満足度★★★★
C。95分。
ネタバレBOX
妊娠した穂積(坂倉奈津子)に、(日本人の子を)産めと願う吉井(伊藤毅)。一方で通訳(寺田凛)?から日本人の誇りはないのかと言われ、ありませんとのたまう面々。
天皇が亡命し、日本人がどんどんいなくなるという世界にあって、個と国というバランスがどうとっていけるかなと。個人として産みたいと思っている?穂積と、将校だったからか国を思って?の吉井の言葉の温度差とか。生きること自体はほぼ保障されている状況で、むしろ次の命をどうしていくか、という意味でも未来の話なんだなと感じた。
満足度★★★★
125分。
ネタバレBOX
東京で映画監督してた泉(秋元雄基)が、母の看病をきっかけに帰省するので、仲間内でバンガロー貸切って歓迎会となるが、ひょんなことから殺伐とした雰囲気になって…。
夢半ばで看病を口実に戻った泉、片田舎じゃ働いてもダメなんだと内に郷土愛を抱えた正人(斎藤マッチュ)、田舎を出て出版の会社に内定した雪(前園あかり)、雪の親友でバツイチで雪の上京にショックを受ける七海(板橋優里)、バンガローオーナーの奥さんで知り合いのいない寂しさを夫にわかってもらえない千秋(Q本かよ)らの、東京と田舎のどっちかに籍(席)をおく人々の群像劇。
人の情なとこもありつつ、笑いもとっていくスタイル。序盤のコメディなとこで笑えると、舞台にもっと入っていけたかな。美桜がトイレに籠るまで派手さはないので、やや冗長な印象を受けたし。後半は、あっちこっちの話を愉快に見れたかな。
泉から美桜(橘花梨)を奪ったとうわさされてる熊野の、泉への嫉妬とか劣等感に、妙にくすぐられた。いいとこツイてるなと。羨まれる泉も、夢をかなえられるかという不安から千秋に弱さをさらし泣き出してしまうとことか、いい展開。千秋の抱擁にビビる泉というとこで笑いを組み込めるはよかった。
泉を抱擁している千秋を見た夫(泉政宏)に、寂しかったせいだぞとかわいく振る舞う千秋と、そんな千秋を責めずにゴメンと言える夫の関係性で暗転するのが、よい終わり方だなと思った。演技的にも夫婦は一番良かったかな。
満足度★★★
B。90分。
ネタバレBOX
捕虜になった日本人(日本兵)の収容所・医務室の待合室。そこに作業をサボる捕虜とか、新入り捕虜とか、通訳とか現地住民とかが入れ代わり立ち代わりやってくる…。
近未来な話。東京とか人口が1/10以下になったとか、横浜ベイブリッヂが落ちたとか、そんな日本に帰れるとも帰れなくもなく、そもそも帰りたいのか帰ってどうするのかとか、人の思考がグルグルするような収容所で、メシはうまくて、でも禁止事項もけっこうあって、けど禁止事項守んなくてという、自由不自由のはざまな状況下の人を描く。
精神的にも地理的にも行き場を見失った人間(日本人)の、ストレスなのか虚無感なのか諦めなのかわかんない空気がほんのり香ってくるようで、いい感じだった。ヒトがどこからやってきたか議論よろしく、ここの人々はどこに向かっていくのかという、興味引くとことか。
話的には、静かーな感じで、SEX・妊娠禁止だけど色々ヤってた穂積(鶴田理紗)が妊娠しおろすか生むかというとこがヤマではあるし、見ごたえあったかな。
セリフはちょこちょこ良いトコでひっかかるのが多くて面白味を感じた。みんな禁止しちゃえばいいのにとか。
満足度★★★★
130分。
ネタバレBOX
公演まで二週間、台本ほぼできていないという稽古場。タイムマシーン機能(人と人を時間と空間を超越して入れ替える)をもったテープを発見し、二週間後の世界から台本を持ってくる劇団員ら。しかし、作演から自分の台本じゃないとダダこねられ、二週間後の世界の作演をこちらに引き込もうとする。しかし二週間後の作演の策略で現在の稽古場を乗っ取られ、一同は台本もない公演前日の世界で途方に暮れる。
