unicornの観てきた!クチコミ一覧

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平田オリザ・演劇展vol.5

平田オリザ・演劇展vol.5

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/11/05 (木) ~ 2015/11/18 (水)公演終了

満足度★★★★

銀河鉄道の蔵ノート
面白い。45分。

ネタバレBOX

東京ノートなどの平田作品をつなぎ混ぜ合わせた小品。

東京ノート以外は未見だけど、あいさつ文のとおり楽しい舞台だった。ダジャレやダンスに歌、映像と作品のミックス感とテンポがいい。次々に繰り出され展開していく舞台に満足した。

「待つの、廊下で」とか「吉良吉良うるさい」とか、忠臣蔵ネタは判りやすいとこを入れ込んでていい。気軽に楽しめた。
平田オリザ・演劇展vol.5

平田オリザ・演劇展vol.5

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/11/05 (木) ~ 2015/11/18 (水)公演終了

満足度★★★★

走りながら眠れ
面白い。90分。

ネタバレBOX

フランスで投獄され帰国したアナキストの大杉栄(古屋隆太)と妻(能島瑞穂)の会話劇。

無政府主義というのがどのようなものかは良く知らないが、会話の面白さはピカイチ。なんとなくかわいくってタフだなと感じた。鑑賞後、この後、虐殺されたとパンフで知り、知ってたら別のように感じたろうなと思った。

アナキズムに理解はないけど、二人の瑞々しい会話と仕草に引き込まれた。
走りながら眠れというタイトルもいい。大杉にふさわしい。
平田オリザ・演劇展vol.5

平田オリザ・演劇展vol.5

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/11/05 (木) ~ 2015/11/18 (水)公演終了

満足度★★★

ヤルタ会談
面白い。35分。

ネタバレBOX

スターリン(松田弘子)、チャーチル(島田曜蔵)、ルーズベルト(緑川文絵)の会談コメディ。

時代背景的なものは詳しくないけど、面白く見れた。虐殺だ爆弾だと物騒な話が飛び交うも、アホなキャラクター性で柔らかく仕上げた小品。共産なスターリンにはウケた。
サヨナラサイキックオーケストラ

サヨナラサイキックオーケストラ

ITOH COMPANYプレゼンツ

シアター風姿花伝(東京都)

2015/11/03 (火) ~ 2015/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

世界の終わり
面白い。85分。

ネタバレBOX

清田(落合モトキ)…環境省屋上長。本企画の責任者。いじめられたりたかられたりというへっぽこ人生を歩んでいる。
魔美(花影香音)…けっこう前に自殺した女子高生幽霊。予知能力で清田と一緒に朝食を食べている姿をみる。
宜保(倉田大輔)…小さな頃は透視的能力あったけど、その内ペテンな人生を歩んでた。
ユリ(亀田梨紗)…霊感主婦。ティーンに絶大な人気を誇る。俳優である夫からのローキックDVにより霊感が開花(と思い込んでる?)。
カゼッタ(今村圭佑)…自称宇宙人で隕石は母船というコミュ障。コンビニの女店員に想いを伝えるも振られた。
秋山(岡野康弘)…屋上に住み着く浮浪者。離婚した妻を念写してる。
ヤオイ(岩井七世)…新興宗教の教祖。弟(稲川)の理想に沿うよう落ち着きはらって生きてきたが、実は下ネタを考えたりしてる。
稲川(金丸慎太郎)…ヤオイの側近。ヤオイの威厳を保つよう務めるが実は重度のシスコン。今日が誕生日。

巨大隕石群が午後3時頃地球に到達するであろう、地球最期の日、環境省屋上に集まった怪しげな自称能力者らと環境省職員ら、寄る辺ない人たちの話。

初演と比べても遜色なく、笑えて暖かな気持ちになれる。役者的には、本舞台のほうがハマってた感はある。特に、宜保とユリとヤオイ様。
ラストの写真の手を添えるシーンの強調は、ややくどいかなと思った。

舞台面が低いので、舞台前方が見えないのが残念。冒頭のカゼッタとか存在自体きづかなかった。
彼女にとって無敵の世界

彼女にとって無敵の世界

ライオン・パーマ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2015/10/29 (木) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

