか、弁えるという言葉の恐ろしさみたいなのを笑いに変えるパワーがあった。

伊藤修子演じるヤバ子が一番すき。
あっち無為て本意

あっち無為て本意

無隣館若手自主企画 vol.9 キムラ企画

アトリエ春風舎(東京都)

2015/04/03 (金) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★

夕陽
面白い。55分。

ネタバレBOX

付き合って2年超のシゲオ(佐藤滋)とナツコ(坂倉奈津子)。シゲオがUSJデートを台無しにしたことで、アジアにバカンスに出かけるが、シゲオが初日にカクテルガブ飲みしたせいで、海にも行けず明日には帰国という散々な旅に。ナツコは夕陽が見たいと、トイレに篭るシゲオに話すが…。

基本面白い。何度も笑った。ナツコが密かに浮気してた会社の後輩君、滞在ホテルのボーイ君を演じた串尾一輝の二枚目半な演技が、合間合間でとても利いてた。「いささか」とか、〆の「部屋からみる夕陽も悪くない」とか。

坂倉の瞬き少なめな目の表情がいいのか、許容とフラストレーションの入り混じった感のある演技が上手かった。
転換でイチイチベッド回転させてソファ出してってのも、コミカルでいい。
二人がカラオケで残されるシーンとかあったが、同棲を始める際のカラオケシーンで終わってもいいかななんてちょっと思ったけど、ラストの夕陽シーンもまた、美しかった。3人の表情もまた良かった。

ATでの、プロレタ演劇という視点は面白かった。会社(社会)が(シゲオのような)そういう人間を要請しているんだというのも、なるほどと。
作演は電通勤務なのか。すごいなと。

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