なんとか公演を成功させようと一同頑張っているとこに、今度は5年後の世界から転移してきた団員から、客演のインフルエンザの件で公演は中止になるから、現在に戻らない方がよいと告げられる。それでも公演をやろうと、テープはタイムマシンというよりもしもボックスなんだという作演の考えから、現在に戻り最善を尽くそうと、また台本がないとこからスタートする…。
やや長めな公演時間という印象なので、もう20分くらい短くすると良いかな。そうはいっても、かなり笑えたので満足できたけど。
コメディ色は強いけど、人間模様もそこそこ描けてる。もっと色濃くてもいいけど。公演に対する姿勢が強いハマカワとか、公演中止のうえ劇団が解散し、またあのメンバーで公演がしたいと願う5年後の劇団員とか(結局再公演の話はしなかった)、痴漢なアツシとユキの関係とか。
タイムマシーンともしもボックスの特徴という、考えたこともない点をキモにもってきたとことかいい着眼点と思う。自分がそれを持ってたらどう使うかしらと。こんな奇跡的なもの(テープ)を手にして、二週間後の台本を取ってこようと真っ先に考える、座組一同の純粋さがまぶしい。皆、舞台に対する想いは熱いんだなと。
満足度★★★
らまのだ「みそ味の夜空と」55分
ネタバレBOX
ダメな兄と、その妹と、妹と付き合ってる(けどもうすぐ別れる)彼氏と、兄の彼女と、英検を撮ろうとする妹の友達の、微妙な人間関係の距離感を描いた作品。
終盤の兄の彼女と妹の元彼のシーンは好き。なんか前向きな感じがして、なんか許されそうな気がして。
満足度★★★
90分。
ネタバレBOX
難破船の関係者のトラウマとか記憶をたどっていくような作品。
終盤の映像を繰り返すようなとこが、タルいなと感じた。60分くらいで終わるよう構成ならもっと良かった気がするが。
満足度★★★★
120分。
ネタバレBOX
杵山(八嶋智人)…映画とりたい人。国策映画をとっていたが、影響力なしとして無罪判決を受けた。
富美子(川島海荷)…美人局。においで判断する人。自称町の男たちの希望。
石王?柚木?(町田マリー)…闇市の行商。カメラを杵山らに貸す。実は女で子を亡くしていた。
貞野?坊やの哲?(大鶴佐助)…月島の付き人的な人。
今岡(富岡晃一郎)…杵山の相棒的な人。月島にヘッドハンティングされる。
月島(山本亨)…チャンバラ映画の俳優。GHQと時代の流れによりキスシーンのあるチャンバラ映画を撮ろうとする。
戦後、機材もない役者もない中、映画をとりたい杵山が右往左往しつつ、月島の撮影所に乱入していく話。
序盤の水物に始まり、エンタメ色の強い舞台。笑えるとこも多々あっていい雰囲気だった。他の作品に比べ、哲学色は薄い気もするけど。
キャラも濃く、役者の色も濃かった。川島海荷はかわいいし、町田マリーの裁判長姿は美しかった。
満足度★★★
150分。
ネタバレBOX
なんとなくキレが足りない気がした。舞台にノれないというか。
満足度★★★★
110分。
ネタバレBOX
三年前も見たけどあんまどんなだったか覚えてなかったんだけども、由かほるの手塚姿見て鮮やかに思い出した。三年前と見た目変わってないんじゃないかと。
高校卓球部の合宿でのひきこもごも。笑える作品。もうちょい削れるとこある気もするけど満足した。
満足度★★★
『いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した』60分+舞台セッティング5分。
ネタバレBOX
瑠璃色(森本華)…絵を書くのが好き。グンジョーに恋してる。
茉莉(多賀麻美)…ゴシップ好き。あんま自分の話はしない。
海荷(田中美希恵)…太郎と別れて傷心中。パン派。