アリス
面白い。120分。

ネタバレBOX

父・君彦(樺沢崇)の現実的な御伽噺を聞かされるまこと(柳瀬晴日)は、話の登場人物になりたいと願い、アリスとして話に加わる。話の中で死んでいる良太(伊崎光祐)の最期を見守り、現実に戻るまことの前に、列車が止まり、君彦と永遠の別れを知る…。

構成的には、一つの話の中でコントチックな場面が続きつながりという、ライオンパーマな感じだけど、ギャグ(ボケとツッコミ)も各シーンで冴えててキャラ設定などのバランスが良くて、満足の作品だった。父と亮太の重なりとか物語的な部分も見ごたえあったし。

実は死んでる父の最期の語りをまことが受け止めるという成長的な部分は、もうちょい厚めに描いてもよいと思ったけど、こんくらいサラっとしたほうがよいのかも。
中身のジョーク部分が良かったので、それを包み込む現実的なシリアス部分でキュっと鋭く締め上げてくるような感じはもうちょいあってもよいかな。

開幕の亀を助けるとことか、アニキ対決とか、楽しかった。ストップウォッチネタはウケた。
橙色の中古車

橙色の中古車

FUKAIPRODUCE羽衣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/10/30 (金) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

女性の国旗
面白い。60分。

ネタバレBOX

南米の(若い)男とタンゴを踊るため、離婚したバツイチアラフォー女(深井順子)がブエノスアイレスへ降り立つ。時差ぼけに悩まされつつも念願の若い現地男性とタンゴを踊り一夜をともにする。しかし、男の弟と話しができただけで、男とはそれっきり、クジで当たったオレンジの中古車で独り南下する。そして、流氷みたり大西洋みたりペンギンみたりして、傷心とも感動ともつかない旅を続ける…。

小娘にはマネできないアラフォー女の行動力が舞台をどんどん進めていく。妙なパフォーマンスと程よい客いじり?で次々笑いをとるさまは流石。「パンティーは女の国旗」とはなかなか名言だなと。

情愛と別れの寂しさとか、独りになった後の明確な目的のない旅路の描き方も悪くないが、やや内向的な感じになってしまったかなと。
エゲツナイト♡

エゲツナイト♡

GORE GORE GIRLS

王子小劇場(東京都)

2015/10/13 (火) ~ 2015/10/27 (火)公演終了

満足度★★★★

田口
面白い。85分。

ネタバレBOX

セイジ(久保雄司)…三樹雄と海生から絶大な尊敬を集めるバイト。夢の中で妖精と出会い、現実でダンボールを無意識に作りつづけ、皆を一つみまとめた。
三樹雄(大西聖志)…セイジからNo2と言われる男。セイジを尊敬するも、将来を考え公務員を目指すためバイトを辞めると切り出し、セイジと対決する。
海生(平山智規)…笑いが止まらなくなるクセを持つ男。田口の才能に嫉妬する。
田口(柴田順平)…一週間前に入ったバイト。10秒の壁をやすやす越える。セイジらのノリとか考えについてけないと愚痴をこぼす。
今井(折原啓太)…社員。セイジらバイトを見下している。パチスロにハマってる。

ダンボールを箱にしては壊すという意味のないようなバイト現場。三樹雄とセイジの対決や、今井との確執、セイジの夢、そして異様な一体感で幕と思いきや、実は東大の受かったセイジの夢だったという話。
負け犬同士傷の舐めあいしている高齢バイトを美化するような夢を東大生が夢に見るという皮肉な展開。意外性は低いけどらしいオチかなと。

しょーもないことをカッコよく魅せる舞台は、相変わらず面白い。ダサカッコイイ。セリフのツボもいい感じ。登場人物はあんま動かないけど、話はけっこう動きがあって飽きさせないのがいい。

妖精から田口の裸エプロンのくだりは、とてもウケた。いい塩梅だった。
従軍中のウィトゲンシュタインが(略)

従軍中のウィトゲンシュタインが(略)

Théâtre des Annales

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/10/15 (木) ~ 2015/10/27 (火)公演終了

満足度★★★★

神は死んだ
面白い。115分。

ネタバレBOX

ロシア軍を迎撃するオーストリア軍の駐屯地。死と隣り合わせな一晩を過ごす同僚らとの会話と英国にいる親友・デイビッド(本折智史)とのやり取りと通して、哲学を追求するルートヴィヒ(古河耕史)を描く。

生きることとは死ぬこととは的な観念な世界も描きつつ、ちょこちょこユーモアで気をひきつける流れが上手い。静かさや激しい部分の緩急の付け具合とか。
終盤の長めな暗闇のシーンの使い方とかも。

哲学なとこはピンときたりこなかったりという感じだけど、なぜ人は祈りを捧げよとするのかなと、思った。
想いはブーン

想いはブーン

小松台東

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2015/10/02 (金) ~ 2015/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

しょーもない
面白い。105分。

ネタバレBOX

理奈(異儀田夏葉)…三女。浩史と恋仲だけど浩史がダメダメなので、父に報告できずにいる。終盤、関係を考えさせてと、浩史の背中を押す。
薫(三像かおり)…長女。年の割りにきゃぴきゃぴしちゃうかわいい人。
麻耶(森谷ふみ)…次女。隆史と関係にあったが、事情により重光と婚姻。会社のことで隆史に相談している。
浩史(細見大輔)…中退後、東京でフラフラしてて父の葬式にも出ずというしょーもなくて、ウジウジしてるイケメン。
隆史(瓜生和成)…浩史の兄。ダメな浩史を気にしてる母のため、安永電気を紹介した。社長からは会社を継ぐよう言われている。
杉浦(尾倉ケント)…家庭持ち。社長の病気の件で会社の行く末が気になっている。
井戸潤(松本哲也)…入社半年の浩史を「師匠」と呼ぶ。自分と同じようにダメなヤツと見下げている。
黒木(山田百次)…理奈のことが好きなクリーニング屋。
美来(小園茉奈)…薫の娘。高校中退でやや反抗期。
重光(佐藤達)…麻耶の夫。麻耶が隆史と不倫しているとイラつく。

理奈らの父で社長の入院が決まり、最後の晩餐が行われている横の詰め所での会話劇。いいバランス感覚な群像劇。それぞれの描き方もいいし、笑いと緊張感のバランス(ミックス具合)もいい。中盤、ウジウジしてて隆史に何も言えない浩史が、「俺は誉められて伸びるタイプだ」とボソっというとこなんかはセンス抜群だなと。
入れ替わり立ち替わりで会話が進むが、安永三姉妹のシーン(ラストもいいけど)のユーモラスさを保ちつつ家族の想いが行きかう感じが素敵。

上手く家族と恋愛を絡めた秀作。
文化祭大作戦

文化祭大作戦

20歳の国

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2015/10/02 (金) ~ 2015/10/11 (日)公演終了

満足度★★★


面白い。110分。

ネタバレBOX

ウメ(本山歩)…クラス演劇の演出家。親友シズカと距離ができるが、最終的に仲良しに戻った。
シズカ(湯口光穂)…1年前はロミジュリをやると意気込んでたが、立候補もしないで予備校通い。ヨコゼキと公開告白してチョーシに乗って、笑顔が戻った。
北大路(岡野康弘)…演劇部。ヒナやマリエに参加を促す。ヒナにキスして、互いが自己評価低い人種と笑いあう。
ケビン(古木将也)…北大路の親友。ノリコに告白して玉砕するも、そんな自分に自信を持った。
ヒナ(山脇唯)…マリエの親友。マリエに羨望と愛着をもってるおバカよりな子。
マサシ(竜史)…元バスケ部。懸命に練習するもベンチだった。演劇の練習にも余念がない。
ノリコ(安川まり)…ジュリエット役に当選。彼氏のアケミの態度に納得いかずケンカ別れしたが、ロミジュリ本番で復縁した。
マリエ(徳橋みのり)…龍之介の彼女。ロミオ役にキスシーンがあることに納得いかず、ケンカした。本番抜け出した龍之介にキスしてもらい機嫌が直った。
アケミ(木山廉彬)…アケミの考えが理解できず別れるもウジウジしてた。龍之介の計らいで、ジュリエットと不倫する形で復縁した。
龍之介(斉藤マッチュ)…去年のシズカらの演劇見て泣いた、不良。
ヨコゼキ(菊池豪)…本番中にシズカに告白し結ばれた。
ワタベ(東谷英人)…元バスケ部。色々器用。マサシがラストの試合で泣かなかったことが気になってた。