海荷の好きになる人を探そうとベンチに座りダベる女子高生3人。先生に怒られてるグンジョー君がいいんじゃないかとか、短歌をあらゆる物の裏に書き込む誰かを考え、盛り上がり、軽音部から聞こえる「青春」(ハイロウズ)を熱唱する…。
他愛もないことを非合理的にワイワイ楽しめる、そんな若い感覚がまぶしい作品。それでいて笑いもとれてた。
終盤のしっとりとしたシーンのとこは、もうちょいひきつける何かがほしいかな。瑠璃色がグンジョー君を写生するシーンの表情はうまいと思った。なんか幸せな感じがしてて。
「いつ高」初めてみるけど、面白いコンセプトだなと思った。
満足度★★★★★
面白い。80分。
ネタバレBOX
イヌイ(田代尚子)…犬を見たことないOL。
ネコタ(石澤美和)…イヌイの同僚。マユコのために犬の真似をしてあげる。夢はダイエット。
イヌイ兄(根津茂尚)…子供じみたニート。犬を飼うことに反対。ザリを大量に飼う。
イヌイ兄の妻(篠本美帆)…イヌイ兄同様、子供じみたニート。猫派。
イヌイ妹(松本みゆき)…良識的なひと。先見の明もある。
タカギ(園田裕樹)…イヌイの会社の係長。クイズにニアピンし課長になる。
カワマタ(澤唯)…イヌイの会社の課長。タカギとのクイズ勝負に負け係長となる。
マチダ(世界野雄一)…イヌイの会社員。ドッグトリマーだかになるのが夢で、退職した。
マキ(福崎望)…イヌイの友人。ズレた人。イヌイと野良犬探しに出て噛まれた。
キミコ(松木美路子)…イヌイの友人。良識ある人。
レフア(三瓶大介)…イヌイの友人。かまバー勤務。
アキヤマ(宮本奈津美)…イヌイの会社の部長。社長への説明資料は、漫画、絵本、紙芝居だけど、わかりやすいと好評。
ワニブチ(渡辺裕也)…イヌイの会社社長。娘を溺愛している。
ワニブチ娘(野村梨々子)…演劇やってる大学生。将来は社長の座が約束されているが、頭もよく弁もたつ。
犬を見たことない(意識したことない)イヌイが、犬を飼おうとする話。
イヌイのあっけらかんとした笑顔が終始魅力的で、アホな設定とかみ合ってた。ラストのテーブルで犬の真似して「これが中型の犬です」と〆る際の表情もよい。
イヌイ兄のイエーイの幸福に満ち満ちた表情が最高。けど、きっとちょっとしたら帰ってくるんだろうなと思わせるダメっぷりもよい。
タカギ、カワマタ、アキヤマ、ワニブチのネタも面白かった。アキヤマの抜けた声質とみょうちくりんなキャラがあってる。アキヤマのイス蹴とばしの2回目は急きょの演出かな。1回目の暗転する中指さすタカギが、いい仕事してる。
いい舞台だった。
満足度★★★★
面白い。75分。
ネタバレBOX
勝浩(用松亮)…高校教師。美希子とは同居するも疎遠。美希子のことは妹として、教え子の若菜と付き合っている。
若菜(板橋優里)…高校三年。実母がダメ女で金を無心され、祖父母に養ってもらっているという、色々抱えた女子高生。勝浩にダマされていたと知り失踪。生死不明。
美希子(Q本かよ)…勝浩の妻。不倫したことを契機に勝浩に愛想つかされるも、復縁を夢見ている。若菜の前に姿を現し若菜の心を打ち砕いた。
小谷(池内風)…高校教師。実直で若菜らからはキモち悪がられ、勝浩からはめんどくさいといわれる。
真子(岡本唯)…若菜や弥ゑの友人。
弥ゑ(岡奈穂子)…若菜や真子の友人。若菜のことを気遣うが、若菜の最期の電話を取らなかったことを後悔する。
節子(坊薗初菜)…高校教師。口紅がいつもはみ出している。勝浩と若菜の噂話を聞き、勝浩にクギをさし、若菜に気を付けろと忠告する。
70分という短い時間で奥行を感じさせる舞台に仕上がってた。それぞれが抱えている心のささくれ立ったような感じとか、ピリっとしたとことかね。コメディなキャラの小谷も、見方によっては苦労人で抱えている人だし、節子もなぜか青タンこしらえているし。そんな中にあって、用松とQ本の仮面夫婦の距離感がうまいなと思う。