劇中劇は動きもあって単純に面白い。それまでが、少人数でのシーンが繰り返され、やや単調。笑いのパワーもやや弱めかな。まあ、学園モノだからといってギャーギャー騒ぐだけだと芸が無いし、つまらなくないけど、ちょこちょこ心引くシーンがほしかった。
北大路とヒナの劣等感コンビシーンは惹かれたけど。

本番中に告白ってのが、いわゆるドラマな感じではあるけどね。基本的に好転していく作品で、ホロニガさは抑え目かな。
劇中劇でのワタベがムダにかっこよかった。
鳥取イヴサンローラン

鳥取イヴサンローラン

ロ字ック

シアター711(東京都)

2015/09/26 (土) ~ 2015/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★

性悪
115分。

ネタバレBOX

基本、スナック「イヴサンローラン」でのひきこもごも。

家族のゴタゴタに起因する負け犬な女・美和子(堂本佳世)のマイナスオーラが全開になる終盤の「女子会」とか、中盤の杏(遠藤留奈)との会話が見ごたえあり。女の負け犬根性的なこじらせ具合の表現がユニークでちょっと怖いなと。かわいい子が嫌いとか、その湿りけ具合がユーモラスだった。

(カオスな)女子会で爆発した潤子(水野小論)がけっこう好き。負け犬から這い上がりかける彼女が、ジメっとした舞台上でなんか清らかに見えた。ついでに、潤子が片思いな客・下永(那木慧)と寝たとあっけらかんとしてるちずる(小川夏鈴)もまた、清らかだなと。
『心中天の網島』

『心中天の網島』

木ノ下歌舞伎

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/09/23 (水) ~ 2015/10/07 (水)公演終了

満足度★★★★

橋づくし
面白い。115分。

ネタバレBOX

妻子ある治兵衛(日高啓介)が遊女の小春(島田桃子)と心中を図ろうとするが、治兵衛の兄・孫右衛門(武谷公雄)に心中したくないといっているのを聞き激怒する。妻・おさん(伊東沙保)の母(西田夏奈子)に小春と切れたことを伝えるが、おさんから実情を知り、小春が一人死ぬとおさんとともに金を工面する。結局、おさんの父(小林タクシー)におさんは実家に連れ戻され、治兵衛は小春との心中を決意。二人、幾多の橋を渡り、心中を果たす…。

糸井幸之介が演出に入り、いい具合に羽衣な作品となった。原作を読んだことはないけども、シンプルな構成の中に、人のヒダみたいなのがしっかり作りこまれてた。バイオリンを使ったおさん父が荒れるシーンはなかなか見ごたえあった。その前の、小春の想いを酌んでへそくりや箪笥の品々を質草にしようとするおさんのシーンが一番グっときた。楽曲「箪笥の思い出」にのせた過去回想シーンもいい。

正直、「心中」というものは(当人同士の心だけでなく)社会的背景によるところ大きいんじゃないかなと思っているので、そこらへんの理解がもうちょいできたらなお良かったかなと思った。

楽曲「愛と死」も好き。
無頼茫々

無頼茫々

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2015/09/12 (土) ~ 2015/09/20 (日)公演終了

満足度★★★

中新聞
面白い。120分。

ネタバレBOX

大正期、東京の新聞社に、破天荒でジャーナリズムに溢れた堂海(板倉チヒロ)が入社。米騒動での口出しや新聞界のなあなあな感じに対抗すべく、若手の会を立ち上げ奔走する堂海。発行できない記事をあえて載せ、空白の号外を発行したことで堂海は首となる…。

国と言う権力に抗いもがいた人びとの話。権力とジャーナリズムの一つの位置関係を静かに見せてくれた。
楽しめるには楽しめるが、劇的な話ではないわりに、緊迫感というものが足らない気がする。
社と富永家の舞台装置は面白いものつくるなと感心したけど、転換時のハイテンションはどういった表現だったのかなと。熱量のある舞台でなく、冷めた作品のように感じたので。
ホテル・ミラクル2

ホテル・ミラクル2

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2015/09/18 (金) ~ 2015/09/23 (水)公演終了

満足度★★★

ラブホ
面白い。95分。

ネタバレBOX

「こうかん」 脚本:米内山陽子(チタキヨ/トリコ劇場)
妻(滝景子)で勃たない男(米山剛)が事態を打開すべくスワッピングしようとするが拒絶する妻。夫への失望と愛情からスワッピングを始め、好きだと夫の手を握る…。
スワッピング相手の男(加藤隆浩)の落ち着いた話しぶりとその妻(工藤沙緒織)とのなれそめはなかなか面白いし、妻の愛情の動きも見ごたえあった。

「砂と棒」 脚本:裕本恭(深夜ガタンゴトン)
巨乳なデリヘル(照井真友子)と小説家志望の男(中田暁良)の会話。
巨乳は男のロマンと放つ男に、普通ねと見下すデリ嬢。普通って何よと思った。

「初恋は消耗品」  脚本:ハセガワアユム(MU)
落ち目な歌手の木下(橋本恵一郎)と付き合いだすJK1な優菜(加藤恵)。優菜の姉にバレてお別れHした後、優菜が本当に好きになったと告白する…。
場面転換もあって、一番話に動きのあった作品。一番笑えもしたし。

「獣、あるいは、近付くのが早過ぎる」 脚本:服部紘二(ハイバネカナタ)
東京湾に突如現れた、巨大な獣が町を破壊しつつある中、ケンジ(黒澤多生)は、好きだったマナミ(青山祥子)をホテルに誘うが…。
結局、元彼(50台)の元に戻るマナミを後押しして、悶絶するケンジがらしいといえばらしい。ホテル代を急に気にしだすのは上手いと思った。

全体的に、掴みが弱いかなと。基本会話劇なので、刺激的な言葉のやり取りがもっとあって良かった。なんとなくノッペリとした印象。
ピッピピがいた宇宙

ピッピピがいた宇宙

あひるなんちゃら

OFF OFFシアター(東京都)

2015/09/18 (金) ~ 2015/09/21 (月)公演終了

満足度★★★

地球は青かった
面白い。70分。

ネタバレBOX

兄(根津)と妹(篠本)が添乗員(関村)につれられ、宇宙旅行に出かけると、地球が赤く染まってて、宇宙ステーションには宇宙人がいて…というシチュエーション。触れると痒みと痛みに襲われるピッピピ(妹名づけ)が原因と決めてかかる兄だったが次第にピッピピに情が移り、地球への帰還を前にいなくなったピッピピに涙する。「地球は青かった」「天のどこにも神はいなかった」「ピッピピがいた」と妹の名文句で〆。

それぞれがいいキャラ発揮してて面白い。ピッピピに田舎弁で土下座する兄の姿にウケた。篠本のあの笑顔が素敵だった。
ダイヤモンド

ダイヤモンド

ドリームダン

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/09/16 (水) ~ 2015/09/20 (日)公演終了

満足度★★★


面白い。100分。

ネタバレBOX

二階堂(石塚誓志)の経営する古本屋?での群像劇。
キャラのたった人物らの笑えて、苦くてという作品。経理のおばちゃん・園田を演じた舘智子は、しっかり笑いを引き出してた。女3人(菊池美里、村田綾、もたい陽子)の嫉妬や恋心も、じめっと舞台をぬらしているようだったし。仕事帰りでもいやにならないような軽さもあって、よかった。

瞳(もたい)が嫉妬から(誤って)さち(菊池)を絞殺し、追われることとなる湊(安東桂吾)から舞台が転調するよう。ライダースのような妙な森繁(松本貴史)やホントにサイボーグだった内藤(椎名茸ノ介)とか、めちゃくちゃになっていき、湊は夢の中で、好意を寄せたアユミ(村田)の貝殻水着姿に浸る。結局、書道家の家に流れ着き、続いてさちも流れ着き、記憶を無くした二人は双方に、好きだった異性の名をつけるという…。

数年前に見た作品も、後半のトンデモ展開に痺れたが、本作はやや強引な印象かな。面白いけど、もう一声突きぬけてほしい。
その頬、熱線に焼かれ

その頬、熱線に焼かれ

On7

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/09/10 (木) ~ 2015/09/20 (日)公演終了