完全に愛想つかされているのに勝浩のもとを離れず、やりたいと告白するとことか、好きにさせてもらったと不倫現場にアタックするとことか、儚げな空気を湛えてるように見えるくせに、美希子のメンタルの強度は並みじゃないなと。後日談的なとこで子供の話をしてた勝浩だけど、美希子との子だろうなと、素直に思った。
満足度★★★★
95分。
ネタバレBOX
木村(蔵園千佳)…悦な表情は魅力的なのは相変わらずで、上に立った際は堂々としててよい。逆に弱弱しいとこでも引き込んでほしかった。声の表情は結構よくなってた。
熊田(込山弘一)…いい感じ。けっこう好き。
大山(池田大輔)…さっぱりした顔つきでややパワフルさが足りない気もした。けど、浜辺の前のシーンとかいい表情見せてて好き。
万平(今宮稜正)…いい感じ。
コメディなとこもしっかりしてたし、悪くない。ただ、ジーンとくる感じが少なかったかな。
満足度★★★★
E。95分。
ネタバレBOX
木村(有本恵)、熊田(込山弘一)、大山(岡澤由樹)、万平(川口徹治)
2回目。以前より良くなった感はある。女1が男3を圧倒するパワーがあるとなおよい。有本はかわいいが、それだけで終わらないといいなと思う。
満足度★★
85分。
ネタバレBOX
太宰作品の引用?で紡がれる舞台のような感じ。興味持てなかった。
満足度★★★★
G。95分。
ネタバレBOX
木村(浅野鼓由希)…声の調子に気持ちが乗るともっと魅力的。けどニコニコフェイスな感じと合ってて憎めない感じかな。ニコニコ顔がもっと活きるよう、マジ顔とか憎しみとかの表情が磨かれるとなお良い。
熊田(込山弘一)…熱さも寂しさもあってよい。
大山(岡澤由樹)…いい顔つきだなと思う。
万平(川口徹治)…小ネタとか豊富でよい。
いい感じの舞台だった。気に入った。ズバっとをちょこちょこはさんでくるとことか。皆魅力的な演技できてたのではと思う。ダンスもけっこうしっかりしてたように見えたし。
満足度★★★★
N。100分。
ネタバレBOX
木村(鈴木万里絵)…いろいろサマになってた。トップになっちゃるのトコはもうちょい迫ってくる感がほしいかな。
熊田(川口徹治)…熊田っぽい熊田。弱さが滲んでて好き。
大山(関屋裕太)…情的な演技ができてた。
万平(此村太志)…余裕のある演技ではある。バランスよいというのか。
卒業生とは違う舞台を作ってた。ズドンと重い感じがあると好みだけど。
満足度★★★★
L。95分。
ネタバレBOX
木村(高橋枝李)…悪くはないけど、アクの強さがほしいかな。単純に強さ的な感じが。
熊田(高杉久志)…主張的な感じが弱いかな。鬼気せまる感とかね。
大山(大石拓磨)…堂々とした印象。なかなか良い。
万平(山口将也)…万平演技も李大全演技も上々。もっと良くしてもらいたいけど。
浜辺のシーンとかけっこうよかったし、全体通してもけっこうよかったかな。
満足度★★★★
80分。
ネタバレBOX
カジュアルな作品で楽しめる。
横山彰乃と高橋萌登がモノ憂げに眺める中踊るKENTARO!!のソロシーンが、照明やBGMも手伝って、とても美しかった。
満足度★★★★
面白い。80分。
ネタバレBOX
宮部純子が天明留理子と川隅奈保子と一緒に芝居を作っていくというテイの作品。
ファミレスだかカフェだかわからんシーンから大阪の万博、民博を経由し、三姉妹の話からウズベキスタンをちょっと経由し、サンタルチアを歌って〆る。妙なユーモアが溢れ、空気感が作られてたせいで、あっちゃこっちゃに飛んでも受け入れられる舞台になってた。
意思があれば死ねるという宮部に、じゃあ意思があれば結婚できるという天明のやりとりが異色な哲学さを纏ってて好き。