満足度★★★

ノーマン・カズンズ
面白い。120分。

ネタバレBOX

1956 ニューヨーク
広島への原爆投下から10年以上たち、米国の病院でケロイド治療(手術)を受けるヒロシマガールズたち。簡単な手術を受けたはずの智子(安藤瞳)が死に、動揺する女たちは、それぞれの想いを吐き出し打ち明け、ちょっとずつ前に進む…。

女達の心情もそうだけど、当時の社会的な状況も考えるとかなりシビアな面白さ。もういっぱいいっぱいな気持ちでいる女たちが、治療という希望を頼りに、一歩踏み出しつつも恐怖と不安に立ちすくむ、そんな重さ。
自身の美醜の話だけでなく、恋人や親、友人、人生と色々とテーマは変わりつつ、静かならが熱い会話劇。一番、ピリピリしてる弘子(渋谷はるか)が、白血病の友人(友子)を裏切り者と罵った罪の意識を抱えながら、不幸の原因を作った米国への恨みを内包して、治癒を目指す様が鬼気迫ってた。反面、死んだ智子の微笑みが、メンバーの心を癒し、前を向くことに繋がってるというこう構成がよい。
勇気を出して手術を受け帰国した敏子(尾身美詞)が、マスコミに堂々と挨拶する姿を智子が見守るというラストもいい〆。

話的に、被害者である女たちだけの会話であるが(ここがミソなのかもしれないが)、そうではない人間の存在がもっと組み込んであるとなおメリハリついたかなと。
深海大戦争

深海大戦争

パラドックス定数

上野ストアハウス(東京都)

2015/09/08 (火) ~ 2015/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

知性の結晶
面白い。

ネタバレBOX

OP(伝説)
海の生物らに知性を与えるシャチ。その中からマッコウクジラが海の王となり、海の支配に乗り出す。

抹香鯨親(森田ガンツ)…北の海の王。辞書に和平の文字はないと、大王烏賊をエサと見下し、領土を得ようとする。
抹香鯨仔(井内勇希)…平和主義者。鋼鉄の鳥の卵の危険性を感じ、大王烏賊との和平の仲介に入るが鯱に逆襲される。鯱の無用な殺生を嫌い、鯱にやられた皇帝ペンギンを大王烏賊の元へ届ける。
鯱(西原誠吾)…抹香鯨の参謀。腹の中では、いつ玉座を奪おうか考えている。海の中で一番強く、自称弱点はない。
大王烏賊兄(諫山幸治)…大王烏賊のリーダー。思慮深く、弟や皇帝ペンギンのため身をはる男気もある。食物連鎖という自然のルールを重んじる。
大王烏賊弟(小野ゆたか)…愛する鋼鉄の鳥を抹香鯨仔に壊されたことでしゃべれるようになり、知性を得る。鋼鉄の鳥の卵を孵化させ、その青い炎で抹香鯨を皆殺ししようと決意する。
皇帝ペンギン(兼間慎)…南よりやってきた弱めなペンギン。氷山の北極点に立つと北がなくなりすべての方位が南になるという言葉に影響され、抹香鯨と大王烏賊の争いの火種をつくる。大王烏賊とはイカトモ。
氷山(植村宏司)…海の賢者。生物に対しては中立の立場をとる。人間の作った鋼鉄の鳥の母艦となりつつある。

まさかの二部構成(後編未定)。でも非常に満足した。
90分程度だが、言葉や立場のやりとりがとても面白かった。キャラも立ってて、ユーモアも十分。動物的な動きとかも好き(特に抹香鯨仔。鯱もかっこいい)。背の長い椅子を使用した見せ方もシンプルながらうまいと思う。セリフのトチリ(とか靴が脱げて)も、普通にカバーしててそこらへんも○。

伝説以降、知性を得て覇者となった抹香鯨一族が(海の)食物連鎖の頂点に立ってきたが、人間の「知性」が突如としてその関係を揺るがす。大王烏賊兄があってはならないという関係性の崩壊が、北の海に混乱をもたらし、「知性」を得て復讐に燃える大王烏賊弟の手には、生命を危機に晒すものが握られている…という、大人向け少年漫画な印象。
抹香鯨仔と氷山の会話にある、対等はあり得ないという、言葉が印象的。大王烏賊をエサとする抹香鯨親や海の殺し屋の鯱も単純な悪役というだけでなく、原始的な生物のルールを見せ付けられたような感覚。

あくまで海の世界の戦争だが、知性を得て、他の生物を寄せ付けない発展を遂げた人類を示唆する構造が、一番気に入った。
果てまでの旅

果てまでの旅

玉田企画

アトリエ春風舎(東京都)

2015/09/05 (土) ~ 2015/09/14 (月)公演終了

満足度★★★

面白い話
面白い。100分。

ネタバレBOX

加藤(伊藤毅)…女部屋行きたい。池田が好き。
吉田(大山雄史)…女部屋行きたい。重原が好き。
小池(玉田真也)…女部屋行きたい。女を相手にテンパる。
手塚(由かほる)…女に興味ない。
重原(由かほる)…体調不良で寝込んでるわりに色々見抜いてる。うるさいからキレた。
池田(鮎川桃果)…矢崎が好き。
佐藤(植田ゆう希)…矢崎が好き。
久保(緑川史絵)…池田と佐藤の仲裁に入り二人を諭す。
矢崎(工藤洋崇)…不良。運動神経良、バンドも出来るとモテる。コンドームを加藤らに渡す。
清水(山科圭太)…矢崎の友人。関西弁。法律にうるさいらしい。最近フラレた。
佐伯(森岡望)…矢崎の友人。矢崎曰くやらせてくれる女。

中学校の修学旅行の旅館。
女部屋に行きたくってしょうがないイケてない男子の会話と、イケてる不良との会話が序盤。恋バナでピリピリする女部屋に乱入して、なんとか頑張ろうと奮闘するが、小池の不要な一言とコンドームで部屋を追い出されるイケてない男子が中盤。責任の押し付け合いを経て、照明落としてから、なんかいい思い出になりそうな感じ語り合うイケてない男子で終幕。

女性の方はよくわからんが、男子のスクールカーストの感じは上手いなと。実際のイケてない男子はあそこまで頑張れるのかわからんが。追い出された後の小池らの言い合いで、中学校での失敗が、今後の人生を悪い方へ決定するというくだりは、中学生視点でなかなか良い。残りの半年どーすんだよとか笑えた。
随所随所に見てられない的な気持ちも覚えつつ、結構楽しめた。加藤らの部分を減らしてでも、矢崎、清水、佐伯のシーンでもうヒトヤマあっても良かったかな。
幼女Xの人生で一番楽しい数時間

幼女Xの人生で一番楽しい数時間

範宙遊泳

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/07 (月)公演終了

満足度★★★

準備
面白い。100分。

ネタバレBOX

「幼女X」
変な髪型の弟(埜本幸良)と、精神的に起伏のある姉、その娘(幼女)、後々癌が見つかる母が新宿御苑で遊んで、徒歩20分程度の高層マンションで金持ちな姉の夫と飯を食べる。その帰りに母が倒れ、弟は夫のポルスケ(ポルシェ)に傷をつけ、娘のパンツを咥えてオナニーする。
姉の元彼で敵を探し彷徨っている男(大橋一輝)と姉らが御苑で会って、(弟が遅れたせいで)一緒に飯を食べる。結局敵が出ないから学校を覗いて女先生に握手してもらえないし、バイトは首になる。連続幼女強姦魔逮捕の場面に居合わせ、強姦魔に金槌で襲い掛かるも警官らに取り押さえられ、果ては自身の頭をハンマーでボコり死ぬ。

序盤の生まれる準備が出来てないという赤ちゃんの叫びという映像導入が上手い。根底から不安が付きまとう感じ。敵を探してた男の、社会不適合な性質とその母に宛てた手紙という構成がいい。
一転、ややハイテンションな腋臭を気にしちゃう弟が、玉の輿にのった姉(とその夫のオーラ)に戸惑い、わけもわからず、娘への性癖も込みで奇行(変態プレイ)に走っちゃう感は、なんとも言えなくなる。
両方とも、現代的な病みという気持ち悪さが生々しい。
時に姉らの言葉を映すという映像の使い方も面白い。セリフを聞かせるのでなく読ませるのは、(客の持つ)気持ちを増幅させてくれるのかなと。

「楽しい時間」
正直眠くて仕方なかった。

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